2020’青春18切符1daytrip春 第三章(1)

 
第一話
無駄無駄パンチ、大人気ないのねんのねん

 
 2020年 4月8日

青春18切符の旅、3日目である。

この日は西を目指した。
大阪駅から東海道線に乗り換え、加古川駅まで行く。
東海道線は新快速とか走ってるから速くて助かるけど、加古川辺りまで来ると流石に遠方感がある。

 

 

 
ここで加古川線に乗り換える。
時刻は朝7:52。
今日も空は気持ち良く晴れわたっている。

 

 
ここで8時発の西脇市ゆきに乗る予定だ。
それにしても、電光掲示板下の「厄神」ってのはスゴい駅名だな。不幸の吹き溜まりじゃないか。

 

 
へぇー、車体が濃い緑なんだね。あまり関西では見ない電車の色だから新鮮だ。たぶん加古川線に乗るのは初めてだ。未知なことは楽しい。((o(´∀`)o))ワクワクする。

車両に乗り込む。
ここで妙なところにヒットする。さておき西脇市ゆきは8時ちょうど発じゃないか。それに脳ミソが勝手に反応してしまう。

🎵8時ちょうどの あずさ2号で
🎵ワタシはワタシは貴方から 旅立ちーますぅ〜

気づいたら、狩人の『あずさ2号』を口ずさんでいた。
アホは続いて「ワタシ」の後ろを言い換えて再び口ずさむ。

🎵は〜ち時ちょうどの〜 あ〜ずさ2号で〜
🎵ワタシはタワシは貴方から〜 た〜び立ちーますぅ〜

あまりにもチープな駄洒落だ。しかも「〜貴方から」のところで一旦止めて溜めを作ってからの「旅立ちーますぅ〜」の全開放なのだ。そのアホさ加減に自分でも吹き出しそうになり、下を向いて肩をヒクつかせながら必死で笑いを噛み殺す。しまった…、こんなところで恥を晒すワケにはゆかぬぞよ。
で、ひとしきり笑いの渦が去ったところで、顔を上げて恐る恐る周囲に目をやる。もしも誰かが見ていたら、気味悪がられてるんじゃないかと思ったのだ。朝の電車で中年のオッサンが一人を肩を震わせて笑いを懸命に堪えている姿は、相当に不気味だろうからね。
幸い車両の端っこに一人座っている女子高生は、スマホを何やら一心不乱にタッチしているからセーフそうだ。
女子高生に嫌われるのは絶対ヤダ。傷つくもんね。中年のオッサンはナイーブなのだ。

電車は長閑な春の里山をゴトリゴトリとのろのろ走ってゆく。
やがて見たことがあるような風景になった。もしやと思って車内の路線図を見たら、次は粟生駅だった。そういや粟生駅から加西市のギフチョウポイントまで元カノと歩いた事があるな。
いや、待てよ。粟生駅で思い出した。前言撤回。加古川線には乗ったことあるわ。新開地から神戸電鉄に乗り、粟生で加古川線に乗り換え、青野ヶ原駅までという短い区間だったが乗ってる。青野ヶ原には、まだ蝶採りを始めて間もない頃にヒメヒカゲとウラギンスジヒョウモン(註1)を採りに来たことがあるもんな。正確に言うと、ヒメヒカゲもいるとは知らなくて、上から降りてきた人に教えてもらったのだった。
両方とも数が減ってると風の噂で聞いたけど、まだ生き残ってるのかな❓ 元気でいる事を祈ろう。記憶にある蝶たちが消えてゆくのは偲びない。

 

 
8時50分過ぎ、西脇市駅に到着。

 

 
春爛漫。まだ桜は満開だ。

駅でバスの時刻表を見ると、出たばかりだった。
たぶん本数が少ないので、歩いてもバスに乗っても目的地への到着時間は変わらんだろう。だったら少し痩せないといけないし、交通費も浮くから歩くよ。その浮いた金を、例えば「老祥記」の豚まん代とかに回せるしね。それにそもそも、待つのが大嫌いな男なのだ。待つのなら、死んだ方がマシだとか言ってるくらいのせっかちな人だからね。

今回も目的はギフチョウである。
しかし、隣接する加西市や小野市には行ったことはあるけど、西脇市は初めてだ。しかも情報はあまり持ってない。知っているのはポイントの地名だけで、詳しい場所までは知らない。でも何とかなるっしょ。まあまあ天才なんだから(笑)。
巨漢プーさんが、昔よく行ってた場所だから、登りはそうキツくはないだろう。となれば、比較的なだらかな地形を探せばよかろう。
いや、待てよ。その頃のプーさんはまだ膝を傷めていなかった筈だよな。或いは、現実はそう甘くはないのかもしれん。

九時半前。
やがてポイントの山が近づいて来た。しかし思いの外に高く、山容は険しい。傾斜はキツそうだ。山頂待ち、尾根待ちするとすれば、それなりに汗をかかねばなるまい。めんどくせー。
一方、左手の山は比較的なだらかだ。そっちにもいるだろうと判断した。たぶん雑木林の中にも飛んでいるだろうから、山頂や尾根まで登らなくても済むだろう。必死になってまでギフチョウを採りたいワケではないから、ゆるい男は楽な方を選ぶのじゃ。

9時40分。山裾まで来た。
ここまで約1時間足らず。とゆう事は、5km以上は歩いた計算になる。まあまあ遠かったもんなあ。

 

 
ギフチョウ日和だ。
雲雀が空高く舞い上がり、陽気な声で歌っている。
桜も咲いてるし、あちこちで若緑が萌え始めている。つくづく春だなあと思う。何だか心がほっこりするよ。

しかし、山へ入る道が見つからない。一本だけ有ったが、入口がネットで塞がれている。入るなって事だろう。トラブルはヤだし、先へと進む。けど、道が無いぞなもしー。
途中、婆さんに道を訊ねたが、御高齢過ぎて要領を得ない。仕方なく更に進むが、見つからん。おいおいの展開である。

ネットで塞がれてた山道まで戻ろうかと考え始めたところで、やっと山へ向かう道を見つけた。

 

 
神社を過ぎると、奥で網を持った爺さんが立っていた。
V(^o^)vラッキー。とゆう事は、ここには確実にギフチョウがいると云う事だ。

挨拶して、色々と情報をお訊きする。
どうやら此処は数は多くはないらしい。昔と比べてかなり減っているという。しかも放蝶もしてるのに、その程度だと言う。
放蝶と云う言葉に一挙にヤル気が失せる。養殖モンを追いかけ回すって、どこか滑稽な気がして萎えるのだ。それに何だか泥棒っぽい。上で放流した魚を下流で獲ったら、どう考えてもズルくて悪い人だもんね。
まあいい。それでも此処のは採った事が無いんだから記念に採っておけばいいじゃないかと思うことにした。それに別に標本が沢山欲しいワケじゃない。そもそもが自分にとっては虫採りは狩猟ゲームであり、スポーツなのだ。そこのところに血湧き肉躍るのだ。正直、チマチマしてるから展翅も嫌いだし、飼育も苦手な性質(たち)なのだ。

暫くして爺さんは他の場所の様子を見に行くと言って、去っていかれた。
精神をリセットして、五感を研ぎ澄ませる。
待つのは嫌いだが、絶対飛んで来ると云う確信をもって待っている時間は好きだ。そこには((o(´∀`)o))ワクワクしかないからだ。スイッチが入り、コンセントレーションが高まってゆく感じはエクスタシーへの序曲(プレリュード)だ。そして、その先には大いなるカタルシスが待っている。これがあるから虫捕りはやめられない。
しかし、いっこうに女神は姿を現さない。天気も気温も上々だし、ゴールデンタイムの時間帯なのに何で❓やはり爺さんの言うとおり数が少ないのかな…。

午前10時45分。
視界の右端っこで何かが動いた気がした。
素早く向きを変え、凝視する。一拍おいて、ふわっと地面から飛び上がる姿を目が捉えた。瞬時に駆け出す。距離を一挙に詰めて、乾坤一擲、💥秘技ルーム&アンピュテート❗
トラファルガー・ローの必殺技をイメージして、網で空間を蝶ごと切り取る。

 

 
今日の1頭目は、珍しく♀だ。美しい。
武田尾のギフチョウとはまた違って、黄色い部分が広くて明るい感じがする。そういや、加西市や小野市のギフも黄色かったような気がする。
でも1頭だけでは傾向を断定できない。もっと採らないと比較対象の材料にはならんのだ。

 

 
一見派手で目立つデザインのように見えるが、ギフチョウは枯れ草の上に止まると消える。ミラージュ効果で枯れ草と同化して見失うのだ。
こうして背後の環境が写っている画像だと、その一端を御理解戴けるかと思う。隠遁術のレベルは思いの外に高いのである。

裏面は、こんな感じ。

 

 
さあ、ここからが祭りの始まりだと意気込んだが、何故か後が続かない。仕方なく、その辺に足を投げ出して座り、ファミマで買った🍙おにぎりを食う。

 

 
「日高昆布」と「魚卵づくし」。
魚卵づくしかあ…。魚卵好きだから迷わず買ったんだよなあ…。
そこそこ旨かったから、また発売してくんないかなあ?
昆布は3年ほど前から好んで選ぶようになった。昆布は好きだけど、何かジジむさいから買う気が起こらなかったのだ。けど或る日コンビニに行ったら、おにぎりが昆布しか残ってなかった。仕方なく買って食ったら、それが衝撃の旨さだった。昆布の底力に、まざまざと感じいったのである。以来、昆布がおにぎりチョイスの1番手となったのである。

食い終わっても飛んで来なかったので、仕方なく蕨(わらび)を摘みだしたら、ギフチョウそっちのけになってしまい、気がついたら12時前になってた。
1頭だけでは誰かに「また、ヤル気なし之助ですかあ。」と揶揄されかねない。♂もまだ採ってないしね。なので、慌ててポイントを移動した。しかし道は行き止まりになってて、仕方なく薮に突っ込み、トラバースを敢行する。
したら、道に出た。

 

 
如何にもギフチョウが居そうな環境である。
少し歩くと、網を持った四人組がいた。どうやらこっちがメインポイントだったみたいね。
近づくと、同好会の先輩Tさん一行だった。

正直、メンドくせーなと思った。
同好会の合宿でヒサマツミドリシジミで有名な三川山に行った時に、この人にワシだけ山頂で番をさせられたのだった。
皆は秘密のポイントに行くからとかで別な場所に行ったんだけど、何でワシだけがそんな仕打ちを受けねばならぬのだと思った。それで後から別な人にワケを訊いたら、理由は「全部、彼が採ってしまうから。」だった。
それを聞いて、開いた口が塞がらなかったよ。

そんなの物理的に無理だし、自分ばっか採って人には譲らないなんて事、するワケないっつーの( `ε ´ )ノ❗人として、逆にそっちの方が勇気いるわい。

それに、全く知らぬ相手ならまだしも、同じ同好会の人にそんな事するワケないじゃないか。
思い出したら、段々腹が立ってきた。なので、そのあと鬼神の如くいっぱい採ってやったワイ(--メ)❗おまんらなんぞにギフチョウを採らせてなるものか、ボケがっ(--メ)❗
どーせオラ、大人気(おとなげ)ないのである。
でも計27頭も採ったのに殆どがボロ。どうやら時期が遅かったみたいだ。♂なんか全滅だ。武田尾より先にコッチに来るべきだったよ。実際、どっちを先にするか迷ったんだよなあ…。まあ、たった2日だけの違いだから、結果はそんなに変わんなかったかもしんないけどね。
♀の方も羽化不全だらけだった。たぶん放蝶だからだろう。きっと蛹をバラ撒いたんじゃないかな❓
自分では飼育をしないから、半分コジ付けで言ってるけど、養殖もんは生命力が弱いんじゃなかろうか。弱い遺伝子をバラ撒くと、全体的に集団の生きる能力が下がるんじゃないかと密かに思ってる。多様性は必要だが、弱い遺伝子が増えると、種全体の生き抜く力が落ちるような気がする。種を維持するためには、強い遺伝子を遺す淘汰も必要なんではなかろうか。弱肉強食の中で生き残ったものだけが遺伝子を遺すというシンプルなルールが本来のものだろう。こんなことを言うと、現代社会では袋叩きになりかねないけどね。
正直、人間のオスのポテンシャルは確実に昔よか下がってるような気がする。養殖モノのオスばかりだ。
ならば、いっそ女性がもっと強くなった方がいい。そっちの方が余程、世の中は上手くいくんでねーの❓

結局、帰りしなに殆んどをリリースした。労多くして益少なし。あのシャカリキは何だったのだ❓ 心の中で、ジョジョの悪玉キャラのディオ様ばりに無駄無駄パンチを打ちまくる。

 

(出典『ピクシブ百科事典』)

 
大人気ない事なんてするから、こうなっちゃうんだよねー。
 

                         つづく

 
追伸
その時のモノを展翅したのがコレ。

 

 
西脇市の♂は全部リリースしたので♀でやんす。
全体的に黒帯が細い。
でもギフチョウって個体変異の幅が広いから何とも言えないんだよなあ。ギフチョウは好きだけどマニアではないから、変異にはそんなに興味がない。小太郎くんみたく各地の細かい特徴までは頭にインプットされてないのだ。

そういや、あの時にTさんに質問したな。
『ここのギフチョウって、何か特徴あるんすか❓武田尾辺りと、どう違うんですかね❓』
しかし、返ってきた言葉はこうだった。
『一緒、一緒。変わらへん。おんなじや。』

