青春18切符1daytrip 春 第二章(2)

第2話 流水桃花物外春


前回は『往年のギフチョウ』と題しておきながら、殆んど鉄道の事とJR湊町駅について紙数を費やしてしまった。スマン、スマン。
というワケで、今度こそ往年のギフチョウについて書きまする。謂わば、今回は『往年のギフチョウ』の後編ってワケね。


9時前にポイントに着く。









三葉躑躅(ミツバツツジ)が満開だ。
このミツバツツジとギフチョウの発生期は重なるから、おそらく今日も楽勝じゃろう。

ツツジの中では、ミツバツツジが一番か二番目に好きだ。
葉が芽吹く前に先んじて花が咲くから綺麗だし、基本的には野生のものだからだ。春先のまだ茶色っぽい山肌の所々を鮮やかにポッと染めているのを見ると、何だか心がホッとする。ほのぼのと春なんだなと実感できるのだ。
ツツジといえば、世間では公園などに植えられている平戸躑躅のイメージだろう。だが、あの多分バチバチに品種改良されたであろう大振りのピンクの花が好きじゃない。人工的な感じがするからだ。派手なんだけど、品のない女みたいで好きくないのだ。野生のものなら、また違った意見を言いそうだけど…。

尾根筋のギフチョウが如何にも好きそうな小ピークに陣取る。
程なくして20mほど遠くで飛ぶ姿が見えた。さあゴールデンタイムの始まりだ。天気や気温にも左右されるが、この9時くらいから10時半くらいまでがギフチョウの動きが一番活発になるのである。
でも走り出すこともなく、余裕のヨッちゃんでスルーする。
煙草に火を点けたばかりだったし、そのうちバンバンに飛んで来るだろうから、まっいっかと思ったのである。

しかし、その後ジャンジャンに飛んで来る筈が全く姿を見せない。気温も上がってるし、何で❓ もしかして個体数が少ないとか❓
やや焦り始める。余裕カマして煙草なんぞ吸ってたワシって、もしかして救いようのない愚か者❓

9時半を少し回ったところで、ようやく2頭目が飛んで来た。
(・o・)あれっ❓、何か黄色いくないかい❓ 一瞬、イエローバンド(註1)とかじゃねえかと思って気合が入った。慎重に距離を詰めて💥一閃、鮮やかに振り抜く。



(裏面)


でも網の中を見て、直ぐに普通のギフチョウだと気づく。
福井の黒っぽいギフチョウに目が慣れてたから、そう見えただけだったんだね。ここいらのギフチョウは比較的黄色い部分が多く、明るく見えるという事を完全に忘れてたよ。
とは言っても往年の名産地である武田尾のギフチョウの完品だ。前に来た時は時期が遅くて全てボロだったから、ちょっと嬉しい。余談だが前回の手乗りギフチョウの写真は、その時に撮ったものだ。ボロばっかだったから、そういう遊びごとが出来たってワケ。

コレをキッカケにジャンジャン飛んで来た。しかし、どれも翅が欠けてたり、擦れてたりと鮮度があまりヨロシクない。今年は噂通りに発生が早かったのだろう。何度も同じ個体を採るのもイヤなのでリリースせずに生かしたまま三角紙に收めてゆく。

10頭数頭を採ったところで、完全に飽きてきた。
このまま続けていても同じ事の繰り返しだろうから、春の三大蛾(註2)であるイボタガやオオシモフリスズメ、エゾヨツメの探索に切り替えようかとも思った。
けど、よくよく考えてみれば、まだメスが採れてない。どうせ三田のモノと変わりあるまいとは思いつつも此処のメスがどんな型なのか見ておきたいし、もう少し粘ることにした。

しかし、10時半頃にピタリと飛来が止まった。
蝶って、示し合わせたかのように飛び始めたら一斉に飛び始めるし、飛ばなくなったら全く姿を見せなくなるって事がよくある。日照、気温、風、湿度等々ほとんど条件が変わってないのに何で❓と思う事しばしばなのである。また昨日と今日の気象条件がほぼ同じでも、昨日は沢山いたのに今日は全然見かけないなんて事もよくある。あれって、何ざましょ❓
おそらく人間には感知しえない微妙な変化があるのだろう。何らかの条件によりスイッチが入ったり、反対にOFFになったりするんだろうけど、それが何だか解らないケースも多々あるのだ。

11時過ぎ、ようやく1頭が姿を現した。
正面から飛んで来たのを仕留める。



(裏面)




あっ、メスだわさ。
しかも完品のキレイな個体だ。
ギフチョウの雌雄の区別は比較的簡単だ。メスの方が大きく、翅形が丸くて優しい感じがする。人も女性の方が体の線が丸いから同じだね。これって基本的に生物の普遍的な法則なのだろう。例外も結構あると思うけど。
他には背中の毛がメスはオスに比べて短くて赤っぽい事、裏面の色にコントラストがあって鮮やかな事、また上翅裏面の外縁上部が濃い黄色になることで区別できる。あと、尻先に交尾囊(受胎囊)があれば、間違いなくメスだ。これは交尾した時にオスが他のオスとの交尾を阻害するために分泌物で蓋をしたものである。これにより一度交尾をしたメスは、もう交尾することが出来ないと言われている。謂わば、貞操帯みたいなもんである。
ギフチョウって、人間で言えば独占欲が強くて相手を縛りたがる嫉妬深い男みたいだ。それって病的で怖いなあ…。あんまし何でもかんでも人間目線で見ちゃいけないんだけどね。

再び静寂が訪れる。
その後も、とんと姿を見せない。
何処へ行ったの❓、ギフチョウちゃん。

ようやく見つけたと思ったら、何とナミアゲハくんだった。



ギフチョウ並みに小さい個体だったし、しかもギフチョウみたく地面に止まったからマジ間違えたよ。普通はナミアゲハが地面に翅をベタッと広げて止まることなど滅多とないからね。折角だからと、ヤラせ写真を撮る。



本当にこんな風に止まったのだ。
そりゃ一瞬、間違うでしょうよ。

その後もやはり姿は見られず、正午には諦めてその場を離脱することにした。
2♂1♀のみを残して、あとは全部リリースする。
何が起こったか、ちょっと解らないような顔で暫し指先に止まり、何かを思い出したかのようにふわふわと飛んでゆく。その後ろ姿を見送り、どうか無事生き延びて欲しいと願う。

いつもライト・トラップをしている場所に移動して、三大蛾を探す。

【春の三大蛾】

(オオシモフリスズメ)


(エゾヨツメ)


(イボタガ)


