子持ち鮎

子持ち鮎が売ってた。
しかも、4匹で298円だった。激安である。どうせ養殖だろうが、それでも安い。
鮎は養殖もされてるから、今や年中出回るようになった。しかし、子持ち鮎を味わえるのは秋の年1回だけである。だから、たとえ養殖であろうと貴重だ。

塩焼きをしている間に、子持ち鮎でググってみた。
したら、現在アユの危機が言われているらしい。コレって鮎好きとしては捨て置けないので、書いておこう。
各地に放流される鮎は琵琶湖産が多いという。しかし、琵琶湖のアユは普通のアユとは違い降海しないものが多いらしい。琵琶湖が海の替わりになっているのだ。長年の間で、一部は海水では生きていけない体質になってしまっているそうである。そもそもアユの生態は降海型で、卵から孵ったアユは一旦海に下る。で、栄養を蓄えてから、また河川に戻る。
ここで問題なのが、現在、琵琶湖産のアユを他の河川に放流しているケースが多い。これらが、もともとのアユと交雑した場合、その稚魚もまた、海では生きられない性質となる事が分かってきているようなのだ。本来のアユがそれにより激減する危惧が唱えられていると云うのだ。つまり、将来的にはアユの漁獲量が減る可能性があるって事なのさ。
もしそうなれば、嘆かわしいことである。鰻は既に高騰しているし、アユまで高値となれば悲しすぎるよ。

卵で思い出した。
鮎には塩辛もあり、ウルカ、または鮎うるかとも呼ばれている。ウルカにも色々あるが、鮎の内臓のみで作る苦ウルカ(渋うるか、土うるか)が基本だ。他に内臓にほぐした身を混ぜる身ウルカ(親うるか)、内臓に細切りした身を混ぜる切りウルカ、卵巣(卵)のみを用いる子うるか(真子うるか)、精巣(白子)のみを用いる白ウルカ(白子うるか)等がある。
どれも高価だが、中でも卵のみの子ウルカと白子の子ウルカは滅多に見掛けないし、より高価である。
これが高価なだけに、めちゃんこ美味いんである。自分も2度ほどしか食ったことかないが、死ぬほど日本酒とか焼酎に合う。メチャメチャ食いてぇ~。

そうこうするうちに、焼けた。

 

 
魚焼きグリルもないし、魚焼き網もロクなのがないから、忸怩たる仕上がりになった。

 

 
おまけに、盛り付けも決まらない。
まあいい、今回のメインは卵だ。焼き方の上手い下手は、身よりも多少の失敗は許されるのではないかと思っている。
しか~し、一部卵の火入れが不十分だった。
しゃあないので、その部分だけ、あとでレンジでチンした。

 

 
これにはエクストラ・ヴァージンのオリーブオイルと醤油をかけてみた。あっ、旨いわ。
何したって、子持ち鮎は美味い。

                    おしまい