終いのタケノコ

 

今年もそこそこタケノコを食った。

 

 
堀りたてをそのまま焼くのが一番美味いんだけど、そうもいかない。となると、真っ先の選択肢は若竹煮やね。タケノコ独特の甘みと香り、適度なエグみが堪能できるのは、やっぱ若竹煮っしょ。

圧力鍋に糠(ぬか)と鷹の爪を入れて、筍の大きさにもよるけど1時間くらい弱火でコトコト茹でる。
で、一晩放置プレー。ほったらかしにする。
ほんでもって翌日、ザッと洗って糠を落とす。したら、ホレホレーΨ( ̄∇ ̄)Ψ、悪いオッチャンは皮をヘラヘラと剥ぎ取り、中身を取り出しにかかる。
おー(;゜∇゜)、艶やかな裸身が露(あわら)になる。と同時に、辺りに栗に煮た甘ほっこりとした香りが広がり、鼻腔をくすぐる。もしかして、自らわざわざ筍を茹でるのは、この瞬間を体験(たいげん)したいが為かもしれない。

姫皮は包丁で軽く切れるところのみを使う。硬いとこはゴミ箱にドォ━━ (ノ-_-)ノ~┻━┻ ━━ ンッじゃ❗
姫皮は酢の物にするによし、筍ごはんに入れるのもよし、御自由に使われたし。

そして、いよいよ筍本体を一刀両断、真っ二つにする。時々、中に白い洗剤みたいなのがコビり付いてるけど、タケノコ本体から出たものなので味には問題なし。神経質に取り除く必要性はないだす。
ここまでが下拵え。あとは用途により切り分ける。

若竹煮を作る場合は筍を厚めに切り、鰹昆布だし(昆布だしでもよい)に酒と薄口醤油、みりんをほんの少し入れて煮る。途中で生ワカメをサッと入れたら、火を落とす。ワカメの色が鮮やかなうちに器に盛り、有れば木の芽を飾ればよろし。否、あった方がいい。タケノコと山椒の葉の相性は絶妙とも言える切っても切れない仲だ。アッシは、そう思うね。
とはいえ、お子ちゃま舌の人は、やめなはれ。無理することないどすえ。そもそも木の芽がアカンおしたら、春先の旬のタケノコのエグみもアカンやおへんか。一生、個性の無い水煮のタケノコを食うてなはれ(-_-)

m(__)mごめんなさい、つい京風に毒づいてしまったなりよ。毒づきついでに、もう一つ。
筍の煮物でカツオ節がドバドバ掛かっていることがあるが、あれはよしてほしい。カツオ節はあってもいいけど、少量。無くても良いくらいだ。なぜなら、カツオ節って香りも味も濃くて個性が強過ぎるからだ。タケノコの良さが消える。カツオ節をドバドバかけるのは、ハッキリ言って田舎もんだ。
あっ、ゴメンなさい。人の好みは千差万別ですよね。あくまでも個人の一戯れ言として流されたし。

 

 
そんな事より、若竹煮はホント美味いよねぇ~。
食ってると、春そのものを味わってる気がして、心がほっこりする。

だが、後半は少し飽きていて、鶏肉と一緒に煮たりした。

 

 
タケノコの個性は少し失われるけど、旨味は格段にアップするから、これはこれで美味しいんだよね。春先の筍が苦手な人でも、これだったら食えるかもしんない。

 
筍ごはんもよく作った。

 

 
筍ごはんのタケノコは、あんまり細かく切らないのがモットーだ。大きめ、厚めにした方が歯応えを楽しめる。
好みによるが、自分は油揚げも入れる。コクが出るからだ。出来れば油揚げは京揚げがよろし。その方が味に深みが出るような気がする。
油抜きは、したりしなかったり。そん時の気分だ。味の強いのが食べたい時は油抜きしないかなあ…。あと面倒くさい時も。
油揚げは細かく切る。これは、あくまでもタケノコが主役だからだ。お揚げさんは脇役なんだから、目立ってはいけない。