しかしコヤツら皆、この季節の枯れた風景に溶け込むような色柄だ。容易に見つかるわけがない。我慢が足りない人だから直ぐにダレてきて、小一時間ほどで早々とやめにすることにした。現実的にも性格的にも、どだい無理な話であった。

枝垂れ桜が綺麗だ。





風にそよそよとなびく様を暫く見てた。
桜はいつまでも見てても飽きない。
こうやって往く春を見送る気持ちも悪かない。

午後2時過ぎ。
バス停まで戻ってきたが、時刻表を見るとバスはさっき出たばかりのようだった。困ったことに、次のバスまでかなり時間がある。
はてさて、どうしたものか…。
でもこんなとこで、ぼおーっと待ってるのは性に合わない。元来、待つことが死ぬほど嫌いな男なのだ。歩き回って疲れてはいるが、この際、歩こう。駅まで歩ける距離なのかどうかも確かめたいしね。ライト・トラップするのに行きはバスで、バス便のない帰りは歩きで戻れる可能性の可否を知っておいて損はないだろう。道中で無理だと思ったら、途中のバス停から乗ればいい。

駅の近くで飛んでいるギフチョウを見た。道路標識の青色に反応して一瞬だけ纏わりついて飛んで行った。なあ〜んだ、駅の周辺にもいるじゃないか。たぶん放蝶ものだろうけどさ。

午後3時。
思ってた以上に遠かったが、何とか駅にたどり着いた。
行きの時は直ぐにバスが出発しそうだったのでゆっくり見れなかったが、満開の桜が綺麗だ。その向こうにはラムネ色の川が流れている。



       浮雲柳絮人間世
       流水桃花物外春(註3)

世間はコロナ騒動でそれどころではないけれど、桜はどこ吹く風と変わらずに咲いている。当たり前の事だが、不思議な気持ちに囚われる。季節の推移はそんな騒動とは関係なく粛々と進んでいるのだ。

さてさて、どうしたものか…。午後3時と中途半端な時間になったから三田に転戦するには遅過ぎるし、次の目的地に行くにはまだ早過ぎる。
まあいい。電車に乗ってから考えよう。今回は青春18切符を持っているのだ。その日のうちならば、何処へなりと行ける。風の赴くまま、心の赴くままに。

                         つづく

一応、この日に採って展翅したものを並べておく。

(♂)




(♀)


福井産と比べてやや大型で、後翅中央黒帯が細く、下の黒点との間隔が開く。ゆえに黄色い領域が広くて全体的に明るく見えるのだろう。また赤紋が福井産よりも厚い傾向にある。

参考までに『ギフチョウ88か所めぐり』の「武田尾」の項にあるギフチョウの特徴を書いておく。
それによれば、「京都〜大阪北部の集団と、兵庫県の山陽側の集団とはかなり印象が異なるが、ここらあたりが接点となる。斑紋は基本的には兵庫県山陽型であるが、京都〜大阪北部型も混じる。」。因みに此処の幼虫の食草はヒメカンアオイである。
お隣の「三田」のギフチョウについても言及されているので、それについても書いておこう。
「兵庫県の瀬戸内側、三田市から西脇市あたりにかけてのヒメカンアオイ食いのギフチョウはやや変わった一集団である。この産地では尾状突起が短く、丸い翅形の個体が多い。」
(☉。☉)あら、武田尾とは違うんだね。けど、ホントかね❓ ニブいアッシにはワカランかったよ。実を云うと、それほど変異には興味がない人なのである。でも言われてみれば、尾突起は短かかったような気がしないでもない。

比較のために福井産のモノも貼付しておきます。

(♂)






後翅中央の黒帯が太くて、3つめの個体などは下の黒紋と完全に繋がっている。小太郎くん曰く、こう云う型を「ジジヒゲ(爺髭)型」と言うんだそうだ。
福井産は、この様に黄色い領域が狭い個体がわりと多く、また縁毛が黒くなりがちなせいもあって黒っぽく見えるのだろう。
とは言っても、あくまで傾向であって、例外も多々あることをつけ加えておこう。

右面上翅がH型のこれなんかは↙、一見すると福井のモノに見えない。
とはいえ、分かる人には一発で福井南部のものと判別できるんだろうけどさ。



(♀)





メスも同じような傾向があるが、これまた例外もある。
2つめの赤上がりの個体は黒帯があまり太くないし、下の黒紋との間隔も開きがある。

一応、コチラも参考までに『ギフチョウ88か所めぐり』の福井県越前産のギフチョウについて書かれた箇所を示しておこうと思った。けんど、(-_-;)あちゃーだった。
福井県の産地は5箇所(丹生郡、勝山市、大野郡、南城郡)が紹介されているのだが、そのうちの3箇所が手元にない。随分前に本からコピーしたものなので、あえてその部分を複写しなかったのか、それとも最初からその部分が抜け落ちていたのかは分からない。取り敢えず「南条町 杣山」の項に「異常型(杣山型のこと)の血が混じっているせいか、黒条に何らかの乱れをもつ個体が多い。」という記述があった。
なるほどね。形質がバラバラという印象があるのは、そう云うワケなのね。此処がギフチョウ発祥の地で、ここから全国に広まったりとかしてね。いい加減なこと言ってるけど(笑)。
また文中には「黒条の乱れる程度にはさまざまな段階があるようだが、前後翅のいちばん基部側の黒条が太くなり、前翅ではその外側の黒条が薄れ、後翅では短い黒条が細く線状になる点が共通している。」とも書かれている。加えて『日本産蝶類標準図鑑』によれば、「日本海側では秋田〜新潟県までは前後翅とも黄色部がよく発達し、明るい印象を受ける。新潟上越地方〜富山県あたりになると徐々に黄色部が減退し、福井県北部で顕著になってゆく。福井県若狭地方〜島根県中部では、縁毛も黒色の割合が増え、黒い印象を受けるようになる。」。
ようするに、ここいらのは黒いってワケだ。

スルーするつもりだったけど、三田のギフの画像も探してみっか…。


(2018.4.13 兵庫県三田市)


(2015.4.3 三田市)

以外と写真が残ってない。
展翅画像に至ってはコレだけだった。



翅形が丸いといえば、丸いような気もする。尾突起も短いっちゃ短い。でもこの個体1つだけじゃ何とも言えないよね。
けど、もうウンザリだ。やさグレる。本音は、んな事どっちだっていい。どうしても気になる方は自分で調べてくれたまえ。

