ムール貝の白ワイン蒸し

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スーパー玉出で、天然のムール貝が1パック¥148で売っていた。
玉出には、あまり市場に出回らないような変わった食材が時折並ぶ。しかも誰もチャレンジしない、買わない事を見越してか、だいたいアホみたいに安い。
スーパー玉出は胡散臭いところもあるが、目利きができる人ならば、中々使えるスーパーである。特に魚は一匹買いすれば、かなりお得だと思う。モノが良いわりに値段が安いのだ。切身や刺身は、あんまお薦めしないけど。たぶん、鮮度が落ち始めたものが解体されるのであろう。

作り方は簡単。
まずムール貝をタワシで洗い、すき間から出ているゴワゴワの陰毛みたいなのを(足糸)をブチッと引き千切る。昔、彼女のをブチッと抜いたら、スゲー怒られた。当たり前である。
そんな事はどうでもよろし。前へ進めよう。
で、フライパンにオリーブオイル、みじん切りにしたニンニクを入れて弱火にかける。お好みで鷹の爪を入れても良い。
ニンニクの香りを油に移したら、そこにムール貝をブチ込み、白ワインをかけて蓋をして蒸し焼きにする。塩は貝から塩味のエキスが出るので不要。
で、中火もしくは強火にして、貝の口が開くまで待つ。たぶん2、3分以内に開く。開かない貝があれば死んでいるので、除外でっせ。死んでる貝を食うたら、アタリまっせ~Ψ( ̄∇ ̄)Ψ
貝が開いたら、すぐ食べれないことはないが、この時点ではまだ半生なので一応+30秒から1分くらいそのまま放置。とはいえ、熱を入れ過ぎると身が固くなるので注意されたし。
あとは器に移して、イタリアンパセリを散らして出来上がり。因みに今回はイタリアンパセリが無かったので、ミツバで代用した。

 

 
殻に対して中の身が小さい。ホンマもんのムール貝ならば、もっと身が大きい筈だ。
ここで漸く気づく。ムール貝と書いてあったが、たぶんコレは近縁種のムラサキイガイ(紫貽貝)。その辺の堤防とかに、ぎょうさん付いてる奴だ。どうりで天然と書いてあったワケだ。もしホンマもんのムール貝の天然ものならば、生きたままヨーロッパ辺りから空輸されたと云うことになる。それなりのコストがかかって然りである。148円は有り得ない。この辺がスーパー玉出の胡散臭いところである。

でも、味は旨い。ムール貝とほぼ同じと言っていいだろう。下手したら冷凍モノのムール貝よりも旨いかもしんない。
値段が値段だし、全然文句あらしまへん。
よく冷えた辛口の白ワインを口にふくみ、ゆっくりと喉に流し込む。
(о´∀`о)良いねぇ~。

南仏プロヴァンスをバイクで旅したことを思い出した。
地中海沿岸ではムール貝の白ワイン蒸しはポピュラーで、プロヴァンスでは名物になっている。
鉄のバケツに山盛りで出てくるんだけど、それを白ワインを飲みながら延々と食べる。食いきれんのか?と思っていたのに、バケツ一杯のムール貝があっという間に無くなっちゃうんだよね。
カルカッソンヌのキャンプ場の記憶が鮮明に甦ってきたよ。キャンプ場併設の野天レストランでアホほど食ったっけ…。
もう20年以上前のことだ。
光陰矢の如しである。

                    おしまい

 
追伸
書き終えて、ムラサキイガイについて言ったことに違和感を感じた。間違っているような気がしてきたので、調べ直してみた。

結果、やっぱ間違ってました。ムラサキイガイはムール貝の和名でやんした。
Wikipediaには以下のような記述がござった。

「原産地は地中海沿岸を中心とした地域だが、船舶の底に付着、あるいは幼生がバラスト水に混入するなどして世界中に分布を広げた。日本では1932年に神戸港で初めて発見され、1950年代頃までには全国に分布を広げた。」

ごめん、ごめん。コレ、知ってたわ( ̄∇ ̄*)ゞ
どこでどう記憶が改竄されたのだろう❓
歳喰うと、脳細胞が次々と死んでゆくなあ。

身が小さかったのは、たぶん時期のせいだと思う。ムラサキイガイは冬が産卵期のようだ。それゆえ、その時期は身が細るのであろう。そういえば夏場に食った時は、もっと身が大きかったわ。旬は春から夏だね。
とはいえ、今の時期でも身が小さいことに我慢すれば、充分旨い。

最後に調理法について書き忘れたことを加えて退散します。
白ワインの代わりに日本酒を使ってもOKです。この場合は散らすのはミツバがよろし。代用品としては、セリとかパクチーも有りだと思う。
オリーブオイルを使わず、ムール貝とニンニクに直接日本酒や白ワインをかけて蒸すと云う方法もある。コチラの方が、もっとお手軽です。面倒くさがり屋なので、半分はこの作り方をしてる。実を云うと画像もそう。一口食って、オリーブオイルを入れ忘れてる事に気づいて、上から垂らした。別にコレでも大丈夫。特に問題はないです。

 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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