でも本当にそうだろうか❓
武田尾より黄色かった気がするんだけどなあ…。

武田尾のギフチョウの画像(♀)と見比べてみよう。
同じ兵庫県でも東部の武田尾と中西部の西脇市とでは離れている。それに六甲山地には生息しないから間に大きな空白地帯があった筈だ。同じなワケがなかろう。

 

 
(-_-;)ビミョー…。
後翅中央の黒帯が太く、全体的に西脇市の方が黒帯が細いような気もするが、各帯を一つ一つ見ると逆なのもある。でも、そもそも1個体ずつだけを見比べて論じるには限界がある。もっと沢山の個体を見て検証しないといけんね。
西脇市に隣接した加西市や小野市の標本がある筈だが、探すのが面倒なので手っ取り早く図鑑(日本産蝶類標準図鑑)で済ませてしまおう。

 

(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

 
同じ兵庫県中西部、三木市の♀個体だ。
やはり帯が細くて、全体的に黄色っぽく見える。

 

(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

 
隣接する小野市産の♂である。コチラも黄色くて西脇市や三木市のものと同系統なのが伺える。

図鑑の解説欄も見てみよう。
近畿地方の中部〜西部の産地については、こう書いてあった。
「京都府中南部〜大阪府・兵庫県東部には、やや黒い個体群がみられる。兵庫県中南部の個体群は黄色部が広い。この個体群は分布的にほかの個体群との接点はほとんどない。」

ほら、やっぱりそうじゃないか。すると、武田尾(兵庫県東部)のものと西脇市(兵庫県中南部)のものとは違う個体群とゆうことになる。
では武田尾産はどうだろうと思って図鑑内を探してみたが、図示されていなかった。しゃあないので、代わりに同じ個体群とされる大阪府豊能町と京都市産のものを図示しよう。

 
(豊能町産♂)

 
(京都市産♂)

(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

 
どちらも♂だが、慥かにやや黒っぽいような印象をうける。
とはいえ、これとてファジーで明確な線引きは出来ないような気がする。
段々、話が大袈裟になってきたな。軽い気持ちで調べ始めたのに、とんだ藪蛇だ。泥田に足を突っ込んだような気分だよ。

そういえば『ギフチョウ88か所めぐり』のコピーを持ってた筈だな。探そう。

ありました。
武田尾のギフチョウの欄の解説にはこうあった。
「京都〜大阪北部の集団と、兵庫県の山陽側の集団とはかなり印象が異なるが、ここらあたりが接点となる。斑紋は基本的には兵庫県山陽型であるが、京都〜大阪北部型も混じる。」

一見、記述の内容は図鑑と同じようだが、なれど、この記述の仕方だと基本的には武田尾・三田産のギフチョウは西脇市産と似ているという事になってしまう。(-_-;)おいおいである。
毎度お約束の迷宮世界の風が吹き始めた。嫌な予感がするよ。

コピーゆえ白黒だが、標本画像も貼り付けておく。

 
(武田尾産♀)

(同♂)

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
♀は黄色そうだね。たしかに西脇のと変わらん。でも♂は、かなり黒っぽく見える。

分布が隣接する三田市のギフチョウの項も見てみよう。

 
(三田市産♀)

(同♂)

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
コチラの♂も黒っぽい。でも♀は後翅中央黒帯が太くて微妙だなあ。かといって北部のものとも違う気がする。

解説は以下の通りである。
「兵庫県の瀬戸内側、三田市から西脇市あたりにかけてのヒメカンアオイ食いのギフチョウはやや変わった一集団である。この産地では尾状突起が短く、丸い翅形の個体が多い。」

ここでは完全に三田市と西脇市の個体群が同じ扱いになっている。一瞬、三田の個体群と武田尾の個体群とは別な扱いになってるのかと思ったが、そんなわきゃない。三田と武田尾は隣接しており、ギフチョウの分布も連続している。地理的障壁もないから、両者は互いの生息地を自由に行き来できる筈だ。同じ個体群であることは間違いない。

ここで、改めて88か所めぐりの地図の、近畿地方の部分を見てみよう。

 

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
番号は59が大阪府鴻応山、60が京都市岩倉。何れも黒っぽいギフチョウとされる地域である。

 
(鴻応山産♂)

(出典『しっぽスターの娯楽』)

 
やはり黒っぽい。
そういや、鴻応山で採った事もあるなあ…。すげー辺鄙な場所で、登山口も至極わかりにくかったんだよね。記憶だと、黄色かったという印象はない。

鴻応山といえば、鴻応山型と言われる前翅が特徴的な異常型が出ることでも知られていたね。

 
(鴻応山型♂)

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
どこか杣山型に相通じるものがある型だ。
しかし今は絶滅の危機に瀕しており、採集禁止になっていたと思う。いや、保護活動してるから採集自粛の要請が出たのかな? 尚、岩倉のギフチョウは既に絶滅している。昔は京都を囲む山々には何処にでも居て、五山送り火で有名な大文字の「大」のとこにも居たそうだ。でも現在は花の寺(勝持寺)の上くらいにしかいない。保護してるみたいだけど、風前の灯だと聞いている。

そして64が武田尾、65は三田市、66神戸市西区、67西脇市、68加古川市となる。そして加古川辺りから西の山陽側は分布の空白地帯となっている。
そっか…。少し解ってきたぞ。電車で移動しているから武田尾と西脇市はかなり距離が離れていると思い込んでいたが、地図上で見ると、それ程でもないんだよね。

ところで「神戸市西区 雌岡山」なんて産地もあるな。六甲にもいるのか❓ えっ、いたっけ❓
でも今は取り敢えずは西脇市だ。そっちは後回しにしよう。

 
(西脇市産♀)

(同♂)

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
♀は黄色くて、典型的な山陽型だ。♂も黄色い。図鑑の小野市の♂も黄色かったから、或いは変異は♂に色濃く表れるのかもしれない。

では兵庫県西脇市の解説はどうなっているだろう。
「三田市とよく似ているが、丸い感じの個体は少ない。京都あたりと比べると橙色斑の発達は悪くなく、黒さも薄れ、赤色紋はやや発達がよい。イエローテール型が数頭採れている。」

そういや、オラの武田尾産の画像も翅形が丸いね。尾突も短いような気がする。三田も武田尾も、大阪・京都のギフチョウの血が入っているのかもしれない。
さておき、此処にはハッキリと西脇市産は三田市産とよく似ていると書いてある。
とゆうことはTさんのコメントは正しかったとゆう事か…。

ついでだから加古川市のモノも貼付しておこう。

 
(加古川市産♀)

(同♂)

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
♀が変わってる。後翅中央の黒帯の形が違うね。でも、こうゆう黒帯の型は福井県南部に結構いたな。

 

(2020.4.3 福井県南越前市)

 
北陸地方のギフチョウは小さくて黒いのが特徴だ。
でも黒くないのも珠に居たりする。

 

 
前翅の黒帯が細くて、かなり黄色く見える。こんなの黙って見せられたら、どこのギフチョウなのかワシではワカランよ。

ついでだから♀の画像も貼り付けておこう。

 

 
赤紋が上に伸びる所謂「赤上がり型」ってヤツだね。
因みにコレらは全て同じ日、同じ山で採集したものである。展翅画像は他にもまだあるけど、これくらいにしておこう。
ようは此処には色んな型がいて、バリエーション豊富なのね。この山は過去に杣山型の記録だって有るようだしね。

(´-﹏-`;)うーむ。各地の標本を見れば見るほどワケが分かんなくなってきたぞ。
結局のところ、ギフチョウって同じ産地内でも変異が多々あって、その幅も広いって事だ。あくまでも各個体群は、そうゆう傾向の特徴がある集団だとしか言えないのだ。しかも各産地の間で連続的に変異は移行している。ゆえに明確に分けれなくて、亜種が1つも存在しないのである。

一応、加古川の解説文も載せておこう。
「基本的に西脇市あたりのものと変わらない。兵庫県山陽型の西端に近い地域で、安定した兵庫山陽型を産し、紀伊半島型の後翅中央黒帯をもつ個体はまったくみられない。」

参考までに言っとくと、紀伊半島型の後翅中央黒帯をもつ個体とは、こんな奴だ。

 

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
京都府南部・三重県伊賀地方以南の紀伊半島には後翅中央黒帯、橙色班列に共通の特徴をもつ個体群が知られ、このように後翅中央黒帯に強いくびれが入る。
この個体は大阪府南河内郡岩橋山産のモノのようだ。岩橋山かぁ…、懐かしい地名だ。思えば小学生の時に自分一人で初めてギフチョウを採りに行ったのが、この地だった。当時は植林されたばかりで辺りは拓けており、絶好の環境だった。今は木が大きく育って見る影もないけどね。ちなみに此処はギフチョウを採った2番目の場所で、初めて採ったのは和歌山県の龍門山だった。龍門山のギフチョウといえば、幻のギフチョウとも言われ、標本が高値で取引されることで有名である。龍門型とも呼ばれ、わかる人にはひと目でそれとわかるギフチョウだ。

 


(出典『蝶の戸籍簿』)

 
龍門型の特徴は、後翅は紀伊半島型で前翅前縁がリング状の黄紋になる事である。これが現出する個体が多かったそうだ。
上の画像は、長年その龍門型を累代飼育されている方のもの。美しいね。何十年にもわたって命脈を繋がれてきたワケだから頭が下がる。素直に凄いと思う。

 

(出典『しっぽスターの娯楽』)


(出典『ギフチョウ88か所めぐり』)

 
次に貼付する画像は異常型だろう。後翅の中央黒帯の形が変わってる。たぶん切れ目が入ってるから、マニアの間ではCカットと呼ばれている型だろう。

 

(出典『ヤフオク』)

 
小6か小5だったと思う。オカンとハイキングの会に参加してて、頂上で弁当を食ってたら下から真っ直ぐに飛んできた。脳内にその時の映像が鮮明に残ってる。そんなとこにギフチョウがいるなんて知らなかったから、すごく驚いたのをよく憶えてる。でもボロッボロッの♀だったんだよなあ。
初めて採ったギフチョウが龍門型とは、我ながらどんだけ引きが強いねんである。実力はさしてないのにね(笑)
勿論、標本は残ってない。小学生の標本箱だからボール紙仕様で、大方ヒメマルカツオブシムシの餌にでもなって、この世から永遠に消滅したのだろう。

尚、龍門山のギフチョウは1980年代(1986)に絶滅している。
その後、誰かが別なところのものを放蝶して(註2)、現在も健在だという。しかも、それを保護までしているそうだ。謂わば北海道のキタキツネを持ってきて放ち、それを保護してるみたいなもので、ちゃんちゃらオカピーだ。

そうだ、忘れてた。
「神戸市西区 雌岡山」のギフチョウだが、そこのページのコピーがない。おそらく借りた時点で欠落していたのだろう。
一応、巻頭に標本写真があったので、それを貼付しておこう。

 
(♀)

(出典『ギフチョウ88か所めぐり』) 

 
見た目は丸いが、斑紋は西脇市〜加古川市の個体群と変わらない。いったいコレは何を意味してるのだ❓昔は六甲山地が移行地帯になっていたのか…。あっ、それは変か?

調べたら、この山は神出町にある。で、この神出町、神戸市といっても北西端にあり、何と隣接するのは加古川市と三木市で、小野市とも目と鼻の先の距離にある。つまりは六甲山地でも何でもない。拍子抜けしたよ。
でも考えてみれば、武田尾駅(宝塚市)と三田駅(三田市)に挟まれた道場駅は神戸市北区である。神戸市といえば海沿いの街のイメージしか浮かばないが、その範囲は驚くほどに広いのである。関西人でも、この事実を知ってる人は少ないだろう。
一応、道場にも極めて少ないながらもギフチョウはいる。つまり此処で採れば、ラベルは神戸市産のギフチョウと相成るワケだ。そういやプーさんが必死に探してたなあ…。そっか、プーさんって神戸市民だもんね。だとしたら理解できる。オラだって大阪市ラベルのオオムラサキがいたら、採りに行くもんね。

何かこのままだとオチのない話でグダグダで終わりそうだから、小太郎くんに教えを請いました。
彼曰く。
「微妙な違いは感じますが、兵庫県中南部のヒメカン(ヒメカンアオイ)食いは基本似たようなもんかと。武田尾は少し北摂っぽい顔が混じるという人も居ますが、基本は兵庫県瀬戸内海側地域の顔ですね。」
との事。さすが小太郎くん、的確な説明である。そっか、そういや武田尾もヒメカン食いのギフチョウだったわさ。食いもんが同じならば、見た目が似るのも納得だ。
勉強なりました。あざーすm(_ )m
でもってTさん、ゴメンナサイm(
_)m

とは言いつつも、西脇市や加西市のギフチョウが武田尾や三田のものよりも明るいと感じたのは確かだ。だから自分的には間違ってないと思う。多分に感覚的なものだけど、微妙な差異を感じるのは大切な事だろう。違和感を感じたからこそマホロバキシタバの発見に繋がったワケだし、クラシップス(クラシペース)ジャコウアゲハやパラドクスマネシアゲハ等々も採れたワケだからね。これからも、そうゆう感覚は失わずに大切にしていこうと思う。

 
(註1)ヒメヒカゲとウラギンスジヒョウモン

【ヒメヒカゲ】

(2009.6.14 兵庫県小野市)

 
ジャノメチョウの仲間で、日本では中部地方と中国地方〜兵庫県西部の一部にのみ分布する。主に湿地草原に棲息するが、各地で急速に数を減らしており、絶滅した地域も多い。

 
【ウラギンスジヒョウモン】

(2009.6.14 兵庫県小野市)

