台湾の蝶16 タイワンカラスアゲハ

 
       アゲハチョウ科3

      第16話 『蒼穹の銀河』

 
  
【Papilio dialis タイワンカラスアゲハ♂】
(2017.6 台湾南投県仁愛郷南豊村)

 
実をいうと、野外で撮したタイワンカラスアゲハの写真はこれ1枚しかない。
2017年のものだが、2016年にも採集したのに何故かその時は1枚も写真を撮っていなかったようなのだ。
だいたい2017年だって1枚しか撮っていないというのは解せない。ミステリーだ(-“”-;)……。

にわか探偵は過去に思いを巡らせる。
鋭い洞察力と類い稀なる記憶力、勝手なこじつけで記憶を平気で改竄する妄想力と厚顔力etc…。ご都合主義の権化が、その明晰な頭脳をフル回転して事件を解決してみせようではないか。

ひとしきりフザけたところで、記憶を辿ってゆく。
反芻すると、何となく朧ろ気に思い出してきた。

2016年に初めて台湾に訪れた時は、『発作的台湾蝶紀行』と題してブログを現地発信で連載していた。このタイトルがヒントになってくれた。
三歩あるいたら忘れると言われている鶏アタマのイガちゃんだって、それくらいの事は覚えている。発作的に台湾行きの飛行機のチケットを購入、三日後には台湾へと旅立ったのである。
出発の準備だけで手一杯だった。だから、台湾の蝶の事など碌(ろく)に知らないままに出てきたのである。
ゆえに、カラスアゲハの仲間も流石にホッポアゲハぐらいは知ってはいたが、他のカラスアゲハの事は今イチよくわかっていなかった。
ミヤマカラスアゲハって、台湾にいたっけ❓(註1)とかのレベルである。
そう云うワケで、現地で採っててもカラスアゲハが1種類だけではなさそうだとは思いつつも、どう云う位置づけなのかは理解できていなかったのである。
感覚的には日本本土にいるカラスアゲハとは明らかに違うし、奄美大島や沖縄のものとも違う。一番近い八重山諸島のものとも少し違うような気がしつつ、網に入れていた。でも、深くは考えなかった。
カラスアゲハの分類は錯綜していて、種の分け方が学者によって解釈が違うから誠にややこしいのである。
学名だって二転三転していて、アタイのような頭の出来の悪いのは本能的に脳を凍結するクセがあるのだ。

重ねて言うけど、採ってて見た目ソックリだけど違うのがいるのは何となく解ってはいた。
でもクソ暑くて写真をイチイチ撮るのが面倒くさかったとか、撮ろうとしたら別な蝶が飛んできて後回しになったりとかしたのだろうと推察する。
で、帰ってきて展翅して、明らかに違うのがいると漸くハッキリと認識したと云う次第なのであった。
我ながら、オソマツくんなのである。蝶偏差値二流だから、仕方がないのであ~る。

じゃあ、何で2017年も1枚しか撮らなかったのかと云うと、単純にタイワンカラスアゲハがあんまりいないからなのである。2016年に当然何枚か写真を撮っているであろうと云う思い込みもあったに違いない。だから複数頭採ったのにも拘わらず、これ1枚しか写真が残っていないのかもしれない。
(  ̄▽ ̄)フフフ…。早くも、どうだどうだの御都合主義の言いワケかましである。

『原色台湾蝶類大図鑑』には、恒春半島では極めて稀。埔里周辺、台北ウラル付近では普通とあったが、他の文献(台湾など外国の文献も含む)では少ないという表記が多かった。
台湾には、他にカラスアゲハの仲間がホッポアゲハ、カラスアゲハ(タカサゴカラスアゲハ)、ルリモンアゲハ(タイワンルリモンアゲハ)、オオルリモンアゲハ(ルリモンアゲハ)が棲息しているが、自分の経験ではこのタイワンカラスアゲハが最も個体数が少ないと感じた。♀なんかは滅多に採れないから珍品扱いになっていたと記憶する。
私見だが、台湾のアゲハの中でもその珍しさは5指に入るのではないかと思う。
内訳は、キアゲハ(台湾では大珍品。記録が途絶えていて、既に絶滅したとも言われる)、フトオアゲハ(台湾で最も有名な蝶、且つ現存する最稀種)、モクセイアゲハ(非常に分布が狭い稀種)、コウトウキシタアゲハ(台湾では蘭峽島のみに分布)。この4つが先ずは上げられるだろう。ここまでは異論は少ないと思う。
ランクが二、三段くらい下がって、あと一つをタイワンカラス、コモンタイマイ、アサクラアゲハ、ジャコウアゲハ等がその座を争うといったところだろうか?
でもコモンタイマイなんて、コモンと名前がつくくらいだから、そもそもが庶民派の蝶なんである。大陸に行けば、普通種だ。山ほどいる。
アサクラアゲハもインドシナ半島なら、標高さえ上げれば結構いる所には沢山いる。
ジャコウアゲハなんて、台湾ではいくら珍しかろうとも、所詮はジャコウアゲハ。日本ではその辺にいる。淀川にだって飛んでいるのだ。
でも、タイワンカラスは台湾以外では見たことさえ無い。分布域のインドシナ半島北部でも、足繁く通ったのにも拘わらず、一度もその姿を拝んだことがないのだ。
大陸側でも決して個体数が多い蝶ではないとも聞いたことがある。拠って、タイワンカラスを勝手に五番目の使徒とさせてもらう。

