台湾の蝶17 タカサゴカラスアゲハ

 
   台湾の蝶17『高砂鴉揚羽』

 
前回の『さまよえるカラスアゲハ』で力尽きて、又しても時が経った。
そもそもがこの回を書かんが為に前回はカラスアゲハ全般の分類について長々と書いたのだが、台湾のカラスアゲハだけでも分類学的にやっぱりややこしい。で、『書くの面倒クセーなあ…』と思ってるうちに再び結構な時間が流れた。とはいえ、この回を書かないと前には進めない。ちゅーワケで渋々書き始めまあ~す。

先ずは前回のおさらい。
と言いたいところだが、そんな事を書き始めたらまた無間地獄に陥るので、前回の続きとしてそのまま書き進めます。気になる方は、前回『さまよえるカラスアゲハ』を読んで下され。

 
従来、台湾のカラスアゲハも日本のカラスアゲハも同じ種類「Papilio bianor」に含まれ、それぞれ別亜種とされてきた。しかし、近年の遺伝子解析の結果に拠り、日本のカラスアゲハは独立種 Papilio dehaaniiとして別種に分けられた。但し、八重山諸島に分布するヤエヤマカラスアゲハは、台湾のカラスアゲハと同じグループとされてPapilio bianorに組み込まれた。
因みに、どうやら台湾のものは、以前はクジャクアゲハ(Papilio polyctor)と呼ばれていたヒマラヤからインドシナ半島等に産するものに近いようだ。

台湾では2亜種が知られ、台湾本土亜種の他に蘭嶼亜種 Papilio bianor kotoensis(コウトウルリオビアゲハ)もいるが、今回は本土亜種のみを取り上げます。ただでさえ既にアタマがパニくりかけてるのに、コウトウルリオビまで論じる力は無いんでござるよ。そちらはまた別の項を設けて書く予定です。あしからずでありんす。

 
【Papilio bianor thrasymedes ♂】
 
(2017.6.19 南投県仁愛郷 alt600m)

 
(2017.7.4 南投県仁愛郷)

 
(2017.6.26 南投県仁愛郷)

 
(2017.6 南投県仁愛郷)

 
(2016.7 南投県仁愛郷)

 
【同 ♀】
 
(2016.7.12 南投県仁愛郷 alt1900m)

 
(2016.7.12 南投県仁愛郷 )

 
【学名】Papilio bianor thrasymedes

小種名「bianor」は、ギリシア神話の半獣人ビアノールの事で、ケンタウロス(下半身が馬で腰から上が人間の怪物)の一人である。
亜種名は世界的にthrasymedesで落ち着いているようだが、以前の学名はPapilio bianor takasagoであった。「takasago」とは台湾の先住山岳民俗の高砂族を念頭に入れての命名だろう。一方、「thrasymedes」はおそらくギリシア神話の登場人物の一人トラシュメーデスを指していると思われる。トラシュメーデス❓聞いた事はあるけど、全然イメージが湧かない。
と云うワケでググってみた。
wikipediaには以下のような記述があった。

「トラシュメーデース。ギリシア神話の人物である。長母音を省略してトラシュメデスとも表記される。ピュロス王ネストールの子で、ペルセウス、ストラティコス、アレートス、エケプローン、アンティロコス、ペイシストラトス、ペイシディケー、ポリュカステーと兄弟。シロスの父、アルクマイオーンの祖父で、アテーナイのアルクマイオニダイの祖。
トラシュメーデースはネストールやアンティロコスとともにトロイア戦争に参加した。ピュロスの軍勢15隻を率いたともいわれる。トラシュメーデースはキマイラを育てたというアミソーダロスの子マリスを倒した。またパトロクロスがアキレウスの鎧をまとって戦っている間、ネストールの指示でアンティロコスとともに前線から離れたところで味方に気を配りながら戦った。そしてアンティロコスがパトロクロスの死をアキレウスに知らせに行ったとき、彼がピュロス勢を指揮した。
後にアンティロコスがメムノーンに討たれたとき、トラシュメーデースはメムノーンを討とうとして果たせなかった。しかしアカマースを攻撃して戦場から退かせ、また木馬作戦に参加した。
戦後、トラシュメーデースはネストールとともに無事にピュロスに帰り、テーレマコスにも会った。」

