怒涛で作ろう、日田焼きそば

 
何週間か前にTV『秘密のケンミンSHOW』で焼きそば特集をやっていた。そこで大分県日田市の御当地グルメの『日田焼きそば』なる耳慣れない焼きそばがプッシュされていた。
美味しそうだし、レシピも紹介されてた。オマケに簡単そうなので脳ミソに楽勝メモリーできた。こりゃ、作らねばならんだろう。

用意した材料はもやし、ネギ、豚バラ肉、そして中華麺である。
中華麺はコレ👇

 

 
そう、イガちゃん偏愛のマルちゃんの『極太中華麺』である。
歯応えモチモチで、二年前から生タイプの袋麺はコレしか買わんちゃよ。

調味料はウスターソース、醤油、白胡椒である。
さあさ、さあさで早速作るっぺよ。

①麺を熱湯で茹でる。

②フライパンにラードを適当に入れて、火を点けて溶かす。
拍子切りした豚バラ肉を入れて炒める。

③そこに茹でた中華麺を3玉加え、形を丸く整えて焼く。
で、麺がパリパリになるまで焼くのだが、グッと我慢の子でドン・ターッチである。あまり触るとバラバラになりまっせ、奥さん。

④片面に焼き色がついたら、(ノ`Д´)ノ彡┻━┻おりゃーと裏返して同じくパリパリに焼く。そう両面焼きなのだよ。

⑤焼けたら、④を取り出して皿に移す。

⑥同じフライパンに少しラードを足して、もやしと青ネギをブッ込み、ザッと炒める。すぐに熱が通るゆえ、半分くらい火が通ったらところで④をフライパンに戻す。

⑦こっからが更なる怒涛の時間勝負じゃ❗
具と麺を軽く混ぜ合わせたら、ソッコーで胡椒少々を振り、順不同でウスターソース60ml、醤油30ml、水30mlを連続攻撃でマッハで回しかける。
あとはヽ(`ェ´)ノオラオラでダアーッと混ぜる。でもって、汁気が少しなくなってきたら、デーンと皿に盛る。

 

 
で、どーだ、どーだの出来上がりなのだ。
頭パープリン男は、小麦色の南国のお姉ちゃんをバシャバシャ撮るのだー。

 

 
でも、所詮はインスタ映え感ゼロの茶色メシ。全然フォトジェニックじゃない。どー考えても日焼けしたオッサンだ。写真を撮っているヒマなどない❗
ワッシ、ワッシと口の中に放り込みーので、頬張る。

あー、(☆▽☆)ワカルゥー。
このパリッパリッの食感が所々で混じってくるのが、堪らんのやね。全然もって有りだわい。これから焼きそばを家で作る時は、毎回この仕様でもいいくらいだ。おじさん、いたく気にいったよ。

けど、いくらなんでも作り過ぎた。3玉なんて完食できるワケがない。流石、パープリン無計画男である。
なので、食いきれなかった残りは、翌日あっためて、目玉焼きを乗っけてみた。

 

 
これはこれで卵の黄身が絡まって美味いよね。
日田焼きそば、やるなあ(☆▽☆)

おっ、そうだ。日田焼きそばとは何たるかを書いてなかったわさ。
えー、日田焼きそばとはだな、大分県日田市の日田焼きそば専門店の「想夫恋」の初代である角安親氏が昭和30年代に発明した焼きそばのことである。
「焼いた麺料理はないものか」と考えた氏は、試行錯誤の末に現在の形を編み出したのさ。オッサン、きっと普通の焼きぞはに、おのれ、焼きぞはと言いつつ炒められとるやんけーなどという憎悪を募らせていたに違いない。
その後、日田市内のラーメン店を中心に広がり、この焼きそばを提供する店は今や十数店舗もあるという。日田で、この焼きそばが流行った影響で、今や周辺の都市や福岡県にも分布を拡大しつつあるんだそうな。
日田に行くことがあったら、絶対食わなきゃね。
とは言いつつ、行く機会は有りそうもなさそうだと思うイガであった。

                        おしまい

 
 

2019’カトカラ2年生 其の五

 
    vol.22 ハイモンキシタバ

   『銀灰(ぎんかい)の蹉跌』

 
 
