割れた食器を修復する男

 
 タイトル名をつけて、何かミステリー小説の題名みたいやんかーと思った。江戸川乱歩の名作『押絵と旅する男』とかさ。
一瞬、ストーリーが頭をよぎった。

 川崎区界隈では、ここひと月あまりに不思議な事件が連続して起こっていた。それは夜な夜な誰かが民家に忍び込み、食器棚の食器を1つだけ割って、それをわざわざ修復してから立ち去ると云うものだった。被害はそれだけで、他に盗まれた物や傷つけられたものはない。また食器は特別高価なものではなく、ごく普通の市販品で、嫌がらせにしても甚大なる効力を与えるようなものではなかった。ただ気味が悪い。ゆえに人の噂に上った。

 川崎警察署 刑事第一課の増田圭太は苛立っていた。
署内でも割れた食器を修復すると云う謎の事件は話題になっていた。一部マスコミが取り上げ始めていたからだ。そこで署としても真面目に対応せざるおえなくなった。結果、圭太にお鉢が回ってきた。圭太はバカバカしいと思う。しかし上司から直接捜査を命じられれば、従うしかない。
にしても、こんなもの事件と呼べるのか❓確かに不法侵入は間違いなく重大な犯罪である。しかし、侵入された家からは何も盗まれておらず、どこからも被害届は出ていないのだ。ならば、はたして捜査する必要性があるのだろうか❓この警察署管内には、もっと早期に解決しなければならない事件が他に沢山あるだろうに。納得いかない。
そもそも圭太は謎解きが苦手だ。いかつい坊主頭に太い眉、筋骨隆々の体が、それを物語っている。頭脳派と云うよりも肉体派の刑事なのだ。
ない頭で圭太は思う。この事件、首を傾げざるおえない事が多過ぎる。愉快犯にしても、その意図するところが全く理解できない。たとえ犯人が何かに愉悦しているにしても、どう考えても釣り合いがとれない。家宅侵入するリスクは、あまりにも大き過ぎるのだ。ならば、犯人がどうしても家宅侵入しなければならない理由がある筈だ。もしかしたら、侵入された各家に共通項があるのかもしれない。犯人が食器を割ったのにも意味があり、何かのメッセージが隠されている可能性はある。にしても、何故わざわざそれを修復する必要性があるのだ❓そこで、再び圭太の思考は停止した。

 五十嵐文太郎は、ふうーっと小さな溜め息をついた。
電車の窓外をくすんだ灰色の街が流れてゆく。変わり映えしない鬱屈とした風景だ。その風景は、彼の淀んだ心そのもののような気がした。

(⁠ノ⁠`⁠Д⁠´⁠)⁠ノ⁠彡⁠┻⁠━⁠┻どりゃー、こんなもん小説になるかーい❗

阿呆である。
自分でも何をやっとんじゃい❗と思う。
えーと、ようは割れた食器を自分で修復しましたよと云う話なんである。脱線も大概にせーやである。

酔っ払って強引に食器を出そうとして、💥ガラガラガッシャーン。引っ掛かって落ち、割れた。
(-_-;)……。おどろおどろの鬼首村バラバラ殺人事件じゃよ。

一つは、さっちゃんに戴いた赤絵の信楽焼。もう一つは三島焼のミニ土鍋だ。信楽焼は結構気に入っていたし、土鍋は一人分の鍋をする時や御飯を炊くのに使っていたので、ポロポロ( ;∀;)。ちょっとばかしショックだった。けれども覆水盆に返らず、割れた皿は元には戻らない。済んだ事は済んだ事なのだ。そんなもん捨ててしまえば、直ぐに忘れるさ。スパッと諦めて、また別なのを買えばいいだけじゃないか。そう言い聞かせてゴミ袋にダイブさせようとした。だがすんでのところで思いとどまった。
そういえば日本には「金継ぎ」と云う伝統の修復技法があるではないか。
けど、確か漆を割れた所に塗って接着して、繋いだ筋目を隠す為に金粉で装飾しなければならなかった筈だよな。そうなると手間が相当かかるだろうし、技術的にも素人の範疇ではない。オマケに材料費は高価だろうし、流石にそれは無理がある。
むー(⁠ー⁠_⁠ー⁠゛⁠)……。
けれども、この発達した現代社会ならば、他になおせる方法があるかもしれない。

でも凡庸脳ミソ男は、悲劇的に発想力が乏しい。最初は陶器用のアロンアルファでくっ付けようと考えた。だったら、お手軽だし、安くもつく。単純思考の愚か者である。
けど花瓶とかだったら、それでもいいだろうが、食器となるとそうもいくまい。食物を盛ると考えれば、アロンアルファは何となく体に害がありそうだし、どこか気持ち悪い。それに何より火や熱に頻繁に晒され続けるのだ。その折檻に耐えきれずに再びバラバラ死体になりかねない。それに洗わなくてはならないから、何度も水がかかる。だいち鍋にするんだったら、ずっと液体が張られているのである。加えて火攻めの拷問だ。矢張り、それもバラバラ化を促進しかねない。

 で、ネットで色々調べたら、見つけた。
でもってアマゾンで頼んだ。値段は900円ちょっとだった。

 

 
『タイトボンドⅢ アルティメット』。
アメリカ・フランクリン社製のプロ仕様の木工用接着剤だ。
安全性と耐水性を兼ね備え、屋外でも使用ができる究極の木工用接着剤らしい。
もう少し詳しい特徴を書いておく。
優れた接着力と速乾性。厳格な耐水基準と安全基準に合格し、毒性が無く、水で拭き取ることができて安全に使用できる。食品への間接的な接触(まな板等)使用についても認可されてるほど安全性が高く、指や肌が荒れにくい。
この辺が同じ接着剤でもエポキシとは違うところだね。エポキシは毒性が強く、直接肌に触れてもいけないと言うからね。
白いボンドは固まった後に柔らかさがあるのでヤスリで削ることができないが、タイトボンドは乾燥後に削って加工でき、接着後にドライヤーなどで加熱して剥がすことも可能なんだそうな。

 早速、接着しようとするが、見たことのないボトルキャップで使い方がワカラン。なので、ネットで教えてもらったよ。
どうやらキャップと刷毛が一体化していて、つけたままカチッと上にずらして口を開け、修正テープを使用するように塗るようだ。キャップをしっかり締めていればボンドが先端で固まることもなく、仮に固まってしまっても、先端をぬるま湯につければまた使えるようになるんだってさ。
尚、ゴムやシリコン、フッ素樹脂、金属系、プラスチック、ポリエチレンには接着不可だそう。

それでは人体蘇生。否、食器蘇生のマッドサイエンティスト改造手術、いってみよーヾ⁠(⁠・⁠ω⁠・⁠)⁠ノ
はてさて、どないなりますかな。

1.接着したいもの同士の両面にタイトボンドを塗る
2.塗ったら直ぐに接着せず、約8分~10分程放置してから接着させる。

そこそこ液が垂れてくるから、垂れないように暫く手で持ってた。まあ垂れても後で剥がせはいいから、そんなに気にしなくてもいいのかもしんないけどさ。
他の感想としては、アロンアルファみたく焦らずに接着できるし、液体が指に付いて乾いても簡単に剥がせる。その点、アロンアルファって最悪だもんね。風呂に入っても完全には取れんもん。

3.貼ったら、さらに20~25分待つべし。
4.時間が経過したら、はみ出しの大きい部分を爪楊枝などで除去する。

でも、中々キレイに取れない。途中から爪で剥がしてたけど、それでも効率が悪い。なのでマイナスドライバーを使うことにした。したら楽に剥がせるようになった。

こんな感じだ。

 

 
不満がないワケではないが、まぁまぁ上手くいった方だろう。

 

 
コチラは少し段差が出来た。
そのせいか、サイドに少しだけズレがある。いっそお湯に漬けて剥がそうかとも思ったが、邪魔くさいので、そのままでいく事にした。これくらいのズレなら許す❗
 
5.あとは軽く洗って拭き、24時間かけて完全に乾かす

 
一応、強固に接着できているようだから、そのまま使おうかなと思った。だが、何だか痛々しい。その傷を見るたび毎に割れたと云う事実を突きつけられているようで辛そうだ。それに何よりも見た目が美しくないね。
矢張り金継ぎ的なものが必要だ。ネットで方法を探してみる。

したら、流石の現代社会である。便利なものが見つかった。
早速、アマゾンで探して発注した。

 

 
『ペベオ アウトライナー』である。
これを使い、継ぎ目に上塗りして仕上げるのだ。
フランス製で、絵具の1種みたいだ。だから画材屋でも手に入るそうだ。
ゴールドライナーも熱、水に強い。流石に食べることまでは推奨されてはいないが、ACMI(米国画材工芸材料協会)によるASTM(米国材料試験協会)基準をクリアしたAPマークが付いている。つまり、人体に無害で安全なものって事ですな。
値段は770円だったと思う。ネット記事の推奨カラーはNo.7 ゴールドだったが、よりゴージャスそうなキングゴールドを選んだ。ゴージャスな男には、ゴージャスな金なのだ。

キャップを回して開け、本体に針で穴を開ける。キャップを装着しなおしたら、今度はノズルの先端に針で穴を開ける。あとはチューブを押せば、先から絵具が出てくるって仕掛け。

