2018′ カトカラ元年 其の17 第四章

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  vol.17 ムラサキシタバ act4

  第四章『パープル・レイン』

 
 2019年 9月3日

もう一晩、此処わさび平小屋周辺で粘るという手もあったが、たぶん同じ事の繰り返しだろう。採れる気が全くしない。
この際、ヨシノキシタバは諦めてムラサキシタバとエゾベニシタバの2つにターゲットを絞りなおそう。両種の幼虫の食樹は被っているから、両方採れる可能性もある。
とは言いつつも、いつの間にか頭の中は女王ムラサキシタバのことだけで占められていた。エゾベニはまだ一度も見たことがないけれど、それよりもムラサキへの想いの方が強いみたいだ。皇帝の前では、他の全てのカトカラは霞んでしまう。それくらい存在感が違うのである。

問題は場所を何処にするかだ。当初はロープウェイ駅まで下りて、そこで勝負することを考えていた。1000〜1200mと頃合の標高だし、付近にはムラサキとエゾベニの食樹であるドロノキも多い。加えて周辺には旅館やホテルもあるから外灯だってあるだろう。そこに寄って来るカトカラもいるかもしれないと思ったのだ。
しかしながら、今や夜間に虫を寄せ集める水銀灯や蛍光灯は世の中から消えつつあると云うのが実情だ。最近は、殆ど虫が集まって来ないLED照明にとって替わられつつあるゆえ、たぶん多くは望めないだろう。それに夜まで時間を潰すのは大変そうだ。チョウさえいてくれれば、何の問題もないのだが、この時期にいる蝶は少ない。さらに言えば、採りたい蝶はキベリタテハくらいしかいない。

 
【キベリタテハ】
(2009.8月 八ヶ岳)

 
けれど困ったことに、この新穂高にはキベリタテハはあまりいないのである。昔、春にボロボロの越冬個体を1頭だけ見たのみだ。それに、沢山いると云う話も聞いた事がない。
考えてみれば、左俣周辺にはキベリタテハの幼虫の食樹となるダケカンバや白樺が少なかった気がする。あるとしたら、ロープウェイで上がった鍋平くらいだろう。しかし、いるかどうかも分からないのに行く気にはなれない。
今になって考えてみると、食樹が同じであるオオイチモンジは確実にいるから、ムラサキも間違いなくいる筈だ。ゆえに、それも悪い選択ではなかったかもしれない。だが、その時は前日の辛いテントでの一夜で、すっかり疲弊してしまっていて、そこまで頭が回らなかったのだ。

(・o・)ん⁉️、ちょっと待てよ。
でもキベリタテハの幼虫ってヤナギ類も食べるよな…。
谷間にはヤナギ類は結構あるのに、何でここいらにはキベリがあんまりおらんのじゃ?
もしかして、ヨシノキシタバもそうだったりして…。
だって、あれだけわさび平小屋周辺に立派なブナ林があるのにも拘わらず、全然見なかったもんな。
同じような環境なのに、居たり居なかったりして、生き物ってよくワカンナイや。

左俣道を降りてゆくが、やはりキベリタテハの姿はない。どころか、何もおらん。いる筈のヒョウモンチョウ類やシータテハ、エルタテハ、コムラサキも全く姿を見ない。
ロープウェイまで降りてきて、何だか全てがイヤになってきた。ここには、何もおらんような気がしてきたのだ。それに身も心も芯まで冷えきっていたから、熱い温泉に浸かるのを本能ちゃんが激しく熱望していた。

そんな気分だった折りに、丁度バスがやって来た。
これも流れだと思った。ならば、それに身を任そう。そのままバスに飛び乗る。

乗った時点で、次は何処へ行くかは決めていた。
だいぶ遠いが白骨温泉へ行こう。そこで温泉に入って鋭気を養い、仕切り直して去年採った場所に行き、確実にムラサキを仕留めよう。そう決心していた。
一旦、バスで平湯温泉へと移動する。そこで白骨温泉ゆきのバスに乗り換えられる筈だ。
だが車内でネットで調べてみると、バスが白骨に到着する頃には公共温泉施設は閉まってしまうことか分かった。ギリでアウトなのだ。おまけに間が悪いことに、温泉旅館の風呂も本日は清掃日にあたっており、入浴できないときてる。
何か完全に呪われとるね( ノД`)…。どないすんねん❓

幸い白骨方面ゆきバスの出発時刻までには、まだ時間があったから、平湯で風呂に入ることにした。
バス停から一番近い日帰り温泉、「平湯の森」へ行く。

 
【平湯の森】
(出展『楽天トラベル』)

 
初めて利用したが、広くて良い風呂だった。
ちょっと、気力も戻る。
これからは日帰りならば、いつものとこよりもコッチの方がいいかもしんない。

白骨温泉へ行くには、いったん沢渡まで行って、そこでまた別なバスに乗り換えなければならない。でもバスで行くのは初めてだから、不安が大きい。バスの本数が極めて少ないので、乗り換えに失敗したら最悪の結果になる。

沢渡で降りたら、雨が降り始めた。
予想はしてたけど、やっぱりか…。我が精緻なるお天気センサーは、ハッキリと答えを出せないでいる。降ったり、止んだりという感じかなあ…としか言い様がない。たぶんこの山域では降ってるところもあれば、降っていないところもあるんだろなと思う。女心と秋の空は変わりやすいというが、正にそれで、読めない。一日雨ということはないだろうが、何時から何時までが雨と云うのまではワカラナイ。おそらく天気予報を見たところで、ピンポイントでは当たりそうにないような微妙な天気なんだと思う。
まあ、とやかく言ったところで、どうしようもない。ようは運次第ってことだろう。