2019年 8月6日

白馬で3連続惨敗に終わり、別な場所で何とかミヤマキシタバを採って溜飲を下げた。しかし、翌日には松本市でナマリキシタバを狙うも、かすりもせずで再び惨敗を喫した。
ナマリとはメチャメチャ相性が悪い。このままでは再び悪夢のような流れになりかねないので、スパッとリベンジを諦め、この日は上田市へと移動することにした。

電車だと不便そうなので、バスを選択する。

 

 
平日とはいえ、車内はガラガラだった。
途中、ナマリキシタバの産地として知られる三才山を越えて、上田盆地へと入る。

1時間半ほどで上田駅前に到着。

 

 
時刻は昼過ぎ。目的地行きのバスにはまだ時間があるし、昼飯でも食おう。

長野と云えば蕎麦である。ここ上田も蕎麦で有名だ。
観光案内所で、お薦めの蕎麦屋を幾つか教えてもらう。
で、吟味した結果、安くて量が多く、一番流行っているという店へ行くことにした。

 

 
結構、行列が出来ていた。
並ぶのが死ぬほど嫌いな男だが、せっかくここまで歩いてきたし、上田に来るのは初めてで、この先来ることなど滅多とないだろうから我慢して並ぶことにした。

 

 
意外と列は進み、思ってたほど待たなくとも済んだ。

 

 
店内はレトロな感じで好ましい。

 

 
周りの人たちに目を向ける。食べているのをチラッと見ると、田舎そばって感じだ。

 

 
メニューを見る。
ここは矢張り王道の、もりそばだろう。蕎麦といえば、もりそはに決まってんである。
650円也のもりそば(中)をたのむ。長野県にしては良心的な価格設定だ。
 
ハイハイ、きましたよ〜。

 

 
つゆと薬味の設(しつら)えも良い感じだ。期待値が跳ね上がる。

 

 
しかれども、何だかボソボソしてて全然旨くない。麺の太さもバラバラだ。素朴で野趣あふれる感じは嫌いじゃないが、それも旨いという前提があってこその話だ。
ブッちゃけ言っちゃうと、長野で蕎麦食って旨かったためしが一度もない。その上、高い店が多いから腹が立つ。関西人としては、福井のおろし蕎麦や兵庫は出石の皿そばを擁護したくもなる。
小太郎くんも同意見で、この件に関してはいつも文句タラタラだ。その憤りはワシなんかよりも遥かに強く、もう憎悪と言っても差支えないくらいだ。普段、食いもんに文句を言わない人だけに、その怨みは極めて深い。

いったい何があったのだ❓小太郎くん❗

理由は知ってるけどさ(笑)。

これで何か悪い予感がするなと思ったら、案の定、店を出たら天気は下り坂になっていた。
そして、バスに乗ったら、風雲、急を告げるってな感じになってきた。行き先はどうみてもヤバヤバの黒雲ワールドだ。

 

 
おいら、スーパー晴れ男なのに何で❓ポロポロ( ;∀;)
白馬村で辛酸を舐め、大町市で何とか持ち直して、この地へと移動してきた。なのに又しても地獄の輪廻の再開かと思うと、戦々恐々だよ。

1時間近くバスに揺られ、午後4時前にバスを降りる。
歩き始めると、雨がポツポツと落ちてきた。これは強くなるなと思ったら、案の定、すぐに本格的に降ってきた。
慌てて出荷作業中のレタス農家に飛び込み、雨宿りさせてもらう。長野県民、特に北側は不親切な人が多いけど、スタッフは皆さん親切で色々気遣いして戴いた。ありがとうございました。

雨がやんだら、急速に晴れ始めた。スーパー晴れ男の面目躍如である。基本、強く願えばワシの居るところは晴れることになっとるのだ(笑)。

ここはラグビーの夏の合宿地としてファンならば誰しもが知っている裏の聖地とも言える地だ。
ゆえに、ポイントと決めた場所には沢山の若きラガーマンたちが夕暮れまでマジ走りでランニングをしていた。
たぶん高校生だろう。地獄の合宿ってところだ。
Ψ( ̄∇ ̄)Ψケケケケケ…、血ヘドを吐くまで走りなはれ。それも時間が経てば、悪い思い出じゃなくなるんだからさ。

そういうワケで、キッチリ歩いてポイントの概要は下調べしておいた。

 

