2023’ベロ酔甲子園(選抜編)

久方振りのベロ酔甲子園シリーズである。
どれくらい書いてないのか調べてみたら、たぶん最後に書いたのは『2018′ 選抜高校野球回顧 準々決勝』と題した文章かと思われる。大阪桐蔭の春夏連覇の年だね。根尾、藤原、柿木を中心に圧倒的な力での連覇だった。勿論、この年の夏も甲子園には行っているのだが、何か邪魔くさくなって書かなかったのだ。

 
 2023年 3月20日
 用事があって、朝9時に区役所に行かなければならなかった。だいたいにおいて役所ではクソみたいに待たされるのが常だが、この日は珍しく順番待ちが3番目だった。にしても、どうせ30分くらいは待たされると思って、高校野球の中継を見ていた(註1)。有り難いことだ、退屈しなくて済むと思ってたら、5分後くらいに呼ばれて、手続きも直ぐに終わった。
で、帰ろうとした時に歓声が上がったから、反射的にテレビ画面に目がいった。ヒットが出て、チャンスが訪れたようだ。
そこでハタと思った。考えてみれば、長いこと甲子園には行ってない。2020年はコロナウイルス蔓延の影響で、春夏ともに大会が中止となったし、2021年は入場が家族や関係者に限定されていた。そして多分2022年は球場でのチケット販売はなく、WEBでしか購入できなかった筈だ。思い立ったが甲子園。事前にチケットを買うとか自分スタイルではないのだ。飯食いに行くんだって、予約なんて余程の事でもなければしないからね。もし気が変わったらどうするのだ❓ 昨日食べたかったものが、今日も食べたいとは限らないのだ。だから3年間も甲子園から遠ざかっている。幸い今日はこの後の予定は入ってない。見ると観客席もガラガラだ。ならば今からでも入れるんじゃないかと思った。その場でスマホ検索。今大会のチケット販売について調べる。
どうやら今年もWEB販売のようだが、売れ残った席は球場で当日販売するようだ。今日は第3試合に人気の大阪桐蔭が登場するから微妙だが、選抜は夏の大会に比べて観客数が少ない。だから何とかなる筈だ。よし、ならば行こう。慌てて飛んで帰って用意し、近鉄電車に飛び乗った。30分もあれば甲子園には着くだろう。

 10時ジャストに甲子園駅に着いた。
階段を降りて、ちょっと驚く。長い間やっていた駅前の再開発工事が終わっており、広々とした道が真っ直ぐに球場に向かって伸びている。昔は手前に横断歩道があった筈だけど、無くなったみたいだね。

 😲ありゃま、チケット売場が改装されているではないか。昔は電光掲示板だったけど、液晶画面になっている。知らぬところで、日々時代は変わっているのだ。
並んでる人も疎らで直ぐに窓口に行けた。見ると、入場が関係者のみに限定されているアルプス席以外のチケットは全て購入可能になっている。読み通りの楽勝じゃん。
それにしてもチケットの値段が随分と上がっている。中央指定席が3900円。内野指定席が3400円。外野が700円。昔はバックネット裏で2500円だった筈だから、スゴい値上がり率だ。外野にいたっては、タダだったのに700円も取るんだね。世知辛い世の中だ。
迷ったが、外野のライト側にした。世代ナンバー1とも言われる大阪桐蔭の前田くんの球筋が見たかったからだ。彼は左投手だもんね。レフトからだと、背中側だから球筋が見えにくいのだ。

 チケットの確保ができたのでダイエー、もとい買収されたから今はイオンの食品売場に買い出しに行く。
今ひとつ食欲をそそるものがなくてアチコチうろうろする。で、散々迷った挙げ句、枝豆と唐揚げ、スモークチーズ、ビールのロング缶1本、アルコール度数9%の酎ハイのロング缶2本を購入した。

 明治神宮大会で優勝した大阪桐蔭と準優勝した広陵が同じ日に登場するんだね。たしか広陵には広島のボンズと呼ばれ、今大会最注目の強打者である真鍋くんがいるんだよね。どんなバッティングをするのか楽しみだ。そういや対戦相手の二松大付属にも強打者がいたなあ。2年生の片井くんだっけか?

