奄美迷走物語 其の19

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第19話『そして、虚しき終焉』

 
2021年 4月1日

いよいよ帰阪の時が来た。

朝7時。
起きて外を見る。曇りだが、空は雨の予感を孕んでいる。
アマミキシタバもフタオチョウの♀も採れてないから、いっそ帰りのチケットを捨てて残ることも考えた。だが、これも流れだと思って素直に帰ることを決めていただけに何だかホッとする。
もし晴れでもしていたら、憾みを残したまま帰る事になる。そうじゃない事がせめてもの救いだ。

ベランダに出る。
晴れていたら、ゲストハウス涼風のベランダはこんな感じで割とお気に入りの場所だった。

ここで煙草を吸うことが多かったけど、こうゆう所で昼間っから飲むビールって最高なんだよなあ。
けど晴れてたら蝶採りに行ってっから、そうゆうワケにはいかないんだけどもね。虫採りの旅は不自由なのだ。蝶だけでなく蛾なんて採り始めた今は、夜も飲みに行けないので益々不自由だ。で、この結果なんだからアホらしい。

そんな事を思いつつ、ふと端っこを見ると、こんな奴が蹲(うずくま)っていた。

コカブト(註1)だ。コカブトムシとも言われるカブトムシの親戚だ。昨晩、おそらく宿の灯りに寄ってきたのだろう。

そういや、若者二人組のうちの一人がカブクワ屋(註2)で、このコカブトの事を激しく罵っていたな。
彼曰く、コヤツは驚いた事に肉食性らしい。コカブトなんぞには興味が無かっただけに知らなかったけど、カブトムシなのに肉食とはちょっとした青天の霹靂だ。そしてコヤツ、彼によると肉食性なだけにメチャンコ臭いらしい。
一般ピーポーなら見る機会は少ないが、真剣に虫採りをしていればそれなりに会える普通種だが、そんなにも異端児だったのね。一瞬、匂たろかとも思ったが、絶対に後悔しそうなので、やめておくことにする。

8時台に宿を出て、朝仁見取橋のバス停へ向かう。この前を通って、何度もあかざき公園に行ったよな…。苦い日々だったけどさ。

午前8時37分だったっけ❓もしかしたら、17分か27分だったかもしれないけど、とにかく空港行きのバスに乗る。

車窓を鉛色の景色が推移してゆく。
そして、ゆっくりと奄美での日々がスローモーションで頭の中を流れてゆく。でも、その殆どが苦い記憶だ。溢れ出る後悔で溺れそうになる。
でも頑張った方だと思う。少なくともサボることはなかった。ただ運がなく、メンタル面が弱かっただけだ。だから十全の結果は得られなかった。
奄美大島はダイビングインストラクター時代を含めてコレで4回目だけど、今回が一番カタルシスがなかったかもしれない。
まあ4回も来れば、そうゆう事もあるだろう。そう思わないとやってらんない日々だった。それなりに面白くはあったけどさ。

午前9時半過ぎにバスは奄美空港に着いた。
虚しき終焉が近づいている。

午前10:50発の飛行機に乗る。今回も行きと同じくピーチでの予約なのに、機体は何故かバニラエアのものだった。

窓の外を見ながら、ぼんやりと思う。
果たして又、リベンジに来るのだろうか…❓
フタオとアカボシ狙いなら次は6月末だろうが、夏型にはあまり興味がない。まだしも興味があるのはアカボシの黒化型ぐらいだ。それにアマミキシタバは、この時期にはあまり記録がなく、3〜4月の次に記録が多いのは8月なのだ。

(アマミキシタバ)

(出展『世界のカトカラ』)

つい最近、アマミキシタバは多化性である事が判明し、孵化から約1ヶ月半で成虫になる事が分かっている。なので可能性がないワケではないが、一番虫屋が集まる時期に記録が少ないという事は、返り討ちに遭う確率の方が高い。もしかしたら、その頃が丁度端境期にあたるのかもしれない。
まあそれとて先の話だ。今、考えたところで答えは出ない。

飛行機は突然重力を失ったかのように、ふわりと離陸した。
あっという間に建物がミニチュアみたいに小さくなってゆく。
さらば、奄美。迷走の日々もこれでお終いだ。
やがて機は厚い雲の中に突っ込み、島の姿は見えなくなった。

                  おしまい

 
追伸
カタルシスのあまりない連載で申し訳なかったが、結果に嘘はつけない。こうゆう時もあるさ。
もしカタルシスを求めるのならば、姉妹作『西へ西へ、南へ南へ』というシリーズを読んでくだされ。そちらの方が旅行記としても面白いです。
ゴチャゴチャ言ってますが、とにかく今回の連載を読んで下さった方には感謝です。ありがとうございました。