 
狙いはノコメキシタバとハイモンキシタバ、そしてケンモンキシタバである。
ノコメ、ハイモンの食樹のズミ(バラ科リンゴ属)とケンモンの食樹ハルニレ(ニレ科)の木は既に確認済みである。ミヤマキシタバで溜飲を下げ、流れも良くなってきてる。本日もミッションを遂行して凱歌をあげるつもりだ。まあまあ天才が調子に乗ったら、連戦連勝は当たり前なのだ。
Ψ( ̄◇ ̄)Ψおほほ星人が見える時は強いぜ、バーロー。

学生たちは去り、辺りは闇に包まれようとしていた。
さあ、戦闘を開始だ。ズミが多くあるところとハルニレだと思われる大木の周りに糖蜜を吹き付けてゆく。

午後7時半。日没後さして間もなく糖蜜にノコメキシタバがやって来た。幸先がいい。
とっとと採っての、とっとーとで勢いをつけて、そのままエンジン全開といこうぜ。マホロバ発見の呪いだと揶揄する秋田さんや岸田先生の期待を何が何でも裏切らねばならぬ。再び笑い者にされるのは御免蒙りたいのじゃよ。ここからは連戦連勝といこうじゃないか。

しかし、網を組み立てて、よっしゃ行くぞと気合を入れて見たら、忽然と消えていた。
……(。ŏ﹏ŏ)、嘘だろ❓マジかよ❓

おいおいだが、反応があったのは一安心だし、そのうち又飛んで来るじゃろうて。どんまいどんまい、Don’t mind.

取り敢えずは糖蜜を撒いた各所を巡回する。
次に飛んで来たのは8時15分だった。同じ木だったし、さっきのノコメが戻って来たのだろうと思った。しめしめである。
しかし何かさっきのとは、ちょっと違うような気がする。
💡ピコリン。😲あっ、ハイモンかあ…。ホントはノコメが一番欲しいんだけど、ハイモンも採ったことないし、まっ、良しとすっか…。

毒瓶を被せるか、網を使うか迷ったが、一応さっきの事もある。また逃すのは嫌だし、早く初物は何でもいいから採っておきたかったので網を選択する。ゼロと1とでは心の有りようが天と地ほどの大違いなのだ。さっさと採って、一刻も早く心を落ち着かせたい。

慎重に距離を詰め、止まってる下を網枠でコツンと軽く叩く。驚いて飛んだところを瞬時に振り抜く💥。
斜め斬り光速剣ハヤブサ❗
(. ❛ ᴗ ❛.)へへへ、決まったな。

 

 
フラッシュ焚いたら、羽が銀色に輝いた。
でもベタで斑紋にメリハリがないな。それに、けっこう素早く取り込んだつもりだったが、背中の毛を剥げチョロケにさせてしまった。(´-﹏-`;)何だかなあ…。
どうせまた飛んで来るだろうし、まっいっか。

裏返してみる。

 

 
たぶん♀だ。
裏面の外側は黄色が薄くて白っぽいんだね。カトカラではあまり見たことのない裏面かもしれない。
マオくん(註1)は時期的にハイモンは厳しいんじゃないですかね。採れても激ボロですよと言ってたから、ちょい嬉しい。
後で報告したら、お褒め戴いた。でもケンモンキシタバだと思ってた奴がワモンだと指摘されて、スゲー恥かいたけど(笑)。

結局、この日飛んで来たのは、まさかのコヤツ1頭のみだった。
まっ、いっか…。深夜ギリギリになって何とか目的のノコメキシタバが採れたしね。

しか〜し、やっちまったな(-_-;)

撤退する前に何気に戦利品を確認したら、なぜか採った筈のハイモンが無い。

無いっつったら、無いっ❗❗

もしや神隠しにでも遭ったのだろうか❓
ヽ((◎д◎))ゝもうパニック寸前てある。

ここで漸く思い当たる。
写真を撮ったあとに蘇生しそうな感じだったので、もう一度毒瓶にブチ込んだような気がする。もしかして、それを回収してなかったりとかして…(-_-;)
恐る恐る左ポケットから、今回あまり使ってなかった毒瓶を取り出す。

😱NOー❗、ガッデーム❗❗

あろう事か、同定できない程にボロッボロッになっていた。
たぶん歩きまくってたから、毒瓶の中でウルトラシャッフルされたのである。
〇¶〆〓§⊿∞✤□➷✫✘ドギャぶぎゃわ、痛恨の失態なり。

