2023’ベロ酔甲子園(選抜編)

久方振りのベロ酔甲子園シリーズである。
どれくらい書いてないのか調べてみたら、たぶん最後に書いたのは『2018′ 選抜高校野球回顧 準々決勝』と題した文章かと思われる。大阪桐蔭の春夏連覇の年だね。根尾、藤原、柿木を中心に圧倒的な力での連覇だった。勿論、この年の夏も甲子園には行っているのだが、何か邪魔くさくなって書かなかったのだ。

 
 2023年 3月20日
 用事があって、朝9時に区役所に行かなければならなかった。だいたいにおいて役所ではクソみたいに待たされるのが常だが、この日は珍しく順番待ちが3番目だった。にしても、どうせ30分くらいは待たされると思って、高校野球の中継を見ていた(註1)。有り難いことだ、退屈しなくて済むと思ってたら、5分後くらいに呼ばれて、手続きも直ぐに終わった。
で、帰ろうとした時に歓声が上がったから、反射的にテレビ画面に目がいった。ヒットが出て、チャンスが訪れたようだ。
そこでハタと思った。考えてみれば、長いこと甲子園には行ってない。2020年はコロナウイルス蔓延の影響で、春夏ともに大会が中止となったし、2021年は入場が家族や関係者に限定されていた。そして多分2022年は球場でのチケット販売はなく、WEBでしか購入できなかった筈だ。思い立ったが甲子園。事前にチケットを買うとか自分スタイルではないのだ。飯食いに行くんだって、予約なんて余程の事でもなければしないからね。もし気が変わったらどうするのだ❓ 昨日食べたかったものが、今日も食べたいとは限らないのだ。だから3年間も甲子園から遠ざかっている。幸い今日はこの後の予定は入ってない。見ると観客席もガラガラだ。ならば今からでも入れるんじゃないかと思った。その場でスマホ検索。今大会のチケット販売について調べる。
どうやら今年もWEB販売のようだが、売れ残った席は球場で当日販売するようだ。今日は第3試合に人気の大阪桐蔭が登場するから微妙だが、選抜は夏の大会に比べて観客数が少ない。だから何とかなる筈だ。よし、ならば行こう。慌てて飛んで帰って用意し、近鉄電車に飛び乗った。30分もあれば甲子園には着くだろう。

 10時ジャストに甲子園駅に着いた。
階段を降りて、ちょっと驚く。長い間やっていた駅前の再開発工事が終わっており、広々とした道が真っ直ぐに球場に向かって伸びている。昔は手前に横断歩道があった筈だけど、無くなったみたいだね。

 😲ありゃま、チケット売場が改装されているではないか。昔は電光掲示板だったけど、液晶画面になっている。知らぬところで、日々時代は変わっているのだ。
並んでる人も疎らで直ぐに窓口に行けた。見ると、入場が関係者のみに限定されているアルプス席以外のチケットは全て購入可能になっている。読み通りの楽勝じゃん。
それにしてもチケットの値段が随分と上がっている。中央指定席が3900円。内野指定席が3400円。外野が700円。昔はバックネット裏で2500円だった筈だから、スゴい値上がり率だ。外野にいたっては、タダだったのに700円も取るんだね。世知辛い世の中だ。
迷ったが、外野のライト側にした。世代ナンバー1とも言われる大阪桐蔭の前田くんの球筋が見たかったからだ。彼は左投手だもんね。レフトからだと、背中側だから球筋が見えにくいのだ。

 チケットの確保ができたのでダイエー、もとい買収されたから今はイオンの食品売場に買い出しに行く。
今ひとつ食欲をそそるものがなくてアチコチうろうろする。で、散々迷った挙げ句、枝豆と唐揚げ、スモークチーズ、ビールのロング缶1本、アルコール度数9%の酎ハイのロング缶2本を購入した。

 明治神宮大会で優勝した大阪桐蔭と準優勝した広陵が同じ日に登場するんだね。たしか広陵には広島のボンズと呼ばれ、今大会最注目の強打者である真鍋くんがいるんだよね。どんなバッティングをするのか楽しみだ。そういや対戦相手の二松大付属にも強打者がいたなあ。2年生の片井くんだっけか?

 アルプススタンドの裏まで来たら、応援のブラスバンドの演奏と声援が漏れ聞こえできた。そういや、今年から声出し応援も解禁なったんだね。音の力はスゴい。自然とワクワク感が体の奥から湧き上がってくる。そう、いつもこの音を聞いて昂り、早く球場の中に入りたいと気持ちが逸るんだよね。

 入場する。でも入場はしたけれど、紙コップが置いてない。缶飲料の持ち込みが禁止ゆえ、以前は入口で紙コップに入れ替えさせられていた。とは言ってもコチラとしては渡りに船、むしろ有り難き優しい制度であった。それがどうやら「持ち込みは絶対に許さん❗」コップが欲しけりゃ、中でビールを買えという事みたいだ。外野の有料化といい、ホント世知辛い世の中だ。

 スタンドの階段を昇り、振り返る。
雲一つない青空の下、伸びやかにバーンと視界が広がる。久し振りに見る甲子園球場は広い。そして美しい。青々とした芝生には、光が降り注いでいる。更に階段を昇ると、フッと鼻腔をくすぐる懐かしい匂いがした。一拍おいて理解する。風に乗って何処からともなく届いたその香りは、紛れもなく甲子園カレーの匂いだ。ようやく帰ってきたなと思う。何だかジーンとする。

 ライト側、センター寄りに座る。
さあ、(⁠@⁠_⁠@⁠)ベロ酔甲子園の開幕だ。ビールのコップをワッシと掴み、ゴクゴクと勢いよく喉に流し込む。
😝プハーッ、よく晴れた甲子園で飲むビールは矢張りサイコーだ。
 先ずは定番の枝豆からだ。イオングループの枝豆は台湾産だが、大粒で旨味があって旨いのだ。
あれっ❓しかし今ひとつだ。粒が大きくて旨味はあるのだが、何だか青臭い。ハズレじゃんか。
気を取り直して、続いて唐揚げに手を伸ばす。パッケージには唐王(註2)と書いてある。唐揚げの王様とでも言いたいのだろう。そのせいか少し高めの値段だったが、一番旨そうだったので選んだ。
手に持つと、まだ温かい。期待を込めて口に放り込む。あっ、醤油味に生姜が効いていて結構旨いじゃないか。唸るような旨さではないが、惣菜の唐揚げにしてはレベルが高い。大体においてスーパーの唐揚げって、期待ハズレの残念なモノが多い。その点から考えれば、コレなら充分合格レベルでしょう。

 まだ第1試合が続いている。
回は8回表、地元兵庫県の社高校が1ー4と劣勢だ。この高校は大学の同級生の何人かが卒業生なので、何とか勝ってもらいたいと思う。奴らも何処かで観てるのかなあ…❓ みんなオジサンになってんだろなあ。そして何やかんやとそれぞれの人生を送ってきたのだろう。光陰矢の如しだねぇ。
しかし、この回さらに1点を追加されて、反撃もままならず、あっさり敗れた。

また夏に来いよー。

 次の試合の練習ノックが始まる。
両チームの動きを凝視する。高校野球は試合の合間も楽しめる。練習効率の良し悪しに始まり、選手の動き方や肩の強さ、連係プレー等々で、各チームの自力がよくワカルのだ。勿論、練習効率が良く、選手の動きが機敏で、肩が強くて送球が正確であり、連係プレーがスムーズなチームの方がポテンシャルが高い。見たところ、名門の広陵の方がチーム力は上だろう。但し、それがそのまま試合結果に繋がるかというと、必ずしもそうでもないんだけどね。

 そして、阪神園芸さんの神技的グランド整備も見ていて楽しい。特に息の合った動きで連動する水撒きなんぞは、芸術的と言ってもいいくらいだ。

 試合は0ー5で、広陵の貫禄勝ちだった。
広陵の2年生ピッチャーが光っていた。小気味良いピッチングで、スピードはコンスタントに140kmを越えていた。来年は騒がれる素材かもしれないね。

 注目の真鍋くんは、レフト前ヒット、レフトへのタイムリーヒット、ライトへのツーベースと計3安打を放った。特にライトへのヒットは技ありの柔らかいバッティングで唸った。強さだけではなく、上手さも兼ね備えているとあらば、逸材だ。
あと笑ったのがレフト前ヒット。レフト、センターともに長打を警戒して、予め後ろにかなり下がって守っており、打球が放たれた瞬間に両外野手とも同時に更にフェンス側に下がった。なのでホームランかと思った。しかし打球はレフト前にポトリと落ちた。期待させやがって、😗なぁ〜んだよーって感じ。たしかに打球は良い角度では上がった。でも落ちたのはレフトの定位置か、もしくは少し前だったのだ。両外野手とも強打にビビリ過ぎやろーと思って笑ったのだ。或いは、よっぽど真鍋くんの振りが鋭かったのかもね。それで勘違いした可能性はある。レフトだけが下がってたら単なる判断ミスだが、センターまで同じ反応をしたからさ。後々、コレが伝説になったりしてネ。まあ何れにせよ、あまり見た事のないシーンだった。

 早くもこの時点で、ビールをロング缶2本分と9%の酎ハイロング缶1本を飲み干していた。ヽ⁠(⁠(⁠◎⁠д⁠◎⁠)⁠)⁠ゝベロ酔いである。

 更にセンター寄り、バックスクリーンに最も近い席へと移動する。大阪桐蔭目当てなのか、客はどんどん増えている。そして、席の番号がどうのこーのという声がアチコチで聞こえ始めた。それで気づいた。

 おいおい、今は外野席まで指定なのかよ❗
昔は外野席はフリーだったから、自由に席を移動できた。だから試合や太陽の傾きによって席を変えれたし、横になる事だって出来たのに…。もう制約だらけじゃないか。ホント世知辛い世の中になったよ。

 本来の自分の席はもっとライト寄りだ。それも真ん中寄りの感じだ。けど、酔っ払いは移動するのが邪魔くさくなってきた。それに移動したら、前田くんの球筋がハッキリ見えなくなるじゃないか。もういいや、もしこの席のチケットを持ってる人がやって来たら、「😲えー❗❓、昔さ外野はフリー席だったども、今は外野まで指定席制だっぺか〜❓すまんの~、おら知らねがったべよー。」とでも言ってやろう。田舎から出てきた素朴な人を装って、おずおずと退散すればエエじゃろう。

 午後2時過ぎ、大阪桐蔭の春連覇に向かっての第一戦が始まる。
前の試合の途中ぐらいから浜風が少しづつ強くなり始めていたが、だいぶ強くなってきた。この風が波乱を起こしたら面白いのにと思う。大阪出身者ではあるが、大阪桐蔭には複雑な思いを持っている。心の中に、応援している自分と、憎らしいくらいに強いから負ければいいのにと思っている自分の両方がいるのだ。大阪愛が強いとはいえ、元来が判官贔屓の人なのだ。弱きが強きを倒すのが一番カタルシスがあるからね。兎に角、その二律背反する2つの心が、試合中に行ったり来たりして忙しい。そのうち己はどっちを応援しているのかがワカランようになって、混乱わちゃわちゃベロ酔い男となるのだ。

 ライト側が大阪桐蔭の応援スタンド、レフト側が敦賀気比の応援席だ。大阪桐蔭の方がだいぶと人数が多い。桐蔭は地元だから多いのはわかるが、敦賀気比だって福井県だ。そう遠くはないのに、ここまで人数に差が出るものかね?でも福井県は人口少ないか❓
やがて1回表の敦賀気比の演奏に続いて、大阪桐蔭の演奏が始まる。でもオカシクて笑ってしまう。音が圧倒的にデカいのだ。倍近い音量がある。ちなみに敦賀気比の応援がショボいワケではない。海星や社高校、広陵、二松学舎も同じようなものだったからね。オマケに演奏がメチャメチャ上手い。他チームの演奏はバラバラ感があるが、音が1つの塊となって聞こえる。状況に応じてスッと音が小さくなったりするのも驚きだ。統制されているのだ。指揮者の先生がいるんだろうけど、相当鍛えられてる証拠だよね。まあ、ブラスバンドの全国大会常連で数々の賞も受賞してるんだから当たり前ではあるんだけどもね。
但し、上手すぎて面白くない。いつも思うんだけど、キレイ過ぎて観客の魂を激しく揺り動かすものがない。何かが足りないように感じるのだ。同じ上手くとも、智弁和歌山や天理、習志野の方が、音に魂を揺さぶられる何かがあるような気がする。思いが音に乗り移ってるって感じるのだ。勝手な思い込みかもしれんけどー。

 試合は意外にも淡々と進んでいる。大概は大阪桐蔭が初回にプレッシャーをかけて大量点を奪うってのがお決まりなんだけどね。波乱が起きる雰囲気が微かに頭をもたげ始めている。

 と思ってたら、3回裏に桐蔭が2点を先制した。このままワンサイドにならない事を祈ろう。

 最後の酎ハイロング缶は早くも半分近くまで減っている。マジでベロ酔いである。濁った頭で、ぼんやりと思い出す。現在開催されているWBC、ワールド・ベースボール・クラシック大会で未曾有の活躍している大谷も選抜で見てるんだよなあ…。東北のダルビッシュと言われた花巻東の大谷と、浪速のダルビッシュと呼ばれた大阪桐蔭の藤浪という世代を代表する両投手の対決とあって、当時は話題だったんだよね。
結果は大阪桐蔭の圧勝だった。大谷は11三振を奪ったものの、9失点で炎上。ホームランも打たれていたね。でも一番印象に強く残ってるのは、他でもない大谷のホームランだった。バックネット席の1塁側の前の方に座っていたんだけど、藤浪の縦に落ちるスライダーをすくい上げた打球は一直線にライトスタンドへ飛び込んでいった。その美しい放物線は今でも強く目に焼き付けられている。

 4回表に敦賀気比が反撃。ショートのエラーの後に二塁打が出て1点を返し、1ー2となる。接戦の様相になってきた。

 5回裏が終わると、グランド整備が入る。だから5回表の攻撃が終わったところて喫煙所に向かう。いや、先にトイレだな。兎に角そうしないと、どっちも込むからだ。高校野球観戦のベテランともなると、その辺は抜け目がないのだ。

 喫煙所はガランとしていた。煙草を吸う人間がどんどん減ってるんだろね。増税となれば、いつでも煙草の値段が真っ先に上げられる。ゆえに、今や高額嗜好品である。それに耐えきれずにやめちゃう人も増えてるんだろなあ…。全くもって世知辛い世の中だ。

 あっ、モニターに休止中の張り紙が貼ってある。
ಠ⁠_⁠ಠ嫌がらせかよ。それにしても何故に❓ 壊れたワケでもなかろうに、解せないと思った。だが、よくよく考えてみれば見えてきた。コロナ禍で、人が密集するのを避ける為の方策に違いない。モニターがあれば、つい2本目の煙草に火を点けたりして、滞在時間が長くなるのだ。それで人が溜まる。しかしモニターが無ければ、試合の進行具合が気になって早く席に戻ろうとするだろうと云う計算だ。セコい手を使いやがる。世知辛い世の中だよ。

