2018′ カトカラ元年 その七

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  vol.7 コシロシタバ

   『青白き精霊』

 
コシロシタバに初めて会ったのは、神戸市東灘区にある保久良神社だった。
だが、本来の狙いは稀種カバフキシタバだった。ネットサーフィンしている中で、偶然ここで見たという記事にブチ当たったのである。
そんな神社、聞いたこともなかったから調べてみた。
すると、興味深い記述がザクザク出てきた。

この神社、由緒ある古い神社で、知る人ぞ知る隠れたパワースポットでもあるんだそうだ。パワースポット❓何だか怪しげだ。好奇心がムクムクと湧いてきた。

御祭神は「須佐之男命(スサノオノミコト)」「大国主命(オオクニヌシノミコト)」「大歳御祖命(オオトシミオヤノミコト)」「椎根津彦命(シイネツヒコノミコト)」と云う神様オールスター、錚々(そうそう)たるメンバーである。

その由緒の書かれた看板の一部を抜粋しよう。

「創立年暦不詳なれども境内外地は上代祖神の御霊が鎮座せる磐境の遺跡地にして其れらより発見されつつある石器時代の石斧、石剣、石鉋丁、石鏃類、青銅器時代の銅戈(重美)弥生式土器が前期中期後期に亘り多数出土し西暦紀元前二、三世紀頃より西暦紀元三世紀頃のものにしてそのいづれもが儀礼的なものたることの考證せられてあるを見ればその頃にはもはやこの霊地に祭祀せられたる證拠なり。また当社は始めに椎根津彦命の子孫たる大和連倉人水守(西暦769)等が祭祀したるとも神功皇后(西暦101)三韓の役の戦利武器を此の社地に収蔵し奉りしより起因するとも又社名の火倉、火の山、烽火場の地より起こりしとも称せられる。」
 
ようするに、この場所からは「壺」「甕」「皿」といった土器や「矢尻」「石斧」「石剣」などの石器類が多数出土していることから、嘗ては古代この地に弥生人が住んでおり、祭祀的な儀式を行われていたようだ。
古代ロマン溢れる地というワケか…。

また『保久良神社』は、古代文明「カタカムナ」の聖地として、知る人ぞ知る隠れた人気スポットでもあるとも書かれていた。( ; ゜Д゜)何じゃそりゃ❗❓ ダブル知る人ぞ知るじゃないか。

古代文明「カタカムナ」とは何たるやというと、一言で言うならば、昭和20年代に日本の物理学者で電気技術者でもある楢崎皐月氏が、突如「カタカムナ文明」と称する超古代文明の存在を主張しだしたことに始まるという。
何だかオカルトチックでムー的世界だなと思って、更に調べたら、やはり雑誌「ムー」(註1)でシッカリ取り上げられていた。長いが引用しよう。
 
『兵庫県六甲山中に、かつて超古代文明が存在していた。その名をカタカムナという。
ことのはじまりは昭和24年(1949)。楢崎皐月という電気技術者が、現在の神戸市東灘区にある金鳥山に入った。目的は植物の生育状態と大地を流れる電気との関係を調べること。
地元の人から「金鳥山には蘆屋道満の墓ともいわれる狐塚という穴があるから行ってみるといい」と勧められた楢崎は、この穴をベースに山中に計測装置を置いて調査を開始する。
すると何日か過ぎた夜、突然、その穴に鉄砲を手にした一人の猟師が訪れて来た。
「変な仕掛けをされて、キツネたちが迷惑しているから取り外してくれ。」
猟師は怖い顔をしてそう言った。翌日、楢崎が計測装置を外すと再び猟師がやってきて、自分はヒラトウジ(平十字)だと名乗った。楢崎が素直にいうことを聞いたので気をよくしたのか、猟師は父親が宮司をしていた「カタカムナ神社」の御神体だという謎の古代文字が書かれた巻物を取りだし、楢崎に見せたのである。
たしかに巻物には、渦巻きのような模様がたくさん書かれていた。それを見た瞬間、楢崎の頭にはある言葉が甦ってきた。「八鏡化美津文字」。
それは第2次世界大戦中のことだった。楢崎は製鉄技術者として中国北東部の満州吉林にいた。ここには娘娘廟という道教寺院があり、楢崎はそこの老師から筆談で、八鏡化美津文字という古代の叡智を伝える文字の存在を聞かされていたのである。
「噫示八(アィシーパー)人、ただただ八鏡を観ず。やすやすと万理を弁ず。『八鏡化美津文字』で、理ことわりを弁じ・利便を生じ・名第を利し、命題を明らかにす。」
老師は楢崎に、そう伝えた。
「アィシーパー」人は「八鏡」を見てすべての理を知り、「八鏡化美津文字」ですべての理を明らかにする、というのである。
しかも老師は、「アィシーパー」人はかつて日本列島で暮らす古代人だったと説明した。楢崎には「アィシーパー」が「アーシーヤー」=「アシヤ」と聞こえていたという。
平十字の巻物を見た楢崎は、まさにこれが「八鏡化美津文字」ではないかと直観したのだ。」
しかも――。
平十字は、カタカムナの神を祀ったのはアシア族であり、その頭領はトウアンであると語った。アシアトウアンは遠い昔、天皇家を中心とした「天孫族」と戦って敗北したというのだ。
これらの一致は、とても偶然とは思えない。老師がいう世界の理を知る古代人とは、おそらくアシア族の叡智のことだろう。
巻物の文字は、「カタカムナ図象文字」という。基本はどれも丸と十字(○と+)の組み合わせで、丸のふちには最大で8つの小円が並ぶ。
楢崎は、これはきわめて抽象的・合理的な図象であり、理を弁ずるに最適な文字だと悟った。そこで平十字に、巻物を写しとらせてもらえないかと頼み、快諾されたのだ。これが『カタカムナ文献』である。』