 アルプススタンドの裏まで来たら、応援のブラスバンドの演奏と声援が漏れ聞こえできた。そういや、今年から声出し応援も解禁なったんだね。音の力はスゴい。自然とワクワク感が体の奥から湧き上がってくる。そう、いつもこの音を聞いて昂り、早く球場の中に入りたいと気持ちが逸るんだよね。

 入場する。でも入場はしたけれど、紙コップが置いてない。缶飲料の持ち込みが禁止ゆえ、以前は入口で紙コップに入れ替えさせられていた。とは言ってもコチラとしては渡りに船、むしろ有り難き優しい制度であった。それがどうやら「持ち込みは絶対に許さん❗」コップが欲しけりゃ、中でビールを買えという事みたいだ。外野の有料化といい、ホント世知辛い世の中だ。

 スタンドの階段を昇り、振り返る。
雲一つない青空の下、伸びやかにバーンと視界が広がる。久し振りに見る甲子園球場は広い。そして美しい。青々とした芝生には、光が降り注いでいる。更に階段を昇ると、フッと鼻腔をくすぐる懐かしい匂いがした。一拍おいて理解する。風に乗って何処からともなく届いたその香りは、紛れもなく甲子園カレーの匂いだ。ようやく帰ってきたなと思う。何だかジーンとする。

 ライト側、センター寄りに座る。
さあ、(⁠@⁠_⁠@⁠)ベロ酔甲子園の開幕だ。ビールのコップをワッシと掴み、ゴクゴクと勢いよく喉に流し込む。
😝プハーッ、よく晴れた甲子園で飲むビールは矢張りサイコーだ。
 先ずは定番の枝豆からだ。イオングループの枝豆は台湾産だが、大粒で旨味があって旨いのだ。
あれっ❓しかし今ひとつだ。粒が大きくて旨味はあるのだが、何だか青臭い。ハズレじゃんか。
気を取り直して、続いて唐揚げに手を伸ばす。パッケージには唐王(註2)と書いてある。唐揚げの王様とでも言いたいのだろう。そのせいか少し高めの値段だったが、一番旨そうだったので選んだ。
手に持つと、まだ温かい。期待を込めて口に放り込む。あっ、醤油味に生姜が効いていて結構旨いじゃないか。唸るような旨さではないが、惣菜の唐揚げにしてはレベルが高い。大体においてスーパーの唐揚げって、期待ハズレの残念なモノが多い。その点から考えれば、コレなら充分合格レベルでしょう。

 まだ第1試合が続いている。
回は8回表、地元兵庫県の社高校が1ー4と劣勢だ。この高校は大学の同級生の何人かが卒業生なので、何とか勝ってもらいたいと思う。奴らも何処かで観てるのかなあ…❓ みんなオジサンになってんだろなあ。そして何やかんやとそれぞれの人生を送ってきたのだろう。光陰矢の如しだねぇ。
しかし、この回さらに1点を追加されて、反撃もままならず、あっさり敗れた。

また夏に来いよー。

 次の試合の練習ノックが始まる。
両チームの動きを凝視する。高校野球は試合の合間も楽しめる。練習効率の良し悪しに始まり、選手の動き方や肩の強さ、連係プレー等々で、各チームの自力がよくワカルのだ。勿論、練習効率が良く、選手の動きが機敏で、肩が強くて送球が正確であり、連係プレーがスムーズなチームの方がポテンシャルが高い。見たところ、名門の広陵の方がチーム力は上だろう。但し、それがそのまま試合結果に繋がるかというと、必ずしもそうでもないんだけどね。

 そして、阪神園芸さんの神技的グランド整備も見ていて楽しい。特に息の合った動きで連動する水撒きなんぞは、芸術的と言ってもいいくらいだ。

 試合は0ー5で、広陵の貫禄勝ちだった。
広陵の2年生ピッチャーが光っていた。小気味良いピッチングで、スピードはコンスタントに140kmを越えていた。来年は騒がれる素材かもしれないね。