そういうワケで、残念ながら♀は採れていない。
でも、見た目は♂と殆んど変わんないんだよねー。翅形は微妙に異なるものの、♂は上翅に性斑と呼ばれる毛束があるが、♀にはそれが無いという事くらいしか目立った差異はない。
一応、メスの画像を探して添付しておくか…。

しかしながら、ネットでも中々画像が見つからない。
辛うじて杉坂さんのホームページから目っかった。

 
(出典 杉坂美典『台湾の蝶』)

 
台湾には年に何度も行かれていて、膨大な写真を撮っておられる杉坂さんでさえも、1枚しか写真をアップされておられないのである。♀の珍しさは推してはかるべしであろう。

だけど残念なことに、この写真では辛うじて腹の出っ張りでしか♀と認識できないんだよね。

もう少し探してみる。
これが♀かなあ❓

 
(出典『台湾蝴蝶誌』)

 
性斑が無いように見えるんだけど、画像が鮮明ではないので断言は出来ない。
まあどちらにせよ、♂とあんま変わらないのだ。より美麗なものを期待していた身としては、ガッカリ感は否めない。

仕方がないので、♀の標本写真を探してきた。

 
(出典『Theln sectCollecter』)

 
たぶん台湾産で、上が夏型で、下が春型である。
夏と春とでは随分大きさが違うようだ。
因みに夏型は台湾にいるカラスアゲハの仲間の中では一番大きいと思う。少なくとも翅の表面積は一番広いだろう。そのせいか、何か見た目がゴツい感じなのだ。

たまたま、このあいだインセクト・フェア(昆虫展示即売会)があったので、そこで探してみたら、水沼さんのブースで台湾産の♀を目っけた。

 

 
何と、値段は三千円もする。
即売会の蝶の値段をずっと観察してきた結果、外国の蝶は高いものは何十万とはするが、国産の蝶と比べて平均的には安い傾向にある。
1500円ならば、たとえ現地に行っても採れない可能性が高い蝶だ。日本の蝶に比べて安すぎだろ?と思うが、アジアの物価は日本に比べて安い。つまり、単に仕入れ値が安いから、売値も安いのである。
とにかくこの値段からすると、やっぱタイワンカラスの♀は簡単に採れる蝶ではないのである。

それにしても見事に地味だ。
しかし、よくよく見ればカラスアゲハの仲間内では、かなり特異な蝶だなと思う。参考に台湾のカラスアゲハの画像を添付しておきましょう。

 
(2016.7 台湾南投県仁愛郷黄肉渓)

 
比較して、先ずもって違うのが尾状突起である。
タイワンカラスの方が明らかに太い。
そして、尾突起全体に青い鱗粉が広がっている(各写真は拡大できます)。
基本的にカラスアゲハの類は尾突起に1本通った支脈の回りにしか青緑の鱗粉が無く、両縁は黒い。
この尾突にベッタリと鱗粉があるタイプは、カラスアゲハグループ(Achillides)にしては珍しい特徴で、他にはオオルリオビアゲハ(Papilio blumei )くらいしか例が思い浮かばない。

 
【オオルリオビアゲハ】
(2013.2 Indonesia Sulawesi Palopo)

 

次に形である。
コレは標本写真の方が解りやすいだろう。

 
【Papilio dialis tatsuta 台湾亜種♂】
(2016.7 台湾南投県仁愛郷南豊村)

 
コレって完品に近かったのに、展翅中に翅に手がぶつかって鱗粉がゴッソリ剥がれちやったんだよねー。
やっちまったな(ToT)である。胴体に合わせて展翅すると、触角の整形は上手くいくけど、ままこういう事が起こる。

他に無かったかなあ?