如何にも胡散臭いムー的な話である。
それに、神戸の「芦屋」も元々は「アシア族」からきている名称だとかという話まで出てくると、コ益々ウサン臭いなあ。それってコジツケじゃないの?
でも、実際に行ってみなきゃワカラン。この目で見てみないと何とも言えない。或いは、突然雷に撃たれたかの如く、神の啓示を受けるやもしれぬ。でもって、カタカムナの熱狂的な崇拝者にならないとも限らないのだ。でも、かえってその方が少しはまともな人間になれるかもな…。

 
2018年 7月16日。

阪急「岡本駅」で降り、急な坂道を登る。
駅から近いからとナメていたが、六甲山地の急斜面をすっかり忘れてたよ。ソッコー、汗くっさー💦滝汗ダラダラ男と化す。

登ってくると、鳥居の下に何かある。

 

 
これ、どっかで見たことあるなあ…。
確か茅の輪くぐりとかって言うんじゃなかったっけ❓
あとで調べたら、この年は7月14日が名越祭(夏越祭)
だったそうだから、これはその名残だろう。
茅の輪くぐりとは、神社参道の鳥居などの結界内に茅(ちがや)で編んだ直径数メートルの輪を飾り、これをくぐって心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願するというもの。これは日本神話のスサノオノミコトに由来するといわれ、唱え詞を唱えながら8の字に三度くぐり抜けると願いは成就するという。

当然、面白がって8の字に3回くぐり抜けた。
そのまま拝殿へと向かう。木漏れ日の光が敷石でちらちらと揺れる。

 

 
拝殿に辿り着く。静かだ。
古代文明の謎解きを仕掛けられているように、周辺には巨大な岩(磐座)が規則性を思わせるように配置されている。
🎵アィシーパー、アーシヤー、カタカムーナ~。ドンッ💥、£◇‰★@¢§※∈≪▲∬♯ホンジャマカ、フンジャマカ、アラエッサッサー🎵
頭の中で変な呪文やら音楽が流れた気がした。否が応でも古代へのロマンを掻き立てられるってかあ ❓
ε=ε=┏(・_・)┛どりゃ、どりゃ、どりゃ、どりゃ…。
┗(-_-;)┛➡ (ノ-o-)ノ┫➡ (ノ-_-)ノ~┻━┻ どりゃあ━━━━❗
んなワケあるか━━━い(*`Д´)ノ❗
世を嘲る不遜な男に、古代ロマンなんぞチャンチャラオカピーなのである。アホかっつーの。虫にハマってるだけで、充分イカレポンチなのだ。この上、古代文明とかロマンだとか言いだしたら、オシマイだ。数少ない友人も失くしかねない。(=`ェ´=)がっで~む。

由緒ある神社だけあって、域内はコケモモなどの照葉樹が多い。大木も目立ち、歴史ある古い森っぽい感じがする。🎵古代ろま~ん。

 

 
お参りに来た婆さんが教えてくれた。
此処にはフクロウの1種であるコノハズクも生息していて、毎年ここで子育てをするらしい。
コノハズクといえばブッポウソウだ。
ブッポウソウという美しい鳥がいて、夜中に『🎵ブッポウソー(仏法僧)、ブッポウソー』と信心深い声で鳴くのはコヤツだと長年思われてきた。しかし、この声の主はブッポウソウではなくて、コノハズクだと判明したのは随分あとになってからの事だ(註2)。そう聞いたことがある。

婆さまに、コノハズク(註3)のいる場所まで案内してもらった。昼間は木で憩んでいるという。
フクロウは、大きな木の枝に目を閉じて止まっていた。森の賢人だ。想像してた以上に大きかったし、威厳を感じて素直に感動した。何かと霊験(れいげん)あらたかな所じゃ。

夜が訪れた。

 