なお、奄美空港の写真は連載冒頭にも使いました。だからヤラセ写真です。写真を撮るつもりだったけど、出口の目の前に名瀬ゆきのバスが停まってた。で、運転手に出発する時刻を訊いたら、すぐ出ると言うので慌てて飛び乗ったのだ。バスの便がそんなに頻繁にあるワケではないので、たかが空港の写真を撮る為だけに時間を犠牲にしたくはなかったのである。

 
(註1)コカブト
調べたら、驚愕の野郎だった。少し長いが、各サイトの記事を要約して纏めておきます。

学名
Eophileurus chinensis (Faldermann, 1835)
日本のほぼ全域に分布し、日本以外にも朝鮮半島、中国、台湾に分布する(亜種を含む)。
奄美大島産は亜種 irregularis Prell, 1913 とされ、アマミコカブトと呼ばれる。分布は奄美大島の他に徳之島、与路島、請島。本土産と比べて♂の胸(前胸背板)の抉れが小さく、上翅の点刻が不規則に並ぶという相違点がある。
他に沖縄本島産も okinawanus Nomura, 1964 と云う亜種に分類されており、オキナワコカブトと呼ばれている。

英名
・Single-horn rhinoceros beetle
・Single horned beetle

意味は、一角サイみたいな甲虫って事だね。
一応言っとくけど、サイはあの動物のサイ(犀)の事ね。で、一角のサイといえばインドサイだ。他のサイは角が2つあるんじゃなかったけかな。あっ、絶滅しかけのジャワサイも一角だったね。

(インドサイ)

(出展『上野を散歩』)

この鎧のような体がインドサイの最たる特徴だ。
体は分厚く、背中が盛り上がってて重戦車みたい。


(出展『Pixabay』トリミングしてます。)

そういえばネパールのナショナルパーク(註3)でエレファントライドした時に、野生のインドサイを見た事があったな。
バーン❗と偶然に25メートルくらいの距離で突発的に対峙したんだけど、その時のオーラと迫力たるや凄まじいものがあった。サイにはおとなしいイメージがあるけど、全然違くて猛獣そのもの。闘争心の塊って感じで、闘気が朝靄にゆらゆらと立ち昇るのが見えたくらいだ。でもって、象からも静かなる闘気が立ち昇るのを感じた。もうスゲー緊迫感で、空気にピシッピシッピシッとヒビが入りそうなくらいだった。象の上にいるとはいえ、素直にメチャンコ怖かった。巻き込まれるの❓ワシら関係ないのにぃー( ;∀;)と思った記憶も甦ってきたよ。
両者が立ち止まって睨み合ってた時間は7、8秒かそこらだったと思う。なのに物凄く長く感じられたのを鮮明に憶えている。
そういやこの後、村で怒り狂った象が暴走しだしたんだよなあ…。あの時はマジ、死を覚悟した。あまりにも怖過ぎて爆笑したら、象がおとなしくなって助かったけど。人間、怖過ぎると爆笑すると知ったよ。

話をコカブトくんに戻す。
「コカブト、またはコカブトムシとも言われるコウチュウ目( 鞘翅目) コガネムシ科 カブトムシ亜科 コカブト属に分類される甲虫。
漢字で書くと、小甲虫、または小兜虫となる。
低地から低山帯に棲み、亜種オキナワコカブトやアマミコカブトなどは普通種だが、本土のコカブトは個体密度は低く、個体数もそれほど多くない。」

なぁ〜んだ、本土産は普通種じゃないのね。確かに小さい頃は一度も見た事がなくて、大人になって灯火採集をするようになってから見るようになったもんな。もう少しリスペクトすべきだったね。

「体長は18mm〜26mm程度。
小型ながらカブトムシの仲間であり、雌雄ともに小さな角状突起を持つ。このように外部形態上の性差には乏しいが、胸部前胸背板にある窪みの形の違いで判別する事ができる。オスは円形、メスはスリット状になる。体つきと角状の突起からサイカブト類にも似るが、より扁平。脚部の棘は体の割には大きめである。成虫は基本的に夜行性だが、日中に路上などを歩いている姿を見かけることもある。樹液に集まることは少なく、他の昆虫の幼虫や死骸を食物とする。」

おっ、やはり肉食性だね。しかも悪食と言ってもいい。加えて節操も無さそうだ。どこかハイエナを彷彿とさせるものがあるね。
そういや、矢田丘陵で樹液に来ているのを見た事があるな。でも肉食ならば、目的が樹液だったのかどうかは微妙だ。樹液に集まる昆虫を次々と襲って、ムシャムシャ食ってたりしてね。😱怖っ。