 
タテハチョウ科のヒョウモンチョウの1種。 
北海道、本州、四国、九州に分布する。
このチョウも数を急速に減らしている。今や近畿地方では確実に見られるのは兵庫県西部の一部のみだろう。

(註2)その後、誰かが別なところのものを放蝶して
噂では、導入されたのは奈良県御所市の大和葛城山のものが有力だとされている。尚、現在は大阪府側も含めてこの山の個体群は採集禁止になっている。

 
追伸の追伸

この日に採った蕨(ワラビ)はおひたしにした。

 

 
椎茸を出汁でサッと煮たものと混ぜて、一晩おいたものも作った。

 

 
今まで椎茸とのコラボの発想はなかったけど、やってみると合うね。旨いわ。

翌日は更に竹輪を加えてみた。

 

 
中々に旨いぞ。これも意外と合う。但し、チープな感じになっちゃうけど(笑)。竹輪を入れると、どうしてああも庶民的な食いもんになっちまうんだろう❓竹輪にトリュフとかキャビアを乗せた図を想像してみたけど、そんなの高級レストランや料亭で出てくるワケないよね。居酒屋でも無いとは思うけどさ。

で、最終的には京揚げを加えてクタクタに煮てやった。

 

 
クタクタにしたのはシャキシャキの食感に飽きてきたので、ヌルズルにしたかったのである。味も少し味醂を加えて、やや甘くしてみた。
これはこれで旨かったと記憶してる。

 

青春18切符1daytrip 春 第二章(4)

 
  第四話 流浪のプチトリッパー 後編

 

  2020年 4月6日

丹波にも福知山にも行かず、戻って三田駅で降りた。
そして、例年通りの王道コースを踏襲することにした。ご機嫌になる事が確実な選択を知ってて、むざむざそれをスルーするなんてバカバカしいと思ったのだ。どうせこの時間に田舎町の丹波に行ったところで、情報ゼロゆえ路頭に迷うのがオチだ。それでも行こうなんてのは真正M男である。オイラ、基本的にマゾっ気はないからね。マゾ的思考になる時は窮地に陥った時だけだ。状況を愉しむしか精神の平衡を保てないから、そうしてるだけにすぎない。

 

 
先ずは銭湯へ行く。極楽気分になる為のステップその1だ。
三田駅から10分ほど歩いたところに三田市唯一の銭湯『しんち湯』がある。数年前に廃業のピンチがあったそうだが、お客さん達の強い要望で何とか存続になったと聞いている。

梅の暖簾が粋だね。
ここの銭湯、昭和レトロな雰囲気があって好きなのだ。周囲の町並みの雰囲気も、そこはかとなく鄙びた感じが漂っていて落ち着く。

 

 
この小ぢんまりとしたところもいい。

 

 
湯船は中央にある瓢箪型のみしかないけれど、レトロで昭和ロマンの香りがある。こうゆう形の湯船はあまり見たことがないから相当に古そうだ。昭和でも比較的古い時代のものだろう。
それに比して、蛇口は白と赤のゴルフボールでボップだ(画像を拡大されたし)。そして壁面上部はキッチュ。普通の銭湯画ではなく、トタン板に何やらシュールな生物どもが貼り付けられておる。おそらく深海生物、いや太古の昔の原始生物だろう。悠久の世界観ですな。空間で小さな宇宙が展開している。

客はワシ一人の貸し切り状態だ。気兼ねなく湯船で大の字になって浮かぶ。
重力から開放され、四肢がゆるゆるとほどけてゆく。
スッゲー開放感。やっぱ銭湯って最高だよ(≧▽≦)❗

銭湯では、たっぶり1時間過ごした。スーパーリラックスで夕暮れ間近の外へ出る。目に見える風景全てが優しく見える。

少し駅の方向へと戻り、お目当ての居酒屋へゆく。
極楽気分になる為のステップその2だ。

 

 
大通りを少し入ったところにある『うまいもん酒房 和来(わらい)』。
四、五年前だろうか、三田でギフチョウを採って「しんち湯」に入った後、酒でも呑もうと思ってうろついてて偶然見つけた店だ。それ以来、毎年この時期にだけ訪れてる。中々良い店で、近所にあったら絶対に通うのだが、三田なんてギフチョウを採りに来るくらいしか用がないから、どうしてもそうならざるおえない。だが、完全に年中行事にはなってる。もはやギフチョウと銭湯とこの店がセットになっていて、優先順位に優劣なく、均衡を保っている。

時刻は、まだ5時40分。どうやら自分が最初の客らしい。
一番最初の客は嫌いじゃない。

「僕は店を開けたばかりのバーが好きなんだ。店の中の空気がまだキレイで、何もかもがピカピカに光ってて、客を待ってるバーテンが髪が乱れていないか、蝶ネクタイが曲がってないかを確かめてる。酒の瓶がキレイに並び、グラスが美しく光って、バーテンがその晩の最初の一杯を振って、綺麗なマットの上に置き、折りたたんだ小さなナプキンをそえる。
それをゆっくりと味わう。静かなバーでの最初の静かな一杯、こんな素敵なものはないと思ってる。」

ハードボイルド小説の金字塔、レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ(註1)』の一節を思い出した。大学生の頃に暗記したのだが、今でもこうして諳(そら)んじることができる。ただし、語彙の一部は自分なりの言葉に微妙に変換されてるけどね。
この小説には、他にも粋な言葉が数多(あまた)散りばめられており、このセリフのすぐ後にも名文句がある。
「アルコールは恋に似てるね。初めてのキスには魔力がある。二度目にはずっとしていたくなる。だが三度目にはもう感激がない。あとは服を脱がせるだけだ。」
話が逸れた。戻そう。

ここは勿論バーじゃない。居酒屋だ。けれど開店直後の店の空気はまだキレイであり、独特の清新さがあることには変わりはない。

カウンターに座ると、目の前に「ワンピース」のフィギュアが並んでいる。

 

 
数は年々確実に増えているようだ。現在進行中の「ワノ国編」の登場人物もいるしね。ワンピースのストーリーは同じパターンの繰り返しで、どのエピソードも結局のところ少年ジャンプ的ヒエラルキーだから飽きているのだが、アニメの方だけはまだ継続して見ている。どうせルフィーは、もう1回くらい四皇の一人であるカイドウにボゴボコにされるだろうけど、最終的には勝つに決まってるからね。

先ずは「5種造り盛り」¥1000から頼む。

 

 
何だこりゃ❓
画像を見ても全然メンツが思い出せない。マズイな。

あっ、でも探したらメニューの写真を撮ってあったわ。

 

 
酒のアテの欄がソソるねぇ〜(´▽`)
如何にも左党が好みそうなアイテムが並んでいる。店主も酒好きなのが如実に現れているラインナップだ。そういや初めて来た時は、通が喜ぶ「鯖のへしこ」なんかもあったな。アレはもう無尽蔵に何ぼでも酒が呑めるのだ。あっ、そうだ。酒といえば、この日に飲んだ酒の事も書いておこう。
(・o・)ありゃ、でも酒関係の写真を一枚も撮ってない。まあいい。どうせビールから始まって芋焼酎のロックへと移行したのであろう。こうゆうアテの美味い店ならば、大体のパターンは決まっておるのだ。せいぜいどこかで日本酒を挟むくらいしかバリエーションは無い。チェーンの居酒屋では、ビール飲んでから酎ハイレモンとハイボールを延々飲んでるけどもね。旨い料理には敬意を表して酒を選ぶが、どうでもいいような食いもんの時には、ただ酔えればいいって感じのチョイスになるのだ。

このメニューの刺身の項から類推すれば、左のサーモンみたい奴は桜マスだろう。
桜マスは渓流魚のヤマメの降海型で、鮭みたく海に下り、デカくなって川に戻って来た奴だ。尚、桜マスの名前の由来は桜の咲く頃に川を遡上するからという説とオスがメスの産卵期が近づくと体が桜色になるから(婚姻色)という説がある。
西日本では五月(サツキ)マスと呼ばれ、こちらは亜種であるアマゴの降海型である。また、海ではなく琵琶湖に下るアマゴもいて、ビワマスと呼ばれている。これら全部をひっくるめてもサケ科の中では漁獲量が最も少なく、珍重もされている高級魚だ。日本では古来から食べられており、「鱒(マス)」といえばこの魚の事を指していた。

サツキマスとビワマスは何度か食べた事があるけど、サクラマスって食った事あったっけかなあ❓多分、あったとは思うけど。

画像を再度見て、舌の記憶が甦ってきた。味の印象はサツキマスやビワマスとほぼ同じだったと思う。どちらも美味です。身は柔らかく、甘みと旨みが強いのが特徴だ。それでいてサーモンみたく味はしつこくなく、舌にベタベタと残らない。キレが良く、どこか上品さがあるのだ。

その奥の赤いのはマグロはマグロなんだけど、その脳天。脳天といっても脳味噌ではなくて、頭の頂部の両脇にある身で一匹の鮪から2本しか取れない希少部位である。上から見れば、漢字の「八」に見えることから、別名「八の身」とも言われてるそうだ。
マグロ(本マグロ)の頭は全体的に脂が乗っており、味はトロに近いのだが、脳天はどうじゃろう❓
あっ、味はトロだが、トロよりも弾力がある。よく動かすところなのか筋肉質で、トロの甘みの中に赤身のコクも混じってて、めちゃんこ美味い。

真ん中は生のホタルイカ、右手前の白身はイサキだろう。となると、その奥は消去法でシマアジとゆう事になる。
画像からするとイサキの質が高そうだ。けど、あまり記憶にない。逆に不味かったら記憶に残るだろうから、目を見張るほどではないが、そこそこには旨かったのだろう。

お次は「春野菜天ぷら盛合せ」¥550をチョイス。

 

 
一番左端の黒緑色なのがワカラン。大葉?ワサビ菜?
その横はウルイだね。その隣もワカランが、若ゴボウかなあ?
で、タケノコ、コゴミときて、右下はフキノトウかな。
多分、塩で食ってるな。天つゆを否定はしないが、甘ったるいので殆んど使うことがない。それに何食っても天つゆ味になりがちで味を壊しかねない。繊細な春野菜ならば、尚更だ。塩のみで食ってる確率は、100%だろう。
塩は藻塩かなあ…、自信ないけど。とにかく普通の塩ではないだろう。
不満は特にないが、ここに山菜の女王コシアブラがあればなと思う。山菜で一番美味いのはコシアブラだからね。

 

 
これは「なめろう ¥400」だな。
基本はアジ、サンマ、イワシなど青魚の刺身に味噌、生姜、ネギ、大葉、ミョウガ等を加えて細かく包丁で叩いて混ぜ合わせたものだ。
元々は房総の郷土料理で「皿まで舐めるくらいに旨い」というのが由来だったかな。
日本酒や焼酎のロックを飲みながらチビチビ食うのだが、酒バカエンドレスになるアテだ。由来に恥じないくらいに旨かったという記憶がある。

(・o・)んっ❗❓改めて画像を見て思った。
なめろうといえば、真鯵が基本だが、コレってマアジか❓
サンマは季節的に有り得ないから除外だし、イワシならばもっと銀ピカだから容易に区別できる。だからマアジだとばかり思っていたが、よく見るとマアジにしては色が白っぽくて、身に透明感がある。
もしかしたら、コレってシマアジで作った「なめろう」かもしれない。いや、刺身の項にアジは無かった筈だから、間違いなくシマアジだろう。道理で旨かったワケだ。シマアジの「なめろう」なんて贅沢だよなあ(´∀`)

 

 
だし巻き玉子。
左側は大根おろしだが、鬼おろしだから粗い。
個人的にはボソボソしているから粗い大根おろしはあまり好きではない。とはいえ、おろし方よりも辛みのエッジが如何に立っているかの方が遥かに重要だ。辛くない大根おろしは大根おろしではない。あの、世にはびこる水っぽくて味も素っ気もない大根おろしを憎悪してやまない。

店主曰く、関東と関西では巻き方が違うらしい。玉子焼き用の道具も東西では違うから何となくは知ってたけど、どっち側から巻くかまでは知らなかった。

調べてみよう。
色が濃くて甘い関東風の厚焼き玉子は焦げ目をつけて、一回で厚く卵を巻くという作り方が主流。一回で卵を巻きやすいように東(あずま)型や角型と呼ばれる正方形で幅のある大きな卵焼き器を使って、奥から手前へ折りたたむように巻いて作られる。一方、だしを多く使いフルフルの柔らかい食感が特徴の関西風だし巻き卵は、手前側から少しずつ何層にもなるように巻いて作られる。巻きやすいように西(にし)型や角長型と呼ばれる細長く長方形の卵焼き器を使うのが一般的である。
ちなみに自分は無意識に手前から奥へと巻いている。たぶんオカンの玉子焼きの作り方を小さい頃から見ていたせいである。

関西風のだし巻き玉子って、しみじみ旨いよなあ(´ω`)
酒のアテだけでなく、オカズにもなる。だから関西では「だし巻き玉子定食」とゆうのがあって、わりかしポピュラーな存在なのだ。
このあいだ「秘密のケンミンSHOW」か何かでやってたけど、関東には「だし巻き玉子定食」とゆうのが存在しないらしい。オバハンがキレ気味に「玉子焼が御飯に合うワケないよー。」と言ってたが、こっちが(  ̄皿 ̄)キレるわい❗
関東の人には申しワケないが、あんなクソ甘い玉子焼きだったら御飯に合うワケないやろ、お菓子かボケー(-_-メ)❗❗である。
そういや築地にテリー伊藤の実家の老舗玉子焼屋があって、そこで厚焼き玉子を食ったことがあるけど、💢😈ブチキレたね。
関東の人は関西に来たら、是非ホンマもんのだし巻き玉子を食べてみて戴きたい。錦市場には「三木鶏卵」とか「田中鶏卵」というだし巻き玉子専門店があるから気軽に買えますよ。
中でも「三木鶏卵」がお薦め。ここのは冷めても美味しい。いや、むしろ冷めてるヤツの方が美味い。しっとりとしていて、噛むとジュワッと出汁が口の中で広がるのだ。

