『西へ西へ、南へ南へ』第8話

蝶に魅せられた旅人アーカイブス
2012-08-09 21:07:59

段々、ライヴ配信ではおっつかなくなってきた(当時の原文のまま)。

   ー捕虫網の円光ー
 『西へ西へ、南へ南へ』

(第六番札所・🐍スネーク・パニック)

2011年 9月13日

クーラー無しでは、矢張り夜を越えられなかった。
あまりの寝苦しさに起きた。
コイン投入。温度を激下げにしてやった。
これで切れても、しばらくはもつだろう。

午前7時にアラームが鳴った。
シコシコと文章を書く。
8時に半分やっつけで書き終わる。
用意をして、レンタルバイク屋に電話した。
9時にオープンらしいので、行く旨を伝えて、トラップ作りを開始する。
昨日、帰りにスーパーでバナナと焼酎は購入済みだ。

目星をつけていたサンドイッチ屋で、こだわりカツサンドと玉子たっぷりサンドを買い、レンタルバイク屋に行く。

9時15分。
危ないところだった。焦れて帰るオババを外ですんでのところで捕まえた。
あまりにサンドウイッチがうまそうなので、その場(喫茶室)で半分食ったのが、まずかったね。

24時間 1200円。安っすぅ❗
取り敢えず、2日分の料金を払った。

借りたメットが髑髏でカッコイイ。
オババに不良宣言をして出発した。
長竿B・Jを袈裟懸けして走っているので、気分は佐々木小次郎。サムライみたいでカッチョいい。

やっぱり、原付といえどもバイクは好きだ。運転していると、自然と笑みがこぼれてくる。

今日の狙いは、アカボシ、アマミカラスそれぞれの♀である。基本的にどんな蝶でも♀を採るのは難しい。偶然に頼らざるおえない場合も多い。

【アカボシゴマダラ】

【アマミカラスアゲハ】

北に進路を取る。
和光ダメ、仲勝ダメ、本茶峠ダメ、赤尾木もダメ。
調べておいた産地の何処にもターゲットの姿はない。
不安が走るが、一応♂はそれぞれ完品をGETしているので、焦燥感はさしてない。偵察と思えばよい。バイクを走らせているだけで、今は気分爽快なのだ。
とにかく、蒲生崎を目指そう。

半島に入ると、左手に海が見え始めた。
やっぱり奄美の海は群を抜いて美しい。
ブルーが層になっている。
快適なドライブになった。

手前の手花部で、アマミカラスが目に入った。
バイクを急遽停める。
有名産地どころでは、殆ど姿さえ見なかったのに案外いる。
先日他界された、「閻魔(えんま)」とも称された蝶採り名人・田中さん譲りの赤ネットは、ここ奄美でも絶大の効力だ。アゲハたちが、ザンザンに寄ってくる。
立て続けに3つ採る。空中で綺麗に仕とめるのは気持ちがいい。

2時には出ようと思っていた矢先、横を通過しようとした白い乗用車が急制動で止まった。

事態にチヨットだけ緊張した。
降りてきたのは小太りの中年男だった。
明らかに虫屋の匂いがした。
話しかけられる。
だが、滑舌が悪くて半部以上は何を言ってるのか聞き取れない。何とか聞き取れたお名前は、谷村さん。奄美在住の虫採りのプロらしい。
いきなり、アカボシの♀を千円でどうだと言われた。
基本的に金を出して蝶を買う趣味はないから断った(業界では、蝶を買うのは一般的に普通です)。
勘違いしたのか、笑うくらいに値段がどんどん下がってゆく。
(^。^;)だから、要らないって…。
悪い人ではないが、ちょいイタい人の匂いがした。
アカボシは、採ったのかと訊かれた。
yes。
幾つか?
5つ。
新鮮か?
yes。内、4新鮮。
買うか?
だから、要らないって( ̄ヘ ̄メ)❗❗

まあ、そう害は無かろうと、尋ねられたので電話番号を教えた。
そしたら、急に秘密の場所を教えてやるからついてこいと言い出した。
よくわからないが、ここから近いと言うし、ついてゆく事にする。場所を知っておいて損はなかろう。