なんとか無事に乗り継げて、バスは4時半前に白骨温泉の上にある泡の湯に到着した。ここから、去年ムラサキシタバが採れた場所まで歩くつもりだ。

歩き出して直ぐに光が射してきた。そして、そのうち青空まで覗き始めた。
スーパー晴れ男の面目躍如と言いたいところだが、あんまし自信がない。センサーは晴れるという明確な信号を送ってはこないのだ。とにかく、このまま回復してゆくことを祈ろう。でも、同時にあまり信用しないようにしよう。それくらい今日の天気は気まぐれな気がする。
今さら思い悩んでも仕方がない。なるようにしかならんのだ。

途中、見覚えのあるような広場に出た。たぶん昔、森さんがオオイチモンジのポイントだと教えてくれた場所だ。温泉街からそう遠くないし、面倒くさくなってきたから、もう此処にしようかなと思った。
けど思いとどまった。ここは確実を期そう。先ずは実績のある場所で確実にムラサキを仕留めたい。ギャンブルを極力避けたいと云う心理が働いてるんだろなと思い、苦笑する。我ながら、気持ち弱ってるなあ…。

坂道は思っていた以上にキツい。喘ぎながら登る。
そして、目的の場所がいつまで経っても現れない。次のコーナーさえ回れば見えてくると何度も思うが、見覚えのある風景は何故だか見えてこない。段々、本当にこの道で合ってるのか不安になってくる。
しかも、ザックの重みが次第に肩に食い込んでくる。自分は荷物が重いのが大嫌いで、普段は必要最低限の物しか持たない主義の超軽装男なのだが、今回は勝手が違う。テントと糖蜜トラップ用の2Lのペットボトル、飲料水用の2Lのお茶も持参している。液体は重たいのだ。
一瞬、お茶を半分捨てたろかと云う衝動に駆られる。とはいえ、山で最も重要なのは飲料水である。これだけはケチれないし、削れない。「命の水」と云うだけあって、これを切らせば虫捕りどころではなくなるのだ。そう云うワケで、ことのほか重くて辛い。心がどんどん磨り減ってゆく。

途中、見晴らしの良い場所に出た。見下ろすと、温泉街は遥か下にあった。
えーっ❗❓、そんなに遠かったっけ❓
車で移動した時は、ものの5分か10分だと思っていたから近いと勝手に思い込んでいたが、とんでもねえや。
冷静に考えてみれば、あの時は下りだったし、思っている以上に車は速い乗り物だ。それは知っている。だから理解はできる。完全に文明の利器の力を侮ってましたよ( ;∀;)
だからといって、折角ここまで登ってきたのだ、今さら戻りたくはない。そもそも引き返すことが性格的に大嫌いなのだ。根性で歩く。
待ってろよ、紫のキミ。無茶苦茶に凌辱しちゃる(`へ´*)ノ

歩いていると、ムラサキの食樹であるドロノキが多いことに気づく。幼木が沢山生えているところも見つけた。そこを拠点にしようかとも考えだが、果たして幼木にメス親が卵を産みに来るのかどうかもワカラナイので、やめておくことにした。冷静な判断といえば聞こえはいいが、益々ハートは大胆さを失っているようだ。

ようやく目的地に着いたのは午後5時半くらいだった。
早速、テントを張る。そう、ここで野宿するつもりなのだ。
でも、この時は熊に対しての恐怖心はあまり持っていなかった。昨日の、新穂高の熊の巣窟に比べれば、どってことないと思ってたのだ。でも後日、小太郎くんに『よくあんな熊がいっぱい居るようなところに、一人でテントなんか張って寝れましたねー。』と言われた。知らぬが仏である。🙏なんまんだあ〜。

しかし恐れたとおり、再び天気は下り坂になった。
そして、さあこれからだと云う日没直後に雨が降り始めた。慌ててテント内に避難する。

寝袋に入り、テントを打つ雨音を聞いていた。
雨粒は間段なく雨のメロディーを奏で続けている。やむ気配は全く無い。
なんでやねん❓と呟く。
やはり、秋田さんや岸田先生の言うように、マホロバキシタバの発見で、今年の運を使い果たしたのかもしれない。
まあまあ天才のオラ(笑)に限って、そんな事はあるまいと思うが、8月からの絶不調振りは呪われているとしか思えない面もある。基本的に運だけのラッキーマンでやってきたから、こんなにコケ続けてるのは、あまり記憶にない。むしろ連戦連勝の方が当たり前なのだ。でもなあ…、今年は例年と比べて絶好調が当たり前というワケでもないんだよなあ…。時々、痛い苦杯を喫してもいる。けれど、その苦杯がマホロバの発見に繋がったんだもんなあ…。
そうだ、昨日、一昨日の敗北やこの雨も、きっと栄光への布石に違いない。そう思おう。
もう、神様ったら~(人´∀`)。゚+、アッシをヤキモキさせといて、結局最後には感動のフィナーレを用意してるんざんしょ❓憎いね、この、このー(☞゚∀゚)☞

一頻り自分をジャッキアップさせたところで、退屈しのぎに雨の歌でも歌うことにした。
一人雨唄歌謡ショー。雨のヒットパレードの開幕である。

 
八代亜紀『雨の慕情』

https://youtu.be/FZMWYN8pzG0
八代亜紀『雨の慕情』You Tubeリンク先

 
雨乞いの歌なんぞ歌ってどないすんねん(#`皿´)❗
でも、私のいい人、連れて来いなのだ。この雨がムラサキシタバを連れて来るのを祈ろう。

 
日野美歌『氷雨』

https://youtu.be/FBC04hXAC7A
日野美歌『氷雨』You Tubeリンク先

 
暗いなあ~。
それはさておき、別に好きな曲じゃないけれど覚えていたね。昔の時代の歌は、覚えやすいメロディーになってたんだろな。
とにかく歌詞にもあるように、採れるまで帰るワケには行かんのだ。