「主に体の柔らかいものを狙うが、コガネムシ類の腹部に穴をあけて体内に侵入し、内臓などを食い荒らすこともある。」

内蔵を食い荒らすとか、もうムチャクチャだな。何だかオゾマシイよね。とてつもなくホラーな野郎だよ。カブトムシの養殖場で発生して、その幼虫を食い荒らしたという報告もあるそうだ。悪辣だよな。その映像を何となく想像して気持ち悪くなったわ。地獄絵図じゃよ。

「幼虫は広葉樹の白色腐朽した朽木を食べるが、時に他種の幼虫を襲う事もある。成長は非常に早く、孵化した幼虫は2ヵ月足らずで羽化にまで至る。ゆえに年2〜3回発生していると考えられ、秋に羽化した成虫はそのまま朽木の中で越冬する。又、一旦野外で活動を開始した成虫も再越冬能力を持ち、半年から最大2年と長い寿命をもつ。幼虫の姿では滅多に越冬せず、メスは我が子が秋までに羽化できるタイムリミットの7月末以降は殆ど産卵しない。」

おいおい、幼虫まで肉食性があるのかよ。それに孵化した幼虫が、たった2ヵ月足らずで羽化にまで至るとは大型甲虫の生態概念を超越してる。これもホラーだ。

「夏期の成虫はよく飛翔するため灯火にもしばしば見られるが、凝集対象を持たない本種は樹液場や海岸をうろついていたりすることもあるなど、まだまだ謎の多い種類である。」

たしかに灯火には来るが、いつも単独で、複数が飛来したという記憶は多分ない。

「市販のカブトマットや他のクワガタに使った産卵木を入れておけば産卵させることはできるが、難易度はやや高く、産卵は7月迄にさせる必要がある。なお肉食傾向の強い種のため幼虫や卵が確認できたらすぐに成虫を取り出す必要がある。幼虫は非常に成長が早くて2ヶ月程で成虫になるが、早く羽化した成虫がまだ羽化していない幼虫や蛹を捕食することがあるので単独飼育の方が安全である。」

まさかの子殺し&兄弟殺し昆虫だ。
何だか生々しい生態だよね。ブサいくで、異様に生命力があって臭い。そして残虐でオマケに子殺し&兄弟殺しまでするという全然愛せない面ばっかの輩じゃないか。もうケダモノだね。こんなの、人間に喩えるなら人格崩壊のサイコ野郎だ。若者が罵る気持ちも解るような気がするよ。

一応、上から見た姿も必要かと思い、図書館で探した。
ちゃんとした図鑑よりも子供向けの図鑑の方が鮮明でキレイな画像ではないかと考えてソチラのコーナで探してみた。メジャーな昆虫ならば、往々にして海外産も含めて子供向け図鑑の方が画像が美しかったりするのだ。

目論見どおり、ソッコー発見。

(アマミコカブト)

(出展『学研の図鑑LIVE カブトムシ・クワガタムシ』)

しかし、その形に違和感を覚えた。
(・o・)あれっ❓…、奄美で見たのとは違うような気がする。
そして、隣の横向き画像を見て、\(@_@)/驚愕する。

角が明らかに短い❗
アレって、もしかしてサイカブトじゃなくなくねっ❓

慌ててサイカブトの項も見る。


(出展『小学館の図鑑NEO カブトムシ クワガタムシ』)

勿論、横からの画像も確認する。

完全にサイカブトやないけー❗
考えてみれば、奄美にサイカブトがいるなんて足の爪先ほどにも思っていなかった。だから疑いもなくコカブトだと断定してしまったのだ。サイカブトの分布は沖縄以北だとばかり思い込んでたからね。道理で何かコカブトムシにしては矢鱈とデカイなと感じたのだ。最初に見た時はカブトムシの♀かと思ったくらいだからね。

しゃあないので、改めてサイカブトの解説をしまーす。

コウチュウ目(鞘翅目) コガネムシ科 カブトムシ亜科 サイカブト属に分類される甲虫の一種で、外来昆虫とされる。
漢字で書くと、犀兜虫。和名はサイのような短い角を持つことに因む。この和名は1990年代後半から2000年代前半頃に急速に使用され始めたもので、それ以前はタイワンカブトと呼ばれていた。これは日本の個体群の原産地が台湾とされる事からである。
また1970〜80年代には、一部でカンシャカブトと云う名前も使用されていた。カンシャとは甘蔗、つまりサトウキビのことである。これは本種がサトウキビの害虫として農業関係者の間では有名だった事に起因するものかと思われる。
他にヤシの木やパイナップルも食害し、その穿坑能力は極めて強く、成虫は茎頂部にトンネルを掘って潜り込んで摂食を行う。そのためヤシなどは成長点を貫通した時点で枯死する。
又、沖縄がアメリカ合衆国から日本に返還されて間もない1970年代には「サイクロンカブトムシ」という商品名で夜店やデパートで売られていたという。