ついでだから、ギフに見間違えたナミアゲハの画像も貼り付けとこっと。



最近は蛾の展翅の影響で上翅が下げ気味になってきてるが、これは蝶屋の展翅らしく前翅を上げ気味にした。
矢張り、こう云う上げ気味なのが好きだなあ…。

も一つ次いでに、ギフチョウと並んだ展翅画像も貼り付けとこう。



ねっ、ナミアゲハにしては小さいでしょ。


追伸
本稿は当初『往年のギフチョウ(後編)』と題して書き進めていたが、記事のアップ直前に『流水桃花物外春』に改題した。構成をロクに考えずに書き始めるから、こう云うことはままある。ワタクシにおいては、万事が日常茶めしごとなんである。何をするにも計画がアバウト。緻密な計画を立てようと思うのだが途中で放り出してしまうのだ。向いてない。
しかし、こうも思う。綿密に計画を立てたところで、だいたいがその通りにはいかないじゃないか。だったら緻密とか綿密な計画など立てる必要など無いではないか。そもそも、たとえその通りにいったとしても、それって果たして面白いか❓とも思ってしまう。まあ、立てた計画がピッチリ進んでゆくことに無上の喜びを持ってる人もいるとは思うけどさ。それはそれで楽しいとは理解できる。
そういえば知り合いにデートの前の週に下見に行く奴がいたなあ。自分には真似できないから尊敬はするけど、んな事は絶対一生やんないだろな。そこまでシュミレーションしてて計画通りにいかなかったら、絶対に女の子に苛つきそうだもん。となると、当然上手くいかないよね。細かくスケジュール管理する男は嫌われるのだ。
因みに、ワテは待ち合わせ場所だけ決めといて、そこで行く所を決めることも多い。で、その場その場の局面で物事を決めてゆく。時に導線も無視する。無茶苦茶だが、自分でも先がどうなるかは分からないから面白いのだ。女の子だって先が読めないからドキドキしたりする。ようは自分も楽しめて、女の子も楽しければいいのだ。勿論、女の子からの信頼があってこその話だけどもね。だから、これは恋愛慣れしてない人は絶対にやめといた方がいい。ノープランって、基本的には最悪だからね。女の子に嫌われるパターンの典型でもあるから、フレキシブルに動けない人は綿密な計画を立てましょうね。


(註1)イエローバンド




(2013.5.8 長野県開田高原)


(下はクモマツマキチョウ)

縁毛が黄色くて美しい。ギフチョウの型の中でも最も美しいものの一つだろう。
この型は各地に稀に見られるが、長野県白馬産のものが出現頻度が高いことで有名である。因みに、この個体はその白馬産を飼育放蝶としたと言われている長野県開田高原産のものである。とかく蝶屋は放蝶されたものに対して厳しい意見だが、こう云うのは全然OKな人もいるみたいで採りに行かれる人は多い。綺麗だから、ワシも全然許す。白馬ではギフチョウが採集禁止だしさ。


(註2)春の三大蛾
本ブログにて『春の三大蛾祭』と題して2017年と2018年に詳しく書いた。なので、宜しければソチラを読んで下され。


(註3)浮雲柳絮人間世 流水桃花物外春
第19代 内閣総理大臣だった原 敬(はら たかし)の書(漢詩)。
おそらく「禹山傍繞翠爭新兩澗平分月有鄰木紗柴開如看畫構陰苔徑欲凝塵浮雲柳藥人間世流水桃花物外春杯酒狂歌極浩蕩野煙晴樹望中勺春日遊山」という漢詩からの引用であろう。
一応、訳しておこう。
「柳の綿種がふわふわと浮かぶように、人の世は儚い。けれど川の水はそんな俗世間とは関係なく滔々と流れ、桃の花咲く変わらぬ春だ。」

当時は世界的にスペイン風邪(インフルエンザ)が流行し、日本でも約39万から44万人もの人が死んだと言われている。原自身も、この死の病に罹患した。これは、その時の事を思って書かれたものだとされているようだ。しかし、スペイン風邪では死ななかったものの、1921年に東京駅で暗殺されちゃうんだけどね。


秋の夕陽とメトロン星人

 
昨日の夕陽は、ちょっと珍しい夕陽だった。

 

 
とっても眩しい。

 

 
空の殆んどが雲の絨毯に覆われていたが、水平線の近くだけが空いていた。そこにデッカイ秋の夕陽が沈んでいったのだが、雲に邪魔されて光が拡散されることなく目映い束になって爆発していた。
メトロン星人がその向こうから現れそうな気がした。そう、メトロン星人とウルトラセブンが戦った名シーンも、こんな色の夕陽だったような気がする。季節もきっと今くらいの時期を想定して製作されたのではないかと思いたい。そんな空気感のある夕暮れだった。

 
(出典『植物屋 風草木』)

 
メトロン星人とダン(ウルトラセブン)がボロいアパートで、卓袱台で向かい合って語るシーンは哲学的でさえあった。神回と言っていい。メトロン星人はメチャンコ賢いけど、どこか人間的で魅力的な奴だったなあ。でもカッコつけて逃亡を謀ったはいいものの、アイスラッガーだっけ❓とかでセブンに真っ二つにされるんだけどね。何か子供心にも複雑な終わり方だった憶えが残ってる。

こういう夕陽というのは有りそうで案外見られない。
自称夕陽評論家としては、レアなケースにあげたい。

 

 
雲がオレンジ色に染まっている。
このまま上まで雲がこの色で染まってくれれば壮絶な夕暮れになるだろう。

  

 
しかし、残念ながら期待した光景にはならなかった。
心が震える夕陽には、そう会えるものではない。

                   おしまい
 

終いのタケノコ

 

今年もそこそこタケノコを食った。

 

 
堀りたてをそのまま焼くのが一番美味いんだけど、そうもいかない。となると、真っ先の選択肢は若竹煮やね。タケノコ独特の甘みと香り、適度なエグみが堪能できるのは、やっぱ若竹煮っしょ。

圧力鍋に糠(ぬか)と鷹の爪を入れて、筍の大きさにもよるけど1時間くらい弱火でコトコト茹でる。
で、一晩放置プレー。ほったらかしにする。
ほんでもって翌日、ザッと洗って糠を落とす。したら、ホレホレーΨ( ̄∇ ̄)Ψ、悪いオッチャンは皮をヘラヘラと剥ぎ取り、中身を取り出しにかかる。
おー(;゜∇゜)、艶やかな裸身が露(あわら)になる。と同時に、辺りに栗に煮た甘ほっこりとした香りが広がり、鼻腔をくすぐる。もしかして、自らわざわざ筍を茹でるのは、この瞬間を体験(たいげん)したいが為かもしれない。