 
井上陽水『傘がない』
 
https://youtu.be/bgUpt00lG1s
井上陽水『傘がない』You Tubeリンク先

 
気分は、行かなくちゃ、君に逢いに行かなくちゃなのだ。
名曲だけど、これも暗いねぇー。
でもムラサキに会いに行かなくっちゃなのである。雨が早く上がることを祈ろう。

 
太田裕美『九月の雨』
 
https://youtu.be/a32fV43B2O4
太田裕美『セプテンバーレイン』You Tubeリンク先

 
まさにセプテンバー レインなのだ。
太田裕美には意外と名曲が多いんだよね。当時は地味な気がしてあまり好きではなかっけど、今見ると太田裕美ってカワイイよね。性格も良さそうだしさ。
にしても、マジで9月の雨は冷たいわ。

 
森高千里『雨』

https://youtu.be/XZfez9KcKcY
森高千里『雨』You Tubeリンク先

 
ムラサキさん、今の私は遠すぎるわ、貴方がなのだ。
改めて聞くと名曲だよなあ。森高千里はルックス的に大好き。昔から涼しそうな女の人には惹かれるのだ。

 
イルカ『雨の物語』
 
https://youtu.be/Oh9Y2Iqzb6o
イルカ『雨の物語』You Tubeリンク先

 
僕はまだキミを愛しているんだろう…
ムラサキよ、こんな雨の中でも待ち続けているんだから、僕はまだキミを愛してるんだろう。
作詞は、元「かぐや姫」のメンバーである伊勢正三だ。イルカの代表曲「なごり雪」も正やんの作詞でやんす。
ところで、イルカさんってどことなくイルカに似てるよね。だから、まさかのアーティスト名になったのかな❓

 
風『通り雨』

https://youtu.be/IlVCiL_NLkI
風『通り雨』You Tubeリンク先

 
淋しいのなら忘れようって言われても、ムラサキ様を忘れるワケにはいかんのだ。
この雨が通り雨だったらいいのにな…。

これも、正やんの歌だ。隠れた名曲だろう。正やんの歌詞は大好きだ。どれも情景が自然と浮かんでくる。

 
オフコース『眠れぬ夜』
 
https://youtu.be/3571xM9Ri8o
オフコース『眠れぬ夜』You Tubeリンク先

 
眠れない夜と雨の日には、忘れかけてた愛が甦るってかー。ホンマに昔の彼女の事を思い出して、何だかせつなくなってきたよ。

まだ、そんなに爆売れしてない頃のオフコースの楽曲です。
たしか、この曲は西城秀樹がカヴァーしてたんだよね。そういやヒデキも死んじゃったなあ…。西城秀樹の歌唱力は掛け値なしに素晴らしいと思う。そこにロックを感じるのだ。ヴォーカリストとして、もっと世間的に評価されるべきだろう。西城秀樹はダダのアイドルではないのだ。いや、アイドルだからこそ色眼鏡で見られて評価されないのか。まあ、自分も秀樹がメチャメチャ歌が上手いと気づいたのは随分あとになってからだからね。

 
稲垣潤一『ドラマチックレイン』

https://youtu.be/1T2NOEvM8Ws
稲垣潤一『ドラマチックレイン』You Tubeリンク先

 
哀愁漂う名曲である。
この曲は車のタイヤのCMにも使われてたね。赤い車だったっけ…。俯瞰の映像がカッコ良かったんだよなー。
さておき、マジでこのあとドラマティックレイン的展開にならんかのう。
 
 
八神純子『みずいろの雨』

https://youtu.be/sPwMDmESXwI
八神純子『みずいろの雨』You Tubeリンク先

 
嗚呼〜、水色の雨、降りしきるのーおーおー。
雨、やまーん❗トホホ😢、何だか泣けてくるよ。
この曲、アタマからパワフルでインパクトあったなあ。
🎵パープルタウン パープルタウン パープルタウン うぅ〜っふーふー。
(@_@)何か壊れてきたよ。勿論、ムラサキシタバの紫と掛けてるんだけどね。

ここで思い出した。昔、同じようにテントで寝転びながら雨の歌合戦をやったことがある。但し合戦だから、一人ではない。相棒とユーラシア大陸をバイクで横断した時に、そうゆう事があった。一人用テントを並べ、入口を開けて歌ってた。
スペインのどっかの小さい町だったっけ。キャンプ場が見つけられずに、仕方なく廃館になっていた美術館だか博物館の軒下で野宿したんだった。
そこで、突然相棒が『ねぇ、雨の歌合戦しましょうよ。』と言い出したのだ。
よっぽど退屈だったのだろう。イヤイヤ応じた記憶がある。
正面には、巨大な工場の煙突群が屹立しており、そこからモクモクと大量の煙が吐き出されてたんだよね。それがオレンジ色の光に照らされて、一種異様な雰囲気を醸し出してたっけ…。まるでSF映画の世界だった。その光景を見ながら、ずっと歌ってたね。

 
吉田拓郎『たどり着いたらいつも雨降り』
 
https://youtu.be/dDrMscLOzJM
吉田拓郎『たどり着いたらいつも雨降り』You Tubeリンク先

 
こっちも、たどり着いたら、いつも雨降りって気分だ。
同時代の歌じゃないけれど、がなる拓郎はカッコイイ。
けど、ライブバージョン限定かな。先にそっちを聴いていたから(伝説の篠島のライブアルバム?)、のちにオリジナルを聴いた時はイメージとは違って、とても優しい曲だったので驚いた記憶がある。
ちなみに、この曲は氷室京介など多くのアーティストがカヴァーしている。だか断然、拓郎のライブヴァージョンの方がいい。
でも、たどり着いたらいつも雨降りって歌詞、今の状況だと確実に力抜けんなあ…。

