続・クロシオキシタバ

 
     クロシオキシタバ続篇

『絶叫、発狂、六甲山中闇物語』

 

2019年 7月21日

既に7月初めに六甲で発生していることは聞いていた。しかし、マホロバキシタバ(註1)の分布調査をしていたので、中々クロシオを採りに行けなかった。で、漸く出動できたのがこの日だった。

去年と同じコースをゆく。

 

  
生憎(あいにく)と天気は悪い。

 

 
淡路島も雲に隠れかけている。
とはいえ、蝶採りじゃないから晴天である必要性はない。むしろ曇天の方が有り難いくらいだ。気温が下がってる分、身体的には楽なのだ。
蛾がターゲットなんで、ベースは夜だしね。太陽は関係ない。月の満ち欠けの方が重要なのだ。月が隠れていた方が蛾採りには良いとされている。でも外灯廻りやライトトラップをするワケではないので、それすら今日は関係ない。樹液採集の優れているところは、あまり天候に左右されないところだ。晴れていようが雲っていまいが、カトカラは腹が減ったら餌を求めて動く。むしろ霧雨や小雨程度の雨が降っている方が活性化されたりもするという意見さえある。

天候条件云々以上に、ここは去年に二度訪れているから気持ち的にはメチャメチャ楽だ。現地を知っているか知らないかの差は大きい。ポイントへのルート、所要時間、周囲の環境等々を知っていれば、効率よく動けるし、トラブルが起こる可能性も少なくなるのだ。ましてや夜だ。これが精神的にどれだけ余裕を与えてくれるか、その利点は計り知れない。

しかし、全く心配がないワケではない。昨年、木から樹液が出ていたからといって、今年もその木から樹液が出ているとは限らないからだ。
そもそも、木が樹液を出しているということは、健常な状態ではない。謂わば、体液ダダ漏れの怪我とか病気をしているみたいなものなのだ。だから一年も経てば、自らの治癒力でお治しあそばせているケースも多々ある。
それに樹液が出ていたのはウバメガシだ。ウバメガシから樹液が出るなんて、それまで聞いたことがなかった。一部の常緑カシ類からも樹液が出ることは知ってはいたが、あまり一般的ではない。出ている木も少ないし、その流量も少ないと云う印象だ。世間的に昆虫の集まる樹液の出る木といえば、一番はクヌギ。あとはコナラ、アベマキ、ヤナギ類辺りだ。他にハルニレからもよく樹液が出るようだが、ハルニレは北方系なので関西では極めて少ないようである。
とにかく目指すポイントは、謂わばウバメガシの純林だ。もしもあの木から樹液が出ていなければ、周囲にはクヌギもコナラも殆んど無いから苦戦すること必至なのだ。

雲に隠れてゆく淡路島を見ながら、ふと気づく。
そういえば登ってくる途中の最初のウバメガシ林で、今日はクロシオを一つも見かけなかった。去年は夕方前にその林を通過する時には、二度とも数頭ずつ見たのにアレレ~( ̄O ̄)❓ ちょっと嫌な予感がした。

歩き始めて15分くらいだろうか、木に止まっているアミメキシタバを偶然に見つけた。ほぼ木と同化していた。木遁の術だ。コイツら、まるで忍者だよね。よほど注意して見ていないと見破れない。

でも見破られたら終わりだ。オジサンに拐われる。

 

 
下向きではなく、上向きに止まっていた。
カトカラは昼間は逆さま、つまり下向きに止まっているというが、夜は上向きに止まっている。じゃあ、何時頃に向きを変えるのだろう❓ 因みに採ったのは午後6時25分だった。この日の日没時刻は7時10分。日はまだ沈んでいない。
ずっと疑問だったんだけど、ナゼそもそも昼間は下向きに止まっているんだろう❓何かメリットでもあるのかね❓ 上向きに止まろうが下向きに止まろうが、さして見た目に変わりがあるとは思えない。理由が全くワカラン。それについて言及されている書物も見たことがない。何でやねん❓誰か答えてくんろ。

 
【裏面】

 
次第に尾根道は細まってゆく。いわゆる痩せ尾根ってヤツだ。そして、両側は切れ落ちた急峻な斜面になっている。特に右側の神戸方面は斜度がキツい((画像は去年のものです)。

