蟹の茹で汁の活用法

 
カニを茹でた汁を飲んでみたら、捨てるには忍びないくらいに良い出汁が出ていた。なので食い終わったカニの殻を茹で汁に再びブチ込み、昆布の顆粒だしの素を加えて圧力鍋で20分間茹でて火を切る。で、一日寝かしておくことにした。

翌日、菜の花が激安価格の69円で売ってた。それを見てピンときて買うことにした。たしか菜の花と蟹の組合せの相性は良かった筈だ、雑誌か何かで見た記憶がある。

茹で汁を再び沸騰させ、菜の花を50秒茹でて素早く団扇で煽いで冷ます。水で冷まさないのは折角の出汁を洗い流したら元も子もないからだ。
冷めたところで、そのまま何もつけずに味見してみる。
(☉。☉)あっ、甘い❗仄かな蟹の香りと淡い塩味のあとに、茎の部分から自然な甘さがジワリと口中に広がってゆく。いつもは鰹節に醤油とか辛子醤油かけたりしているから気づかなかったが、菜の花って本当はこんなにも甘いんだ。ちょっと目から鱗だよ。普段なら水分を軽く搾るけど、こりゃ必要ないな。

 

 
ほんの少しだけ塩を振って混ぜ、そのまま食う。
やっぱ茎は甘い。おひたしといえば醤油と鰹節、又は出汁醤油が定番だけど、薄めの塩味が一番旨いかもしれん。素材の本来持つ味が一番ダイレクトに感じられるのだ。そして、その味は複雑で奥深い。
オクラとかアスパラは湯がいて塩だけで食う事も多いから薄々は気づいてたけど、今後大きく考え方を変えないといけないかもしれん。考えてみれば、魚介類の刺身も塩で食った方が素材本来の味がよく解るもんな。もちろん醤油を否定するワケではないが、何でもかんでも醤油とゆうのは考えものかもしれん。

たぶん菜の花のエキスも溶け込んでいるであろう茹で汁に薄口醤油を少し加え、今度は市販の鶏つくねを投入してみた。

 

 
蟹味は薄れたが、鶏の出汁が加わって旨い。
軟骨入りなので食感に変化もあって楽しい。あっ、つくねとか鶏団子は火入れし過ぎないよう注意が必要ですぞ。パッサパサになっちゃうからね。

食い終わった汁に酒、鰹の顆粒だしの素を加え、半分の厚さに切った厚揚げを入れて15分ほど炊き、そのまま放置して味を馴染ませる。で、一晩寝かせた。

翌日、その出汁でうどんを作ってみる事にした。
うどんはテーブルマークの冷凍うどん。冷凍うどんといえば、このテーブルマークでしょう。コシがあってツルツルで間違いなく旨いからだ。何度か浮気したが、味と値段等々を総合するとテーブルマークの冷凍うどんを超えるものは未だ無いのだ。

出来上がったうどんに半分の薄さに切った厚揚げを2枚、鶏団子、青ネギを乗っけて一味を振って完成。

 

 
先ずは出汁を飲む。
もはやカニ出汁の面影は殆んどないが、だし汁は旨い。色んなエキスが入ってるからね。たぶん厚揚げの油分も溶け込んでいるだろう。

うどんをズズッとすすり、具を食う。
(☆▽☆)ぴゃあ。自分で言うのも何だがメチャンコ旨い。でも二度と再現出来ない味だろう。いや、やろうと思えば出来なくもないか。いや、待てよ。やっぱり無理だ。書き忘れたが、菜の花を茹でた汁でスズキの卵も煮たのだ。だから、そのエキスも入っている。しかし、スズキの卵になんて滅多と会えるものではない。しかも卵は驚くほど大きかったから、相当デカいスズキのものだったと推察される。たとえ釣りをやってても手に入れるのは厳しいだろう。
とゆう事で、これにて蟹の茹で汁の活用、終了🎊

                       おしまい

 
追伸
スズキの卵の事は別項で、また書きます。