 
(2016.7 台湾南投県仁愛郷黄肉渓)

 
コイツは一見完品に見えるけど、よく見ると翅が欠損している。

たぶん去年2017年には完品をいくつか採ってる筈なんだけど、この期に及んでまだ展翅していない。ブログ用に一つくらいは展翅しとけよなー。もう半年以上も過ぎてるのに、山とある採集品が放ったらかしなのである。
だって、展翅嫌いなんだもーん(# ̄З ̄)
サイテーだな、オイラ。

今一度、標本写真を見て戴きたい。
所謂(いわゆる)カラスアゲハの定番のフォームとは感じが違う。ボックス型なのだ。ちよっとナガサキアゲハの翅形に似ているような気もする。

参考までに台湾のカラスアゲハの標本写真も添付しておきましょう。

 
【Papilio bianor ♂】 
(2016.7 台湾南投県仁愛郷)

 
タイワンカラスよりもほっそりとしており、全体的に優美な形だ。コレがカラスアゲハ類の定番の翅形パターンかな。

色も鮮やかな青緑色だ。
それと比べてタイワンカラスは渋い青緑色である。
さっきは地味だとか何だとか悪口を吐(ぬ)かしたが、本当は渋い美しさがあり、好きだ。特に生きている実物は、カラスアゲハなんかよりも余程美しいと思う。

 
(出典『wikimedia』)

 
上の写真が、太陽光の下、最も美しく見える瞬間だ。
下翅の前縁と尾状突起に配された群青は、まるで夜が始まる直前にほんの一時だけ現れる蒼穹のようだ。
そこに散りばめられた粗い鱗粉が、瞬き始めた星々の如く煌めいて見える。銀河だ。

蝶の翅をミクロでじっくり見ていると、時々魅了されてしまい、『鱗粉、ヤッベー(@_@;)』と思う。
そこには、宇宙が存在するのだ。

  
【学名等名称について】
学名 Papilio dialisの小種名「dialis(ディアーリス)」は、ラテン語のユーピテル大神の(形容詞)、ユーピテル大神の神官(名詞)の意。
ユーピテルはローマ神話の最高神にあたり、ギリシヤ神話のゼウスと同一神とされる。その神官なんだから、そこそこ敬意を払われて名付けられ学名なんだね。
亜種名の「tatsuta」については、次項で言及します。

英名は「The Southern Chinese Peacock」。
南中国の孔雀さんだ。

台湾での名称は穹翠鳳蝶。
穹翠鳳蝶の穹は「アーチ、ドーム」という意味と「空、大空」と云う意味があるようだ。
アーチ、ドームは、おそらく裏面に並んだ半月紋を指しての事だろう。
しかし、自分には月のイメージよりも、星のイメージの方がある。前述したが、表面に散りばめられた鱗粉が他の近縁種よりも浮き立って見え、それがまるで夜の始まりの青藍の空に瞬く星々に見えるのだ。

他に南亞翠鳳蝶、臺灣烏鴉鳳蝶と云う別称があるようだ。
南亞翠鳳蝶は南アジアの緑色のアゲハという意味だね。
でも、南アジアと言われてもピンとこない。南アジアといえば、インド、ネパール、パキスタン、ブータン、スリランカ、モルジブを含む地域を指す筈だ。蝶の分布とはピッタリ合わない。

臺灣烏鴉鳳蝶は台湾のカラスアゲハという意味。
つまり和名そのままである。ちよっと面白いのは、台湾や中国では「烏鴉」の二文字でカラスを表すんだね。日本では「烏」一文字でカラスと読むし、「鴉」一文字でもカラスだ。もしかしたら、本来は「烏鴉」で、日本に伝来当初はそのままだったけど、時間の経過と共に変化、略されていったのかもね。

 
【分布と亜種】
台湾以外の分布は、中国南部~南西部、海南島、インドシナ半島北部が知られている。

 
(出典『原色台湾蝶類大図鑑』)

 
「原色台湾蝶類大図鑑」には以下のような亜種が記されていた。
だが古い図鑑なので、現在はどうなっているのかはわからない。調べたが、文献を見つけられなかったとです。

 
▪P.dialis.schanus ミャンマー・シャン州

▪P.dialis.doddsi トンキン(ベトナム北部)

▪P.dialis.cataleucus 海南島(中国)

▪P.dialis.dialis 中国西部~中部

▪P.dialis.andronicus 台湾

 
気になるのは、台湾の亜種名。
現在は「andronicus」ではなく、「tatsuta」と云う亜種名が使われているようだ。
どうゆう経緯でそうなったのかはよくワカンナイけど、とにかくアンドロニカスはシノニム(同物異名)になってしまっているみたい。
それにしても、「tatsuta」というのの語源が解らない。竜田揚げしか浮かばんわい。もしかして竜田さん、もしくは立田さんという人に献名されたのかな?
だとしたら、ダサい。そもそも献名という方式に疑問を感じる。個人のエゴ丸出しではないか。第三者から見れば、誰かへのゴマスリとかオベンチャラ、個人的センチメンタリズムにしか見えない。本来は、その蝶のキャラにあった名前をつけるのが筋でしょう。
とはいえ、誰かにアナタの名前を学名につけてしんぜましょうと云う申し出があったとしたら、鼻の下を伸ばして『どうぞ、どうぞ。つけて下さいまし。いや、絶対につけて下さい。おねげぇーしますだあー(ToT)』と懇願したゃうんだろなあー。
( ̄∇ ̄*)ゞハハハハ…、プライドの欠片も無い男なのだ。