店はいつ来ても多くの客で賑わっていたが、この日はずっと静かだった。
7時過ぎになって漸く新しい客がやって来たくらいだ。しかも一組だけ。やはりコロナの影響は凄まじい。
お陰で店の大将と色々話せたけどね。ここの大将は結構面白い人なのだ。曰く、実際大変な状況になってるらしい。家賃や光熱費、人件費などは黙っていても出ていくし、食材だって大半が廃棄になってしまうそうだ。自分も飲食やっていただけに、よく解る。

 

 
どうやら「サラミポテトサラダ ¥350」みたいだね。
ポテサラって大好きなんだけど、外では中々自分好みのポテサラには会えないんだよね。
多分ここのは合格の範囲内だったと思うけど、細かい味までは憶えてない。とはいえ、自分も珠にサラミ入りのポテサラを作るから味の想像はつく。あまりポピュラーではないけれど、実をいうとコレが旨いんだよね。だから旨かったのは間違いないかと思われる。

そういえば、店の大将が言ってたけど、作ろうと思えばもっと旨い究極のポテサラが作れるらしい。ただし、大変手間がかかるから3日前には電話してほしいと言ってたなあ…。
普段は予約とかしない人だけど、次回はマジで電話してそのポテサラを作っておいてもらおっかなあ。
でも来年も店が有るかどうかはワカラナイ。今は先が全く見えないという御時世なのだ。
たとえそうじゃなくとも、一人だけなのに予約するのは恥ずかしい。それに一人だと食べられる品数に限りがあるんだよね。ワタシャ、出来れば沢山の種類をちょっとずつ食べたい人なのだ。
なれば、元カノでも誘おっかなあ…。でも、こないだドタキャン喰らったからなあ…。かといって、こうゆう良い店には心を許した人でないと誘えない。それに食いもんの好みが合わない人だと、楽しいどころか寧ろマイナスになりかねない。相談もなく、勝手に自分の食べたいものだけを頼むような人間とか抹殺したくなるもんな。
まあ、場所も場所だし、誘っても断られるのがオチかもしんないけどさ。チッ、それはそれで癪じゃないか。

 

 
ほろ酔い気分で午後8時半に店を出た。
春のやわらかな風が頬を撫でる。

午後8:43の高槻行き普通電車に乗る。

 

 
午後9時前、又しても武田尾駅に降り立った。
山の中だけあって夜気が冷たい。夜桜も心なしか寒そうだ。
それにしても夜に見る桜はどこか妖艶だ。そして死の匂いがする。
ましてや今宵は朧月(おぼろづき)だ。余計にそう見える。

 

 
だが、蛾の採集には最悪のコンディションである。虫は月夜の夜にはあまり灯火に飛来しないのである。天気予報では夜から曇ると言ってたのになあ…。
この周辺には春の三大蛾(註2)が確実に生息しているから、どれか一つくらいは飛んで来ると期待してたけど、芳しくない傾向だ。

割と虫が集まる灯火までやって来た。

 

 
しかし、見事なまでに何あ〜んもおらん。春の三大蛾どころか、クソ蛾さえおらん始末。
寒いし退屈だし、早々と午後10時くらいには諦め、電車に乗って大阪駅まで戻ってきた。

 

 
これで、青春18切符もあと2回分だ。さて、次は何処へ行こう。

                         つづく

 
追伸

JR難波駅⇒武田尾駅¥770
武田尾駅⇒相野駅¥330
相野駅⇒三田駅¥240
三田駅⇒武田尾駅¥200
武田尾駅⇒JR難波駅¥770
             計¥2310

 

 
青春18切符なんだから、もっと遠くへ行こうかなと思ったが、切符の期日が迫っていたので使うことにした。宝の持ち腐れが一番最悪だからである。
まあ、上のように正規の電車運賃は、買った青春18切符の1回分(4回分で5千円だから1回分¥1250)よりかは高いので、損はしてないからね。

家に帰ってから、前編で登場した相野駅近くの「肉のマルセ」で買ったコロッケとかメンチカツとかの残りを食った。

 

 
冷えても、そこそこ旨い。

この文章を書いている時点では、まだ『和来』は店の営業を続けているようだ。4月にまた大将の顔を拝めればいいなと切に願う。

 
(註1)『長いお別れ』
原題は『The Long Goodbye)』。
1953年に刊行されたアメリカの作家レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説。私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするシリーズの第6作にあたる。
『大いなる眠り』や『さらば愛しき女よ』と並ぶ、チャンドラーの長編小説の代表作の一つである。感傷的でクールな独特の乾いた文体と登場人物たちの台詞回し、作品の世界観に魅了されるファンは多い。チャンドラーの小説は、その殆んどが一人称によって語られる形式だが、本作によりハードボイルド小説というジャンルの文体が確立されたと言っても過言ではあるまい。謂わばハードボイルド小説の礎的作品である(始祖は『マルタの鷹』で知られるダシール・ハメット)。そして、今やこの形式が模倣を超えて定番化したと言える。まあ、謂わばハードボイルド小説のお手本みたいになっている。

1995年出版のアメリカ探偵作家協会によるベスト100では13位にランクされている。日本ではハヤカワミステリーベスト100など多くのランキングで、チャンドラー作品の中では1位に選ばれ、雑誌「ミステリマガジン」が2006年に行なった「オールタイム・ベスト」でも堂々の第1位を獲得しており、傑作とする人が多い。

ハヤカワ・ミステリ文庫の清水俊二訳では「ギムレットにはまだ早すぎるね」や「さよならを言うのはわずかのあいだ死ぬことだ」、「警官にさよならを言う方法はまだ発明されていない」「君はいったい何を求めてる。薔薇色の霧の中に飛んでいる金色の蝶々か」など多くの粋なセリフで知られる。
尚、村上春樹もこの作品を2007年にタイトルを『ロング・グッバイ』と変えて翻訳している(早川書房)。
村上春樹は最も影響を受けた小説として『カラマーゾフの兄弟』『グレート・ギャツビー(華麗なるギャッビー)』、そして本作を挙げており、評論家は初期の代表作『羊をめぐる冒険』は本作の影響が色濃い事を指摘している。
春樹さんの小説は好きだけど、この翻訳はハッキリ言って嫌い。台詞が粋じゃなくなってて心が動かされない。何か会話に色気がないんだよなあ。どこか村上春樹の小説の登場人物と似ていて、虚無的な感じなのだ。気障な軽口じゃなくなってる
から全然ハードボイルドっぽくないのである。テリー・レノックスとマーロウとの会話が好きなのに、あれじゃ、あんまりだ。

1973年にロバート・アルトマン監督により、原題と同じ『The Long Goodbye』のタイトルで映画化もされている(日本では『ロング・グッドバイ』のタイトルで公開)。
時代設定を現代(1970年代)に変えており、公開当時はマーロウが全然カッコ良くないので、チャンドラーファンからは酷評されたらしい。だが、その後再評価され、カルト映画の1つとして名を連ねている。
確かにファンとして観れば不満のある映画ではあるが、それを取っ払って純粋な映画として観れば面白い。中でも飼っている猫とのシーンが印象に残っている。

 
(註2)春の三大蛾
エゾヨツメ、イボタガ、オオシモフリスズメの大型蛾3種の事を指す。何れも個性的な姿で、蛾マニアの間では人気が高い。

 
【エゾヨツメ】

(2018.4 武田尾)

 
ヤママユガの中では、唯一春先に現れる。
闇の中で照らされる青い紋は美しく、ハッとさせられる。

 
【イホタガ】

(2018.4 武田尾)

 
国外に酷似した近縁種が数種いるようだが、数ある蝶と蛾の中でも類するものが無く、唯一無二とも言える個性的なデザインだ。極めてスタイリッシュだと思う。

 
【オオシモフリスズメ】

(2018.4 武田尾)

 
日本最大のスズメガ。怪異な姿で、しかも鳴きよるから怖い。
おぞましくて邪悪の権化みたいな見た目だが、慣れれば鈍臭くて可愛い。もふもふだしね。

エゾヨツメは日没直後に灯火に飛来し、イボタガとオオシモフリスズメは深夜にやって来る。だからエゾヨツメは別として、本気で採りたいなら10時に帰るようではダメなのだ。採れるもんも採れん。けど、たとえ粘っていたとしてもダメだったと思う。この日は、やって来る気配みたいなものが全くなかったからね。結局、去年は1つも会えなかったし、今年は何とか会いたいね。
これら三種に関しては拙ブログに何編か詳しく書いているから、御興味のある方は探してみて下され。

 

青春18切符1daytrip 春 第二章(3)

 
去年、第二章の2話目まで書いて頓挫、長らく放置していた青春18切符 春シリーズを再開します。

 
  第三話 流浪のプチトリッパー 前編

 
 2020年 4月6日

 

 
武田尾駅の周辺の桜は、今が盛りと咲き誇っている。朝も満開だったが、この陽気で更に開花が進んだのだろう。華やかさは増している。
よく晴れた春うららかな一日だったし、ギフチョウ(註1)にもそれなりに会えた。それによく歩いた。充実した疲れが全身を薄布のように覆っている。
思い出したように時折そよぐ風に花びらが舞うのを和やかな心で見送る。でも世の中はコロナ騒ぎで大変な事になってるんだなと思うと、妙な気分だった。

時計に目をやると、まだ午後3時前だった。
晩飯の時間まではかなりある。汗を流しに行くにしても時間潰しが必要だろう。さて、どうしたものか…。まあいい、流浪の民だ。流されるまま、気の向くままでいい。
取り敢えずは、2:57の篠山口行の列車に乗る。丹波方面をうろつくのも悪かない。

道場を過ぎ、三田駅を過ぎる。ここから先は福知山線になるのかな❓いや尼崎からか…。
毎年、道場はクロツバメシジミ、三田はギフチョウに会いに来てるから武田尾から三田までは馴染み深いが、そっから先は殆んど未知の世界だ。城崎温泉に行く際に何度か通ってはいるものの、特急ゆえに途中下車はしていないし、オネーチャンと一緒なんだから外の風景なんかロクすっぽ見てないのだ。この地方は、ほぼほぼ未知だと言っても差し支えないだろう。

車窓から外をぼんやりと眺める。
列車の両側には田畑が広がっている。しかし作物は殆んど無く、枯れた野が延々と続く。「夢は枯野を駆けめぐる。」と呟く。
このまま福知山辺りまで行って、デンして帰ってこようか❓取り敢えず流れる風景さえ見ていれば退屈することはない。時間は確実に流れてゆくのだ。電車に乗ってると時間が早く流れるような気がするのは、自分だけだろうか…。
ふと思う。電車で移動するのと歩くのとでは、物理的にスピードに雲泥の差がある。だとすれば自(おの)ずと時間の流れ方は変わるのではないか❓いや、時間は時間だ。スピードが速かろうが遅かろうが同じだ。
でも江戸時代の人と現代の人とでは、時間の流れの感じ方は違っていたのではないだろうか❓少なくとも昔はもっとゆるやかに時間が流れていたのではあるまいか❓
そんな事を考えてると、列車のスピードが突然弱まり、車内アナウンスが入った。

 『次は、あいの〜、あいの〜。』

「あいの」という地名は聞いたことがある。「あいの」って、もしかして「相野」かな❓
3、4年前だったろうか、大阪昆虫同好会の夏合宿の帰りに、兄貴こと河辺さんに肉屋に寄るからつきあえと言われて少し遠回りした事があった。兄貴曰く、そこのハンバーグが死ぬほど旨いらしい。その肉屋があったのが相野駅のすぐそばだった筈だ。

列車は駅のホームへとゆっくりと入ってゆく。すかさず駅名表示を見る。
やはり「相野」だ。でも、ホントにそれであってんのか❓
(ノ`Д´)ノ彡┻━┻えーい、ままよ。降りちまえー。

 

(出典『改札画像.net』)

 
これでもし記憶違いだったら、とんだ笑いもんだが、所詮は特に行くあてのない流浪の旅なのだ。それもまた縁だ。ここで運命的な女性との出会いが無いとは言い切れないのだ。そして二人は💋ぶっちゅう〜。
まあ、そんな事は万に一つもないだろうけどさ。

スマホでググると、確かに駅近くに肉屋があった。
しかも、そこそこ有名みたいだ。店の名前でピンとはこなかったけど、そんな名前だったような気もしてきた。おそらくそこで間違いなかろう。そして、肉屋だけにコロッケやメンチカツとかもあった筈だ。それならオヤツ代わりにもなる。ハンバーグは高かった覚えがあるし、そんな生肉なんぞを持って歩く気にはなれないけど、コロッケなら1つだけ食って、あとは持って帰る事だって出来る。

5分ほどで着いた。

 

