禁断のマリアージュ

 

先日、奈良漬けが半額になっていたから、思わず買ってしまった…。
勿論、奈良漬けの基本は瓜だから、瓜の奈良漬けだ。
でも奈良漬けなんて正直どうでもいい存在なのを、買ってから気づく。

 

 
「甲南漬け」と書いてあるが、名前が違うのは神戸は灘で作っているから奈良漬けとは言えないのだろう。でも中身は奈良漬けそのものと言っていい。
因みに「甲南漬け」は、関西ではそこそこ有名だ。
そういえば昔、CMとかやってたな(註1)。全然、画像が動かないで、音だけが流れてるヤツ。

🎵灘のめーいさぁ~ん(名産)、甲南づけー、甲南づけ~

あっ、ちゃんと歌えるやん。ガキの頃の記憶力ってスゴいな。最近は何でもすぐ忘れるのにさ。
あっ、ここで気づく。甲南漬けの文字の横にちゃんと平仮名で「ならづけ」と書いてあるわ。んっ?「甲南ならづけ」ってことか。昔は奈良漬と書いてなかったような気がするけど、創業140年余年のプライドを捨てたのかな?(甲南漬けさん、昔から書いてあったならゴメンなさい。)

一応言っとくと、奈良漬けとは野菜を塩漬けにし、何度も新しい酒粕に漬け替えながら作る漬物の事ね。酒粕をふんだんに使ってるから、お酒に弱い人などは奈良漬を食っただけで酔っ払うらしい。
そういえば、昔は飲酒運転の検問で止められたら、『ワシ、さっき奈良漬食いましてん』とか言いワケするオヤジが結構いたようだけど、現代ではそんな言いワケをする人は皆無に近いだろう。
それで思い出した。昔、酒飲んだあとに何人かで先輩の車に乗って移動してる時に検問で止められ、咄嗟に『先輩、車に乗る前にウィスキーボンボンを食ったでしょう?あきまへんがなー。』とかデタラメを言って乗り切ったことがあったなあ…。飲んでない人間が多かったとはいえ、あんなウソっぱちがよく通ったなと自分でも驚いたんで、よく覚えている。

話が逸れた。戻そう。
で、奈良漬けと云えば鰻かなと思って、しゃあなしに奮発して鰻丼をつくった。

 

 
あっ、錦糸玉子の鰻玉丼を作ったんだね。忘れてたよ。最近は忘却の人なのだ。ボケないことを祈ろう。

奈良漬の位置が決まらないので、ちょいと変えてみる。

 

 
あんま変わらんなあ。茶色で限りなく地味なので、きっと位置を変えても誰も気づかんでござるよ。

鰻丼は美味しゅうございました。
けど、鰻丼に奈良漬はそんなには必要ない。せいぜい3、4切れで事足りるから、当然の如くかなり余った。かといって、そうしょっちゅう高価な鰻丼は食えない。

(・。・;…。さて、どうしたものか❓
奈良漬けは嫌いじゃないけど、好きでもない。あえて言うなら、寧ろ嫌いな範疇に近い。困ったなあ…。

考えてたら、思い出した。そういえば奈良漬けとクリームチーズが意外と合うということを何かの媒体で聞いたことがある。とはいえ、ちょっと変態的組み合わせの禁断のマリアージュである。
(@_@)デヘデヘ。オデ、オデ、おめぇの事さ、ずっとめぇから好きだったべさ。そのキレイな肌さ、触らせてくんろ。😱👩キャア ━━━━━━━━━ ❗
真っ白やわ肌のクリームチーズが、ずっと風呂入ってません的なオッサン奈良漬けにエッチな悪戯をされてる図を想像してしまった。

相変わらず妄想が過ぎる阿呆である。
しかし見方を変えれば、コレこそ千載一遇のチャンスかもしれない。🎵行け行けドンドン、行けドンドン。流れ的には躊躇する理由はない。保守的な考え方を否定するつもりはないけれど、自分のなかでは余程の事がないかぎりは唾棄すべきものだ。今回なんぞは所詮は危険と隣り合わせの選択ではない。死ぬワケではないんだから、迷わずゴーでしょう。

とにかく、いっちょ試してみるか…。
クリームチーズを買いに行く。

 

 
クリームチーズといえば、Kiriクリームチーズである。とはいえ、だいたいクリームチーズはコレしか売ってないんだけどね。

それに合わせる酒は日本酒にするか、ワインにするか迷った。何か国際結婚の図を想像した。一方は頑なに日本酒を飲んでる新郎チームで、もう一方はワインを頑なに飲んでるフランス人の新婦チーム。両者が左右のテーブルに分かれて、この奈良漬クリームチーズを前にして、どちらの酒と合うか、その優位性を口角泡飛ばして主張しあってる図である。揉めてまんなあ。
国際結婚も大変そうだな。あの時、しなくて良かったよ。
まあ、酒はどっちでも合いそうだけど…。

というワケで仲良くしましょう。
両方、買っちゃいました。

 

