パタライナズマ Euthalia patala(前編)

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パタライナズマ Euthalia patala を展翅板から外した。

パタライナズマはEuthalia(ユータリア)属・Limbusa亜属の最大種である。Limbusa亜属は緑色系大型イナズマチョウ群の総称で、ヒマラヤから台湾にかけて分布する。

Limbusa亜属の最大種ということは、ようするにユータリア属の最大種って事でもあると思う。知識が足りないので、間違ってたらゴメンなさい。

英名はGrand Duchess 。日本語に訳すと「偉大なる公爵夫人」。でも、Duchessは未亡人を指す言葉のようだから、むしろ「偉大なる大公妃」とか「偉大なる皇妃」と訳すのが正しかろう。もっと解りやすく言うと「公国の偉大なる女性君主」って事だね。その姿に相応しい名前だと思う。
分布はインド辺りからインドシナ半島北部にかけて生息するようだ。調べた限りでは、インド、ネパール、ブータン、ミャンマー、タイ、ラオス辺りから得られている。ベトナムや中国西部にもいるかもしれないけれど、資料が少ないから何とも言えない。因みにLimbusa亜属のチョウは、何れの種も産地が限定され、局所的。発生期間は短く、しかも個体数が少ないそうだ。パタライナズマも例に漏れず、分布は局所的で一応、珍品の部類に入ると思われる。

先ずはタイ北部チェンマイの奴。

(2016.3月 Thailand Changmai )

お次はラオス北部のウドムサイのもの。

(2016.5月 Laos uodmxay )

タイのものより一回り小さい。タイのは♀だったっけか?…。
あれっ??、♂♀基本的に同柄だった筈だけど、どう見分けるんだったっけ?

あっ、そうだ、そうだ。思い出した。紋が白いのが♀で、黄色いのが♂だったわ。あと、♀の方が下翅の湾曲がより円くなる傾向がある。

タイ産もラオス産もp.taooanaという亜種に含まれる。原記載のp.patalaはインド周辺のものを指すようだ。因みに、p.kikuoiとp.lengbaという別亜種らしき記述を見つけたが、どこの産地のものかは分からなかった。

一応気になるので、2014年に採集したものも確認してみよう。

上が表で下が裏面です。

何か触角が気にくわないので、調整しなおす。

(2014.4.2 Laos uodmxay )

デカ♀。開張93㎜もある。

ついでに♂もやり直す。

やっぱり紋は♀が白くて、♂が黄色っぽい。

コチラはデカ♂。開張85㎜。

まだ6、7頭あるが、他は翅の欠けが激しいので、これくらいにしておこう。飛ぶのがバカっ速い種なので、翅の損傷が激しいのだろう。全部鮮度がそこそこ良いのに残念なりよ。意外と完品は採れない蝶なのかもしんない。

裏面も展翅しなおした。

パタラは裏も美しい。淡い翠色で、とても上品な色合いなのだ。下手したら、裏の方が美しいかもしんない。

上は晴天の時に撮ったもので、下は雨の時に撮ったものなんだけど、随分と印象が変わる。ちよっとした光の関係で、彩度にかなり差が出るのだ。スマホの写メだから、その辺は致し方ない。しかし、その美しさが十全に伝えられていないのは何だかなあ…。

ならばと、撮った直後の写メを探してくる事にした。

つづく

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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