 

 
上手くいった方じゃね❓
だが、次の土鍋では線が太くなってしまった。時々、ノズルの先を拭わないとそうなるようだ。

 

 
上に盛り上がってるけど、まあコレはコレで味があると考えることにしよう。
でも、まだ完成したワケではない。最後に焼きの工程が残っている。記事には、ジップロックに乾燥剤と一緒に入れて24時間かけて乾燥させると書いてある。でなければ陰干しで4日間かけて完全に乾燥させるという。乾燥が甘いと、絵具が膨張してしまうそうだ。
けど、器が入るようなジップロックが手元にない。それに天気予報は明日からずっと雨だ。ヽ(`Д´)ノえーい、イッタレ、イッタレーである。
オーブンを予熱なし160℃に設定し、35分焼く。
だが、ここでけっして直ぐに扉を開けてはならない。何故なら、急激な温度変化で器が割れてしまうからだ。ゆえに2時間以上放置してから扉をオープンする。

先ずは赤絵の吸口から。

 

 
見たところ、絵具の膨張は特には無さそうだ。取り敢えず、ホッとする。
赤と金の色の組み合わせは合う筈だが、意外とコントラストは目立たない。ある意味、不自然感がなく、金がデザインの中に溶け込んでいる。

お次は土鍋の方である。

 

 
(サイド面)

 
(裏面)

 
コチラの方がコントラストが効いていて、金色が目立つ。
赤と金の組み合わせの方がカッコいいかと思いきや、コチラの方が魅力的に見えてくるから不思議だ。器が、何か新しく別な物に生まれ変わったって感じなのだ。そもそも三島焼って、地味だもんな。それが金色が入ることによって、一気にスタイリッシュになったんじゃね❓

 だが、これで話は終わらない。なぜなら、実際に器を食器として使ってみないと話は完結しないのだ。特に土鍋なんぞは、直接火にかけるのだ。熱に耐えられずに割れてしまえば、元も子もないのである。つまり、蘇生手術は失敗だったと云う事になってしまう。

 先ずは赤絵から試す。
コチラは火に直接かけるワケではないので、熱い汁物を入れてみる事にする。割れたら勿論アウトだが、汁が漏れても失敗作となる。

 

 
熱々のコムタンスープをブチ込んでやった。
ふむふむ。液体の漏れはないし、熱さにもビクともしてない。完全に蘇りましたな。蘇生術、成功である。

お次は土鍋くんだ。
コイツは米を炊くことにした。
火に直接かけるので、かなりの高温に晒されるからドキドキだ。
強火で8分程、弱火で10分くらい火に掛け、10分蒸らした。

 
 

 
全く問題なしである。
いやはや諦めなくて良かった。そして、何だか職人が作品を作り終えた時のような達成感とか満足感みたいなものが湧き上がってくる。もう、気分は巨匠(笑)である。正直、巨匠としては、もっともっと作品を作りたい気分だ。
でもなあ…。店屋じゃないんだから、そう頻繁に食器なんぞ割れるものではない。いっそ、割ったろか❗と思ったが、それはあまりにも愚か過ぎるので踏みとどまった。
あっ、百均の器ならエエんでねぇの❓
完全にマッド・サイエンティストの考えである。

                おしまい
 
 

牛タンとろろ飯

 久し振りに牛タンとろろ飯を作ろうと思った。
たまたまスーパーで厚切り牛タンが40%オフになっていたのを見つけたからだ。牛タンとろろ飯とか麦とろ飯といえば、普通は薄切りの牛タンだが、より旨いのは厚切り牛タンの麦とろ飯なのだ。

 白米2合を洗い、炊飯器の表示通りに水を入れる。そこに押麦50gと100ccの水を加え、1時間ほどおく。
厚切り牛タンは熱湯にブッ込んで、すぐに火を消す。で、すかさず蓋を被せて放置。( ̄ー ̄)フフフ…予熱でレア牛タンにするつもりなのさ。
とろろは丸い山芋(つくね芋)か自然薯がベスト。それを擦り、出汁で伸ばして自分好みの味に仕上げる。山芋や自然薯は粘りと旨味が強く、長芋よりも圧倒的に美味なのだ。
しかれど、探してもナゼか何処にも売ってなかった。なので、仕方なく長芋を使う事にする。長芋が全くダメというワケではないのだが、水分が多くてシャバシャバ、味も薄くてマイルドなので物足りない。野性味に欠けるのだ。
 水っぽいぶん、出汁で割れないゆえに顆粒カツオ昆布だしの素を加える。あとは色が汚く見えないように白醤油を加えて混ぜる。勿論、基本は普通の醤油でよろし。今回はよそ行き、カッコつけの、見た目重視用に白醤油を使っただけだ。味見したが、結構良い線いってるかも。
 さてさて、それではフィニッシュである。丼に麦飯をよそい、その上にトロロをたっぷりとかける。で、牛タンを乗っけて、緑をあしらって完成。

 厚切り牛タンの火入れは完璧。ローズピンクに仕上がった。そして、触っただけで身悶えするほどに柔らかいのがわかる。
それを満を持してカッ込む。
(´ω`)ふにゃあ〜。全身の力が抜けるくらいに旨い。麦飯独特の歯応えある食感とトロロとのバランスが良く、そこに柔らかい牛タンの歯触りが加わる。😍ウメェよ。
でも何か、もうコレ以上説明するのがバカバカしくなってきた。ゴチャゴチャと説明をどんだけしたところで、十全ではない。味は感覚的なモノなので、完璧に伝えきるのは不可能なのだ。結局は徒労なので心底バカバカしいよね。
(⁠・⁠o⁠・⁠;⁠)あっ、ヤサグレてるなぁ…、今日のワシ。
まあ、たとえ徒労だとしても、表現しなければゼロだ。なので明日から、また頑張りまーす。

               おしまい
 

 追伸
まだまだリハビリが必要なようですなあー。

 

『2022年以前の丼の献立』

 
 何と一年半振りのブログ更新である。
再開を望む叱咤激励の声を掛けて下さった皆様方、ホンマすんません。まさか、そんなに読んでる人がいたとは知らなんだ。反省です。
こんなにも長く放置された理由は色々あるのだが、それを羅列し始めるとキリがないし、ちゃらんぽらんグダグダ言いワケ男と言われかねないので割愛させて戴きやす。

 えー、再開第1回は虫の話ではありませぬ。
虫の話は、あまりいい加減なことは書けないから調べモノが結構あって時間がかかるのだ。ゆえに長文になるケースが常態なので、多大なエネルギーと気力が必要なんざます、ワレー。
と云うワケで、先ずは食いもんの話でも書いてリハビリしようかと思います。ちゃんと虫の話も書きますんで、申し訳ござらんが暫し待たれたし。

 少し前の話だがスマホの画像が溜まりに溜まって、ストレージを何とかせんとメールも受け取れないような状態になった。なので慌ててFacebookに1月と2月の食いもん画像を何回かに分けて一挙放出した。それでもまだ、以前の画像が大量にある。消せるものは消してはいたのだが、いつかは文章にしようと思っていたモノを残していたら、それも気づけば塵ツモ。
ならば、ここいらで何とか文章化し、スマホから画像を葬り去りたいと思う。

 

『海老のちらし寿司』
丼と言いながら、いきなりちらし寿司である(笑)。
でも画像を貼付した時点では丼だと思っていたのだ。まあ、丼鉢に入ってんだからコレも丼と言っても差し支えなかろう。海鮮丼だって酢飯仕様のモノはあるからね。

多分これは、ちらし寿司に入ってる海老が好きだからソレだけを食いたいと云う願望を具現化したものだ。海老オンリーのちらし寿司って、有りそうで無い。全く無いワケではないのだろうが、あまり見掛けない。大体は椎茸だの、絹さやなど余計な者共が入っている。子供の頃は、それが不満だった。雑魚キャラどもでカサ増ししやがって(⁠`⁠Д⁠´⁠)⁠バーローと思っていたのである。

酢飯の上に少し甘めに味付けした錦糸玉子を敷き、その上にサッと酒で火を通した海老を並べた。尚、海老は包丁で裏に切れ目を入れ、手で腰折れ部分の筋肉も潰して真っ直ぐにしてある。

(⁠・⁠∀⁠・⁠)メチャ旨〜❗
でも二度と作らないと思う。なぜかと言うと、旨いんだけど味が単調で段々飽きてくるのだ。ちらし寿司に色んな具が入っているのが解ったような気がするよ。アレはアレで意味があったのね。

 

『牡蠣の天津飯』
厳密に言うと、貝の天津飯。しかも塩味の天津飯である。
御飯は牡蠣と浅利、あとは帆立?ハマグリ?も入ってたかもしれない炊き込み御飯である。そこに、ふわふわの玉子焼を乗せて銀餡をかけた。美しい仕上がりでおますな。
因みに上に乗ってる牡蠣は、炊き込み御飯からチョイスしたものである。そうしないと、何の天津飯かワカランからね。
コレ、🤩スゲー旨かったです。

 

