10月のよく晴れた日曜は…

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10月のよく晴れた日曜の公園は、しあわせそのものだと思う。

 

 

 

 

 

 

 
空は高く、青い。
雲は白く、綿菓子みたい。
そして、その下で戯れる人々は、皆とても楽しそうだ。
友だち同士もいる。恋人たちもいる。もちろん家族連れもいる。その誰しもが、空気の澄んだ秋の晴天の一日を笑顔で過ごしている。

 

 
大学生たちがシャボン玉を吹いて写真を撮っていたので、自分も撮らせてもらった。

 

 
シャボン玉の背後にお母さんと小さな女の子が写っている。小さな女の子が一生懸命に歩いているのを、お母さんが心配そうに追いかけていた。その姿がとっても微笑ましかった。

 
冒頭の言葉は、20代の頃に読んだ村上春樹の小説に同じような言葉が書かれていて、それがモチーフになっている。
その一節を読んで以来、10月の天気の良い休日になると、この言葉を探して公園へ行く。
きっと多分、この先も10月のよく晴れた休日の公園を求めて、そんな場所へと出かけていくだろう。
家族を持たない者は、その幸せそうな姿を遠くから見て、少しばかりのおこぼれを貰って帰るのがささやかな慰めなのだ。

                 おしまい

 
追伸
場所は前回に引き続き奈良県河合町にある馬見丘陵公園です。

 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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