 春の霞のような曇が美しい。
誰かが、筆でサッと書いたみたいだ。巨人が大きな筆を持って、喜々として雲を描いてるのを想像してしまう。アホだ。

 その後、試合は中々動かなかったが、ようやく7回裏に桐蔭が1点追加し、1ー3となる。まだまだ接戦だが、でも何となくこのまま終わるような気がした。前田くんの要所を締める大人のピッチングは簡単に崩れそうにないからだ。ヒットはそこそこ打たれているのだが、ピンチになると伝家の宝刀チェンジアップでことごとく三振に切ってとっていた。でも最速148kmとも言われるストレートは、殆んどが130km後半で、相手を捻じ伏せるという感じではない。それが不満だ。クレバーな選手だから手を抜いて投げているのだろうが、最初からそれじゃプロでは大成しないような気がする。真のスター選手になるには、圧巻の伝説的ピッチングが必要なんじゃないかと思うんだよね。また勝手なこと言ってるけど(笑)

 思った通り、試合はそのまま終わった。
前田くんは結局7安打を打たれるものの、三振14。四死球2の自責点0だった。やっぱ、いいピッチャーだ。次戦は、更なる活躍を期待しよう。

 春のそよ風が頬を優しく撫でる。
さあ、帰ろう。明日は朝からWBCの準決勝、日本vsメキシコ戦だ。また朝から飲まなくてはならぬ。とっと帰って、早く寝よう。泥酔男は、意を決したようにフラフラと立ち上がり、ゆっくりと階段を降りて行った。

               おしまい

 
追伸
久し振りに長い文章を書いたが、しんどいわ。文章を書くのって、こんなにも時間がかかるのねと思ったよ。にも拘わらず、たいした文章は書けないしさ。まだまだリハビリが必要そうですなあ。

(註1)高校野球の中継を見ていた
今にして思えば、区役所でTVが観られるだなんて驚きだ。最近のお役所は、そんなサービスもやってるのね。良い事です。

(註2)唐王
あとで調べてみると、からあげグランプリ東日本スーパー惣菜部門で3年連続金賞を獲得しているそうだ。テレビ番組「ジョブチューン(TBS系)」でも、一流料理人たちから合格判定をもらったようだね。

 

鳥谷を想う

 

阪神タイガースが最終戦を勝利で飾り、6連勝で3位だった広島を抜いてCS(クライマックスシリーズ)進出を決めた。全く期待していなかったから、まさかの展開に驚いたよ。
ガキの頃からの生粋の虎ファンとしては喜ばしい。
しかし、素直に喜べないというのが本音だ。たとえそれで日本シリーズまでいって勝ったとしても、心のどこかで納得いかない自分が見えるからだ。
この制度、何とかならんかね❓
消化試合が減ってファンの楽しみが増えたのは良いことだけど、どこか心に引っ掛かりがある。リーグ優勝の価値が下がるって、本末転倒じゃねえか?と思うんだよね。

だからか、試合が終わった時の矢野監督がどんな顔をするか注意深く見ていた。もし矢野が喜び爆発でヘラヘラ笑ってたら、来シーズンも期待できないなと思ったのである。
しかし、矢野の表情は変わらなかった。シーズン最後の挨拶でも笑顔はなかった。それでいい。それでこそ指揮官たるものだ。来年に期待するよ。CSも来期のために戦ってくれ。

この試合で、鳥谷が途中代打で出てきて凡退したが、
そのままショートの守備についた。
そうだ、そこが最もキミに相応しい場所だ。
結局、彼のもとへは打球は飛んで来なかったが、何だか見てるだけで泣けてきたよ。
知ってのとおり、鳥谷は今シーズンで縦縞のユニフォームを脱ぐ。シーズン途中で球団に「ユニフォームを脱いでくれ。」的なことを言われたようだ。事実上の引退勧告である。

 
(出展「サンTV」)

 
相変わらず、人を大事にしない糞みたいな球団だ。
シーズン途中での引退勧告なんて酷い。まだシーズンは残っているのに、そんな言われ方をされたら誰だってヤル気を無くすだろう。いや、シーズン途中での引退勧告は、当たり前に有りうる事だろう。問題は、それを外部に漏らしたことだ。今までチームのために頑張ってきた生え抜きのスター選手へのリスペクトがまるでない、失礼極まりないやり方だ。チームの功労者には引退を自分で決める権利があると思う。今回はそれを無視したやり方に思えてならない。尋ね方に愛がない。「阪神としては契約はできない」なら解るが、球団に「野球選手を辞めてくれ」と言う権利はない。鳥谷がそれを拒否して、現役続行を宣言したのも解る気がする。

思えば、江夏に田渕、掛布に岡田etc……、みんな酷い形でチームを去っていった。ファンが愛してきたスター選手への配慮に欠けると言わざるおえないだろう。
これが16年もチームに貢献してきた選手への仕打ちかよ。
一軍公式戦1939試合連続出場、13シーズン連続全試合出場、史上50人目の公式戦2000本安打、史上15人目の1000四球達成者、遊撃手としてNPB公式戦シーズン最多打点記録、歴代最長のフルイニング出場記録、セ・リーグのシーズン最多補殺記録etc…。主将や選手会長もつとめてきた。どんだけ彼がチームを支えてきたか、己ら忘れたんかいι(`ロ´)ノ

そういえば、内野手として土のグラウンドでのプレーを望み、「お金で自分の将来を決めたくない。そんな人間だと思われるのが一番嫌だ。」と言って、巨人やソフトバンク、西武の誘いを蹴ってでも阪神に来てくれたんだぞ。
この仕打ちに、多くの阪神ファンも怒っているに違いない。その証拠に試合後、鳥谷コールが鳴りやまなかったじゃないか。また、それで泣けたよ。

結局、鳥谷は促されても挨拶をしなかった。
それでいい、それこそが男の矜持と云うものだ。引退試合なんか頼まれても、せんでええよ。冷たい球団として、評価を落としゃいいのだ。みんなドラフトでも阪神なんか行かなくていい❗
あっ、それはマズイか…。
でも大阪桐蔭なんて、噂ではを藤波を潰した一件で、有望な選手に、阪神には絶対行くなと言ってるらしいぞ。悪いことは言わん。前途ある高校生に告ぐ、阪神なんて行ってもロクなことないぞー(ー。ー#)

現役を望む鳥谷を他のチームが雇ってくれるかどうかは、微妙だ。それでも一野球選手として、とことん納得のいくまで野球を続けたいという姿勢はカッコイイ。
たとえ憎っくき巨人に行ったとしても応援するよ。
その後、巨人のコーチなっても許すよ。鳥谷は慈善活動も積極的にやってたし、できた男なのだ。そんな男を流出させる球団は、やはりクソだ。

前言撤回。
阪神のCS進出を素直に喜ぼう。だって、もう少し縦縞のユニフォームを着た鳥谷が見られるんだから。

 
                   おしまい

 
追伸
こんな記事書いてるヒマがあったら、早よ『2018′ カトカラ元年』の原稿書けよってか?
ハイハイ、ちゃんと書いてますよー( ̄З ̄)。
でも、スランプで筆が全然進まんのだ。

鳥谷のことは最初から書くつもりだったが、前回のラグビーの記事の方は全く書く予定はなかった。
実を言うと、上のくだりを二回連続でやりたいがばかりに、ラグビーの記事を書いたのだ。ちゃんと、真面目には書いたけどね。

だからー、ハイハイ解ってますよ。
見てらっしゃい。カトカラの記事の方もソッコー書きますよー。

 

2019′ 平成最後の選抜甲子園 その2

 

『ベロ酔い(@_@;)甲子園』シリーズの第2弾は、大会第6日目である。
今日は第1試合から観る気で朝早く出た。

 

 
バックネット席(中央特別自由席)が、まだ販売されていた。
考えてみれば、去年から外野席ばっかで観戦している。星稜の奥川くんのピッチングも近くで見てみたい事だし、せっかくの機会だから並ぶことにした。

 

 
並んでいる時は目の前でチケットが売り切れたらヤだなあと不安に駆られたが、何とか無事購入できた。
夏はクソ朝日新聞が指定席にしてしまったが、春は従来通りの自由席だ。毎日新聞は偉いよね。
指定席ならば、どれだけお客さんが帰ったとしても席を移動できない。ガラガラなのに、雨が降ってきたとしても屋根の下の席に移れないってことだ。こんなバカバカしい事ってない。売国奴新聞には猛省して戴きたい。

その足でイオンに向かうも、まだやっていなかった。
どうやら10時からみたいだ。ダイエー時代はもっと朝早くからやってたような気がするけどなあ…。
仕方なく駅前のコンビニに寄り、酒を買い込んでから球場へと戻る。

 

 
今日の対戦カード。
けっこう見応えがありそうだ。楽しみなのは智弁和歌山の強打と高松商の試合振り。それと奥川くんのピッチング。あとは美爆音と呼ばれる習志野の応援が、いかほどのものなのかを体験する事くらいかな。

 

 
正面玄関の左から入場する。バックネット席だから入口も近い。V.I.Pは、あんま歩かなくていいのだ。ずっと庶民席だったから、何となく気分がいい。

 

 
スタンド内に入った瞬間に、目の前がパッと開けた。
と同時に応援の音が覆い被さるように迫ってくる。そして、背中を有無を言わさずに這い昇ってくるものがある。甲子園に来たんだなと云う実感がジワジワと湧いてくる。この至福の瞬間を最も味わえるのがバックスタンドだ。これだけでも此処へ来る価値があると思う。

 

 
正面やや左手に席を確保することができた。グランドからかなり近い。

上を見上げる。

 

 
銀傘と青空。
春らしい少し霞んだような空が眩しい。
球春、のたりのたりかなと呟く。

 

 
泡を飲む。
バックネット席ゆえテーブルがあるのが有り難い。
🍺グビッ、🍺グビッ、🍺グビッ。(´∇`)ぷはー。
これまた至福。一挙に半分近くまで飲んでまっただよ。
このビールのロング缶の他にアルコール度数9%のストロング酎ハイを3本用意している。
フフフ( ̄∇ ̄)、本日もベロ酔い(@_@;)体制万全である。

試合は2回裏の熊本西の攻撃に入っていた。
連打のあと、ダブルプレーの間に三塁ランナーが還って1点先制。去年、試合中に選手が亡くなった熊本西には、それを乗り越えて頑張ってほしいよね。こういうチームが優勝したら、とても嬉しい。

しかし、智弁和歌山の強力打線は容赦がない。
3回表に連打であっさり4ー1と逆転。4回には4番東妻が打った瞬間にそれと解るレフトへのホームランなどで一挙7点を奪った。
熊本西が5回に1点を返すも、結果は12ー2で智弁の貫禄勝ちで終わった。

 

 
智弁の応援席は、きっと楽勝気分だったんだろなあ。
結局、相手を追い詰める魔曲「ジョックロック」を最後まで一度も演奏しなかった。

 

 
因みに智弁和歌山の監督は、今年から名将高嶋 仁監督から元阪神タイガースのドラ1中谷 仁に引き継がれた。
あっ、二人とも下の名前が仁なんだね。ダブル仁だとは今の今まで気づかなかったよ。
とにかく、この日が甲子園での初采配だったので、それにも注目してた。何かやらかして、いきなりポンコツ監督の仲間入りすることを密かに期待していたが、特に采配の綻びは無かった。むしろ継投なんかは鮮やかだった。このまま勝利を重ねて名将と謳われるようになれば、全然活躍出来なかったけど、プロ野球に在籍した事は無駄にならなかった事になる。阪神タイガースには殆んど貢献してないけど、その域にまで到達すれば全然許す。今後も精進されよ。

実を云うと試合が終わる前には、席をさらに真ん中寄りに移動させていた。常に良い場所に移動することには吝(やぶさ)かではない。というか、そういう性格なのだ。

 

 
次の試合が始まる前に腹ごなしをすっぺ。

 

 
イオンに寄れなかったので、ツマミを購入することを断念。おにぎりにした。名前も知らないようなローカルコンビニだったから、ろくなツマミしか無かったのだ。
それにしても、酎ハイとおにぎりって絶望的に合わんなあ~(ToT)。悲しくなってくるわ。

 

 
阪神園芸さんの芸術的なグランド整備が始まる。
中でも、この水撒きはいつ見ても惚れ惚れとさせられる。

 

 
無垢なグランドの何と美しきことか。

 

 
スマホのカメラゆえ、広角に写ってしまうから解りづらいと思うが、実際はグランドからかなり近い。前から二段目のブロックの真ん中辺りにいるんである。だから、ピッチャーの球筋までよく解る。それだけ近いと、さすがに真面目に野球を観る。外野で観てる場合は、時に集中力が散漫になるのだ。おまけに人と来ているとあらば、間違いなくアホみたいな妄想高校野球劇場を語り部となり、周りのお客さんの眉をひそめさせるに違いない。

高松商の先発はエース香川くんではなかった。
最近は複数の良いピッチャーを揃えているところが多い。だから、今では継投が当たり前だ。最近、公立校が活躍できないのは、そのせいも有るんだろう。高校野球の長い歴史の中でも、それなりの戦術の変化の推移があるんだね。

1回裏。市和歌山の攻撃。
ぽんぽんと簡単にツーアウトを取ったから、これは中々点が入らないかもと思ってたら、三番打者が左中間にソロホームランを放った。
2回裏には2点適時打で更に追加点をあげ、0ー3。
4回裏のピンチで、高松商がようやくエース香川くんを投入した。しかし、準備の投球練習をしてなかった。軽くキャッチボールを3、4球だけしてマウンドへ。
ヤバイんでねぇのー❓と思ってたら、やはりコントロールが定まらない。で、ワイルドピッチ。エラーも絡んで2点を献上。更にタイムリーヒットも出て、1点追加して0ー6になった。
これはもう準備させていなかった監督の責任だろう。
一方、高松商は4回までノーヒット。ようやく5回に連打でチャンスを作るが無得点。
6回にようやく2点を返し、その後もチャンスをつくるも、そのままのスコアで試合終了。

 

 
スコア以上に見応えがある試合だった。高松商が7安打、市立和歌山が8安打という事からも、両者の力が互角だったことが伺える。
香川くんは、その後は市和歌山打線をゼロに抑えてたから、これはもう監督のせいで負けたと言われても仕方ないよね。

 

 
第3試合の習志野VS星稜戦が始まった。

レッツゴー習志野
(タップすると、YouTubeの映像に飛びます)
 
習志野の応援団の美爆音、聞きしに勝る大音量だ。
しかも、演奏が上手い。あまりのデカイ音に、何か笑けてきたわ。

 