『牛タン麦とろ丼』
コレも、めちゃんこ旨かったなー😄。

先ずは押麦50gと米2〜3合を混ぜて炊く。

その上に長芋ではなくて山芋を出汁で伸ばしたのをかける。長芋ではなく、山芋を使うのが肝。山芋の方がネバネバ度が圧倒的に強くて、旨味も強いのだ。コレはもう歴然たる違いがあるから、是非とも試されたし。
そこに軽く焼いた牛タンを乗せ、青海苔をかける。
牛タンは火を入れ過ぎると固くなるので、炙る程度で良ろし。あっ、1枚目はやや厚めの牛タン、2枚目は普通の厚さのモノにしました。どちらが旨いかは好みだと思うが、個人的には厚めの方が好きかな。
青海苔は絶対に入れた方がいい。味に素晴らしいアクセントを与えてくれるからだ。色が綺麗な緑で、香りの良いものを選ばれたし。
で、最後に1枚目には木の芽、2枚目には大葉をあしらった。これも好みが分かれそうだが、自分的には木の芽の方を圧倒的に推す。

 

『百合根の玉子丼』
コレって、コロナで大騒ぎになった最初の年の画像だ。
たしかギフチョウを西脇市に採りに行った帰りに、明石の魚棚商店街に寄ったんだよね。

(その時のギフチョウ)

でもいつもは人混みでごった返しなのに、びっくりのウルトラ閑古鳥だった。あの頃はコロナが怖くて誰しもが外に出られなかったのだ。おバカなワシには関係ないけどねー😄✌️

そういやこの日は、大阪のミナミも今では考えられないようなゴーストタウンと化していた。

話を元に戻そう。その時に、魚棚の八百屋で百合根が驚愕の1パック30円で売っていたのである。しかも量もかなり多かった。おつとめ品だったとはいえ、ヤケクソの価格である。思わずオバチャンに「コレって0が1つ抜けてませんか?」と訊いたくらいだもんね。いや、あの量ならば300円でも安すぎるよ。

あの頃は毎日、その百合根をせっせと食ってたんだよなあ。でもって、百合根の旨さに開眼したのであった。それまでは茶碗蒸しに一片か二片だけ入っているボソボソとした食感のヤツというイメージしかなかった。ハッキリ言って要らん存在である。しかし、この時期に認識が一変した。どうやら原因は茶碗蒸しの百合根の量が少な過ぎるからみたいなのだ。少しがゆえに他の具材との違和感が、より強調されたものと思われる。それなりの量を食ってこそ分かったのだが、今は上品なジャガイモみたいなもんなんだと思う。そして、玉子との相性がとても良い。茶碗蒸しも、百合根のみのものならば、また評価も変わるかと思われる。なので、色々試して最終的には玉子丼にしたんだろう。そういや、コレ旨かったなあ。玉子丼にするなら、百合根は沢山入れた方がいいよー。ホクホク感が良いのだ。
あっ、けどジャガイモと玉子が特別に相性が良いとは思わないぞ。ならば、やはりジャガイモとは別物かあ…。

 

『鱒の筋子丼』
たぶん自家製の鱒の筋子だったと思うが、もしかしたら市販のモノかもしれない。
最近は寿司屋でイクラをたのんでも、鮭じゃなくて鱒のイクラが出てくることが多い。粒が小さいから、一見してすぐわかる。どうやら何年か前からシャケの不漁が続いているのが原因らしい。ゆえに年々高値になってるのだ。そうなると出せなくなって、鱒の子で代用せざるおえなくなると云うワケだ。
そういやここ2、3年は自分でイクラの醤油漬けも作ってないもんね。それくらい高いのである。

イクラや筋子には焼海苔がよく合う。必須アイテムと言ってもいいくらいだ。
御飯は白飯でも酢飯でもよろし。で、炙った焼海苔を毟って敷き、小分けにした筋子を乗せ、木の芽を添えて出来上がり。
あまり使われる事はないが、木の芽と筋子の組合せはGoodだと思う。イクラよりも味は濃厚だからね。あー、今思ったんだけど、ワシってイクラよりも筋子の方が好きな人のような気がする。

 

『たけのこ筋子丼』
余った筍御飯に筋子をトッピングした。
我ながら掟破りの邪道ではないかと思う。きっと単なる思いつきなんだろなあ…。
味は旨かった記憶がある。が、筋子の個性が強過ぎて、繊細な筍御飯が台無しって感じ。まあ、筍御飯に飽きてたがゆえの所業だったと思うから、べつに問題ないんだけどさ。

 

『黄色唐辛子のスタミナ丼』
母胎はコレ↓。

小松菜か何かと黄色い唐辛子をシンプルに炒めたものだ。あっ、ニンニクも入ってるね。
この黄色い唐辛子は、小太郎くんと長野県の梓川だっけ?かのミヤマシジミを採りに行った折りに道の駅で買ったもの。それにしても、120円とは激安じゃないか。

(ミヤマシジミ♂)

(同裏面)

(♀裏面)

ミヤマシジミは美しいよなあ…。裏面もこのグループの中では最も綺麗だしさ。
話が逸れた。黄色い唐辛子だったね。

コヤツが見た目は小さくてカワイイくせに、とんでもなく激辛でありんした。もう暴君と言ってもいいくらいの悶絶的代物なのだ。でもクセになる旨さで、一時期は何にでも入れてたっけ。

肉は見た感じでは豚肉かなあ…。それと玉葱を炒めたものを合体させ、御飯に乗っけただけ。
たぶん、かなり旨かったんじゃないかな。

 

『カッパ丼』
正確にはカッパ寿司だね。大量の胡瓜を消費したいが為の苦肉の策でした。発想の源はカッパ巻きからだね。胡瓜と酢飯と海苔は合うから、それを丼にしてもいいじゃないかと思ったのだ。

酢飯に鍋で使った出汁昆布を細かく切って混ぜ、その上に焼海苔を乗せ、更に胡瓜を乗せる。で、白胡麻を散らした。
でも、全然そそらないビジュアルになった。どうにも見た目が貧相なのだ。勿論、醤油をかけて食う。

😲されど食ってみて驚く。コレが真っ当に旨いのだ。
飽きずに最後まで食べられたのにも驚いた。コレはまた作ってもいいかな。わざわざ作る気にはなれないけどさ。だって貧乏くさいんだもーん。

 

『トロたく丼』
激安の本マグロのアラから肉をスプーンでこそぎ落としたモノと沢庵を合わせた。トロたくは、近年になって何処かの寿司屋が編み出したメニューだが、今や高級店でも珍しくない存在になっている。それくらい画期的な発明だと言える。だから、かなり期待した。とはいえ、あんましトロたくを食った事が無いんだけどもね。もしかしたら一度だけかもしれない。だけに、期待値が高まったという事もあるかもしれない。

作り方は簡単。酢飯の上に焼海苔、マグロ、沢庵を乗せ、白胡麻を散らしただけ。食う直前に醤油をかける。

けど期待に反して、それほど旨くない。
ならばと、途中でグジャグジャに混ぜてみた。

でも、さして評価は変わらず。
マグロは味見してるから問題ない筈だ。さすれば沢庵のせいか?それともマグロとの配合のせい?
┐⁠(⁠´⁠(⁠エ⁠)⁠`⁠)⁠┌んー、いまだに何で失敗したのかがワカラン。
もしかしたら沢庵の甘さが、そもそも口に合わないのかもしれない。基本、人工的な甘さは好きくないのだ。

 

『温玉添え豚丼』
豚肉を甘辛く焼き、御飯に乗っけて温玉を添えた。
豚肉のタレは、おそらく醤油、味醂、酒を混ぜたものだろう。隠し味に何か入れてる可能性も無くは無いが、思い出せない。
温玉は自分で作った記憶がある。ネットで調べりゃ、作り方はゴマンと出てくるから誰でも簡単に作れまっせ。
味は普通にメッチャ旨かったっす。

 
たった10個の献立なのに、書くのに半日近くもかかってしまったなりよ。やはり文章を書くのは大変だ。特に長い文章を書くには体力がいる。肉体的にも精神的にも体力が必要なのだ。普段から書き慣れていないとあきまへん。サクサク進まないのだ。ブランクが開くと駄目だね。何だか気持ちが萎えてきたよ。正直、こんな体たらくだと虫関係のブログを書けんのかよと思うよ。
とはいえ、巻頭で言っちゃったからなあ…。頑張りまふ〜。

 

牛丼を自分で作ってみる

思いつきで、自分で牛丼を作ってみた。
たまたま冷蔵庫に牛バラ肉、玉葱、卵、紅生姜が残りがあったからである。

一応ネットのレシピを参考にして作る事にした。

・牛こま肉……200g
・玉ねぎ……1/2個
・だし汁……200cc(水:200cc、だしの素:小さじ1杯)
a. 酒……大さじ2杯
a. みりん……大さじ2杯
a. 砂糖……大さじ1杯
a. 醤油……大さじ2と1/2杯

とはいえ、正確に量って作るつもりは全然ない。あくまでも参考にしただけである。性格がアバウトなのだ。適当に二人分程度の目分量で作るのじゃ。

①牛バラ肉を適当に切って、酒をブチ込んで揉み込む。
②鍋に出汁、砂糖、味醂、醤油、白ワインを入れて火にかける。玉葱をスライスし、その2/3を鍋に投与。弱火でクタクタに煮る。
③仕上げの前に残りの1/3の玉葱を入れる。ようは玉葱の食感を2つにしようという算段だ。
④丼鉢に御飯を盛り、上から③を入れて真ん中に卵黄を安置して紅生姜を添えれば出来上がり。