 
『肉のマルセ』。
こんな店だったかなあ。見憶えがあるような、無いような…。
まあいい。この際、たとえ別な店であっても構わん。もうコロッケさえ食えれば、それでいいや。
しかし、店内を覗いて此処で間違いないと確信した。完全に見憶えのある風景だったからだ。そいでもって、コロッケとかも売ってるぞなもし。
だが店内には入らず、スマホで近隣の酒屋とスーパーマーケットを探す。揚げ物があるとなったら、ここは当然ビールでしょうよ。
ガビー\(◎o◎)/ーン❗
しかーし、行ったらスーパーは潰れてやがった。
(--;)マジかよ❓である。
もうスマホなんぞに頼るかボケッ(ノ ̄皿 ̄)ノ❗ スーパーの斜め前の和菓子屋でビールの売ってる場所を尋ねる。すると婆さんが雑貨屋を教えてくれた。そこに売ってるらしい。雑貨屋にビール❓それってド田舎パターンだ。屋久島を思い出したよ。半信半疑で店に入ったら、奥にちゃんと売ってた。
ケッ(-
-メ)、スマホの情報なんぞを鵜呑みしたからだ。人に聞く方が早い。但し、選ぶ人を間違えれば最悪だけどね。
 
🎵コーロッケ、🎵ビール、🎵コーロッケ、🎵ビール
肉屋にマッハで戻り、コロッケを買う。

 

 
ミートコロッケじゃよ。
でもビール(発泡酒)を買った時点で、タガがハズレていた。

 

 
他のもんまで買っちまったよ。
マジックでちゃんと何なのかを書いてくれてるところが親切だ。
左上から時計回りに牛カツ、カレーコロッケ、そして下段はメンチカツである。ちょっと買い過ぎのような気もするが、すぐに腐るもんでもなし、余ったら家に持って帰ればいいのだ。

 

 
揚がるまでにビール(発泡酒)片手に突っ立っていたものだから、店員さんに笑われた。ワシも笑って軽口で返す。したら、店の端のテーブルを使って食べてもいいよと言われた。何かと得なセーカクー✌️😄

チラシを横にどけて陣地を確保して、先ずはやっぱりミートコロッケから。

 

 
(≧▽≦)うみゃーい🎉
すかさず発泡酒をグビグビいく。
(≧▽≦)うみゃーい🎊

続いて牛カツ。
(人´∀`)。゚+うみゃーい🥰
やっぱ関西人は牛好き文化なのだ。豚カツも勿論美味いけど、牛カツには敵わない。関西では串カツといえば牛カツだかんね。

お次はカレーコロッケ。
感動する程ではないが、旨いっぺよ(◠‿・)—☆

そして、最後はメンチカツ。
うま、うま、うまっ、✨💕激うま〜(☆▽☆)
他のも旨かったが、コヤツが断トツに美味い。玉ねぎと肉汁の甘みが渾然一体となってジュパ〜と襲ってくる。

午後4時半。
駅まで戻ってきた。
扠てと、どうしたものか…❓相野駅周辺に他に寄るような所はない。となると、このまま前に進むか戻るかだが、思案のしどころだ。
(ー_ー゛)う〜ん、上手い具合にだいぶ時間が潰せた事だし、時刻を考えれば、ここはやっぱワシ的王道コースかなあ。

                         つづく

 
追伸
間が9ヶ月も開いての連載再開である。別に誰も続きを待ってなかったとは思うけど、中途半端なのはどうにも心苦しい。心の片隅のどこかで頓挫したことが、ずっと気にはなっていたのだ。
とはいえ、再開したはいいが当時の事をどこまで憶えているかは心許なかった。オジンになると、忘却スピードは加速度的に早まるのだ。
けど書き始めたら、意外と憶えてた。記憶とゆうものは1つ思い出せば、数珠繋ぎに甦ってくるものだと改めてわかったよ。

えーと、頓挫した理由も書いとこう。

①カトカラ(蛾のグループの1つ)の方の連載再開の時期が迫っていたので、そっちの下書きを優先したから。
アサマキシタバの話は長くなりそうだったので、早めに2019年の分だけでも下書きをしておこうと思ったのだ。そして、そのままソチラの連載に掛かりきりになってしまったのである。

 
【アサマキシタバ Catocala streckeri】

(2020.5 東大阪市枚岡)

 
②飽きたから。
文字通りである。この連載も長くなっていた。第一章だけでも5話も要した。オマケに各話が長い。愚かなことに、いつも簡単にサラッと書けるだろうと考えてシリーズものを始めるのだが、書くうちにアレもコレもと付け加え、また脱線もしてしまうので長くなってしまう。で、結局途中で書くのがウンザリになって放り出したくなるのだ。カトカラの連載再開は、放り投げる格好の理由にもなったワケだ。

本文が一部斜めの字体になってて読みにくい箇所がありますが、どうしても治らないので、そのまましておきました。すいません。

 
(註1)ギフチョウ

 
春先にだけ現れ、「春の女神」とも呼ばれるアゲハチョウの1種。
 

鱸の子と魚卵ばなし

 
前回のカニ出汁の話で書き忘れてた鱸(スズキ)の卵の話である。

スーパー玉出でスズキの卵が売っていた。
値段は280円だったが、半額になっていたので実質140円だ。
しかしデカくてグロいので買うのを躊躇した。でも反芻してみればスズキの子を食べだ記憶がない。となると魚卵好きとしては見逃せない。買うことにした。
ちなみに本体の画像は無い。デカくてグロいから撮る気が起きなかったのだ。それに普段なら切り分けて熱湯に放ち、花型に仕上げるのだが、水っぽい感じがしたので丸のままカニ出汁で茹でたら、よりいっそうグロくなってまっただよ(@_@)。白くてブヨブヨで、まるで何かの幼虫(芋虫)みたいに醜悪なのだ。おまけに血管的なものが黒い筋となって浮き立ち、誠に気持ちが悪い。押すとボワンボワンと体を揺らしよる。
\(ㆁωㆁ)/わちゃ、テメェ生きてやがんな❗思わず後ずさりしちゃいましたよ。醜悪にして邪悪。怖気(おぞけ)ましたがな。
ゆえにそっちの画像もない。

更にイラッ💢ときたのは、10分も茹でたのに切ったら中は大半が生だった。(-_-;)何なんだ、おまえ❓お陰で計25分も茹でたよ。

それを輪切りにし、カニ出汁に酒と味醂、薄口醤油を加えて煮付けにした。

 

 
それを2回に分けて食った。
感想を言うと、不味いもんではないが取り立てて旨いもんでもない。粒が小さくて稠密で、粒々感があまりないし、旨みもやや少ないような気がする。
正直、期待ハズレだ。スズキ自体は旨い魚なのに何で❓
偶々ハズレだったのかもしれないし、一応ネットでの評価も確認しておこう。

ネット上での情報は少なかった。それも釣ったら卵が入ってました的なものが多く、調理法の大半は甘辛く煮付けものだった。
味の評価は微妙。好きな人は好き、嫌いな人は嫌い的な記述もあった。どうやら特別に旨いもんではなさそうだ。まあ納得ってとこかな。

振り返ってみれば、我が半生、今まで随分と魚の卵を食ってきたな。思えば魚卵まみれの人生だよ。だからコレステロール値が異様に高いのだ。

魚卵の筆頭といえば、タラコとイクラだろう。

 
【明太子のスパゲッティ】

 
これは説明不要だろう。
もう、旨いとしか言いようがない。何度も言ってるけど、最初に鱈子スパゲッティを考えた人は偉いですな。表彰されて然るべきだろう。

 
【シラスの鱈子あえ】

 
サッと茹でたニラと和えてもいいツマミになる。
タラコと明太子は万能だ。白ご飯は勿論の事、何にだって合う。チーズとも合うんだから、おそれいります。

 
【自家製イクラの醤油漬】

 
これまた魚卵の王道である。
筋子も旨いよね。ここ数年は高騰してるから、前ほど食べれなくなったけどさ。悲しいやね。
似たようなものに鱒の子や岩魚やヤマメの子があるが、全て同じ方向性に旨い。

 
【雲丹イクラ丼】

 
考えてみれば、雲丹も卵巣(+精巣)なんだから卵だよね。魚じゃないけど、魚介類と考えれば範疇に入るだろう。

 
【数の子】

 
黄色いダイヤとも言われる鰊(ニシン)の卵である。
これも言わずもがなの旨さだ。歯応えが堪りまへん。
『銀平』の道頓堀店で何度か食ったけど、子持ちニシンの塩焼きってのがあって、これが身と卵を同時に味わえて最高なんだよね。
あと子持ち昆布も好きだなあ(´ω`)

よくよく考えてみれば、魚卵ってメジャーなものからマイナーなものまで沢山種類があるんだよなあ…。

 
【平政の子】

 
卵を2センチくらいの輪切りにして熱湯に放つと、こうやって丸まって花のような形になるのである。
紹介順がいきなりの変化球だが、けっこう旨いから頭の方に持ってきた。
ちなみに平政(ヒラマサ)は、旬が夏のブリの仲間です。

 
【平目と鯛の子】

 
左が鯛の子で右が平目の子である。
何故かこの時は、気分で鯛の子の方は花型しなかった。
鯛は魚の王者だけあって身も旨いが卵も旨い。白子も美味いし、アラも皮も旨いから最強の魚だろう。

色が黄色いヒラメの子も旨い。鯛の子に勝るとも劣らない味である。でも市場に出回る事は少ないから、あまりお目にはかからないけどね。単品で売ってることは殆んどなく、アラと一緒にされてることが多い。不当な扱いだと思うが、そのぶん安くなってるからいいんだけどね。

 
【鯛の子の玉子とじ】

 
普通に甘辛く煮付けた鯛の子も旨いが、甘さ控えめにしたコチラの方が好きだ。酒の肴にもなるが、ご飯のオカズにもなる。

 
【鱧(はも)の子と松の葉昆布のパスタ】

 
鱧の子で一番作るのはパスタかな。
作り方の基本はオリーブオイルにニンニク、鷹の爪のアーリオ・オーリオ風に薄口醤油を加えて和風寄りにする。
ちなみに上の画像は松の葉昆布を使ったので、ニンニクと鷹の爪は入れず、油は太白胡麻油を使ったんじゃなかったかな❓
仕上げに松の葉昆布を乗せ、木の芽(山椒の葉)を散らした。

コレはバリ旨だったと思う。スッポンの出汁で炊いた高級昆布の松の葉昆布さえ入れれば、何だって激旨になるからね。

 

 
コレは同じようなレシピの冷製パスタかなあ…。或いは上の残りかもしれない。旨いもんは冷えても旨いのだ。鱧の子は下手したら鯛の子よりも美味かもしんない。旨みがより強いのだ。

そういや生の鱧の子でもパスタを作ったな。

 
【生ハモの子の冷製パスタ】

 
鮮度が良かったので、タラコみたく塩漬けに挑戦してみた。
(☆▽☆)これが絶品❗画像は無いけど、生カラスミに比肩しうる旨さであった。湯がいた鱧の落としの上にも乗っけたし、帆立の刺し身と和えたり、タラコみたく白御飯と食べたりもしたが、全て絶品だった。塩辛の1種みたいなもんだから少々手間と時間がかかったが、その甲斐は十二分にあったよ。

 
【子持ち鮎】

 
我、子持ち鮎偏愛主義者である。
でも出回る時期が限られるので、時期になれば目を光らせるようにしている。ぼおーっとしてたら、すぐ市場から消えてしまうのだ。

そういえば「子うるか」という絶品の高級珍味があるが、マジで美味。うるかといえば内臓の塩辛の「苦うるか」が基本なのだが、稀に鮎の卵の塩辛の「子うるか」と、これまた絶品である白子の塩辛「白うるか」を見かける。見かけるといっても、どちらも何十年とお目にかかってないんだけどね。それくらい珍しいものだ。マジで、酒呑みには堪りまへん代物ですわ。

 
【子持ち鰰(ハタハタ)】

 
ハタハタの卵は「ブリコ」とも言われ、体の割合に比べて卵が大きいのが特徴だ。
しかし、味はガッカリもんだ。旨みがあまりなくて、歯応えもキシキシしてて、お世辞にも旨いとは言えない(一部では評価が高く、好きな人は好きらしい)。
身は美味しい魚なのに何でざましょ❓身が旨い魚は卵も大概は旨いんだけど、時には例外もあるのだ。あっ、シー・バス(スズキ)もそうなるのか。

卵が大きいというので思い出した。次のコレも粒が大きい。

 
【鰍(かじか)の子 明太子風】

 
カジカといっても川にいる奴ではなくて、海にいる奴だ。
コレも鮮度が良かったので塩辛にした。いや、醤油漬けだったかもしれない。
粒が大きくてプチプチで、旨みもあって、かなり美味かったと記憶してる。だが、量が多過ぎて途中で飽きてきた記憶もあるけどね。

 
【鰍と針烏賊の和え物】

 
飽きてきたので、イカの刺身と一緒にしてみたんだと思う。
酒の肴としては身をよじる旨さだ。白御飯の上に乗っけても美味い。炊きたて白飯と一緒にハフハフとカッ込むと、身体くねくねで仰け反りまっせ。

 
【真子の釜玉風チーズ乗っけパスタ】

 
真子とは真鱈(タラ)の卵の事である。ちなみにタラコは、タラはタラでもスケソウダラの卵だ。マダラの卵はタラコとは見た目が全然違ってて、デカくてグロい。

 

 
デカイだけじゃなくて、表面が汚くて全然旨そうに見えないのである。買ったはいいが、途方に暮れた記憶がある。

画像は茹で上がったパスタに真鱈の子、鶏の卵とバターを乗せ、醤油と黒胡椒をかけてグシャグシャに掻き混ぜたものかな…❓
詳しくは拙ブログの『グロい真鱈にゃ気をつけろ』と題して書いてる筈だから、そっちを読んでね。
一応言っとくと、画像に「出典」と入っていないものは、全部それについて書いてる文章が存在します。このワードプレスのブログか同タイトルのアメブロのどっちかに文章があります。暇な人は探して読んで下され。例えば「蝶に魅せられた旅人+イクラ」で検索すれば、それ関係にヒットします。