(;・ω・)何じゃこりゃ?ゴチャゴチャ人物が出てきて、何ちゃらワカラン。ギリシア神話に通じてる人間でもなければ、チンプンカンプンである。
一応、他のサイトも覗いてみる。

「彼は弟のアンティロコスほどではないが、重要な若いアカイア人リーダーの一人として描かれた。ディオメデスとオデュッセウスがスパイに行った時、彼は鎧と剣を前者に与えた。弟のアンティロコスがメムノンに殺された時、父と共に死体を守って戦ったが、メムノンが優れて強かったため、アキレウスの助けを求めることを余儀なくされた。オデュッセウスがトロイアのお守りを盗んだ時、彼を乞食と思い鞭で打った。トロイの木馬に入った。彼は戦争を生き残り、父と共に故郷へ帰った。」(出典 「wik!」)

少しはマシな説明だが、理解が飛躍的に深まったとはいえない。話の本筋じゃないし、まっいっか…。
それにしても、何で台湾の蝶がギリシア神話と関係あんねん!?どう考えても高砂族の方が相応しいじゃないか。

学名に納得いかないので調べてみる。
藤岡知夫氏の『日本産蝶類及び世界近縁大図鑑1』を見て、漸くその経緯が解った。

「台湾産亜種の学名としては古くtakasago Nakahara et Esaki,1930が使われ、最近でもこの学名が使われることがある。これは台湾産亜種名formosanus Rebel,1906が、オナシモンキアゲハ Papilio castor formosanus Rothschild 1896に先取りされていて、亜種名としては使えないため提起された名である。しかし、永井(1996)も述べたようにPapilio polyctorの亜種として命名されたthrasymedes Fruhstorfer,1909の方がtakasagoより先行していて、大英博物館に所蔵されるタイプ♂♀の内、♂を図示してあるが、台湾のカラスアゲハそのものであるので、台湾のカラスアゲハの亜種名としてはthrasymedesを使うべきである。」

( ̄ー ̄)ん~、納得できるような出来ないようなモヤモヤした気分じゃよ。
学名って、いったい何なのかね❓混乱を避けるために最初に命名されたものに先取権があるのは理解できる。しかし、より相応しいものにフレキシブルに変更できないものなのかしら❓takasagoなら、学名を見ただけで台湾の蝶だと容易に想像できるけど、トラシュメーデスじゃ、想像力が全然もって湧かないよ。
とはいえ、まあ学名はコレでよしとしよう。問題は寧ろ和名である。コチラも、まことにややこしい。

台湾のカラスアゲハの和名は従来「カラスアゲハ」だった。しかし、遺伝子解析の結果、日本本土のモノは別種 Papilio dehaanii になった。そして、沖縄本島・奄美大島に分布するオキナワカラスアゲハも別種Papilio okinawensisになった。八重山諸島に分布するヤエヤマカラスアゲハも分けられ、台湾や中国・インドシナ半島・ヒマラヤに棲むものと同じグループに組み込まれ、Papilio bianor ryukyuensisとなった(オキナワカラスとヤエヤマカラスの学名が逆だと指摘される方もおられるだろうが、自分は和名と連動するコチラを推します)。
こうなると、区別しやすくするために和名も整理する必要があるだろう。dehaaniiは後から種に昇格したのだから、ニッポンカラスアゲハとかキョクトウカラスアゲハにすべきだと云う意見もあるだろうが、そんなクソ長いのは真っ平御免だ。だいち過去にカラスアゲハと記述されてきた出版物はどうなるのだ❓そんなの混乱の極みを生じさせる。それに長年親しまれてきた名前を廃棄するだなんて心情的に許せない。あくまで日本のカラスアゲハは「カラスアゲハ」。そう胸にも刻み込まれておる。他はあり得ない。
まあ、コレにはそう異論は無いとは思うけどね。