 注目の真鍋くんは、レフト前ヒット、レフトへのタイムリーヒット、ライトへのツーベースと計3安打を放った。特にライトへのヒットは技ありの柔らかいバッティングで唸った。強さだけではなく、上手さも兼ね備えているとあらば、逸材だ。
あと笑ったのがレフト前ヒット。レフト、センターともに長打を警戒して、予め後ろにかなり下がって守っており、打球が放たれた瞬間に両外野手とも同時に更にフェンス側に下がった。なのでホームランかと思った。しかし打球はレフト前にポトリと落ちた。期待させやがって、😗なぁ〜んだよーって感じ。たしかに打球は良い角度では上がった。でも落ちたのはレフトの定位置か、もしくは少し前だったのだ。両外野手とも強打にビビリ過ぎやろーと思って笑ったのだ。或いは、よっぽど真鍋くんの振りが鋭かったのかもね。それで勘違いした可能性はある。レフトだけが下がってたら単なる判断ミスだが、センターまで同じ反応をしたからさ。後々、コレが伝説になったりしてネ。まあ何れにせよ、あまり見た事のないシーンだった。

 早くもこの時点で、ビールをロング缶2本分と9%の酎ハイロング缶1本を飲み干していた。ヽ⁠(⁠(⁠◎⁠д⁠◎⁠)⁠)⁠ゝベロ酔いである。

 更にセンター寄り、バックスクリーンに最も近い席へと移動する。大阪桐蔭目当てなのか、客はどんどん増えている。そして、席の番号がどうのこーのという声がアチコチで聞こえ始めた。それで気づいた。

 おいおい、今は外野席まで指定なのかよ❗
昔は外野席はフリーだったから、自由に席を移動できた。だから試合や太陽の傾きによって席を変えれたし、横になる事だって出来たのに…。もう制約だらけじゃないか。ホント世知辛い世の中になったよ。

 本来の自分の席はもっとライト寄りだ。それも真ん中寄りの感じだ。けど、酔っ払いは移動するのが邪魔くさくなってきた。それに移動したら、前田くんの球筋がハッキリ見えなくなるじゃないか。もういいや、もしこの席のチケットを持ってる人がやって来たら、「😲えー❗❓、昔さ外野はフリー席だったども、今は外野まで指定席制だっぺか〜❓すまんの~、おら知らねがったべよー。」とでも言ってやろう。田舎から出てきた素朴な人を装って、おずおずと退散すればエエじゃろう。

 午後2時過ぎ、大阪桐蔭の春連覇に向かっての第一戦が始まる。
前の試合の途中ぐらいから浜風が少しづつ強くなり始めていたが、だいぶ強くなってきた。この風が波乱を起こしたら面白いのにと思う。大阪出身者ではあるが、大阪桐蔭には複雑な思いを持っている。心の中に、応援している自分と、憎らしいくらいに強いから負ければいいのにと思っている自分の両方がいるのだ。大阪愛が強いとはいえ、元来が判官贔屓の人なのだ。弱きが強きを倒すのが一番カタルシスがあるからね。兎に角、その二律背反する2つの心が、試合中に行ったり来たりして忙しい。そのうち己はどっちを応援しているのかがワカランようになって、混乱わちゃわちゃベロ酔い男となるのだ。