 
奥川くんの球は速い。でも今日は150㎞を超えるボールはない。しかも、高めに抜けるボールが多い。

2回裏に星稜が1点先取した。
それに対して習志野は、4回表にようやく初ヒットを放ち、二死一、二塁のチャンスにポテンヒットで同点に追いつく。この回に出た初ヒットもポテンヒットだったから、星稜には運が無い。
習志野の応援は更にボルテージ上がり、隣の人の声も聞きづらいような状態になる。何とブラスバンド部員が200人もいるそうだ。そりゃ、爆音にもなるわい。

ここで星稜のキャッチャーが、主審と何やら話しだした。何かは解らないが、何かが起きている事には間違いなさそうだ。
でもこの時は習志野の応援の音量がデカ過ぎて野手間の声がけも聞き取れないからと抗議してるんだろうと思ってた。しかし、あとから知ったんだけど、二塁ランナーがサイン盗みをしてると抗議していたようだ。けれど、それは結局は認められなかったみたい。試合後、激怒した星稜の監督が習志野側のインタビュールームに乗り込んで文句を言ったそうだ。しかも、2回も。
その際、習志野の監督が「星稜さんとこも、やってるでしょ。」云々的な事を言ったらしい。逆ギレの酷い言い様である。どこまで本当かは真相は解らないが、あとで習志野の監督の顔を見たら、その言動も有り得るなと思った。人を見た目で判断してはいけないが、そのあまりの悪相振りに驚いた。典型的な悪代官みたいな顔だったのだ。絶対に怒らしてはいけないタイプの人っているでしょ?正にそれ。ヤのつく自由業の方たちとかが持っておられる凶気が間違いなく漂っていらっしゃる。しかも親分クラスの。まあ、強豪チームはどこでもやっていると云うのは聞いたことあるから、習志野の監督にとっては当たり前田のクラッカーだったのかもね(笑)。

少し離れた席のガキンチョが、甲子園カレーを食っている。そのカレーの香りが風に乗って流れてきた。
こうなると、もう溜まらんけんね( ; ゜Д゜)
5回が終わる前にカレーを買いに走る。

 

 
当然の如く辛口である。
甲子園カレーを食ったことが無い人は「たかが球場で売ってるカレーでしょ。単なる名物で、それほど旨いワケないっしょ。」と思っているに違いない。
だが、ナメてはいけない。これが予想外に旨いんである。味を伝えるのは難しいが、普通にメッチャ旨い。コクがあって適度にスパイシーで、万人が旨いと言いそうな絶妙なスタンスなのである。言い換えれば、昔からある普通の喫茶店の、虜になる美味しいカレーって感じ。

 

 
それにしても、カレーに酎ハイは絶望的に合わない。
(_)最悪のカップリングじゃよ。

7回表、習志野の攻撃。この時も二死二塁でボテボテの三塁線のゴロをサードが取れずに1点が入った。奥川くんは、いい当たりのヒットを殆んど打たれていないから気の毒としか言い様がない。
8回裏、星稜は1アウトから二塁打が出た。しかし、牽制球で痛恨のタッチアウト。こういうことしてると、勝利の女神は遠のく。
そして、9回に奥川くんが8番バッターにダメ押しのホームランを打たれてしまう。
で、そのまま負けちゃった。

 

 
やっぱり星稜は、今年も接戦を勝ちきれなかった。
本当に強いチームは、サイン盗みとかモノともせず、へっちゃらで勝つものだ。いちいちそんな事で動じているようでは、星稜の優勝はいつまで経っても無理かもね。

               つづく…予定。

 

2019′ 平成最後の選抜甲子園

 

3月23日(土)。
朝起きたら、ちょうど開会式の行進が始まったところだった。何日か前は球場に観に行こうかなと思っていたが、曜日を見てやめにした。土曜日の開会式だなんて人が押し寄せるに決まってんである。しかも、三試合目には今大会屈指の好カードである履正社🆚星稜の優勝候補同士のカードが組まれている。去年の夏みたいに甲子園に行ってみたはいいが、満杯で入れませんでしたなんて事になったら目も当てられない。去年の夏は、それでもまだよかった。なぜなら、その足で神戸方面に日本一綺麗なヤンマ(トンボ)と言われるマルタンヤンマを探しに行けたからだ。彼らの飛ぶ夕方までのヒマ潰しに甲子園の様子も見に来ましたーと言い訳ができた。つまり、丸っきりの無駄足にはならなかったのである。
しかし、まだ桜も開花していない春先だと、そう云うワケにもいかない。もちろん虫採りは出来ないし、花見に予定変更する事も出来ないのだ。

TVを横目で見ながら、蝶の展翅をする。
第1試合の呉🆚市立和歌山が始まった。結構、締まった試合で面白い。9回に呉が同点に追いついた辺りから、展翅をやめて真面目に見る。すると、何と撮っているスタンドにそこそこの空席があるではないか。コレなら甲子園難民は避けられそうだ。球場内に入れないと云うことはないだろう。即座に行こうと決めた。試合をチラ見しながら行く準備を進める。

そして、市立和歌山が延長11回の末に3ー2でサヨナラ勝ちしたと同時に家を飛び出した。

2019年 今大会は平成最後の選抜高校野球となる。
一度は訪れねばなるまい。

 

 
(・。・;んっ!?、上にある95thって何だ❓
選抜は今年で第91回だから、記念大会の筈では無いよね。
あっ、そっか。たぶん甲子園球場が出来てから95年ってことだね(註1)。と云うことは、あと5年で百年かあ…。スゴいよね。もう歴史的建造物だよ。
でも、ちょっと待ちなー(゜゜;)\(–;)
一度、大幅に改築(改修)しとるやないけー。ある意味、もう別人だぞ。それはいいのか?
まあ、そんなのどっちでもいっか…。昔はボロ球場だったもんなあ。それと比べて遥かに快適な球場になってるから文句は言えない。不満があるとしたら外観だけだ。昔みたいに蔦の葉でわっさわさの時の方が風情があって好きだった。蛇とか結構住んではったけど、その牧歌的さも含めて好きだったのだ。あれこそ甲子園球場というイメージがある。あの姿を見て、甲子園に来たと云う実感がグンと湧いて、心がバチバチに高揚したのだ。
でも今や甲子園球場=(イコール)蔦とは言えない。
改築してからもう十年近くも経っているのに、いっこうに蔦が成長してこないのは何故❓
おいら思うんだけど、コレってさー、阪神電鉄の陰謀なんじゃねぇか?蔦をワザと育たなくしてんじゃねえの?つまり、蔦で球場を覆うつもりなんて無いんじゃないかと思うんだよね。
おそらく蔦だらけになったらメンテナンスが大変になって、金もかかるからじゃなかろうか?ドケチ親会社の阪神が考えそうな事だ。充分あり得る。だとしたら、全国の球児に蔦の苗木を育てさせたあのプロジェクトはいったい何だったのだ(;・ω・)❓

 

 
本日の組み合わせである。お目当てはもちろん第3試合だが、古豪 高松商業のユニフォームも久し振りに見たかった。ストッキングがカッコイイのだ。

 
(出典『週刊 野球太郎』)

 
おさな心にも、TVで観た高松商業と仙台育英の激闘はよく憶えている。河地くん(高松商)と大久保くん(仙台育英)、両エースの息詰まる投手戦で延長17回の表までスコアボードにゼロが並んだ。結局、17回裏に1点が入り、仙台育英のサヨナラ勝ちだったんだよね。しかも、押し出しデッドボールと云う予想だにしなかった幕切れだった。
この試合が初めて見る長い延長戦だったし、痩身の河地くんが全身を使って懸命に投げる姿に感動したのを憶えている。高校野球の記憶の原点の一つかもしれない。
そういえば仙台育英の大久保くんが、セカンドランナーを憎らしいまでの絶妙の牽制球で刺した映像も脳に焼き付いている。右側からクルッと回って、体を開いて投げて刺したのだ。見てるワシもエッ、マジ!?と思ったんだから、ランナーはもっと( ; ゜Д゜)ギクッとしたんだろなあ…。
それで思い出したんだけど、この時代の仙台育英のユニフォームって、現代のモノと違ってたように思う。
今のユニフォームは、お馴染みのグレー地にローマ字で胸に「IKUEI」とあるけど、記憶では淡いオフホワイトの地で校名のロゴも小さかったような気がする。
記憶が数珠繋ぎで掘り起こされる。記憶だと、この時の大久保くんは地方大会から連続無失点を続けてたんだよね(註2)。

話を高松商業のストッキングに戻そう。
ストッキングに色鮮やかな横戦が入っているのだが、この線は日本一の回数を示している。白の2本線は選抜の2回の優勝を表わしており、赤の2本は夏の全国制覇の2回を意味する。そして黄色の線は国体の優勝を記念して入れられたものだ。ここまでが自分の知っている高松商のストッキングだ。これに2015年の神宮大会初優勝によって水色の線が加わったようだ。

 
(出典『Yahoo!ニュース』)

 
で、翌年に確か20年振りの選抜出場を決めたんだよね。
けど、惜しくも選抜では準優勝に終わり、新たな白線はつけ加えられなかったと記憶している。
あれっ(・。・;❓、でも高松商の試合の記憶が全然無いぞ。
何でだろう?と思ったら、この年はその時期、マレーシアにダンフォルディーフタオを採りに行ってたんである。あっ、違うわ。2016年だからラオスとタイにビャッコイナズマを探しに行ってたのだ(註3)。だから、そもそもこの年は選抜には行けてないのだ。

まあそんなワケで高松商業には思い入れがある。
最近は特定のチームを最初から応援する事はあまりないが、ここは高松商に片入れさせてもらおう。

 

 
試合は、ちょうど二回の表裏が終わったところだった。
家から近鉄難波駅まで10分足らず歩いて電車に乗り、甲子園駅で降りてイオンで酒とツマミを買ってからだから、ムチャクチャ早い。ドアto外野スタンドまで45分くらいだったんでねえの?買い物時間を差し引けば35分くらいかもしんない。

 

 
外野席ライト側に陣取る。
有り難い事に、選抜は従来通りの外野席無料だ。夏の選手権大会は去年から有料になっていて、500円も徴収されるから、毎日新聞は偉いよネ。一方、金は取るし、内野を指定席にしてしまった朝日新聞はクソだ。
幼少の頃から家の新聞が朝日だったし、周りに朝日大好き人間が多かった。だから昔は自分も朝日新聞信徒だったが、今思うと洗脳されてたと思う。売国奴の新聞の手先になってたかと思うと、忸怩たる思いだ。

 

 
座ってすぐに青空が出てきた。
🍺グビッ、🍺クビッ、🍺グビッ。
(≧∀≦)ぷはぁぁ━━━━━❗❗
昼間っから飲むビールの何と美味いことかっ❗
特に甲子園の青空の下で飲む一杯は、いつでも最高である。

 

 
高松商の左ピッチャー香川くん(香川県のチームで香川くんなのだ!)が、球は決して速くないけど小気味のいいピッチングでバッタバッタと三振を取ってゆく。その殆んどが見逃しだとゆうのが見てて気持ちがいい。どうやら色んな球種を駆使しているように見えた。調べたら、チェンジアップ、スクリュー、スライダーなど7つの球種を操るそうだ。見逃しが多かったのは、予想外のボールが来たんで打者が手が出なかったんだろね。
高松商の守備も素晴らしかった。特にセカンドの子が、9回に大きく弾んだイレギュラーバウンドを体勢を崩しながらも捕って、そのまま素早くセカンドに投げてフォースアウトにしたのは軽業師みたいでスゴかった。球場にどよめきが起こり、間を措いて拍手が沸き上がった。

 

 
高松商が3回に1点、5回に2点、6回に4点、7回に1点と小刻みに加点してゆき、結局終わってみれば大差の8ー0で春日部共栄に勝った。共栄さんには悪いけど、めでたし、めでたしである。

いよいよ、お待ちかねの第3試合が始まる。
見処は、星稜・奥川くんと履正社・清水くんの両投手の投げ合いだ。ロースコアが予想されるから、どちらが少ないチャンスを確実にモノにするかで勝敗が決まるだろう。

 

 
しかし、天気は下り坂。
とはいえ、スーパー晴れ男がいるんである。雨は降らないだろう。降っても、ワタシを避けて降る❗(笑)

1回表、星稜がツーアウトからショートへのタイムリーヒットで1点を先制した。
電光掲示板にはEのランプが点いた。でも強い当たりだったし、ランナーと交錯してたから、そりゃないよねと思ってたら、後ろのオヤジが『あれがエラーかあ…』と呻いた。(・。・;だよねー、オヤジさん。
甲子園では、オッサンどものこの思わず口から漏れる言葉が面白い。アホみたいに発言もあるが、慧眼とも言える鋭い指摘もあり、感心至極だったりもする。

その裏、奥川くんがいきなり149㎞の速球を投げた。
続けて150、150と立て続けにきて、4球目には151㎞が出た。球場にどよめきが波のように広がる。観客の驚きとワクワク感が手に取るようにわかる。こういうのは球場に行かないと体感できない。ゆえに球場に足を運ぶのである。

 

 
それにしても、星稜の応援の音量が笑っちゃうくらいに小さい。
しょっちゅう甲子園に来てるんだから、何とかならんもんかね? ブラスバンドを強化すれば、学校の評判にも寄与するだろうし、一石二鳥になると思うんだけどなあ…。
とはいえ、履正社の応援も特筆すべきものは無い。
ブラバンを育てるのは、そう簡単なことではないんだろね。

3回裏、履正社はヒットとエラーでワンアウト二塁の絶好のチャンスを掴む。だが後続が連続三振でチャンスを生かせなかった。快速球に加え、大きく縦に曲がるカーブ(スライダーらしい)に翻弄されていた。奥川くんは、他に横に曲がるスライダーやフォークもあって、おまけにコントロールも悪くないから中々つけ入るスキは無さそうだ。今大会実力No.1の投手である事に異論は無かろう。

 

 
天気はどんどん怪しくなってきて、辺りは暗い。
照明を灯してもよさそうなものだが、何で? コレまたケチ阪神の仕業?、それとも高野連の判断? 何れにせよ、判断がフレキシブルではない。

 

 
5回が終わった時点でレフト側へと移動した。
回遊魚の如く、ひと所にはとどまれない性格なのだ。
試合は1ー0のままで膠着している。予想通りのロースコアの試合展開だ。
それにしても寒い。昼間は上着も要らなかったのに、空が雲に覆われると途端にグッと気温が下がる。まだまだ春先なんである。

 

 
そら、熱燗も飲みたくなるわい。
熱燗を飲むのは、済美🆚愛工大名電の決勝戦のとき以来である。でも、あの時ほどは寒くはない。以前にも書いたけど、あの日は雨で試合開始が大幅に遅れて選抜唯一のナイトゲームになったのだ。それに、惚れた女と球場で会う約束をしていたのだが、彼女はついぞ現れなかった…。だから、心まで凍え切っていたのだ。

 