姫皮は包丁で軽く切れるところのみを使う。硬いとこはゴミ箱にドォ━━ (ノ-_-)ノ~┻━┻ ━━ ンッじゃ❗
姫皮は酢の物にするによし、筍ごはんに入れるのもよし、御自由に使われたし。

そして、いよいよ筍本体を一刀両断、真っ二つにする。時々、中に白い洗剤みたいなのがコビり付いてるけど、タケノコ本体から出たものなので味には問題なし。神経質に取り除く必要性はないだす。
ここまでが下拵え。あとは用途により切り分ける。

若竹煮を作る場合は筍を厚めに切り、鰹昆布だし(昆布だしでもよい)に酒と薄口醤油、みりんをほんの少し入れて煮る。途中で生ワカメをサッと入れたら、火を落とす。ワカメの色が鮮やかなうちに器に盛り、有れば木の芽を飾ればよろし。否、あった方がいい。タケノコと山椒の葉の相性は絶妙とも言える切っても切れない仲だ。アッシは、そう思うね。
とはいえ、お子ちゃま舌の人は、やめなはれ。無理することないどすえ。そもそも木の芽がアカンおしたら、春先の旬のタケノコのエグみもアカンやおへんか。一生、個性の無い水煮のタケノコを食うてなはれ(-_-)

m(__)mごめんなさい、つい京風に毒づいてしまったなりよ。毒づきついでに、もう一つ。
筍の煮物でカツオ節がドバドバ掛かっていることがあるが、あれはよしてほしい。カツオ節はあってもいいけど、少量。無くても良いくらいだ。なぜなら、カツオ節って香りも味も濃くて個性が強過ぎるからだ。タケノコの良さが消える。カツオ節をドバドバかけるのは、ハッキリ言って田舎もんだ。
あっ、ゴメンなさい。人の好みは千差万別ですよね。あくまでも個人の一戯れ言として流されたし。

 

 
そんな事より、若竹煮はホント美味いよねぇ~。
食ってると、春そのものを味わってる気がして、心がほっこりする。

だが、後半は少し飽きていて、鶏肉と一緒に煮たりした。

 

 
タケノコの個性は少し失われるけど、旨味は格段にアップするから、これはこれで美味しいんだよね。春先の筍が苦手な人でも、これだったら食えるかもしんない。

 
筍ごはんもよく作った。

 

 
筍ごはんのタケノコは、あんまり細かく切らないのがモットーだ。大きめ、厚めにした方が歯応えを楽しめる。
好みによるが、自分は油揚げも入れる。コクが出るからだ。出来れば油揚げは京揚げがよろし。その方が味に深みが出るような気がする。
油抜きは、したりしなかったり。そん時の気分だ。味の強いのが食べたい時は油抜きしないかなあ…。あと面倒くさい時も。
油揚げは細かく切る。これは、あくまでもタケノコが主役だからだ。お揚げさんは脇役なんだから、目立ってはいけない。

出汁は自分で1から作る時と市販の白だしを使う時と半々。これまた気分だ。
出来上がりの味は、どちらも旨い。どちらが美味しいかは、人それぞれの好みだろう。
但し、白だしは使うメーカーにより味が変わる。
今回はコレを使った。

 
【創味 創味の白だし】

 
結構、美味しくできた。
他にキッコーマンの香り白だしも仕上がりは良かったと思う。

 
【キッコーマン 割烹 香り白だし】

【キッコーマン 本つゆ 香り白だし】

 
でも、どっちだったか覚えてない。
パッケージの削り節の写真に何となく記憶があるので、たぶん割烹白だしの方かなあ。
 
一方、自分で出汁を作る時は仕上がりにムラがある。断トツに美味くなる時もあれば、市販の白だしに劣る場合もあるのだ。まあ美味しく出来りゃ、何だっていいんだけどね。

勿論、筍ごはんにも木の芽は不可欠だ。軽く手のひらでポンと叩いて添えると、香りが引き立つ。

 

 
採ってきた花山椒を乗せた日もあった。

 

 
そういえば後半、鶏のミンチを隠し味に使った時もあったな。コクと旨味が増すと思ったからだ。
勿論、それはそれで旨かった。けど、やっぱり筍の良さが損なわれるんだよな。

 

  
それにしても、結構たくさんの筍ごはんを食べたなあ…。
我ながら、よほど筍ごはんがお好きとみえる。
とはいえ、流石に後半は飽きてきて、イレギュラーなものも作ってた。

 

 
パスタだね。
これは竹の子とハモの子とのコラボだから、植物系と魚介系のダブルお子ちゃまタッグだ。
筍の良さは歯応えくらいしか残っていないが、味はメッチャ美味い。
作り方はオリーブオイルに少量のニンニクを入れて弱火で油に香りを移す。ニンニクを取り出したら、ハモの子とタケノコを入れて軽く炒める。そこにパスタを入れ、茹で汁も少し加える。味付けは塩のみと言いたいところだが、隠し味に少しだけ薄口醤油を入れて整える。最後にオリーブオイルを少し加えて混ぜ、乳化させたら出来上がり。

  

 
竹の子オムライスも作った。
これはねー、母胎は筍ごはん。そこに木の芽をメチャンコ混ぜる。といっても限度はあるけどさ…。それを炒めてチャーハンにする。味付けはそのままでもいいが、味見して薄ければ、塩なり醤油なりを足して濃くしてもよい。あとは玉子でくるみ、さらにタケノコの煮物をユルい餡掛け状にして掛けたら出来上がり。
これも果たして春先の筍を使ってまで作るもんかいな❓という疑問符がつくが、味はかなりイケる。玉子にタケノコが隠れがちだから、一口めはその歯応えに驚いた。歯応えがあるオムライスって楽しい。
でも裏を返せば、季節に関係なくタケノコの水煮さえあれば、いつでも作れるって事だ。味の差は、そう無いだろう。
これが終いの筍料理で、10日ほど前だった。

 
そういえば、今年は一度もお外でタケノコを食ってないよなあ…。天ぷらとかも食いたかったよ。
まっ、いっか。そんな年もある。

 
                 おしまい

 
追伸
もっと早くに書くべき文章だったのだが、キアケハの記事にかかりっきりになってて書けなかった。虫の記事は下手なことが書けないので、どうしても時間がかかる。食べ物の記事なら毎日だって書けるのに、そうはいかないのだ。誠に鬱陶しい。

外でタケノコを食ってないと言ったけど、考えてみれば1回だけある。
4月の後半、三草山に行った折り、道の駅で筍ごはんを買ったわ。

  

 
お店じゃなく、ホントの外やんか(笑)
あまご飯が予想以上に旨かったなあ…(о´∀`о)

 

