ほろ酔い甲子園 2017春

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昨日は選抜高校野球の準々決勝に行っていた。
実を言うと初日にも行っていて、文章も書こうと思っていたのだが、WBC(ワールドベースボールクラシック)の方の記事を優先させたりもあってと、ついぞ書く気を逸してしまった。

スコアだけではわからないけど、内容的には色んな事があったから結構面白い試合が多かった。

至学館の監督が試合終了に不満があったようで、選手を整列させなかった時は、球場内に不穏な空気が漂ったりしてね。
でも、あれは完全なランナーの守備妨害。打球が飛んできたサードに、視界に入っていないランナーをよける事は不可能なのだ。だから、至学館の監督は抗議する筋合いではないのである。

日大三高と履正社の優勝候補同士の戦いもスコア以上に見応えがあった。一歩間違えれば、結果は逆だったかもしれないような試合展開だったのだ。

ではでは、久し振りの甲子園レポートです。

毎年、甲子園詣をするようになってから随分と経つ。多分、少なくとも15年くらいは連続して訪れていると思う。
昔は、毎年何人かでやって来て、朝っぱらから酒を飲みながら、高校生を肴に全試合が終わるまで飲み続けたものである。飲酒継続時間は最低7時間は下らなかった。長い時で連続飲酒13時間ってのもあったなあ…。
当然、(@_@;)ベロ酔いである。だから、会話も最低だ。毒づく事も多々あったし、全員黒人の高校生チームとか男装した女性チームとかを勝手に登場させたり、高校野球ホモ物語まで語りだす輩(やから)までいたりして、もう下卑た会話が延々と続くのである。ハッキリ言ってサイテーの観客である。

そう云う事を反省してか、最近は極力一人で出掛けるようにしている。それにアホどもといると、試合そっち除けになりがちである。オジサンは純粋に高校野球を楽しみたいのである。
とは云うものの、アメブロに『ベロ酔い甲子園』と題して、何本かサイテーの文章を書いてたりするんだけどネ。たとえ一人でも、飲みだすとその場で言葉には出さないものの、結局心の中は輩(やから)なのである。

えー、今回は極力ベロ酔いおバカ男と化さぬよう、ほろ酔いでいくのだ。

午前8時45分。甲子園駅に到着。
第1試合は8時半開始予定だから、既に始まっている筈だ。しかし、ベテラン観戦者はダイエーに直行する。あっ、今は買収されてイオンになってるんだっけか。そのうち世の中は全てイオングループ化してゆくのだろう。恐るべし蹂躙度である。嘆かわしいことだ。
とにかく、試合よか酒なのである。しかも、球場内の酒はボッタクリなので、望むはスーパーの安い酒。
売り子のお姉さんに軽口を叩く喜びよりも、優先されるのは安さなのである。規模こそ違え、世界経済もワシも目指す所は同じコストダウンの道なのさ。

ビールのロング缶2本と酎ハイのロング缶を2本、そして手羽中の照り焼きを買う。惣菜コーナーとは別の鶏専門店のものなのだが、コレがメチャ旨。しかも、作りたてホヤホヤだ。
但し、個人的好みとしてはこれの兄弟分の塩ガーリック味の方が更に上をいく美味さだと思っている。
だが、おばさんに無いの❓と訊ねてみると、ダイエーじゃなくなってから姿を消してしまったという。イオングループ的世界に於ては、常に優先されるのは経済的理由なのである。イオングループの世界制覇は近い。

球場に向かう。

いつまで経っても、蔦だらけにならんなあ…。
甲子園といえば、昔は蔦のからまる姿が代名詞だった。自分的には、あっちの雰囲気の方が断然好きだったんだけどなあ…。昔の甲子園の姿なんて、みんな忘れちやったんじゃないの❓
時代は常に大事な事を置き去りにして進んでゆくのだ。

前回は満員だったから外野に回ったが、今日はどこのスタンドのチケットもまだ販売されていた。
迷わずバックスタンド席(中央特別内野自由席)のチケットのブースにいく。

だあ~れも並んでなくて、簡単に買えた。
✌ラッキーちゃんだ。日頃の行いが悪くても、ラッキーな人はラッキーなのだ。
因みに、料金は二千円。プロ野球のチケットと比べれば激安である。しかも何試合も観れてのこの値段なのだ。甲子園は、最高のリクレーションである。