 
見下ろす夜景がキレイだ。
何処であっても六甲山地から見る夜景は美しい。
夜景の向こうが海なのもいい。オシャレな感じがする。神戸方面は夜景だって何だってオシャレなのだ。

樹液の出ている木へと移動する。
近づいてゆくと、甘酸っぱい香りが鼻腔をくすぐる。
クヌギの大木だ。樹液がドバドバに出ている。今日はこの木と心中するつもりだ。この1本に賭ける❗
何でそんな博打みたいな事になったのかというと、昼間、樹液の出ている木を探し回ったが、計2本しか見つけられなかった。なのに、もう1本はかなり高所から樹液が出ているので、網が届かない。それに2本の木の間には距離がある。それで、ターゲットから除外したのだった。
まあ背水の陣みたいなものではあるが、気分は全然楽だった。既にカバフキシタバは京都で1頭だけだが、得ていたからだ。それに1本だけの方がかえって好都合かもしれないと前向きに考えた。こんだけ樹液がドバドバ出ているのなら、もしかしたら此所に集中して飛んで来るかもしれないと思ったのだ。あんまり歩き回らなくとも済むしさ。

しかし、寄ってくるのはド普通種のパタラ(C.patala)のみ。しかも、数も少ない。

午後8時半。
夜空に水色が走った。
何じゃ、こりゃΣ( ̄ロ ̄lll)❗❓
中型の蛾が飛んできたけど、何かワカラン。裏面はカトカラ特有の縞々模様だから、その仲間には違いない。でも、裏が青っぽいカトカラなんていたっけ❓
頭の中が混乱する。
すわっ、青白き古代の精霊の化身かっ❓
いつの間にか現世(うつつよ)からか幽世(註4)に迷い込んだのかもしれない。
嗚呼、🎵カタカムーナとか小馬鹿にしたから、その怒りに触れたのやもしれぬ。そのうち、肩を思いきし咬まれて、肉をゴッソリ持っていかれるかもしれん。いや、眼から殺人ビームとかが発射されて、ワシ、それに射抜かれて悶絶。断末魔の声をあげて、おっ死ぬかもしれん。何れにせよ、悲惨な末路だ。
などと、刹那に想像してしまった。想像力豊かなチキンハートの為せるワザである。って云うか、怖いからって目からレーザービームはアホ過ぎる。そう思うと、自分でも笑けてきて、冷静さを取り戻す。

青っぽいって事は、ムラサキシタバ❓
にしては、小さ過ぎる。それに、こんな標高の低いところにムラサキシタバがいるワケがない。冷静さを取り戻したとはいえ、また別の混乱がアタマの中で駆け巡る。
とはいえ、採らないと話にならない。
だが、なかなか樹液には寄ってこない。
どうする❓網を振るか振らないか迷う。

あちゃー(-_-;)……。
でも踵を返すように突然フッと反転して、そのまま黒き闇へと消えていってしまった。
網を振らなきゃ採れない。アクションを起こさなければ、手にする確率はゼロパーセントなのだ。己の決断力の無さに、やるせない気持ちになる。

にしても、何だったんだろう❓
新種とか何かの異常型❓
それとも、幻でも見たのだろうか❓
あの青白き者が舞う幽玄なる光景は、黄泉の世界の出来事だったような気もしてきた。
まさか、やっぱりカタカムナの呪い❓
ゴメンナサイ、ゴメンナサイ。古代文明をバカにしてスイマセーン(ToT) 後生ですから、アッシを呪いにかけないでくんなせぇ🙏
何があるかワカランので、一応謝っておく。お化けとか呪いとかがメッチャ怖い小心者は、チンケにすぐ謝るのである。

しかし、幻で終わらすワケにはいかない。正体が解らなければ気持ちが悪いし、夢に出てくるやもしれぬ。悪夢にうなされるのは御免だ。精神衛生上、それは避けたい。どうあれ、兎にも角にも捕らえて確認しなければならぬ。

まんじりとした時間が流れる。
でも、そのままタイムリミットになった。
(@@;)あふ、(@@;)あふ、(@_@;)あふ。泡噴きそうだ。

 
7月18日。
中一日を措いて、リベンジに向かう。
今日もクソ暑いので、夕方に出掛けることにした。ここのところは尋常じゃない暑さで、将来どんだけ暑くなるのだろうと心配になってくる。地球温暖化って、どーせ企業のモノを売りたいが為の謀略かと思っていたが、本気でヤバいかもなあ…。
にしても、樹液採集は天候はあまり関係がない。関係が全くないワケではないのだろうが、昼間の採集や夜間のライトトラップ程には影響されない。だから、気持ちは楽だ。雨でも蛾は飛んで来るので、天候はそれほど気にしなくてよいのだ。根源的には、光よか飯だろ。そっちの方が蛾の意志に沿っていると思うんだよね。

夕闇迫る山道を登ってゆくと、ニイニイゼミの幼虫が沢山いた。

 