 
7回にようやく照明が本格的に点灯した。
試合は、その7回に動いた。星稜がツーアウト三塁でレフト前ヒットが出て、1点を追加。

履正社は7回まで1安打、一人しかランナーが出ていなかったが、8回ツーアウトから漸く反撃開始。
セカンドへの内野安打とサードゴロで二塁フォースアウトのところを二塁手の足が離れてセーフ。ツーアウト1、2塁となった。ハッキリ言って、星稜は守備のミスが多い。セカンドへの内野安打も、イレギュラーバウンドしたとはいえ二塁手がファンブルしていなかったらアウトになっていた可能性が高い。こういう緊迫した試合は、一つのエラーで試合の流れが変わる事がよくある。波乱が起これば、盛り上るなあと期待した。
しかし、代打が出てきて高めの速球につられて、あえなく空振り三振に終わる。
いつも思うんだけど、こういうケースに代打をナゼに送るのだろう? 軟投派のピッチャーならともかく、あの150㎞のクソ速い球を、いきなり代打に出てきて打てっこないと思うんだよね。目が慣れてないし、おまけに鋭い変化球もあるんである。益々、打てっこない。そう思うんだけど、ナゼに❓
諸事情もあるのだろうが、昔から解せないよ。

 

 
履正社は9回にもフォアボールとヒットで1死1、3塁のチャンスを掴む。しかし、4番打者がピッチャーゴロでダブルプレー・ゲームセット。優勝候補同士がブチ当たった1回戦は、星稜が履正社に3ー0で勝った。
履正社は、ドラ1候補の投手奥川くんに結局17三振を奪われ、散発3安打に終わった。それじゃ勝てんわ。完敗と言っても差し支えなかろう。
履正社って、ここぞって試合で勝負弱い。だから、いつも準優勝どまりだ。まあ、星稜もずっと優勝できないから、やはり肝心なところで勝負弱い。つまり似たようなカテゴリーにある名門チームではある。監督の責任大だと思うけど、チームに勝ちきる遺伝子みたいなものが欠けてるんだろなあ。まあ、一度でも優勝すれば、それも変わるんだろうと思うけど。
全国を見回しても、今のところ星稜が最強のチームだろう。ゆえに今年が初優勝の最強のチャンスだ。
星稜には、今年こそ優勝してもらいたいと思う。
だって、山下総監督の涙を見たいではないか。

                    つづく

 
追伸
今年も『ベロ酔い(@_@;)甲子園』シリーズの開幕である。ニャー(ФωФ)ゴー。
 
(註1)甲子園球場が出来てから95年
95周年なんだそうな。正確には8月1日で、まる95年になるそうだ。

(註2)連続無失点を続けてたんだよね
結局、この試合で公式戦連続無失点を39回まで伸ばした。しかし、次の試合で所沢商戦で、あっさり初回に点を入れられて記録はストップした。

(註3)ビャッコイナズマを探しに行ってたのだ
Euthalia byakko 白虎稲妻。この属では特異な縞々があり、ラオスとタイの一部でしか見つかっていない珍蝶。しかし、3ヶ所で探したが、姿さえ見ることが出来ず、めぼしい戦果はアルボクンタータオオイナズマくらいだった。因みに前年のダンフォルディーフタオは、バッチリ仕止めた。

2018′ 選抜高校野球回顧 決勝戦

 
今更ながらの2018年選抜高校野球の観戦レポートも、いよいよ最終回である。
でもこの試合、あんま印象に残ってないんだよねー。

 

 
試合は例年通りに、お昼に始まった。
そういえば、昔ナイターの決勝戦があったなあ…。
たしか同じく選抜の決勝戦だったと思う。対戦カードは愛工大名電vs済美だったかな。随分と昔のような気がするが、あれはいったい何年前だったのだろう…。

調べてみたら、何と2004年だった。何と14年前じゃないか。そりゃ、アッシだってオジサンにもなるわ。
Wikipediaによると、この第76回大会で初めて球速表示がされるようになったそうである。( ・∇・)へぇ~。
何でナイターになったのかと云うと、天候不順で試合開始時刻が夕方の4時にずらされたのだった。たぶん、この年はよほど日程がカツカツだったのだろう。
実際に試合が開始されたのは、午後4時55分だったそうである。そういえば結構待たされた記憶がある。
その日は物凄~く寒くて、ワンカップの熱燗を買って暖をとりなからの観戦だったのをよく憶えている。
後にも先にも甲子園で熱燗を飲んだのは、その1回こっきりである。
結果は6ー5で済美が勝利。記憶では愛工大名電が優勝したとばかり思いこんでたけど、勝ったのは済美だったんだね。その理由を朧気(おぼろげ)ながらに感じる。まあ、いい。思い出したくない事だってある。
そっか、そういえば済美が初出場で初優勝したんだね。しかも夏は準優勝だった。もし夏にも優勝してたら、もちろん至上初で歴史に残るチームになってたのに…。惜しい。亡き上甲監督が率いた中では、最高のチームだったかもしれない。
済美のエースはドラフト1位で広島カープに入団した福井だったと思う。そういえば今年どっかのチームにトレードに出されてたよね。あとヤクルトの鵜久森なんかもいて活躍した。彼はもう引退したんだっけ?
記憶は思い出し始めると、数珠繋ぎだ。
そして、約束していた彼女はついぞ球場に現れることはなかった。体だけでなく、心も寒さに震えていたのだ。思い出したくないってのは、この事実だ。
その帰りに見た夜桜が、満開だったのを今だに強く憶えてる。凄絶なまでに美しかったのだ(註1)。
春夏通じての長い高校野球の歴史において、ナイターで決勝戦が行われたのは、今もって唯一この試合だけだそうである。

何だか文章全体のカッコつけたラストみたくなっちまっただよ(笑)。
先のことを考えず、思うがままに書いているから脱線はいつもの事じゃないかと書いて、一旦手が止まる。だとしても、文章を閉じるかのような脱線は初めてだわさ。脱線癖もここまでくると重傷かもしんない。かといって急に治るワケでもない。まっ、気を取り直して続けまひょ。

 

 
本日も外野席に回る。
バックネット席も空いていたと思うが、1試合だけだし、勿体ないと判断したんだと思う。高校野球の試合って、すぐ終わっちゃうんだもん。2時間を切る試合なんかざらなのだ。

 

智弁和歌山は大阪桐蔭に対して公式戦3連敗中だそうである。智弁としては是が非でもリベンジしたいところだろう。しかし、実力的には矢張り桐蔭の方が上。順当にいけば大阪桐蔭の春連覇の可能性が高い。
とはいえ、戦前の予想がアテにならないのも甲子園である。智弁は準々決勝、準決勝とミラクルな逆転勝ちで延長戦を制してきた。謂わば波に乗っているチームだ。勢いのあるチームは侮れない。それに名将高嶋監督の今年中の勇退が決まってた筈だから、選手も監督も気合い充分だろうしね。

大阪桐蔭の先発はエースの柿木くんだとばかり思っていたが、何と昨日ロングリリーフした根尾くんだった。多分、柿木くんは監督に今イチ信頼されてないんだろなあ。って云うか、根尾くんはこの世代最高のピッチャーの一人だもんね。素人のワシでも根尾くんでいくわいな。

試合は初回から動くだろうと予想してたが、序盤はスコアボードにゼロが並んだ。何かツマンネーなあと思った記憶がある。

 

 
4回表の智弁和歌山の攻撃で漸く試合が動く。
先頭打者がセカンドのファンブルにより出塁。続く冨田がライトへヒットを打ち、ランナー1、2塁とする。ここで智弁で一番当たってる黒川くんを迎える。で、期待に応えてセンターへのヒットを放ち、満塁となった。
黒川ちゃん、やっぱスゲーわ。アンタ、最高❗
しかし、次打者がピッチャーゴロで1-2-3のダブルプレー。あっという間に2アウトとなる。( ̄▽ ̄;)あちゃまー。こりゃダメかと思いきや、次の東妻くんがレフトへ先制タイムリーヒットを放って、智弁が2点を先制した。
智弁が先制となると、俄然試合が面白くなる。大阪桐蔭が焦り出したら、智弁に勝機有りだ。

だがその裏、大阪桐蔭もすかさず反撃する。
藤原がピッチャーへの強襲安打で出塁。根尾のライトへのヒットで1,3塁とす。藤原くん、やっぱ足が速いわ。故障あけだそうだが、もう大丈夫みたいだね。
そして、山田が死球を受けて満塁となる。
続くバッター石川のショートゴロの間に大阪桐蔭か1点を返した。しかもショートがエラーかましてもうて
、一つもアウトが取れなくて満塁のまま~。
そして次打者のダブルプレーの間に、もう一人ランナーが帰ってきて、2ー2の同点とした。
よっしゃ、これで試合がスリリングなってきたぞー。
でも、智弁和歌山って守備が今イチだよね。少数精鋭でバッティング練習ばっかしてるからかなあ?
何か智弁和歌山って、毎年打撃は凄いけどピッチャーは程々だし、守備は普通か、それ以下ってチームが多い気がするなあ…。

5回裏に大阪桐蔭が1アウト2、3塁のチャンスを作るも、3塁走者が憤死して無得点。智弁も6回にランナーを出すが、無得点。膠着状態が続く。

7回裏、大阪桐蔭が均衡を破る。先頭打者がストレートのフォアボールで歩く。ここで投手交代。漸くエース平田がマウンドへ。
続く打者が送りバントを成功させ、2塁にランナーを送る。そして、宮崎のレフトへのタイムリーヒットが出て3ー2と勝ち越す。

8回表、智弁はフォアボールで出たランナーが、根尾の暴投で2塁に進むも、後続が凡退して無得点。完全に根尾くんを攻略しあぐねている。

8回裏、大阪桐蔭はフォアボールとピッチャーのワイルドピッチで、ノーアウト2塁とする。ここで4番の藤原がレフトへタイムリーツーベースを放ち、4ー2となる。流石、藤原くんだべさ。相変わらずの持ってる男だよ。男前で足が速くて、ここぞと云うところで派手に長打を打つだなんて、女子はワーキャーだな。
そして、二刀流ミスター優等生の根尾くんが、とどめとばかりのレフトへのタイムリーヒット。これでダメ押しの5ー2。いくら爆発力のある智弁打線でも、残り9回の攻撃だけで、根尾くんから3点取るのは厳しいと思った。

そして、とうとう9回表、智弁最後の攻撃まできた。
それはそうと、智弁も桐蔭も応援するブラバンのレベルが高いよね。これも高校野球を楽しむアイテムの一つだから、皆さん球場に行ったらシッカリと耳を傾けましょうね。

 

 
特に大阪桐蔭のブラバンはレベルが高くて、コンクールの常連らしい。
野球やってる子たちだけが青春じゃなくて、アルプススタンドでも青春が迸(ほとばし)っておるのじゃね。アルプススタンド好きのファンは、そこんとこが好物なのだろう。
演奏力だけなら、智弁よか桐蔭に軍配が挙がるかな。とはいえ、曲目は智弁和歌山の方が好き。「アメリカンシンフォニー」とか「シロクマ」が有名だし。それに何より魔曲「ジョックロック」がある。これがかかると球場全体が何かが起こりそうな雰囲気になるのだ。
あっ、そういえばこの選抜から新曲「ミラクルショット」が演奏されるようになったんだよね。これが巷では新魔曲だとか言われてて、もの凄く耳に残る。

 

 
これは聞いた事のある人が多いと思う。元ネタは「報道ステーション」のスポーツコーナーのテーマ曲。それを編曲したものらしい。マジで、この曲とジョックロックのメドレーが流れるとゾクゾクくる。この曲をバックに戦える智弁の選手は幸せものだね。

先頭バッターは黒川くん。今大会の智弁の躍進は、この男なくしては語れない最も期待の持てる打者だ。
もし智弁が三度目のミラクルを引き起こせば、高校野球史に残る名試合になろう。歴史的な試合の証人になる事は、高校野球ファンの願いだ。たかだか観客として、生で試合を観ただけなんだけど、なぜか自慢になる。自分がグラウンドでプレーしているワケでも何でも無いのにね。
しかし、生観戦にはTVでは分からない独特の空気感がある。アナウンサーの絶叫の無い世界には、押し付けの演出や感動は何処にも無い。そこにはリアルな音や匂いがあって、それが堪らなく居心地が良いのだ。

しかし、黒川くんが先頭打者と云う事は、チャンスで打席が回ってこない公算が高いって事だよね。
自分がもしピッチャーならば、黒川くんは最も警戒する打者だが、このシチュエーションだとむしろ気持ちが楽に持てるだろう。一番怖いバッターが、ピンチに打席に立たれる事が最も心拍数が上がるのだ。
と思ってる間に、ライトへのヒットで出塁❗やっぱ、黒川くんは凄いわ。このまま夏、来年と成長していってほしいよね。
しかし、後が続かず。代打が出てきて、空振り三振。
次はセンターフライ。最後はドン詰まりのファーストゴロで、あっさりゲームセット。

  

 
大阪桐蔭、選抜二連覇❗
とにかく、🎊おめでとう。

 

 
優勝投手は、去年に引き続き根尾くん。
二年連続で歓喜の真ん中にいられるだなんて、そうある事じゃない。しあわせな選手だよ。
柿木くんは、エースなのに口惜しいだろうなあ。
やはりエースたるもの、優勝の瞬間にマウンドに立っていないと嬉しさも半減するもんね。

 

 
球場を後にして、歩き始める。
歩きながら、ふと思う。来年もまた此処に来られるのだろうかと。立ち止まり、春の優しい青空を仰ぐ。
来年の事なんて、わからないや。

 
                  おしまい

  
ーあとがきー

準々、準決勝と比べて、この今一つ盛り上がりに欠けた試合内容が、冒頭の「あんま印象に残ってないんだよねー。」と云う言葉にきっと繋がったんだろうね。
まっ、決勝戦って案外つまんなくて、期待する程には熱戦にならない事が多いんだけれどもさ。そういえば今年の夏の決勝戦もワンサイドゲームだったなあ。
おっ、そうだ。告知と云う程の事ではありませぬが、夏の大会の観戦レポートは来年に書く予定でゲス。あくまでも気が向けばですが。
蝶の記事ほどではないが、甲子園レポートもそれなりに書くのに時間がかかるのだ。ようするに、面倒くせーって事ね。

え~、こんな今更ながらの文章にお付き合いしてくださった方々、本当に有り難う御座います。
えっ❓何でこんなタイムリーではない文章を今更ながらに書いたかって❓
う~ん、それは自分でも解るようでよく解らん。
人生には、時に本人にもよくワカラン行動とゆうものがあるのだ。

 
(註1)今年は春の訪れが早くて、その球場前の桜はとうに散ってしまっていた。年々により季節の移ろいは一様ではないのだ。
因みに、その桜の木そのものは今は無いと思う。たぶん、タイガースグッズのお店を建てる折りに、伐り倒されたのだろう。

 

2018′ 選抜高校野球回顧 準決勝

 
今更ながらの第90回選抜高校野球のレポートの第2弾、準決勝である。

  