出汁は自分で1から作る時と市販の白だしを使う時と半々。これまた気分だ。
出来上がりの味は、どちらも旨い。どちらが美味しいかは、人それぞれの好みだろう。
但し、白だしは使うメーカーにより味が変わる。
今回はコレを使った。

 
【創味 創味の白だし】

 
結構、美味しくできた。
他にキッコーマンの香り白だしも仕上がりは良かったと思う。

 
【キッコーマン 割烹 香り白だし】

【キッコーマン 本つゆ 香り白だし】

 
でも、どっちだったか覚えてない。
パッケージの削り節の写真に何となく記憶があるので、たぶん割烹白だしの方かなあ。
 
一方、自分で出汁を作る時は仕上がりにムラがある。断トツに美味くなる時もあれば、市販の白だしに劣る場合もあるのだ。まあ美味しく出来りゃ、何だっていいんだけどね。

勿論、筍ごはんにも木の芽は不可欠だ。軽く手のひらでポンと叩いて添えると、香りが引き立つ。

 

 
採ってきた花山椒を乗せた日もあった。

 

 
そういえば後半、鶏のミンチを隠し味に使った時もあったな。コクと旨味が増すと思ったからだ。
勿論、それはそれで旨かった。けど、やっぱり筍の良さが損なわれるんだよな。

 

  
それにしても、結構たくさんの筍ごはんを食べたなあ…。
我ながら、よほど筍ごはんがお好きとみえる。
とはいえ、流石に後半は飽きてきて、イレギュラーなものも作ってた。

 

 
パスタだね。
これは竹の子とハモの子とのコラボだから、植物系と魚介系のダブルお子ちゃまタッグだ。
筍の良さは歯応えくらいしか残っていないが、味はメッチャ美味い。
作り方はオリーブオイルに少量のニンニクを入れて弱火で油に香りを移す。ニンニクを取り出したら、ハモの子とタケノコを入れて軽く炒める。そこにパスタを入れ、茹で汁も少し加える。味付けは塩のみと言いたいところだが、隠し味に少しだけ薄口醤油を入れて整える。最後にオリーブオイルを少し加えて混ぜ、乳化させたら出来上がり。

  

 
竹の子オムライスも作った。
これはねー、母胎は筍ごはん。そこに木の芽をメチャンコ混ぜる。といっても限度はあるけどさ…。それを炒めてチャーハンにする。味付けはそのままでもいいが、味見して薄ければ、塩なり醤油なりを足して濃くしてもよい。あとは玉子でくるみ、さらにタケノコの煮物をユルい餡掛け状にして掛けたら出来上がり。
これも果たして春先の筍を使ってまで作るもんかいな❓という疑問符がつくが、味はかなりイケる。玉子にタケノコが隠れがちだから、一口めはその歯応えに驚いた。歯応えがあるオムライスって楽しい。
でも裏を返せば、季節に関係なくタケノコの水煮さえあれば、いつでも作れるって事だ。味の差は、そう無いだろう。
これが終いの筍料理で、10日ほど前だった。

 
そういえば、今年は一度もお外でタケノコを食ってないよなあ…。天ぷらとかも食いたかったよ。
まっ、いっか。そんな年もある。

 
                 おしまい

 
追伸
もっと早くに書くべき文章だったのだが、キアケハの記事にかかりっきりになってて書けなかった。虫の記事は下手なことが書けないので、どうしても時間がかかる。食べ物の記事なら毎日だって書けるのに、そうはいかないのだ。誠に鬱陶しい。

外でタケノコを食ってないと言ったけど、考えてみれば1回だけある。
4月の後半、三草山に行った折り、道の駅で筍ごはんを買ったわ。

  

 
お店じゃなく、ホントの外やんか(笑)
あまご飯が予想以上に旨かったなあ…(о´∀`о)