自家製 激旨一夜干し

 
前回の黒豆の枝豆を茹でた汁が残った。勿体ないし、立て塩みたいなもんだろうから一夜干しを作る事にした。
問題は魚を何にするかだ。アジとかカマスが真っ先に浮かんだが、候補はまだまだある。ノドグロ、キンキの高級魚コンビにハタハタ、キンメダイ、連子鯛、甘鯛。魚じゃないけどイカも有りだよな。変わったところではエボ鯛とかウツボなんてのもあるしなあ…。でもウツボなんか、その辺のスーパーで生で売ってるワケないよね。えーい、ぐじゅぐじゅ考えても始まらない。取り敢えずスーパーに行ってから考えよーっと。

で、たまたま鮎が売っているのが目に入ったた。川魚なので全く頭になかったけど、それも選択肢と全然有りだわさ。鮎の名産地なんかでは、鮎の一夜干しを売ってるもんね。思い立ったが吉日。養殖物だけど値段は¥298と手頃だし買うことにした。

先ずは鮎を洗う。
(☉。☉)あっ❗、スイカの匂いがする。鮎って川の中石に付いた苔を食ってるから西瓜とかメロンとか胡瓜の香りがするって云うけど、養殖モンでもするのか❓…。じゃあ、養殖モンにも苔を食わしてのか❓ それって面倒クサくて大変なんじゃないの❓

取り敢えず腹開きにして内蔵を取り出す。鮎のワタは苦くて結構好きだから勿体ないような気もするが、内蔵付きの一夜干しなんて聞いたことがない。とてつもなく生臭そうだし、いくらアホなチャレンジャーのワイでも、そんな変態チックなものは作らへん。ゴミ箱にポーイ(ノ•̀ o •́ )ノ ~ ┻━┻

捨てたところで気づく。
そういえば鮎の内蔵で作った塩辛の「うるか」ってのがあったな…。アレって苦味があって、大人の塩辛って感じで旨いんだよな。日本酒の冷やがバシバシいける。だが、後の祭りと言わない。養殖モノなんて餌に何食わしてるかワカラン。そんな内蔵で作ったウルカなんて気持ち悪くて食えるワケあらへんがな。

何か干物の開き方があったような気がするが、適当に真ん中割りにする。してからにキッチンペーパーで水気を拭いてから黒豆の茹で汁にブッ込むのだが、ブチ込むすんでで手が止まる。その前に茹で汁を舐めてチェックせなアカンがな。どれくらいの塩分濃度なのか正確には分かっとらんのである。

(ー_ー)ふむふむ。ちょっとキツいような気もするが、塩加減はこんなもんだろ。鮎をブッ込み、浮かないように落とし蓋をして30分ほど漬けておく。

時刻は夕方。取り敢えず笊に乗せ、ベランダの風通しの良いところに置く。上からネットを掛けたいところだが、無いゆえにそのまんま放置。どうせ焼くのじゃ、蝿が卵を産もうがカマヘン、カマヘン。もしも「ザ・フライ」、恐怖の蝿男になったらなったでエエんやないの。それならそれで世のうら若き女性たちを死ぬほど怖がらせて、イタズラなんかしちゃうまでだ。ぷちゅー。血い吸うたろか。

午前1時くらいに思い出して、一旦ひっくり返す。
裏表、万遍なく風に当ててやった方がいいだろうと云うワケである。

で、お昼くらいには、こんな感じになっとった。

 

 
いい感じの乾き具合である。
やっぱり蝿に卵を産まれるのはヤだし、カラスに持ってかれるのもヤだ。取り込んで軽くラップして冷蔵庫に安置する。
それはそうと、最近は金バエとか肉バエとかのデカい蝿を見ないよね。それだけ世の中、衛生的になってんだろ。しかしハエもおらんような世界と云うのも不自然な気がする。世の中、清潔になり過ぎるのも果たしてどうかと思うよ。ゼッテー人間って、生物として弱くなってるよね。菌とかに対しても抵抗力はだいぶ弱まってんじゃねえか❓ 今や人間も養殖モンだらけかもな。

夜になった。
さあ、焼きましょ焼きましょ、💕ルンルンルン。
身が薄いので、弱火でジックリ焼くことにした。

じっくり焼いて完成。
ええ感じに焼き上がった。

 

 
裏と表で交互に盛り付けてみた。
でもって、気を張っての器は織部だぜ、この野郎。

(◍•ᴗ•◍❤まっこと美味いにゃあ〜。
奇跡的に塩加減が絶妙。火の入り具合も程好い。香ばしくて頭や骨までバリバリとイケる。
(@_@)駄目だあ〜。今夜は飲まないと決めていたのに、コレはとてつもなく酒を呼びまんがなあ〜。

取り敢えず、焼酎のロックだなあ。

 

 
白玉の
歯にしみとほる
夏の夜の
酒は静かに飲むべかりけり
 
                       おしまい

 
追伸
最後の歌は吉井勇の有名な作品を夏ヴァージョンにもじったものだ。もっと改変してオリジナリティーさを出そうかとも思ったが、優れた詩には、それさえ許さないところがある。素人では、おいそれと触れれない完璧なカタチで成立しているのである。
  
ネットでググると「かつての養殖は生の魚(イワシなど)をエサにすることが多かったため、「養殖アユはイワシの味がする」とか言われてたそうだ。しかし現在では、天然に近づけるため魚粉に海苔や緑藻類を配合し、品質は非常に向上しています。ただし良い香りはあまりしないようです」みたいな事か書いてあった。

 

(出展『三卯養魚場』)
 
 
何れにせよ、やっぱり鮎の基本は天然に限るって事かもな。
思うに養殖で天然に近い鮎を作る事よりも、いっそ別な振り幅でええんちゃうのん❗例えば、鮎はサケ科の魚だけど一年魚で通常は巨大化しないから、寧ろ肥え太らせて鮭的なものを作るとかの方が面白いんでねぇの❓ いわゆる三倍体とかってヤツとかさ。