秋の夕陽とメトロン星人

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昨日の夕陽は、ちょっと珍しい夕陽だった。

 

 
とっても眩しい。

 

 
空の殆んどが雲の絨毯に覆われていたが、水平線の近くだけが空いていた。そこにデッカイ秋の夕陽が沈んでいったのだが、雲に邪魔されて光が拡散されることなく目映い束になって爆発していた。
メトロン星人がその向こうから現れそうな気がした。そう、メトロン星人とウルトラセブンが戦った名シーンも、こんな色の夕陽だったような気がする。季節もきっと今くらいの時期を想定して製作されたのではないかと思いたい。そんな空気感のある夕暮れだった。

 
(出典『植物屋 風草木』)

 
メトロン星人とダン(ウルトラセブン)がボロいアパートで、卓袱台で向かい合って語るシーンは哲学的でさえあった。神回と言っていい。メトロン星人はメチャンコ賢いけど、どこか人間的で魅力的な奴だったなあ。でもカッコつけて逃亡を謀ったはいいものの、アイスラッガーだっけ❓とかでセブンに真っ二つにされるんだけどね。何か子供心にも複雑な終わり方だった憶えが残ってる。

こういう夕陽というのは有りそうで案外見られない。
自称夕陽評論家としては、レアなケースにあげたい。

 

 
雲がオレンジ色に染まっている。
このまま上まで雲がこの色で染まってくれれば壮絶な夕暮れになるだろう。

  

 
しかし、残念ながら期待した光景にはならなかった。
心が震える夕陽には、そう会えるものではない。

                   おしまい
 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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