 ライト側が大阪桐蔭の応援スタンド、レフト側が敦賀気比の応援席だ。大阪桐蔭の方がだいぶと人数が多い。桐蔭は地元だから多いのはわかるが、敦賀気比だって福井県だ。そう遠くはないのに、ここまで人数に差が出るものかね?でも福井県は人口少ないか❓
やがて1回表の敦賀気比の演奏に続いて、大阪桐蔭の演奏が始まる。でもオカシクて笑ってしまう。音が圧倒的にデカいのだ。倍近い音量がある。ちなみに敦賀気比の応援がショボいワケではない。海星や社高校、広陵、二松学舎も同じようなものだったからね。オマケに演奏がメチャメチャ上手い。他チームの演奏はバラバラ感があるが、音が1つの塊となって聞こえる。状況に応じてスッと音が小さくなったりするのも驚きだ。統制されているのだ。指揮者の先生がいるんだろうけど、相当鍛えられてる証拠だよね。まあ、ブラスバンドの全国大会常連で数々の賞も受賞してるんだから当たり前ではあるんだけどもね。
但し、上手すぎて面白くない。いつも思うんだけど、キレイ過ぎて観客の魂を激しく揺り動かすものがない。何かが足りないように感じるのだ。同じ上手くとも、智弁和歌山や天理、習志野の方が、音に魂を揺さぶられる何かがあるような気がする。思いが音に乗り移ってるって感じるのだ。勝手な思い込みかもしれんけどー。

 試合は意外にも淡々と進んでいる。大概は大阪桐蔭が初回にプレッシャーをかけて大量点を奪うってのがお決まりなんだけどね。波乱が起きる雰囲気が微かに頭をもたげ始めている。

 と思ってたら、3回裏に桐蔭が2点を先制した。このままワンサイドにならない事を祈ろう。

 最後の酎ハイロング缶は早くも半分近くまで減っている。マジでベロ酔いである。濁った頭で、ぼんやりと思い出す。現在開催されているWBC、ワールド・ベースボール・クラシック大会で未曾有の活躍している大谷も選抜で見てるんだよなあ…。東北のダルビッシュと言われた花巻東の大谷と、浪速のダルビッシュと呼ばれた大阪桐蔭の藤浪という世代を代表する両投手の対決とあって、当時は話題だったんだよね。
結果は大阪桐蔭の圧勝だった。大谷は11三振を奪ったものの、9失点で炎上。ホームランも打たれていたね。でも一番印象に強く残ってるのは、他でもない大谷のホームランだった。バックネット席の1塁側の前の方に座っていたんだけど、藤浪の縦に落ちるスライダーをすくい上げた打球は一直線にライトスタンドへ飛び込んでいった。その美しい放物線は今でも強く目に焼き付けられている。

 4回表に敦賀気比が反撃。ショートのエラーの後に二塁打が出て1点を返し、1ー2となる。接戦の様相になってきた。

 5回裏が終わると、グランド整備が入る。だから5回表の攻撃が終わったところて喫煙所に向かう。いや、先にトイレだな。兎に角そうしないと、どっちも込むからだ。高校野球観戦のベテランともなると、その辺は抜け目がないのだ。

 喫煙所はガランとしていた。煙草を吸う人間がどんどん減ってるんだろね。増税となれば、いつでも煙草の値段が真っ先に上げられる。ゆえに、今や高額嗜好品である。それに耐えきれずにやめちゃう人も増えてるんだろなあ…。全くもって世知辛い世の中だ。

 あっ、モニターに休止中の張り紙が貼ってある。
ಠ⁠_⁠ಠ嫌がらせかよ。それにしても何故に❓ 壊れたワケでもなかろうに、解せないと思った。だが、よくよく考えてみれば見えてきた。コロナ禍で、人が密集するのを避ける為の方策に違いない。モニターがあれば、つい2本目の煙草に火を点けたりして、滞在時間が長くなるのだ。それで人が溜まる。しかしモニターが無ければ、試合の進行具合が気になって早く席に戻ろうとするだろうと云う計算だ。セコい手を使いやがる。世知辛い世の中だよ。

 春の霞のような曇が美しい。
誰かが、筆でサッと書いたみたいだ。巨人が大きな筆を持って、喜々として雲を描いてるのを想像してしまう。アホだ。

 その後、試合は中々動かなかったが、ようやく7回裏に桐蔭が1点追加し、1ー3となる。まだまだ接戦だが、でも何となくこのまま終わるような気がした。前田くんの要所を締める大人のピッチングは簡単に崩れそうにないからだ。ヒットはそこそこ打たれているのだが、ピンチになると伝家の宝刀チェンジアップでことごとく三振に切ってとっていた。でも最速148kmとも言われるストレートは、殆んどが130km後半で、相手を捻じ伏せるという感じではない。それが不満だ。クレバーな選手だから手を抜いて投げているのだろうが、最初からそれじゃプロでは大成しないような気がする。真のスター選手になるには、圧巻の伝説的ピッチングが必要なんじゃないかと思うんだよね。また勝手なこと言ってるけど(笑)