 
ぽ〜い(┛◉Д◉)┛彡┻━┻

怒りに任せて捨ててやってまっただよ。
ゆえに標本は無い。大いなる蹉跌だね。写真は撮ってあるから採ったと云うせめてもの証明にはなるが、大ボーンベッドだ。まあ、ノコメじゃなかったからいいか…。
しかし、これもまた大いなる間違いであった。正直この時点ではハイモンよりもノコメの方が珍しいと誤解してたし、上翅もノコメの方が複雑でハイモンはベタでツマラナイと思ってた。だから、のちに小太郎くんに「鮮度の良いハイモンはギラギラのシルバーでめっちゃカッコイイですよ。」と言われた時は焦った。それにノコメよりも下翅が鮮やかな黄色で美しいことも失念してた。当時は上翅ばかりに目がいってて、下翅をロクに見てなかったし、展翅もしてないから気づかなかったのだ。銀灰の蹉跌である。

だから、2020年は密かに完品を名古屋方面で狙っていた。
現地の交通の便も良さそうだし、大阪からは一番近いからサクッとリベンジしてサクッと帰ってこようと思ってた。しかし連日クソ暑いし、何やかんやとあって、その機をいつの間にか逸してしまっていた。

8月に長野県に行った時に灯火採集の外道で採れたから、一応その時の個体の写真を貼っ付けておく。

 

 
同じ個体を手の平に乗せてみる。

 

 
よりみすぼらしく見えるや(笑)
腹が細長いので♂だすな。
次の個体も♂だった。
 
 


(2020.8.9 長野県木曽町)

 
8月のものだから鮮度は当然良くない。
つーか、標高は1300mくらいあったのに両個体とも酷い有様でボロッボロだ。みすぼらしい事、この上ない。やっぱマオくんの言ってたとおりだね。7月中旬辺りに狙いにいかないとギンギラギンのには会えないってワケやね。
そう考えると、あの2019年唯一のハイモンの鮮度は時期的にみれば、かなり良かったということになる。返す返すも痛恨の極みである。

一応、展翅はした。
個体の順番は上の横向きの画像と同じである。

 

 
まあ、こんなもんじゃよ。
上の個体の上翅なんて銀灰色がほぼ消えて、そこだけ見たら何者かワカランくらいに小汚くて、辛うじて下翅でハイモンだと解るというレベルだ。
そうゆうワケで、情けないことにまともな展翅写真がない。
仕方がござらんので、次回の解説編は画像をお借りして話を進めてゆきます。ぽてちーん(T_T)

                         つづく

 
追伸
今回はワモンキシタバの続編『False hope knight』の文章を一部抜粋して使いました。そのワモンの続編では、このあと更にフザけた文章になっていきます。興味がある方は、そちらも併せて読んで下され。
また、この採集記の部分は前回のミヤマキシタバや次回のノコメキシタバの回にも連なっている。そして、ひいては過去のベニシタバの回や今後登場するカトカラにも連なってゆくものと思われる。謂わば隠れたシリーズものなのだ。

ちなみにタイトルの中の銀灰(ぎんかい)という言葉は世間的には馴染みが薄いが、実際にある色(銀灰色)で、文字通り銀色を帯びた灰色を指す。英語でいうところのシルバーグレーのことですな。ハイモンキシタバの上翅にはピッタリだと思って使用した。
蹉跌の方は分かると思うし、これ以上精神的にエグられるのも嫌なので割愛させて戴く。ワカンない人は自分で調べましょうね。
クソッ、何だか思い出してきて、沸々と怒りが込み上げてきたよ。来年はボッコボコにシバいちゃるからね。

 
追伸の追伸
実をいうと、今回は一回のみで終える予定だった。実際、次の解説編も含めて順調に書き進め、一応の完成はみた。しかし、いざ発表の段になって最終チェックのために読むと、これが長い。学名の項などは迷走しまくりで、エンドレス状態だ。
なので、2回に分けることにしたってワケ。

 
(註1)マオくん
ラオス在住のストリートダンサーであり、蛾の研究者でもある小林真大くんのこと。蛾界の若きホープで、一言で言うなら虫採りの天才だ。ネットで「小林真大 蛾」で検索すれば、彼のInstagramやTwitterにヒットします。

 

満月と月日貝

 
昨日は中秋の名月だった。
だから月日貝(ツキヒガイ)を食べたくなった。しかし、珍しくて中々市場には出回らない貝ゆえ、そうおいそれとは見つからない。
(`・ω・´)シャキーン。しかーし、引きが強い男だから出会っちゃうんだよねー(。•̀ᴗ-)✧