それはそうと、アンドロニカスというのは、あのシェイクスピアの戯曲『タイタス・アンドロニカス』から来てる筈だよねぇ。
だとしたら、学名の変更は勿体ないよなー。言葉の響きもカッコイイしね。
とはいえ、シェイクスピアの戯曲の中では最も残虐な内容だから、見方によっては汚名返上とも言えるんだけどね。

おっと、書き忘れるところだったわい。
亜種のうち、インドシナ北部の生息するドッドッシー(ssp.dodosi)は尾突が退化していて、一見してかなり印象が異なる。ゆえに別種とする学者もいるようだ。

 
(出典『蝶の標本 麗蝶』)

 
ナガサキアゲハとかオナシカラスアゲハに似ている。
確かに、見てくれは別種と言われれば、納得できない事もない。
遺伝子解析とかは、されてるのかな❓
されてたら、きっと同種扱いなんだろなあ…。特に理由は無くて、何となくだけだけど。
因みに、コイツには「ミナミカラスアゲハ」と云う和名が付いているみたい。また南だ。特に南に分布しているワケではないと思うんだけど、何でじゃ❓

 
【生態】
台湾全島の低山地から山地にかけて広く分布するが、個体数は少ない。垂直分布は200m~2700mとされるが、その中心はおそらく1000m以下だろう。
4月上旬に現れ、10月まで見られる。台湾の文献(註3)によると、桃園県の山地では、4月中旬を中心に羽化が始まる。第1化は春型とされ、夏型に比べて遥かに小型。後翅表面前縁の藍色鱗は、より緑色を帯びる。
以後、6月中旬、7月下旬~8月上旬、9月上旬を中心に羽化が見られる。但し、1973年と古い文献なので、現在は少し発生が前倒しになっているかもしれない。

渓流沿いや樹林周辺の明るい所に多く、♂♀共に花に吸蜜に訪れる。♂は午前中に活発に飛び、好んで吸水に集まる。但し、他のカラスアゲハ類に比べて個体数が少なく、他種に紛れて吸水していることが多いので注意が必要。他と比べて大きい個体がいれば、本種の可能性を疑ってかかるべし。
飛翔は他のカラスアゲハ類の中では、ややゆるやかな印象があるが、決してトロいワケではない。むしろ一番敏感かもしれない。吸水中でも、近づくと他のアゲハと比べて反応が早い。

なおタイワンカラスアゲハの採集記は、アメブロの『発作的台湾蝶紀行』の第28話 「イエローミートバレー」他にあります

 
【幼生期及び食餌植物】
『アジア産蝶類生活史図鑑』には、Euodia glauca ハマセンダンとToddalia asiatica サルカケミカンが食餌植物とあった。

台湾では以下のようなものが記録されている。

賊仔樹 Tetradium glabrifolium
吳茱萸 Tetradium ruticarpum
食茱萸 Zanthoxylum ailanthoides

一番上は、カラスザンショウ。
上から2番目は、ゴシュユ。3番目はホソバハマセンダン。何れもミカン科の植物である。
ホッポアゲハと同じく、またもやサルカケミカンもハマセンダンもあげられていないが、まあそこをツッ込んだところで泥沼迷宮じゃろう。カラスアゲハ類全般が食う樹種ならば、幼虫に与えれば食して、問題なく成長するとみられる。

それでは、いつもの幼虫の御披露目タイムだ。
今回もキモかわキューティーちゃんである。

 
【側面】  
(出典『圖録検索』)

 
【側面及び俯瞰図】
(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

 
青い紋が顕著になり、中々にお洒落さんだ。
成虫はカラスアゲハ界ではかなり地味な存在なのに、幼虫はこの群の中では最も美しいとは何だか逆説的だ。

 
【正面写真】
(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

 
ホッポアゲハ程とぼけた顔ではないが、そこそこ可愛い。でも目つき(頭部側面の眼状紋)が奈良美智(註2)の登場人物みたいで、ややひねくれ顔だ。まあ、写真を撮る角度で、そう見えるだけだと思うけど。

 
【蛹】
(出典『生物多様性資訊入口網』)

 
(出典『圖録検索』)