学名 Oryctes rhinoceros (Linnaeus, 1758)
おっ、分類学の父とも称されるリンネの記載だね。
属名の”Oryctes”は、多分ギリシャ語の”orycho”が語源で「掘る・掘り出す」という意味だろう。これは成虫がヤシなどにトンネルを掘ることからの命名だろう。
小種名の”rhinoceros”はサイの事だね。

英名 Coconut Rhinoceros Beetle
ようするに、ココナッツ(椰子)にいるサイみたいな甲虫って事だすな。

日本に侵入したのは20世紀初頭とされ、台湾からの物資に紛れ込んで石垣島に上陸し、以降分布を北に拡大し続けており、現在では南西諸島のほぼ全域で定着。九州南部でも見つかっているという。凄まじいまでの繁殖力だね。なお奄美大島と徳之島では、1991年に初めて分布が確認されたそうだ。だから小学生の頃の知識だと、奄美には居ない事になっているのである。
本種の原産地はインドシナ半島周辺とされるが、人為的な植物の移動(主に農作植物)に伴い、東南アジアから西はインド・スリランカ、東は中国南部、台湾、果てはハワイにまで分布を拡げており、在来か外来かが判然としない地域も少なくない。
なお、日本にはもう1種この属がいて、南大東島にヒサマツサイカブト(O. hisamatui)が産する。

(ヒサマツサイカブト 久松犀兜)

(出展『画像あり。(´・ω・`)』)

2002年に新種記載されたもので、サイカブトよりもふた周りくらいデカくて分厚く、胸部背面後方が高くせり上がり、角も長い。

サイカブトの話に戻ろう。
成虫の体長は雌雄共に30〜45mm。
卵はカブトムシと同じく堆肥や落葉土に産み付けられる。孵化した幼虫は2度の脱皮を経て4ヵ月程で老熟し、それぞれ3〜4週間の前蛹期と蛹期を経て羽化する。成虫の寿命は2〜5ヵ月程だが、成虫、幼虫共に冬季の約2ヵ月を除きほぼ一年中活動している。
カブトムシと比べて全体に外皮が厚く強固であり、脚が太くて短かめである。特に前脚の脛節は幅が広く、トゲが発達している。その為、樹皮上を登る能力は十分に擁するものの、短足なことから細い枝を歩くのは苦手である。とはいえ、野生下では樹木の表面を歩行することは滅多になく、本土のカブトムシのように樹液に来ることも殆どない。基本は地面を這って生活しているようだ。
♂の大型個体は弓なりの細長い角を頭部に1本持つが、♀も短い角を備えるため、小型個体では雌雄の見分けがつきにくい。但し♀は尾端が毛で覆われていることから、慣れれば判別は比較的容易である。
夜行性で、しばしば街灯に飛来し、路上でひっくり返ってもがいている姿をよく見かけるという。

サイカブトなら、肉食性じゃないから触っても良かったなあ。ちょっと惜しい事をした。
因みに、生き虫を本土に持ち帰ることは厳に謹しむべきである。ましてや野に放つことは厳禁だ。紛れもなく害を及ぼし、下手したら後々には甚大なる被害を引き起こしかねないからね。
『可愛いそうだから、放してあげようよ。』とか、己のオナニー的優しさと正義感を押し付けてくる人が多いけど、この場合はクズだ。そのオナニー的正義感が時に犯罪行為になるのである。何でもかんでも可愛いそう視点の、昨今のヌルい優しさが蔓延する風潮は愚かとしか言いようがない。そのせいでアライグマは爆発的に増え、カミツキガメも急速に増えて各地で大問題になっているのだ。
一般ピーポーは、外来生物であるアメリカザリガニやブラックバスがどれだけ此の国の従来からある生態系を破壊し続けてきているのかをコレっぽちも知らんのである。

余談だがコカブトの話に戻ると『学研の図鑑 カブトムシ・クワガタムシ』のアマミコカブトの欄には、分布地として奄美諸島の他に伊豆諸島の八丈島やトカラ列島も挙げられていた。


(出展『学研の図鑑 カブトムシ・クワガタムシ』)