 
これから成虫へと羽化するのである。頑張ってね。
久し振りに見るけど、セミの羽化は何だか神秘的だ。
そういえば、最近はニイニイゼミの声をあまり聞かない。昔は平地の児童公園にもぎょーさんおったのになあ。おそらくこのクソ暑いのとも関係があるんだろね。最近の都会の公園は土が乾燥しまくりのガチガチだしね。

 

 
今宵も光の海をのぞむ。
儀式のように気持ちを整えて、樹液ポイントへと向かう。本日も、この木の一点張りでいく。時にはギャンブラーになれる虫屋でなければ、欲しいものは得られない。

しかし、夜が深まり始めても青白き精霊は姿を見せない。また、オイラをあの幽玄なる世界へ連れてってくれよー(≧∀≦)

仕方がないので、退屈しのぎて神社の便所で矮小甲虫なんぞを採る(註5)。

時刻は終電のタイムリミットに近い午後11時近くになろうとしていた。
もう、どうでもいいや( ´△`)…。
焦燥にも草臥(くたび)れて、げんなりしてるところに懐中電灯の光の中にカットイン。突然水色が走った。
幻なんかじゃない。間違いない、こないだのヤツだ❗
慌ててヘッドライトをONにした。血が逆流する。スルスルと網を伸ばす。だが心は揺れる。明らかに樹液に寄ってきたがっている。しかし、この前は待って見送ってしまった。それで失敗した。どうする❓躊躇が心を蝕む。
キッ(=`ェ´=)、それを断ち切り、左足をグッと一歩踏み出し、空中で左から右へと思いきし振り抜く。

鮮やかに捉えた実感がある。網を捻り、地面に落とす。駆け寄って中を見る。
黒い翅に、アクセントのような真っ白な紋が見えた。

あっ、コシロシタバかあ……❓
疑問が、その場でアッという間に氷解した。
コシロシタバって、裏が蒼いんだ…。図鑑には裏面が載ってないから(註6)、知らなかったよ。
それに単純な黒だとばかり思っていたが、実物を見ると蒼っぽい黒だ。思ってた以上にカッコイイぞ( ☆∀☆)

しかし、終電の時間が差し迫っている。写真など撮っているヒマはない。ソッコーで毒瓶にブチ込み、その場を離脱する。
駅へと急ぐ住宅街の坂道で、何だかホッとしたのを覚えている。現世は安心の世界だ。

翌日、撮った写真がコレだ。

 

 
コシロシタバの裏が、こんなにも素敵なものだとは思っていなかったから、ちょっと感動した。美しい。
後々、知ることになるが、最も美しいとされるムラサキシタバだって裏面は蒼くなくて白っぽいのだ。日本にいるカトカラの中で、裏面が蒼いのはこのコシロシタバとヒメシロシタバだけだ。でもヒメシロよかコシロの方が蒼いんではないかと思う。裏面だけでいえば、カトカラの中で最も美しいのはコシロシタバかもしれない。

 

 
思い入れがあるのに酷い展翅だなあ…。
上翅を上げ過ぎてる。蛾はバランスが蝶とは異なる。それが最初は分からなかった。蝶屋としては、触角と上翅の空間が空き過ぎるのが嫌で、つい上翅を上げてしまいがちなのだ。ネットを見てても、他の人もその傾向は強い。
しかも、触角を左右間違って伸ばして整形しておる。X触角だ。おまけにそれに気づかず、どうも上手くいかないので、後でコチョコチョやったから、ポキッと折れた。カトカラの触角は細くてヤワイのだ。マジ、イラッ💢とくる。カトカラ、めんどクセー。

これ以降、保久良神社には行っていない。
いや、甲虫屋のAさんを案内したわ。でも、コシロシタバの姿はついぞ無し。
カバフキシタバには三日間を通じて一度もお目にかかれなかった。あの極上の木に来なかったということは、既に絶滅しているか、カバフキシタバの回でも書いたように、あまり樹液には積極的に集まらない種なのかもしれない。

2018年、結局採れたのは、この1頭を含めて4頭だけだった。

  
(2018.7.26 奈良県大和郡山市)

 
矢田丘陵では、夜遅くに1頭だけ飛んで来た。
ここはクヌギとコナラの多い雑木林だが、個体数はあまり多くないようだ。思っていた以上に、クヌギよりもコナラの比率が高いのかもしれない。頭の中は樹液さえ出てればいいと考えてるから、両者をあまり区別して見ていなかったのだ。

 

(2点共 2018.8.12 大阪府四條畷市)

 
此処ではちょこちょこ見たが、敏感ですぐ逃げる。
でもこの時はメインのターゲットは別にあったので、深追いしなかった。だからか、2つしか採れていない。

コレまた酷い展翅だ。一番下がこの年唯一採れた♀で(最初の1頭も♀かもしんない)、一番マシな展翅だが、残念なことに腹がネジ曲がっている。
一年目は、蛾の展翅の概念を変えてやるとまで思っていたが、今思うと、お恥ずかしい限りである。蛾の展翅は、蝶よか遥かに難しい。

