2020’Xmas🎄の献立(1)

 
2020年の冬。
コロナ禍がエラい事になってきとる。例年に比べて街のクリスマス色も驚くほどに薄い。こんな時期なのに浮かれんなと云うことなのだろうが、こんな時期にこそクリスマス色濃厚の献立にしてやろうと思った。

となると、先ずは形から入ろう。
クリスマスといえば、シャンパン(スパークリングワイン)でしょう。気分、盛り上げてかないとね。
でもボンビーゆえ、モエ・エ・シャンドンとかヴーヴ・クリコとかは即断念。680円の安いスパークリングワインを買う。

 

 
MOMENT D’OR EXTRA DRY
モマンドール エクストラ ドライ。
サントリーと世界No.1スパークリングワインメーカー「フレシネ社」とが共同開発したスパークリングワインである。
モマンドールとはカタルーニャ語で「金のひととき」を意味し、レモンを思わせるすっきりとした辛口の味わいなんだそうだ。そして、日本食とも相性抜群らしい。
うーむ(-_-;)、そうなのか…。
ならば、考え方も変わってくる。
よし、この「日本食にも相性抜粋」と云う惹句に、急遽大幅方針転換じゃ。クリスマス色濃厚の献立にするだなんて云う、クソみたいな意地をソッコーで捨てちゃる。

この方針転換の伏線と云うか決め手になったのは、さっきチラッと見た半額のコレが気になってたからだ。

 

 
ジャパン・シーフーズの『済州島沖 極みしめサバ』。
4、5日前から売っているのを見て気にはなっていたのだが、値段が980円とお高い。そんな金を出すんやったら、自分で作るわいと思った。そっちの方が値段的に安く上がるし、量的にも2倍にはなるからコスパを考えればバカバカしい。だいちワシが作った方が絶対に美味いに決まってるのだ。
それにそもそも、こうゆう商品って日持ちさせたいが為に酢をキツくしてある。だから、市販のものにはガッカリさせられ続けてきた。たとえ半額の490円でもドボンかも…。

普段なら、そう考えて買おうとはしなかっただろう。
けど5年ほど前の9月、対馬にツシマウラボシ(註1)を探しに行った折りに、居酒屋の店主が言ってたことを思い出した。対馬と、その西隣の韓国・済州島の真サバはデカくて脂がのっててムチャクチャ美味いらしい。その時に食ってた鯖の旨さに唸ったら、店主のオヤジが自慢げに教えてくれたのだ。店主曰く、冬の時期の寒サバはもっと旨いらしい。となると、時期的にも今はベターな季節じゃろう。

パッケージの裏を見ると、同じような事が書いてあった。
やはり済州島の真サバはサイズが大きく、脂がのってるようだ。
どうやら済州島と対馬の間には対馬暖流と黄海から流れてくる冷たい海水とが交わり、その一帯では餌となるプランクトンが豊富みたい。だからデカくなって、脂ものるのだね。

プラスα、元ホテルオークラ和食総料理長、星則光氏の監修だという。失礼ながら御名前は存じないが、あの天下のホテルオークラの和食総料理長なのである。その人が「従来のしめサバとは、一線を画す」と言っているのである。酢は醸造酢ではなく、梅干しの漬け汁、砂糖の代わりには蜂蜜を使用し、また後味は仄かに燻製の香りがするとおっしゃってるんである。そりゃ、心も動かされるでしょうに。

エイ、とばかりに買いましたよー\(•‿•)/
とはいえ、コレってシャンパンに合うのかなぁ…。〆鯖そのものの味にも不安はあるが、コッチの心配もある。よく白ワインやシャンパンは魚介類に合うと言われるが、それは火入れしてあるものであって、火が入ってない料理との相性は疑問だ。合うものには抜群に合うが、合わないものには最悪の相性だったりするのだ。ワインによっては、口の中で生臭さが倍加するのである。牡蠣なんて、時に最低の場合がある。

中身は既にカットされてあるので、器に並べるだけ。下に敷いてあった昆布を細切りにして横に添える。念の為に辛子と醤油もスタンばらせた。

 

 
脂がキラッキラだね(´ω`)
先ずは何も付けずにそのまま食べてみよう。

脂がのってて、後から旨味が口にジワリと広がってくる。ワシの作った〆鯖には負けるが、旨いと言える。
(・o・)あっ、酢は強くない。柔らかい酸味だ。これなら許せる。梅酢と蜂蜜を使うと、こんなにも上品になるのね。
すかさずモマンドールを飲む。
(・∀・)あっ、合うね。シャンパンが辛口でキレがあるから違和感が全くない。なるほど、和食に合うと謳っているだけの事はある。

お次は醤油をチコッと付けて食べてみる。
(•‿•)こっちの方が、より旨いかも。

続いて辛子と醤油を付けて食べてみた。
コレも予想どおり旨いね。

最後に辛子を付けーの、昆布も巻きーので醤油を付けて食べてみた。
(☆▽☆)うみゃいねー。シャンパンとも合うし、文句無しだ。
とは言いつつ一言添えると、サバの身が薄い。なので、サバ2枚で食った方が旨い。いや、1枚半か。

とは言っても、サバばっか食ってらんない。
残して、翌日と翌々日に分けて食った。

 

 
やはり、脂キラッキラだね。

 

 
旨いから、お金持ちの人は見つけたら買いましょう。お金持ちじゃない人は、半額なら買いかな。

                         つづく

 
追伸
ヨシノキシタバの最終章に比ぶれば、楽勝だ。ここまで、ものの30分ちょいで書けた。
虫の話を書くのは、大変だすよ。

 
(註1)ツシマウラボシシジミ
学名  Pithecops fulgens tsushimanus

長崎県対馬の上島にのみ分布する日本固有亜種。国外では台湾、中国などに分布する。
かつては沢沿いに普通に見られたが、2000年代後半以降はシカの食害によって分布域が大きく縮小した。現在、日本で最も絶滅が危惧されるチョウとなっている。


(出典『蝶の生態』トリミング)

 
対馬に行った時には既に絶滅状態だった。鹿の食害で食草のヌスビトハギは殆んど生えておらず、やっと見つけた幾つかの場所には1つも飛んでいなかった。自分が行った時の前後くらいから、漸く保護プロジェクトが始まったらしいが、自然界では限りなく絶滅という状態に見えた。
その3年前には相当ヤバイと聞いていたけど、知る限りでは某有名NPO法人は何ら対策を施してはいなかった。
正直言って、他の蝶の保護も失敗してるし、所詮は蝶の素人が営利目的の為に始めた事だから仕方がないのかもしれない。