 
ホッポアゲハの回では冬季越冬時に見られる茶色いタイプの蛹の画像を見つけられ無かったが、コチラは『アジア産蝶類生活史図鑑』に茶色いタイプも載っていた。
でも、面倒クセーので端しょります。卵もアゲハは皆変わりばえしないので添付なしです。

幼生期の生態は、近縁種のカラスアゲハ(Papilio bianor)と変わらないという。
文献によると、卵から羽化まで約40日間を要するようだ。
以下、例をあげておく。
6.24 産卵。6.28 孵化。7.20 蛹化。8.2 羽化。

イナズマチョウとかは、あまりにも邪悪すぎる姿なので無理だが、アゲハの幼虫だったら、飼ってやってもいいかなあ…(笑)。

                 おしまい

 
 
追伸
今回は完成するまで何やかんやと時間がかかった。
これは書き方を変えてみたからです。いつもは頭から順に書いてゆくのだが、今回は先に各項目を並べて、書きたいところからアトランダムに書いていった。
最初から各部門に分ければ、より効率的に書き進められると思ったからである。
しかし、コレが失敗だった。気分次第でアッチコッチ書くので、各章の連携を無視してズンズン書いてしまった。したら、全体的な整合性が合わなくなってきた。各項目で重複した記述が一杯出てきたのである。そうなれば、当然どっちかを削らなければいけない。
しかし、文章には流れと云うものがあるワケで、そこだけ削ると文脈やレイアウト(構成)がオカシクなってしまうのだ。各章の連結も悪く、全体的な文章の流れもヨロシクなくて、読んでいてもどこか居心地の悪いチグハグな感じなのだ。それを修正しようと四苦八苦しているうちに時間が経ったというワケである。まあ、途中でイヤになって、放り出してた期間もあるんだけどね。

 
(註1)台湾のミヤマカラスアゲハ
今や古典と言ってもいい『原色台湾蝶類大図鑑』には図示・解説されているが、その時点での記録は1935年、台北州新店で採集された1♂のみ。その後、ミヤマカラスに触れた文献ほ殆んど無いようだし、たぶん再発見はされていないと思われる。きっと現在では大陸側(中国)からの迷蝶扱いとされているのだろう。

 
(出典『原色台湾産蝶類大図鑑』)

 
美麗種としてならしているミヤマカラスにしては、汚いのぅー(# ̄З ̄)
見た目、カラスアゲハにしか見えへん。本当にミヤカラなのかなあ?…。交尾器を見ないと、こんなの判断できないよね。
まさか学者が交尾器も見ないで判断するワケはないから、ミヤマカラスで間違いないとは思うけどさ。
けど、標本が残ってて、調べなおしたら案外カラスアゲハだったりしてね( ̄∇ ̄*)

冬の献立 総ざらえ

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蝶は買わない主義。なのだが…

 
一昨日、3月11日はインセクト・フェア(昆虫展示即売会)だった。
インセクト・フェアとは、昆虫の標本を中心に昆虫関連の書籍や道具が売買される虫好きの虫好きによる催しなのだ。
まあ、虫嫌いな一般ピーポーからすれば、(;゜0゜)はあ❓とか、(|| ゜Д゜)へぇー❓の世界である。
自分も蝶に嵌まるまでは、こんなマニアックの世界がこの世に存在するとは夢にも思わなかった。世の中、色んなマニアさんがいるのである。

 

 
画像は去年のものだが(註1)、こんな感じである。
年齢層が異様に高い。
ただでさえマイナーな業界なのに、10年後には益々衰退、風前の灯火になっていること必至でしょうな。
珍しい虫だけでなく、虫好きも今や絶滅危惧種なのだ。

 
基本的には虫(蝶)は買わない主義だ。
蝶は買うもんではなく、自分で採るもんだと思っているからだ。買ってしまうと、自らの足で現地に会いにゆきたいと云うモチベーションが著しく下がるような気がしてならない。もう採ったような気分になってしまうのだ。恋愛なら、妄想変態野郎である。
しかし、憧れの蝶の棲むロケーションに実際に身をおき、生きている実物を見る感動は大きい。そこには心躍る純粋なハンティングの快楽がある。それに、生きた蝶には謂わば生命の輝き、標本を遥かに凌ぐ美しさが具わっているのだ。その珠玉の楽しみを自ら放棄、もしくは薄めてしまうのは勿体ないと思うのだ。
だから、死んだ蝶は買わない主義なのだ。

じゃあ、何で行くのかと云うと、虫仲間と虫談義をする為である。虫の話が出来るのは、虫仲間しかいないのだ。
普通は同じテーマについて喋り続けることは出来ないものだが、誰しもが何時間でも延々と虫の話をしていられる。全然飽きないのである。
これは自分にとっては驚きであった。たとえ文学や映画が好きでも、延々とそれについての話をしようとは思わないからだ。食いもんの話だって無理だ。話は自然と別なジャンルへと移行してゆくのが普通なのである。

