鯨ユッケ、怒りのヤキ入れ

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冷凍の「鯨ユッケ」なるものが半額になってるのを見つけた。

定価の¥248というのもクズみたいな激安価格だが、その半額なんだから、たったの¥124なんである。
安物の鯨の生なんてちよっと怖い。訝しくもなってくる。鯨じゃなくて、🐬イルカさんだったりしてね。
ならば糾弾批判の雨あられじゃね。
でも言っとくけど、生物学的にクジラとイルカの線引きは曖昧なのだ。ハッキリ言ってしまうと、大きいのはクジラ。小さいのがイルカと呼ばれているに過ぎない。
クジラは単なるデッカいイルカでっせーΨ( ̄∇ ̄)Ψ

とにかく百聞は一見に如かずだ。そんな事では、チャレンジャーの好奇心は怯まない。

解凍してパッケージを開けてみる。
ユッケのたれが付いている。
でもユッケのたれに良い思い出は、一度たりともない。大概はクソ甘いんである。
しかし、このクソ安いクジラの生肉に醤油のみをつけて食うのには、あほあほチャレンジャーといえども少々躊躇(ため)われる。激くさ糞マズが、ダイレクトに襲ってきたらと思うと、尻込みもしようと云うものだ。
それに袋に「水産庁長官賞受賞」と書いてあるではないか。ちよっとは期待してもよかろう。
でもなあ…、嫌な予感はするんだよなあ…。

取り敢えず安全策に逃げて、ユッケのたれをかけちまう。根性なしだ。
で、グシャグシャとかき混ぜる。
器に盛って、真ん中に窪みをつくって卵の黄身を乗っける。仕上げに白ゴマを振り、貝割れ大根を飾って完成。

肉がドドメ赤黒なのがやや気にはなるが、一応見た目は旨そうである。

先ずは卵を潰さず、端っこの肉をちょいと摘まんで食ってみる。

!Σ(×_×;)あっまっ❗糞マズッ(#`皿´)❗❗
肉が臭いとかマズとかじゃなくて、味付けがクソ甘くて全体の味を見事にブチ壊しとる。
(# ̄З ̄)なあーにが水産庁長官賞受賞じゃ!、ボケなすがっ❗

卵の黄身を混ぜて食べてみる。
(-_-)…。
何ら事態は改善しておらん。卵の黄身が下手したら甘さを補完しているのではないかとさえ思えてくる。
(-“”-;)死んでしまえばいいのに…。

今後ワシはユッケのたれとは、関係を断絶させて戴く。そして、生涯二度と邂逅する事はないじゃろう。

試しに七味をかけてみる。
ちよっとマシになっただけで、ことさら旨くなったワケではない。
(ー。ー#)死んでしまえばいいのに…。

次に山椒をかけてみる。
どんなものでもそこそこ何とかなる山椒でも味の改善は特にみられない。
(#`皿´)死んでしまえばいいのに❗

(ノ-_-)ノ~┻━┻💥とぅーす。
諦めた。

でも、所詮は¥124だと思えば冷静になる。
と思ったら、大間違い。
おどれ、たっぷりヤキ入れちゃるけーの❗
Ψ( ̄∇ ̄)Ψケケケケ、よっしゃー、オマエに改造手術を加えてやるわい。

鯨ユッケに胡椒を振りかける。
ナツメグも振りかける。
パン粉もパラパラ入れよう。
玉ねぎは荒微塵切りして、レンジで1分チン。
さあ、何をしようとしているかも見えてきましたね。
そう、鯨ハンバーグをつくるつもりなのだ。
しかし、調子に乗って残った卵の白身をブチまけて混ぜたら、ヌルヌルのズルズルになりおった(@_@;)

しかし、もう後戻りはでけん。
不幸な事に、冷蔵庫に他に肉はござらんのだ。だから、肉増量作戦もとれん。
頭を巡らせ考える…。

そのまま焼く事にした。
けんど、ヌルヤラ過ぎて絶望的に成形不可能。
えーい(*`Д´)ノ、どうとでもなれ、油をひいたフライパンに皿ごとダイブ。
べっちょり~(´д`|||)
ホント、マジに軟弱やらやら野郎なのである。
こんなもん、果たしてちゃんとひっくり返せるのか?
取り敢えず弱火でじっくり火を入れてゆく作戦をとる。ここは慎重に進めよう。丸焦げにしては、不幸の上塗りだ。

頃合いをみて、フライ返しをツッ込み、フライパンを傾けて(ノ`△´)ノどっせー、一挙にひっくり返す。

奇跡的に崩れずにひっくり返ってくれた。
とにかく最悪の事態だけは避けられた。

皿に盛る。

はははは(´ω`)、不味そうだ。
そもそもが決して旨そうに見えないビジュアルなのに、器の選択までも間違えると云う致命的にミスをおかしておる。こういうのを世間では、蛙のツラに小便、泣きっ面に蜂なんぞというのだ。
おでおで、死んだ方がマシ。

気を取り直して食ってみる。
味はついている筈なので、一応まずはそのままで。

(;・∀・)ふむふむ。
火入れは完璧、外カリカリの中ふわっ。

むー、決して旨いとは言えないが、そこそこ食える。
試しに醤油をちょいと垂らしてみたら、もっと食える代物になった。
一瞬、(*´∀`)♪小踊りする。
しかし、すぐにアホらしくなってやめた。
いったいオラは何が嬉しくって、こんな事をしておるのだ。そう気づいたからである。何ら全く喜ぶほどの事ではない。

窓に目を移すと、相変わらず雨が降っていた。
天気と同じで、何だかもやもや気分だ。
地球防衛軍、地球防衛軍。
と意味不明の言葉を呟き、残った缶ビールの残りを一気にあおった。

                  おしまい

 
追伸
何だかワケのわからんシュールの終わり方をしてしまった。
人間、誰しも時々壊れるものなのである。

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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