あらら、着いたのは完全に民家横の私有地だ。
『バイクを隠せ、網を出すな!』と言われた。
大家が五月蝿(うるさい)らしい。
当たり前だ。君みたいな怪しい奴が勝手に敷地内に入ってきたら、俺だって即座に追い出す。いや、撃ち殺す❗

見ると、アカボシゴマダラの食樹であるリュウキュウエノキ(琉球榎)の立派な木が3本並んでいる。
蛹の脱皮殻も見せられた。すぐ横はミカン畑で、樹液も出ている。たしかに生息条件的には揃ってはいる。

今日は採り尽くしたから、もういないかもと下卑た笑いをして、『このポイントは黙っててね。』と言い残し、彼は程なく去って行った。
こんな面倒な場所教えるか、バーロー(*`Д´)ノ!!

一応、5分いた。
天敵の犬にも吠えられだしたし、長居は無用だろう。不法侵入で通報されたらエライ事だ。
当初の予定通り岬を目指すことにした。

蒲生崎に向かう林道には、いっぱいアマミカラスが飛んでいた。
何だよ、苦労してわざわざ本茶峠まで越えたのに…。ちえっ、拍子抜けだ。
おまけにここのはみんなへなへな、ふわふわ翔びである。楽勝だ。綺麗なものだけを選んで採る。

ゲロッ(;゜∇゜)❗
看板を見つけた。
リアル過ぎる看板だ。
『この辺りは毒蛇(ハブ)が多い。』
って…、モロやん(^_^;)

午後3時にポイントに着いた。
早くもアカボシ2頭がテリトリーを争って追いかけっこをしている。
昨日の場所よりも明らかに敏感で翔ぶのも早いが、止まってくれればそのうち何とかなるだろう。
谷村さんは、蒲生崎なんて今はおらんよと言っていたが、数は結構多い。あんた、ホントにプロかよ❓

だが、食樹が見つからない。
取り敢えず、♀採りの為にパンストに詰めたトラップを良さげな樹にかけて回る。

アカボシゴマダラが快晴の空をバックに滑空する姿は、本当に素晴らしい。
赤が思った以上に鮮烈で、南国の澄んだ青空にスゴくあう。

ジャンジャン、シバいてやった。
全部で16頭。内、♀1頭。
アマミカラス15頭。内♀1頭。

♀は、悲しいことに両方とも新鮮なのに、片方の後翅がザックリと欠けている。多分、鳥にやられたんだろう。

5時半撤退。
帰り道の林道だった。

アギャッ((((;゜Д゜)))❗❗❗
思わず声に出し、悲鳴をあげた。
キキ━━ッ💥❗
急ブレーキをかけ、天然記念物・特産アマミノクロウサギみたいにバイクごと飛び逃げた。
うわっちゃー!Σ(×_×;)❗
ホンマもんのハブデービル(註1)やん❗❗
Σ( ̄ロ ̄lll)凍りついたが、恐る恐る振り向くと既に轢死している。
それにしても、想像以上にデカイ。
ブルッときた。武者震い。
ヤバすぎ。充分、大蛇でオロチ様だ。
しっかり、あの看板のすぐ近くだった。
( ̄▽ ̄;)……あう。
ヘ(・・ヘ)。。。。。。退散。

長く伸びた影を従えて走る。
今度は右手に海が見える。

ほぼフルスロットルで飛ばす。
何人(なんぴと)たりとも抜かせない❗
寧ろ、歩道を使って車も何もかんも牛蒡抜きじゃい!!
乗れてるワシをナメとったらあかんど、ワレ━━。
行きの約半分の55分で、宿まで帰ってきた。

部屋で携帯を見たら、谷村さんから着信が3回もあった。
留守電を聞いてみたら、グズグズ、ボソボソ、グダグタ…。何を言ってるのか全く理解不能。おまけに異常なまでに長いロングメッセージ。
やっぱ、この人イタい。

今日も脇田丸へ。
座って直ぐに谷村さんから電話があった。
明日は、どうするか?と訊かれたので、今日教えて貰ったとこに行くと適当に答えたら、ぼく午前中に行くから午後に行ってと言われた。
アホか、あんたの後だと意味無いじゃん❗ 誰が行くかっ、ボケ(# ̄З ̄)‼‼
長くなりそうだったので、半ば強引に電話を切った。下手に付き合ってるとエンドレス必至だ。