なぬ❓トカラ列島なら位置的にまだしも理解できるが、遥か離れた八丈島まで分布に含まれるのは解せない。
調べたら『ZUKAN 生きもの愛が図鑑になる』というサイトに、トカラ列島産(口之島・中之島・平島)も伊豆諸島産も名義タイプ亜種に含まれていた。しかし、よく見ると伊豆諸島は御蔵島以北とある。八丈島って御蔵島より南だったよな…。まさか…だよね。
でも読み進めると、そのまさかの答えがあった。
「八丈島では、2006年に2頭の雌が記録されているが、これらは奄美亜種の特徴を有しているという。同島では奄美大島などから植物とともに移入されたと考えられるカミキリムシなどが多く記録されており、コカブトムシも移入種の可能性がある。」
なるほどね。そういう事だったのか。ならば納得である。
危ねえ危ねえ。「子供の図鑑とはいえ、情報に正確性を欠くのはよくないと思うよー。」とか書きそうになってたから、危うく恥をかくとこだったよ。まあ、トカラ列島は間違いみたいだけどさ。あー、でもコレとて奄美諸島からの移入種という見解もあったりしてね。

 
(註2)カブクワ屋
カブトムシ&クワガタムシのディープな愛好家のことをこう呼ぶ。参考までに言っとくと、例えばクワガタ好きは「クワガタ屋」、カミキリムシ好きは「カミキリ屋」、蝶好きは「蝶屋」、蛾好きは「蛾屋」、蝶も蛾もやる人のことを「レピ屋」と呼ぶ。レピはレピドプテラ(Lepidoptera)の略で、蝶と蛾を含む上位分類である鱗翅目の昆虫の事を指す。ようするに愛好する虫の後ろに「屋」をつけるのが習わしなのだ。そしてそれらを総称して、虫好きの人は全て「虫屋」と呼ばれる。
但しコレは業界用語で、己の事や同じレベルの虫好きの事を指して言う。虫屋は己の事を何があっても「昆虫マニア」とか「昆虫愛好家」「昆虫オタク」とは言わないのだ。これらは一見して同じ意味に聞こえるが、それは世間の人が使う言葉であり、そこには蔑視が入っているからだ。

(註3)ナショナルパーク
ネパール南部に位置するチトワン国立公園でした。
東西80km、南北23km、総面積932㎡に及ぶ広大な国立公園のエリアは鬱蒼としたジャングルや草原からなるが、標高は低く、50m~200m程度で亜熱帯気候である。平原の彼方には、マナスルをはじめとするヒマラヤ山脈が遠望できる。
かつて王族たちの狩猟地だった為に開発を免れ、大自然が手付かずのまま残っており、1984年には世界遺産に登録された。
絶滅寸前のインドサイの他にベンガルトラ、ヒョウなど哺乳類は約40種おり、コウノトリ、サギ、インコなど野鳥の種類は500を数え、世界一の種類数だとも言われている。公園内の川では、絶滅の恐れの高いヌマワニや淡水イルカ、インドガビアルの生息が確認されている。朝には必ずといってよいほど朝靄が立ち込める。また、緩衝地帯にあるビスハザーリー湖などはラムサール条約の湿地に登録されている。
ゾウの背中に乗って回るジャングルサファリや、更に広大な範囲を探索できるジープサファリがあり、他にもラフティング、カヌー、バードウォッチングなどのアクティビティを楽しむことができる。

 
最後に、この旅で採った蛾と蝶を紹介して終わります。だだし全て展翅しているワケではないので一部の紹介になります。
と、ここまで書いて各種を並べて短い解説を添えていたのだが、またぞろ問題とか疑問にぶつかりバカ長くなってしまった。加えてアップ直前、最後にコカブトの画像を入れたところで、何とサイカブトだったと云うのが発覚して、更に徒らに長くなってしまった。拠って、ソチラはオマケ編として次回に回します。

 
参考文献
◆『学研の図鑑 カブトムシ・クワガタムシ』
◆『小学館の図鑑NEO カブトムシ クワガタムシ』
◆高田兼太『「虫屋」とは?ーリフレームによる言葉の分析』きべりはむし 37号(1),2014
◆石塚克己『世界のカトカラ』

インターネット
◆『Wikipedia』
◆『尾張の蛾、長話』
◆『ZUKAN 生きもの愛が図鑑になる』
◆『画像あり。(´・ω・`)』
◆東 和明『南大東島まるごとミュージアムを確立する』
◆『http;//www.pref.okinawa.jp』

 

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投稿者:

cho-baka

元役者でダイビングインストラクターであり、バーテンダー。 蝶と美食をこよなく愛する男。

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