 
村下孝蔵『初恋』

https://youtu.be/OKizrDxp54c
村下孝蔵『初恋』You Tubeリンク先

 
サビも好きだけど、何といっても🎵五月雨(さみだれ)はーと云う入りが特に好きだ。続く歌詞の🎵緑色〜というのも良い。確かに五月雨の時期は新緑の季節なのだけれど、それをサラッと言えるところが秀逸だ。曲のテーマの、あおはる(青春)とも掛かっている。
この人の曲は繊細な感じがして、どれも好き。
でも、結構早死にしちゃったんだよなあ…。その頃の恋とか思い出して、どんどんモノローグの世界に入っていってるなあ。

 
クール・ファイブ『長崎は今日も雨だった』

https://youtu.be/ynJWpwn5-Hk
クールファイブ『長崎は今日も雨だった』You Tubeリンク先

 
正に状況が、探し探し求めて、一人さまよえばーで嗚呼、今日も雨だったーなのだ。もう今の気分にピッタリじゃないか。
これも別に好きな曲じゃないし、サビしか歌えんかと思ったけど、アタマの一言が出たら一番は完璧に歌えたよ。やはり小さい頃に聞いた曲は覚えてるもんだよね。それにメロディーが良い意味で単純だ。今時の日本の歌は変調や半音が多くて、なかなか頭に残らない。そういえば歌謡曲という言葉も死語になりつつあるな。今は歌謡曲ではなくて、Jポップなのだ。何だか悲しくなってくるよ。

 
とんねるず『雨の西麻布』
雨の西麻布

https://youtu.be/AzJu_Bn5RnU
とんねるず『雨の西麻布』You Tubeリンク先

 
もっとフザけてる曲かと思いきや、意外としっとりで、ムード歌謡の良い曲なんだよね。作詞はたぶん秋もっさんかなあ?

 
小林麻美『雨音はショパンの調べ』

https://youtu.be/lNc4eKmlzqM
小林麻美『雨音はショパンの調べ』You Tubeリンク先

 
彼にはもう会えないの Rainydaysなんてフレーズを聞くと、ズブズブに未来が暗澹となってくるよ。

小林麻美はアンニュイで好きだったなあ。
映画『野獣死すべし』の小林麻美は美しかった。松田優作に殺されるシーンは名シーンだと思う。
そういえば、この曲ってユーミンの作詞だったよね。曲のアレンジもミュージックビデオも当時(80年代)では最先端のモノだった。謂わば、オシャレの最先端。そうゆう時代背景を抜きにしても、どこか気だるさのある美しい曲だと思う。

 
柳ジョージ&レイニーウッド『雨に泣いてる…』

https://youtu.be/TPi7U9k4M5Y
柳ジョージ&レイニーウッド『雨に泣いてる…』You Tubeリンク先

 
ウイッピンク・イン・ザ・レイン。雨の中、一人佇むこの俺さー。歌詞が不意に口から溢れた。記憶から消えてた曲だ。
ワタクシ、現在雨に泣いておりまする。

 
松山千春『銀の雨』

https://youtu.be/SQiac0ezl54
松山千春『銀の雨』You Tubeリンク先

 
結構、甘酸っぱい思い出のある曲。
女の子からの別れの手紙に、この歌詞が書いてあった。
今宵は失恋したくないよなあ…。

 
ASKA『はじまりはいつも雨』

https://youtu.be/Rtewdssxnzc
ASKA『はじまりはいつも雨』You Tubeリンク

 
ドラマの主題曲だったから、何となく覚えてる。いや、映画かもしれない。どっちだっていいけどさ。いやいや『SAY YES』と混同しているかも。どっちだっていいけどさ。何だか段々ヤケクソになってきてる。

 
小泉今日子『優しい雨』

https://youtu.be/LbtXSHfjdNA
小泉今日子『優しい雨』You Tubeリンク先

 
ホント、降りしきる雨に全てを流して
しまえたらいいけどーと、声を大にして歌ったよ。
これもドラマの主題曲だったような気がする。
キョンキョンは幾つになっても可愛いけど、若い頃は死ぬほど可愛いかった。声もキュートだしさ。

 
竜童組『新宿レイニーナイト』

https://youtu.be/iTmML2ToEcc
竜童組『新宿レイニーナイト』You Tubeリンク先

 
東京に住んでいた頃は、よく新宿で遊んでた。あの猥雑な街の感じが懐かしく思い返される。雨の日は、濡れてる舗道に極彩色のネオンの光が滲んでて、まるで映画『ブレードランナー』の世界だった。
この曲は宇崎竜童と所ジョージがやっていた『夜はタマたま男だけ!!』という番組のテーマ曲だった。この番組、とても好きだったから最終回は何だか悲しかったなあ。最終回のゲストは根津甚八と桃井かおりだったのもよく憶えている。そして、ラストは4人ではしゃいでる映像がスローモーションで流れ、そのバックにこの曲が流れてのエンディングだった。