春を送る鰆のたたき

 
2週間前の話。

 
季節は、もうすっかり初夏の趣である。
魚辺に春と書く鰆(さわら)の季節も、そろそろ終わりである。

 

 
上は韓国産の鰆のたたき。国産のもあったけど、値段が倍近くしたので断念。それに、見た感じでは韓国産の方が元の魚体が大きくて美味しそうに見えたというのもある。

( ☆∀☆)うみゃーい❗
鰆のたたきって、ホント美味いよねー。
最初、ねっとりとした食感が歯にからみつき、香ばしい香りが鼻に抜けたかと思ったら、あとから旨味のつまった濃密な脂が口に中にじんわりと広がる。
(о´∀`о)溜まんないよね。

数日後、国産ものも試してみた。
予測では値段ほど美味いものではないと思ったが、食ってみないと本当のところはわからない。

 

 
予想通りだった…。
韓国産の方が遥かに美味い。
どこが違うかというと、脂と旨味が足りないのである。これは予想した通り元の魚の大小によるところが大きいと思われる。どうゆうことかと云うと、鰆は大きければ大きいほど脂がのって美味いのである。
そう云うワケだから、その後はもっぱら韓国産のものばかり食ってた。

 

 
もちろん国産のものでも丸々と太っているものならば、そちらの方がより鮮度は良い筈だから少々お高くとも買う用意はあった。だが、なぜかそれに見合うようなものを見掛けなかったのである。
もしかしたら韓国産の方が、この時期は美味いのかもしれない。

そういえば思い出したよ。鰆はその漢字の字面から、春が旬だと云うイメージが強いが、実をいうと本当の旬は最も脂の乗る秋から冬である。だから「寒鰆(かんざわら)」なんて云う言葉もあるのだ。

それでまた思い出した。対馬で秋に食った寒鰆がメチャクチャ美味かったんだよなあ~(о´∀`о)
対馬って、かなり韓国に近いよね。ってことは韓国周辺で獲れる鰆は特別美味いのかなあ…❓
あんま、聞いたことないけどさ。

鰆の旬が春だと言われるようになったのは、どうやらその時期に瀬戸内海で鰆が沢山獲れるからみたいだ。沢山獲れるということは、庶民の口に入る機会も多い。ゆえに必然、旬と言われるようになったのだろう。また、鰆の本当の旬は冬だとは言ったが、春の鰆が極端に味が落ちると云うワケではない。春でも充分美味いのである。それも旬たる由縁になったのだろう。

鰆の刺身を普段あまり見ないのと、見てもたたきが多いのには、これも実をいうと理由がある。
先ず第一にに、鯖の親戚だからか足が早い。傷みが早いので、よほど新鮮なものでないと刺身にはならないのだ。
たたきにする理由も同じでもあるが(すぐに表面を焼くと鮮度の保ちが良い)、もっと言えば、鰆の身が割れやすいからだろう。つまり、周りを焼くことによって身崩れを防ぐためなのである。

鰆の刺身を最初に食べたのは、大学1年の時だった。
女の子と行った初めての旅行だったから、よく憶えている。
場所は広島県の鞆の浦。
レトロな町で、昭和の古い時代にタイムスリップしたかのようだった。町には、漸く寒さがゆるんだホッとした雰囲気が漂っていた。柔らかな陽射しが溢れ、赤い椿がたおやかに咲いていた。
たぶん春休みだったのだろう。ということは3月だ。

そこの旅館の夕食に出てきたのが鰆の刺身だった。
たたきではなかったと記憶する。分厚く切られたもので、四角いブロック型だった。おそらく大きな鰆の一番分厚くて良いところを贅沢に切り出したものだったのだろう。
その頃はまだ鰆の刺身なんて聞いたことがなかったし、鯛とは違う濁った白っぽい色にとまどった。そう云うものだとは知らないから、鮮度が到底良さそうには見えなかったのだ。
恐る恐る口に入れて、食べた時の驚きと衝撃は今でも忘れられない。あまりの美味さに頬っぺたが、痛いくらいギュンとなった。
彼女もその美味しさにビックリしてたっけ…。

あの時の衝撃と感動を越える鰆の刺身には、その後、出会えていない。
ファーストインプレッションにして、最高峰。
どこか恋愛にも通ずるものがある。
おそらく、あれを越えるものには、生涯出会うことはないだろう。

 
                 おしまい

 
追伸
『消えたキアゲハ 完結編』にあまりにも時間を要してしまい、書けなかった文章。
ホント、蝶の話は時間がかかってアホらしい。食べ物の文章なら、ものの30分もあれば下書きが出来上がるのにさ。

そういえば、今年は鰆の味噌焼もつくってみた。

 

 
甘いのはあまり好きじゃないし、わざわざ西京焼きの為に白味噌を買うのもイヤだし(西京焼きじたいは好き)、普通の味噌に酒と味醂少々と刻んだネギを加えて漬け込んでみた。
しかし、アホだから存在を完全に忘れてて、気づいたのは2週間後。
周りに付いた味噌を落とし、弱火でじっくり焼いてみた。それを、ややビビりながら口に運んだ。

(・。・)えっ、メッチャ旨いやんか❗
腐った様子もないし、全然イケる。普通に塩焼きしたものよりも断然に美味い。味噌の力には、とても感心したよ。発酵食品、恐るべし❗
少々、味が濃いが、むしろ日本酒のアテにはビッタリだった。勿論、白ごはんにも抜群に合う。
これからは、余った魚は味噌漬けにしょっと(^o^)v

 

初たけのこ

 
実を言うと、10日程前に既に今年初の筍は食べている。
この時期はまだまだお高いので中々買えないのだが、小振りの奴がおつとめ品で¥248だったのだ。

糠を入れ、圧力鍋でコトコトと弱火で1時間半ほど茹でた。最近は鷹の爪は入れない。一度入れ忘れたことがあるんだけど、有っても無くても変わらないと思ったからだ。火を切り、そのまま一晩放置。翌日に調理する。こうした方が、筍の香りが逃げないような気がするからそうしてる。

迷うことなく、若竹煮にした。
獲れたてをそのまま豪快に焚き火にブチ込む焼きタケノコが一番美味いのだが、そんな事は家では中々出来ない。家事になるわい(#`皿´)❗
(;・ω・)「タケノコ焼いても、家焼く」なである。
あっ、それって焼肉だわさ。
だいち、しおつとめ品だ。そこまでする程のクオリティーのタケノコではない。頑張ったところで、努力に味が釣り合わない。となると、若竹煮になるのは自明の理じゃろう。