(・∀・)みゃあ〜、我ながら旨いと思う。
味は吉野家の牛丼よりも上品に仕上がった。勿論、ややつゆだくにした。ややというのが自分好みなのだ。

だがコストパフォーマンスを考えれば、やっぱ吉野家って凄いなと思う。牛丼戦争が勃発した一時期は、¥298という時代もあったけど、今は幾らになってるのかな❓
調べたら、税込¥365だった。それでも信じられない激安価格だ。
吉野家って、偉いよね。いや、スゲーと言っても過言ではない。

                   おしまい

 
追伸
ちなみに撮影したあとに紅生姜を大幅増量。一味唐辛子も足した。大阪人は紅生姜を偏愛しておるのだ。何せ天ぷらにして食うくらいだからね。

ちなみに翌日も食った。

コチラは温泉玉子バージョンね。

  

だだちゃ豆とあわっちゃ豆

今年ほどスーパーで「だだちゃ豆」を沢山見て、今年ほどだだちゃ豆にガッカリした年はない。

えー、だだちゃ豆とは山形県鶴岡市特産の枝豆のこってす。
邪魔くさいから、あとは袋の裏の説明書の画像を貼っときまっさ。

そうそう、だだちゃ豆って数多ある茶豆の中でも断トツに香りが良いんだけど、よその土地で作ってもその独特の香ばしさが出ないんだよな。

昔は8月の短い時期に「高島屋」でしか見られなかったのに、今年は近所の何処のスーパーでも見かけた。数年程前から一般ピーポーにも知られるようになって💥人気爆発、作付けする農家が飛躍的に増えたのだろう。
でも今年は豆の粒が小さくて、これが全然旨くないんである。3度ほど食ったが、ことごとくそうだったのでガッカリした。
どこでも売っているワケだから、折に触れチェックしたが、どれも栄養失調みたいな豆ばかりだった。

まだマシだったのは、コレくらいだった。

天候のせいかとも思ったが、意外と作る人が増えたせいでクオリティーが下がったんじゃないのかなあ❓作る人が増えれば、慣れないだけにクオリティーの低いものが増えるのは当たり前で、そうゆう人のに当たる確率も当然ながら上がるだろう。経済の功罪、その縮図だね。

探したら、去年か一昨年の画像があったので、貼り付けておく。

まだマシだが、コレとて初めて食った15年ほど前のモノには遠く及ばないような気がする。気のせいかなあ…。

そんな中、わりかしヒットだった枝豆が「あわっちゃ豆」である。

香りは、だだちゃ豆の足元にも及ばないが、味はふくよかで旨味がある。今年みたいな出来のだだちゃ豆なら、迷わずこっちの方を選ぶ。だだちゃ豆は1袋で298円だが、あわちゃまめは通常で198円。安い時だと158円だったりするのだ。コスパ面まで含めれば、断然あわちゃまめに軍配が上がる。

言い忘れたが、「あわっちゃまめ」とは、最近売出し中の徳島産の枝豆のことである。つまり阿波の国の茶豆ってこってすな。
JA徳島市が独自に品質&食味試験を行い、特に風味の良い時期のおいしい品種のみを使用した独自ブランドの茶豆風味の枝豆らしい。ようは特定の品種を指すのではなく、品質の良いものを「あわちゃまめ」として出荷してるって事なのかな❓
吉野川河口流域を中心とした肥沃な土地で栽培されており、「JA徳島市では選別方法として、部会で定めた基準に基づき、農家生産者が選別する個撰出荷とJAの施設光選別機で選別する共撰出荷の2種類があり、安定的に高品質・良味の枝豆を出荷している。」という。
うーむ、かえってソレだと品質にバラツキがあるんのでは❓
ということは、たまたま食べたヤツが旨かったという可能性けは充分に考えられる。
まあ、来年また食べてみて最終のジャッジメントをしよう。

ちなみにだが、今年は豆を茹でるのではなく、もっぱらレンチンしていた。

コヤツをたまたま買ったら、袋のままレンチンできるというので、洗って使い回していたのだ。

枝豆をザッと洗い、そのまま袋に入れて(水気は拭き取らなくてもよい)チャック的なものを締め、皿に乗せて4分半〜3分半レンチンしたらOK。激楽ちんである。
皿に乗せるのは、下部に穴が空いていて、そこから水分が出る仕掛けになってるからです。だから普通の袋でやると爆発しまっせ。

でも、枝豆じたいは全然美味しくなかった。
そういや、コヤツも期待ハズレだったな。

北群馬のJA利根沼田の『豆王』というブランドだ。
名前が名前だし、相当の自信を持っていると思われ、値段も400円以上もしたから、どんだけ旨いねんとかなり期待した。
確かに見た目は立派。粒が大きくて、ふっくらしている。
でも、結果は全然旨くなかった。豆に旨味が全然なくて、香りも薄い。王様を名乗る資格、無しである。これじゃ詐欺だ。
ダァー(ノ`Д´)ノ彡┻━┻〜、二度と買わんわい❗

不味い枝豆は鞘から外して出汁に漬けておく。

したら、だいぶと美味しく食べられます。
飽きたら枝豆ごはんにしてもよい。

土鍋で白飯を炊いて、枝豆を乗っける。

してからに、混ぜる。

薄味だから、おかずにも合う。
枝豆ごはんOnlyとして食べたいのなら、塩をかければいいでしょう。

そろそろ露地ものの枝豆の季節も終りかなあ…。
今年の夏は、何だかアッという間に過ぎちゃったね。

                  おしまい

 

チカとモロコ

 
知佳や千花でもなく、諸子や師子でもない。
女の話だと思った人は残念でしゅー( ≧Д≦)

けど、そういや昔、智加って女がいたなあ…。
顔はかなり可愛いんだけれども、自意識過剰でいつも自爆してるような娘だったな。
この娘が人生稀にみる酒グセの悪い女だった。振り返ってみても断トツにナンバーワンだったと思う。
但し、浴びるように飲んだ揚句にグレキャラ化するのではなく、ムチャクチャ酒が弱いから少しでも飲めば暴走クィーンになるタイプだった。

昔、酔っ払ったチカを勤めていたダイビングショップまで送るのに、あと少しの300mなのにタクシーに乗せたっけ…。
紛れもなく人生最短距離のタクシー乗車だった。勿論オラがタクシーを停めて、お代も払ったんだけども、何であともう少し頑張れんのー❓と思ったからよく憶えている。
無理に歩かせずにあえてタクシーに乗せたのは、多分これ以上はにっちもさっちもいかないと感じて早めに判断したからだ。どんだけ粘ろうがダメなもんはダメなのだ。あの頃、当時の自分の判断力と決断力は神がかってたからね。その力は今は何処へ❓って感じだけどさ。

その智加が最も御乱心となったのが、BARのお客総勢15名程の山陰ダイビングツアーであった。ダイビングして、夏牡蠣とサザエ、アワビ採り放題、魚も突きーので、その場でバーベキューをするという贅沢なツアーである。
タクシーの件があったから、悪戯好きで人をコントロールする事に自信たっぷりの西井さんとカッちゃんには、くれぐれもチカには酒を一滴も飲ませないようにと釘をさした。何せチカはビールをコップ半分飲んだだけでも豹変、荒くれ者になるのである。そのやさぐれ度は半端ない。毒吐きまくりで、誰も宥める事が出来ない傍若無人振りになるのである。
なのに客を潜らせて戻ってきたら、すぐに西井さんとカッちゃんが困惑した顔で申し訳そうに謝ってきた。つまり、潜ってる間に彼らが調子に乗ってチカに酒を飲ませ、全く彼女をコントロール出来ない事態に陥っていたのである。
やっぱりかと思った。モテて自信たっぷりの男たちは困る。自分だけは女性に対して人とは違う特別な存在だと考えているから、他人の言うことはナメてて聞かないのである。
オラに対する対抗心もあったかもしれない。けど、ナメんなよである。こっちは自分の店の客なんだからアンタらより彼女のことは理解している。オラでもグレキャラ化したチカを宥めるのは至難のワザなのである。だから言ったじゃない、( ≧Д≦)モーである。
なのでチカの友だちのオイやんに色々言い含め、説得に行かせて何とかその場を治めた。

😱あー、そういや彼女を部屋に一度だけ泊めた事があったんだけども、当時の彼女にベッドに落ちていた髪の毛を見つけられて窮地に追い込まれたのだった。

彼女にチカの金髪を目の前にグイと突きつけられて言われた。
『アンタ、ガード許すぎ。』と。
慌てて『アホー、ワシなー奇病があってなあ。時々金髪が生えてきよるねん』と言った。
しかし、すかさず余裕の表情で言い返された。
『よう、その金髪だけ長く伸びるわよね。』
しまったと思った。チカはロングヘアーで、当時のワシは短髪だったのである。
あの時の彼女の無表情に近い怖い顔は、生涯忘れる事はないだろう。皆さん、くれぐれも女性を泊めた時は髪の毛は回収しておきましょう。