本日の準々決勝の対戦カードはこんな感じ。

高校野球で一番見応えがあるのが、準決勝。二番目は準々決勝とされている。残ったチームの実力が均衡するので、好ゲームが期待されるからだろう。
但し、選抜では準々決勝に関してはあまり当てはまらなかったりもする。夏の大会と違って出場校数が少ないから、2回勝てばもうベスト8なのである。中には運だけで勝ち上がるチームもあるだろう。
因みに、なぜか春でも夏でも決勝戦は意外とワンサイドゲームになったりする。思ったほど接戦は少ないのだ。

球場内に入る。

この通路からスタンドに入る瞬間が好きだ。
特にバックスタンドの時が一番好きである。
アルプススタンドの応援する音がワッと耳に入ってきて、目の前の視界が一挙に広がる。これが堪らない。甲子園にやって来たという実感が、満身にジワリと漲(みなぎ)ってゆくのだ。

三塁側の席に陣取る。
グラウンドはかなり近い。

試合は既に3回裏まで進んでいた。
スコアボードには0が並んでいる。

早速、ビールをグビグビいく。
(≧∀≦)きゅぅー。
やっぱり昼間っから飲むビールって最高だべさ。
ツマミは早速のところの手羽中の照り焼き。

まだ仄かに温かくて、メチャ旨だよ。
手羽先ではなくて、手羽中だから食べやすいし、肉もたっぷり付いている。しつこくない甘辛いタレが絶妙だよ。

5回表履正社の攻撃。
ツーアウト・ランナー1塁でセカンドゴロエラーが出て、さらにフォアボールで満塁に。
ここでワイルドピッチ。ピッチャーの暴投で履正社が1点を先制する。さらには連続で2塁打が出て、5―0になる。
もし、エラーが無ければ無得点だっただけに盛岡大付属としては痛いところ。
甲子園の神様はエラーに対して事の外(ほか)厳しい。なぜか点数が入るのだ。

6回表。
ツーアウト・ランナー2塁の場面で、履正社の4番打者安田が打席に入る。東の清宮(早稲田実業)、西の安田と謳われるくらいの評判の強打者だ。但し、これまでの試合ではあまり打てていない。
だが、打席に入って直ぐにモノ凄い当たりを打った。打球はセカンドのすぐ上をライナーで越え、あっという間に外野の奥まで転がった。とんでもない速さだ。
あんな速い打球、あまり見た記憶がない。凄いわ。
これで6―0。

一方、盛岡大付属は6回裏を終わってノーヒット。
残された攻撃は、あと7、8、9の3回だけ。下手したら、ノーヒット・ノーランとかパーフェクトゲームになるかもしれないと思うと、ちよっとo(^o^)oワクワクしてきた。歴史的な試合に立ち会える事なんぞ、そう滅多には無いことなのだ。

しかし、7回裏。先頭打者がいきなりレフトへの大飛球を放った。切れろと願ったが、ポールの右横を越えてゆくのがハッキリと見えた。
初安打がまさかのホームランである。これで6―1。

以後、さらに履正社が2点加え、盛岡大はチャンスらしいチャンスも作れず、結局8―1で履正社の完勝に終わった。

第2試合は席を移動することにした。
一人だと席はどこなと空いているもので、わりかし自由に移動できる。

今度はやや一塁側寄りの正面上側に座った。

ここだとグラウンドの全体像が見えるので、試合の流れを把握しやすい。守備位置も確認しやすいので、チームの戦略意図が明確に解るのだ。
例えばランナーが1、3塁にいる場合、内野が前進守備だとホームでランナーを殺すつもりで1点もやりたくないと解るし、中間守備ならダブルプレーも狙っていることになる。
外野も前進守備なら1点もやりたくないだろうし、通常の守備位置や深めなら長打警戒である。つまり1点くらいならくれてやってもいいから、大量失点だけは避けたいというのが解る。

2本目のビールに突入する。
今日は1試合1本のペースを守る事にした。夏ならば少々のベロ酔いでも汗で外に出てゆくけど、春はナメてたら酒が思いのほかに(@_@;)まわるのだ。
『もう、それくらいにしといたら。』と優しく叱ってくれる彼女もいないのである。
自己責任。🎵ジコセキニーン。

ツマミは枝豆を投入。

昨日、今日の為に買ってきて自分で茹でた。
こんな事をするのは初めてである。それだけ我が家計は困窮を極めているのである。

第2試合は福岡大大濠と報徳学園の対戦。
一昨日は延長15回、昨日は9回を一人で投げきったエースピッチャーはマウンドにいない。将来ある高校生、当然じゃろう。
でも、報徳の圧倒的有利にはなるから、下手したらワンサイドゲームになるかもしれない。多分、福岡大大濠は地方大会も含めて、全イニングをエースが投げてきているのだ。それだけ、エースと他のピッチャーとの力量差が大きいのだろう。