切り分けた筍を薄味の出汁で、弱火で沸騰させないようにじっくりと煮る。仕上げに生の若布を入れて出来上がり。
でも、丁度そのタイミングで電話がかかってきた。
火を切ってはいたのだが、結果、ワカメがヘドラみたいにドロドロに。

 

 
見てくれは悪くなったが、それはそれで嫌いじゃない。旨みがアップして美味いのだ。
最後に、木の芽を軽く叩いて添える。

ほっこりとした香りと仄かな苦みに舌鼓を打つ。
すかさず、冷やの日本酒を口にふくむ。

春ですなあ……(´∇`)

                 おしまい

 
追伸
翌日はヘドラたけのこを活かして、粒山椒を入れてグチャグチャにしてみた。

 

 
見てくれはさらに悪くなったけど、これが予想外に旨いんだよなあ~(´∇`)

 

続・小女子の季節

 

以前に新子(いかなご・こうなご)の事は書いたが、その後も見つけては、ちょこちょこ買っている。
なぜなら、来年は口に入るかどうかわからないからだ。
ここ何年間で、シャレにならんくらいに新子が激減している。大阪湾などは、今年はあまりの少なさに漁の解禁後、たった三日で禁漁になったという。
そうなると、当然の事ながら値段も吊り上がってくる。見たなかで最高額は1パック七百円だった。5年前ならば百円だったから、スゴい暴騰振りだ。
そういうワケだから、食える時に食っておこうと云う算段なのである。
とはいえ、モノが良くて税別300円以下じゃないと買わない。その辺が限界値だ。見てると、平均は250円くらいかな。

  

 

 

 
基本は、何もつけずにそのまま食べることにしている。
新子そのものを味わいたいからだ。特に出始めのまだ小さい時期は、そうしてる。柔らかくて味が繊細なのだ。
勿論、手を加えても旨いけど、手を加えれば加えるほど、普通のしらす干しに近づくと思うのだ。それって何だか勿体無いようね気がするんだよね。
しかし、新子の成長が進み、大きくなるにつれて手を加える頻度が高くなる。柔らかさと繊細さが失われ、苦みも強くなるのだ。

 

 
最初に並べた写真と比べて少し大きくなっている。
コレは山椒と白胡麻をかけてみた。
けっこう旨い。

そのまま食うのに飽きたら、一番つくるのがコレ↙

 

 
新子に塩とエキストラ・ヴァージンオイルをかけただけのものだ。お好みで醤油をタラッと垂らしても良い。
これが実に美味いんだなあ( ☆∀☆)
酒のツマミのエントリーによく作る。当然、パスタにも合うが、意外な事に白御飯とも合う。って云うか、メッチャ美味いねん(*´∀`)

 

 
コレ、何だっけ❓
おそらく、刻んだ大葉と白胡麻のカップリングかな。
まあ、皆さんの御想像通りの味です。失敗の無い組み合わせだすな。

 
勿論、定番の大根おろしあえにもした。

 

 
取り敢えず、新子と大根おろしのみで食べてみた。
しかし、大根おろしがあまり辛くなかったので醤油をかけてみる。

 

 
コレはコレで、普通にとても旨い。
けんど、やっぱ辛みが欲しい。

 

 
と云うワケで、一味を振りかけた。
よし、んなもんじゃろう。想定内の旨さになった。
酒のアテにもいいが、コレは御飯にかけて食っても旨い。

段々飽きてきて、さらに踏み込んだモノをつくる。

 

 
なめこおろしに乗っけてみた。
醤油は❓とツッコまれそうだけど、写真を撮ったあとにちゃんと醤油をかけて食いましたよん。

旨い。旨いけどさー、この配分だと圧倒的にナメコが主役だよなあ(笑)。
今度は逆ヴァージョンにしてみたろっと。
あ〰、でもナメコの個性って強いから、配分がフィフティ・フィフティだと新子が負けそうだにゃあー。

おっ、そうだそうだ。そういえば、ちょっと前のTVで誰かが言ってたけど、しらすと大根おろしの組み合わせは❌らしい。
『ワレ(#`皿´)、何でやねん❗❓オドレ、非国民かっ❗シバクど、ワレ!』と、思わず義憤に駆られてTVにツッコんだわい。
でも、コレは味の話ではなく、栄養面での話しらしい。この組み合わせだと、何かは忘れたけど重要な栄養素がブッ壊れるらしい。
だからといって、シラスおろしを食わなくなる奴がいたとしたら、ツマンねぇー奴だなーと思う。
アタシの周りにもいるんだよねぇ~、そういう人……。

 
最近は新子もだいぶと大きくなってきた。

 

 
翌日はコレを使って絶品パスタにしただすよ。
でも疲れたから、それに関しては後日また書きます。

そろそろ、新子の季節も終わりかなあ……。
 

 
                  おしまい

 
追伸
よろしければ、前編も読んで下され。

 
小女子の季節

 

いわし明太子

 
いわし明太子って、しみじみ旨いよねー(´∇`)

 

 
3匹、328円の鰯明太子を弱火でじっくりと焼いた。
いつも思うんだけど、どこのスーパーで買っても、この鰯明太子ってヤツはそこそこ旨い。普通の塩焼きよりもナゼか旨いと感じるのだ。
もちろん、明太子と一緒に食うから旨いのだろうが、それだけではないような気がする。普通の塩焼きや煮付けとは身質が違うと思うんだよね。気のせいかもしれないが、明太子を腹に入れることによって身質が変わるんじゃないかと思う。
推察すると、明太子の旨みが身に移って旨みがアップしているのではなかろうか❓尚且つ、身の余分な水分が抜けて、適度なしっとり感を生み出しているんじゃないのかなあ。あくまでも勝手な推察だけど…。

たぶん、福岡発祥のものだとは思うが(註1)、最初に考え出した人は偉いよね。有りそうでなかったものだと思う。そんなに昔から有ったものではないような気がするもん。

焼き方だが、今回はフライパンにクッキングシートを敷いて、弱火で焼いてみた。このやり方が正しいかどうかワカンナイけど、普通の網で焼いたら脂が下に落ちて燃えると思ったのだ。外は黒焦げ、中は生と云うのはヨロシクない。ましてや明太子は火が通りにくそうだ。
下に水をはるタイプの魚焼きグリルがある方は、そちらで良いかと思う。

この時期、まだまだ鰯は旬ですからお薦めします。
脂がのって、美味しいよん(^o^)v

 
                  おしまい

 
追伸
今回は全面博多弁でいってやろうかと思ったが、博多の人に激ギレされかねないので、やめた。絶対「とっととー?」とか「しぇからしかー」とかを使ってフザけ始めるに決まってるもん。そうなると悪ふざけが過ぎて脱線して、収拾がつかなくなるもんね。
話、変わるけど、福岡は良いよねぇ( ´∀`)
食いもんが美味いし、美人も多いんだよね。交通のアクセスとかも良さそうだ。空港、近けーし。
博多だったら、住んでも良いなあ。