んな事は、(`ε´ )どうでもよろし❗
主題は、そんなとこじゃないのである。

前回は鯵の南蛮漬けについて書いたが、実を言うと鯵の南蛮漬けと思いきや、よく見たらそうじゃないのも出てきた。
そうゆうワケで今回は「食材チャレンジャー、イガがゆく」のカテゴリーに含まれる回になるかと思われる。

えー、チカとは魚のことである。そして、モロコも魚のことを指している。

日付は、2020年の4月2日となっている。
値段は、たったの100円でごわす。

見た目は極めてワカサギに近いね。
だから、チカなの❓
とりあえず、ウィキろう。

学名:Hypomesus japonicus。
おっ、小種名は日本を意味しているね。
キュウリウオ目キュウリウオ科に分類される魚。別名にツカ、オタポッポなどがある。
食用とされ、同属のワカサギとよく似ている。その為、両種が区別されずに流通していることもある。北海道及び三陸海岸以北の本州、朝鮮半島、カムチャツカ半島、樺太、千島列島の沿岸に生息する。
英名は Japanese surf smelt。つまりは「日本のワカサギ」である。
ワカサギによく似ているが、ワカサギの腹びれが背びれの起点の直下、もしくはやや前方から始まるのに対し、本種の腹びれは背びれの起点よりやや後方から始まるという違いがある。

全長は約20cmほどにまで育ち、ワカサギよりも大型になる。
内湾の岸近くに生息する。3月下旬から5月上旬の繁殖期になると河口へ集まり、汽水域の砂底部に産卵する。1年から2年で成熟し、産卵後も生き残って3年から4年生きる個体もいる。

北海道や東北地方では食用魚として流通している。定置網で漁獲されることが多い。また、漁港等に集まるので釣りの対象魚にもなっている。小骨がワカサギよりもやや硬いので、価格はチカの方がやや安価。
小型のものは天ぷらやフライなどにする。又、煮干しや佃煮にしたりもする。大型のものは刺身、素焼き、塩焼きにしても美味である。ただし、生食する場合は寄生虫の危険があるので注意が必要。

コレを先ずは天ぷらにした。

味は、ほぼワカサギである。結構、旨かった。
でも、たぶん飽きて残りは南蛮漬けにしたんだろね。

チカが野菜に埋まって、何ちゃらワカランものになっているが、間違いなくチカの南蛮漬けである。
思うに、鯵の南蛮漬けよかワカサギの南蛮漬けの方が柔らかい。その分、食べやすい。もしかしたら、ワカサギの南蛮漬けの方が旨いかもしれない。
いや、鯵の南蛮漬けも捨て難いな。簡単には甲乙つけれないね。

 
さてさて、お次はモロコである。

小魚なので骨ごと食べることができる。
コイ科のタモロコ属とイトモロコ属に含まれる淡水魚の総称で、単にモロコという和名の魚はいない。モロコとは「もろもろ沢山の子」の意で、体の細長い小魚にこの名のつくことが多い。
琵琶湖周辺では主にホンモロコの事を指し,東京ではタモロコを指す場合が多い。
ホンモロコは全長9cm程度。琵琶湖・淀川水系の特産で、現在は諏訪湖,山中湖,関東地方の川に移殖されて繁殖している。
旬は冬から春。琵琶湖の名物で、漁獲量が極めて少ない上に極めて美味な事から湖魚の中では最も高値で取引される。高い時には1kg1万円くらいするらしい。特に子持ちモロコは珍重され、主に京都の高級料亭で供せられている。
ちなみに環境省のレッドリストでは絶滅危惧IA類に指定されている。おいおい絶滅危惧種を獲っていいのか❓天然のウナギにしてもそうだし、結局は食いもんならお咎めなしなんだろね。ようは全ては人間の都合次第なのだ。

タモロコは田や水路に棲むモロコで、全長7cm程度。静岡・新潟県以西の本州と四国の一部、九州北部に分布。関東地方にも移殖されて繁殖しており、釣りの対象にもなっている。コチラも美味とされるが、ホンモロコよりは味が落ちると言われている。『ぼうずコンニャクの魚貝類図鑑』でも、ホンモロコが★4つの非常に美味、タモロコが★3つの美味になっていた。どちらもタモロコ属に含まれる。
他にモロコと呼ばれる魚に、イトモロコ属のイトモロコ、デメモロコ、スゴモロコがいる。だが、何れも不味くはないものの、ホンモロコと比べて評価は低い。ぼうずコンニャクでは★2つになっていた。

基本は網に乗せて炙り、素焼きにする(白焼き)。
一般的には、それを酢醤油とかで食うんじゃなかったけかな。いや二杯酢か❓他に酢味噌をつけて食べたり、から揚げ、照焼き、佃煮、南蛮漬け、味噌焼き、フライなどにもし、調理法は幅広い。あとは琵琶湖周辺や京都では、白焼きしたモロコを芯にした昆布巻きやモロコの飴煮がよく売られている。

でも、何か今イチだった。で、南蛮漬けにしたというワケである。

コレって、ホンマにホンモロコだったのだろうか❓
昔食った時は、もっと旨かった記憶があるんだけどなあ…。
タモロコだったりして。どころか、下手したらスゴモロコやデメモロコかも…。値段も安かったしね。そもそもが『スーパー玉出』で買ったもんなのだ。信用でけん。

一応、確認しておこう。

【タモロコ】


(出展『雑魚の水辺』)

真ん中の線が太い。しかも何本も線がある。

【ホンモロコ】


(出展『雑魚の水辺』)

一般的にタモロコは体高が高くてふっくらしており、ホンモロコは体高が低くてほっそりしているとされるみたい。けどタモロコにも微妙に細いモノもいるという。確実な識別点は、口の下のヒゲがタモロコよりもホンモロコの方が短いらしい。
でもパックのモロコは、ヒゲが体に引っ付いているようで、区別できん。

【スゴモロコ】

(出展『雑魚の水辺』)

琵琶湖特産種。スゴとは凄いって事なのかと思ったら「卑しい」という意味らしい。すなわち雑魚を表すそうだ。。
イトモロコやデメモロコとよく似ているが、スゴモロコの体側には暗色の縦帯の上に数個から10個程のハッキリとした丸い黒斑点が見られる事から区別できる。

【デメモロコ】

(出展『雑魚の水辺』)

和名は、目が大きい事からの命名。
スゴモロコに似ているが、体高が高く、口髭が短い。体は淡い黄褐色で、側面にはやや光沢があり緑がかった褐色の縦条があり、背部にのみ暗褐色の小さい斑点がある。

【イトモロコ】

(出展『雑魚の水辺』)

最も判別は容易で、体側の側線鱗が他のモロコ類よりも著しく上下に長い。また吻が長く、頭部の背縁が盛り上がる。
コヤツはまあいいとして、正直、他は同定に自信がなくなってきた。買ったのは、見た感じからはホンモロコっぽいけど、それにしては不味い。
こりゃ京都か琵琶湖畔のちゃんとした店で、ちゃんとしたホンモロコをもう1回食わないと、ワカンねぇよ。

ちなみに、過去にモロ子という名前の女性には会ったことはない。もし会っていれば、そんな変わった名前なら鶏並みの脳ミソのワシとて記憶しているからね。

そういや、こんな画像も出てきた。

鯵の南蛮漬けにしては白いし、何でパプリカ❓と思ったら、次の画像を見て解った。

鯵のマリネでござんした。
きっと母体はイカとパプリカのマリネだね。
作り方は簡単。揚げたアジをシンプルなセパレートドレッシングにブチ込み、タマネギとパプリカを入れ、黒胡椒を挽いただけ。シンプルだけど美味しいよ。

ゴメン、違った。順番が逆で鯵のマリネが先でした。黄色のパプリカが無いし、更にマヨネーズを加えたからドレッシングが白濁してるからね。

                  おしまい

 
追伸
『とある料理人(弁当屋)の独り言?』というブログを読んだら、モロコが今イチ旨くなかった理由が判明した。

仕入れた天然のスゴモロコの中に、一匹だけホンモロコが混じっていたらしい。
抜粋しておきます。
「スゴモロコ・・・目が大きくホンモロコに比べ、ウロコも大きいのが特徴です。
ホンモロコ・・・スゴモロコに比べ、小顔で端正な顔付き?で、ウロコも小さいです。
ホンモロコと比べてスゴモロコは、値段にして1/3くらい。
ただ時期により、エラが硬くて口に残ったり、ホンモロコに比べ、育つのが早いのでしょうか?内蔵が苦いことがあります。
最近は、ホンモロコの養殖も盛んです(値段はスゴモロコと変わりません)が、一度天然物を食べたことのある方には、お勧め出来ません。
養殖のホンモロコを食うくらいなら、スゴモロコの方がはるかに美味しい。」

でも、画像を見るとスゴモロコとしているモノは、デメモロコのような気がする。


(出展『とある料理人(弁当屋)の独り言?』)

上がスゴモロコ、下がホンモロコとされている。

だとしても、天然ホンモロコが★4つで、スゴモロコが★2つ(デメモロコも★2つ)。養殖ホンモロコはそれ以下と言うんだから★1つ以下になる。そりゃあ、旨いワケないわな。
(☉。☉)あー、でもパッケージを見たら、養殖なんて一言も書いておらんぞ。もっとデカくないと旨くないのか❓

 