 
前回に3日連続通ったと書いたが、実をいうと一日空いての4月3日の観戦。なぜかっちゅーと、今は準々決勝と準決勝の間に一日休養日が入るからなのだ。すっかり忘れてたよ。

  

 
強豪名門校が集まりましたなあ。
このうち智弁和歌山、東海大相模、大阪桐蔭は春も夏も優勝経験がある。三重だって昭和44年と、ちと古いが春には優勝した事があるし、2014年の夏には準優勝だってしている。充分強豪校と言っていいだろう。
とにかく強いチーム同士の戦いは、レベルが高いだけに面白くなる確率が高いよね。
実際、高校野球ファンの間では、実力伯仲のチームがぶつかるこの準決勝が一番面白いと言われている。
ベスト8までは組合せや運で進出できる事もあるが、準決勝は実力も運もあるチームでないと中々勝ち進めないからだ。今回はそのセオリーに違(たが)わぬ好チーム同士の白熱した試合になった。

この日はバックネット席は売り切れだったので、外野席に回ることにした。

 
第1試合 智弁和歌山vs東海大相模

 
試合は既に3回表の智弁の攻撃まで進んでいて、4ー0と東海大相模がリードしている。でも、コレは知ってた。なぜかと云うと、家でTVを見ていたからである。初回に東海大相模が2年生投手を攻めたてて一挙4点を先制し、智弁は早くもエースピッチャーを投入せざるおえない展開になったところで、急遽球場に行く事にしたのである。自宅の難波から甲子園までは、30分掛かるか掛からないかで行けてしまうのだ。
全国の高校野球ファン諸君よ、どーだ羨ましいじゃろう。Ψ( ̄∇ ̄)Ψそう~りゃ、Ψ( ̄∇ ̄)Ψそう~りゃ、羨ましがれ~、身をよじって羨ましがれ~。
( ̄ー ̄)フフフ…、あたしゃ性格が悪いのですよ。

 

 
センターのレフト側中段に陣取る。
取り合えずは🍺ビールをゴクゴクいかせてもらう。
ぷは~(≧∀≦)==3
世に働く企業戦士たちを尻目に、こうして青空の下で野球観戦しながら飲むビールは、やっぱ、最高じゃよ。
えー、ツマミは画像が無いので分かりませぬ。とはいえ、わざわざ写真を撮ってないところをみると、どうせ定番の枝豆とか唐揚げとかポテサラじゃろう。
と、アルコール摂取に気をとらわれてる間に智弁が2点返した。智弁は林、東海大相模は森下と云うプロ注目のスラッガーを中心とした強力打線だから、戦前の予想通りの打撃戦になりそうだなと思った。そういう試合は好物。皆はん、打って、打って、打ちまくりなはれ~。

4回表に智弁が3点取って、5ー4と逆転した。
やはり、智弁和歌山打線は伝統的に爆発力がスゴい。打ち出したら止まらないイメージがある。帝京との試合とかは凄かったもんね。

5回裏。東海大相模の攻撃。
1回にスクランブル登板で後続を断ち、ここまでスイスイと投げてきたエース平田くんが、この回もポンポンとツーアウトまで取った。こりゃ、智弁ペースになっていきそうだなと思った矢先、打ち取った筈のショートゴロがバウンドが変わってラッキーなヒットになった。そして、次打者渡辺くんがライトに強烈なツーランホームランを打ち、あっという間に6ー5とひっくり返した。
o(^o^)o面白れぇ~。
オジサンになるにつれ、いつしかどちらかのチームに極端に肩入れをして観なくなった。勝ち負けは2の次。そんな事よりもゲームの内容が大事。今は互いが死力を尽くした熱い試合を見られれば、それで良いと云うスタンスだ。どちらかのチームに強い思い入れを持つと、負けた時にガックリきて疲れるのよ。

6回裏、さらに試合が動いた。
ノーアウトから平田くんがフォアボールを許す。その後ファーストが二塁へ悪送球。更に前進守備のショートが正面のゴロを後ろに逸らす。とどめはサード林の1塁悪送球で、あっという間に10ー5になった。フォアボールに連続エラー連発って、負けるチームの典型だ。この時点で智弁の勝ちはないなと思った。

しかし、智弁は7回に1点返し、8回にはランナーを二人置き、エラーした林がライトフェンス直撃のヒットを放って2点返して10ー8と猛追。
それにしても、林くんよ、ホームランと思って、やったとばかりにカッコつけてバットを放り投げたけど、そのせいでシングルヒットどまりになったやないけ。低めのボール玉につられて空振りばっかしてるし、しっかり走らない選手はアカンえ~。彼は秋にはドラフト3位で広島カープに指名されたけど、そういうプレーをしてるとプロでは大成しないぜ。まあ、とはいえ入ったチームがカープだからシッカリ育ててくれるかな。まあ気合い入れて、お気張りしなはれ。
それはそうと、智弁和歌山の選手ってプロに入ってもあんまり活躍しないのは何故なんだろね。日ハムの西川くらいしか思い浮かばない。何か理由でもあるのかな?

そして更にチャンスは広がり、ツーアウト満塁に。
そこで回ってきたのが前の試合でさよならタイムリーを放った黒川くん。
彼はホント良い打者で、打ちそうなオーラがあるから打つんじゃないかなと思ったら、やっぱりのセンターへの鮮やかなヒットを放つ。これで10ー10と試合はふりだしに戻った。( ☆∀☆)スッゲー。

試合は延長戦に入った。
10回表。智弁はヒットとフォアボールのランナーをバントで進め、1アウト2、3塁とする。

当然の如く智弁アルプススタンドから勝ち越しの狼煙(のろし)、魔曲『ジョックロック』が大音量で押し寄せてくる。

 

 
冨田くんのセンターへの犠飛で1点を勝ち越す。
そして、続く黒川くんが左前適時打でダメ押しの2点目が入った。又しても黒川くん❗これで4打数3安打だ。完全に勝利の女神を呼び込むラッキーボーイだね。

その裏の東海大相模が無得点に終わり、12ー10で智弁和歌山が勝った。いやはや、見応えのある試合でした。

 

 
この日は、ぽかぽかして暖かかったんだよね。
春だなあ…と思った記憶が甦ってきたよ。

 
第2試合 三重vs大阪桐蔭

 
センター左中間寄りから、右中間寄りに席を移す。
客席の空席情況によって、席はよく移動する。場所が変われば、視点も変わるからだ。たぶん生来落ち着きの無いせっかちな性格なのだろう。

冒頭に少し触れたが、三重高校が2014年夏に準優勝した時の相手が大阪桐蔭である。謂わば今回は三重のリベンジがかかっている因縁の試合なのだ。
とはいえ、大阪桐蔭に返り討ちにあうだろうと云うのが戦前の予想だった。しかし、試合は意外な展開で進んでゆく。

3回表、三重の攻撃。先発柿木がレフト前にヒットを打たれ、すかさず盗塁を決められる。このチャンスにここまで5打点と当たっている梶田くんが三遊間を抜いて先制する。さらに右中間への大きな当たりで1点を追加。2ー0とリードする。

一方、大阪桐蔭は度々チャンスを作るも、あと1本が出ない。漸く6回に1点を返すが、流れからではない山田のソロホームランでの得点だった。反撃開始と云う程には、ムードは盛り上がらない。
記録を見ると、ピッチャーは5回表からは柿木に変わって根尾が投げている。思い出したよ。それで、三重打線がすっかり沈黙してしまう。今思えば、このエース柿木をあっさり諦めて根尾に変えた西谷監督の決断が、勝負の流れを呼び込んだのだと思う。西谷監督は、ただの流し目デブではないのだ。まだ若いのに名将と言っていいだろう。チンプンカンプンの迷采配をする浦和学院のモリシや横浜のヒラタ、中京大中京のタカハシとは大違いだ。そういえば、平安のハラダも『お前ら、最高だあー!』とか叫んでて、変だなあ。
でも、モリシの采配はあまりにもおバカ過ぎて笑えるんだよなあ。もうファンと言ってもいいくらいに、その一挙手一投足に魅了されてる。モリシー、来年に夏には待ってるよー。

 

 
7回を終わって、三重が2ー1と大阪桐蔭をリードしている。予想とは違うロースコアの展開だ。 
当時の思いでは、三重って準々決勝は乱打戦で結構相手チームにも打たれているのに何で桐蔭打線が抑えられているのかな❓と疑問しきりだった。
三重の選抜の準々決勝までの戦い振りが気になったので、せっかくだからここでちょっと調べてみよう。

見ると、ここまで日大三高を8ー0、乙訓を2ー1、星稜を14ー9と強豪高を破ってきている。
日大三高は夏の大会にはベスト4まで勝ち進んでいる。そのチームを8ー0と退けているのだから、間違いなく強いチームと言えよう。この日、桐蔭戦で投げている定本くんが先発して、日大三打線を散発7安打、与四死球2で完封している。日大三も強力打線が売りのチームだから、それを完封するとなると、やはり良いピッチャーなのだ。大阪桐蔭打線を苦しめているのも偶然ではなかったと云うことだ。
乙訓は夏の大会には戻ってこれなかったが、選抜では投手力のある好チームだったと記憶している。ベスト4くらいまでは勝ち上がるのではないかと思ったくらいだ。そのチームに接戦で勝ち上がると云う事は、チームに地力があると見ていいだろう。因みに、乙訓戦では定本くんは登板していない。
星稜は夏には2回戦で破れてはいるが、相手はその後ベスト4まで勝ち進んだ済美高校で、しかも延長13回の末にサヨナラ負けしている。つまり、星稜も相当強いチームだったということだ。因みに乱打戦になった星稜との試合では、定本くんは最終回だけの登板で、ピシャリと3人で抑えている。
三重の強さ、半年以上も経って納得なるほどだよ。

そして、試合はとうとうそのまま9回裏まで進んでしまう。球場内に、もしかしたら番狂わせが起こるのではないかという雰囲気が漂い始めている。強いチームが破れる時は、往々にしてこんな試合展開が多いものだ。自分も7、8割の確率で三重が勝つのではないかと思った。今思えば、後に春夏連覇を達成したこのチームにも絶体絶命のピンチがあったんだね。圧倒的な強さで、楽勝で連覇したイメージが強いけど、そうでもないのだ。

 

 
先頭打者の根尾が一度もバットを振ることなく、1塁に歩いた。球場がまた別な意味でざわつく。こういうフォアボールを出すのは、ピッチャーが勝ちを意識して体が固くなっている証拠だ。これで三重の全選手にも緊張が伝染する。観客もその辺のところは敏感に嗅ぎとっているのだ。高校野球の面白さは、メンタルがモロに出てしまうところである。それが予想不能なドラマを起こさせるのである。
ここで前の打席にホームランを打った山田がバッターボックスに入る。どうする❓その色っぽい流し目から全国のデブ専に絶大なる人気を博している西谷監督❗
しかし、山田は何とバントの構え。そうだよな、それが正しかろう。ここは是が非でも二塁にランナーを送り、1点をもぎ取って先ずは同点にする事が肝要だ。
だが、あろうことか山田がバント失敗。キャッチャーフライに倒れる。今度は逆に大阪桐蔭側にプレッシャーが掛かるだろう。こういうミスは流れを変えかねない。三重側に運が回ってしまうことだって、往々にしてある。
続く石川が三遊間ヒットを放ち、1、2塁となった。
こういう場面でヒットを打つなんて、メンタル強いね~。強いチームは技術だけでなく、心も強いから強いのだろう。
そして、次の小泉が外角低めの難しい球を執念でライト前に持っていって、土壇場で追いついた。
(≧∀≦)痺れる試合だね~。
あそこでエンドランをかけるとは、西谷監督って勝負師だねぇ~。エンドランじゃなかったら、打者だってあの球は振っていなかったかもしんない。

  

 
エンドランが掛かっていたので、ライナーは1、3塁。もう1本出れば、サヨナラ勝ちだ。
だが、後続が倒れて延長戦に突入。
準決勝は接戦になることが多いとはいえ、2試合とも延長と云うのは珍しい。ざっと記憶を辿ってみたが、思い出せない。調べてみたところ、28年振りで、選抜史上2度めだそうである。

11回裏。大阪桐蔭がツーアウト2塁のチャンスを迎える。しかし、途中出場の井阪の痛烈なファーストライナーを1塁手が好捕して、ピンチをしのいだ。球場内に呻きと溜め息が地鳴りのように広がる。
ここまで書かなかったが、三重の守備は素晴らしい。
この守備の固さが大阪桐蔭の得点を何度も阻んできたのだ。大阪桐蔭の残塁11が、それを示している。
いや~、それにしても完全に抜けたと思ったよ。それくらい良い当たりだった。

そして、ゲームはとうとう12回の裏までやってきた。
今大会から規程が変わり、今までは15回で引き分け再試合となっていたものが、12回を越えると試合形式がタイブレーク制に変わる事が決まっている。つまり、もし12回が終わっても決着がつかなければ、高校野球史上初めてのタイブレークの試合になると云うワケだ。ちょっとタイブレークを期待する。

ワンアウト後、ショートの悪送球でランナーが出る。
ここまで固い守りでしのいできた三重にとっては、浮き足立ちかねない痛い失策だ。そして、迎えるは打線の中軸である。球場内の空気が再び不穏になる。だが三番中川は三振。ツーアウトとなる。そして、打席に四番のイケメン藤原が打席に入った。
ちょっとタイブレークを見たかったけど、打つと思った。彼は、こういうチャンスに回ってくる巡り合わせみたいなものを持っている。そして、そこでド派手な結果を残すスター性みたいなものがあるのだ。去年の選抜決勝戦でも、2本のホームランをカッ飛ばして一挙に全国区の選手になった。ただの男前ではないのだ。

快音を残して、ドライヴの掛かった打球はグンとホップし、左中間に切れ込むようにして曲がりながら飛んでいった。そして、外野手の間を真っ二つに割って抜けていった。
1塁ランナーが疾駆してホームへ戻ってくる。
滑り込んだその瞬間、ゲームが幕を閉じた。
3ー2。大阪桐蔭のサヨナラ勝ちだ。

 

 
歓声が爆発して、やがて、ゆっくりとざわめきへと変わってゆく。

 

 
緑の芝生に照明灯の影が長く伸びている。そこに、夕暮れ間近の春のやわらかな光が降り注いでいる。
ゆっくりと腰を上げ、大阪桐蔭の校歌を背に球場を後にした。
いつ来ても、甲子園は素敵だ。

                   つづく

 

2018′ 選抜高校野球回顧 準々決勝

 
今更ながらである。
でも、今更だからこそ見えてくることもあるだろう。

例年なら『(@@)べろ酔い甲子園』と題して泥酔へべれけ観戦レポートを書いているんだけど、今年は色々あってついぞ書きえなかった。
色々って、何だったっけ(・∀・*)❓
あっ、そっか。この時期は麗しきカラスアゲハについて書き始めてて、アタマがΣ(×
×;)わいていたのだった。
そもそもがこの蝶、色んな人が色んな見解で分類しててシッチャカメッチャに錯綜している。それにも拘わらず、足を踏み入れちゃって立ち往生の脳内大混乱。いたずらに文章が止めどなく長くなってゆくと云う無間地獄に陥っていたのであった…(註1)。
アカン、のっけからの脱線だ。話を本筋に戻そう。