今日もアバス(ハリセンボンの唐揚げ)を頼む。
やっぱり絶品❗❗
他にはアカフエダイの刺身(あっさりしていて、上品)。

島の野生の猪(これは❌、固くて血の味がする。処理の仕方が悪いんだろう。)。等々…。あと記憶なし。

また痛飲。
お代は、1270円。
(;゜0゜)何じゃそりゃ⁉の金額。

今日も月が冴えざえとして、美しい。

                 つづく

追伸
 久々の、捕虫網の円光『西へ西へ、南へ南へ』。
今回はあまり文章に手を入れずに済んだ。だいたいにおいてテンポのいい文章はなおさなくて済む。というか、下手に入れると悪くなるから手を入れにくいのだ。

【註1】ハブデービルやん!
ハブデービルとは、沖縄限定で放映されていたローカルヒーロー番組『琉神マブヤー』に出てくる敵方の首領のこと。結構ボケをカマすし、お茶目なところがあって愛すべき怪人。
何でハブデービルなんかが出てきたのかというと、この年の夏には沖縄本島に蝶採りに行っていた。その時にマブヤーを初めて知って、完全にハマったのである。車を運転中にラジオをかけてたんだけど、よくこのマブヤーの主題歌が流れていて、完璧に覚えてしまったのだ。
だから影響を受けて、個人向けに配信していたその時の旅行記(ブログにはアップされてない幻の沖縄・真夏編『ニライカナイの女王』)には、ふんだんにマブヤーネタが散りばめられていた。って云うか、歌の歌詞は出てくるし、沖縄の方言てんこ盛りの捕虫網の円光だったよなあ…。かなりハチャメチャで面白かった記憶があるから、探して読もうっと。
とにかくそんなかんなで、この時もまだ自分の中では琉神マブヤーブームが続いていたのだろう。

🎵琉神、琉神マブヤー
🎵正義のヒーロー、マブヤー AH~
🎵チャッチャーチャララッチャーチャーチャー
🎵チャッチャーチャララッチャーチャーチャー
🎵ウチナーがあぶない デージ超やばい
🎵悪のマジムンやあ~ってくるぅ~
(でーじなとーん❗)
🎵ティーダの力で平和を守るんだ
🎵アチココーのハートで勝利をつかめー

あは(´▽`;)ゞ、全然まだ歌えるやん❗

ほろ酔い甲子園 2017春

昨日は選抜高校野球の準々決勝に行っていた。
実を言うと初日にも行っていて、文章も書こうと思っていたのだが、WBC(ワールドベースボールクラシック)の方の記事を優先させたりもあってと、ついぞ書く気を逸してしまった。

スコアだけではわからないけど、内容的には色んな事があったから結構面白い試合が多かった。
続きを読む ほろ酔い甲子園 2017春

むしむし展示即売会 2017’春

昆虫の展示即売会に行った回の続きです。

え~と、前回は本来書くべき事から脱線してしまい、そのまま終わってしまいました。理由は脱線した地点から軌道修正するのが面倒になったからです。
オデ、オデ、バカだから、そんな文章力はないのである。

展示即売会に行った一番の目的はコレです。

『タイ国の蝶 Vol.3 タテハチョウ編』¥10000
これを竹さんに頼んでいたのだ。
何か知らんけど、定価の一万円よりマケてもろた。竹さん、ありがとう。
続きを読む むしむし展示即売会 2017’春

虫マニアはデビルマンの歌を歌う

先週の春分の日はむしむし展示即売会があった。
ようするに昆虫の標本や生きてる虫の展示即売会ってことね。


朝、10時半というのに既に結構な人混みである。
世の中において虫好きは超少数派であり、気持ち悪がられる最たる趣味の一つだろう。マニアック以外の何者でもない。
でも、いるところにはそれなりにいるのである。
にしても、年齢層が圧倒的に高い。ほぼ爺さん達だ。
そして、当たり前の事だが女性が殆んどいない。今時、こんな業界とか他にあるのかね(-。-;)❓