画像はないが、他にもマイナーな魚卵はそこそこ食ってきた。記憶しているところでは、ブリ、サバ、サワラ、カンパチ、シマアジ、マグロなんかがある。

メジャーどころではボラの卵を干した高級珍味「唐墨(からすみ)」がある。イタリアにも「ボッタルガ」という近いものがあって、パスタと混ぜ合わせて食べたりする。カラスミのスパゲッティは美味いよね。
参考までに言っとくと、ボラの卵で作るのが基本ではあるが、他の魚でもカラスミは作れます。
尚、生カラスミと呼ばれる塩辛があり、これが死ぬほど美味い。

 
【生カラスミ】

(出典『築地魚群』)

 
市販のモノも結構ある。だが旨いけど高いので、自分で作ったことがある。画像は無いけど、悶絶級に美味かった。

他には魚卵といえば、飛魚の卵の飛びっ子、ワカサギ、本シシャモ、カラフトシシャモ(カペリン)あたりは大概の人が知ってるだろう。
ちなみに居酒屋で出てくる子持ちシシャモは、シシャモではなくてカラフトシシャモ。ホンマもんのシシャモとは別種である。どころか分類学的には「科」さえ違う縁遠い間柄だ。付け加えておくと、本シシャモの方が味は遥かに上品で繊細である。カラフトシシャモの方は脂臭い。参考までに言っとくと、シシャモもカラフトシシャモもオスの方が身自体は旨い。

他にポピュラーといえば、カレイかな。煮付けとか干したものに、よく子が入ってる。美味しいよね。

あとはマイナーだけど子持ちニゴロブナというのもあったな。
知ってる人は直ぐにピンときたとは思うけど、このフナが琵琶湖名物「鮒ずし」の原材料だ。

 
【鮒ずし】

(出典『旅ぐるたび』)

 
発酵食品で、クセがメチャメチャ強い。アンモニア系の独特の臭みがあるのだ。例えるとするならば、ウォッシュ系のチーズと相通ずるものがある。

これまたマイナーたが、『フグの糠漬け』とゆうのもある。

 
【河豚の子の糠漬け】

(出典『Foodie』)

 
たしか金沢とか石川県の名物珍味だ。たぶん福井辺りでも作ってた筈だ。
ご承知のとおりフグの卵巣には、肝などと同様に致死性の高い毒素であるテトロドトキシンが多く含まれている。だから、そのままでは食用にできない。
しかし、その卵巣を2年か3年間塩漬け&糠漬けにすると毒素が消えるんだよね。不思議ですな。
猛毒のものをそこまでして食べようという姿勢には頭が下がるよ。試し食いするのにも相当な勇気がいるしね。
そのままだとそう旨いもんではないが、白飯は沢山食える。兎に角、信じられないくらいにしょっぱいのだ。とはいえ、味付けなしで御茶漬けにしたり、パスタに入れると旨い。

こんなもんかなあ…。
魚じゃないなら、前回に取り上げたカニの卵、内子と外子とゆうのがあるし、海老の卵もある。甘海老なんかには、よく緑色の卵が付いてるよね。
烏賊も子持ちイカなんてのが珠に売ってる。そういやタコの卵はあまり知られてないが「海藤花(かいとうげ)」というんだよね。コレは卵が蛸壺などの天井に産まれ、その形が藤の花に似ているからと名付けられた。

 
【海藤花】

(出典『京都錦市場 珍味通販の喜久屋』)

 

(出典『一般社団法人 明石観光協会』)

 
高級珍味ではあるが、騒ぐほど旨いもんではない。産卵前の真ん丸のも食べた事があるが、期待外れだったと記憶している。

おっと、メジャーだけど高級過ぎて食べた事がある人は少なそうなキャビア様の事を忘れてたよ。
キャビアはチョウザメの卵である。サメといっても淡水にいるもので、あの凶悪な鮫とは全く別物の生物である。そもそも歯が殆んど無いんだから、危険度ゼロのおっとりさんなのだ。
たしかカスピ海にはセヴルーガ、オシェトラ、ベルーガという3種類のチョウザメがいて、その順で高級となりベルーガが一番上物だった筈だ。
余談だが、カスピ海沿岸をバイクで走ったことがあるんだけど、綺麗な水色だったんで驚いたなあ。

あとパチモンのキャビアもあったな。ランプフイッシュという深海魚の卵を昔はキャビアと称して売ってたんだよなあ。高級ホテルでも、このパチモンが料理の上にチョコンと乗っかってたもんな。キャビアは黒っぽい灰緑色だが、ランプフイッシュは真っ黒なので見極めるのは簡単なんだけどね。
あっ、でも今はランプフイッシュ・キャビアとイミテーションだと堂々と名乗っているから、より偽装度は上がっているかもしれない。食べれば分かるけどね。あー、でもキャビアを食べた事のない人にはワカランよな。旨かったらキャビアだと言いたいが、それも人によりけりだからなあ…。ホンマもんを一度は食べるしかないです。

そういや思い出した。昔つきあってた彼女からの誕生日プレゼントがキャビアだった事がある。アタシャ、たしかにキャビアは好きだよ。でも何だそりゃ❓である。
悪だくみは天才的、頭の切れるクレバーな女性だったけど、エキセントリックな女(ひと)でもあったもんなあ…。こんなの思い返せば序の口だったよ。
でも考えてみれば寄ってくんのは、そんなエキセントリックなのばっかだったかもしれない。昔から美人で小悪魔的、捉えどころが無くて、取っ掛かりが難しいような不思議系の女性とは縁があるんだよなあ…。多分その不思議さがさして気にならなくて、何となく理解できたからなのかもしれない。
それに小悪魔系は得意分野だった。ワシにはあんまし攻撃が効かなかったし、そのせいかあまり攻撃もされなかったしね。それに悪魔度は、こっちの方が高かったかも。だからボロボロにされた事は殆んどない。一人を除いてはね。
そういや、あの時のキャビアってどうしたんだっけ❓
たぶん…、彼女が「冷製キャビアのカペリーニ」を作ってくれたんだと思う。

 

(出典『* Fleur de Coeur *ココロノハナ』)

 

(出典『エピレシピ リストランテ・アルポルト』)

 
それ以来、今でも「冷製キャビアのカペリーニ」は好きだ。

 
                        おしまい

 
 

蟹の茹で汁の活用法

 
カニを茹でた汁を飲んでみたら、捨てるには忍びないくらいに良い出汁が出ていた。なので食い終わったカニの殻を茹で汁に再びブチ込み、昆布の顆粒だしの素を加えて圧力鍋で20分間茹でて火を切る。で、一日寝かしておくことにした。

翌日、菜の花が激安価格の69円で売ってた。それを見てピンときて買うことにした。たしか菜の花と蟹の組合せの相性は良かった筈だ、雑誌か何かで見た記憶がある。

茹で汁を再び沸騰させ、菜の花を50秒茹でて素早く団扇で煽いで冷ます。水で冷まさないのは折角の出汁を洗い流したら元も子もないからだ。
冷めたところで、そのまま何もつけずに味見してみる。
(☉。☉)あっ、甘い❗仄かな蟹の香りと淡い塩味のあとに、茎の部分から自然な甘さがジワリと口中に広がってゆく。いつもは鰹節に醤油とか辛子醤油かけたりしているから気づかなかったが、菜の花って本当はこんなにも甘いんだ。ちょっと目から鱗だよ。普段なら水分を軽く搾るけど、こりゃ必要ないな。

 

 
ほんの少しだけ塩を振って混ぜ、そのまま食う。
やっぱ茎は甘い。おひたしといえば醤油と鰹節、又は出汁醤油が定番だけど、薄めの塩味が一番旨いかもしれん。素材の本来持つ味が一番ダイレクトに感じられるのだ。そして、その味は複雑で奥深い。
オクラとかアスパラは湯がいて塩だけで食う事も多いから薄々は気づいてたけど、今後大きく考え方を変えないといけないかもしれん。考えてみれば、魚介類の刺身も塩で食った方が素材本来の味がよく解るもんな。もちろん醤油を否定するワケではないが、何でもかんでも醤油とゆうのは考えものかもしれん。

たぶん菜の花のエキスも溶け込んでいるであろう茹で汁に薄口醤油を少し加え、今度は市販の鶏つくねを投入してみた。

 

 
蟹味は薄れたが、鶏の出汁が加わって旨い。
軟骨入りなので食感に変化もあって楽しい。あっ、つくねとか鶏団子は火入れし過ぎないよう注意が必要ですぞ。パッサパサになっちゃうからね。

食い終わった汁に酒、鰹の顆粒だしの素を加え、半分の厚さに切った厚揚げを入れて15分ほど炊き、そのまま放置して味を馴染ませる。で、一晩寝かせた。

翌日、その出汁でうどんを作ってみる事にした。
うどんはテーブルマークの冷凍うどん。冷凍うどんといえば、このテーブルマークでしょう。コシがあってツルツルで間違いなく旨いからだ。何度か浮気したが、味と値段等々を総合するとテーブルマークの冷凍うどんを超えるものは未だ無いのだ。

出来上がったうどんに半分の薄さに切った厚揚げを2枚、鶏団子、青ネギを乗っけて一味を振って完成。

 

 
先ずは出汁を飲む。
もはやカニ出汁の面影は殆んどないが、だし汁は旨い。色んなエキスが入ってるからね。たぶん厚揚げの油分も溶け込んでいるだろう。

うどんをズズッとすすり、具を食う。
(☆▽☆)ぴゃあ。自分で言うのも何だがメチャンコ旨い。でも二度と再現出来ない味だろう。いや、やろうと思えば出来なくもないか。いや、待てよ。やっぱり無理だ。書き忘れたが、菜の花を茹でた汁でスズキの卵も煮たのだ。だから、そのエキスも入っている。しかし、スズキの卵になんて滅多と会えるものではない。しかも卵は驚くほど大きかったから、相当デカいスズキのものだったと推察される。たとえ釣りをやってても手に入れるのは厳しいだろう。
とゆう事で、これにて蟹の茹で汁の活用、終了🎊

                       おしまい

 
追伸
スズキの卵の事は別項で、また書きます。

 

香箱蟹

 
目の前で脚がグワッと大きく動いた。
不意だったので、(ΦωΦ)ビクッとして一瞬固まったよ。
生のセイコガニだと頭の隅では認識してたけど、どうせスーパー玉出のカニだから死んでるとばかり思っていたのだ。あとはセイコガニの漁は12月一杯で終わっている筈だから、生きてる奴がいるワケがないという考えも底にあった。ようは冷凍品を解凍したものだとばかり思っていたのだ。
見ると、パッケージのラップに穴があちこち開いている。きっと尖った脚先が突き破ったのだろう。
ちなみにセイコガニとは、別名セコガニとかコウバコガニ、コッペガニと呼ばれるズワイガニのメスの事ね。ズワイガニはそのままの名前で呼ばれることはあまりなく、松葉ガニ、越前ガニを筆頭に加能ガニ、間人ガニ、津居山ガニ等々多くの異名があり、それぞれにブランド化しておるのだ。まあオスがそんなだから、メスだってコレくらい異名があって然りなんだろね。

産地は宮城産とある。それで謎が解けた。ズワイガニは日本海のモノだというイメージが強いが、茨城県以北の北太平洋でも水揚げされてるのだ。そして日本海側の産地では珍重され、資源保護のためにメスの漁期が2ヶ月と厳しく制限されているが、他の産地ではそれ程でもないみたいなのだ。だから、この時期でも生きてるメスが出回るのだろう。

値段は2杯で498円。
脚はそれぞれ2本ずつ取れているが安い。買いである。メスなんて足が小さいから1〜2本取れてたところで、どって事ないのだ。そもそもメスの価値は卵にあるもんね。

外部の袴部分の内側にある赤黒い卵を外子、甲羅内にある鮮やかなオレンジ色の卵巣(未成熟の卵)を内子と呼ぶ。
外子はプチプチのシャキシャキ。内子はみっちり、ねっとり、こってりの濃厚な味わいがある。

 

(出典『山陰のおみやげ本舗なかうら』)

 
個人的には蟹味噌と同居する内子の方が断然美味いと思う。
そういや、今頃からが旬のワタリガニ(ガザミ)のメスの内子も美味いんだよなあ。

さて、御託はこれくらいにして調理にかかるか。

①圧力鍋に水1.5L、塩大さじ2を加えて沸騰させる。
生きてるからちょっと気が引けるが、蟹を腹を上にしてブチ込む。してからに落し蓋をして圧力鍋の蓋もしめる。落し蓋をするのはカニが浮いてこないようにするためだ。で、15〜20分茹でる。

②茹で上がったら、冷水で締める。これは見離れをよくするためだ。
あとは甲羅に外子とほじった身を詰めてゆく。これを金沢辺りでは香箱と呼ぶのである。

しっかし、この蟹の身をほじるのって苦痛である。正直、死ぬほど面倒くさい。プラモデル作りや蝶の展翅とかが嫌いなのも辛気臭いからだ。性格上向いてないのである。あ〜、もしかしたら料理もそうかも…。
それでもちゃんと出来るのは、けっして苦手ではないからだ。自分で言うのも何だが、そこそこセンスはあるのじゃよ。あとはプライドかな。スポーツでも何でも自分が出来ないのが許せない人なのだ。あまり努力しなくとも出来ちゃう人なんだけどね。人は、そうゆうアタクシを器用貧乏と呼ぶんだけどもね。

ブツブツ言いながらも完成。

 

