水茄子を愛する男

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10月に入って、遂にスーパーの漬物売場から水茄子が姿を消した。ちょっぴり残念だ。

それにしても今年はよく水茄子を食った。
春先の三月からコンスタントに水茄子を食い続けていた。水茄子といえば夏のイメージが強いが、意外にも春先にはもう姿を見せ始めるのである。人気があるゆえ、最近はハウス栽培とかも増えているのかもしれない。

 

 
水茄子は関西ではポピュラーな存在ではあるが、全国的にはまだまだあまり知られていないとも思われるので、一応解説しておこう。

 
【泉州水茄子】
(出展『川崎農園』)

 
主に大阪府南部の泉州地域で栽培されており、形は普通の茄子よりも丸みを帯びる。果肉に多くの水分を含む事から、この名がある。
やったことあるけど、手で、うりゃ(#`皿´)と搾ると、驚くほど大量の水が出てくる。農家の人は、喉が渇いたら時々水がわりに搾って飲むらしい。高級🍆ナスだから、最近はやる人あまりいないと思うけど。

糠漬けや浅漬けで食べられることが多いが、生でも食べられている。
本来、茄子はアクが強くて生食には向かない野菜であるが、水茄子はアクが少なくて水分を多量に含んでいる。ゆえに生食も可能なようだ。
生で食べると、ほのかな甘みと爽やかな香りがある。シャリシャリ感もそれなりにあって、ちょっと青リンゴっぽい。実際、その特徴からか、江戸時代には果物扱いされていた時期もあったようだ。
なぜにそんなに水分が多いのかというと、主な栽培地である泉佐野市や貝塚市は水はけがよく、海が近いために地下水にも塩分が混じる。加えて温暖な気候ゆえ、蒸発していく水分を補うために大量の水分を貯め込むようになったものと考えられている。

これは知らなかったが、水茄子にも多くの品種があり、泉州地域でも地区によって栽培品種が異なるようだ。
例えば大阪府貝塚市の「幻の水茄子」と呼ばれ、めったに市場に出回る事のない「馬場なす」、同じく貝塚市の水茄子の原種とされる「澤なす」などがある。

 
取り敢えず、今年食べた水茄子を並べていこう。

 

 
上が浅漬け。下が糠漬けである。
夏らしいガラスの器を使おう使おうと思って、結局使ったのは9月も半ばだった。面倒くさがり屋の性格がモロに出とるがな。

浅漬けの方がフレッシュ感があって、生に近い風味がある。一方、糠漬けはそれと比べて味が濃い傾向にある。どちらが好きかと問われたら、答えに苦しむ。どちらも好きだからだ。
但し、より水茄子らしさを味わいたくば、浅漬けかなあ…。

 

 
基本は、何もつけない。
それが一番美味しいと思うからだ。

 

 
こう云う風に手で裂くのが正しいとされる。
けど、食感こそ微妙には違うものの、云うほど味がメチャンコ変わるワケではないと思う。
でも、コレという良い水茄子が手に入った時は、間違いなく包丁で少し切れ目を入れてから裂くけどね。

 

 
これも当然のこと水茄子かと思いきや、絹かわ茄子という別物だった。

 

 
ウィキペディアによると、絹かわ茄子とは愛媛県の西条地区だけで古くから自家消費用として栽培されてきた在来品種で、明治時代には既に栽培が行われていたという記録が残っているそうである。この地域特有の「うちぬき」と呼ばれる湧水を使った栽培によりふっくらと瑞々しくアクが少ないナスなんだそうな。
水茄子にも、最近はこの系統の茄子の血が入ってきてるという。

食ったら、味も殆んど同じだった。

 

 
お約束だし、見た目もあって生姜は一応添えるが、味を邪魔するから個人的には要らないと思う。
とはいえ、生姜が合わないと言っているワケではない。それはそれで旨いのだ。水茄子そのものを楽しむには邪魔だと言ってるだけだかんね。

 

 
気分で、たま~に鰹節なんぞも添える。
鰹節をかけて不味くなることはない。しかし、個性が強過ぎて水茄子の良さが失われがちだ。

 

 
糠漬けだね。上は醤油をかけてみた。気分で、たま~にかける。
これも不味くなるワケがない。しかし、かけ過ぎると、これまた水茄子の個性が消える。

 

 
夏の最盛期になると、糠漬けも色んなメーカーのものが並ぶ。特にどこというのは決めてない。しかし、上のメーカーが一番数が並んでいるので、自然、口にする機会も多い。
糠は捨てずに、適当に野菜を入れて一回だけ糠漬けをつくる。

 

 
この時は人参だったようだね。手でパリポリやってたら、あっという間に無くなったことを思い出したよ。

 

 
あれぇー❓
思ってた程には画像が残ってないぞー。もっと食ってる筈なのになあ。
暫し考えてから、答えに思い至る。ようするに写真を撮ってないんである。だって、いくら撮ってもビジュアル的というか、絵的に一緒。さして変わらんのである。何の面白味もない。

来年は、もっとアグレッシブな盛り付けにしてやろっと。全然思いつかないから自信ないけど。

 
                    おしまい

  
追伸
画像を消したいがゆえの、愛する男シリーズである。
ても、思ったほど消せんかった。

 
 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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