1回裏、報徳の攻撃。
1アウト・1、2塁でタブルスチール敢行。2、3塁になって、ライトにポテンヒットが落ちて1点先行。

3回裏にはランナーを1塁に置いてバスター・エンドラン。打球は前進してきた三塁手の頭を越えて、1、3塁とチャンスが広がる。1回のダブルスチールといい、この監督攻めるよね~。こういう果敢に仕掛けてくるチームって、面白くて好きだ。
そして、連続ヒットが出たりして、結局この回3点を追加して、4ー0とリードを広げる。

福岡大大濠は5回表にランナー2塁でショートのエラーが出て、1点を返す。ショートは再三好プレーをしてピッチャーを救っていたので、ダブルプレーでチェンジかと思ったけど、わからないものである。
でも、ゲームが動いた方が観る方は面白い。
昔はどっちかのチームに肩入れしていたものだが、最近はあまり強くどちらかを応援する事が無くなった。ようするに、試合が面白ければ何だっていいのである。

大濠は6回にも1点を加点するが、何れも裏の回に報徳の反撃を許し、スコアは7ー2。報徳優位で進んでゆく。

大濠は6回裏にも1点返して、食い下がる。
こうなると、ちよっと大濠を応援したくなる。点差が縮まればエースが出てくるかもしれない。エースが出てくると、俄然試合の流れが変わってくる事があるのだ。

昔、松坂大輔がいた横浜の春夏連覇した時の夏の大会の準決勝・明徳戦をふと思い出す。
ベンチは前の試合のPL学園戦で延長17回を投げ抜いた松坂を温存。結果、横浜は終盤まで劣勢を強いられる。だが、8回くらいから松坂がブルペンに投球練習に行った。それで球場の雰囲気が一変。松坂が腕のテーピングを外した時は痺れたね。で、松坂が最終回を投げての大逆転の勝利。信じられない結末にジーンときたものである。しかも、翌日の決勝戦にはノーヒットノーランまでしての優勝。思わず『マンガかーい⁉』とツッ込んだものである。

8回、その福岡大のエースがブルペンに行った。
波乱が起きろと願う。
だが、8回裏に報徳にホームランが出て、8ー3になった。これでほぽ万事休す。エースの登板も結局無かった。

第3試合は、秀岳館VS健大高崎。
この試合が最も楽しみだった。激しい撃ち合いを予想したからだ。両者譲らずのドツキ合いみたいな試合が一番おもろいんである。
特に機動破壊と言われる健大高崎には走り回って掻き回して貰いたい。あんだけ盗塁をするチームは他に無いから楽しみである。盗塁もまた野球の醍醐味なのだ。
と云うワケで、盗塁をジックリ観れる1塁側の前に陣取りなおす。

ブッちゃけ、秀岳館は嫌いだ。
あの黄色いストッキングがイヤらしいからだ。ユニフォームで応援するチームを決めるという事はままある。変なユニフォームのチームには感情移入しにくいのだ。
それに秀岳館にはあまり良い印象がない。今年のチームはどうなのか知らないけど、以前は熊本のチームなのに、ほとんどの選手が関西出身という事で批判を浴びていたのだ。それに監督も評判が悪くて、就任する時に自分の教えていた関西の少年野球チームをごっそり熊本に連れていったらしい。まあ、法律にもとるワケではないから問題ないっちゃ、問題ない。でも、もしワシが熊本県人なら決して良い気はしない。オラが郷土のチームを応援したいのに、リトル関西のチームに思い入れなど持てるワケが無いのだ。

3本目はアルコール度数9%の酎ハイである。
健大、いったらんかいワレー(*`Д´)ノ!!!
秀岳館をメタポロに粉砕したれや❗
うーむ、段々酔いがまわってきて、どぐされ状態になってきたわい。

だが、好走塁と暴走は紙一重。
建大高崎、大事なところで走塁ミス。
で、相手ピッチャーのスライダーとストレートにキリキリ舞い。
見所なく9ー2の惨敗に終わる。
秀岳館、強いわ。三期連続ベスト4は伊達じゃない。

第4試合は、東海大福岡VS大阪桐蔭。
更に真ん中寄りへと移動する。

試合前のノックを真面目に見るのは面白い。
そのチームが普段いかに鍛えられているのかが解るからだ。ノックである程度チームの力の差が見えるから、試合の結果も予測しやすいところがある。でも、勝負は時の運だったりもするから、その通りにいかない時もあるんだけどね。