 

 
この辺りは源平合戦(治承・寿永の乱)の古戦場として知られ、一ノ谷の合戦があったところだ。一ノ谷の合戦といえば、源義経による奇襲作戦「鵯越の坂落し(逆落し)」が有名である。義経はここから海に向かって(神戸方面)馬で駆け下り、平家方は想像だにしていなかった背後の急峻な山からの奇襲攻撃に総崩れになったというアレだね。

やがて、去年樹液がバンバンに出ていた木が見えてきた。
(-“”-;)……。
遠目に見るも、カナブンもスズメバチもおらん…。夕方遅いから、お家に帰っちゃったことを祈ろう。

木の前までやって来た。
ゲロゲロゲロー\(◎o◎)/、不安的中やんけー。
樹液が出ている様子なし。見事に傷は癒えて、健康な状態に戻っているではないか。(|| ゜Д゜)ヤッベー。

まあ、仕方あるまい。
そんな事もあろうかと、それを見越して今年は糖蜜トラップを用意しているのだー\(^o^)/。イガちゃん、かしこーい。フフフ( ̄∇ ̄)、カトカラ採りも二年目ともなれば、それなりに進化しているのだ。まあまあ、天才をナメなよである。

 

 
日が暮れてゆく。
それを合図に糖蜜を木の幹に吹き付ける。
( ・∀・)/占==3しゅっしゅらシュッシュッシュー。

しかし、辺りが真っ暗になっても何も飛んで来ない。
寄って来たのは、気色の悪いゲジゲジと👿邪悪なムカデだけだ。おぞましい奴らめ、この世から滅びてしまえばいいのに。

楽勝気分だったのに、おいおいである。焦る💦。
他のカトカラには絶大なる効力があったのに何で❓
そうとなれば、飛んでるものをシバキ倒すしかない。
しぇー、キビシ━━ィッΣ(ノд<)
でもグズってても、何も始まらない。やるっきゃない。ヘッドライトを点け、網を持って歩き始める。

歩き始めて直ぐに沢山飛んでるところを見つけた。
15mほど離れた山の斜面に大木が生えており、その周辺でカトカラたちが乱舞していた。おそらく、木からは樹液が出ているのだろう。
しかし、ここは前述したように鵯越と呼ばれる急峻な斜面だ。あそこまで行くのは至難に思える。降りようと思えば降りれなくはないだろうが、戻ってこれない。なぜなら上部は道からスパッと切れ落ち、崖状になっているからだ。攀じ登るには、かなり厳しそうなのだ。もし降りて、ここから登れないとなれば、登れそうなところを探して彷徨(さまよ)う事になる。こんな急斜面を、しかも暗闇でトラバースし続けるなんて地獄だ。下手したら遭難だ。リスクが高過ぎる。

仕方なしに糖蜜を撒いた場所に戻ったら、糖蜜トラップにクロシオくんが来ていた。
(^-^)効力あるじゃん、あるじゃーん。
一応、上翅の色を確認する。去年やらかしたから、その辺は抜かりがない。昨年はクロシオをパタラ、いわゆる普通キシタバ(C.patala)だと思って無視してしまったのだ。お陰で、再度採り直しに来る破目になったのだった。カトカラ1年生だったとはいえ、情けない。
けど、慣れないうちは誰でも見分けがつかなくて当たり前なんじゃなかろうか。特に野外では難しい。それくらいこのキシタバグループは似た者同士だらけなのだ。

よし、青っぽい。緑色ではないからパタラではない。間違いなくクロシオだ。
慎重に近づき、大胆にネットイン。最初の1頭をゲットする。

 

 
でも、大胆にブン殴るように網を払ったので、中で大暴れ。たちまち背中がハゲちょろけの落武者になってしまった。一瞬、去年の落武者の恐怖を思い出し、半笑いになる。去年は落武者の亡霊が怖くて、Σ( ̄ロ ̄lll)ビビりまくってたんだよなあ。

裏面の写真も撮っておこう。

 

