49円の幸せ

 
2、3週間前の9月初めの話。

スーパーKOHYO(イオングループ)でイワシが半額の49円になっていた。税込みだと54円くらいか。ボロ安やんか。
おつとめ品だけど表面はピカピカで目は澄んでおり、かなり鮮度が良い。たぶんマイワシの小さい奴だろう。産地を見ると、大阪府となっていた。なるほどね。おそらくは大阪湾の泉州辺りで獲れたものだと思われる。納得だね。近いだけに鮮度が良いんだろ。それに泉州は鰯の稚魚であるシラスで有名だしさ。
それにしても、この鮮度でこの値段ならボロクソ激安でんがな。しかも、今は旬だよね。去年の今頃、あべのハルカスにある『古径』と云う寿司屋で食った鰯は絶品だったもんな。

取り敢えず頭を落として内蔵を取り出し、水で洗う。
はてさて、どうしたものか…。通常ならば梅干しとか入れて煮付けにするか、開いてフライにでもするのが常道だろう。けれども思ってた以上に鮮度が良いので勿体ない気がしてきた。
よっしゃ❗、ここはアレを作ろう。イワシで作ったことはまだないけれど、まあ何とかなりまっしゃろ。

①水気を拭いてイワシを開いたら、両面に塩を強めに振り、バットに並べて斜めにしておく。こうすると臭みの素となる液が本体に付かないからだ。
そのまま15〜30分ほど放置する。塩締めの時間はお好みで宜しかろう。今回は20分の放置。尚、砂糖で締めたら、もっと旨くなると言われてる。効果は塩と基本的には同じだが、更に旨みが増すらしい。確かに鯖寿司を作った時は、そんな気もしないでもなかった。

②その間に酢締め用の合わせ酢を作る。
砂糖、塩、顆粒の昆布だしの素、酢を入れて混ぜる。配合はテキトー。長年自分で飯作ってるから、このへんは勘で大体なんとかなる。不安な人はクックパッドを見ましょう。

③イワシをキレイに洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ったら、それを一匹一匹、合わせ酢に潜らせてゆく。酢に浸けてる時間は実質は数秒くらいだろう。でも鮮度が良いんだから、ここは思い切って浅締めにすべきと判断した。そもそも酢に浸け過ぎて身が固くなってるのは鯖寿司でも生(き)ずしでも嫌いなのだ。許せないと言ってもいい。コハダなんて酢が強すぎるものが多くて、寿司屋で何度も後悔してる。関西でコハダなんて食うたらあきまへん。

④酢に潜らせ終わったら、タッパーに移して一晩おく。できれば簀子(すのこ)状になってるものの方が良いのだが、まあ、テキトーなとこでひっくり返しゃいいだろう。

おっと、言い忘れるとこだった。合わせ酢は捨てないで取っておきませう。

 

 
翌日、取り敢えず生ずしで食べてみることにする。

 

 
スダチの位置が気に食わない。

 

 
やっぱりスダチの位置が気に食わない。
新しく買ったスマホのカメラの色って、何か気に食わん。

 

 
(๑òωó๑)۶ムキーッ❗、益々もって気に食わない。
もういい。さっさと食べよっと。

💕メチャンコ美味いっ❗❗
テキトーに作ったのに、酢の締め具合が絶妙やがな。イワシの旨みが上手く引き出されておる。脂もそこそこ乗ってて、味のバランスが良い。
真イワシといえば大きい方が脂が乗ってて美味いと云うイメージがあるが、酢締めにするならコレくらいの大きさの方がいいのかもしんないね。
いやはや、冷酒が進むよ。堪りまへんな(≧▽≦)

あえて皮を剝かなかったが、剥いてみたらどうだろう❓
酢で締めてるから、手で簡単に剥けた。

 

 
剥くとクセが無くなり、よりマイルドな味になる。
コチラも美味いから甲乙つけがたいところだ。好みの問題だから、作る人は両方味見すれば宜しかろう。個人的には皮がある方が旨みが強い気がして好きだ。

残りは酢飯に乗せてイワシ丼にすることにした。
食べにくいだろうから、尻尾と背ビレを切り取る。
御飯を炊く。ここで残った合わせ酢の登場。炊き上がった飯に混ぜて酢飯を作る。画像ではワカランが、そこに白胡麻なんぞを混ぜてやった。我ながら、心憎いよイガちゃん。
人肌くらいに冷めたらイワシを乗せて、おろし生姜を飾って出来上がり。

 

 
また偏執狂が如くアホみたいに並べとるが、どうも色が悪い。
もうどうでもいいや。とっと食おう。

やっぱ、ウメぇー(☆▽☆)♥️
醤油をつけてもつけなくても美味い。
それにしてもスゲー原価率の丼だな。たぶん百円しないぞ。
ゆるゆると49円の幸せを噛みしめる。

あまりにも安くて旨いもんだから、その後もイワシをせっせと買って酢締めにしてた。

 

 
この銀色キラキラと目の澄み具合なら、酢締めにしてOKです。
たとえ半額じゃなくても激安なので買う。
これは愛知県産だが、別な日は瀬戸内海(兵庫)のものだった。この時期、太平洋側の沿岸部なら何処でも獲れるんだろね。

今回はいつでも作れるように、顆粒の昆布だしの素ではなく、ちゃんと昆布を入れて合わせ酢を作った。

 

 
おー、今回は結構キレイに撮れとる。

 

 
次のなんかはイワシが✨ピッカピカじゃないか。

 

 
お次のなんかは、かなりいい線いってる。

 

 
古伊万里に盛ると、鰯でもゴージャスに見えるやね。
これは皮を剥いたのと剥いてないのを半分半分にして盛りつけた。両方美味しいのだが、矢張り皮有りの方が味が複雑で旨いと思う。

 

 
そういや山椒をかけたりなんかもしたな。
勿論、旨いに決まってる。きっと七味なんてかけても旨いだろう。サンマの刺身と七味は合うからね。
アレッ❗❓、これって最初のイワシ丼と同じじゃないか。あとから山椒をかけたんだっけ❓
オカシイなあ…。3回つくってる筈なのになあ。もう1回も山椒かけたのに写真が見つからない。たぶん山椒ヴァージョンを既に撮ってたから撮らなかったのかな❓
まあ、いいや。大した事ではない。

今回もイワシの値段は49円だった。
秋の初めに、ゆるゆると49円の幸せを噛みしめる。
夏も、もう終わりだね。
  
                       おしまい
 
追伸
最後のは十日程前だと思うが、まだ残暑が厳しかった。なのに、いつの間にかもう完全に秋になっとる。
とはいえ、最近でもイワシが売られてるのを見掛けるので、見つけたら買いでっせ。