一瞬、盆栽とか苔マニアとかが頭に浮かんだが、これとて最近は若者の間で密かなブームらしいぞ。
ならば石マニアか❓でも、虫よりマニアック過ぎてよくわかんないや。

とにかく、女子にとっては最悪の趣味の持ち主だろう。きっと萌え系アニメおたくよか市民権は無いな。
もしワシが女の子にモテたい若い頃だったら、おそらくやってない趣味だ。もしくはひた隠しにしていただろう。

そういえば、若い男子で蝶が趣味の子がいたけど、彼女には隠しているとか言ってたな。

🎵だあ~れも知らない 知られちゃいけないー
🎵虫マニアがだあ~れなのかあー
🎵何も言えないー
🎵話しちゃいけないー
🎵蝶マニアがだあ~れなのかあー

🎵人の世に蝶がい~る
🎵人の世にカブトい~る
🎵この美しいものを 守りたいだけー
🎵今日もどこかで蝶マニア
🎵今日もどこかで 虫マ~ニア~

(by 『今日もどこかでデビルマン』替え歌)

(^○^)ハハハ…、その時にこのデビルマンのエンディングテーマを即興で歌ってやったんだよなあ。
相変わらず酷い男だよ。

それで思い出したんだけど、彼にはこんな質問もしてみた。

『もし、彼女に蝶マニアだということがバレてだな。「蝶をやめてくれなければ、アタシ別れる」とか言われたらどうする?キミは彼女と蝶とどっちを取るの?』

彼は一瞬躊躇するような素振りを見せたが、答えるまでには二拍も無かった。
『蝶です。』
キッパリとした答えだった。

解るよ、その答え。
俺だって、もう少し悩みこそすれ、答えは同じだ。
でも彼女よか蝶の方が大事って、それってどうよ❓(笑)

まあ、虫の魅力に取り憑かれたら、それくらい当たり前なんだけどね。

今さら冬の献立2 鯨三昧

今さらながらの冬の献立の第二弾である。
使わずにストックされている画像を見ると、アホほどある。多分、冬の献立という題名だけで何十話と書けそうだ。正直、ウンザリである。
しかし、書かないと画像はお蔵入りである。それもまた勿体ないような気もするので、それなりにボチボチ書いていきますわ。

去年の末、何かのイベントで買った鯨のハリハリ鍋セットです。たしか二千円ぐらいだったものが、終わり間際で千円くらいにマケて貰ったのだ。
店の名前は勇魚(いさな)だったかと思う。鯨の別名は勇魚だから記憶にあるのだろう。間違っている可能性もないではないが、とにかく高知にある店だった。

さてさて、大阪人大好きのハリハリ鍋じゃよ。
でも上の写真じゃ、肉の部位とか説明しにくいな。別な画像を貼り付けよう。

う~ん、何かこれも今イチだ。
というワケで、もう1枚添付。

これならよかですたい。
右上は尾ノ身。鯨の中では最も高級な部位とされ、脂たっぷりの霜降りロースみたいなもんですな。
左下の白いのが本皮。謂わば鯨の皮下脂肪ってとこ。
真ん中上のドス黒いのが赤身。
ここまでが売っていたハリハリ鍋セットである。多分、種類はナガスクジラだったと思う。真ん中左は、イワシクジラの刺身用の赤身。帰りに寄ったスーパーで、たまたまタイミング良く売っていたものだ。

鯨の肉といえば、流通しているのは主にこの二種類とミンククジラだろう。何れもヒゲクジラの仲間である。
因みにホエールウォッチングで有名なマッコウクジラはハクジラ類に分類され、一部の地域を除き食用にはされない。肉のクセが強すぎるからだそうだ。きっと獣(ケダモノ)臭が凄いのだろう。

鍋用の出汁がついていたので、それを土鍋に移して火にかける。
先ずは白ネギ、続いて水菜を投入する。ここからが勝負だ。水菜は茹で過ぎるとシャキシャキ感が台無しになる。30秒、好みによっては10秒で上げても可だ。だから、すかさず鯨も投与してゆかなければならぬ。
先ずは赤身。サッとくぐらせ、水菜と食す。やや臭みがあって、かたい。続いて本皮。結構脂っぽい。そして、尾ノ身。当然ながら美味い。
ここで、基本方針が決まった。赤身と本皮は一緒にして食って、尾ノ身はそのままで戴くことにした。