(註1)福岡発祥のものだと思うが…
1985年に『中島商店』が販売を始めたそうだ。思ってた以上に近年に誕生したものだったんだね。

 

沈丁花とエロティシズム

 
そよ風の中に、ふっと良い香りがしたような気がした。
見回すと、すぐ傍らに沈丁花(じんちょうげ)の花が咲いていた。香りで花の存在を知るのは、この沈丁花と金木犀くらいだろう。

昔はよく近所で見かけたが、最近はとんと見なくなった。庭木としての人気が下がったのかもしれない。どうせ外国のワケわかんない花を植えたがるオバハンが増殖しているせいだろう。侘び寂の文化は、こういうところでも失われつつあるのだね。ガーデニングもいいけど、もっと昔からある花木にも目を向けてもらいたいものだね。

 

 
白い品種も咲いていた。

 

 
金木犀ほどではないにしても、花が小さいからその存在に気づきにくいと云うのもあるかもしれない。
小さいが、可憐な花だね。
こういう控えめで目立たないけど、よくよく見たらスッゲーいい女じゃんと云う女性は好きだよねぇ。仄かさには、エロティシズムがある。
最近はこう云うタイプの女性は激減してるんだろなあ…。今時のエロは開放的で隠微さに欠けるよね。古い日本旅館と着物なんて云う設定が廃れかけている。
唯一生き残っているのは、熟女モノの世界だけかもしれない。あっ、ちなみに特に自分は熟女好きではないです。

それで思い出したんだけど、昔そこそこヒットした歌謡曲に『沈丁花』と云うのがあったなあ…。確か石川優子が歌ってたんだよね。
子供心にも、エロい歌だなあと思った記憶がある。
歌詞を探してみよっと。

 
冷たい部屋に
小さな沈丁花が
似合うように
あなたは冷え切ったこの僕に
言い足りないほどの優しさで
暖めてくれました
許してほしい
心の貧しいこの僕を

開いちゃいけない日記帳
枯れちゃいけない沈丁花
あゝせめて
せめて春がくるまで
あゝせめて
せめて春がくるまで

冷たい部屋で
化石になろうとしてる
日記帳
あなたを思うたび 開いたよ
沈丁花 密かに
この冬も咲きました
淋しくなると
よけいにかおるよ 沈丁花

開いちゃいけない日記帳
枯れちゃいけない沈丁花
あゝせめて
せめて春がくるまで
あゝせめて
せめて春がくるまで

 
何かエロいよなあ。
でもサビのところの「開いちゃいけない…」の歌詞のところが、記憶と違う。
「開いちゃいけない沈丁花」だとばかり思っていたのだが、「開いちゃいけない日記帳」だったんだね。
人間の記憶なんてものは、かくもエエ加減なんである。
頭の中では「開いちゃいけない沈丁花=開いちゃいけない股間」だった。マセ餓鬼の妄想たるや驚くばかりだ。
二番の歌詞になると、妄想はさらに膨らむ。
石川優子の美しさが、それに拍車をかける。

 
(出展『femme-single.blog.sp』)

 
可愛い。いや、綺麗だ。(о´∀`о)好みだなあ…。
と、ここで、曲そのものを聴いてみたくなった。

「あなたをあなたを思うたび 開いたよ」
ってΣ( ̄□ ̄;)…、もしや、それは御自分で慰められたってことですか(◎-◎;)❓

「沈丁花 密かに」
密かにって、ネッ、ネッ、それって、いけないことをしてるって事ですよね(; ゜Д゜)❓

「淋しくなると よけいにかおるよ 沈丁花」
淋しくなると、何が余計に香るのだ❓それって、大人の世界の£♂◎@♀で、❌❌❌❌チョメチョメなんじゃないのか( ☆∀☆)❓もう妄想ビル大屹立である。
そして「開いちゃいけない…」が来て、\(^o^)/パッカ━━━ン。頭の中は、しとどに濡れたズブズブ湿原地帯になるΣ(×_×;)。
やめてけれ、どぅびどぅばあー🎵

すっかり忘れてたけど、曲を聴いて思い出したよ。
そして、そして、とどめの一発がたたみかけて来るのだ。
「あゝせめて せめて 春がくるまで あゝせめて せめて春がくるまで」の「せめて」が、本来の意味とは違う「攻めて、攻めて」、もしくは「責めて、責めて」に聞こえてくるのだ。
おらおら、でや❓でや❓、ええんか❓、ええんか❓に変換されるのだ。機関車やえもん、大暴走。ここで妄想は沸点に達し、💥暴発❗する。
『攻めダルマ、ぱぴょ━━━━━ん(≧∀≦)❗』

阿呆である。どうしようもないアホだ( ̄▽ ̄;)…。

 

 
でも、ガキんちょの頃って、みんなこんなもんだろ❓

 
                  おしまい

 
追伸
最初は格調ある文章を書こうと思ったのだが、大脱線である。アホにつける薬は無いのだ。

信頼は取り戻しようもないが、一応ジンジロゲ、もといジンチョウゲのことを真面目に解説しておきます。

沈丁花は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木。別名に輪丁花がある。
名前の由来は、香木の沈香のような良い匂いがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木という意味でつけられた。
学名は、Daphne odora。
「Daphne」はギリシア神話の女神ダフネにちなむ。
「odora」は芳香があることを意味するそうだ。
花言葉は「栄光」「不死」「不滅」「歓楽」「永遠」。相変わらず、花言葉には異なる意味がいくつもあって、何なんだ?と思う。こんなの必要あんのかね?
原産地はヒマラヤ東部から中国南部。中国では瑞香と呼ばれる。日本には古くからあり、室町時代の頃には既に栽培されていたとされる。有毒の赤く丸い果実をつけるが、日本では滅多にお目にかけないようだ。これは雌雄異株だからで、日本にある木は雄株が多く、雌株は殆んど見られないから。ゆえに挿し木で増やすみたいだ。花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われている。
 

嗚呼、初鰹(* ̄∇ ̄*)

 
そろそろ初鰹が出回り始めた。
初鰹といえば5月初めというイメージだが、最近は早い。なんでかっつーと、九州辺りの鰹が入荷してくるからである。つまり、昔と比べて流通網が発達してるからだね。九州では、2月くらいから獲れ始めるのである。
これには、ちょっと感慨深いものがある。鰹好きとしては、早くも鰹が口に入るのは嬉しい。けど気持ち的には、もっと暖かくなった4月の終わりくらいに食べたい気分なのだ。初夏の走りの食材のイメージなのだ。