 
上からカニ酢と醤油をチビッとかける。

(´ω`)うま〜。
蟹の甘みとカニ味噌のホロ苦さ、内子の旨味との絶妙なるハーモニーだ。そして外子のプチプチした食感がアクセントになっており、至福の時間が訪れる。香箱、最高だな(人´∀`)。゚+
苦労して身をほじった甲斐があったよ。

食べながら、ふと思い出す。そういえば香箱蟹については過去にも書いてる筈だ。
調べたら、やはりあった。『名残りと走りの献立』、『2016年 初冬の献立』と題して書いている。但し、このサイトではなくてアメブロの方の『蝶に魅せられた旅人』だけどね。

 

 
来年は艶っぽいお姉さんと日本海の鄙びた温泉に行って、熱燗で挿しつ挿されつ、しっぽりしながら蟹を食いたいよなあ…。

                        おしまい

 
追伸
そういや昔、当時の彼女が株か何かで儲かったとかで、日本海に蟹食いに連れてってくれたんだよね。
たしか鳥取県の岩井温泉。そこのいい感じの旅館だったな。
💡そうだ、思い出したわ。『岩井屋』だ。1200年もの歴史がある老舗旅館なんだよね。源泉100%かけ流しで、立って入る風呂があったな。もちろん蟹もデカくて美味かった。
あそこだったら、また行きたいよなあ…。

 

かもめはかもめ

 
夕方前、近所の道頓堀川にカモメがいっぱいおった。

 

 
紅い御み足が可愛い。

 

 
それをぼおーっと眺めてたら、不意に歌が口許から溢れ落ちた。
 

(出典『You Tube』)

 
研ナオコの『かもめはかもめ』。
作詞作曲は別れ歌を作らせれば天才の中島みゆき嬢だ。
名曲だけど、冬の殺風景なロケーションも相俟ってか何だか悲しくなってきた。

夕暮れどきに図書館から戻ってきたら、あれだけいたカモメたちが忽然と消えていた。カモメさん、何処へ行ったのかな❓
淋しい気持ちで、また「かもめはかもめ」を口ずさみながら帰った。

                        おしまい

 
追伸
カモメといっても種類が幾つかありそうだから、帰って何カモメなのか調べてみた。
カモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ワシカモメ、シロカモメ、ウミネコ、ユリカモメ、ミツユビカモメと結構いるじゃないか。これらが日本で見られる“カモメ基本8種”と言われているようだ。それと迷鳥というのかな?、それら基本8種に混じって珠にいるホイグリンカモメ、カナダカモメ、ズグロカモメを加えて合計11種が見られるとのこと。
思ってた以上に種類があるのね。知ってたのはカモメとセグロカモメ、ユリカモメ、ウミネコだけだったよ。

で、調べた結果だが、足の色や嘴(クチバシ)と顔の色柄からすると、どうやらユリカモメのようだ。

Wikipediaから一部抜粋して、編集しよう。

カモメの類は、チドリ目カモメ科カモメ属に分類されている。
ユリカモメは漢字だと「百合鴎」と書くそうだ。
『語源由来辞典』によれば、語源には諸説あり、ユリ(百合)の花のように美しいからとする説、イリエカモメ(入江鴎)が転じたとする説、古語の「後(ゆり)」からとする説がある。
ユリの花説は花の形状が似ていないので百合は当て字の可能性が大きいと書かれ、イリエカモメ説は海や川を飛ぶユリカモメからすれば入江は考えにくいと書かれている。可能性が高いのは「のち」「あと」を意味する「後(ゆり)」という言葉だという。平安京の後ろの山間から賀茂川にやってくることに由来しているという説が最も有力なんだってさ。
でもさあ、この『語源由来辞典』の説明って、どっか承服できないところがある。ユリの花説は形が似てないとゆうが、そもそも形そのものではなく色であって、白くて優美な姿(形)になぞらえたものだろう。だとすれば、充分に有力ではないか。
また「海や川を飛ぶユリカモメからすれば入江は考えにくい」と云うのも変だ。入江だって海だろうに。
まっ、ユリカモメの語源なんてどっちだっていいんだけどね。

因みに英名は、「Black-headed Gull(黒い頭のカモメ)」というのだそう。

ユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなど寒い地域で繁殖し、冬には南下してヨーロッパ(南部?)、アフリカ、インド、東南アジア、北アメリカ東海岸へ渡って越冬する渡り鳥。
日本では冬鳥とされ、広く北海道から南西諸島まで渡来し、小型のカモメ類の大半が本種みたいで、海岸や河川、沼地などに普通に見られるようだ。ただし、北海道では厳冬期には殆んど見られなくなるという。

全長は約40cm。足と嘴は赤色。夏には頭部が黒褐色になる。これが英名の「Black-headed Gull」の由来となってるんだね。冬には頭部が白くなり、目の後ろに黒い斑点が現れる。
ズグロカモメと似るが、ズグロカモメの嘴は黒色で本種よりずっと短い等の違いで識別できる。

海岸、内陸の湖沼や河川に比較的大規模な群を作って生活する。大きな河川では河口から10km以上も遡って暮らす。夜は海や湖に戻り、沖合の筏(いかだ)などを塒とする。
なるほど、だから道頓堀川から消えたのね。ユリカモメもお家に帰ったのだ。

今の時期だと京都市の鴨川でも多くの個体が観察される。自分も見たことがある。鴨川のものは比叡山上空を通過し、琵琶湖で夜を過ごすそうだ。
基本的には他のカモメ類と同じく魚や甲殻類、オキアミを食べるが、より雑食性で、カモメ科としては珍しく様々な環境に順応している。水草の生える河川や池では昆虫や雑草の種子などを食べ、港では捨てられた魚などを食べる。時には人の食物や売られている魚を横取りすることも少なくないという。また市街地や農村では人のゴミをあさるので同じ餌場にいるカラスなどの他の鳥と喧嘩をすることもあるという。昼間は常に餌場近くにおり、夜には其処とは異なる海上や湖で過ごす。あっ、これは書いたか。

渡来時期は、10〜11月に飛来し、4月頃に姿を消す。どこまで戻るのだろうか❓何れにせよ、相当遠い。
渡りのときには内陸部を通過しているものと思われる。夏に繁殖するため、日本では基本的に営巣はしない。

日本の古典文学に度々登場する「都鳥(みやこどり)」は、現在において和名にその名を冠するミヤコドリ(学名 Haematopus ostralegus チドリ目ミヤコドリ科)ではなく、ユリカモメを指すとする説が有力である。つまり学術的な和名としてミヤコドリの名が付けられたのは、古典文学に登場した時代よりもずっと後になるという事だ。おそらく命名は明治以降の事だろう。
都鳥がユリカモメだとする根拠として『伊勢物語』の「九段 東下り」が例示されている。

「なほゆきゆきて、武蔵の国と下つ総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。(中略)さるをりしも、白き鳥の嘴と脚と赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡しもりに問ひければ、「これなむ都鳥。」と言ふを聞きて、『名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと』とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり。」

上記のように「都鳥」は「隅田川にいる鳥で、体が白く、嘴と脚が赤い、シギ程度の大きさ、魚を食べる水鳥」とされているが、この条件に当てはまる鳥としてはユリカモメが最も近い。そのため「都鳥=ユリカモメ」と推定されている。
なお、ミヤコドリは嘴と脚が赤いものの体色は黒(腹部を除く)であり、英語名(Oystercatcher)の通り、魚食ではなく、カキなどの貝類を食べている。

 
【ミヤコドリ】

(出典『Wikipedia』)

 
なお、現在の京都ではユリカモメは鴨川などで普通に見られるありふれた鳥であるが、鴨川に姿を見せるようになったのは、1974年からの事で、それ以前は「京には見えぬ鳥」であったそうな。

以下の自治体が「自治体の鳥」に定めている。

・東京都
・東京都品川区
・埼玉県春日部市
・静岡県焼津市
・三重県四日市市
・三重県楠町(四日市市に編入され消滅)
・福井県敦賀市
・滋賀県大津市
・徳島県那賀川町(阿南市に編入され消滅)
・福岡県福岡市

東京都では「都の鳥」として大切にされてるんだね。だから東京臨海新交通臨海線は「ゆりかもめ」という名前がついたんだろう。

 

(出典『Wikipedia』)

 
「ゆりかもめ」と言っても東京近辺の人しか知らないと思われるので、軽く説明しとくと、港区の新橋駅から江東区の豊洲駅までを結ぶ株式会社ゆりかもめが運営する自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)路線のことです。

ところで、本文よか追伸の方が断然長いってのはどうよ(笑)。

 

オマール海老のビスク仕立て 欧風ライス

 
発掘調査の結果、ブラックボックス食料保管庫から次々と賞味期限切れのフードが発見された。

 

 
キューピーの「欧風ライスソース オマール海老のビスク仕立て」。
コヤツの賞味期限は2020年10月20日。既に大幅期限切れである。期限切れから既に3か月近くも経っているワケだが、これくらいなら、まだまだセーフの範疇だろう。だって賞味期限が2017年という化石クラスも発掘されておるのだ。

さておき、(・o・)あれれ❓、自分の記憶ではパスタソースだと思っていたが、御飯にかけるタイプだったのね。たぶん、この手のソースといえばパスタかスープ仕立てがお決まりだから、どうせコレもそうだと思い込んでいたのだろう。でもそれはそれで良しとしようではないか。御飯にアメリケーヌソース系のものを掛けて食った事はないから、好奇心がくすぐられるところがある。ここは怪我の功名と考えよう。前向き、前向き〜(✿^‿^)

①海老は大きめ。ブラックタイガーは大中小で表示されるが、間違いなく(大)の範疇に入るだろう。皿に盛った時に見栄えが良いから選んだと言いたいところだが、単に半額になってたから買ったまでだ。
海老くんの背わたを取り、殻を剥く。鍋に殻と水を入れて20分ほど煮出す。
エビは竹串を刺して、出来るだけ真っ直ぐにする。それを煮汁に入れて火を切り、余熱で火を通す。海老は火を入れ過ぎるとパッサパサになるから注意が必要。適当なところで出汁から取り出す。
今回は使わないが、出汁は捨てずに取っておこう。ラーメンの出汁とか何かと使えるからね。
尚、言い忘れたが、あらかじめ出来上がりを想定して、同時進行で1合分の御飯を土鍋で炊いておる。

②上の工程と並行して、レトルトを熱湯に5分以上入れて温めておく。

③土鍋で炊いた御飯の2/3程を皿に盛り、レトルトソースを半がけして、海老と貝割れを飾って完成。

 

 
(・o・)あらま、思ってた以上にソースの量が多くて、半がけしたのにソースびたしになってもうた。レトルトって普通は量的にギリギリなのに、こうゆう事もあるのね。レシピどおりに鍋なりフライパンなりに中身をあけて、海老と共に温めて水分を少し飛ばすべきだったのかもしれん…(-_-;)。
まあいい。嘆くほどの事ではない。御飯はまだ有るもんね。

(・o・;)あっ、予想以上にトマト味だ。後からアメリケーヌソースの海老味が立ち昇ってくる。やや海老の濃厚さが足りない気もするが、100円だったから充分合格だ。いや、この味なら安すぎるくらいだ。結構、旨いかも。

一応、値段をネットで確認してみる。
あっ、¥298になってる。そっか…コレってワゴンセールで激安になってたんだった。
このクオリティーなら、たとえ¥298だとしても安いんじゃないかな。味は値段のわりに複雑だしね。何か色々と入っていそう。

裏の成分表示を見てみる。

 

 
植物油脂、クリーム、チーズ、発酵乳、脱脂粉乳、バターオイル、乳たん白、トマト、トマトピューレ、トマトペースト、海老エキス、砂糖、でんぷん、ソテーオニオンペースト、動物油脂、アメリケーヌソース、ソテーガーリックペースト、食塩、酵母エキスパウダー、小麦粉、ワイン、アンチョビソース、アミノ酸、増粘剤、カロチナイド色素、香料等と、色々入っているなあ。アンチョビソースとか全然分からなかったよ。
それにしても、酵母エキスパウダーだとかカロチナイド色素、増粘剤とかって何❓怪しい化学物質っぽいぞ。
こうゆうのを見ると、何だか不安になってくるよね。
成分表示って、あんまし見ない方がいいよなあ…。何も食えんくなるぞ。

                        おしまい

 
追伸
言葉通りに無視しようかと思ったが、一応調べてみた。

「酵母エキス」
酵母エキスとは、ビール工場から出る使用済みの酵母に酸や酵母を加え、酵母の有用な成分を自己消化や酵素、熱水などの処理を行うことにより抽出されたエキスで、醤油や昆布エキスなどと同様に食品に分類されています。酵母エキスは、精製したものではないので食品添加物に分類されていませんが、人為的にたんぱく質をアミノ酸に変えて調味料のように使える身体に悪影響を及ぼす食品です。

「酵母エキス」の製造工程で出る不純物は、イースト症候群(イーストコネクション、または慢性カンジダ過敏症)というアレルギー症状を起こす原因物質になっています。イースト症候群になると、腸内細菌が減少し、ビタミンB群も減少するので皮膚や粘膜が荒れたりかゆみが出たりします。また、慢性の下痢が続く、イライラする、怒りっぽくなる、記憶力・集中力の低下なども招き、疲れやすく、慢性的なだるさが続くといわれています。

食品添加物ではない食品『蛋白加水分解物』と同類な存在で、『蛋白加水分解物』に代わる「うま味成分」として使われている。

酵母を原料として抽出・エキス化したもので、日本では主に、ビール製造の過程で出る酵母の残りカスを用いて作られているそうです。カスです。無用ものです。ただ、やはり副産物として得た酵母では「うま味成分」が足りないので、現在は「酵母エキス目的の酵母」が遺伝子組み換え操作によって製造され、グルタミン酸ナトリウムや肉汁などの培養液によって培養されているらしいのです。
(出典『Hello sunshine project』)