豆鯵の南蛮漬け

 
豆鯵(まめあじ)とは、成魚になる前の初夏~秋ごろのアジのことを指す。ようはチビッコ鯵の事だね。コレが1パック100円で売ってた。

鯵の南蛮漬けのアジは小さい方が美味いというのが持論だ。
なぜなら、大きいと骨も頭も硬くて食べにくいからだ。それが嫌なら二度揚げしなければならない。けどそうなると火入れが難しくなる。火入れが足りないと骨や頭が口に残って不快だし、揚げ過ぎると身が痩せ細って、しっとり感が失くなってミイラ化してしまうのである。その加減が難しい。

とは言うものの、作り方自体はそれほど複雑ではないので、料理慣れしてない人でもそう難しくはない。スーパーの惣菜の鯵の南蛮漬けよかマシには作れんだろう。アレって何であんなにもマズいんだろ❓それほど沢山を買って食ってないけど、ことごとくマズかった。だいたいが妙に甘ったるくて、野菜から水が出てクタクタなのだ。

それでは作り方です。

①アジの腹に包丁を入れ、内臓を取り出す。出来れば手で鰓も取り除く。それをキレイに水で洗って、キッチンペーパーで水気を拭き取る。後で油ハネするのはヤだもんね。忘れずに腹の内側の水気も拭き取りましょう。

②したら、南蛮酢を作る。水に顆粒だしの素(鰹&昆布)を入れ、味醂、砂糖、酢、醤油をテキトーに加えて、輪切りの乾燥赤唐辛子をブチ込んで軽く火を入れておく。
レシピの割合は好みがあると思うので、あえて書かない。作るのならネットで検索されたし。自分は甘いのが嫌いなので、砂糖の量を控えめにしている。

③玉葱は薄切りにスライス、人参は拍子切り、ピーマンは種を取り除いて輪切りにする。なお、玉葱は切ってから30分くらいは放置する。そうしないと、何とかっつータマネギの重要な栄養分が失われるからね。

④鯵を油で揚げる。いつもなら片栗粉や小麦粉をつけて揚げるのだが、今回は面倒クセーから素揚げにすることにした。150〜160℃の低温でじっくりと揚げる。そうすることで骨や頭も美味しく食べることができるのだ。

⑤カリッとした揚げたてを、そのまま直接に南蛮酢に放りこむ。意味はワカランけど、20代にバイトしてた銀座の小料理屋がそうしてたからだ。コレが楽しい。入れた瞬間にジュッと音が鳴って、それが何とも心地良いのだ。きっとそれで一挙に味がしゅむんだろう。テキトーに言ってるけど。
揚げる時間の目安は大きさによるが、今回は7〜8分。途中、1回ひっくり返した。

⑥それを冷蔵庫で一晩寝かせて完成。
もっと彩りを良くしたいのなら、皿に盛ってからピーマンを加えるか、新たにネギなどを散らせば良い。

野菜のシャキシャキ感が全体のバランスを上手く支えている。特に人参の食感は全体の調和を引き締めてて、マスト。
正直、客観的にみても美味い和食屋のものと遜色ないような出来じゃよ。

それを都合三日間にわたって食った。
特に意図しての行為ではない。単に一度にそんなに沢山は食えないし、食うべきものでもないからだ。酒の肴とは、チビチビ食うものです。

(2日目)

最初の4枚の画像は鯵が埋まってて、よくワカランものになってたけど、今度はハッキリと「鯵の南蛮漬け」と分かるでしょうよ。
ただ、夕方の中途半端な時間に撮影したので色が悪い。

(3日目)

段々と味が濃くなるけど、それはそれで旨かったりする。

                   おしまい

 
追伸
時々、鯵の南蛮漬けを無性に食べたくなる時ってない❓あるよねっ。だから年2回くらいは作るのだが、過去画像を見ると、去年、今年と結構作ってる。


 
これは片栗粉をつけて揚げてるね。
頭が無いのは、結構大きい鯵だったんだろう。

多分コレも片栗粉をつけて揚げてると思う。
考えてみれば、素揚げすることなど滅多にないのだ。結論から言うと、矢張り片栗粉で揚げた方が旨いと思う。そうした方が身がふっくらと仕上がるような気がする。

コレもそうだから、やっぱ基本は片栗粉仕様みたいだね。
以下も同じだろ。

思った以上に作ってたんだなあ…。

 

鰹の塩たたき丼

高知産の状態の良い鰹のタタキが、半身のサク(下側)で398円で売ってたので買った。

薬味は上が貝割れ大根。右側が芹、茗荷。左側が葱とニンニクのオリーブオイル漬けである。
コレを薬味なしの塩のみで食う。
思うに、鰹のタタキは塩で食うのが一番旨い。究極的には。薬味さえも邪魔だと思ってる。但し、鮮度が良ければの話だけど。

翌日、残りの半分を切り分けて塩を振り、手で叩いて馴染ませる。で、15分程おいてから酢飯の上に乗っけて、薬味を盛れば出来上がり。

途中、飽きてきたので醤油でも食ってみた。醤油は醤油で旨いんだけど、鰹の風味が消えてしまう。

この時期の鰹も旨いけど、10月には脂が乗ってもっと旨いだろう。待ち遠しいね。特に藁焼きしたヤツは悶絶するほど美味いんだよなあ。

今年も何だかんだいって、結構カツオは食ってるなあ。

コレなんか殆んど薬味なしだ。塩のみで押してますな。

コレもそうだね。たぶん皮付きのサクに金串を刺して、ガス火で皮めだけを炙ったんだと思う。

これも同じだね。

薬味は葱、茗荷、ニンニク。通常だと、こうだよね。
あっ、大葉が抜けてるな。

薬味は葱、茗荷、ニンニク、大葉、貝割れ大根。
でも茗荷が無いし、白胡麻はイレギュラーか。

これまた薬味が違ってて、葱、ニンニク、胡麻とシンプルだね。

これは大葉、葱、ニンニク。そして玉葱だね。
普段は薬味に玉葱は使わないから、自分としては珍しいね。結局のところ、冷蔵庫にあるものをテキトーに使ってんだろな。

葱、茗荷、大葉、ニンニクだから、コレこそが王道だろう。
あっ、でもニンニクはオリーブオイル漬けだから、正真正銘の王道ではないね。ちなみに塩は藻塩だったと思う。

コレこそかと思いきや、茗荷さんが不出場でんがな。

これも茗荷さんがいない。ニンニクもオリーブオイル漬けだ。

タタキではなくて、刺身だね。
脂が乗ってそうだけど、期待した程ではなかったと思う。
これも茗荷なしだね。きっと茗荷無しの時は、おそらく値段が高かったからじゃないかな。

カルパッチョだね。
薬味は玉葱と貝割れ大根だね。これは今イチだった。途中で醤油かけたもんね。
思うに、カツオはあまりカルパッチョには向いてないような気がするなあ。

これはヅケ丼だろう。
ヅケもカツオには向いてないと思う。

たぶん、なめろう。
コレも今一つだった。

こっちは山椒をふんだんに掛けてやった。

鰹とろろめし。
味は悪くはなかった記憶がある。でも、メチャメチャ旨かったという記憶もない。

何か鰹マニアと言ってもいいくらい鰹を食ってんな。
さあ、秋も鰹を食いまくろうぞ。

                   おしまい

 
追伸
薬味に何故に生姜を使わないのか❓と訝る御仁もおられるかと思うが、あんなもんは本場の高知では邪道である。高知ではニンニクが基本なのだ。生姜を使うのは臭みを誤魔化すためだと言われている。高知のカツオは鮮度が良いので、そんなもんは要らんというワケだ。ちなみに、塩で食うのも高知スタイルである。
最近は流通スピードが格段に良くなっているので、大阪でもかなり鮮度の良いカツオが手に入るようになった。だから、塩とニンニクで食ってるんである。
塩で食べた事がない人は、是非とも試して戴きたい。但し、冷凍を解凍したものは言語道断。生で鮮度の良いものじゃないと、ダメだからね。
 

冷や汁に冷や汗

 
初めて「冷や汁」を作ってみることにした。
きっかけは豆腐。

 

 
神戸・八雲豆腐の特製木綿が半額になっていた事から始まる。

 

 
最近は、やや値段高めの美味そうな豆腐だったら、塩のみで食べる事が多い。その方が大豆本来の甘みを感じられるからである。醤油や生姜やネギ、鰹節は邪魔なのだ。安い豆腐の時は味も素っ気もないから、全員たっぷり掛けるけどね。
とはいえ、ずっと塩だけで食うのも飽きてくる。そのために茗荷も用意したってワケ。塩と茗荷の組み合わせも旨いのだ。ネギよりも好ましい。

で、残った半丁分の木綿豆腐をどうしようかと思った。いくら旨いからといったって、もう半丁を同じようにして食べるのは気持ち的に無理があるのだ。
なので、無い脳ミソで考えた。
茗荷の他に冷蔵庫には胡瓜もあるから事から、💡ピカリン、ふっと思いついた。

そうだ、冷や汁を作ろう❗

以前に丸美屋の冷や汁を食って、予想以上に旨かったという事を思い出したのもある。

 

(出展『楽天市場』)
 
 
値段は楽天市場だと300円くらいで売られているけど、自分は確か百均で買った。だから百円。他に鶏すだち味というのもあって、それも買った。ソチラも中々旨かったという記憶が何となく残っている。