そんな蝶は買わない主義の自分だったが、一昨年辺りから蝶をちょぼちょぼ買うようになってきた。
キッカケはヘリボシアオネアゲハである。出谷さんのところのブースで、三角紙標本が300円だか500円だかで売っていたのをつい買ってしまったのである。

 
【Papilio lorquinianus ヘリボシアオネアゲハ】
(実際はもっと緑っぽい。スマホだと何故だかこの色にしか写らへん)

 
分布はニューギニア周辺である。
多分、モルッカ諸島のバカン島(Bachan)のヘリボシだったかと思う。
その辺の事はアメブロに『マリンブルーの肖像』と題して書いた筈だから、興味のある方は読んでみて下され。

マリンブルーの肖像
(青のとこ、クリックすると本文に飛ぶ筈です)

Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ、自分で読んだらキッカケはヘリボシアオネアゲハではなく、チモールの貴婦人オリルスフタオであった。しかも、軍神マルスフタオも買ったので、ヘリボシアオネはオマケにつけてくれたのだ。
人の記憶と云うものは曖昧である。自分の都合のいいように勝手に改竄するなどお手のものなのである。

 
【Charaxes orilus オリルスフタオ♂】

 
この辺の経緯もアメブロにあります。
計5、6回のシリーズものだったかと思う。

蝶を買ってしまった…

そいでもって、その年の冬のフェアにはもう蝶なんて買うまいと決めていたのに、山積み300円均一のアフリカのフタオチョウを前に決意がいとも簡単に消し飛んだ。

 
【Charaxes imperialis❓】 

 
多分、これも『アフリカのフタオチョウ』と題して文章を書いている筈だが、探すのが面倒くさいのでURLは貼りません。興味のある方は、申し訳ないが御自分で見つけて下され。

とにかく、自ら採りに行くことを考えれば、屑みたいな値段である。そう考えたら、なし崩しになってきた。それでも、金額は抑えてきた。二千円を越える蝶は買うまいと自らを戒めていたのだ。
しかし去年、遂に絶対に自分で採りに行くと決めていた魔王クギヌキフタオまでをも買ってしまった。

 
【Polyura dehaanii クギヌキフタオ♂】

【♀裏面】

 
ジャワ島産の1ペアの三角紙標本が1万円五千円だったかと思う。それが値引きして1万3千円にするよと言われたのだ。
昔は1頭何十万もした蝶で、今でも♂1頭で1万円前後、♀ならばその倍くらいの値段はついているのである。
中を開けてみて、その裏面のあまりの複雑怪奇さに一発KOのノックアウト☆(゜o(○=(゜ο゜)o

遂に1万円越えの買い物をしてしまった。
もう、こうなると、一回体を許した処女の気分みたいなものだ。二回目以降はパッカーンである(スイマセン。決して女性蔑視ではありません。あくまでもバカ男の脳内想像です)。

去年の冬にはパンダルスムラサキのペアを買ってしまった。

 
【パンダルスムラサキ】
(出典『蝶の標本 麗蝶』)

 
インドネシア・アンボン島のパンダルスだ。
まあ、♂♀ペアで1200円くらいだったから、安い。アンボン島は遠いし、治安がメッチャ悪いと言われているのだ。
でも、まだ展翅もしてないんだよねー。

それで、病気の進行は収まりつつあるのではと思った。
ならば、この機に病気を完治させようと思って今回は臨んだ。何も買うまいと決めたのだ。

その作戦は前半には上手くいっていた。
だが、後半になって病気再発。小原さんのとこに前半には沢山あったシナシボリアゲハの三角紙標本が見る見る減っていくのをみて、心が揺れたのだ。
追い討ちをかけるように、小太郎くんの悪魔の囁き。

『コレ、安いと思いますよー。今度また同じ値段の出物があるかどうかはわかりませんよねΨ( ̄∇ ̄)Ψ』

真面目そうに見えて、案外Ψ( ̄∇ ̄)Ψダークな青年なのである。煽り方が巧みなのだ。
で、結局買いました。
それにしても、若い20代の若者のせいにするだなんて、サイテーだ。病巣は思った以上に自身を蝕んでいそうだ。

 

 
3頭で1800円。♂3頭だが、1つ600円と考えれば激安である。中国は、というか漢民族とはソリが合わないので中国に行く気にはなれない。無礼者に対して怒ってばかりだと疲れるのである。そう考えれば安い買い物だ。
あ~、でも経費とか考え出したら、益々買う方に走るよね。でも、そこには浪漫が無いんだよなあ…。
蝶採りとは、浪漫である。そう言い続けてきた身としては、肩身が狭い。

