2018′ カトカラ元年 再開の御報せ

  
月刊むしの10月号(9月25日発売)の発行がほぼ確実なったので、無事ニューのカトカラも世に出そう。
関係者の皆様、御尽力有難う御座いました。
というワケで、10月頭には連載再開の予定です。

 

 
とはいえ、まだ一行も書いてないけどさ( ̄∇ ̄*)ゞ

 
追伸
因みに並べたカトカラの種類数と順番は、テキトーです。

 

あおはる1day trip その参

 
第4話『もう食べれましぇーん(ToT)』

 
午後6時半くらいに姫路駅に着いた。
ホームに上がると電車が既に来ており、発車ベルが鳴っていた。で、反射的に乗ってしまった。と同時にドアが閉まった。
でも、閉まったで、しまった。
アホか、サイテーの駄洒落をカマしてる場合ではない。直ぐに気づく。( ̄▽ ̄;)あちゃー、新快速に乗るつもりが普通電車に乗ってまっただよー。新快速は10分後に来ると知っていたのになあ…。疲れて判断能力が鈍ってきてるのかもしれん。
あっ、ちなみに行き先は神戸・大阪方面ね。いくら導線ムチャクチャのドアホ男でも、この時間帯で更に西へは行かんよ。期待してた人、ゴメーン🙏。青春18切符だとはいえ、そんな無謀な事はでけまへん。

あちゃーとは思ったが、どうせ加古川駅で後から来る新快速と接続できるだろうと思い直した。何とかなるさ。
だが、じゃんじゃんに駅に停まる。新快速だと加古川から姫路まであっという間だったけど、間にはこんなにも駅があったんだね。やはり新快速恐るべしである。キミは特急料金を取らない特急だ。偉い❗
けど、同時にこんなだと新快速に余裕で追い抜かれるのではないかと不安になってきた。もしダメだったら加古川で降りてもいいや。18切符は乗り降り自由なんだもんね。行き当たりばったり、上等だぜ。糸の切れた凧みたいに、何処へだって行ってやろうじゃないか。

 

 
6時50分、加古川駅着。
すかさず電光掲示板を見る。

 

 
どうやらまだ新快速は来ていないようだ。
思って間もなく新快速がホームに滑りこんできた。セーフ。これで時間的ロスをせずに済んだ。
さて、次は何処で降りて飯を食おうか❓

明石駅はスルーした。
おでんを食ってからまだそう時間が経っていないのだ。寿司も明石焼きも食えましぇーん(ToT)。だいち、こんな腹いっぱいで寿司食っても旨くあんめぇ。お金が勿体ないだけだ。

次の停車駅は神戸。そして、三ノ宮、芦屋、尼崎、大阪駅と続く。
神戸駅は意外と何もない。降りるなら、そこで鈍行に乗り換えて次の元町駅で降りるよ。元町なら中華街がある。中華は重そうだし、今は食べたいとは思わないけど、中華街には『老祥記』がある。そこの豚まんが、まっこと美味い。しかも小振りだから1個くらいなら余裕で食べれそうだ。そういえば長いこと行ってないし、良い考えかもしんない。
でも待てよ。老祥記って早く店閉まるんじゃなかったっけ❓たぶん夕方までだよね。こりゃ、閉まってるなあ…。

となると、香港麺の『天記』はどうだろうか。
ここの海老ワンタン麺がムチャクチャ美味いのである。たしか、わざわざ香港から本場の麺を取り寄せてるんだよな。細麺でつるっつるっなのよね。でも、もっと美味いのが海老ワンタン。ぷりっぷりっで、これがもう体をよじらんばかりの絶品なのだ。
そういえば当時の彼女が、その海老ワンタンを下にボトッと落っことしたんだよね。あの時の一瞬の沈黙と、その後に漂ったえも言われぬ異様な雰囲気は今でも忘れられない。彼女の醸し出す痛恨ともいえる残念感には、ただならぬものがあったのだ。
可愛そうだから、普段なら『あっ、俺の1個やるわ。』と言いながら丼に移してやるのに、その時は『自己責任やな。』と冷たく言い放った事もよく憶えている。海老ワンタンがあまりに美味だったので、どうしても食べたかったのだ。その海老ワンタンは、別にそれで嫌われてもいいやと思うくらいに美味かったのである。
しかし、店が何年か前に無くなったと誰かに聞かされたことを突然思い出した。ならば、行きたくとも行きようがない。