 
チューリップ『虹とスニーカーの頃』

https://youtu.be/bjLm005smqE
チューリップ『虹とスニーカーの頃』You Tubeリンク先

 
自分にとっては、ものすごく甘酸っぱい曲。
夏の雨は寂しくはないけれど、せつない。

 
徳永英明『レイニーブルー』

https://youtu.be/rubfOw6X3d0
徳永英明『レイニーブルー』You Tubeリンク先

 
歌詞のように外は冷たい雨が振り続けている。
何かどんどん、せつなくなってきたなあ…。
基本的に雨の歌って暗いし、ブルーになりがちだわさ。

 
小椋佳『六月の雨』

https://youtu.be/w6M_x9pKnzg
小椋佳『六月の雨』You Tubeリンク先

 
しまった…。切なさを越えて、めちゃめちゃダークに暗いわ。
何で、こないな歌を思い出したんじゃろ…。
ちょっと気分を変えて、明るめの曲を探そう。

 
さだまさし『雨やどり』

https://youtu.be/lrfoEaiKgZA
さだまさし『雨やどり』You Tubeリンク先

 
のほほん系の癒し曲だ。
それにしても古い曲ばかりだ。もう少し新しめのを探そう。

 
大沢誉志幸『そして僕は途方に暮れる』

https://youtu.be/vWC2XYBZYVs
大沢誉志幸『そして僕は途方に暮れる』You Tubeリンク先

 
そして僕は途方に暮れる…。サビを口ずさみながらも雨は止まんし、何か本当に途方に暮れてきた。
にしても、これはもはや雨の歌とは言えないよね(笑)
よくよく考えれば、まだ雨が降ってねえし。
ネタ切れも近いかな?
余談だが、この曲はカップヌードルのCMで流れてて、大ヒットしたんだよね。今にして思えば、何でカップヌードルのCMに使われたんだろ❓オシャレ路線を目指したのか❓

 
福山雅治『Squall』

https://youtu.be/lYE5qWSq3XQ
福山雅治『Squall』You Tubeリンク先

 
私、恋をしている。哀しいくらい。もう隠せないこの切なさは。叶えて欲しい夏の憧れ等々、歌詞の断片が心に突き刺さる。
時々、虫捕りは恋みたいなもんだと思う。特に憧憬する存在に対しては、その感情は殆んど恋と同じだ。
とはいえ、あんまし雨って感じの曲じゃないなあ。あっ、そっか。これって、雨は上がってる曲だわさ。マジ、雨上がれよなー。

 
X JAPAN『ENDLESS RAIN』

https://youtu.be/QhOFg_3RV5Q
X JAPAN『ENDLESS RAIN』You Tubeリンク先

 
サビしか歌えない。
エンドレスレインなんて、縁起でもないよなあ。
このまま降り続けられたら、マジ困る( ;∀;)

 
Mr.children『雨のち晴』

https://youtu.be/lx-ZnX3iMtY
Mr.Children『雨のち晴れ』You Tubeリンク先

 
雨のち晴れ…か。
ちょっとだけ元気出たけどー。歌詞の今日の雨は諦めた感はヨロシクないよねぇ…。今晩のうちに何とかせなアカン。夜が明ける前に雨はやむと信じよう。

 
米津玄師『雨の街路に夜光蟲』

https://youtu.be/nBj0FqfUCv8
米津玄師『雨の街路に夜光蟲』You Tubeリンク先

 
タイトルには雨とあるけど、あまり雨が主題になっている曲じゃないな。段々、引き出しが無くなってきた。
はたと思う。2000年代に入ると、雨を題材とした名曲がグンと少なくなるよね。否、ヒット曲が少ない。色んな有名アーティストたちが雨の曲を作ってる筈だけど、誰もが知っているような曲って、あんまし浮かばない。

 
童謡『あめふり』

https://youtu.be/O6xq62tP9HY
童謡『あめふり』You Tubeリンク先

 
雨雨降れ降れ、母さんがー、蛇の目でお迎え嬉しいなーときて、ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷ らんらんらんなのだ。
これこそが誰しもが知ってる名曲だよな。にしても、だいぶネタ切れになってきたな(笑)
でも、明るい曲だから気分は少しは上がったよ。

二番を歌おうと思ったが、全然出てけえへん。
意外と、みんなも知らんのとちゃうかあ?
仕方がないので、三回続けて歌ってやった。

 
ドラマ挿入曲『子連れ狼のテーマ』

しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
しと~ぴ~っちゃんという秀逸なフレーズが耳に残る。で、哀しく冷たい雨すだれという言葉も情感があって良い。

https://youtu.be/fE7SspUv0Yc
橋幸夫『子連れ狼』You Tubeリンク先

 
ついに、こんなもんまで引っ張ってきただすか(笑)。
昔の時代劇『子連れ狼』のテーマ曲みたいなヤツだよね。
そろそろ、ホンマにネタ切れじゃ(`ロ´;)

ならば、洋楽なんてどうだ❓

 
BJ・トーマス『雨にぬれても』

https://youtu.be/mFvqHri0SZI
BJトーマス『雨にぬれても』You Tubeリンク先

 
Raindrops are falling on my head…から入るこの曲は、タイトルは知らなくとも誰もが聞いたことがあるだろう。
もちろん英詞は完璧に歌えてなくて、一部は鼻歌。
軽快なメロディーで歌詞の内容も前向きだから、ちょっと気持ちが上がる。
これって、たしか名画『明日に向かって撃て』で流れてた曲だよな。ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのコンビは最高でした。

 
ジーン・ケリー『雨に唄えば』

https://youtu.be/edvN1DfRTZI
ジーンケリー『雨に唄えば』You Tubeリンク先

 
🎵ジャ、スィーギンザレイン(just singing in the rain)、バン、バーン(`Д´)ノ❗❗
ジャ、スィーギンザレイン、バン、バーン(
`Д´)ノ❗❗
あかん…。これは傘で物をバンバンにドツクという癖があったわ。それで何本の傘をブッ壊してきたことか。