 

 
たしか1回戦とかは全然観に行けてなくて、いきなり準々決勝から3日連続通ったんだよね。
日付を見ると、観戦日は4月1日となっている。
あっ、エイプリルフールだったのね\(^_^)/
別にエイプリルフールだからって、何がどうと云う事はないんだけど、おいちゃん、ついプチ喜んじゃったよ。大概の人間は、こういうどうでもいい様な小んまい事に一喜一憂したりして日々過ごしているものなのだ。人生には多くの小さなアクセントとか句読点が必要なのである。でないと、誰しもがやっとれんだろう。

 

 
( ̄∇ ̄*)ゞあちゃー、全然記憶にないや。
取り敢えず残っている画像を見れば、ボチボチ試合内容を思い出してもこよう。相変わらずの無軌道無計画男だが、このまま書き進めることにする。

こうして対戦カードを見ると、感慨深い。
たとえ選抜でベスト8に残る実力があったとして、夏には来れなかったチームもあるんだなと気づく。この8つの中では日本航空石川、東海大相模、三重の3校が戻って来れなかった。たぶん序盤に破れ去ったチームならば、半分以上は戻って来れてない筈だ(註2)。
改めて甲子園への道は険しいんだなと実感するよ。

 

 
へぇ~、この日はバックネット(中央特別内野自由席)のチケットがまだあったんだね。しかも二千円だもんな。めちゃんこ安いわ。高校野球の魅力の一つは、このチケット代の安さにある。最大4試合まで観れて、この値段はコスパ最高のスポーツイヴェントでしょう。
それがさあ、この先の夏の大会になるとチケットは値上がりするわ、基本的に前売り制になるわで最悪。ふらっと来て『あっ、バックネット席あるやんかー、(^-^)vラッキー!』ってな事は、思えばこの選抜が最後になってしまった。
しかも夏には全席指定制になったんだよね。それって、席がガラ空きになっても移動できないって事じゃないか。世の中、適度なゆるさが失われて、どんどん息苦しくなってゆくばかりよ。嘆かわしい事やね。
値上がりはまだしも、チケットの販売方法を変えたのは完全に改悪だろ。むしろ入場できない甲子園難民を増やす結果になったと思う。オイラのような地元の者なら簡単に諦めもつくが、地方からやって来た人にはあまりにも酷な仕打ちじゃないか。高野連さんよ、その辺の事をちゃんと考えての制度変更なのかね?どうせ高野連なんて、自分たちの都合と金儲けの事しか考えてないんでしょうよ。

 

 
通路から観客席に入ると、突然目の前の視界がワッと開けた。この瞬間が堪らなく好きだ。
すり鉢状のスタンドとざわめく観客。バックネットの向こうに広がるグラウンドと駆け回る選手たち。後ろには巨大なスコアボードが聳え立っている。その上には、少し霞んだ眠たげな春の青空が天蓋の如く在る。そして、僅かな時間差を置いて耳に音の塊が飛び込んでくる。応援団の声援とブラスバンドの演奏だ。
甲子園には、いつ来てもゾクゾクする。特にバックネット裏からの光景は最高だ。球場に漂う独特の空気に一瞬にして包まれ、何だかジワッと全身を這い登ってくるものがあるのだ。これだけでも甲子園球場に来る価値は充分にあると思う。

 
第一試合は既に4回裏の東海大相模の攻撃に入っていた。スコアは1ー1。思った以上に日本航空石川が善戦している。

先ずは🍺ビールをグビッといく。
(≧∀≦)きゃひーん、朝から飲むビールは最高だね。性格が悪いので、働いている人、( ̄∇ ̄)ザマーミロと思ってしまうのだ。

 

 
画像を見ると、どうやらこの日の酒のツマミは紀文の「プリプリいか天」と「にせタラバ」だったようだな。
そうだ、ダイエー(イオン)が閉店していたから、仕方なく駅前のコンビニで買い物をしたのだった。
おっといけねー。にせタラバはオラが勝手につけた名前で、正式名称は「したらば」であったぞよ。
どちらもビールのツマミにはベリーgoodだ。プリいかは、中に刻んだイカが入っており、その食感のアクセントがごっつええねん。にせタラバは紀文の最高傑作だろう。プリでブリの食感と本物と見紛うばかりの蟹味。その完成度には驚きを禁じえない。たぶんタラバガニを食った事の無い奴にタラバガニだと言って食わせれば、『タラバって、メチャ旨いやん❗』と言う奴だっているに違いない。
ゆえに、まだ食べた事の無い人には先ずは基本のプレーンタイプをお薦めする。その驚愕のクオリティの高さを存分に味わうがよい。間違っても、ゆめゆめマヨネーズを中に仕込んだヤツなんぞを選ばぬよう。百歩譲って、それも旨い事は認める。しかし、邪道だ。何事においても入口と基本は大事。初めっからSMとか浣腸とか、ほにゃらら等の変態プレーに決して走ってはならない。そんな奴はロクな大人にならんぞι(`ロ´)ノ
思えば、岩清水八幡宮の帰りに京都ローカルのコンビニ『アンスリー』八幡市駅店で、この二つに出会ってから私の人生は大きく変わったのだった…。
ι(`ロ´)ノいかーん、また脱線暴走半島一人旅、ワケわかんねーモノローグが始まっちまうとこじゃったよ。
(  ̄ー ̄)軌道修正。

 

 
結果は、東海大相模がその後に追加点を入れて3ー1と勝利。
日本航空石川も頑張ったが、まあ順当な結果だろう。

 

 
第2試合は創成館vs智弁和歌山。
創成館は確か秋の神宮大会の準優勝チームだ。一方の智弁和歌山は甲子園常連の強豪校。好試合が期待される。

智弁の応援が始まり、人文字が揺れる。
智弁のブラバン演奏は好き。オリジナル曲も多いし、聴いていて楽しい。特にチャンスの時に流れる魔曲『ジョックロック』は、めっさ球場全体が盛り上がり、相手が浮き足だって逆転劇が起こる事が多い。魔曲たる所以じゃよ。

参考までに動画を貼り付けておきます。

 
聴けば、あっコレねと思う人も多いだろう。
そう云えば、過去に奈良の智弁と智弁和歌山が対戦した事があったっけなあ…。アレはとっても変な気分だった。グラウンドにいる全員が同じユニフォームで駆け回り、何が何だか分からなっちゃうし、微妙に違うとはいえ、両方とも白地に赤の人文字だし、どちらのスタンドからも『ジョックロック』が聴こえてくるんだから冗談みたくで笑ったよ。

試合は予想を越える激戦になった。
序盤は創成館がリードして、それを智弁が追いかけると云う展開だったが、中盤で引き離されて一時は5点差にまでなった。その後も智弁が点差を詰めれば、創成館が引き離すと云う目まぐるしい展開が続く。しかし終盤に智弁が盛り返し、最終回にとうとう同点に追いつく。延長戦に入って、創成館が1点を入れて勝利に近づくも、その裏に智弁が2点取って逆転サヨナラ勝ちと云う劇的な終わり方だった。
このシーンは流石によく憶えてて、両チーム絶体絶命の極面のツーアウト1、2塁だったんだよね。
そこで2年生の黒川くんが逆転の2点適時二塁打を放つのだが、打球が左中間の上を越えてゆく映像が今でも頭の中にハッキリと残ってる。彼はその後の試合でもチームを救う安打を打って大活躍したんだよね。そういえば、この日もホームランを1本打った筈。たぶん来年のドラフトにもかかるであろう良い選手なので、ほぼ出場の決まっている次の選抜も楽しみだ。

 

 
最終的なスコアは11ー12だった。
こういう取って取られての乱打戦の試合が一番面白いと思う。昔は緊迫した投手戦の方が好きだったけど、オジサンになると点がバンバン入る試合の方が退屈しなくて良い。球場も盛り上がるしさ。

 

 
いつ見ても、阪神園芸さんのグラウンド整備は素晴らしいやねー。中でも、この水撒きなんかは芸術的ですらある。当時のFacebookの投稿には、興奮していたのか奇跡の試合のあとの奇跡の水撒きとか書いてあったな。

 
第3試合は大阪桐蔭vs花巻東。
優勝候補の大阪桐蔭に、花巻東がどこまで食い下がれるかと云うのが試合の見どころだった。

しかし、序盤から大阪桐蔭の打線が💥大爆発。で、打ちも打ったりの結果は19ー0。
やはり根尾、藤原、柿木、横川、山田、中川とドラフト候補が目白押しのチームはポテンシャルが高いわ。
根尾くんは去年は主に投手と外野の二刀流だったけど、今年からショートとピッチャーの二刀流になったんだね。そういえば去年もショートを守った試合があったような気がするなあ。センスと身体能力が高いんだろね。
藤原くんは足の故障明けだったかと思うけど、所々でその類い稀なる走塁センスを見せてくれたような記憶がある。本来ならばシングルヒットのところを、野手の動きを見て、一気に二塁まで陥れたんじゃないかな?間違ってたら、ゴメンだけど。

 

 
第4試合は三重vs星稜。
試合は14ー9で三重の勝利。ナイターになった試合は8回に星稜が9ー9に追いつくという熱戦。しかし、9回に三重が一挙5点を奪って突き放した。
でも実をいうと、試合は殆んど観てないんだよねー。
なぜかっつーと、試合が始まってすぐにお迎えが来たのじゃよ。
誰かと云うと、❤SMのお姉さん❗
とゆうのは真っ赤な嘘でー。蛾好きの後輩くんです。
その彼と武田尾に春の三大蛾狙いでライト・トラップしに行ったんだよねー。

 

 
大の大人二人が人影の無い山中の暗闇で、夜中まで煌々と灯りを焚いて、一喜一憂しておりました。
野球あほうに加えて虫あほうって、ものすごく阿呆な気がする。

                   つづく

 
(註1)
気になる方は、拙ブログの『さまよえるカラスアゲハ』の回を読んで下され。
いや待てよ。もしかしたらこの時期に追い立てられていたのはホラー仕立ての『2017’春の三大蛾祭り』シリーズの執筆だったかもしんない。

(註2)
気になるので、ご丁寧にも調べてみた。
ベスト8以前に破れた28チームのうちで、夏に戻って来れたのは聖光学院、中央学院、日大三、慶応、富山商、近江、下関国際の6校だけだった。確率にすると、たったの約21.4%だ。しかも、記念大会で出場枠が2枠に増えた千葉の中央学院と神奈川の慶応は例年ならば出られていたかどうかは微妙だ。
ついでに言っとくと、ベスト8を含めた確率で計算しても36分の11だから、たったの30.5%しかない。
そう考えれば、大阪桐蔭の春夏連覇は凄い確率だった事がよく解る。マスコミに煽られた金農旋風に霞んじゃったけど、もっと評価されて然るべき偉業だと思う。
 

漫画やな、大谷くん

 
朝も早よから大谷翔平が先発というので、MLBを見ていた。
開幕から初ヒット、勝利投手、3試合連続ホームランときて、今度はどんな大谷翔平を見せてくれるのかと気になったのである。

まあ、そろそろ大リーグの洗礼を受けるんじゃないかと思ったら、いきなり三者三振でスタート。
それでも2巡目あたりの4回には捕まるんじゃないかと思ってた。
しかし、5回にも三者三振で、ここまでパーフェクトピッチング。6回も3人目の打者を三振に切って取って毎回の11奪三振❗( ; ゜Д゜)おいおいである。

6回辺りから球場も騒然となってきた。
大谷くんが一球投げるたびに、歓声やら溜め息が漏れる。観客が息を呑んで観戦しているのが手に取るようにわかった。
これはもしかしたらパーフェクトゲームをやっちゃうんじゃないかと思って、7回から録画ボタンを押しちやったよ。

もしパーフェクトゲームなんかやったら、漫画というか、漫画でも有り得ん事だ。💓ドキドキしてきた。

 
(画像 NHK BS1。以下全て同じ)

 
先頭打者には『あっ、打たれた!』と思った。

 

 
センターに抜けるかと思いきや、ショート正面のハーフ・ライナー。
益々、球場は騒然となってきた。おいおい大谷くん、もう伝説つくっちゃうのー(゜ロ゜;❓

 

 
しかし、次打者に三遊間にクリーンヒットを打たれてしまった。
ボールパークに大きな溜め息が広がった。そして、一拍間をおいて拍手が起きた。ここまでよく投げたねと云う温かい拍手だ。MLBのこういう雰囲気って、いいよね。

痛かったのは、2球めの外角低めのスライダーがボールと判定されたこと。あれがストライクになってたら、結果も違ってたと思う。その次に投げるボールが変わってた可能性があるし、打者が球種を絞り込めなくなってたからね。

 

 
その次の打者にはストレートのフォアボール。
しかも球が抜けて、明らかなボール球が続いた。

 

 
この回から、しきりとボールに息を吹きかけるようになったんだよなあ…。大リーグのボールは乾燥してるから、ボールが抜けやすいんだろね。後半になって球数が増えてきて、おさえが効かなくなったのかもしんない。

次打者はピッチャーゴロ。
しかし、ボテボテでダブルプレーは無理。ファーストに投げて、ツーアウト、二、三塁になった。
エンジェルスが6ー0とリードしているから勝ち投手にはなるだろうが、次なる伝説へと繋いで欲しい。ここは是非とも0点に抑えてくれと手を合わせて祈る。

しかし、この回5人めの打者に対してもコントロールが定まらない。抜けたボールがシュート回転して、全部外角にスライドする。
で、ツーストライク・スリーボールになった。あっ、今は日本でもスリーボール・ツーストライクと言うんだよね。昔から野球を観てきたものにとっては、いまだにこれには慣れない。
敬遠のボールを4球投げなくてもいいとか、何でもアメリカに追従するなよなー、日本野球(# ̄З ̄)

 

 
最後はスプリットで三振❗❗
スリーアウト、チェンジ。

 

 
これで、毎回奪三振の12個め。
今日はこのボールが良かった。MLBでは、このスプリット系のボールを投げるピッチャーが少ないから有効なのだ。古くは佐々木、最近までの上原、マーくんといい、活躍できたのはこのボールがあってこそだもんね。

 

 
ヒットを打たれちゃったから、大谷はこの回で降板のようだ。完封を見たいような気もするが、長いこれからのシーズンを考えれば正しい采配だと思う。

7回を投げて、球数91。被安打1。奪三振12。与四死球1。失点0。たいしたもんです。

 