 
お目々、( ☆∀☆)ピッカリンコである。
カトカラは夜に懐中電灯の光を当てると、目が赤っぽく光る。それで比較的簡単に見つけることが出来る。昼間の見つけ採りよか、こっちの方が余程見つけ易いと思う。
それにしても、考えてみれば夜に目が光るだなんて怖いよなあ。これって知ってるから「(^o^)vラッキー、めっけー」だと思うけど、そんなの知らない一般ピーポーからしたら、鬼火とか得体の知れない魑魅魍魎に見えるやもしれぬ。それって、ビビるよねぇ。発狂もんだと思うよ。

けれど糖蜜に来る個体は少ない。仕方なしに空中シバキと糖蜜採りとの二本立てでいくことにした。

一時間が経った。しかし、数が伸びない。去年みたく楽勝で次々とゲットというワケにはいかない。やはり樹液が出ている木がないと厳しい。こうなったら、もう少し探す範囲を広げて、樹液が出ている木を見つけよう。

幸いな事に、少し歩いただけでカトカラの乱舞する木が見つかった。しかも斜面ではない。道沿いの木だ。木は大木ではなくて、結構細い。ウバメガシは大木しか樹液が出ないと思ってだけど、そうでもないんだね。
懐中電灯で照らしていくと、吸汁している者の他にもベタベタと何頭もが木に貼り付いている。おそらく1回目の食事が終わり、休憩しているのだろう。あっ、アミメキシタバも結構いる。
フハハハ…Ψ( ̄∇ ̄)Ψ、ここから楽勝街道爆進じゃあ❗

しかし、問題も有りだった。樹液が出ている箇所が高いのである。4、5mくらいはある。そうなると毒瓶をカポッと被せるという方法が使えないから、網で採るしかない。しかも高いから結局網を振り回す事になる。それに道が細いから両側から木が迫ってきていて、枝も一部覆い被さっている。つまり狭い空間で網を振らざるおえないと云う事だ。狭い場所での長竿のコントロールは難しい。枝に引っ掛けたりするから、自由に振り回せないのだ。
しかも、そんなだから、当然採れてもカトカラたちは網の中で暴れ倒す。特にクロシオが激しく暴れる。で、採っても採っても落武者になりよる。おまけに位置が高いゆえ、真下からだとブラインドになりがちで距離感も掴みにくい。また木が細いと云うのもよろしくない。幹を💥バチコーン叩く手法も使えないからだ。
そういうワケだから、百発百中というワケにはいかない。採り逃しもそこそこあるのだ。いつもよか打率がかなり低い。思うようにいかなくて、段々(=`ェ´=)イライラしてくる。

そんな中、捕らえたやや禿げのクロシオを三角紙に入れた直後だった。右耳の辺りに違和感を感じた。で、耳を触るとガザガサ、ゴワゴワしたものに触れた。
あれっ❓、かさぶた❓ でも耳を怪我なんかした覚えはないよね。一拍おいて、今度は右頬に違和感を感じた。反射的に触れた瞬間だった。
💥バッチ━━━━ン❗❗
Σ( ̄皿 ̄;;痛っ、てぇ━━━━━━━━━ ❗❗❗
赤々と熾(おこ)った火箸をジュッと当てられたような鋭い激痛が走り、その場で絶叫した。
(@_@;)何だ❗❓、(◎-◎;)何だ❗❓、何が起こっているのだ❓ワケわかんなくて頭の中がパニクる。
まさか落武者の呪い❓Σ(T▽T;) 発狂しそうになる。と同時にズキズキとヒリヒリの両方混じったよな痛みで、皮膚がカッと熱くなる。
でもさぁー、それってオカシかないか❓オラ、平家の末裔だぞ。家の家紋も、その証てある蝶だしさあ。守られこそすれ、呪われる筋合いはない。( ;∀;)ポロポロ。御先祖さま、酷いよ。