 思った通り、試合はそのまま終わった。
前田くんは結局7安打を打たれるものの、三振14。四死球2の自責点0だった。やっぱ、いいピッチャーだ。次戦は、更なる活躍を期待しよう。

 春のそよ風が頬を優しく撫でる。
さあ、帰ろう。明日は朝からWBCの準決勝、日本vsメキシコ戦だ。また朝から飲まなくてはならぬ。とっと帰って、早く寝よう。泥酔男は、意を決したようにフラフラと立ち上がり、ゆっくりと階段を降りて行った。

               おしまい

 
追伸
久し振りに長い文章を書いたが、しんどいわ。文章を書くのって、こんなにも時間がかかるのねと思ったよ。にも拘わらず、たいした文章は書けないしさ。まだまだリハビリが必要そうですなあ。

(註1)高校野球の中継を見ていた
今にして思えば、区役所でTVが観られるだなんて驚きだ。最近のお役所は、そんなサービスもやってるのね。良い事です。

(註2)唐王
あとで調べてみると、からあげグランプリ東日本スーパー惣菜部門で3年連続金賞を獲得しているそうだ。テレビ番組「ジョブチューン(TBS系)」でも、一流料理人たちから合格判定をもらったようだね。

 

牛タンとろろ飯

 久し振りに牛タンとろろ飯を作ろうと思った。
たまたまスーパーで厚切り牛タンが40%オフになっていたのを見つけたからだ。牛タンとろろ飯とか麦とろ飯といえば、普通は薄切りの牛タンだが、より旨いのは厚切り牛タンの麦とろ飯なのだ。

 白米2合を洗い、炊飯器の表示通りに水を入れる。そこに押麦50gと100ccの水を加え、1時間ほどおく。
厚切り牛タンは熱湯にブッ込んで、すぐに火を消す。で、すかさず蓋を被せて放置。( ̄ー ̄)フフフ…予熱でレア牛タンにするつもりなのさ。
とろろは丸い山芋(つくね芋)か自然薯がベスト。それを擦り、出汁で伸ばして自分好みの味に仕上げる。山芋や自然薯は粘りと旨味が強く、長芋よりも圧倒的に美味なのだ。
しかれど、探してもナゼか何処にも売ってなかった。なので、仕方なく長芋を使う事にする。長芋が全くダメというワケではないのだが、水分が多くてシャバシャバ、味も薄くてマイルドなので物足りない。野性味に欠けるのだ。
 水っぽいぶん、出汁で割れないゆえに顆粒カツオ昆布だしの素を加える。あとは色が汚く見えないように白醤油を加えて混ぜる。勿論、基本は普通の醤油でよろし。今回はよそ行き、カッコつけの、見た目重視用に白醤油を使っただけだ。味見したが、結構良い線いってるかも。
 さてさて、それではフィニッシュである。丼に麦飯をよそい、その上にトロロをたっぷりとかける。で、牛タンを乗っけて、緑をあしらって完成。

 厚切り牛タンの火入れは完璧。ローズピンクに仕上がった。そして、触っただけで身悶えするほどに柔らかいのがわかる。
それを満を持してカッ込む。
(´ω`)ふにゃあ〜。全身の力が抜けるくらいに旨い。麦飯独特の歯応えある食感とトロロとのバランスが良く、そこに柔らかい牛タンの歯触りが加わる。😍ウメェよ。
でも何か、もうコレ以上説明するのがバカバカしくなってきた。ゴチャゴチャと説明をどんだけしたところで、十全ではない。味は感覚的なモノなので、完璧に伝えきるのは不可能なのだ。結局は徒労なので心底バカバカしいよね。
(⁠・⁠o⁠・⁠;⁠)あっ、ヤサグレてるなぁ…、今日のワシ。
まあ、たとえ徒労だとしても、表現しなければゼロだ。なので明日から、また頑張りまーす。