何だかグズグズ言ってるよなあ。ちよっとカッコ悪い。
何れにせよ、禁断の領域に足を踏み入れてしまってるよね。

ウンナンシボリアゲハも売っていたが、コレは触角が折れていたので、何とか踏みとどまった。
喉元まで『マケてくれんかのうー( ̄З ̄)』という言葉がせり上がってきていたが、言って値下がりしたら買わざるおえないと思い、全力でブレーキをかけた。
けど、今度耐えれるかは自信がない。考えてみれば、シボリアゲハは既に持っているのだ。これがよろしくない。

 
【シボリアゲハ】

 
ミャンマーに行かれた人のお土産の三角紙標本を、自分で展翅したものだ。
これがあるゆえに、シボリアゲハ4種類をコンプリートしたいと思ってしまったんだね。
コレクターという人種は、蝶に限らず同じカテゴリーのものをコンプリートしないと気が済まないように出来ているのだ。ビョーキである。

一応実物はどんなものなのか気になるので、中を開けて確認してみる。

 

 
尾状突起が長く、優美だ。
しかし、思ったほどには色があんまり綺麗ではない。近縁のギフチョウっぽい裏面を想像していたので、何だかガッカリだ。ギフチョウよりもホソオチョウに近いのかもしれない。あの蛾みたいな奴に近いかと思うとモチベーションが下がるよ。

 
【ギフチョウ裏面】
(2017.4 兵庫県三田市)

 
【同表面】

 
【ホソオチョウ 夏型♀】

 
【同裏面】
(2016.9 大阪市淀川河川敷。上が♀)

 
でも、表はそんなこと無いよね❓
けど、どんなだっけ❓
画像を探してくる。

 
【Bhutanis thaidina シナシボリアゲハ】
(出典『ゆのはな虫屋』)

ついでにウンナンシボリアゲハの画像も添付しておこう。

 
【Bhutanis mansfieldi ウンナンシボリアゲハ】
(出典『蝶の標本 麗蝶』)

 
良かった。表は美しい。
安心したところで、タッパーに放り込む。
おいおい、展翅せんのかぁーい❗❓
ハハハ( ̄∇ ̄*)ゞ、展翅が嫌いなのである。パンダルスムラサキどころか、去年台湾で採った蝶もろくすっぽ展翅してないんである。
とは言っても、シボリアゲハとシナシボリアゲハを並べて見てみたい。
そのうち気が向いたら展翅します。展翅したら、ブログには書きますネ。

                 おしまい

 
追伸
何だか、よう意図のワカランような文章を書いてしまった。
次回の蝶の話は、台湾の蝶シリーズの予定。アゲハのどれかです。

(註1)画像は去年のものだが
去年は『虫マニアはデビルマンの歌を歌う』と題して文章を書きました。

虫マニアはデビルマンの歌を歌う

自分で書いたのを忘れてて、思わず笑ってしもうた。
 
 

さらば、星野

 
昨日、3月10日(土)に甲子園で星野仙一の追悼試合が行われた。

 
(出典『デイリースポーツ』)

 
全員、星野が監督時代だった背番号「77」をつけてのオープン戦である。
この背番号は巨人のV9監督であり、打撃の神様とも言われた川上哲治への、星野のオマージュだ。
星野は中日の選手時代にエースナンバー「20」をつけて活躍し、打倒巨人に燃えに燃える男だったことは有名な話である。

この憎悪は1968年のドラフトに遡る。
当時、明治大学のエースだった星野は巨人のスカウトに1位指名すると明言されていた。
しかし、蓋を開ければ、巨人は星野ではなく、島野修(武相高校)を指名した。
『星と島の間違いじゃないか❓』という、その時の星野の語録が残っている。よほど悔しかったのではないかと思う。

この裏切られた一件以来、星野は巨人に対して異常なまでの敵意を持って挑むようになったと言われている。 

じゃあ、なぜに憎っくき巨人の川上の背番号を背負うようになったのかというと、現役を引退したNHKの解説者時代に、川上と一緒に仕事をするようになったのがキッカケであるらしい。
星野は川上に直接、なぜ自分を指名しなかったのか❓と訊いたそうである。
川上は直前にスカウトから『星野は肩を壊している。』と報告を受けて指名を回避したと答えたそうだ(実際には肩を壊してはいない)。
徳川家康、たぬきオヤジ川上のことだから、その言動は怪しいところだが、それを聞いた星野はわだかまりが一切消えたという。
以降、川上に監督術の薫陶を受け、77番を背負うようになったのである。

