続・キシタバ

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  『黄下羽虐待おとこ誕生』

 
2019年、カトカラ二年生のキシタバとの再会は、6月21日だった。

 
【Catocala patala キシタバ♂】

 
場所は大阪府池田市にある五月山公園。
目的はウスイロキシタバの探索だった。しかし全然飛んで来ず、暇をもて余しているところにキシタバが飛んで来た。ワテの糖蜜トラップに誘引されたのである。
それにしても、久し振りに見るとやっぱデカい。

ケッ、ただキシタバか(# ̄З ̄)…と思いつつ、一応採ってやるかと近づいたら、敏感に反応して逃げた。
(#`皿´)クソッ、キシタバ風情が生意気にも逃げやかって。オイちゃん、イラッ(ー。ー#)ときたね。

書いてると何かこのキシタバと云う名前、ウザい。
前回も言ったが、キシタバと云う名前は羽の下が黄色いカトカラの総称としても使われる事が頻繁にあるので、ややこしいのだ。例えば、誰かと採集に行った折りなどは一々「ただキシタバ」とか「普通キシタバ」と言いなおさなければならないケースが多い。これが誠に鬱陶しい。だから最近では「糞キシタバ」と呼んでいる。因みに小太郎くんは「屑キシタバ」って呼んでる。何れにせよ、どこにでもいるから、こないな扱いになる。
んなワケで、以降キシタバのことをその学名である Catocala patala からとって、パタラキシタバと呼ぶことにしよう。ついでに言っとくと、コモンセンスからの「コモンキシタバ」も考えたが、コモンを小紋と取られかねない。オデなんかアホだから、蝶の「コモンタイマイ」のことをずっと「小紋タイマイ」と思ってたもんね。ゆえに却下。

以後、飛んできては逃げ、また飛んできては逃げが三、四度繰り返された。こうなるとハンターの血が🔥燃える。昔からナメられることが死ぬほど嫌いな男なんである。何としてでもシバき倒すと決意した。おどれ、ナメとったらあかんど、Σ( ̄皿 ̄;;シャーき倒したるど、ワレーである。

最後は逃げた瞬間に空中で豪腕の振りでシバキ倒してやった。ワシの鬼神の如き本気の網振りをナメとったらあかんど。おとといきやがれの、ざまあ見さらせである。
その時に採ったものが上の個体である。羽化したてのような新鮮な個体で、まだ前脚がもふもふだったので展翅はその前脚を思いきり出してやった。

以下、今年採って展翅したものを並べよう。

 

 
これも♂である。採集場所は奈良県大和郡山市。下の4つも同じ場所だ。

メスはこんなん⬇

 

 
デブである。だから糞キシタバ、もといパタラキシタバはあまり好きになれない。いつもより展翅写真か少ないのも、邪魔だからコレだけしか採っていないのである。
それにデカくて何処にでもいるからウザい。ウザい上に、樹液に飛来した時などは他のカトカラを蹴散らすから腹が立つ。
この大和郡山の時も小太郎くんが邪魔だと言って、思いきり指でデコピンしてた。フッ飛んだキシタバは地面でひっくり返って、ビビッ、ビビッと痙攣してた。
キシタバ虐待おとこの誕生である。

『アンタ、酷いことすんなあ。糞キシタバとはいえ、それって虐待やでー。』
『大丈夫ですよ、コイツら。そのうち生き返りますよ。クソ邪魔だから、いいっしょ。』

こないだのカバフキシタバの時も、樹液や糖蜜トラップに来た糞キシタバに指でパチキかましまくっとった。
どうした小太郎くん、何かあったのかね❓ キミの心の中の深い闇を見たような気がするよ。
小太郎くんはマジメで優しく、穏やかな青年とばかり思っていたが、彼にも時に邪悪なものが憑依するのだね。
でも許す。確かにカバフ様を蹴散らす糞キシタバは邪魔だ。退治してよろし。

そして、一昨日の大発見の折りも糞キシタバをことごとくデコピンしてた。挙げ句の果てにはコッチに投げてきやがった。小太郎くん、キミの心の闇はそんなにも深いのか…。

『おいおい、キミの心の闇は、どんだけ深いねん❓』
『いやあ、コレって力の入れ加減がケッコー難しいんですよ。でも、下はあらかた屑キシタバいなくなったでしょ。』

そうなのだ、この日はオラが斜面の上にいて、小太郎くんが下にいたのだ。
確かに見ると、幹の下側にはキシタバは一つもいない。
でも、許す。この日は糞キシタバ、もといパタラキシタバがブンブン飛んでて、それに刺激されて他のカトカラも飛び回って中々止まってくれなかった。スゲー、ウザいから、ブチのめしてくれてケッコー。どんどんおやりなさいだった。

そんな小太郎くんだが、今日は来られないらしい。
ならばオイラも、今日は心を鬼にして黄下羽虐待オトコと化してやるか。
 

                 おしまい

 
追伸
もちろん、そんな悪いことはしません。だってオラ、心の闇なんて無いもーん(⌒‐⌒)

おーっと、裏展翅もしたんだった。

 
【裏面】

 
表は黒帯が太くて黄色い領域が狭いけど、裏はかなり黄色い。だから飛んでるとこを下から見ると、たまーにアケビコノハと間違える。いや、アケビコノハをキシタバと間違えると言った方が正しいか(笑)

 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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