               おしまい
 

 追伸
まだまだリハビリが必要なようですなあー。

 

『2022年以前の丼の献立』

 
 何と一年半振りのブログ更新である。
再開を望む叱咤激励の声を掛けて下さった皆様方、ホンマすんません。まさか、そんなに読んでる人がいたとは知らなんだ。反省です。
こんなにも長く放置された理由は色々あるのだが、それを羅列し始めるとキリがないし、ちゃらんぽらんグダグダ言いワケ男と言われかねないので割愛させて戴きやす。

 えー、再開第1回は虫の話ではありませぬ。
虫の話は、あまりいい加減なことは書けないから調べモノが結構あって時間がかかるのだ。ゆえに長文になるケースが常態なので、多大なエネルギーと気力が必要なんざます、ワレー。
と云うワケで、先ずは食いもんの話でも書いてリハビリしようかと思います。ちゃんと虫の話も書きますんで、申し訳ござらんが暫し待たれたし。

 少し前の話だがスマホの画像が溜まりに溜まって、ストレージを何とかせんとメールも受け取れないような状態になった。なので慌ててFacebookに1月と2月の食いもん画像を何回かに分けて一挙放出した。それでもまだ、以前の画像が大量にある。消せるものは消してはいたのだが、いつかは文章にしようと思っていたモノを残していたら、それも気づけば塵ツモ。
ならば、ここいらで何とか文章化し、スマホから画像を葬り去りたいと思う。

 

『海老のちらし寿司』
丼と言いながら、いきなりちらし寿司である(笑)。
でも画像を貼付した時点では丼だと思っていたのだ。まあ、丼鉢に入ってんだからコレも丼と言っても差し支えなかろう。海鮮丼だって酢飯仕様のモノはあるからね。

多分これは、ちらし寿司に入ってる海老が好きだからソレだけを食いたいと云う願望を具現化したものだ。海老オンリーのちらし寿司って、有りそうで無い。全く無いワケではないのだろうが、あまり見掛けない。大体は椎茸だの、絹さやなど余計な者共が入っている。子供の頃は、それが不満だった。雑魚キャラどもでカサ増ししやがって(⁠`⁠Д⁠´⁠)⁠バーローと思っていたのである。

酢飯の上に少し甘めに味付けした錦糸玉子を敷き、その上にサッと酒で火を通した海老を並べた。尚、海老は包丁で裏に切れ目を入れ、手で腰折れ部分の筋肉も潰して真っ直ぐにしてある。

(⁠・⁠∀⁠・⁠)メチャ旨〜❗
でも二度と作らないと思う。なぜかと言うと、旨いんだけど味が単調で段々飽きてくるのだ。ちらし寿司に色んな具が入っているのが解ったような気がするよ。アレはアレで意味があったのね。

 

『牡蠣の天津飯』
厳密に言うと、貝の天津飯。しかも塩味の天津飯である。
御飯は牡蠣と浅利、あとは帆立?ハマグリ?も入ってたかもしれない炊き込み御飯である。そこに、ふわふわの玉子焼を乗せて銀餡をかけた。美しい仕上がりでおますな。
因みに上に乗ってる牡蠣は、炊き込み御飯からチョイスしたものである。そうしないと、何の天津飯かワカランからね。
コレ、🤩スゲー旨かったです。

 