落武者の亡霊を頭から追いやる。そんなもん居てたまるものか。冷静に考えよう。これは何かに刺されたか咬まれとしか考えられない。でも、じゃあいったい何者なのだ❓
夜だし、スズメバチとは考えにくい。それにスズメバチに刺された時の感覚とは少し違うような気がする。蛇❓ヘビなら、いくらなんでもわかるだろう。
他にヤバイ奴っていたっけ❓そこで漸く思い至る。さっきの木にそういえばムカデがいたことを思い出した。クロシオを網に入れた時に一緒に混入した可能性はある。そうとしか考えられない。でも、どうやって体に這い登ってきたのだ❓あんなもの、這い登ってきたら気づく筈だ。厚いコートを着ているワケでなし、Tシャツ1枚なんだから感じない筈はなかろう。
と、ここで更に思い至った。そういえばチビッコのまだ子供みたいなムカデもいたなあ…。きっとアレに咬まれたに違いない。
ムカデに咬まれたのは初めてだけど、こんなにも痛いものなのか❓あんなチビでもこんだけ痛いのなら、あのデカくて邪悪そのものの奴にやられたとしたなら、どんだけの痛みなのだ❓ ムカデ、恐るべしである。

採っても採ってもクロシオはハゲちょろけになるし、何で誰もいない真っ暗闇の山中に勇気を奮って来たのに、こんな目に遭わなければならないのだ。半泣きで、ベソかきそうである。
でも、何かムチャクチャ腹立ってきた。虫採りって、サイテーの趣味だ。こんな趣味を始めていなかったら、ヒルに血を吸われることも無かったし、スズメバチやアブ、ブヨに刺されることも無かった。ダニに喰い付かれることも無かっただろうし、ハブとかマムシなどの毒蛇や熊に怯えることも無かった筈だ。海外だったら、もっとヤバイ。熊もいるだろうし、蛇はコブラとか青ハブ、百歩蛇(ひゃっぽだ)だぜー。そういえば、虎に豹、野象がいる森に入ったことだってある。地雷の恐怖もあったし、知らぬうちに治安のバリバリ悪そうな村に入ってしまった事だってあった。
で、蛾採りを始めたら、ムカデかよ。夜の闇は死ぬほど怖いし、オイラ何やってんだよと思う。虫採りさえ始めなかったら、こんな目に遭いはしなかった。ヒルもダニもブヨも虫採りを始めてから初めて見たのだ。
だいたい、そもそも虫採りとかをやってるタイプではない。女の子にモテるような事ばっかしやってきたチャラい人間なのだ。

Σ( ̄皿 ̄;;こんな事やめたらぁ~❗

発狂して、闇に向かって絶叫する。
虫採りなんて生産性ゼロだ。やってられっかである。

叫んだら、痛みが増してきた。痺れたような感覚もある。何だか心臓も💓ドキドキしてきた。いや、バクバクか。
そんな事よりどうする❓ムカデって、アナフィラキシーショックとかってなかったっけ❓
いや、あった筈だ。ならば、一刻も早く下山して病院に行かなければならない。
でもハゲちょろけてないクロシオが、まだ一つも採れていない。こんなとこ、もう二度と来たくない。クソッ、採れるまで下りてたまるか、(#`皿´)ボケッ❗

 
午後10時過ぎ。
痛みを堪えて真っ暗な道を下る。
相変わらずの悪路だ。道の横には暗渠の如き闇が口を開けている。誘(いざな)われているような気がする。しかし足を踏み外せば、急斜面をどこまでも転がり落ちることになる。
縮こまった心を抱きしめる。何が何でも無事に下山しなければならぬ。ミッションは何とかやり遂げた。それだけが今の心の支えだ。

途中で、やっと目の前が開けた。

 

 
眼下に神戸の夜景が見える。
ホッとして、少し痛みも和らいだような気がする。
ここまでくれば、あとは道も良い。
さあ、もう一踏ん張りだ。大きく息を吐き出し、気持ちを切らさないようにして再び坂道を慎重に下りていった。傍らを風がそよと吹いた。

                    おしまい
 
 
今年採ったクロシオの一部を並べよう。

 

 
見事なまでに落武者禿げチョロケである。
カトカラって背中の毛が脱落しやすい。ホント、忌々しいわい(=`ェ´=)

因みに左右で展翅バランスが違うのは、ワザとである。どうせ禿げチョロケなので、この際、皆さんの意見を訊いてやろうと思ったのだ。バランスを変えるだけで、印象だけでなく、見た目の大きささえも違ってくるのである。
皆さん、右と左でどっちのバランスがいいと思いますぅ~❓

 

 

 
上翅の白紋って、♀にしか出ないのでは?と思ってたけど、♂でも出るのね。

 