あと、ノックは監督の見せ場でもある。監督によって、ノックが上手い下手が如実に出るのである。
あっ、大阪桐蔭の西谷監督が嬉しそうにバットを持って出てきたぞ。あんな太っちょなのにノックするのかえ❓てっきり、コーチか何かにやらせるとばかり思ってたよ。

だが、西谷監督のノック、何だか打球がユルい。
こんなんで外野に打球を飛ばせるんかい⁉と思ってたら、内野のノックだけして、さっさとコーチに交代。
Σ( ̄ロ ̄lll)えーっ❗、だったら最初からコーチに任せればええやん❗❓
その代わったコーチのノックがまた上手い。
内野のエラーが出たら、監督のせいや(笑)

4本目もストロング酎ハイ。
アテは、昨日半額で買った扇形ハムと自分で炊いたカオ・マンガイ(海南鶏飯)。ようするにタイ風蒸し鶏乗っけ飯ですわ。それをおにぎり3個にした。

美味いけど、全然甲子園にはそぐわん。
嗚呼、甲子園カレーが食いたい。
隣のオッサンの甲子園カレーの匂いが、堪んないよ。
甲子園といえば甲子園カレー。これが甲子園で食うと、何だかやたらと旨いんである。
しかし、貧乏人はグッと我慢の子なのである。おにぎり3個にカレーはまた肥ること間違いなしだ。
西谷監督の体型にはなりたくない。

あっ、西谷監督をさっきから揶揄しているように見えるが、そんな事は断じてない。何てったって、夏も春も全国優勝している名将なのである。しかも、その勝率は並みいる名監督をブッちぎっておる。尊敬しないワケがないのだ。
でもって、世のホモセクシャルのデブ専には絶大なる人気があるらしい。その体型と妖しい流し目がマニアには堪らんのだそうな。
モーホーじゃないけど、自分も西谷監督は❤好きです。
因みに、西谷監督以外に注目しているのが、スーパー2年生の根尾くん。ショートとセンター、ピッチャー、あとどこだっけ?とにかく4つのポジションをこなす四刀流らしい。

何だか空が青いなあ。

応援してる若者たちも青春だな。

戦前の予想では大阪桐蔭の一方的な展開になるかと思えたが、相手ピッチャーの好投でスコアボードに0が並んでゆく。

ようやく点が入ったのが、5回裏。
ラッキーな内野安打とライトライン際に落ちるヒットが出て、1点先制。
さらに7回に2点を加えて0ー3とする。
それにしても、西谷監督ってエンドラン好きだなあ。それが今日は結構ハマっている。

しかし、8回表ツーアウトから東海大福岡の4番打者に長打を打たれて2ー3と1点差に迫られる。そして、なおもランナー2塁。一打出れば同点のピンチだ。予想外にも、この試合が一番面白い展開だ。
しかし、次打者がファーストゴロに倒れる。

その裏、大阪桐蔭はダメ押しの1点を加えて2ー4に。
結局、9回表の東海大福岡の攻撃はあっさり終わって、大阪桐蔭が勝利する。

(@_@;)ふぇ~、酔っ払っただすよー。
ベロ酔いとまではいかなくとも、充分泥酔赤目男じゃよ。

足早に球場を出る。
早く電車に乗らないと、観客でごった返すのだ。
人混みは大嫌いなのだ。

急ぐ足で、ちらりと桜の樹に目をやる。
だが、まだ蕾だ。
でも、決勝戦の頃にはきっと花を咲かせるだろう。
毎年、決まってその頃に開花するからだ。
そういえば十年程前の決勝戦、済美VS名電工の試合が終わった後は夜桜になってた。でも、スゴく寒かったっけ…。
今年は、果たしてどのチームとどのチームが決勝戦に残るのだろう。
そして、どのチームが紫紺の優勝旗を手にするのだろうか❓
そんな事を思いながら、駅へと急いだ。

追伸
結局、決勝戦に残ったのは履正社と大阪桐蔭。
同都道府県同士での決勝戦は、実に45年振りだそうである。そして、大阪同士の決勝戦は初めてなんだってさ。大阪人としては、どっちが勝っても大阪が優勝なんて贅沢過ぎるよね。
あっ、そういえばこれで都道府県の選抜優勝回数トップの愛知県に並ぶのが確定的なんじゃねえの?夏はトップだから、春夏トップの完全制覇だよん。

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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