スーパーで、生の初鰹が安く手に入った。
たった200円くらいだったけど、モノは頗(すこぶ)る良い。良い鰹は色が鮮やかで、切り身の断面に虹色的なものがあまりかかってない。

先ずは付け合わせのクタクタの大根のツマを洗い、暫く水につけてシャキッとさせる。
鰹の体液で大葉は使い物にならないくらいショボショボ、クタクタになっていたので、新しいのを使った。

 

 
エッジの効いた思った以上に良いカツオのたたきだった。鮮やかな赤が食欲をそそる。
これだけ良いカツオならぱ、薬味は邪魔だ。
スライスしたニンニクも生姜も要らない。醤油さえも要らない。塩のみで充分だ。
とはいえ、一応柚子胡椒と醤油をスタンバイさせておく。勿論、付属のタタキのタレなんぞは使わない。あんな甘ったるいものは、カツオの味を損ねるだけだ。カツオに対する冒涜でしょう。きっと、昔のカツオは鮮度が悪かったから、こんなものが編み出されたのであろう。それが慣習として定着したと推察する。

ヒマラヤ産のピンク岩塩を削る。

 

 
先ずは、その塩のみで食す。

(≧∀≦)ん ━━━━ まいっ❗❗
旨みと微かな酸味、仄かな血の味わいと苦味とが混じりあって、カツオ本来の複雑な味が舌に広がる。そして、最後に炭火で炙ったような香ばしい香りが鼻から抜ける。
濁点つきの嗚呼、とかウーとかという声が漏れる。
戻り鰹も美味いけど、初鰹もまた違った意味で美味い。初鰹には、どこか野性的な魅力がある。

試しに、塩と柚子胡椒で食ってみる。
美味い。でも、柚子胡椒の個性が強すぎる。
お次は柚子胡椒+醤油。
コレも美味い。
でも、コレまたカツオ本来の原初の旨さが消えがちだ。ようするに、カツオ本体が旨いから当たり前的に旨いという範疇なのだ。

いよいよ冬も終わったなと思う。
良い鰹が手に入ったら、是非とも塩のみでトライされたし。
そこには、鰹本来の味わいと力強さがある。
 
                  おしまい

 
追伸
因みに最高に旨い鰹を食いたいなら、高知に飛ぶべし。
鰹は傷みの早い魚だから、水揚げされてすぐが美味いと言われている。高知の近海であがったものでも、セリと流通の関係で、関西なら一日遅れで市場に入ってくるらしい。それだけでも味がグンと落ちるみたい。

 

殿、御狼藉。雛ちらし寿司祭

 
昨日は雛祭でおましたなあ。
ワテは男衆やし、関係あらしまへん。
せやけど、スーパーは雛まつり一色やんかあ。
海老も特売りどすし、自分でもこさえまひょ。

海老は赤海老どした。
アルゼンチン御出身でごわす。それが1匹33円ざました。3月3日で、33円セール。イージーな語呂合わせでおますなあ。

先ずは海老の頭を取り、殻を剥きますねん。それを捨てずに熱湯にブチ込むんでっせ。海老から出汁を取るんだす。地獄の釜もさもありなん。あんじょう成仏してやってやあ~。
その出汁に海老をサッとくぐらせ、霜降りにしやし。
こうすると、海老の色が鮮やかになって甘みも増すんどすえー。
殻を取り除いて、その出汁で米を炊きまする。
で、炊き上がったら「すしのこ」かけて、ポン酢もチャチャとかけて熱いうちに混ぜ合わせましょ。人肌まで温度が下がったら盛り付けでおます。

あらかじめ作っておいた錦糸玉子をご飯の上に敷き詰めまひょ。
青物は春らしく菜の花を飾ろうと思ったのだが、スーパーの陰謀でバカ高いゆえ見送りもうした。

 

 
海老にちょぼっとお醤油をつけて食べませう。
(о´∀`о)おほほ、海老の出汁が効いてて、美味しおすなあ。
海老の頭は味噌が詰まってるので、チュウチュウしまひょ。はたから見たら、アホぼんみたいに見えまっせ。

実を申しますと、もっと絢爛豪華にしてやろ思いましてなあ、鯛の刺身も用意してたんおすえ。
せやけど、到底乗っかりそうもおまへんので、二部構成にしたんどすえ。豪華ひな祭ちらし寿司二段構えでおます。

 

 
向きが決まりまへん。
何度も器をあっちゃこっちゃ回して写真を撮りますえ。

 

 
こっちは鯛の刺身を削ぎ切りにして、白胡麻を振っただけどす。

(・∀・)……、むぅ…。
美味しいんどすえ。美味しいんどすけど、海老出汁の寿司めしがちょいと邪魔しやはります。鯛は美味しいどすけど、ちょっとだけミスマッチかもしれへんわ。

そして、お雛さんといえば、これどっしゃろなあ。

 

 
そうどす。蛤の吸いもんだす。
昆布だしに塩、酒、薄口醤油を入れて沸騰させる。
そこへ蛤姫を強引にブチ込む。

お殿様、そんなごむたいな。
やめておくれやす、やめておくれやす。
Ψ( ̄∇ ̄)Ψぬはははは…、やめてくれと申して誰がやめるものがおるかあー。お主は買われてきた身、こうなる事は百も承知であろうが、観念しいや、グフグフグフ。
体が火照って、熱おす。
堪忍しておくれやす、堪忍しておくれやすぅー。
くるくるくるくるくる~。
なりませぬ、お殿様なりませぬぅ~。
パッカァ ━━━━━━━━ ン。

口が空いたところで、やおらグッタリとなったハマグリ娘を一旦取り出す。適度な余熱で火を通すためでごしゃるよ、服部半兵衛。
で、ガッとダシ出汁の温度をあげる。煮立ったら、器に移しておいた蛤にかけて出来上がり~。

( ☆∀☆)ピキャー、美味いのう。
いやはや、この蛤の吸い物というのは堪りまへんなあ。コハク酸の旨みが心を蕩けさせ、陶然となる。柔らかな蛤の身もエロチックに美味いなりよ。
 

                  おしまい

 
追伸
いつもにも増して低能な文章を書いてしまった。
ここんとこ、蝶の話が多かったので、ストレスが溜まってたんだろね。

因みに少しだけ余った御飯は、夜に自家製の茗荷の梅漬けを乗っけて食べた。

 

 
これまた抜群に旨かったっす(*´∀`)♪