そういえば、保久良神社では一度もフクロウの声は聞かなかったけど、矢田丘陵と四條畷では何度か聞けた。
ホウーッ、ホウーッと鳴いていたから、おそらくアオバズクだろう。
闇夜の中で、一人聞くフクロウの声は、人を不思議な感覚にさせる。どこか懐かしいような、ほっこりとした気分にさせるのだ。同時に夜の世界にも、それぞれの生物の営みがあるのだなと実感させられる。
夜は生きている。

 
                    おしまい

 
気持ちよくクロージングしたところで気づいた。
種の解説を書き忘れているじゃないか。気分的にも文章の構成上でも気が進まないが続ける。

 
【学名】
Catocala actaea(Felder&Rogenhofer,1874)

小種名の「actaea」は、ギリシア神話の登場人物アクタイオンの事とばかり思っていたが、調べたら、ルイヨウショウマ属の植物についての記述がズラリと出てきた。
この植物は毒があることで有名なキンポウゲ科に含まれ、この属も刺激性のある有毒な実をつけるようだ。語源は毒と関係あるのかなあ…❓ でも語源は何処にも書いてなかった。
語尾の「ea」はラテン語では指示代名詞の女性形として使われるから、アタマの「Acta」で調べなおしてみた。それだと、ラテン語では「議事録、公式記録、法令、証書」と云う意味になる。こんなお固い言葉を果たして学名に付けるだろうか❓どうやら関係は無さそうだ。
となると、ここはやはり図書館に行って、いつも御世話になっている平嶋義宏さんの『蝶の学名-その語源と解説-』を見るしかないかあ…。

それによると、ジャノメチョウ科に satyrus actaea という蝶がいるらしい。そこには、語源はギリシア神話のアクタイアーとだけあった。やはり神話由来だったんだね。
参照事項があるようなので、そちらに移ると「学名(種名)は、ギリシア語源ならばラテン語化してあるので、種名の綴りの発音と、人物名はなじまない点がある。そこで分かりやすいようにもとのギリシア語の綴りを示した場合もある。」とし、その例として、actea をあげておられる。あれっ?、でもそのあとが続かなくて別な事項の説明になった。

仕方なくアクタイアーでネットで検索すると、アクタイアが出てくる。アクタイアと検索すると、出てくるには出てくるのだが、変なところに飛んだりして、今ひとつコレだというのが出てこない。
まとめると、たぶんこんなんでいいのかなあ…。列記してみる。

「ギリシア神話に登場する女神。ネレウスとドリスの娘。ギリシャ神話のネレイスの一人。「岸に住む女」の意。アキレウスの死に際に集まった。ギリシア神話に登場する海に棲む女神たち。あるいはニュムペーたちの総称である。」
因みに、ニュムペーとは英語で云うところのニンフ。つまり、妖精のことである。

今いちピンとこないので、もう一度『蝶の学名』を仔細に読んでみる。
数ページ読み進めてゆくと漸く見つかった。

「ネーレーイス(海神ネーレウスの娘たち)の一人で、海の妖精。また、ダナオスの50人の娘の一人(神話辞典)。また、オーレイテュティアの別名(羅和辞典)。(注)種名に neresis,orithya、属名に Danaus があり、また、植物のメギ科のルイヨウショウマ属を Actaea という。その語源はこの植物のギリシア語の古名からで、妖精アクタイアーとの関係は不明。」

なあんだ。だいたい調べたのと同じじゃないか。

話は逸れるけど、それにしても語源がギリシア神話とかローマ神話に基づく学名が矢鱈と多いよなあ。大概の学名が欧米人がつけたからなんだろうけど、これって東洋人にはキツいよね。ギリシア神話とかにそれほど馴染みがないから、知識もあまり無い。ゆえにパッと学名を見ても、神話由来だとはピンとこないのだ。
どうせなら欧米に対抗して、今後は日本で見つかった新種とか新亜種には、全て日本の神話の登場人物や古(いにしえ)に使われた古語をつけてやったらどうだ❓ スサノオとかヤマトタケルとかさ。奴ら、きっとチンプンカンプンだぜ( ̄∇ ̄)