しかし、単にレトルトを飯にかけて、胡瓜と茗荷を乗っけただけだから、自分で1から作ったワケではない。なので一応ネットでレシピを探ってみた。
で、ちぃーとばかし驚いた。ただの冷やした味噌汁的なものを上からブッかけただけの食いもんだとばかり思っていたが、どうやら違うようなのである。しかも浅からぬ歴史があって、何だか奥深い世界みたいなのだ。
以下、ウィキペディアの記事を参考に、冷や汁について解説しておく。

【冷や汁(ひやしる、ひやじる、冷汁とも書く)】
出汁と味噌で味を整えた冷たい汁物料理の1種で、主に夏の暑い時期に食される。
歴史は古く、鎌倉時代の『鎌倉管領家記録』に早くもその名称が見受けられる(「鎌倉管領家記録』については「国書総目録」に記載がないため実在に疑問があり、その信憑性については注意が必要らしい)。
その後、このような料理が僧侶等によって全国に伝播されてゆく。しかし、気候風土が適した地域のみに残ったとされる。

宮崎県、埼玉県、山形県など日本各所にある郷土料理であるが、各地方それぞれに別内容の料理なので混同されやすい。また別名で、中身は同様な料理も存在する。

そもそも冷や汁は大分県の郷土料理だとばかり思い込んでいたが、本場は宮崎なのね。それさえ知らんかった。

(宮崎県の冷や汁)
現在「冷や汁」と称される料理の中では、宮崎県のものが『鎌倉管領家記録』の冷や汁に最も近いとされる。おそらく知名度も一番高いと思われる。
元々は忙しい農家の食事や戦(いくさ)の陣中食で、簡単に調理でき、且つ手早く食べられる料理として重宝された。しかし第二次世界大戦以降には各家庭で工夫され、手間のかかる料理へと変遷していった。

 

(出展『せたがや日和』)

 
ー作り方ー
元来が家庭料理であるので、宮崎県内でも地域により作り方が異なるらしいが、代表的な調理法は以下の通り。

すり鉢に、いりこ、もしくは焼きほぐした鯵などの魚を入れてスリコギで擦る。このように魚を使うのが宮崎の冷や汁の最大の特徴である。そこに更に炒った胡麻と麦味噌を入れて擦る。
よく混ざったらスリ鉢の内側に薄く伸ばし、直火で軽く焦げ目が付くまで香ばしく焼く(上品さや高級感を重視する料理店では焦げを避けることも多い)。
すり混ぜながら、冷まし湯を注ぎ入れてのばす。仕上げに手でほぐした豆腐、輪切り胡瓜、千切り青紫蘇、茗荷などを混ぜて良く冷やす。冷えたら、汁を米飯や麦飯にかけて食べる。

魚は、いりこや鯵を使うのが一般的だが、淡白で癖の無い魚ならばどんなものでも可。いりこは頭と腹わたを除いたものを煎って用いる場合もある。
日向市の細島地域には、甘鯛を利用した冷や汁(別名ミソナマス)があり、より上品な味とされる。他に大分県津久見市近辺でも焼魚のほぐし身を使った「冷汁」が古くから食べられている。このように九州の各県にも同様の冷や汁料理があり、熊本県の阿蘇周辺や鹿児島県などでも家庭料理として食べられている。
又「さつま」と称される類似の料理が大分県、岡山県、広島県、愛媛県、香川県などにも存在する。これは薩摩地域の「冷や汁」が伝わっていった際、その名を取ってこう呼ばれるようになったとされる。
他に愛知県篠島で作られるニシ汁は、主要な材料がイボニシ(巻貝の1種)に限定されるものの、焼いた小魚をダシとして、イボニシと共にすり潰して湯水を加えるなど、作り方は宮崎県の冷や汁に類似している。
また静岡県御前崎市を中心とした中部地区では「ガワ」という漁師料理が存在する。元は操業中の漁船上で作られていた料理で、鍋に味噌、氷、玉ねぎ、胡瓜、カツオやアジなどをたたいた身、薬味として茗荷、ねぎ、大葉などを入れて豪快に混ぜたものである。魚の臭み消しとして梅干しを入れることもある。そのまま冷たい味噌汁として、またご飯やそうめんにかけて食べる。氷が鍋に当たる音が料理名の由来とされている。

お次は埼玉の冷や汁である。
コレには驚いた。従来持っていた冷や汁の概念が吹き飛ばされた。

(埼玉県の冷や汁)
県西、県北、県央部、さいたま市大宮地区など県内の各所で夏の家庭料理として作られる。表記は「冷汁」で、呼び名は「ひやしる」。
最大の特徴は御飯ものではなく、元々はざるうどんのつけ汁で、それが『冷汁うどん』として広まり、定着していった。
上記の地方では、昔から胡瓜の輪切りを砂糖・塩・胡麻で和えた料理が惣菜としてよく食べられており、その残り物にうどんをつけて食べたのが始まりとされる。うどん以外に素麺を用いることもある。
群馬、栃木などの北関東でも埼玉の冷や汁と同様の「冷や汁」料理がある。

 

(出展『Wikipedia』)

 
ー作り方ー
先ずは煎り胡麻をスリ鉢でする。地域や家庭により摺り方は多様で、軽く摺る程度の所もあれば、胡麻の粒を完全にスリ潰して、しっとりと仕上げる所もある。
すり鉢に、味噌を入れて更にすり混ぜる。この時、好みで砂糖を少量入れてもよい。この味噌は群馬など北関東産のものが推奨される。
胡瓜の輪切り、大葉とネギのみじん切り、お好みで紫蘇の実(穂じそ)や茗荷のみじん切りを追加してもよい。
味噌が入っているスリ鉢に上の野菜類を入れ、スリコギで突くように混ぜ込む。味噌と野菜類がなじみ、胡瓜から少し水分が出てしんなりするくらいまで混ぜる。
うどんを茹でる。手打ちが理想だが、コシがありやや太めのうどんなら特に産地は問わない。ゆで上がったら冷水で締め、ざるに上げる。
すり鉢に作った味噌だれを冷水で少しのばす。気温が高ければ、氷を加えて浮かす(その場合は氷が溶けるのを見越して濃いめの味噌だれに調整する)。
味噌だれを小鉢に取り分け、ざるに上げたうどんのつけ汁として食べる。
地域により、つけ汁は胡麻と味噌だけで、野菜類は薬味として食べる直前に加える形の場合もある。

最後は山形の冷や汁だが、これにも驚いた。これまた全然別物なのである。
 
(山形県の冷や汁)
雪菜やキャベツ、ほうれん草などの季節の野菜を、干し貝柱や干し椎茸などの乾物を戻した出汁で和えたもの。汁物料理と思われがちだが、実際は具だくさんのお浸しである。
米沢藩に古くから伝わる料理で、合戦の出陣式には配下の武将に冷や汁が振舞われたといわれている。正月料理としても知られており、その際に用いられる野菜は雪菜であることが多い。
また、新潟県長岡市栃尾地域・中越地方・十日町市・三条市・見附市などでも類似する「冷やし汁(冷し汁)」が存在する。

 

(出展『オールアバウト』)

 
ー作り方ー
凍み豆腐、凍み蒟蒻、干し椎茸、干し貝柱を水でもどす。
干し椎茸と干し貝柱の戻し汁を醤油などで味付けした出汁で乾物類を煮る。よく冷めてから、法蓮草、雪菜、小松菜などの茹で野菜の上に汁ごとかけて食べる。
乾物を煮る際に油揚げ、打ち豆、人参などの具材を入れることも多い。茹で野菜の上にかけるのではなく、全体を和えて味がしみこむようにする場合もある。

当然ながら、埼玉の冷や汁も山形の冷や汁も作る気はない。
埼玉のうどん仕様には少しソソられたが、初めて作るのに最初っから邪道に走ってどうするのだと思った。邪道なんて言ったら埼玉の人に失礼だけど、全国的に知名度があるのは九州地方の冷や汁だからね。つまり九州の冷や汁が王道なのだ。

それでは作ってみよう。
材料はいりこor焼魚以外は揃っている。問題は、いりこにするか焼魚にするかだが、いりこは何か野暮ったいのでパス。となれば、魚を何にするかだ。定番は鯵の干物だから、先ずはそれを第1候補としよう。あとはスーパーに行ってから臨機応変に考えよう。

けど、気に入るような鯵の干物がない。生の鯵も今イチ。方針転換を余儀なくされる。
サバは脂が乗りすぎてるので除外。ブリも同じ理由で除外。タラは何となく合わなさそうなのでパス。次にカマスを探すが見当たらない。シャケは邪道な気がするので、コレもパス。
そんな折、一匹丸々の小振りのタイが目に入った。鯛なら魚の王様だ。焼いて良し、煮て良し、蒸して良し、もちろん刺身でも旨いから、何らマイナスポイントはない。しかも値段は激安の298円だ。決まりである。

取り敢えず3枚におろす。したら、皮目に熱湯をかけて霜降りにする。冷や汁にはアラだけでも量は充分そうなので、半身をカルパッチョにする事にした。

 

 
削ぎ切りにして塩を振り、茗荷と大葉を散らして上からエキストラバージンオイルをかけた。
✌やっぱ、鯛は美味いね。けど途中で飽きてきたので、少量の醤油を垂らす。うん、こっちも美味い。