 

 
3枚入ってて、税込みで三百円くらいだった。
何度か買ってるから安いのは知ってたけど、改めて思う。価値を考えると、信じらんないくらいに安いよなー。
マイナーな貝だけあって、誰も手を出さないから安いんだろね。神はチャレンジャーにこそ、褒美を与えたまうのだ。
あっ、今気づいたけど、コレって『食材チャレンジャー、イガがゆく』シリーズの回でもあるよなあ。

因みに左2枚が表で、右の白いのが裏である。
名前の由来は、そこにある。表が濃い赤褐色なのに対して裏は白という対照的な色をしており、これを「月」と「日」になぞらえたそうだ。何か縁起が良さそうだ。

上の写真では裏面がよくワカランだろうから、別な画像を貼っつけておくね。

 

 
ついでに内側の画像も貼っつけておこう。

 

 
内側もオシャレだね。
帆立貝と同じように皿としても使えますよー。

しかし、待てよ。表側のワインレッドの色が何でお月さんなのだ❓ 昔、調べた筈だけど、すっかり忘れとるがな。
気になるので、レアな魚介類を調べる時には絶大なる信頼を置いている『ぼうずコンニャクの市場魚貝図鑑』で検索した。

流石、ぼうずコンニャクさん、ちゃんと書いてありました。
「武蔵石寿『甲介群分品彙 1836』による。右殻が明るいクリーム色で、左殻が赤味を帯びた褐色であるのを「昼と夜」=「太陽(日)と月(夜)」としたもの。」
なるほどね。疑問があっさり氷解したよ。

ついでだから、ぼうずコンニャクさんの力もお借りして、月日貝について解説しておこう。

ツキヒガイはホタテガイなどと同じイタヤガイ科に含まれ、ツキヒガイ属に分類される大型の二枚貝。殻高12センチ前後で貝殻は薄く、膨らみは殆んどなくて硬い。
近縁種には南方系の「タイワンツキヒ」や「タカサゴツキヒ」などがある。あれ?タカサゴも台湾に関連する言葉じゃん。

獲れる数が少なく、一般のスーパーで見かけることは殆んどない。ちなみに味はメチャメチャ美味い。身はホタテそっくりなのだが、舌触りや味わいが帆立貝の上をいく。謂わば、知る人ぞ知る旨い貝なのだ。味だけでなく、見た目も帆立貝よりも綺麗だ。表面のワインレッドカラーは艶々で美しい。加工したら、何かに使えそうだ。

ぼうずコンニャクさんの評価を並べてみよう。

魚貝の物知り度 ★★★★ 知っていたら達人級
味の評価度 ★★★★★ 究極の美味

(☉。☉)おー、最上級の評価じゃないか。そいでもって、ワシって達人級の人なのだ。

外国名は「Japanese moon scallop」。ようするに日本の月みたいな帆立貝ってことだね。
学名は、Amusium japonicum japonicum(Gmelin,1791)
学名にも日本が入ってんだね。原産は日本ってことかな。

地方名・市場名はアホほどある。
エボシガイ オイオッキ オゼンゲ オツキガイ オツキサマガイ オツキサンガイ カミサラガイ サラゲ ツキミガイ ツッゲ ツキガイ ヒドンゲ ヒノデガイ ヒノマルガイ ヒラガイ ヒロンゲ ホンミミガイ モッゲ。
やはり、月とつくのが多いね。おっ、お誂え向きに「ツキミガイ」ってのもあるや。
あれっ❓、シロガイってのが無いぞ。実を言うと2週間ほど前にも月日貝を食ったのだが、鹿児島産のそれは「白貝」と書いてあったぞ。

 

 
ほらね、パッケージに白貝と書いてあるでしょ。
そして、ご丁寧にも下側の欄外にマジックで月日貝と書いてあるね。

もちろん海水生で、沿岸の水深10〜100メートルの細砂底に棲み、底曳き網漁で得られるそうだ。つまり、コレだけ狙いではない漁って事だよね。だから、あまり沢山は獲れないのだろう。
分布は太平洋側は房総半島以南から九州、日本海側は山陰〜九州までの沿岸部。国外では南シナ海、大韓民国、台湾に分布する。
西日本では比較的見かけるものの、東日本では殆んど見ることがない。とても味の良い二枚貝で、流通量は少ないながら人気があるゆえ、西日本ではやや高値。関東などではあまり評価が高くない。