 
富山県は黒部市、銘酒の誉れ高い皇国晴酒造の『幻の瀧』の純米吟醸である。
「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」の「食中酒部門」で、3年連続の金賞受賞をしているらしい。
何度か飲んだ事があるが、スッキリとした辛口で、どんなツマミにも合う。名水で仕込んだ酒が不味いワケがないんである。

ワインはコチラ⬇。

  

 
サンタ・ヘレナ・アルパカ・シャルドネ・セミヨン。
これは大手スーパーやコンビニでも売ってるから知っている方も多かろう。アサヒビールが輸入する一番有名なチリワインである。値段も1コインの500円くらいと激安だから売れるんだろね。お手軽なんで、自分も珠に買う。
品種は、“白ワインの女王”とも称される「シャルドネ」と貴腐ワインの原料でもあり、糖度が高く酸味は穏やかな「セミヨン」をブレンドしたものだ。
味は一応辛口となっているが、辛口派としては結構甘い。セミヨンが入っているから当然かもね。まろやかなのも、そのせいだろう。でも、この値段でこの味なら文句はない。飲みやすいのだ。
但し、これは3、4年前のものである。先日、流しの下の闇の食料貯蔵庫に長い間眠っていたものが発掘されたのである。

奈良漬けを小さく切り、半ばヤケクソ気味でクリームチーズに合わせてみる。

 

 
結構、イケる。奈良漬がレーズンみたいな役割を果たしているのだ。甘みとアクセントとなる歯応えがあって、レーズンよりもいいかもしんない。
日本酒にもワインにもバッチリ合う。
ここに禁断のマリアージュ、成立せりである。

 
翌日も食べた。
しかし、クリームチーズを足して、もう少し奈良漬の個性を和らげることにした。それでも、真っ白なクリームチーズが、うっすらと茶色がかってしまっている。デへデへおじさんはしつこくてパワフルなんである。

 

 
今回は赤ワインをチョイス。
Clacson Le Rouge 2016(クラクソン ル・ルージュ)。

  

 
フランス産のワインだ。
産地は Languedoc-Roussillon(ラングドック-ルシヨン=通称ラングドック)。プロヴァンス地方からピレネー山脈、さらにスペインとの国境に至る南仏沿岸地域の旧地域圏名で、フランスの主要なワイン生産地の一つでもある。この辺はバイクで、走ったよなあ…。懐かしいね。そういえばワイン畑もそこそこあったような気がする。
ブドウの品種は、merlot(メルロー)、Syrah (シラー)、Grenache(グルナッシュ)。

価格は1500円くらいだったと思う。あんまり憶えてないのは、これも流しの下の闇の食料貯蔵庫に眠っていたからである。

色はガーネットレッド。香りはバニラとベリー系やチェリー系が混ぜあわさったような感じで、味はそれらベリー系のフルーティーさにスパイシーさが加わる。タンニン(渋み)はそれなりにあるが、強くはない。フルボトルという程にはドッシリとしてはいなくて、ミディアムの範疇だろう。しかし、自分にしてはちょっと甘いかな。

ワインを一口飲んで、食べてみる。
あっ、( ´∀`)旨いわ。赤ワインとも相性がいい。この甘さが、チーズの良さを引き立たせてくれてるような気がするなあ。白よか赤を推すよ。

 
数日後、さらにそこにアホカドを加えてみた。
アホカドがそろそろ食べないといけない頃合いだったし、以前にアホカドとクリームチーズが合うとも聞いていたからである。
アホカドの変色を防ぐためにレモン汁を少し搾って、混ぜ合わせてみる。

 

 
緑色になったよ。
少しは見てくれが良くなった。お洒落になったかも。華麗なる変身である。デへデへおじさん色はだいぶ軽減された。

今回は白ワインを用意した。アホカドには白が合うと何となく思ったからだ。

 

 
マルケス・デ・テナ メルセゲラ・ソーヴィニョン・ブラン(Marques de Tena Merseguera-Sauvignon Blanc)。
スペイン産の白ワインである。これも闇の食料貯蔵庫出身なのでうろ覚えだが、確かバレンシアのワイナリーのものだったように思う。名前からすると、お馴染みのソーヴィニョン・ブラン種とマイナーな感のあるメルセゲラ種をブレンドしたもののようだ。
ラベル等含めて品のある感じで高そうに見えるが、実をいうと安い。たぶん、500円くらいだったと思う。
味はフルーティーで華やかな感じで、爽やかさと酸味も適度にある。青リンゴのような匂いも仄かに香る。ライトなのだが渋みもややあって、値段の割りには満足度は高い。色も輝けるような黄金色で綺麗だ。

お約束のようにワインを一口飲んで、食べてみる。
あっ、これも結構旨いかも。白ワインにも合う。
奈良漬とクリームチーズとアホカドなんて、ある意味ムチャクチャな組み合わせだな。
しかし、これまた禁断のマリアージュじゃよ。
でも、これって重婚じゃね❓
重罪だね。益々もって禁断だすなあ。

                   おしまい

 
追伸
って書いといて、特に言うことはない事に気づく。
つい、クセで追伸と入れちゃったのだ。

(註1)甲南漬けのCM
今でもサンテレビでは流れてるらしい。ちゃんと画像は動くみたいだ。