チャンジャの一番美味しい食べ方

 
正月明けの事である。
色んな種類のキムチが入っているセットが半額になっていた。構成は白菜キムチとカクテキ(大根のキムチ)、スルメのキムチ、チャンジャの4種類だった。
カクテキは甘ったるいものが多くてガッカリさせられてばっかだし、スルメのキムチは二度ほど食べた事があるけど美味しかったという記憶は皆無だ。チャンジャはそこそこ旨いものだけれど、一回クソ不味いのを食ってからは敬遠気味になっている。白菜キムチは時間が経過すると酸味が強くなる。嫌いという程ではないけれど、やはり基本的には酸味の少ないキムチの方が好きだ。だから、正直どうしようかと思った。

でもハタと思い出した。テレビで、dancyu(ダンチュー(註1))の編集長 植野さんが一番旨いチャンジャの食い方をチラッと喋っていたんだけど、アレにはかなり興味を唆られたんだよねー。
ならば、これは千載一遇、もしかしたら良い機会なのかもしれない。チャンジャはスーパーにはあまり売ってないし、値段も結構高い。それが半額の150円とかくらいなのだ。量は少ないが、それでもお買い得の値段だろう。
それに酸味が強ければ豚キムチにでもすればいいやとも思った。前述したように、白菜キムチをそのまま食べるとすれば、断然酸っぱくない方が好きだけど、豚キムチになると話は変わってくる。程度にもよるが、豚キムチはそこそこ酸味があった方が旨い。それがオラの持論だ。
そういえば昔、韓国人の知人が居酒屋で酸味の無いキムチで作られた豚キムチを食って「こんなの豚キムチじゃない!」と怒ってた事があったよなあ…。彼曰く、本場韓国では豚キムチは酸味のあるのが当たり前らしい。

とにかく、何だかんだ考えた揚げ句、結局買うことにした。
で、家に帰って早速味見してみた。

カクテキは予想に違(たが)わぬ甘さ。クソ不味い。死ねや(-_-#)

スルメのキムチも甘ったるい。おまけに何だかネチャネチャのベトベトだ。食ったら、口の中でクチャクチャいつまでもとどまっているのも許せない。
Σ( ̄皿 ̄;;死ね、(#`皿´)死ね、(ノ-_-)ノ~┻━┻ 死ねや~。オマエなんか一生食うたれへんぞー。存在理由がワカランわ。こんなもん、はたして喜んで食う人なんぞいるのかね?

白菜キムチも予想通りの酸っぱさ。コレは即、豚キムチ化。

 

 
味は、可もなく不可もなくってところ。

さてさて、本題のチャンジャである。
(# ̄З ̄)何❓チャンジャがワカランだと。今、世の小娘どもの「チャンジャって何❓」という声が聞こえたよ。そんなもんも知らんのか今時の小娘どもは。このバカチンがあι(`ロ´)ノ❗
とは怒らない。オジサン、何てったって若い小娘には大変優しいのだ。(⌒‐⌒)よしよし、ワタクシが懇切丁寧に教えてしんぜよう。

えー、チャンジャとは韓国の珍味で、簡単に言うと鱈(タラ)の胃や腸など内臓の塩辛のことね。タラの腸や胃袋を塩漬けにしたものに、コチジャンや胡麻油などで味付けするようだ。
余談だが、韓国ではタラのことを「明太」と呼ぶ。つまり「明太子」は韓国語由来なのさ。明太子はタラの卵で作ったものだからね。
韓国語では「腸子」「창자」と書く。発音は英語表記にすると「jangja」となるそうだ。
しかし韓国ソウルでは、魚の内臓の塩辛のことを総称して、「창난젓(チャンナンジョッ)」や「チャンランジャ」「チャンラン」と呼ぶことが多く、チャンジャでは伝わらないそうな。
ただ、プサン(釜山)やチェジュ(済州島)等の南部では「チャンジャ」で通じることもあるようだ。これは戦前から日本にいる在日韓国人の多くがチェジュ出身者で、チャンジャという呼び方は鱈の胃の塩辛を商品化した在日韓国人の間から生まれたものみたいだね。ようはチャンジャは方言ってワケだ。

余談が過ぎた。
基本の食べ方は酒のツマミか御飯のお供。他はあまり聞かない。自分もその食べ方しかした事がない。

お待たせした。
それでは、dancyuの編集長の食べ方を御披露しよう。

 

 
作り方もヘッタクレもない。ようするに、海苔の上に白御飯とチャンジャを乗っけただけのものだ。
コレが超簡単だけど、超旨い。流石、dancyuの編集長である。マジ尊敬するわ。

あっ、肝腎なことを言い忘れてたよ。
下の海苔は普通の海苔じゃなくて、コッチね↙。

 

 
そう、韓国海苔。
考えてみれば、チャンジャも韓国由来なんだから納得のチョイスだね。

興味がある人は、是非試してみてネ。

                    おしまい

 
(註1)dancyu(ダンチュー)
プレジデント社が発行しているグルメ月刊誌。 「食」とそれに関連するテーマを幅広く、こだわりをもって追求した、男のための雑誌というのがコンセプトのようだ。
「dancyu」は、おそらく「男厨」だろう。由来は「男子厨房に入らず」を逆手にとった「男の厨房」を略して、それを更に横文字にしたのではないかな。あくまで推察だけど。