となると、三ノ宮かあ…。
でも、全然まだ腹は減ってない。特に贔屓にしている店もないしなあ…。
次の芦屋はどうだ❓ けど芦屋で食べたいものなんてこれっぽっちも浮かばない。だいちお金持ちの街 芦屋だ。ここにきて高級料理は無いでしょう。それに三ノ宮から芦屋もすぐた。そんな短時間に腹が減るワケないじゃないか。

お次の尼崎はナゼか殆んど行ったことがないから興味はある。
尼崎城でフィナーレというのも有りかもしれん。けんど尼崎城は最近出来たもので、個人が建てて市に寄贈したものだ。果たして城好きがそんなんでお茶を濁していいものか…。
それに全然尼崎の食いもん屋の情報を持ってない。だったら飛び込みで旨い店を探そうか。いや、普段ならそれでもいいだろう。むしろそういう行き当たりばったりの方が好きだ。けどなあ…、今は腹いっぱいなのである。食べるなら確実に美味い店であるか、前から行ってみたかったとかでないと、食指が全く動かないのである。

大阪駅。
人だらけだし、いつでも行ける。そこで食事をする意味が全く見い出だせない。

ならば、いっそ京都まで行ってやるか。再び大阪を越えて東を目指すなんて素晴らしくバカだよなあ。何なら酔狂も酔狂で彦根まで戻ってやるか。一瞬、考えたが、そこまでいくと酔狂を通り越した本当のバカだ。だいち、そんな事しても誰も褒めてはくれない。もし一人ではなくて、誰か相方がいたなら話は別だけどね。バカバカしい事をやるのは面白い。但し、それも共有できる誰かが居ての話だ。

グダグダ考えてる時に、フッと思い出した。
三ノ宮に前から行きたかったリーズナブルなジビエ専門の店があったよな。そこはどうだ❓まだ食ったことがない熊とか穴熊の肉なら、好奇心で食欲も湧いてくるかもしれない。
ι(`ロ´)ノえ~い、腹は減ってないけど三ノ宮で降りてしまえー。

午後7時21分。三ノ宮駅で降りた。

 

 
駅の北側に出る。
たしかジビエの店はこっち側だったと記憶しているからだ。

 

 
三ノ宮に来るのは久し振りだ。神戸は好きだが、京都と比べて来る機会は少ない。女という生き物は、神戸よりも京都に行きたがるのだ。

店の名前は何だっけか❓ 思い出せない。
ここはドラえもんよろしく、秘策を出すっぺよ。
🎵たらたらったらぁ~、イガちゃんぐるめノ━━ト❗
🎵チヤッチヤッチヤッチヤッチャアー🎺
ここでイガちゃんぐるめノートについて説明しよう。イガちゃんぐるめノートとは、テレビ、雑誌、口コミ等で得たイガちゃんが行ってみたいと思った店を携帯にメモった秘密のノートの事である。しかし、珠に会う昔の彼女などには役に立たないゴミノートと罵られいるのだー(ここまでのくだり、次回予告編みたく口調は早口ね)。

イガちゃんぐるめノートを見たら、店の名前はすぐわかった。『ジビエスタンド inome』。らしき候補は他に無かったから、ここに間違いないだろう。
だが、問題は場所である。詳しい場所はわからないゆえ調べるしかない。頼みの観光案内所は既に閉まっているから、そうなるとネットで検索するしかない。でも機内モードを解除すると、一挙に電池が無くなる可能性がある。つまり迅速に場所を特定しなければならない。
機内モードを解除する。そして、大体の場所を素早く脳にブチ込んで再び機内モードにする。それでも電池は70%台から40%台に落ちた。大量の迷惑メールを受信したせいだ。迷惑メールめ~、クソ忌々しいわい。