オキナワカラスアゲハとヤエヤマカラスアゲハも、そのままの和名で異論は無かろう。
いや、待てよ。ヤエヤマカラスはbianorなんだから、台湾や大陸のものと同じ名前にすべきだと言う輩も出てきそうだ。それには、アタシャ、(*`Д´)ノ断固反対します!!それも混乱を引き起こす事、明白じゃよ。そもそも和名は日本人に解るようにと作られたものなのだ。アタマの堅いリゴリズム(厳密至上主義)って、学名しかりどうかと思うよ。ルールを頑なに振りかざす奴にロクな奴はいない。八重山諸島にいるカラスアゲハはヤエヤマカラスアゲハでよろし❗
因みに台湾のカラスアゲハを同じbianorなんだから、ヤエヤマカラスアゲハと呼ぶべしと云う意見もあるようだが、そんなものは言語道断。論じる気にもなれない。

一番問題なのは台湾と大陸側に連なるbianorだ。
そのままカラスアゲハとするとややこしいから、タイリクカラスアゲハを提唱する人もいたような気がするけど、ここはもういっそのことクジャクアゲハの和名を復活させたらどうだろうか?勿論、異論は有るだろうけど、中国のモノは別としても分布の大部分の地域では孔雀の名に相応しい見てくれのモノが多いような気がするんだよね。
一応、かつてクジャクアゲハ Papilio polyctorと呼ばれていたものの画像も添付しておきましょう。

 
(2015.4.13 Thailand)

 
まあコレに関しては、それほど拘泥しているワケではないんだけどね。別にタイリクカラスアゲハでも構わないやって思う。それよりも何よりも気になるのは、台湾のカラスアゲハの和名だ。
杉坂美典さんのブログ『台湾の蝶』では、「カラスアゲハ」としている。その根拠に日本鱗翅学会の機関誌やどりがのNo.239(2013)の宇野彰氏の論文をあげられている。そこでは台湾産カラスアゲハの和名をカラスアゲハとしており、それに従う云々と述べられていた。
これには納得できない。じゃあ、別種になった日本のカラスアゲハは❓まさかニッポンカラスアゲハとかキョクトウカラスアゲハでもあるまいに。たぶん同じくカラスアゲハと呼んでおられる事でしょう。
今や別種とされる両者が、カラスアゲハと云う同じ和名で呼ばれるならば、その経緯を知らない者はワケわかんなくなるよ。
ゆえに、自分は一部で使われていた「タカサゴカラスアゲハ」を圧倒的に推す。それが最も台湾のカラスアゲハとして容易に認識しやすいではないか(因みに和名タイワンカラスアゲハは別種Papilio dialisに使用されているので使えない)。前述したように、和名とは本来日本人が理解しやすいようにと名付けられたのだから、いたずらに混乱をきたすような名前は宜しくないと云うのが確固たるワタクシの考えでござる。

 
【台湾名】
翠鳳蝶、烏鴉鳳蝶、碧鳳蝶

 
【終齢幼虫と蛹】

(出典 「典蔵臺灣」)

(出典 「台湾昆虫譜」)

(出典 「圖錄檢索」)

 
一見したところ日本のカラスアゲハの幼虫と変わりばえしない。それにしても正面から見た顔はイジケ顔で可愛らしい。何だか奈良美智の絵の女の子にも似てる。

 
【幼虫の食樹】
ミカン科
賊仔樹 Tetradium glabrifolium ハマセンダン
食茱萸 Zanthoxylum ailanthoides カラスザンショウ
Zanthoxylum nitidum テリバザンショウ
Euodia lepta アワダンモドキ

ハマセンダンの学名は、他にEuodia melifoliaやEuodia glaucaと云うのもある。植物は複数の学名があるものが珍しくない。属まで違う事だってよくある。蝶以上に学名バトルがあって、👿憎悪渦巻く錯綜した世界なのかもしれない。
因みに、ハマセンダンとカラスザンショウはヤエヤマカラスアゲハの食樹でもある。おそらくヤエヤマカラスと同じように、ヒラミレモンなどの他のミカン科植物なども利用しているものと考えられる。
余談だが、賊仔樹とは泥棒の木と云う意味らしい。
何でそんな名前が付けられたのかはワカラナイ。何れにしても酷いネーミングだよね。

 
【生態】
台湾本土全域の平地から高地(~2500m)まで広く分布し、雌雄ともに花に集まる。オスは山頂や尾根筋を飛び回り、谷あいの湿地で吸水する姿もよく見掛けられる。飛翔は日本のカラスアゲハと比べて緩やかで、ヤエヤマカラスアゲハの飛び方に近い。