旨いからそこそこ満足なんだけど、強いて言えば肉が薄いかなあ…。その分、ちよっとかたい。もっと厚めの肉だと片栗粉をつけられるんだけどね。その方が肉がしっとりとしてジューシーに仕上がるのだ。

話は相前後するが、ハリハリ鍋をする前のツマミ軍団も鯨で攻めておりました。

👻オバケである。関東で言うところの「さらし鯨」だ。オバケとは関西特有の呼び名で、語源は尾羽毛だと言われる。尾っぽ近くの皮下の部分を茹でて脂抜きをして晒したものだ。
冷やして、辛子酢味噌で食べるのが一般的である。特別旨いもんではないが、わりと好きで時々食べたくなる。

鯨ベーコンも用意した。
鯨ベーコンは、畝須(うねす)という鯨の顎から腹にかけての蛇腹の部分である。縁は昔からなぜか食紅で染められている。見映えの為なんだろうけど、いつも別に無くてもいいんじゃないかと思ってしまう。

自分は基本的に辛子をつけて食う。醤油をつけても良い。試した事は無いけど、酢醤油なんかも合うんじゃないかな?

鯨ベーコンといえば思い出すのが、大阪は法善寺横町にある割烹の名店『美加佐』だ。
故高松宮殿下もお忍びで通われていたという店で、ここの自家製の皮くじら(鯨ベーコン)が死ぬほど美味い。カウンターの目の前にデンと塊であって、それを分厚く切って供されるのだが、日本一美味い鯨ベーコンと言っても過言ではない。それほど美味いのだ。

それにしても、まだ店有るのかね?
長いこと行ってないけど、親方は高齢の爺さんで病気持ちだったもんなあ。そういえば爺さん、いつも鬼嫁に厳しく叱られてたっけ…。
久し振りに行きたいけど、でも一人二万円だもんなあ…。今のオイラじゃ、とてもじゃないが行けそうにないや。

最後は鹿の子の刺身。

アゴ横辺りの肉である。
ハリハリ鍋セットを買った時に一緒に買ったものだ。
ブロック売りで、たしかこれもマケて貰ったんだよね。
千いくらかのものが、800円くらいになったかと記憶している。

冷凍したものを少し解凍して、薄く切り分ける。
カチカチだと切れないし、完全に解凍すると、ぶよにゅるで上手く切れないので解凍具合が難しい。コツはようは鮭のルイベの要領と同じだね。

生姜が無かったので、仕方なく生七味を添え、パクチーを飾る。

それを今回は醤油をつけて食べることにした。
ポン酢なんかも合うかと思うが、パクチーと酢というのが何かイメージが湧かなかったからだ。
先ずは薬味をつけずに醤油のみで食ってみる。

う~ん、美味いがかなり脂ギトギト。それに、ちよっと肉の臭みが感じられる。

次に薬味と一緒に食う。
わおっ(゜ロ゜)❗断然、美味くなる。
生七味が脂を緩和し、パクチーが臭みを消してくれたようだ。
そういえば、「美加佐」でも皮くじらにはパクチーが乗っかってたなあ。たまたま飾り物がパクチーしかなくて全く意図なく使ったが、奇しくもベストな組み合わせになった。

とはいえ、脂っぽいので厭きてくる。
というワケで、オン・ザ・ライス。

脂が熱々のご飯で溶けて、美味い。
これはサッと焼いても御飯に合いそうだな。

鯨は捨てるところが無いと言うが、今回ほぼ食用部分は登場したんじゃないかな❓
抜けてるのは、さえずり(舌の部分)くらいだろう。

あ~、でもコレ書いてると、無性に鯨カツが食いたくなってきた。

追伸
今思い出したけど、ハリハリ鍋といえば「鯨と水菜の鍋」に限定されると思われがちだが、実を言うとそうではない。正式には、鶏でも豚でも牛でも水菜と食す鍋は全部ハリハリ鍋なのだ。つまり、ハリハリは鯨を指す言葉ではなくて、水菜のことなのだ。
以上、ついでの豆知識でした。

