元旦はそれなりにお節っぽいものをつくった。
今や正月でも店は開いてるし、凧上げや羽子板、独楽回しをする子供たちもとんと見なくなった。
そういえば🍊ミカンを付けてる車も、気がつけばいつの間にか消えていた。
世の中、すっかり知らないうちに正月らしくなくなっているので、せめて食事だけでも正月らしくしようと思ったのだ。
【お雑煮】

アカン、これでは餅が隠れとる。
盛り付けを動かして、撮りなおし。

うちの家の雑煮は、澄まし汁である。
関西は白味噌の家も多いようだが、ウチがなぜ澄ましなのかの由来は知らない。
今度おかんに会ったら訊いておこう。そこには、何らかの知られざる物語があるかもしれない。
因みに、餅の他の具材は人参、里芋、せせり(鶏の首肉)。
せせりを入れたせいなのか、すまし汁が濁ったが、まあエエでしょう。正月からゴチャゴチャ細かい事は言いたくないっしょ。
えー、餅は去年の餅です。

当然、賞味期限など遠に過ぎている。
所詮は下品な胃腸の持ち主なのだ。少々の事では死なんやろ。
🎵もういくつ寝るとー、お正月~
お正月には餅食うてー、喉をつまらせ死にましょう
はーやく来いこーい、お正月~
不意にガキの頃に歌っていた替え歌を思い出す。
子供ってもんは、そもそもアホなんである。
あっ、肝腎なことを言い忘れた。
正月に雑煮を食うのには意味がある。
元来、餅は神様に捧げる神聖な食べ物である。それをお供えして、そのお裾分けを食うという風習がいつしか生まれたのであろう。
ついでに補足しておくと、お年玉の起源は餅だったそうな。古来は、それだけ神聖視されていたものだったというワケだ。
【数の子】

オジサン、数の子大好きー(⌒‐⌒)
この歯応えは、比ぶべきものが無い孤高の食材だろう。仄かな苦味もよろしい。
塩抜きが少々面倒くさいが、好きだからそれくらいは吝かではない。数の子が世の中から消えたら、おいちゃん、間違いなく泣くね。
数の子がお節に不可欠とされる由来は、子宝と子孫繁栄の縁起物とされるからですな。
【紅白なます】

と言いたいところだが、実を言うと嘘です。

これの正体は赤パプリカとセロリのマリネ。
食材を買いに行くのが面倒で閃いた苦肉の策。
ようは、別に紅白だったら何でもいいやと思ったからである。
紅白なますがお節にラインナップされるのは、紅白が慶びを意味し、白は神聖を表しています。
【たたき牛蒡】

細く長く地中に根をはる事からの縁起物。
家の礎が堅牢且つ永遠(とこしえ)に続くことへの願いだ。
作り方は、先ずはゴボウを棒でぶん殴る。無ければビール瓶などでブン殴るがよろしかろう。
それを10分ほど茹で、熱いうちに擦り胡麻、普通の白胡麻、醤油、みりん、酢少々で作ったタレにからめる。
勿論、まあまあ天才がつくったので、抜かりなしの出来。酒の肴にも御飯のお供にもなる。
【海老の旨煮】

久し振りの古伊万里様の御登場である。
豪奢なものには、それ相応の器が必要である。
海老は、腰が曲がるまで長生きして下さいと云う願いが込められている。髭が長いのも老人に掛けているようだ。
えー、腰があんまり曲がってるのもみっともないので、筋肉をある程度破壊した。海老フライをつくる要領と同じだ。
煮たった出汁に先ずは海老の頭だけを一つずつ順につける。で、ある程度アタマに火が通ったら戻す。
その後に全部ブチコミ、ソッコー火を止め、4分間ほど放置してから取り出す。カスカスの海老は許せない人なのである。
冷めたら、煮汁に戻し、冷蔵庫に一晩入れて味を馴染ませる。
一つ食って、そういえばパックに「寿」の飾りつけが付いていた事を思い出して添えてみる。

(-“”-;)安っぽい…。
何でこんなもんが付いてんだろ?
多分、その分のコストも上乗せされてる筈だ。
そんな要らんもんをつけるのなら、10円でも安くしろよな(*`Д´)ノバーロー!
【真ダラの子と昆布の炒めもの】

大量に余っていた真ダラの子を少しでも消費したいがゆえの一品。
オリーブオイルで炒め、醤油と酒で味を調整した。
意外と良い出来。
これも酒の肴にもご飯のお友だちにもなる。
由来を言っとくと、昆布がお節に使われるのは「喜ぶ」にかけたものだから。
【がめ煮】

がめ煮とは九州地方での呼び方で、一般的には「筑前煮」の方が通りがいいだろう。
普通の筑前煮の作り方だと、最初に炒めるのだが今回はパス。ノーマルな煮物にした。正月にギトギトは、らしくないだろう。
出汁は鰹昆布だし+乾燥椎茸の戻し汁。煮物が一番に気をつかうから、万全の体制で臨むのだ。
コツは具材を時間差をおいて茹でていくこと。
順番は小芋&生芋コンニャク。続いて人参。間をおいて牛蒡と椎茸。ある程度火が通ったら最後に蓮根、せせりの順に投与。茹でたスナップえんどうで飾り付けをして出来上がり。
因みに蓮根を最後の方に投与したのは、歯応え重視だからだ。
蓮根と里芋も縁起物。
蓮根は、穴が開いている事から将来の見通しが効くようにと云う意味。里芋は、小芋が沢山つく事からの子孫繁栄の願掛けだろう。
(о´∀`о)美味しゅうごさいます。
ほぼ完璧な仕上がりだ。
皆様、本年もよろしくお願い致しますm(__)m
追伸
お節定番の黒豆、栗きんとん、伊達巻、田作りなどが無いのはなぜ?と思われた方もいらっしゃるだろう。
しかし、酒呑みとしてはそういう甘いもんを好まない。ゆえに当然の如くラインナップから外したのだ。
まあ、わざわざ書かなくとも解ってたとは思いますけどネ(〃^ー^〃)