この曲は名作ミュージカル『雨に唄えば』の名シーンで歌われる曲として有名だね。軽やかな曲調で歌詞も前向きだから、コレも気分が少し跳ねる。おーし、徐々に元気出てきたぞー。

 
欧陽菲菲『雨の御堂筋』

https://youtu.be/3jrBS9DLXoI
欧陽菲菲『雨の御堂筋』You Tubeリンク先

 
アップテンポで、何か乗ってきたねぇー\(^o^)/
気持ちもピッタリだし、フルコーラスで歌ってもうたわ。
よし、もっと気持ち作っていこ。
で、ノリノリで替え歌『雨の白骨温泉』まで歌ってやったワイ。著作権の関係で、歌詞は載せれないけどさ。
このままいくと、この心悩ます夜の雨の中、出ていくしかあるまい。そして貴方はいずこと、ムラサキの影を求めて一人ぼっちで泣きながら探し回るのさ。

 
THE MODS『激しい雨が』

https://youtu.be/kJ_voZJNfFA
THE MODS『激しい雨が』You Tubeリンク先

 
(ノ`Д´)ノおりゃー、気合いも入ってキタ━━(゚∀゚)━━❗❗
たとえ激しい雨が俺を洗おうとも、激しいビートが俺を奮い立たせる。そう、何もかもが変わり始める筈だ。

 
RCサクセション『雨上がりの夜空に』

https://youtu.be/yqPzwSEu8_0
RCサクセション『雨上がりの夜空に』You Tubeリンク先

 
いよいよ、この雨にやられてアタマいかれちまったぜ。フルコーラスで歌ってからの替え歌じゃい(*`Д´)ノ❗❗。フルパワーで『雨上がりの森たちに』を熱唱。勿論、著作権の関係で歌詞は載せれないけどさ。

(^3^♪よーし、元気出たぞー。
雨よ、どうぞ勝手に降ってくれ。もはや雨が降ろうが降るまいが関係ない。こんな夜だからってムラサキが採れないなんて許せない。こんな夜だからってネットが振れないなんて耐えられない。
目を閉じる。雨上がりの星降る夜空に、輝くパープルバンドが閃めく。そして同時に、白き羽裏を見せて悠然と羽ばたく姿を想い浮かべる。よっしゃ、エンジンはギンギンだぜ。いつものようにキメて、シバキ倒そうぜ。

半ばヤケクソで外を覗いて見る。
いつのまにか雨は上がっているようだった。
時刻は既に10時過ぎになっている。長かったが、一人歌謡祭のおかげで随分と時間がつぶせたよ。
にしても、オデって、やってる事がバカだなあ( ̄∇ ̄*)ゞ

準備をして外に出る。
すっかり夜は更けている。闇は濃く、静か過ぎるくらいに静かだ。そして不気味だ。武者震いする。

実際には、完全に雨は止んでいるわけではなくて、細かい霧雨が降っていた。
気にならないではないが、この先また雨が強くなるとも限らない。少ないチャンスでもヤルっきゃないのだ。それに少し雨が降っているくらいの方が、かえって蛾の活動が活性化するとも聞いたことがある。前向きに捉えよう。全ての舞台装置は、劇的フィナーレのお膳立てだと思えばいい。

さあ、ここからが本番だ。全身に力をみなぎらせ、頭の中で、プリンスの『パープルレイン』を流しながら、ゆっくりと戦地へと赴く。

 
https://youtu.be/DHRyPjXeKZ4
プリンス『パープルレイン』You Tubeリンク先

 
辺りから雨上がりの靄が煙のように立ち昇っている。それが脳内で紫色のスモークの幻影と化す。まるで自分がステージに向かうミュージシャンのように思えてくる。全てがスローモーションになる。

今回は車ではないので、昨年みたいにトラップを2ヶ所に分けて仕掛けると云うワケにはいかない。去年採れた場所付近に一点集中、其処に全てを賭けることにした。

鬱憤を晴らすかのように、\(◎o◎)/ウキャキャキャー。ここぞとばかりに、霧吹で狂ったように糖蜜を撒き散らしまくる。
さあ準備万端、ステージは整った。あとは飛んで来ることを祈るのみ。そして、再び己に向かって気合を注入する。去年みたいに、もし採れなければ虫捕りなんか一生やめたらぁー宣言まではしないものの、このままおめおめと帰るワケにはいかない。結果を出して、気持ち良く今期の最終戦を終えようではないか。

暫くして、何かカトカラらしきものが来た。
瞬時に心を戦闘モードにシフトする。

(# ̄З ̄)ケッ、オオシロかよ。
と思うが、真剣に採りにいく。大事な場面でミスしないためにも、ウォーミングアップは必要だろう。

でも、結構敏感で、近づく前に逃げられた。
(  ̄皿 ̄)クソ忌々しい。機嫌の悪いオッチャンをナメんなよ。

(ノ ̄皿 ̄)ノうりゃ❗、暫くして戻って来たところを空中で鮮やかにシバいてやったワイ。
(・o・)あっ、でもこの採集方法では、特殊過ぎて練習にはならんわ。

 
【オオシロシタバ】

 
ボロッボロッやないけー(´д`|||)
去年よか2週間も早い来訪なのに、それよりもボロとは、どうゆうこっちゃねん❓
まあいい。何も来んよりかはマシだ。帝王の露払いとでも考えよう。

その後もポツポツとオオシロが飛んで来た。しかしボロばっか。闇夜で絶叫しそうになる心を必死に抱き止める。

時間は無情にも刻一刻と削り取られてゆく。
夜気が冷たくなってきた。時計に目をやる。針は、いつの間にか午前0時を指し示していた。
何も考えるな。集中力を保て。五感を研ぎ澄ませよ。心が病めば、採れるものも採れなくなる。