 
チームメートにお辞儀する大谷くん。
礼儀正しくて、何だか微笑ましいよね。

3試合連続ホームランに、7回途中までパーフェクトピッチングで早くも2勝め。これだけでも、充分過ぎる漫画みたいな活躍だよね。
むしろパーフェクトなんかやらなくて良かったよ。やってたら、漫画でも有り得ん世界だ。そんな伝説をいきなりやってもーたら、翌日、交通事故で死ぬんじゃないかと心配になるよ(それはそれで永遠の伝説だけどね)。
それに次にやること無くなるやんか。変な周りからの期待も増大して、その分プレッシャーもかかるだろう(彼には無いかもしんない(笑))。

これからも夢を見させてね、大谷くん。
パーフェクトゲームの楽しみは、シーズン後半にとっておくよ。

                 おしまい

さらば、星野

 
昨日、3月10日(土)に甲子園で星野仙一の追悼試合が行われた。

 
(出典『デイリースポーツ』)

 
全員、星野が監督時代だった背番号「77」をつけてのオープン戦である。
この背番号は巨人のV9監督であり、打撃の神様とも言われた川上哲治への、星野のオマージュだ。
星野は中日の選手時代にエースナンバー「20」をつけて活躍し、打倒巨人に燃えに燃える男だったことは有名な話である。

この憎悪は1968年のドラフトに遡る。
当時、明治大学のエースだった星野は巨人のスカウトに1位指名すると明言されていた。
しかし、蓋を開ければ、巨人は星野ではなく、島野修(武相高校)を指名した。
『星と島の間違いじゃないか❓』という、その時の星野の語録が残っている。よほど悔しかったのではないかと思う。

この裏切られた一件以来、星野は巨人に対して異常なまでの敵意を持って挑むようになったと言われている。 

じゃあ、なぜに憎っくき巨人の川上の背番号を背負うようになったのかというと、現役を引退したNHKの解説者時代に、川上と一緒に仕事をするようになったのがキッカケであるらしい。
星野は川上に直接、なぜ自分を指名しなかったのか❓と訊いたそうである。
川上は直前にスカウトから『星野は肩を壊している。』と報告を受けて指名を回避したと答えたそうだ(実際には肩を壊してはいない)。
徳川家康、たぬきオヤジ川上のことだから、その言動は怪しいところだが、それを聞いた星野はわだかまりが一切消えたという。
以降、川上に監督術の薫陶を受け、77番を背負うようになったのである。

 
2002年、星野が阪神タイガースの監督に就任した時は期待した。
鬼と言われた星野が、腐ったぬるま湯体質の阪神を根本から変えてくれるのではないかと思ったのである。
そして、翌年の2003年には見事にチームにチャンピオンフラッグをもたらしてくれた。

ガキの頃から今に至るまで、生粋の阪神ファンだったけど、あの年は阪神タイガースにではなく、星野に恋していた。
鬼なんだけど、情のある指揮官だと云うのが俺たちファンにも充分に伝わったからである。当然、選手にはもっと伝わっていただろう。
優勝を決めた時、殊勲の一打を打った赤星をクチャクチャに抱きしめたシーンが忘れられない。

死のロードに連敗しまくった時は半泣きになったけど、それでも星野で優勝できなければ文句は一切無かった。男に惚れるとは、そういう事である。

でも、優勝してから監督をやめるだなんて卑怯だ。カッコ良すぎだ。
そうだ。優勝した翌日に、ファンへの感謝をスポーツ誌全紙にポケットマネーで全面広告をうったんだよね。とにかく粋な男なんである。
しかも、各紙違うコメントだった。益々、粋である。
そんなもん、絶対に惚れてまうで。

そういえば、往年の阪神のスター、田淵をコーチとして呼び戻してくれたのも嬉しかった。盟友とはいえ、それだけでも感謝だ。一生、田淵の縦縞のユニフォームは見られないと思っていたからね。
阪神タイガースというのは酷い球団で、生え抜きのスターを全盛期が過ぎたら、酷い扱いでクズみたいにチームから追い出してきた。田淵、江夏、掛布。みんなそうだった。
愛してはいるが、ホント、クソみたいな球団なのである。

考えてみれば、そもそも星野が当時広島カープに在籍していたアニキ(金本)を、勝つために半ば強引に引っ張ってきたのである。それが今やアニキは阪神の監督。星野がいなければ、金本監督の誕生は無かっただろう。そして、その金本がいなかったら、掛布の二軍監督も有り得なかったに違いない。
掛布の縦縞姿は、一生見れないと思っていたのだ。コレも嬉しかった。
それもコレも、結局は星野が監督になったからがゆえの流れなのである。

御堂筋の優勝パレードには行った。
力一杯手を振り、『ホシノー、有り難う❗』と叫んだのを憶えている。
このあと、神戸に行ってパレードをすると知っていたので、アタマを使って先をよみ、バスの駐車場に先回りしたっけ。
そうだ。で、席の一番前にいた星野さんが、バスが出発した時に、絶叫して手を振るオイラに向かって手を振り返してくれたのだ。
少なくとも、その場には西井さんとあと2、3人にしか居なかったし、オラが一番前にいたから、間違いなく自分に向けて手を振ってくれたのだと思う。

 
実をいうと、この文章は星野仙一がこの世を去った時の年始からずっと書こうと思って書けなかった文章だ。
各局で放映されていた追悼のドキュメンタリーは全部みた。その度に、アホみたいにダダ泣きした。
で、結局書けなかった。
そして、今日が書く最後のチャンスだと思って書いた。

 
(出典『デイリースポーツ』)

 
試合は、奇跡的に阪神側のスコアボードに「1001」の数字が並んだ。1001=仙一である。
きっと偶然だけど、そうは思いたくはない。
星野のメッセージだ。
試合結果はドロー。勝ちきれなかった。
星野の叱咤激励が聞こえてきそうである。

『おまえら、詰めが甘いんじゃ、ボケーッ❗』

それが星野さんの最後のメッセージだったんじゃないかと思う。
コレで選手が奮起しなければ、また万年最下位だ。
いや、そんな事はあるまい。コレで奮起しないでどうする。星野の顔に泥を塗るんじゃないよ。気合い入れていけや、ボケッ(#`皿´)

 

 

 
さらば、星野。

今年、阪神タイガースは優勝します。

 
                 おしまい

 
追伸
最後の笑顔はテレビ番組からのものだ(ご免なさい。どの番組かワカリマセン)。
とにかく、柔和な笑顔だ。子供のように屈託がない。
この画像を添付して、また泣いた。
なんて素敵な笑顔だろう。
人蕩(たら)しの天才だね。

星野さん、御冥福をお祈りします。
 

ベロ酔い(@_@;)甲子園2017夏 準決勝(後編)

 
いやはや4ヶ月近くも間が開いての後編である。
この記事は途中まで書いてウンザリして挫折したものだ。何せ長いんである。長く辛い道のりを想像して、ついつい麓で一服してたらいつの間にか三年寝太郎化してましたあ( ̄∇ ̄*)ゞ。そんな気分だ。
今更だとは思うが、中途半端にしたままだと心のどこかに澱のようなものが溜まった感じで何だか気持ちが悪い。それに、コレを書かないと気分的に前へは進めないのだ。だから他の記事を書く気にもなれずに放擲して、ブログ的な記事は全部Facebookに載せていたというワケなのです。
クソ長くなりそうだけど、頑張って書くけんね。

🍺グビッ、🍺グビッ、🍺グビッ。
(≧∀≦)プハー。
やっば朝から飲むビールは最高じゃよ(^o^)v

取り敢えず枝豆からじゃい。
ん~、相変わらずビールとの相性はマストじゃよ。

気分が乗ってきたところで、第1試合の広陵VS天理の試合が始まる。
名門同士の対決はo(^o^)oワクワクするよねー。
歴史ある名門高校には思い入れみたいなもんがある。過去の試合とかがフィードバックしたりするのだ。プロレスとかF1とかと同じで、過去に因縁があるそういうヒストリー的要素のあるものが男子は好きなのだ。というか、何でもそういう図式にもっていきたがるのが男子と云う生き物の性なのだ。いつの世も男は過去、女は未来指向なのである。

斜め前のオッサン達の会話から、何と広陵は夏は10年振りの出場らしい。あれぇ~(゜ロ゜)、そんなに出てなかったっけー?
待てよ、って事はあの歴史的な試合、佐賀北との決勝戦以来って事じゃないか。確かあの時は広陵が圧倒的優勢に試合を進めていて、広陵の優勝はほぼ間違いないだろうと云う雰囲気が球場内に漂っていた。
でも佐賀北がミラクルを起こしたんだよね。8回裏に何と逆転満塁ホームランが出て、5ー4と試合をひっくり返してそのまま優勝したのだ。
打たれた広陵のエースピッチャーだった野村(現広島カープ)のひきつった表情が忘れられない。だって7回まではほぽ完璧に抑えていて、2安打とか3安打しか打たれていなかったのだ。
おー、そうだ。審判が明らかなストライクをボールと判定してからオカシクなったんだわさ。判定に対しての捕手の「えーっ(°Д°)!?」っていうリアクションも忘れられない。そういえばその時のキヤッチャーは、現巨人の正捕手小林だったんだよなあ。あれがもしストライクと判定されてたら三振だったワケだから、佐賀北の優勝は十中八九なかったと思う。甲子園ってホント恐いとこだよ。若者の心、ズタズタだわさ。

1回表 広陵から攻撃が始まる。
先頭打者がセカンドへの内野安打。二番打者が送りバンドで二塁にランナーを進める。
ここで早くも清原のホームラン記録に迫っている中村奨成が登場。いきなり盛り上がるやんかと思ったのも束の間、初球を中村が弾き返した。
嘘やん!、Σ( ̄ロ ̄lll)マジかよ❓
快音を残して打球が薄曇りの空に舞い上がった。ホームランになる角度としては理想的な角度だ。瞬間的に、お主やりおったなと思った。そのまま打球はグングン伸びていって、センターバックスクリーン左手に飛び込んだ。球場に一瞬どよめきが起こり、少し遅れて歓声が上がった。
このいきなりの結果を球場内で予想した者は殆んどいないだろう。34年間並ぶ者がいなかった1大会5本塁打という記録に、誰もがそう易々とは並べないだろうと思っていたからだ。オラだって、まさかだと思った。それを第一打席、しかもあろうことか初球をバックスクリーンに放り込むなんざ、誰が想像しよう。

3回裏 天理の攻撃。
連続ヒットで1、2塁とし、4番神野のスリーベースが飛び出し2ー2の同点となる。
好ゲームの予感だ。

それにしても、天理の応援っていいよねぇ。
昔ながらの曲が演奏され、何処かノスタルジックなのだ。
最近の甲子園ではお馴染みの『狙いうち(山本リンダ)』、『サウスポー(ピンクレディー)』、『紅(XJAPAN)』、『宇宙戦艦ヤマト』、『ルパン三世』、『海のトリトン』『タッチ』、『アメリカンシンフォニー』、『エルクンバンチェロ』などは一切演奏されない。ましてや今流行りの『アゲアゲホイホイ』なんて有り得ない。とにかくチャラチャラしてないのだ。
昔から殆んど曲目は変わってなくて、演奏される曲は『オーラ・リー(エルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」の原曲)』、『オブラディ・オブラダ(ビートルズ)』、『Our boys will shine tonight(高校野球の定番曲。立教大学の応援曲「セントポール」とは異名同曲)』の基本3曲だけ。
そこにヒットが出た時や得点が入った時に演奏される『天理ファンファーレ』と『ワッショイ(柳沢慎吾がネタでやる🎵ターッタ タッタラッタタッ(ワッショイ!)ってヤツだね)』が加わる。この2曲はあまりに有名だが、何と両方とも天理のオリジナル曲なのだ。それを色んな高校が真似したってワケ。

そもそもヒット曲やアニソン(アニメソング)が甲子園で流れるのはあまり好きじゃない。ヒット曲にはどこか違和感があるし、ルパン三世とか宇宙戦艦ヤマトが高校野球と何の関係があんねん?とか思ってしまうのだ。

とにかく天理高校の応援は智弁和歌山、早稲田実業の応援と並んで好き。全国大会常連のブラスバンドだから演奏も上手いしね。それにスタンドが紫色に染まるってのも良い。あの高貴な紫色、好きっす。
もしあんな色のパンティーをはいてるオネエチャンが目の前にいたら、オジサン、(◎-◎;)🎵メロメロメロ~です(by ボア・ハンコック)。

4回表。
広陵がショートのエラーで出たランナーを送りバントで進め、ツーベースで3ー2と勝ち越し。

4回裏。
天理は連続ヒットで1、2塁とし、スリーベースで3ー4と逆転。前評判はたいした事ないけど、やるじゃないか天理。益々面白くなってきた。

5回が終わってグランド整備が入ったので、朝にぎったワシ特製の🍙おにぎりを食うことにする。
今回は刻みスグキ(京都の伝統的な漬物)を混ぜこんだものだ。すぐきは発酵しててクセがあるから好き嫌いが分かれる代物だが、ワシは偏愛しとる。

旨いねぇ~d=(^o^)=b、この酸味が堪らんのだよ。
お子チャマにはワカランだろう大人のおにぎりでおま。何だかキリッと冷えた日本酒が無性に飲みたくなってくるよなあ…。
でも、こんなところでそれは無理というものだ。だいちこの場の雰囲気にはそぐわんだろう。ここはおとなしくビールで我慢じゃよ。

でもって、自分で焼いた玉子焼きも一緒にパクつく。鱧(はも)出汁を少しだけ入れて低温で焼き上げたものだ。勿論、ワシが真面目につくったものだから当然ながら旨いだすよ(^o^)v

5回表。
広陵の先頭打者は中村奨成。
球場内に記録更新の気運が高まる。しかし、そう易々とは打てんじゃろう。天知茂の、世の中そんなに甘くはないのだよ。多分、清原と並んでオシマイじゃて。
と思ってたら、打球はまたしても快音を残してセンター方向に飛んだ。前よりも高く舞い上がった打球はグングン延びてゆく。
これも打った瞬間に『行ったあー!』と思えるような打球だった。(゜〇゜;)マジかよ?
打球はレフト寄りバックスクリーン横、スタンド中段近くに吸い込まれていった。
一瞬、間が空いてから大歓声が上がった。そして、どよめきがさざ波のように球場内に広がっていった。
\(◎o◎)/あんびりーばぼー。嘘じゃろう?
(;゜∀゜)信じられん…。まさかそんな簡単に記録が破られるとは…。しかも2打席連続。しかもしかものこれでライトに2本、レフトに2本、センターに2本とホームランを広角に打ち分けとるやないけー。
(|| ゜Д゜)恐るべし、中村奨成!
いやはや甲子園の歴史の1ページに立ちあえた事に、万感の想いだわさ。オッチャン、心打ち震えたよ。TVとは違うワシだけアングルからの打球の残像が、瞼の奥にしかと刻まれる。
これで4ー4と試合はまた振り出しに戻った。面白過ぎるぞ、この試合(☆∀☆)!