 
【和名】
何で、こんなワケのわからぬ和名がついたんだろう❓
見た目は白じゃなくて、黒だろうに。学者のつける和名はホント糞なものが多い。真面目くさってて、言葉のセンスがゼロなものばかりだ。時に憤りさえ感じることさえある。
まさか白い紋が小さいから、コシロではないよね。だったら、(;゜0゜)力抜けるわ。どこ目線やねん。
そっかあ…ここでようやく気づいたよ。シタバと云うグループ名に拘ったんだね。だから下翅の柄からつけたのか…。にしても、大部分は黒だぞ。あっ、小白だから、それでいいのか。
この和名がダメだと思うのは、混乱を招きやすいところだ。名前だけ見れば、小さくて白いガを想像するか、もしくはシロシタバの小型版のガだろうと考えてしまう人は多いと思われる。
そういえば思い出したよ。矢田丘陵で初めてフシキキシタバを採った時、小太郎くんに『ここは、少ないですけどコシロもいますよ。』と言われたんだけど、全然ピンとこなかった。って云うか、カトカラ一年生はその存在自体さえも知らなかった。だから勝手にシロシタバの小さいヤツを想像したっけ…。カトカラの事はあまり知らなくとも、シロシタバぐらいは知ってたからね。カッコイイ虫は、自然と名前を憶えるんだわさ。

因みに、黒と書いたが単純な黒ではない。地色は限りなく黒に近い濃い藍色で、いや、限りなく藍に近い黒か❓もしくは紫色を限りなく濃くしたような黒か❓まあどっちゃでもええわいな。
特に上翅には渋い美しさがある。蒼っぽい濃いめのグレーなのだ。できれば、黒とか濃紺を活かすような命名を考えて欲しかったな。
例えばチョウに「スミナガシ(墨流し)」と云う素敵な名前の渋いタテハチョウがいる。

 
【スミナガシ ♂】
(2019.5 大阪府四條畷市 飯盛山)

 
紺色の地に白斑が散りばめられている。
コレなんかが、もしもコシロタテハなんて名前だったとしたらガッカリだ。今ほど皆に愛されてはいないだろう。和名をつける人は、安直につけるのではなく、もっと考えて欲しいよね。

 
【開翅張】 52~60㎜。
名前にコ(小)がつくが、大きさはそれほど小さくはない。フシキキシタバやコガタキシタバくらいはある。
近似種にヒメシロシタバがいるが、開翅長は45~47㎜と小さいそうだし、下翅の白紋の形が違うことから区別できる。

 
《ヒメシロシタバ ♂》
(出展 石塚勝己『世界のカトカラ』)

 
【分布】
従来は本州の東北から四国、九州とされてきたが、最近になって北海道でも分布が確認されたようだ。
国外では、極東ロシア(ウスリー)、中国、朝鮮半島にも分布する。
主に低山地のクヌギ、アベマキ、コナラを中心とした雑木林に棲息し、住宅地の近くでも見られることがある。基本的な分布はクヌギ、アベマキの自生地と重なるようだ。
あれっ❓、北海道にはクヌギもアベマキも自生してないよね。じゃあ、幼虫は何食ってんだ❓

  
【成虫の出現期】
成虫の出現期を「みんなで作る日本産蛾類図鑑」では8~9月としているが、これは発生期が遅すぎて信用できない。
ネットで蛾の事を調べたら、必ずこのサイトが冒頭にくる場合が圧倒的に多いが、参考にはなるから有り難いところはあるものの、情報を全て鵜呑みにしないことをお薦めする。蛾の情報は、蝶に比べて正確性に欠けると考えた方がいいだろう。各自の個人的な見解も多いから気をつけた方がいいと思う。ワシの書いてることも、所詮はカトカラ2年生なので気をつけなはれや。
石塚勝己さんの「世界のカトカラ」では6月上旬から出現し、10月下旬まで見られるとある。逆にコチラは早いような気がする。或いは九州辺りでは発生が早いのかもしれない。
近畿地方では7月に入ってから姿を見せ始め、中旬から数を増し、新鮮な個体は8月半ばくらいまで見られる。

 
【生態】
樹液には積極的に集まってくるが、灯火にはあまり集まらないようだ。たしかにライト・トラップや灯火に来ている姿を見たことがない。経験値がたった2年なので、予断は禁物だけど…。
樹液に飛来する時間帯はバラバラな印象がある。だが、あまり早い時間帯には寄ってこなくて、樹液が出ている木のそばに止まっている姿をよく見た。何か、待機してまあーすってな感じなのだ。性格がシャイなのかもしれない。
糖蜜にもよく反応して寄ってくる。個体数は樹液に飛来するものも含めて、概して他のカトカラと比べて少ない傾向にある。たくさん寄ってきていたのは、2019年の奈良の若草山近辺くらいだ。但し、他のカトカラはあまり見なかったから、やはりシャイな奴なのかもしれない(笑)。

わりかし敏感な方で、逃げ足は早いと思う。昼間見つけても、飛び去るのは早い。
西尾規孝さんの「日本のCatocala」によると、昼間も頭を上にして静止していると云う。大多数のカトカラが昼間は頭を下にして止まっているようだから、或る意味変わっているとも言える。自分も二度ほど昼間に静止しているのを見ているが、静止姿勢は飛ぶ前も後も上向きだった。