 
「カロチナイド色素」
カロチノイド色素とは着色料の一つで食品添加物に指定されています。その色は赤や黄色、橙色です。色素原料であるカロチノイドは動植物や微生物などに含まれている色素の総称を指します。
例えばトマトに含まれるリコピン、緑黄色野菜やみかんに含まれるβカロチン、唐辛子に含まれるカプサンチン、エビやカニに含まれるアスタキサンチンなど750種類を超えるといわれています。
食品への表示はアナトー色素、アナトー、カロチノイド、カロチノイド色素、カロテノイド、カロテノイド色素などと表記されます。
高温の油脂や溶剤(プロピレンクリコールやヘキサン、アセトン)、水、アルカリ性の水溶液によって抽出され、黄色や赤色の食品用、化粧品用の色素として用いられています

カロチノイド色素の多くは、ハムやベーコンなど私たちが日常的に購入し、口にする食品や加工された食品などあらるものに幅広く使用されています。
食品添加物の一つであり安全性に問題はないとされているものの、いくつかの危険性も示唆されています。
例えばアナトー色素は天然抽出物の一つですが発がん性があるのではないかと疑問視されています。天然抽出物は大量生産に不向きであり不純物も多いため合成化合物が添加される恐れがあります。
しかし化学処理をされたものかそうでないものか表示されないため見分けがつきません。そのため知らず知らずのうちに摂取している恐れがあります。
(出典『ヘルスケアPocket』)

 
「増粘剤」
「増粘安定剤」とは、水に溶解または分散して、食品に粘性や接着性をもたせる食品添加物である。使用目的により、増粘剤、安定剤、ゲル化剤と3つの呼び方で区別をしている。
食品に粘りやとろみをつけるための目的で使われる場合は「増粘剤」と呼び、少量で高い粘性がある。固体や液体である食品成分を均一に安定させ、形が崩れないようにする目的では「安定剤」、液体をゼリー状に固めるために用いる目的では「ゲル化剤」と呼ぶ。いずれも、食品の食感やのどごしをよくする役割がある。

食品によく使われている増粘安定剤3つを紹介する。

(ペクチン)
リンゴの皮や柑橘類、オクラやキャベツなどの野菜、海藻類に多く含まれており、これらのものから水で抽出して得られるもの。主成分は、メチル化ポリガラクチュロン酸という多糖類。口あたりをよくするため、増粘剤としてジュースに使われ、安定剤としてアイスクリームのシャリ感をなくすなど。また、ゲル化剤の用途では、ジャムやゼリーを固めるために使用する。添加物としてのペクチンは、おもに果物の皮から抽出しているが、皮に残留している農薬が懸念されている。
使用食品:ジャム、飲料、ゼリー、アイスクリームなど

(キサンタンガム)
土壌に生息するグラム陰性桿菌であるキサントモナスから作られる。成分は、グルコール、マンノース、グルクロン酸などからなる多糖類。増粘剤として食品に粘りを出し、安定剤として分離しないようにする。毒性は少ないとされ、摂取量を守れば安全性は高い。ただし、トウモロコシのでんぷんを使って微生物を工業的に培養している場合があり、そのトウモロコシが遺伝子組み換えの可能性があるため問題視されている。
使用食品:ドレッシング、ケチャップ、たれ類、練りわさび、練りからし漬物、つくだ煮、冷凍食品、レトルト食品など。

(カラギーナン)
海藻からとれるぬるぬるした成分を水で抽出したもの。主成分は、ガラクトースとアンヒドロガラクトースなどからなる多糖類。粘りをつける増粘剤、液体分離を防ぐ安定剤、液体を固めるゲル化剤の三役を担う。タンパク質やミネラルが多い食品に添加するとゼリー状に固まる力が強まる、暖かい場所でも溶けない、冷凍しても効果があるなどの特徴がある。
使用食品:ゼリー、ジャム、プリン、アイスクリーム、調整豆乳、ソース、ドレッシングなど。

増粘安定剤は、天然由来のものが多いが、天然だからといって必ずしも安全とは言い切れない。食品添加物には必ずADI(1日摂取許容量)が決められているので、その範囲は守りたい。たとえばアラビアガムという増粘安定剤がコーラには使われている。大量にコーラを飲む人は、増粘安定剤や人工甘味料の摂りすぎになってしまうことを念頭に置いておきたい
(出典『Color+da』)

(;)アチャー、やっぱヤバいじゃんか。
 

刺身の切れっ端で海鮮丼🎵

  
刺身の切れっ端の寄せ集めを買う。
値段は298円。鮮度が良さそうだし、量も多いから買った。
量が多いゆえ、最初は酒のツマミとして刺身で食う事にした。

 

 
中トロ、サーモン、イカ(たぶん剣先イカ)、タコまでは確実に分かるが、白身は鯛以外はようワカラン。でもコリコリで脂の強い部分があったので、そやつはシマアジだと思われる。カンパチも考えられなくもないが、歯応え、味、見た目等から鑑みればシマアジに間違いなかろう。

寿司酢は自分で作ってみた。適当にググってみて、ご飯1合に対して酢20ml、砂糖大さじ1、塩小さじ1に、昆布の顆粒だしを適当に加えて混ぜた。
けど味見したら、かなり甘い気がする。
まっ、いっか…。

でも御飯にそのまま混ぜたら、ゲッ、クソ甘い❗
やっちまった感、満載である。
けど、刺身と一緒に食ったら案外何とかなるかもしれない。
というワケで、予定してい錦糸玉子はパス。甘くない錦糸玉子でもよかったんだけど、作った事がなかったからやめといた。
取り敢えず、バランスをとるために白胡麻をご飯に混ぜ合わせる。これで何とかならなかったら、海鮮丼はやめにして、御飯を雑炊にするとか別な方向で何とかしよう。ダメなもんはダメだからね。意地とかで深追いしてもロクな事ないのだ。

 

 
(≧▽≦)う〜ん、何かエロいねっ。官能的な色艶だ。
この見た目で、酢飯のせいで不味かったらヘコむなあ(´ε` )

海苔も乗っけようと思ったが、すぐに湿気るのでやめておくことにした。ガス火で炙り、別添えにする。

 

 
皿に小分けにして、醤油をチビッとかけて海苔を巻いて食べる。
パリッパリッの海苔の食感と磯の香りのあとに、魚の脂と旨味が追いかけてくる。そして最後に胡麻の香りが鼻腔をふわっと抜けてゆく。
白胡麻、大正解だったわ。お陰なのか甘い酢飯も何故か甘く感じなくて、何だか丁度いい具合になった。

旨すぎて飯1合分を一挙に食いきっちゃったよ。
しかも原価は400円くらいだから、至極満足(´ω`)

                        おしまい

 
 

=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)悪魔の毒々紫高菜

 
高島屋で高菜(たかな)が売ってたので買った。
値段は198円だったっけかな。
普段なら間違いなく浅漬けにするのだが、この日は何を思ったか半分をお浸しにすることにした。

 

 
普通のお浸しみたく鰹節を乗っけ、醤油をかけて食う。
(°o°)レレレ❓辛くない。タカナといえば芥子菜の変種だから当然辛いかと思いきや、普通のアブラナ系野菜のお浸しと変わらんぞなもし。(・o・)何で❓

そういや茹でた時に汁の色が変わって、\(◎o◎)/おったまげーでメタクソ驚いたんだよねー。

 

 
何と青色じゃよ、青色。悪魔の毒々モンスターかよ(@_@)
漬物にすると赤紫色の汁が出るとは知ってたけど、まさか茹でると青になるとはね。およそ考えもしない事だったので、高菜がグレて何某(なにがし)かの叛乱を起こして、体から毒液を排出して悶絶死したのやもしれぬと思って(゜o゜;ビビったよ。
でも、もしかしてこの青いのが辛味成分なのかもしんない。
いや、高菜といってもコレは紫高菜といい、葉の表側が濃い紫色だから、その色素が溶け出したのに違いあんめぇ。辛味成分じゃなかろう。

 

 
仕方なく辛子を混ぜて、別な器に盛りなおしましたよ。
うーん、コレコレ(≧▽≦)。味はコレで良し。鼻からツンとした辛味が抜けてく感じが良ろしおますわ。
でも辛い成分をわざわざ抜いといて、再び辛い成分を入れるってのは、どーよ。どう仕様もなくヌケ作の人みたいな気がして何かガックシだよ。

ふと、あの青い茹で汁で米を炊いたら、どうなるかと思った。
いかん、いかん。また変なことを考えだしてるぞ。そうゆうロクでもない考えが人生をダメにしとるのだ。

 

 
思い立ったが吉日。やってみた。
(≧▽≦)アホは懲りないねぇー。学習能力が圧倒的に低いアーパーに付ける薬はなどないのだ。
((o(´∀`)o))ワクワク。どうなるか、ちょっと怖いねぇ。

 

 
真っ青な飯が炊き上がるんではないかとビビっていたが、淡い藤色になった。ε-(´∀`*)ホッとしたような、(´・ω・`)ガッカリのような複雑な気分。

味は塩が入ってるから微妙に白飯とは違うが、概ね平和な味だ。これまた、残念なような安堵なような複雑な気分。

それをコリアンタウンの御幸通り商店街で買ったチャンジャと韓国海苔で巻いて食った。

 

 
普通に旨い。
っていうか、飯とチャンジャと韓国海苔の組み合わせは最高じゃよ。タラの胃袋なんぞをキムチにしようとした人は、どう考えても変態だな。

高菜の残り半分は通常通りの漬物、浅漬けにする事にした。
高菜を野沢菜みたくザクに切って、ビニール袋に入れ、塩、鷹の爪、顆粒の昆布だしの素を入れてモミモミして、冷蔵庫に入れて一晩おいて完成。
これで2週間以上はもつ。更に時間をかけて発酵させたら、いわゆる皆が知ってる黄色っぽい高菜漬けになるのかな❓

 

 
(・∀・)うむ。これじゃよ、コレ。いい感じにピリリと辛い。
そのまま酒のツマミにもなるが、やはり一番合うのは白飯。なんぼでも米が食える代物だ。

とはいえ、ずっと漬物を食ってるワケにもいかぬ。
1/3量ほど食って、そこに捨てる筈だった大根の皮とかヘタとかを入れてみた。
したら、こないな風になった。

 

 
大根が紫色に染まりよったー。
(. ❛ ᴗ ❛.)何だか楽しい。あー、誰かに黙って出したい。そして反応を見たい。『コレ、何やと思うー❓』とかもしたり顔で言いたい。でもって、感想も聞きたいよー。

残った汁に又しても大根の捨てる部分をブチ込んで、最後まで食いきってやった。

 

 
大根に少し辛味が入って、クセになる味だよなあ。してからにパリポリ太郎だな、この歯応えがいいね。酒のアテにもなる。

「この歯応えがいいね。」とキミが言ったから
一月六日はパリポリ記念日

(´ε` )あ〜あ、ついパリポリ気分に浮かれてしまい、俵万智の『サラダ記念日』をモジって詠じてしまったなりよ。
ダサいし、何よりネタが古過ぎるわ。
誤魔化そう。兎にも角にも、高菜を見つけたら買いでっせ、奥さん。

一応、例の如く「高菜」について解説しておこう。

 

(出典『やさい❋くだもの図鑑』)

 
タカナ(高菜)はアブラナ科アブラナ属の一年草で、カラシナ(辛子菜、芥子菜)の変種。主に西日本ではタカナ、関東ではカラシナと呼ばれることが多く、異称に江戸菜(えどな)がある。因みに近縁の野菜は、コマツナとカツオナなんだそうな。

中央アジアが原産と言われ、日本には中国を経由して九州から入ってきたとされる。その後、各地に広まり、平安時代には既に栽培されていたとされるほど古くから日本に定着していた野菜である。
かつては九州から近畿あたりまで広く栽培されてた時期もあったようだが、現在では主に九州各地で作られている。特に熊本県阿蘇地方(阿蘇高菜)や福岡県筑後地方(三池高菜)での栽培が盛んである。

からし菜よりも葉が大きく厚いのが特徴で、前述したが塩漬けにして乳酸発酵させた「高菜漬」が有名。
尚、外側の大きな葉はやや固いが、内側の葉や茎は柔らかくて辛味があり、生のまま食べることも出来る。たぶん「わさび菜」として売られているものは、高菜もしくは芥子菜の変種であろう。
品種や栽培方法によって変化するが、この辛みの成分はマスタードと同じイソチオシアン酸アリルで、種類によっては種子が和がらしの原料にもなっている。

カラシナ類には多くの種類があり、緑色のものは「青高菜」、赤紫色のものは「紫高菜」と呼ばれる。この赤紫の成分はアントシアニンである。他に長崎県雲仙市吾妻町で栽培される「雲仙こぶ高菜」などがある。

いずれも主に漬け物にされることが多く、野沢菜や広島菜と並んで日本の三大漬物の一つとされている。
旬は12月から3月の冬から春にかけて。だから、今の時期が旬でやんす。

今度は発酵した高菜漬けを作ってみよっかなあ…。

                        おしまい

 
追伸
高菜は関西ではあまり見かけない野菜だけど、大阪高島屋には季節になると必ず売ってる。安定的に入荷しているようだから、確実に購入したい人は行きなはれ。但し、絶対に売っているとは保障できないから、売ってなくても知らんからね。責任持ちません。どうしてもという人は電話して取り置きしてもらってから出掛けましょうね。