スタンドを見ていると、打球の落ちた辺りがまだザワついている(スコアボードの選手名左端の下辺り)。
何だろと思って注視していると、なぜか警備員の周りを取り囲んだ人々がバシャバシャ写真を撮っておる。
あっ、そっかあ(* ̄∇ ̄)ノ、皆さん記念のホームランボールの写真を撮ってるのね。
そんな写真撮ってどないすんねん?サインもない見た目はただのボールだぞと思うが、ワシだって側にいたら舞い上がって写メを撮りかねんな(笑)。で、誰かに自慢しかねんな(笑)。所詮、ワシも根はミーハーなのだ。

6回表。
広陵、連続ヒット。そして、レフトがファンブルする間にランナーを2、3塁に進める。ここで再び中村に打席が回ってくる。
またホームランを打ったら、(◎o◎)ドえりゃあこっちゃになるぞと思う。もうレジェンドを超えたレジェンドだ。
しかし、残念ながら敬遠気味のフォアボール。
天理側としては、まあ満塁策は妥当だろうね。一観客としては(=`ェ´=)オイオイだが、これは批判には値しない作戦だろう。
その後、後続打者のセンターへのヒットがでて、広陵が6ー4と勝ち越す。

7回表。
広陵は再び満塁のチャンスを得て、中村が打席に立った。満塁だから今度ばかりは敬遠でけんじゃろうて。
そして、中村が走者一掃のツーベースを打ちよった。ホームラン2本に2塁打って、アンタどんだけ打つねん(|| ゜Д゜)?
これで9ー4と差が開いてもうた。
頑張れ天理!、諦めずに反撃してけろ。そして、もっと試合を面白くしてくれ。

7回裏。
天理、安原のレフトへのツーランホームランで9ー6とする。
そうじゃ、打ったれ!、打ったれ!
乱打戦は観てる方としてはいっちゃんオモロイんじゃ。そして、酒もすすむのじゃ(*`Д´)ノ

9回表。広陵の攻撃。
丸山、ライトへダメ押しのソロホームラン。10ー6。
さらに中村が2塁にランナーをおいてセンターへタイムリーヒット。\(@_@;)/どんだけぇ~。
その後もタイムリーヒットが出て、12ー6となる。
終わったな…、天理。

9回裏。天理の最後の攻撃。
ノーアウト満塁から連続タイムリーで12ー8と点差を縮める。天理側の応援が俄然盛り上がってくる。
(*`Д´)イったれやあー、天理!
ワシャ、どっちも応援しとるけど、どっちも応援しとらん。試合が盛り上がって面白くなったら、それでエエんじゃあ~。

ここでピッチャー交替。
しかし、押し出しのフォアボールで12ー9となる。不穏な空気がグラウンドに立ち昇る。
魔物やで~Ψ( ̄∇ ̄)Ψ、甲子園の魔物がヒタヒタと忍び寄ってきとるでぇ~。最終回、ちよっとしたキッカケで甲子園の魔物に呑み込まれてゆくチームは多い。プロ野球ではありえん展開が起こるのが高校野球なのだ。ドラマチックの嵐。それが高校野球における一番の醍醐味じゃろう。
これで3点差。しかも尚もノーアウト満塁である。ここでもし一発でも出れば、逆転満塁さよならホームランじゃわい。中村の記録も含めて、それこそ二重に歴史に残る伝説の試合になる。ゾクゾクくるじゃねえか。想像したらブルッときた。
わりゃ、死ぬ気で打ったれやあー(*`Д´)ノ!!!

だが、後続が続かずツーアウトになってまう。
( ̄▽ ̄;)あちゃー、で、最後はスライダーにあえなく空振りの三振でゲームセット。大どんでん返しは起きなかった。
とはいえ、見応えある試合で楽しませてもらったよ。
名門・天理、また来年も来いよな。
あっ、そういえば来年は第100回の記念大会だな。群雄割拠の梁山泊、出来れば甲子園常連の強豪校と名門復活の古豪が集結して欲しいよなあ。そこに突如勃興してきた新進強豪チームとか無名ノーマークのミラクルチームなんかが絡んでくると最高だよね。

ブキーッ(≧∀≦)
好い試合だったので、ついつい酒がすすんでしまったぞなもしー。第1試合が終わったところで、既にビールのロング缶2本と酎ハイロング缶1本を飲んじまっただよー。ベロ酔い(@_@)クソ男、エンジン全開!

準決勝の第2試合は、花咲徳栄(埼玉)VS東海大菅生(西東京)の関東同士の対決だ。
確か徳栄は菅生に練習試合でボコボコにされたんだよね。でも、練習試合の結果ってあんまりアテにならんからなあ。

いつの間にか観客が結構減っている。お目当ての中村奨成と地元関西の天理の試合が終わったからだろう。
正直言って関東の高校は関西ではあまり人気がない。例えば今年だったら、早実の清宮とか余程の話題性があるような選手がいないと客は入らないのだ。多分、関西人には無意識に東京を中心とした関東に対しての反感がどこかにあるのかもしれない。
しかし、ベテラン(笑)の高校野球ファンとしては、最近はそこんとこはあまり気にしてない。何よりも好い試合が観たいのだ。正直、基本的にはどっちが勝ってもよろしというスタンスだ。もう片方に入れあげるほど若くはないのだ。
とはいえ、一応最初はどっちかには肩入れしておこうとは思う。でないと、単なる傍観者になってしまう。当然、どちらかに片寄って応援する楽しみもあるのだ。但し、最近は観戦中に応援するチームがコロコロと換わるケースも多い。オジサンは無節操。寝返るのは当たり前の卑怯者なのである。
さてさて、今回は取り敢えずどっちを応援すっぺか。

このカードも好試合が期待される。花咲徳栄も東海大菅生も良いピッチャーが二枚ずついるし、両校とも打線は強力だ。練習試合の結果はともあれ、自力は互角とみてエエじゃろう。
う~ん、強いて応援するなら東海大菅生かなあ…。
水色の地にストライプの東海大のユニフォームの方がカッコイイからだ。特に応援するチームがない場合はユニフォームがカッコいいチームを選ぶ。もしくは校名がカッチョよかったり変わってたりする方を選ぶ。あと、都道府県でも選ぶかな…。
茨城と沖縄だったら、当然沖縄のチームを応援する。沖縄の海と風土が好きだからだ。茨城と北海道だったら、当然北海道のチームを応援する。北海道の風景と食いもんが好きだからだ。茨城と鹿児島だったら、当然鹿児島のチームを選ぶ。食いもんが旨いし、美人が多いからだ。
茨城の人、m(__)mごめんなさい。『ひよっこ』は好きだったし、鮟鱇(あんこう)鍋が旨いことは食べて知ってるけど、これはあくまでも個人的な見解であり、比較の結果なのであって許されたし。魅力のない都道府県最下位の常連とか、納豆が大嫌いだとか、ろくな蝶がいないとかは関係ないとです。重ねて言う。これはあくまでも個人的な見解であり、比較の末の結果なのであって、茨城県民よ、広い心で許されたし。

だいぶと外野席にも空席が目立ってきた。
レフト側からライト側センター寄りへと移動する。

外野席は上に行けば行くほど風が通るのだ。
さあ、本日4本目となるロング缶のレモン酎ハイに突入しようではないか。
ふぃ~(@_@)、だいぶ出来上がってきたなりよ。

1回裏、東海大菅生の攻撃。
2死2、3塁でワイルドピッチで1点先取。さらに2ゴロエラーで1点追加。0ー2。

2回表、花咲徳栄は1死2、3塁で2ゴロの間にランナー生還。1ー2とする。

2回裏、菅生は1死3塁からセンター前ヒットで1ー3と再び2点差となる。

3回表、花咲、2死満塁で3塁強襲2点適時打で3ー3の同点。

その裏、菅生は2死1、2塁とし、右翼線へ適時2塁打が出て3ー4と再びリードを奪う。
花咲もすかさず4回表2死2塁から左翼線適時2塁打が出て4ー4に追いつく。

いやはや2試合目も好ゲームで面白い。やはり準決勝ともなると、淘汰されて実力の拮抗した強いチームが残るだけに好試合になりやすいね。高校野球ファンの間では、この準決勝が一番面白いと言われるのも納得だよね。

5回が終わったところでまたしても移動。さらに上の段で陣取ることにした。
浜風が心地いい。心地がいいので、本日最後のビールに手をかける。
5本目である。阿呆だ。ベロ酔い(@_@)甲子園、最高潮じゃよ。( ☆∀☆)赤眼ギトギト酔眼光線ビーム発射!

上に行けば行くほど当然グラウンドから遠くなるが、より俯瞰的に見られるから、これはこれで見ていて楽しかったりする。

6、7回と試合は動かない。
空席が目立ち始めたので、より風が通る所を求めてさらに移動。甲子園漂流の民は、安住の地を求めてやまないのだ。

フェンス際、カップルの後ろに陣取る。
ワシもイチャイチャしたいのぉー(≧∀≦)
若いオネーチャンを連れてきて、✖✖✖✖したり、✖✖✖✖✖なんかもしたりなんかして、Ψ( ̄∇ ̄)Ψゲヘヘへー…。
アッカ~ヽ( ̄▽ ̄)ノ~ン、脳内想像がエライ事になっとる。酒毒の回りすぎじゃ。

8回表、ようやく試合が動く。
花咲徳栄は2死満塁のチャンスから岩瀬が左翼線2塁打を放ち、6ー4と勝ち越した。

9回裏、東海大菅生の最後の攻撃。
1死1、2塁と1打同点のチャンスが巡ってくる。
おー、最後に盛り上がってきたよーd=(^o^)=b
イケイケドンドン、イテこましたれやー(#`皿´)!

ショートにやや強い打球が飛んだ。しかし、飛んだコースは真っ正面。一瞬、打球が速いだけに6ー4ー3のダブルプレーでゲームセットだと思った。
( ̄□||||!!アチャー、けどショートが弾いてコンコロリーン。Σ(´□`;)ありゃりゃりゃー、どこまで行くのー?打球は転々とセンターまで転がってゆく。
蹴ったん?蹴ったんちゃうん?でないと、あっこまで中々いかへんぞ。
当然その間に一人はホームに還ってくるだろうが。二人目もホームを狙うのか?
わおっ!、ホームに向かって走っとるやないけー。
💓ドキドキする。クロスプレー必至じゃよ。
ランナーがホームに滑り込む。微妙なタイミングだが、この遠さからではアウトなのかセーフなのか断定できない。ジャジに息を呑む。
審判が激しくセーフのゼスチャーをした瞬間に怒濤の喚声が上がった。ランナー、二者還って同点!!
球場、o(^o^)oバリ盛り上がってまんなあ。

いやはや、それにしてもやっちゃいましたなあ、ショートくん…。タイムリーエラーじゃけぇ。あれほど派手に弾いたら、そりゃ1塁ランナーまで還って来るよ。
あー、コレでもし花咲徳栄が負けたら、完全にA級戦犯だな。高校生には酷だよ。若者の心、ズタズタだね。その後の人生に大きな翳りを投げかけ、「オラなんて、どうせいつだって大事な時にやらかすダメな奴なんだ…」と、一生トラウマになるやもしれぬ。
でも、スコアボードを見やると、あらま( ・∇・)、Hのランプが灯っとるやないけ。そっかあ…、公式記録員も気を使ってんだね。前途ある高校生が傷つかないようにという配慮なんだろな。強襲ヒットとしておけば、少なくとも本人に言いワケできる余地があるもんね。
しかし、オッチャン言わしてもらうでぇ。悪いがアレは明らかにエラーじゃよ。その辺の事は本人が一番よお~く知ってるとは思うけんどさ。まあ、ショートの岩瀬くんはさっき勝ち越しのタイムリー2点打を打ってるんだから、これでチャラといえばチャラだから問題ないか…。いや、無理だろソレ。
高校生よ、前を向いて歩いていこう。

10回裏、東海大菅生は2ツーアウト2塁のチャンスを迎える。ここで点が入ればサヨナラ勝ちである。
岩瀬くん、『オラのせいだべー』と泣きじゃくるかもなあとぼんやりと思ってたら、ゲッ(|| ゜Д゜)!、三遊間にヒット性の打球が飛んだ。コレを捕れなかったら、間違いなくA級戦犯確定じゃけぇ。
思わず声に出して叫んだ。『岩瀬、捕れーっ!』
彼は、横っ飛びに打球に喰らいついた。天国か地獄か、ここがキミの人生の大きな分岐点じゃよ。死ぬ気で捕ったれやあ!
大歓声の中、彼は倒れ込みながらギリギリで打球を掴み、素早く立ち上がってファーストに遠投する。その球の行方を誰もが息を呑んで見やった。
1塁塁審の手が挙がる。アウーット!
(ToT)よかったのぉー、岩瀬くん。コレでエラー帳消しじゃね。ようやった。

もう、どっちか片方を応援するとか云う気持ちはとっくに失せている。正直どちらにも勝たせてやりたい。
こうして手に汗握るような試合を、今この瞬間に観戦できている幸せにじんわりと包まれる。

11回表。
ピンチを脱した花咲徳栄は、2死1、2塁のチャンスにライトオーバーの2点2塁打で勝ち越し。さらに振り逃げで1点を加えて9ー6と勝利をグッと手元に引き寄せた。
そして、11回裏東海大菅生の攻撃はあっさり終わり、ゲームセット。

薄曇りの空に目をやり、腰を上げた。
💫ふらふらのベロ酔い(@_@)じゃよ。
いつ来ても甲子園は素晴らしい。
そう思いながら、酔いに委せて急な階段を足早に駆け降りた。

                 おしまい

 
追伸
ブログが4ヶ月近くもあいたのは、ひとえにこの長さにある。書いても書いても終わんないし、そのうち決勝戦が終わって何日も過ぎてしまい挫折。U18ベースボールワールドカップに中村奨成が選ばれたので、また書き始めるも、その中村奨成が絶不調で再び書く気が失せて挫折。まあ、そんなワケで今に至るのである。つまり、この文章は元々中村の事を書きたくて書き始めたと云うワケなのである。だから書くのを第1試合だけにとどめておけば、こんな風に頓挫はしなかった可能性大でありんすよ。

因みに中村奨成の甲子園での成績は、28打数19安打。打率6割7分9厘。打点17と合計43塁打は大会新記録。この大会で放った19安打と2塁打6本は、大会タイ記録。凄いね。
でも、U18では木のバットのせいなのかサッパリワヤの成績だったから、本当の実力はよくワカンナイ。金属バットでの成績はアテにならんところがあるし、今大会は飛び抜けてホームラン数が多かったから、飛ぶボールを使用していた疑いもあるしね。
まあ足も速いし、守備(特に肩)は一級品だから、真面目にやればプロ(広島カープにドラフト1位指名)でも早めに活躍の場を与えられるかもしれない。でもカープには有望な若手キヤッチャーが結構いるからなあ…。
とにかく頑張って活躍してもらいたいものだ。甲子園で活躍した選手がプロでも活躍している姿は観ていて喜ばしいもんね。