『西へ西へ、南へ南へ』第7話

ー蝶に魅せられた旅人アーカイブス―
2012-08-09 00:18:25

ー捕虫網の円光ー
『西へ西へ、南へ南へ』

第五番札所その3 脇田丸

 

シャワーを浴びて、晩飯を食いに行く。
雨は既に上がっている。夜空を見上げると、雲間からもう星が瞬き始めていた。
南国のスコールというのはザッと降って、そのあとは急速に天気が回復するということが多い。その逆もまた然りで、晴れていたと思ったら、あっという間に空が暗くなってザアーッときたりもする。
だから天候を読むのは難しい。だが、嫌いじゃない。それもまた南国らしさと思えば楽しいものだ。

店が有りそうな方向に向かって歩く。
5分足らずで居酒屋を見つけた。

『海鮮居酒屋・脇田丸』。
名前の最後に丸とついてあるから、漁船を持ってる店か、もしくは昔、漁師をやっていたオヤジの店だろうか❓
勘で、入ることにする。こういう時は直感に身を任す事にしている。大概はそれで上手くいく。今までさんざんぱら飛び込みで店に入ってきているのだ。その経験値が有れば、そう勘は大きく外れない。

入ってみると、カウンターの手前に多種多様な魚たちが並べられていた。

当たりだ。
間違いなく旨いもんを食わせる店だろう。
アカボシゴマダラも採れたし、スコールを上手く掻い潜って宿に帰ってもこれたし、今日のオイラは冴えている。

当然の如くカウンターに座る。
一人旅ならば尚更のことだ。板前の人たちに色々と訊けるし、さみしさも少しは紛れる。

飲み物の注文を取りにきた店員に訊くと、やはり魚屋経営の居酒屋らしい。ちゃんと脇田丸という船も持っているようだ。

カウンターの隣に並べられた魚を物色する。
漁師経営ゆえ、地魚のオンパレードだ。

南国らしい派手な色の魚たちも並ぶ。
元ダイビングインストラクターだっただけに、南国の魚にも詳しい筈だが、ある程度予想はつくものの特定は出来ない。多分、死んだら体色が変わるものが多いからだろう。

メニューを開く。
(@_@;)何じゃこりゃ⁉
メニューにある名詞が理解不能な言葉だらけだじょー。さっぱりワカラン。

基本的にチャレンジャーな性格なので、あえて未知なるものを攻めてゆくことにする。
現地でしか食えない食材との出会いは、いつも新鮮な驚きを与えてくれる。好奇心を刺激されない旅なんてつまらない。

先ずは、刺身の盛り合わせ(690円)から入る。

ラインナップは地鰹、シビ(キハダマグロ若魚)、シマアジ、地蛸、ソデイカ、地マグロ。
美味い❗❗
やる(^_-)≡★ねっ。

お次は揚げ物でいこう。
揚げ物の項を目でなぞってゆく。
変な単語が目に入った。
(・。・;アバス❓
何じゃそりゃ⁉ 語源さえも想像がつかない。
考えても仕方がないので、すかさず板さんに尋ねる。

板さん曰く、アバスとは奄美大島ではフグの事を指すようだ。でも、トラフグは南の海には生息しない筈だ。となると、別の種類の食用フグなのだろう。でも南の海で食えるフグなんてあるのかね❓
気になるので重ねて尋ねたら、ハリセンボンだと云う答えが返ってきた。
ハリセンボン❓
それって、あのトゲトゲで、怒らせるとパンパンに膨らむ奴だよね❓ダイビングインストラクター時代に、よくオモチャにしてた奴だ。
そんなもんを食うなんて聞いた事がないし、それに食べるだけの量の身があるとも思えない。
ホントかよ(-。-;)❓

まあいい。百聞は一見に如かずだ。そのアバスとやらの唐揚げを頼む事にする。

d=(^o^)=bウルトラ絶品❗
歯を心地好く押し返してくる弾力、淡泊ではあるが、滋味あふれる旨みの奥深さ。下手な河豚よりも数10倍旨いぜ。
しかも、たったの390円だ。