『牛タン麦とろ丼』
コレも、めちゃんこ旨かったなー😄。

先ずは押麦50gと米2〜3合を混ぜて炊く。

その上に長芋ではなくて山芋を出汁で伸ばしたのをかける。長芋ではなく、山芋を使うのが肝。山芋の方がネバネバ度が圧倒的に強くて、旨味も強いのだ。コレはもう歴然たる違いがあるから、是非とも試されたし。
そこに軽く焼いた牛タンを乗せ、青海苔をかける。
牛タンは火を入れ過ぎると固くなるので、炙る程度で良ろし。あっ、1枚目はやや厚めの牛タン、2枚目は普通の厚さのモノにしました。どちらが旨いかは好みだと思うが、個人的には厚めの方が好きかな。
青海苔は絶対に入れた方がいい。味に素晴らしいアクセントを与えてくれるからだ。色が綺麗な緑で、香りの良いものを選ばれたし。
で、最後に1枚目には木の芽、2枚目には大葉をあしらった。これも好みが分かれそうだが、自分的には木の芽の方を圧倒的に推す。

 

『百合根の玉子丼』
コレって、コロナで大騒ぎになった最初の年の画像だ。
たしかギフチョウを西脇市に採りに行った帰りに、明石の魚棚商店街に寄ったんだよね。

(その時のギフチョウ)

でもいつもは人混みでごった返しなのに、びっくりのウルトラ閑古鳥だった。あの頃はコロナが怖くて誰しもが外に出られなかったのだ。おバカなワシには関係ないけどねー😄✌️

そういやこの日は、大阪のミナミも今では考えられないようなゴーストタウンと化していた。

話を元に戻そう。その時に、魚棚の八百屋で百合根が驚愕の1パック30円で売っていたのである。しかも量もかなり多かった。おつとめ品だったとはいえ、ヤケクソの価格である。思わずオバチャンに「コレって0が1つ抜けてませんか?」と訊いたくらいだもんね。いや、あの量ならば300円でも安すぎるよ。

あの頃は毎日、その百合根をせっせと食ってたんだよなあ。でもって、百合根の旨さに開眼したのであった。それまでは茶碗蒸しに一片か二片だけ入っているボソボソとした食感のヤツというイメージしかなかった。ハッキリ言って要らん存在である。しかし、この時期に認識が一変した。どうやら原因は茶碗蒸しの百合根の量が少な過ぎるからみたいなのだ。少しがゆえに他の具材との違和感が、より強調されたものと思われる。それなりの量を食ってこそ分かったのだが、今は上品なジャガイモみたいなもんなんだと思う。そして、玉子との相性がとても良い。茶碗蒸しも、百合根のみのものならば、また評価も変わるかと思われる。なので、色々試して最終的には玉子丼にしたんだろう。そういや、コレ旨かったなあ。玉子丼にするなら、百合根は沢山入れた方がいいよー。ホクホク感が良いのだ。
あっ、けどジャガイモと玉子が特別に相性が良いとは思わないぞ。ならば、やはりジャガイモとは別物かあ…。

 

『鱒の筋子丼』
たぶん自家製の鱒の筋子だったと思うが、もしかしたら市販のモノかもしれない。
最近は寿司屋でイクラをたのんでも、鮭じゃなくて鱒のイクラが出てくることが多い。粒が小さいから、一見してすぐわかる。どうやら何年か前からシャケの不漁が続いているのが原因らしい。ゆえに年々高値になってるのだ。そうなると出せなくなって、鱒の子で代用せざるおえなくなると云うワケだ。
そういやここ2、3年は自分でイクラの醤油漬けも作ってないもんね。それくらい高いのである。

イクラや筋子には焼海苔がよく合う。必須アイテムと言ってもいいくらいだ。
御飯は白飯でも酢飯でもよろし。で、炙った焼海苔を毟って敷き、小分けにした筋子を乗せ、木の芽を添えて出来上がり。
あまり使われる事はないが、木の芽と筋子の組合せはGoodだと思う。イクラよりも味は濃厚だからね。あー、今思ったんだけど、ワシってイクラよりも筋子の方が好きな人のような気がする。

 

『たけのこ筋子丼』
余った筍御飯に筋子をトッピングした。
我ながら掟破りの邪道ではないかと思う。きっと単なる思いつきなんだろなあ…。
味は旨かった記憶がある。が、筋子の個性が強過ぎて、繊細な筍御飯が台無しって感じ。まあ、筍御飯に飽きてたがゆえの所業だったと思うから、べつに問題ないんだけどさ。