午前1時。
顔が懊悩で歪んできているのが自分でも解る。それはきっと、醜い有様でベッタリと顔面に貼り付いているに違いない。他人様(ひとさま)には、とても見せられないような顔だろう。

午前1時半過ぎ。
もう何度、期待を膨らませて懐中電灯で樹幹を照らしただろう。時間の感覚さえも失われつつある。半分諦めの体(てい)で、惰性で何気に遠くから木を照らす。

 
(⑉⊙ȏ⊙)いるっ‼️‼️

 
距離約20m。闇を切り取る光の束の先に、微かに青い下翅が見えた。
慌てて懐中電灯のスイッチを一旦切る。去年は懐中電灯の光で照らしただけで逃げたことを思い出したのだ。奴の敏感さは半端ねぇと心に刻まれているのだ。
そのまま後ずさりして、急いでテントにデカ毒瓶を取りにゆく。この日のために、巨大なムラサキシタバを確実に取り込もうと用意したものだ。けど、ポケットに入らないのでテントに置いていたのである。
その刹那にも既に逃げているかもしれないと、気が気でない。半ば錯乱状態で毒瓶を引っ掴む。
そしてヘッドライトを点け、赤外線モードにする。赤外線ならば女王を刺激しないと考えたのだ。大丈夫、冷静だ。

慎重を期して、懐中電灯を直接当てないように、遠めから中心をズラして照らす。

(◠‿・)—☆よっしゃ、逃げてない。まだいる❗
網を構え、そろりそろりと距離を詰めてゆく。

距離15m。
❤️❤️❤️ドクン、ドクン。

距離10m。
❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️ドクン、ドクン、ドクン。

距離10mを切った。鼓動が急に高鳴る。
💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……。

距離5m。
💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕
😱ヤッベー、ドキドキが止まらんくなる❗

距離2m。
去年採った木と全く同じ木だ。しかも止まっている位置も全く同じの地上から1.5mくらいだ。一瞬、デジャヴ(既視感)の反転なのか、現実なのかが解らなくなる。パラレルワールド❓時空間が歪んでいるのかもしれない。
何が何だかワカンなくなってきて、さらに心臓を脈打つスピードが倍加する。
💞💞💞💞💞💞💞💞💞💞💞💞💞💕💕💕💕💕💕💕💕
リズムはバクバクのデスメタルやんけ。口から心臓が迫り出しそうだ。

(@_@)どうする⁉️、(ノ ̄皿 ̄)ノどうする⁉️
このまま木の幹を💥バチコーン叩くか❓
それとも網を下から持っていき、下をコツンと小さく叩いて、驚いて飛んだ瞬間に一閃するか迷った。
にしても、赤外線ライトは暗い。ちょっとでも視界から外れれば、闇に紛れて見失うのは必定だ。今日は小太郎くんが後ろでフォローしくれているワケではない。そう、サポートは無いのだ。頼れるのは己の力のみだ。
もしもハズしたら…。最悪のシナリオを想像して、恐怖が心の襞(ひだ)を切れ味鋭く擦過する。
しかし、迷っているヒマはない。逡巡している間に逃げられでもしたら、その場で首カッ切って死ぬしかない。
ならば死なばもろとも。意を決して懐中電灯をいったん下に向けて点けてから、静かに口に咥えた。
いなや一歩、二歩、軽やかなステップで前へと踏み出した。と同時に、止まっている女王のすぐ下を網先で突っついた。

🤯(⑉⊙ȏ⊙)飛んだっ‼️
 
リアクション、早っ(@_@)❗❗
だが、体は瞬時に反応していた。

嵐陰流奥義 秘技💜紫返し💥‼️

(ノ ̄皿 ̄)ノ だありゃあ~❗

👹鬼神の如く中空を下から斜め左上へと切り裂く。
 
振り切り、すかさず網先を捻る。
(゜o゜;手応えは…。
あったような気がする。
でも、本当のところはわからない。
もしかしたら、中を見れば木の葉か何かに化けているやもしれぬ。こんな山奥の、しかも深夜の丑三つ時だ。この世の者ならざる闇の支配者に幻覚を見させられているかもしれない。

恐る恐る、中を見る。

 
(ノ≧∇≦)ノ しゃあー‼️‼️

 
そこには、紛れもない紫の女王がいた。
(☆▽☆)カッケー‼️ 全身の血が逆流する。
(´ω`)やったぜ。何とか首の皮一枚で仕留められた…。

しかし、毒瓶にブチ込むまでは、まだ勝負の行方はワカラナイ。
😱ヒッ、😱ヒッ、😱ヒッ、お願いだから暴れないでね、暴れちゃダメよー。心が焦りでワヤクチャになる中、素早く網の中に毒瓶をブッ込み、電光石火で中に追い込む。

毒が回って動きが止まったところで、念のためにアンモニアを注射を射ち、トドメをさす。これで、突然蘇生することもないだろう。

 

 
この目を見張る大きさ。そして上品な前翅の柄とわずかに覗く紫の帯。幻ではない。どう見てもムラサキシタバ様だ。

安堵して、手のひらに乗せる。

 

 
デカイ。ずっしり感がオオシロなんかとはケタ違いだ。

 

 
この神々しき青紫色。ぴゃあ〜\(☆▽☆)/
俺は今、星 飛雄馬ばりに猛烈に感動している༼;´༎ຶ ۝ ༎ຶ༽

一応、フラッシュを焚いても撮る。

 

 
w(°o°)wあちゃー。
素早く毒瓶に放り込んで〆た筈なのに、背中が落ち武者ハゲちょろけになっとるぅー(༎ຶ ෴ ༎ຶ)