 
【周年経過】
多化性で、成虫は冬期の1、2月でも見られ、周年に渡って発生するとされる。

 
台湾で初めて採った時は「(・。・)何じゃこりゃ❓」と思った。カラスアゲハの仲間なのは理解できるけど、種名が頭の中で合致しなかったのだ。勝手にイメージしてたのは隣の八重山諸島に分布するヤエヤマカラスアゲハ。それと同じような見てくれだとばかり思い込んでいたのだ。
だが、それとは異なる印象をうけた。ヤエヤマカラスと比べて全体的に色調が暗く、スリムに見えた。
ヤエヤマカラスのフォルムは四角っぽいBOX型だが、タカサゴカラスはそれに比して翅先が尖り、どちらかというとクジャクアゲハの翅形に近い。下翅の紋の色も違う。ヤエヤマカラスは紺に近い青だが、タカサゴカラスは水色っぽい青緑色だ。コレもクジャクアゲハ寄りだ。謂わば、ヤエヤマカラスと云うよりも、地味なクジャクアゲハみたいな奴っちゃなあと思った記憶がある。
ちょっと説明が主観的やもしれぬ。ここは藤岡図鑑(日本産蝶類及び近縁種大図鑑1)の力をお借りしよう。
それによると、「八重山産は前翅形が角張り、外縁が直線状または外に膨らむ傾向があるのに対し、台湾産では翅端が外方に突出し、表面の青緑色鱗粉の密度は台湾産の方が薄く、外縁近くまで達することはない。前翅裏面外方の白斑は台湾産の方が薄いなどの諸点で区別できる。」とある。
つまり、あんまり似てないんである。私見だが、正直、同種の亜種関係には見えなかった。
ヤエヤマカラスのパッと見は、むしろタイワンカラスアゲハ(Papilio dialis)に近いと思う。

 
ヤエヤマカラスアゲハ♂
Papilio bianor ryukyuensis
(2013.10.4 沖縄県石垣島)

 
タイワンカラスアゲハ Papilio dialis ♂
(2017.6.25 南投県仁愛郷)

 
一応、タカサゴカラスアゲハとヤエヤマカラスアゲハの標本を並べて見比べてみよう。

  

 
上がヤエヤマカラスアゲハで、下がタカサゴカラスアゲハである。こうして改めて並べてみると、見た目は明らかに違う。ヤエヤマカラスの翅形が全体的に丸い印象なのに対し、タカサゴカラスは細っそりに見える。下翅の青緑色紋の色も違う。またヤエヤマカラスの青緑色紋下部の線はシャープで、緑色の部分とのコントラストが強い。そして、緑色の鱗粉は全体的に散りばめられており、隙間があまりない。タカサゴカラスに比して明るく見えるのは、そのせいだろう。更には下翅外側の半月紋が消失仕掛かっている個体が多い(これに関しては手持ちの標本が偶々そういうものばかりだと云う可能性はある)。
大量の標本を検分したワケではないが、概ねコレらの差違は同定の目安にはなると思う。

裏側も検証してみよう。

 
【ヤエヤマカラスアゲハ♂裏面】

 
【タカサゴカラスアゲハ♂裏面】

 
藤岡さんの言うように、確かにタカサゴカラスの方が上翅の白紋が薄い。そして、私見だが下翅を縁取る白紋がヤエヤマカラスの方が発達する傾向があると思う。
こうして事細かに比べてみると、両者は見た目レベルで結構違う事が解った。
実際、遺伝子解析の結果でもそれなりに離れた関係のようだ。分析図では、タカサゴカラスはクジャクアゲハと同一クラスターに含まれるが、ヤエヤマカラスはそれとは分離が進み始めているように見える。

 

(出典 「蝶類DNA研究会ニュースレター」)