 

『黄色唐辛子のスタミナ丼』
母胎はコレ↓。

小松菜か何かと黄色い唐辛子をシンプルに炒めたものだ。あっ、ニンニクも入ってるね。
この黄色い唐辛子は、小太郎くんと長野県の梓川だっけ?かのミヤマシジミを採りに行った折りに道の駅で買ったもの。それにしても、120円とは激安じゃないか。

(ミヤマシジミ♂)

(同裏面)

(♀裏面)

ミヤマシジミは美しいよなあ…。裏面もこのグループの中では最も綺麗だしさ。
話が逸れた。黄色い唐辛子だったね。

コヤツが見た目は小さくてカワイイくせに、とんでもなく激辛でありんした。もう暴君と言ってもいいくらいの悶絶的代物なのだ。でもクセになる旨さで、一時期は何にでも入れてたっけ。

肉は見た感じでは豚肉かなあ…。それと玉葱を炒めたものを合体させ、御飯に乗っけただけ。
たぶん、かなり旨かったんじゃないかな。

 

『カッパ丼』
正確にはカッパ寿司だね。大量の胡瓜を消費したいが為の苦肉の策でした。発想の源はカッパ巻きからだね。胡瓜と酢飯と海苔は合うから、それを丼にしてもいいじゃないかと思ったのだ。

酢飯に鍋で使った出汁昆布を細かく切って混ぜ、その上に焼海苔を乗せ、更に胡瓜を乗せる。で、白胡麻を散らした。
でも、全然そそらないビジュアルになった。どうにも見た目が貧相なのだ。勿論、醤油をかけて食う。

😲されど食ってみて驚く。コレが真っ当に旨いのだ。
飽きずに最後まで食べられたのにも驚いた。コレはまた作ってもいいかな。わざわざ作る気にはなれないけどさ。だって貧乏くさいんだもーん。

 

『トロたく丼』
激安の本マグロのアラから肉をスプーンでこそぎ落としたモノと沢庵を合わせた。トロたくは、近年になって何処かの寿司屋が編み出したメニューだが、今や高級店でも珍しくない存在になっている。それくらい画期的な発明だと言える。だから、かなり期待した。とはいえ、あんましトロたくを食った事が無いんだけどもね。もしかしたら一度だけかもしれない。だけに、期待値が高まったという事もあるかもしれない。

作り方は簡単。酢飯の上に焼海苔、マグロ、沢庵を乗せ、白胡麻を散らしただけ。食う直前に醤油をかける。

けど期待に反して、それほど旨くない。
ならばと、途中でグジャグジャに混ぜてみた。

でも、さして評価は変わらず。
マグロは味見してるから問題ない筈だ。さすれば沢庵のせいか?それともマグロとの配合のせい?
┐⁠(⁠´⁠(⁠エ⁠)⁠`⁠)⁠┌んー、いまだに何で失敗したのかがワカラン。
もしかしたら沢庵の甘さが、そもそも口に合わないのかもしれない。基本、人工的な甘さは好きくないのだ。

 

『温玉添え豚丼』
豚肉を甘辛く焼き、御飯に乗っけて温玉を添えた。
豚肉のタレは、おそらく醤油、味醂、酒を混ぜたものだろう。隠し味に何か入れてる可能性も無くは無いが、思い出せない。
温玉は自分で作った記憶がある。ネットで調べりゃ、作り方はゴマンと出てくるから誰でも簡単に作れまっせ。
味は普通にメッチャ旨かったっす。

 
たった10個の献立なのに、書くのに半日近くもかかってしまったなりよ。やはり文章を書くのは大変だ。特に長い文章を書くには体力がいる。肉体的にも精神的にも体力が必要なのだ。普段から書き慣れていないとあきまへん。サクサク進まないのだ。ブランクが開くと駄目だね。何だか気持ちが萎えてきたよ。正直、こんな体たらくだと虫関係のブログを書けんのかよと思うよ。
とはいえ、巻頭で言っちゃったからなあ…。頑張りまふ〜。