三品目は、シマアジのカマの塩焼き(390円)。
この量とこの旨さで、この値段はオカシイだろうが⁉
(=`ェ´=)何か嬉しくて怒っちゃうぞっ。

四品目は、島雲丹(註1)。
こんな南の海で、食えるウニなんていたっけ❓

さばく前の本体を見せてもらった。トゲが白くて短い。何だか饅頭みたいな形をしている。
板さんが、夏場からこの時期にしか出回らない高級ウニだとつけ加える。

記憶が繋がる。
あーっ、これ見たことあるわ。そういえば、沖縄でも奄美でも水中に転がっとったわ。アレって食えるんだ。惜しいことしたなあ…。

やがて、殻付きウニが運ばれてきた。
普段目にするウニよりも色がかなり黄色い。
ちょい引くが、意を決してスプーンで掬い、人生初の島ウニを口に運ぶ。

ハッ(゜〇゜;)❗、美味いぞなもし。
鹿児島で食った阿久津の雲丹には劣るが、このクオリティーで690円は尋常な値段ではない。

思わず、黒糖焼酎・高倉30℃をボトルで頼む。

魚が旨いのは屋久島までだと思っていたが、認識を改めねばなるまい。

板前の兄さんに色々教えて貰いながらの談笑。
意識がどんどん溶けてゆく。

午前0時前、ヘベレケで撤退。
ボトルキープをして、支払いが5千円ちょい。
恐るべし、脇田丸❗彗星の如く現れた店だな。
頼む、大阪に支店を出してくれ!!
出してくれたら、毎日通う。

店の外に出たら、空はいつしか満点の星空になっていた。明日も晴れそうだ。
南国の生暖かい風が、そよと頬を撫でて通り過ぎていった。

 

追伸
結局、二回に分けた事により、オリジナルの文章に大幅に手を入れる事になった。組み替えもしてるし、加筆もかなりした。記事を移すのって思った以上に大変だ。

(註1)島雲丹
島ウニは地方名で、本当の名前はシラヒゲウニという。沖縄では7、8月の夏場に出回り、高値で取引されるらしい。
因みに本文に画像が無いのは、舞い上がって写メを撮り忘れたからです。
一応、ネットで検索した画像を添付しておきます。


(出展『ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑』)

『西へ西へ、南へ南へ』第6話

蝶に魅せられた旅人アーカイブス
2012-08-09 00:18

 
    ー捕虫網の円光ー
 『西へ西へ、南へ南へ』

第五番札所その2・流星レッドスター

 

市の職員二人が下から登ってきた。
リュウキュウマツ(琉球松)の調査だと言う。
確かに赤茶色の松が多い。こんな所にも松枯れの原因、マツノザイセンチュウがいるのか…。
詳しく訊いてみると、媒介を助けるマツノマダラカミキリと共に台湾から入って来たと説明してくれた。

カミキリムシの飛翔力ではこんなところまで翔んでこれるわけもない。多分、貨物の松材か何かに紛れて入って来たのだろう。
離島は外来生物が入って来ると、在来種が駆逐され、簡単に絶滅しやすい。そして、その原因のほとんどは人間様だ。

空を見上げる。
雲行きも怪しくなってきた。多分絶対、南国の雨の洗礼がやって来る。
もう一度だけ詔魂碑まで上がって駄目なら、とっと宿に帰ろうと決めた。体力もそろそろ限界に近い。

登ってすぐ、頭上に気配を感じた。
松の上空をアカボシが流れるように滑空している。
やっとテリトリーを張り始めた❗
鮮やかな赤がよく目立つ。

あたふたと網を組み立てる。
(~O~;)うわっ!、だが無情にもポツポツと大粒の雨が落ちてきた。(゜〇゜;)え━━━っ、 嘘やん!
畜生、スコールがやって来たようだ。慌てて樹下に逃げる。

OH~、神よ、毎度毎度のことながら、この期に及んでまたしても我に試練をお与えなさるおつもりか…。
一挙に状況は逼迫してきた。雨が止むのを心から祈るしかない。止まないのなら、惨敗決定だ。