 
だからゆえか、ヤエヤマカラスアゲハを独立種とすると云った見解が何処かに書いてあったような気がするが、アレはどうなったんだろう❓個人的には、もう別種にしてもらいたいよなあ…。
(;・ω・)んにゃ❗❓そういえば、かつてヤエヤマカラスアゲハに学名 Papilio juniaを与えて、独立種として扱うと云う見解もあったのではなかろうか?
それならそれで色んな問題が解決するから有り難いんだけど、あまり学名として認知されてないよね?
いや、待ちなはれ。Papilio bianor juniaと云う亜種扱いの学名もあったような気がするぞ。
ジュニア❓何だそりゃ?年少組?下級生?息子?
じゃ、いったい誰の2世なのだ❓Σ( ̄皿 ̄;;キイーッ、バルタン星人Jrは本当にバルタン星人の息子かえ❓おまえ、パチモンやろがっ(#`皿´)❗❗
ハッ(゜ロ゜)、しまった。迷宮で迷走。ワケわかんなくなってきて、危うく気がフレるとこじゃったよ。脱線ポンコツ列車を止めねばならない。冷静になろう。
考えてみれば、そもそもがそのジュニアとは綴りが違うよね。そのジュニアならjuniaではなく、juniorと書く筈だわさ。学なし男の初歩的ミスでありんした。\(__)反省。
落ち着いたところで、先ずはjuniaの意味からさぐってみよう。

juniaと書いて、ユニアと読むようだ。学名の基本はラテン語読みという事をすっかり忘れてたよ。
ユニアとは、ローマ神話のユーノー(Juno)の事で女性の結婚、出産を司る女神。またユーノーはJune(6月)の語源でもあり、ジューンブライド(6月の花嫁)の謂われもユーノー神から来ているようだ。
ギリシア神話ではないけれど、又しても神話だ。ヨーロッパ人は神話が好きだねぇ~。
ユーノーが携えている聖鳥は孔雀だというから、その辺りが命名の由来だと推測する。カラスアゲハの英名は、「Chinese peacock」。中国の孔雀だもんね。

更に図鑑でjuniaの学名を探してみる。
1982年保育社発行の「原色日本蝶類生態図鑑1」では、オキナワカラスアゲハは別種扱いになっていたが、ヤエヤマカラスアゲハはカラスアゲハに含み、亜種 bianor juniaとしている。
一方、2006年学研発行の「日本産蝶類標準図鑑」のヤエヤマカラスアゲハの項には「与那国島産と西表島産・石垣島産の間では(中略)、一般的に、与那国島産の方が青色鱗が発達し、台湾亜種に近いと言われている。八重山諸島に産するものは八重山亜種 junia Jordan,1909とされる。」
(|| ゜Д゜)えー❓、青色鱗はタカサゴカラスよりヤエヤマカラスの方が発達してるような気がするぞー。人によって見え方が違うのかな?
それに、与那国島産も石垣島産も見た目には、そう大差ないと云う記憶があるんだよなあ…。
又しても混乱してきた。もうー(ToT)、結局のところヤエヤマカラスアゲハの学名がどれが正しいのー❓益々、ズブズブの混迷の域に突入じゃよ。もうアタマわいてきた。(_*)ワケわかんねえや。

しかし、確か両者の交配結果では妊性が充分あって、F1(第1世代)もF2(第2世代)も出来るんだったよね。
と云うことは、やっぱり同種と言わざるおえないのかなあ…。しかし、ふと思う。妊性の有無が、はたして種を分ける絶対的なものなのかしら?F1が出来てもF2が出来なければ別種で、出来れば同種って誰が決めたのだ?それだって、誰かが勝手に決めた線引きに過ぎないとは言えまいか?
まあ、きっと学術的にそう認められる整合性のある理論がちゃんとあるのだろうし、そんな事を言い出したら分類なんて出来ないんだけどさっ。
妊性は置いといて、見た目でそこそこ区別できるものは、もう全部に和名をつけちゃったらエエやんかと云う暴論を吐きたくもなってきたよ。
研究者の中で、もの凄くお偉いさんで人望がある人がスッくと立って、カラスアゲハの分類について英断を下してくんないかなあ。ダメならば、いっそこの際ネットの公開多数決でもいいぞー。その結果には素直に従いますよ。とにかく、スッキリさせて欲しいワ。

