2019年 お正月料理その2 元旦夜編

 
【鰯の煮物】

 
本来的には田作り(ごまめ)を作るべきなのだが、ごまめは甘いので鰯の煮物で代用させて戴いた。
同じ理由から栗きんとんも除外である。酒飲みにとって、甘いものは邪魔。酒の肴にはならんのじゃよ。

田作りがお節の縁起物とされるのは、昔は五穀豊穣を願い、小魚を肥料として田畑に撒いた事からである。
農家ならまだ解るが、都会人にはあまり関係ないような気がするなあ…。農家の人だけ食ってればエエんでねえの❓
と書いて、自分の浅はかさに気づく。落ち着いて考えてみれば、作物がよく育てば我々都会人も恩恵を受けるのである。豊作になれば、野菜だって安くなる。飢饉なんてなったら、大変だもんね。
農家の人、m(__)mごめんなさい。

レシピは書くほどの事ではないが、まあ一応書いておくか。
出汁は鰹昆布。そこに酒、砂糖、味醂、塩、薄口醤油を加えて煮汁をつくる。そこに鰯を入れて火を点け、弱火で炊く。煮汁が沸騰したら火を止めて完成。
沸騰した煮汁に鰯を入れないのは、煮崩れを防ぐためと、徐々に火を入れることにより身をやわらかく仕上げる為である。どんな料理でも火加減は大事なのだ。

 
 
【若牛蒡の炒め煮】

 
ごぼうは、細く長く地中にしっかりと根を張る事から、縁起物とされる。
これも本来ならば、たたき牛蒡が定番だろう。しかし、天の邪鬼のあっしはそんなフツーな事は面白くないと思ってしまうのである。
若ごぼうは文字通りの若い牛蒡の事で、根だけでなく、茎や葉も食べられる。一般的にはあまり馴染みの無い野菜だと思われるが、大阪では八尾の辺りで盛んに作られており、独特の苦味と歯応えがあって、通には喜ばれる。これをツマミに、日本酒をチビチビやるのがいいんだよね~。
あっ、前回から料理を何の酒と合わせて食っとるのかを一切言及していないじゃないか。
えー、この日は昼間っから延々と飲んでいたのだが、ビールに始まり、日本酒、焼酎へと移行していき昏倒どした。

それでは作り方。
①根の部分を洗い、細かいヒゲ根を取り除いたら、適当な長さに切る。水に浸けてのアク抜きは不要。今の料理人の常識では、牛蒡のアク抜きは必要ないそうだ。水とか酢水に牛蒡を浸けておくと、水が泥水の如く茶色くなるけど、あれはアクではなく、ごぼうの旨味成分らしい。
茎も適当な長さに切る。軽く塩揉みをして熱湯で1分ほど茹でて冷水に晒し、アク抜きする。葉は佃煮にするのだが、ここでは割愛。それについては後日書く。

②根と茎を胡麻油で炒める。火がある程度通ったら、だし汁、砂糖、酒、塩、薄口醤油で作った調味液を上から掛ける。しばらく煮て、水分を適度に飛ばして出来上がり。

 
 
【蓮根の煮物】

 
蓮根は穴が開いている事から、先の事が見通せると云う縁起物だったかと思う。
出汁でサッと茹でて仕上げる。蓮根は歯応え重視派なのだ。茹で過ぎてホクホクのが良いという人もいるだろうが、あんな芋みたいな食感の蓮根は許しまじなのである。

 
  
【枝豆の煮物】

 
黒豆も甘いからパスである。
黒豆がお節料理の縁起物とされる理由は、豆は本来、丈夫、健康を意味し、1年間元気に働けるのを願っての事だ。「まめに働く」などの語呂合わせもあるだろう。
ならば、どんな豆でもエエではないかと考えたワケ。

作り方は少々手が込んでいる。
先ずは豆を鞘から取り出す。その際、鞘に残ったチュルチュルを親指でこそぎ取る。このチュルチュルが旨味成分たっぷりで甘いのじゃよ。捨ててはならん。
鞘も捨てないで取っておく。これは流石に食べない。じゃあ、どうするのかというと、水で茹でるのである。その際、すりこぎ棒やお玉でギュウギュウ押しながら茹でると尚よろし。これは何してるのかと云うと、鞘から良い出汁が取れるのである。水の色が結構変わるくらいに出汁が出る。
しっかり出汁が出たところで、鞘を取り出し、酒・塩・薄口醤油で味付けする。最後に枝豆とチュルチュルを入れて、火を止めて味を含ませる。

枝豆が残った時に使える技なので、暇な人は試してくだされ。

  
【海老の旨煮】

 
ここまで立て続けの煮物のオンパレードである。
よくよく考えてみれば、和食って素材を煮るという調理法が多いんだよね。

海老は髭が長く、背?腰?が丸まる事から老人になぞらえられる。つまり、腰が曲がるまで長生きすることを願っての縁起物というワケだね。

お節の海老は本来ならば頭付きを使用すべきなのだが、残念ながらお目がねに叶うような海老が売っていなかった。伊勢海老とは言わないが、それなりに立派な海老を買いたいところなのだが、如何せんコレが高い。今時、正月料金でもあるまいしと思うのだが、普段よりも確実に高いと思う。刺身とか海鮮ものは全般的に高値になってるのは、何か裏とか陰謀でもあるのかな?

そういうワケで、結局一番小さい海老、むき海老になってしまった。拘りを捨てるなら、徹底的に捨てた方が良い。それに、パッサパッサになりがちの海老よか、プリプリ感のあるむき海老の方が余程いいと思った次第なのじゃよ。

調理法は簡単。酒を沸騰させ、そこに薄口醤油と塩を加える。再度沸騰したら、海老をブチ込んだら火を止める。あとは余熱で火を通せば出来上がり。

(^o^)vうん、プリプリで旨いにゃあ~。
上出来、上出来。
 
それにしても、夜だと写真が綺麗に写らんなあ。
おまけにワードプレスに写真をアップすると、なぜたか画像が素より劣化するんだよなあ…。
そういえば誰かがマグロだか何だかの回で、理論はいいとしても写真がサイテーだとボロカス言ってきたよなあ。まあ、こちらの腕も足りないのだろうが、そのせいもあるのだよ。画質の劣化だけじゃなくて、画面が暗くなるのはワシのせいとちゃうでー。

                   おしまい