思いが通じたのか、5分余りで再び晴れ間が顔を覗かせ始め、やがて光が射した。
と同時にアカボシも飛び始めた!!
南国の不安定な天気だ。再び雨が来る前に決着をつけねばならない。

採り方は、近縁の国蝶オオムラサキと変わらない筈である。ならば楽勝だ。網を正面からそっと被せればいい。落ち着いていこう。

しかし、オオムラサキと違って、そんなにバカ蝶じゃなかった。
枝先に止まるが、結構敏感で網を近付けようとすると直ぐに翔んでしまう。三、四度、同じ事が繰り返される。

(-“”-;)クッソ~、残された時間はそうないぞ。いつまた陽が陰り、雨がやって来るとも限らない。
えーい、もう今までみたいにゆっくりと慎重に網を近付ける方式は諦めた。
心頭滅却、ビシッといったるわい(`へ´*)ノ

目測およそ頭上約6m。止まって、一拍おくかおかないかのうちに反応して、間髪措かずに網先を走らせる。
(=`ェ´=)ウリャ!!、腕の筋肉がしなる。
バサリと正面斜めから網を振り被せ、そのまま強引に空間へと逃がす。そして、ホームランを打った時のフォロースルーが如く手から竿を離す。
決まった…。手応え充分の感触がある。
網先を敢えて捻らなかったので、風を孕んでふくらんだ網が真っ直ぐ地面に向かってスローモーションのように落ちてゆく。

地面に落ちたことを確認して、ゆっくりと歩いてゆく。
勇者の如く、まあまあ天才は急がない。

 

 
よっしゃーd=(^o^)=b、今度は完品だ。
手にとり、まじまじと見る。
ひょえ~、お美しい。

蝶採りは、こうでなくっちゃネ d(^-^)
ギリギリの勝負にしか、エクスタシーはないのだ。

 

 
その後、落ち着いて続けざまに3頭を加える事ができた。何れも完品のレッドスターだ。

午後5時半。本格的な強いスコールがやってきた。すんでのところで、公園の東屋に逃げこむ。

30分間待ち、小雨になった間隙を縫って宿まで急いで帰ってきた。
着いたと同時に、再び叩きつけるような豪雨がやって来た。

 

追伸
やはり、文章を二回に分けることにしました。
すんません。次回こそ、食いもんの話です。奄美大島の旨いもんテンコ盛りだすよ。

 

WBC2017 侍ジャパン準決勝 VS アメリカ

負けた…。
侍ジャパン、準決勝で散る。
(-。-;)ガックシだよ。

だから、正直なところ今さら文章を書く気にはなれない。
でも、やり始めた事は最後までやろうと思う。
というワケで、最後のWBC私的解説です。

え~と、最初に謝っておこう。
今まで結構ボロカス言ってきましたが、小久保監督、ごめんなさい。今日の采配は素晴らしかったと思うよ。負けたのは選手が活躍しなかっただけで、采配は的確且つ大胆だったと思う。

それでは順を追ってゲームの流れを解説していこう。
例によって画像はABC放送のTV中継をお借りしました。

日本の先発メンバーは以下の通り。

これが日本のベストオーダーだと思う。
だから納得だ。
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今さらながらの冬の献立1

春だが、今日は少し冬に逆戻りで寒かった。
そういえば冬の献立をほとんど紹介していなかった事に思い至る。せっかく写メも撮ったし、随時記事にアップしようと思う。

渾身の「茶振りナマコ」である。
大好きだから冬になれば最低一度はつくる。酒のツマミには最高なのだ。
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WBC2017 準決勝 オランダVSプエルトリコ

日本より先に一方の準決勝、オランダVSプエルトリコの試合が行われた。勝った方が決勝の相手になる。
もっとも、日本がアメリカに勝てばの話である。

1回表。オランダの攻撃。
プエルトリコのキヤッチャー・モリーナの二度に渡る活躍(好送球)でチャンスは潰えたかと思えたが、バレンティンのツーランホームランが飛び出し、2ー0と先制する。

その裏、プエルトリコもコレアのツーランホームランでやり返し、2ー2の同点とする。

荒れそうな試合だ。
それにしても、どちらも破壊力のある怖い打線だよ。
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