残りの半身は塩を振り、15分程たってから酢で洗って昆布で包んだ。で、一晩おいた。

 

 
コチラも削ぎ切りにして茗荷を散らした。
そのまま食うが、メチャンコ美味い。冷酒に抜群に合う。

さてさて冷や汁だが、先ずはアラをシッカリ焼く。
してからに身をほぐす。鯛の骨は硬いので慎重に取り除く事が肝要っす。
これで準備万端である。

①味噌は焼いて焦げ目を入れた方が香ばしくて旨いらしい。
いりこ・煎り胡麻・味噌をすり鉢でよくすり、すり鉢を逆さにして火にかざして焼くという。でもそんなの危なくて素人には無理だ。それにすり鉢で擦るのも面倒くさい。なので味噌に顆粒のイリコ出汁の素、すりゴマを混ぜる。それをアルミホイルで長方形の器を作り、そこに味噌ダネを平らに入れてトースターで焼いた。

②冷めたら取り出して昆布出汁で伸ばし、味噌汁くらいの液状にする。

③胡瓜は輪切り、茗荷と大葉は縦に千切りする。木綿豆腐は手で適当にちぎる。ナメコと霜降り平茸を酒で茹でて粗熱をとる。それらを②と合わせて冷蔵庫で冷やす。

④冷や御飯に③をかけ、鯛のほぐし身を盛り、煎り胡麻を振って完成。

 

 
ゲッΣ( ̄ロ ̄lll)❗、汁が足らん❗ 冷や汁に😓💧冷や汁やんけー。クソ駄洒落を言っとる場合ではない。

 

 
混ぜたら、(´ε` )アチャー、冷やし雑炊みたいになっとるやないけー。
食ってみると、味は悪くはないものの、まさしく味噌冷やし雑炊じゃないか。

仕切り直しだ。改めて汁をマッハで作る。しかも判断よろしく濃いめに作って氷を入れて冷やしてやった。ワシってカシコー。
で、再びかける。

 

 
それでも汁がやや足りないが、混ぜればOKじゃろう。
美味いが、所詮は(ΦωΦ)猫飯だよな(笑)。
でも、このクソ暑い中だと全然有りだね。

                   おしまい

 
追伸
タイトル『冷や汁に冷や汗』は最低レベルの駄洒落だし、陳腐過ぎてボロカス言われそうだと思ったけど、そのままにしておいた。オジサンになると、笑われたいとか恥を晒したいという自虐モードになりがちなのだ。特に若い娘の前では症状が顕現化しやすい。何ゆえ世のオジサンたちに、周りが引いてのるのを見て喜ぶという変態的精神構造が生まれるのであろうか❓
考えてみたが、よーワカラン。意味不明だ。生殖的自信の喪失が、捻れてそのような行動となって表面化するのかもしれん。

因みに残ったのを翌日に食った。

 

 
結局、最後の最後に冷や汁らしいヴィジュアルになったな(笑)

 

初めて作るソースカツ丼

 
ブログのプロバイダーであるワードプレスの管理画面に不具合が生じてホワイトアウトになった。どうやら外観を作成するテーマが破壊されてるようだ。で、仕方なくテーマを別なのに変えたら、作動はしたがレイアウトが変わってしまった。1行の文字数も変わってしまったので、見た目がメチャメチャになっとる。エラいこっちゃである。で、前回の文章を再構成してみた。それでマシにはなった。でも既存の文章を全て書き直すだなんて出来っこない。もう読みにくかろうが知ったこっちゃないもんねー。
とゆうワケで、今のレイアウト外観で書く練習の為に久し振りに食いもんの事を書きます。食いもんの話なら短くて済むからだ。
ではでは、書いてみよう。

 
初めてソースカツ丼を作ってみた。
といっても初めからソースカツ丼を作ろうと思ったワケではない、キッカケは100g 118円のメキシコ産豚フィレ肉を塊で買った事に始まる。つい安かったので買ってしまったのだ。
買ったはいいが、フィレ肉料理ってあんまレパートリーがないんだよね。フィレカツくらいしか浮かばないので、もういいやって感じで全部まとめて揚げてやった。
で、当然の如く食べきれずに余った。

 

 
翌日、コレをカツ丼にでもしようと思ったのだが、見ると冷蔵庫に玉ねぎが無かった。わざわざ買いに行くのが邪魔くさかったし、丼汁を作るのも面倒くさかったので急遽ソースカツ丼にする事にした。
でも考えてみればソースカツ丼なんて作った事がないし、食べた事だって記憶ではせいぜい二度くらいしかない。しかも随分と昔の事で、15年とか20年も前じゃないかな。
しかも、そもそもワシってソースカツ丼の存在そのものに懐疑的なのである。二度ほど食った事があると書いたが、何れの時も記憶にあるのは、
『(-_-;)何じゃこりゃ❓、こんなもん、カツにソースを付けて白飯を食ってるのと一緒やんけ❗』
という大いなる疑問である。
それってソースをつけたカツを単に白飯に乗っけただけじゃないか。そんなもん、丼と呼べるのかよ❓よくぞそんなのを料理として売り出したなと思う。料理人として恥ずかしくないのかと思うし、食べる方も食べる方だ。んなもん、家で食えばいいじゃないか。別にオカンとか嫁に作って貰えずとも、惣菜のカツを買ってきて誰でも作れる。多分、猿でも作れる。そげなもんを店でわざわざ金出して喜んで食う人間がおるから存在し続けているのだろうが、その理由が解せない。ソースにシャブでも入っとるんちゃうかー❓とか言いたくもなる。
いや、待てよ。シャブは冗談だが、ソースに秘密があるのかもしれない。ソースが普通のウスターソースではなくて、特別なレシピで作られたものなのかもしれない。ゆえに中毒性があるのかも。

ソースカツ丼といえば、福井と山梨である。この2つの地方ではカツ丼といえばソースカツ丼の事で、店で単に「カツ丼一丁❗」と頼めば、ソースカツ丼が出てくるらしい。それくらいソースカツ丼愛が強い土地柄なのだ。ちなみに普通のカツ丼の事は「玉子カツ丼」などと呼ばれているそうだ。

ソースカツ丼で最も有名なのが、福井の『ヨーロッパ軒』であろう。その元祖だとも言われている。
よし、そのソースのレシピを調べてやろう。

そのもののレシピは見つからなかったが、クックパッドにヨーロッパ軒風のレシピがあった。

ウスターソース お玉2
中濃ソース お玉1
ケチャップ お玉3分の1
オイスターソース 小さじ1
みりん お玉1
醤油 大さじ1
砂糖 お玉2分の1
顆粒出汁 適宜
赤ワイン お玉1

メチャクチャ色んなもんが入ってる複雑なレシピである。
なるほど、これなら特別なカツ丼になり得るし、中毒性があってもオカシクはない。
中でも驚いたのは醤油が入っている事だった。醤油とソースを混ぜるだなんて考えられへん。邪道である。だが、かける調味料の2大巨頭であるソースと醤油がタッグを組むんだから、スゲー相乗効果があったりして…。だとしたら、目から鱗だ。

しかし、作ろうにも赤ワインは無いし、こないだケチャップと中濃ソースは使いきったばかりだ。となると、買いに行かねばならぬ。元々は普通のカツ丼を作るのに玉ねぎがなくてソースカツ丼を作ることにしたのに、それでは本末転倒である。他のレシピを探そう。

醤油 大さじ1
ウスターソース 大さじ1
味醂 大さじ1
砂糖 大さじ1
酒 大さじ11/2

これなら作れそうである。
但し、砂糖が気になる。味醂が入ってるのに更に砂糖というのは甘過ぎだろう。甘みが強過ぎる味付けはお子ちゃま的で嫌いなのだ。なので砂糖を除外して作ることにした。

①ソースの材料を鍋に入れ、ひと煮立ちさせて冷ます。
②お米を炊く。
③炊き上がるのを見計らってカツをトースターで温める。
④丼にご飯をよそう。そして、③のカツを①のソースにじゃぶんと浸けて、御飯の上にオリャと乗っける。してからに九条葱を添えて出来上がり。
おっと、辛子を添えるのを忘れてはならない。まあ、コレはお好みだけどもね。

ソースカツ丼といえば、キャベツの千切りを下に敷くのが定番だが、今回はパスした。中途半端に温まったキャベツの千切りと御飯の組み合わせが、あんま好きじゃないのである。

さあ、食べよう。

 

 
イケる。思った以上に旨い。ソースカツ丼を偏愛する人たちの気持ちも解らないでもない。コレはコレで有りでしょう。
けど、メニューに定番の玉子カツ丼とソースカツ丼が並んでいたら、間違いなく定番のカツ丼を選ぶけどもね。

                   おしまい

 
追伸
今回はカツをザブンとソースに浸けただけの画像だが、余ったソースをドバドバかけた方がいいかも。味がやや薄いので、あとで余ったソースをかけたからね。ビジュアル的にもその方が良いと思う。ようは、味がワカランかったから最初から大胆にはソースをダボダボには掛けれなかったのだ。

尚、本ブログに姉妹作?の『男は黙ってカツ丼』という文章があります。よろしければソチラも併せて読んで下されば幸いです。