 
コチラは通常タイプの青いの。
この青いタイプと白紋が発達したタイプは好きだ。クロシオって、キシタバの中では割りとカッコイイ方だと思う。

裏面の画像も添付しておこう。

 

 
キシタバ類の裏面って、どれも似たような感じでワケわかんないや。
そういう意味でも図鑑には裏の画像も欲しいよね。大図鑑は膨大な種類を載せなければならないから無理だとしても、属レベルの図鑑くらいは裏面を図示して欲しいよね。

似ているアミメキシタバとの違いは、上翅の翅先(翅頂部)に黄色い紋が出るところだろうか。あとは下翅の真ん中の黒帯の形かな。けんど、こんなの沢山並べてみないとワカランな。

 

 
左上がアミメ、下がマホロバキシタバで、右がクロシオである。
アミメと比べてクロシオは大きいから、それでだいたいは区別できる。問題はアミメとマホロバだ。両者は似ていて、この状態では判別が難しい。概してマホロバの方が大きいが、微妙な大きさなのもいるから注意が必要だ。確実に同定したいなら、上翅の内側を見るしかない。
いかん、いかん。本題から大きく逸れてしまいそうなので、この三者の違いはマホロバの回に纏めて解説しようと思う。けんど、シリーズにマホロバが登場するのは、まだまだ先の事だけどさ。

こんな説明してもワカランだろうから、アミメの画像も貼っとくか。

 
【アミメキシタバ♂】

 
【同裏面♀】

 
表は上翅が茶色く、下翅下部の黒帯が完全に繋がっているのが特徴。クロシオはこの部分がやや隙間が開くか、微かに繋がる程度だ。裏は上翅の内側の黒斑が強く出る。

クロシオの生態に関しては、前回に書いた以上の目新しい知見はない。強いて言えば、やはり敏感な奴だってことくらいかな。

おっ、そうだ。
マホロバの分布調査の仮定で、小太郎くん&マオちゃんコンビが奈良県の若草山でクロシオを見つけた。

 
【クロシオキシタバ】
(画像提供 小太郎くん)

 
他の分布地からかけ離れた場所だったから、これまた新亜種ではないか?と色めき立った。クロシオは移動性が強いと言われ、秋口に時々分布地からかけ離れた場所で偶発的に見つかっている、しかし、この個体は鮮度が良いし、日付も7月23日だったので、遠方から飛来したものとは考えにくい。遠距離移動するのは、もっと遅い時期なのだ。現地で羽化したものと考えるのが妥当だろう。
しかし、石塚さんがゲニを見た結果、ただのクロシオだった。2匹めのドジョウを期待したが、そうそう新種や新亜種が簡単に見つかるものではないよね。世の中、そんなに甘かない。

 
追伸
帰宅後、熱めのお湯(43℃)で患部を洗い流した。
ネットにそうすればいいと書いてあったのだ。水だとかえって痛みが増すらしいから、気をつけてね。
それで痛みがかなり和らいだ。で、メンタム塗って寝た。4、5日もしたら、ちょっと痒いくらいで、ほぼ治った。しかし、ムカデもアナフラシキーショックがあるらしい。今度、咬まれたら、おっ死ぬかもしれない。対馬でツマアカスズメバチにメチャメチャ刺されたから、それも合わせて注意しなければならない。ホント、因果な趣味だよ。(;´д`)トホホである。

話は変わる。
実を云うと、この文章は2ヶ月以上も前に大半が書き上がっていた。ムカデに咬まれて発狂、絶叫の下りだけを残して放置されていたのだ。
理由はマホロバの一件もあるが、一番は想定外だったシルビアの連続もの(全5話)のせいだった。シルビアに関しては、調べものが膨大になり、それを要約しつつ文章に配置するのにかなりの時間を要したからだ。
因みに完成したのは4日前だ。最終稿を読むのが面倒で放ったらかしになってたのだ。

 
(註1)マホロバキシタバ

 
今年、日本で新たに加わった32番目のカトカラ。
新種とはならず、台湾の Catocala naganoi の亜種(ssp.mahoroba)におさまった。
画像は♂。下翅下部の帯が繋がらず、大きく隙間が開いているのが最大の特徴である。