選び方のコツは、生きていて、触って反応のあるものがよい。キュッと殻を閉めるって事ね。茶色い液体が出ているものや軟体の柔かいものは古い。殻を剥いたものは、貝柱が丸くて膨らみのあるものを選ぼう。
旬は秋から春となっているが、別なサイトでは9月〜11月の秋が旬とあった。まあ、5月に買って食ったら旨かったという記事がネットにあったので、食べた事がない人はチャレンジしてもいいんじゃないかな。貝柱は季節によって大きさが変わるそうだけど、よほど高くない限りは、買ってみなはれ。

貝柱は旨みが強くて、全くクセがない。ヒモなども美味。
調理法は幅広く、刺身、塩焼、バター焼き、フライ、煮物など、何でも旨いとされる。ようするに、食べ方は帆立貝と同じと考えてよい。

ぼうずコンニャクには、代表的な調理法も書いてあったので、載せておく。

(刺身)
イタヤガイ類中もっとも美味。甘みが強く、旨みが濃厚、食感も程好い。ただし貝柱に大小があり、外見からは意外と分かりにくいのが難点。

(ツキヒガイの貝殻焼き)
貝殻のまま焼いて、酒、醤油で味付けする。貝らしい旨みがあり、あまり硬くならない。

(月日貝のバター焼き)
バターで焼くことで旨みが液状になり、ソースをかねる。これをからませながらソテーする。フェンネルなどハーブ類を利用しても美味。

(月日貝のフライ)
揚げると旨みが貝柱の中に溜まり、また柔らかくジューシーに感じる。

(月日貝の煮物)
貝柱、内臓などと一緒に甘辛く煮る。ジャガイモなど野菜と煮ても美味。

 
解説が長すぎたね。そろそろ調理に取り掛かろう。

捌き方は、基本的にホタテと同じだ。
貝の隙間から貝開けの刃を入れる。無ければナイフ、フォークのナイフで代用できる。刃を入れ、殻に沿わせながら片側の貝柱を切断して外す。
砂に棲んでいるため、砂や泥が中に入ってる場合があるので、あれば軽く水で洗い流すべし。流すべし❗
しまった。『明日のジョー』の打つべし病が出たあるよ。

さて、どーしてやろうか〜。こうしてやろうか〜。やってやろうか〜。どーしてやろうか〜。
いかん、今度は指示待ち妖怪の「妖怪どうしたろうかしゃん」と化しとるやないけー。

(ー_ー゛)えー、刺身にします。
刺身で食べる場合は、もう片方の貝柱も断ち切り、貝柱だけを取り出すべし。取り出すべし❗
で、刺身庖丁で適当に切った。思ってた程に貝柱が大きくなかったので、思い切って2つ分を潰してやった。
あとは月日貝の殻に盛り付けるべし。べし❗、べし❗、べし❗、盛り付けるべーしっ❗

 

 
ワシは邪魔くさいからやってないが、殻の下に塩を盛っておけば、安定性が良くなってグラグラしない。

溢れんばかりの期待をもって、食う。
(≧▽≦)うみゃーい❗❗

ホタテよりも甘みと旨みが強く、繊維が少なくて舌触りが滑らかだ。完全に帆立貝を凌駕しておる。ホタテくんには申し訳ないが、数段勝っておるわい。
これで二百円なんだから、コスパもボロ勝ちじゃねえか。

ワタが余っておるので、どうしてやろうか〜、こうしてやろうか〜、どうしてやろうか〜。またしても妖怪どうしたろうかしゃんの登場である。
オリーブオイルにニンニク少々を入れて火にかける。そこにワタをブチ込み、サッと炒めて最後に醤油で味付けした。

 

 
完全に酒のツマミだね。
ほろ苦くて旨い。

最後の1個は、バター焼きにした。
さっきと調理法があまり変わらない気もするが、ここは王道で締めたい。

 

 
バターで焼いて、最後に醤油を垂らすだけ。香ばしい香りが堪らんね。
味は勿論のこと旨い。
旨いんだけど、刺身ほどの感動はないかなあ…。

月日貝、今が旬なんで、見つけたら迷わず買いですよ、奥さん。
あっ、でも鮮度はちゃんと確かめてね。

 
満足至極で外に出ると、教会の屋根から満月が昇ってきた。

                        おしまい