店は駅からかなり近かった。地下にあるのは誤算だったが、幸い迷うことなくピンポイントで見つけることができた。

 

 
店の外観はこんな感じ。

 

 
中はこんな感じだ。
店名にスタンドとあるように、立ち呑み形式だ。
奥の壁に黒板があり、そこに本日のメニューが書かれている。丹波篠山産猪のハモンセラーノ、ジビエのリエットとパン、猪のソーセージ スモーク風味、猪のタン塩焼き、鹿のタリアータ(パルメザン添え)、ジビエのパスタ ラグーソース等々、中々に魅力的な品々が並んでおり、テンションが少し上がる。
 
取り敢えずビールを飲もう。

 

 
ビールを飲みながら、何をチョイスするか吟味する。
あんま食えないだろうから、オーダーは慎重を期したいところだ。

 

 
丹波篠山産猪のハモンセラーノ(¥580)。

こりゃビールじゃなくて、赤ワインだよな。
ビールをグッと飲み干す。

  

 
赤のロマーニャをグラスでもらう。
ここで見栄はって高いワインをたのむこともないだろう。

イノシシの生ハムは食ったことがないので、ちょっとお腹が空いてきたような気がしてきた。
イノシシの肉は豚肉よりもクセはあるが、野性味があって美味い。期待感を持って食べてみる。

しかし、味は猪の生ハムだけに野性的で濃いのかな?と思いきや、全然そんな事はない。旨みもコクも足りない。野性味もあまり感じられない。何かスカスカの味だ。

これじゃ、終われない。こんなフィナーレでは納得いかない。もう一品たのもう。

 

 
百日鶏の皮ポン酢(¥180)。
さっきの店で姫路名物ひねぽんを頼まなかった影響だよね。百日鶏(註1)というんだから、飼育期間が長いって事だよね。思えば普通のブロイラーの飼育期間は約40~60日間くらいだから、たしかに長い。
でも食ってみると、思っていたほど固くはない。皮だからか❓あっ、そっかあ、百日鶏は飼育期間は長いが、おばあちゃんのひね鶏とは違うもんな。
ひね鶏の飼育日数は一般的なブロイラーの9倍と聞いたことがある。だとすれば、360日から540日ほどだ。全然飼育期間が違うわ。
味はこれまた期待外れで、どって事ない。
クソー、これでは気持ちよくフィナーレを迎えられないじゃないか。ι(`ロ´)ノえーい、もう一品たのんだれー。

 

 
子ウサギの唐揚げ(¥580)。

ウサギを食うのは超久し振りだ。
東京でまだ役者をやっていた時代、先輩とよく高円寺だっけ中野だっけ?どっちかのビストロによく行ってた。そこはわりかしジビエのメニューもあってウサギもよく食べた。ウサギの肉は鶏肉っぽくて、あまりクセがないから食べやすいのだ。

出てきた料理は思っていたのと違うものだった。
もっとシンプルな普通の唐揚げを想像していたのに、何か洒落たソースが掛かっている。おそらくバルサミコソース辺りだろう。こういうカッコつけたのって全然望んでないんだよなあ…。味を誤魔化しているとしか思えん。

食べてみる。
やっぱバルサミコだ。甘酸っぱい。噛むと最初は鶏肉だが、最後にケダモノ臭が鼻から抜ける。サイテーだ。バルサミコソースを掛けたくなるのも頷けるわ。でも、臭みが誤魔化せてないから意味ないけどね。

(´д`|||)ひょげ~。連続惨敗にガックリだ。と同時に急に激しい満腹感が甦ってきた。腹、パンパンじゃよ。
もう、これ以上食べれましぇーん(ToT)

 
                   つづく

 
追伸
次回、最終回。

 
(註1)百日鶏
後に調べてみたら、「播州百日鶏」というのが正式名らしい。えっ、姫路でつくってんの?と思ったが、産地は兵庫県多可町加美地区らしい。飼育期間は思ってたとおり約百日間だった。
肉質は繊維が細やかで口当たりがよく、肉の締まりがあって歯ごたえも十分。甘みもあるという。機会があれば、今度は皮じゃなくて肉そのものを食ってやろう。