 
【幼虫食餌植物】
ブナ科コナラ属のクヌギとアベマキ。他のコナラ属(Quercus.ssp)でも代用食となるという。
自然状態でコナラを食う例もあるようだが、あまり積極的には利用されてはいないようだ。『日本のCatocala』で西尾さんは「春のコナラは芽吹きが早く、すぐに葉が硬化するので幼虫の餌資源としては良好とは考えられない。」と述べられている。また、ロシア沿海州ではミズナラを食樹としているが(kononenko,2003)、国内での観察例はなく、ミズナラ林での採集記録もないとも書かれている。

幼虫は樹齢10~40年の若い木から壮齢木によくつき、老齢木には殆んどつかないらしい。近年、個体数が減少傾向にあると言われるのは、この辺に理由があるのかもしれない。逆に老齢木を好むフシキキシタバは増えているみたいだから、雑木林の放置って影響大なんだね。
6齢で蛹化。幼虫の色彩変異はあるが、ヒメシロシタバよりも激しくはないそうだ。

 
今回もマメキシタバの時と同じく2019年版の続編は書かない。本稿にて併せて書きます。
これは別にサボっているワケではなくて、あえて書くほどの事もそれ程ないからだ。

 
2019年、最初にコシロに会ったのは奈良市白毫寺だった。
新亜種マホロバキシタバの分布調査の最中(さなか)だった。日付は覚えてない。逃したのだ。たぶん7月10日か12日だろう。
日没後、まもなくだったと思う。近づいたら驚いて飛び立ち、ワシの周りをワチャワチャまとわりつき、こっちがあたふたしているうちに闇に姿を消した。

 

(3点共 2019.7.14 奈良市白毫寺)

 
で、その数日後の15日に同じ白毫寺で一つ目が採れた。
たぶん♀かなあ…。時々、コシロシタバの雌雄の区別がつかなくなる。

 
(2019.7.14 白毫寺)

 
また、その数日後にも採れた。
これも♀かなあ…。

 
(2019.7.18 白毫寺)

 
その後、若草山近辺ではたくさん見た。
場所は採集禁止区域外である。

 
(2019.7.20 若草山近辺)

 
裏展翅もした。
オホホホ…( ̄∇ ̄)、脚までピッチリ揃えてやったわい。
やっぱ、裏は幽玄だよね。

 
(2019.7.20 若草山近辺)

 
これは♂かな?
この日はアホほどいたが、結局2つか3つくらいしか採らなかった。採ったら展翅しなくてはいけない。展翅嫌いなので、沢山採ったら面倒が増えるからヤなのだ。虫屋にしては、数へのモチベーションは低い方だと思う。他人と一緒だったら、少しは頑張るけど。

今年も四條畷で採れた。
数は去年よりか少なかった。まだカトカラ2年生だから、どっちの年が通常なのかワカンナイけど。

  
(2019.7.25 大阪府四條畷市)

 
触角は怒髪天にしてみた。
邪悪っぽくて、わりと好きな仕様。コレと真っ直ぐなののダブルスタンダードで暫くはやっていこうかなと思ってる。とは言っても触角がビシビシに真っ直ぐじゃないけど。
それはそうと、これは♀?それとも♂?
段々、雌雄の区別に自信が無くなってきた。

 
(2019.8.11 大阪府四條畷市)

 
これはメスだね。
また蝶屋的展翅だと言われそうだけど、触角の角度はコレが一番気に入ってる。好みは来年になったら、また変わりそうだけど…。

言い忘れたが、2019年は糖蜜トラップも各地で試した。
効果は抜群だったが、カバフキシタバみたいに樹液を凌駕するというようなことは無かった。どちらにも満遍なく集まるといった感じだった。

今年は結局、近似種のヒメシロシタバを真面目に探しに行かなかった。長野県に行った時は、他のカトカラが優先順位の上位だったから、それを狙ってたら、そのうち採れるだろうと思っていた。なのに見もせんかった。
来年は真面目に探そうと思う。この目で生きてる実物を見ないと、コシロシタバと比べて印象がどれくらい違うのか、裏の青さがどんな感じなのかは分からない。百聞は一見にしかず。標本や写真では分からないこともあるのだ。

 
               おしまいのおしまい

 
追伸
今回は冒頭から大脱線。そのまま暴走してしまうと云うムチャクチャな回になってしまった。その上、レイアウトも解説を忘れたりしてのシッチャカメッチャカっぷり。何も考えずに書き始めるので、まあ仕方ないよね。
タイトルは、書き始めた時からずっと『水色、走る』だった。途中で余程『カタカムナの呪い』とか『カタカムナの憑依神』、『カタカムナ、肩噛むな』とかにしてやろうかなとも思ったが、さすがにフザけ過ぎだし、コシロシタバとは関係がないので止した。それに熱烈なカタカムナ崇拝者の方々のお怒りを買いたくはない。本当は自分も古代ロマンとか謎の文明とか、そういうのは大好きなのである。
他にパクりで『限りなく黒に近いネイビー』なんてのも考えたりもしたが、オリジナルの村上龍の小説『限りなく透明に近いブルー』には遥かに及ばないので却下。
そういうワケで変える気はなかったのだが、なぜか最終稿で、突然今のタイトルに変えることにした。理由は、何となく。