 

 
(-_-;)やっちまったな…。
思いきし高速で網を振ったせいなのかなあ❓
まっ、いっか…。
気を取り直して、裏面写真も撮っとこっと。

 

 
あっ、この腹先の形からすると、♂だね。
去年のは♀だったから、これで一応雌雄が揃ったことになる。何とか最低限の結果は残せたってワケだ。地獄の底から這い戻ってこれたことに心底ホッとする。

女王を三角紙に収めて、腕時計に目をやる。
針は午前1時45分を指していた。

長く厳しい戦いは終わり、ここに円は閉じた。
立ち上がると、再び頭の中で「パープルレイン」のイントロが鳴り始めた。

 
                         つづく

 
実を云うと、ラストには更に以下のような文章が続いていた。

「勝利者だけに許される満ち足りた感じで、煙草に火を点ける。
大きく煙を吸い込み、天に向かってゆっくりと吐き出す。
その煙が風にふわりと揺れ、すうーっと流されていった。
煙が去った夜空には、いつしか星が瞬いていた。
今日は間違いなく晴れるだろうと思った。」

でも、記事のアップ直前に削った。
何かカッコつけ過ぎがシツコイかなと思ったのだ。

この続きの話も少し書いておこう。
その後、なぜだかピタリとカトカラたちの飛来は止まり、オオシロさえも飛んで来なくなった。
と云うワケで、午前2時半には諦めてテントに戻り、熊の存在も忘れて即💤爆睡した。

一応、この時に採集した個体の展翅画像を添付しておきます。

 

 
カトカラ2年生の終わりともなると、流石に上達してますなあ。
これから先は、この翅と触角のバランスでいこうと思う。

 朝方、またえっちらおっちら白骨温泉まで歩いて下り、念願の白濁温泉にも入ることができた。

 
(白骨温泉公共野天風呂)

 
3年間も閉鎖されていたそうだが、この春に漸く再開されたという。

 


 
 
一番乗りだったから、ワシの独り占め。
湯舟から見る風景は、朝の光にキラキラしてた。
りら〜っくす。(´ω`)はあ〜、堪りまへんなあ。
何か知らんが「登別カルルス、ブチ込んでようー。」と言ってしまう。昔はよく、入浴剤の「登別カルルス」をブチ込んで風呂に入ってたのだ。で、毎回湯に浸かる度にそれ言ってた。謂わば、当時の俺的リラックスワードだったのだ。

 

 
ここの温泉玉子がバカみたいに旨かった。
食べろと言われれば、10個くらいは食える自信がある。あー、もう1回食いてぇー。

でもって、その日のうちに帰阪した。へとへとだったと云うのもあるが、露天風呂に入って何か完結した感があったからだ。それに明後日に用事があったしさ。
でもあろうことか、その用事が帰ったらドタキャンになった。
石塚(勝己)さんからのライトトラップのお誘いをお断りしてまで帰ったのに、ガックリ😔やったわ。迷わずに、石塚さんとこに行っときゃ良かったよ。お誘いのライトトラップの日まで、この日を含めて2日あったワケだから、もっとムラサキも採れただろうし、エゾベニを狙うこともできた筈だ。
まあ、今さら後悔したところで、どうにもならないんだけどさ。

 
追伸
今回は問題作にして、野心作でんなあ(笑)。
雨の歌のオンパレードだなんて、虫関係のブログでは有り得ない展開だ。でも、それでいいのでござる。別に虫の事だけを書きたいから文章を書いているワケではないのだ。
参考までに言っとくと、最初のタイトルは『深山幽谷 爆裂💥雨の歌謡祭』だった。さすがにそれだとテーマからハズレてるし、フザけ過ぎだと思って今のタイトルに変えた。

えーと、次回の解説編にて、いよいよこの連載も完結です。
解説編は調べ事が多いし、毎回のように謎にカラめ取られて迷宮を彷徨うことになるから、何だか気が重いなあ。
まあ、最終回なんだから、何とか頑張って書くけどさ。

〈追伸の追伸〉
この文章を書いた約二年後の2022年、問題作がホントに問題作になってしまった。サーバーから歌詞が著作権法に触れるとの事でクレームがきた。

「該当記事における楽曲の歌詞箇所と解釈等の関係において、歌詞に対して、歌詞の説明・要約・紹介としての記述では主従関係の要件を満たしていない為、著作権法第32条1項の規定による利用には該当せず、現状のままではご利用いただく事ができません。
また、冒頭に歌詞を全文掲載する利用は、同規定の「公正な慣行、正当な範囲内」に収まるものではありません。歌詞の一部であっても、該当楽曲と判断できるものに関してはご利用いただくことができません。」

難解な文章で、頭の悪いアッシにはチンプンカンプンだが、自分なりに解釈して、肝の部分だけを残して大幅に歌詞部分を削った。全体の文章のバランスはズタズタになったけど、致し方あるまい。ゆえに気になる人は歌詞とメロディーを探して、頭の中で雰囲気を復元して下さいね。
 と一度は書いたものの、それでもクレームが来そうだ。なので、いっその事、歌詞を全部削ってリンクを貼り付けてやった。ついでに大幅加筆もした。おかげで、かなり時間が掛かったが、コッチの方が返って全体的には良くなったかも。むしろクレームに感謝かもしんないね。

          2023.1.3 極寒の公園にて

(追伸の追伸の追伸)
それでも許可が出なくて、四日後に更に書き直した。
まっ、お陰で更に文章は良くなったけどね。コレで通る事を切に祈ろう。
 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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