ここで重大な事に気づく。
書き忘れたが、成虫の画像はみな夏型である。
春に台湾に行った事がないのだ。実をいうと、八重山諸島にも春に訪れた事は無い。勿論、持ち合わせの標本もない。ここまで書いてきて、完全な片手落ちである。相変わらずの詰めの甘いダダ漏れ男なのである。

一応、春型の画像をお借りして添付しておくか…。

 
【ヤエヤマカラスアゲハ春型♂】
(出典「昆虫舘」)

 

 
(出典2点とも「虫村の日記」)

 
【同♀】
(出典「虫村の日記」)

 
前にも言った事あるような気がするけど、この方の展翅は上手いよね。

( ̄ _  ̄)うーむ、夏型とは明らかに違う。
解りやすく纏められている方の画像も見つけたので、更に画像をお借りさせて戴こう。

 
(出典『昆虫館』)

 
上から夏型の♂。春型の♀、春型の♂と云う順番で、その右側がそれぞれの裏面になる。
春型は夏型に比して全体的に色調が暗い。翅の形はヤエヤマカラスだけど、下翅の青緑紋の色調はタカサゴカラスに近いような気もする。でも青緑紋の形はヤエヤマカラスアゲハ寄りである。(-“”-;)むにゃあ~。

お次はタカサゴカラスの春型。

と書いて進めようとするも、おっとととっととー。
Σ( ̄ロ ̄lll)ぎゃひーん❗❗
でもググっても画像が全然出てこん。特に春型とかスプリングフォームと名打っている記述が見つからないのだ。
ここで、ハタと思った。タカサゴカラスって周年発生で冬も成虫がいるって事だよね。ならば、そもそも春型って云うフォームが存在しなかったりして…。だから、春型らしきものが見つからないのかもしれん。
いやいや、🎵ちょっと待て、ちょっと待て、お兄さん
八重山諸島でも、最西端の与那国島辺りまでくると、台湾と緯度は同じだぞ。経度も近い。晴れた日には、与那国から台湾が肉眼で見えるとも言うじゃないか。

再度、図鑑で確認してみる。
標準図鑑には、フォームの違いは特に記されていないが、3月上~中旬が第1化(春型)とハッキリ明記されている。生態図鑑には「八重山諸島では個体数は少ないが低温期にも姿を見ることがあり、発生に遅延はあっても本土産のように明瞭な休眠をしないものと考えられる。」と記述され、春型については触れていない。
\(@@;)/ひょえ~。オイちゃん、又しても迷宮に迷いこむ。
だが、今度は冷静だぜ。タカサゴカラスアゲハの垂直分布は、下は海沿いの海岸林から上は標高2500mくらいと幅が広い。思うに、低地では周年発生で、標高が高い所では日本と同じく蛹で越冬している筈だ。と云う事は、そこでは春型も存在するに違いない。
とはいえ、画像を図示できてないからなあ…。
それに生態写真を数多く見ていると、段々タカサゴカラスアゲハとヤエヤマカラスアゲハが同じに見えてきた。何だか自信が無くなってきたよ。ヤバイ。迷走グダグタだ。
(○
○)ひゅろろろろ~、ピッ・ボッ・ロッコ・ケ~。

『赤ん坊はもう疲れたよ。いつまでも壊れた玩具(オモチャ)で遊び過ぎたからね。もう、さよならをするよ。』

                  おしまい

 
 
追伸
かつてないスゴい尻切れトンボの終わりかたである。
無責任、敵前逃亡、オチなし。こんな突然ブッツリで終わるだなんて、自分でも過去に記憶が無い。
でも、頭の中がサドンデス、突然ブッ壊れてR.チャンドラーの小説『長いお別れ』の一節が口から漏れ出て脳が急停止したのだ。心と体が、これ以上考えるのはよせと命令したのであろう。久し振りの長文に耐えきれず、自己崩壊したのかもね。
ゆえに、この追伸は翌日に書いているのら。
時間が経って冷静さを取り戻しているので、書き直そうと思えば書き直せなくもない。しかし、このままにしとく事にした。コレはコレて良いではないかと思ったのだ。たまには、こう云う回もあってもいいでないか。

               2018.12.16

 
追伸の追伸
お願いだから『復帰早々、ポンコツかよヾ(¬。¬ )』とか言わないでよねー。