 
(註1)雑誌「ムー」

(出展『HONZ』)

 
学研プラスが発行する日本の月刊オカルト情報誌。
写真の号の各タイトルを見ても、どんな雑誌かお解りいただけるだろう。ちょっとワクワクするけどね(笑)
因みに表紙のデザインは、いつもこんな感じです。

  
(註2)仏法僧と鳴く声の主
ハッキリと声の主がコノハズクだとわかったのは、比較的最近の1935年。判明したのはラジオがキッカケ。その経緯はドラマみたくで、とても面白い。気になる人は、ウィキペディアのコノハズクの解説を読まれたし。

 
【ブッポウソウ】
(出展『周南市立須磨小学校』)

美しい。
一度でもいいから、見てみたい。

 
【コノハズク】
(出展『pepy.jp』)

フクロウは好きだ。
飼いたい。

 
(註3)コノハズク
あとで調べたら、保久良神社のフクロウはコノハズクではなくてアオバズクだということがわかった。

 
【アオバズク】
(出展『野鳥に誘われて』)
 
可愛いなあ(о´∀`о)
名前の由来は青葉の頃(5~6月)に渡ってくるから。
因みにアオバズクは「ホウーッ、ホウーッ」と鳴く。何度か聞いたことがあるけど、暗闇で聴くその声は、人をほっこりとさせる。癒されるのだ。

 
(註4)幽世
かくりょと読む。常世、または隠世ともいう。永久に変わらない神域。死後の世界でもあり、黄泉もそこにあるとされる。

 
(註5)矮小甲虫なんぞを採る
中にキイロミヤマカミキリとクリイロヒゲハナノミがあったみたいで、甲虫屋の人にお渡しすると喜ばれた。結構、珍しいらしい。

 
【キイロミヤマカミキリ】

採った時は小さいからロクすっぽ見なかったけど、確かに形はミヤマカミキリだなあ。樹液にも来てたしさ。こんな小さなミヤマカミキリの仲間がいるなんて思いもよらなかったよ。

 
【クリイロヒゲハナノミ】

ハナノミの最大種で、結構レアらしい。甲虫屋Aさんはキイロミヤマカミキリよりもコッチに興奮しておった。それにしても変なカタチじゃのう。何じゃこりゃ❓の出来損ないの弱小👽宇宙人みたいで笑ったよ(^_^;)
それに花蚤というけど、ノミじゃなくて甲虫だったんだね。全然知らんかった。
これは♀だから髭みたいな触角?はないけど、♂には立派な髭があって中々カッコイイ。
秋田勝己さん曰く、Higehananomia palpalis の名で親しまれていたが、この属名はMacrotomoxiaのシノニムになってしまったみたいだ。また、♂小顎鬚はとっても面白い形をしていて、♀に対してエッチな使い方をするに違いないとおっしゃられていた。

 
(註6)図鑑には裏面が載ってないから
蛾の図鑑には、裏面の写真がほぼ載ってない。裏側が同定の決め手になることも多いから、正直、これ困る。不便だ。
しかし、これは致し方ない面がある。なぜなら、蛾は蝶と比べて膨大な数の種類がいるからだ。裏面まで網羅するとなれば、とてつもない分量の図鑑になってしまう。ただでさえ、ガの愛好家はチョウの愛好家よりも少ない。となると、発行部数はそんなに望めない。自然、値段も高くならざるおえない。そんな状況で、倍量に及ぶ図鑑など出せないだろう。各科を更に分巻せざるおえなくなるだろうから、一部の巻だけが売れるという現象が起きて、殆んど売れない巻も出てくるに違いない。人気のない地味な蛾ばっかの巻は、ゼッテー売れないもんね。
そうなると、石塚さんの『世界のカトカラ』くらいは裏面も載せて欲しかったなあ。カトカラのみの図鑑だし、厚さも図鑑として薄い方だしね。まあ図版を増やせば、その分コストもかかるから、当然値段も高くはなる。となると、売れないとか、きっと大人の事情が色々あるんだとは思うけど、残念だ。
知っている範囲では、裏面を載せているのは西尾規孝さんの『日本のCatocala』くらいだ。でも、この生態図鑑、優れているのに殆んど目に触れる機会がない。自費出版なので、発行部数が少なかったのだろう。それに値段が八万円くらいするから、そうおいそれとは買えない代物なのだ。

大図鑑は仕方がないにしても、この先、各科とか各属の蛾類図鑑を作る人は、せめて同定が難しい種くらいは裏面を載っけて欲しいよね。

 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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