 
2002年、星野が阪神タイガースの監督に就任した時は期待した。
鬼と言われた星野が、腐ったぬるま湯体質の阪神を根本から変えてくれるのではないかと思ったのである。
そして、翌年の2003年には見事にチームにチャンピオンフラッグをもたらしてくれた。

ガキの頃から今に至るまで、生粋の阪神ファンだったけど、あの年は阪神タイガースにではなく、星野に恋していた。
鬼なんだけど、情のある指揮官だと云うのが俺たちファンにも充分に伝わったからである。当然、選手にはもっと伝わっていただろう。
優勝を決めた時、殊勲の一打を打った赤星をクチャクチャに抱きしめたシーンが忘れられない。

死のロードに連敗しまくった時は半泣きになったけど、それでも星野で優勝できなければ文句は一切無かった。男に惚れるとは、そういう事である。

でも、優勝してから監督をやめるだなんて卑怯だ。カッコ良すぎだ。
そうだ。優勝した翌日に、ファンへの感謝をスポーツ誌全紙にポケットマネーで全面広告をうったんだよね。とにかく粋な男なんである。
しかも、各紙違うコメントだった。益々、粋である。
そんなもん、絶対に惚れてまうで。

そういえば、往年の阪神のスター、田淵をコーチとして呼び戻してくれたのも嬉しかった。盟友とはいえ、それだけでも感謝だ。一生、田淵の縦縞のユニフォームは見られないと思っていたからね。
阪神タイガースというのは酷い球団で、生え抜きのスターを全盛期が過ぎたら、酷い扱いでクズみたいにチームから追い出してきた。田淵、江夏、掛布。みんなそうだった。
愛してはいるが、ホント、クソみたいな球団なのである。

考えてみれば、そもそも星野が当時広島カープに在籍していたアニキ(金本)を、勝つために半ば強引に引っ張ってきたのである。それが今やアニキは阪神の監督。星野がいなければ、金本監督の誕生は無かっただろう。そして、その金本がいなかったら、掛布の二軍監督も有り得なかったに違いない。
掛布の縦縞姿は、一生見れないと思っていたのだ。コレも嬉しかった。
それもコレも、結局は星野が監督になったからがゆえの流れなのである。

御堂筋の優勝パレードには行った。
力一杯手を振り、『ホシノー、有り難う❗』と叫んだのを憶えている。
このあと、神戸に行ってパレードをすると知っていたので、アタマを使って先をよみ、バスの駐車場に先回りしたっけ。
そうだ。で、席の一番前にいた星野さんが、バスが出発した時に、絶叫して手を振るオイラに向かって手を振り返してくれたのだ。
少なくとも、その場には西井さんとあと2、3人にしか居なかったし、オラが一番前にいたから、間違いなく自分に向けて手を振ってくれたのだと思う。

 
実をいうと、この文章は星野仙一がこの世を去った時の年始からずっと書こうと思って書けなかった文章だ。
各局で放映されていた追悼のドキュメンタリーは全部みた。その度に、アホみたいにダダ泣きした。
で、結局書けなかった。
そして、今日が書く最後のチャンスだと思って書いた。

 
(出典『デイリースポーツ』)

 
試合は、奇跡的に阪神側のスコアボードに「1001」の数字が並んだ。1001=仙一である。
きっと偶然だけど、そうは思いたくはない。
星野のメッセージだ。
試合結果はドロー。勝ちきれなかった。
星野の叱咤激励が聞こえてきそうである。

『おまえら、詰めが甘いんじゃ、ボケーッ❗』

それが星野さんの最後のメッセージだったんじゃないかと思う。
コレで選手が奮起しなければ、また万年最下位だ。
いや、そんな事はあるまい。コレで奮起しないでどうする。星野の顔に泥を塗るんじゃないよ。気合い入れていけや、ボケッ(#`皿´)

 

 

 
さらば、星野。

今年、阪神タイガースは優勝します。

 
                 おしまい

 
追伸
最後の笑顔はテレビ番組からのものだ(ご免なさい。どの番組かワカリマセン)。
とにかく、柔和な笑顔だ。子供のように屈託がない。
この画像を添付して、また泣いた。
なんて素敵な笑顔だろう。
人蕩(たら)しの天才だね。

星野さん、御冥福をお祈りします。
 

続・冬の献立 一挙蔵出し

 
冬の献立大放出の第2弾である。

 
【鱈の白子ポン酢】

 

 
白子ポン酢は冬ならではのものだね。
好きだから、ちょくちょく作る。
白子ポン酢の出来の良し悪しは、白子選びでほぼ決まる。目利きが重要なのだ。
生で白っぽいものは避ける。透明感がないとあきまへん。身が崩れているのは言語道断。仄かなピンク色で艶々していて、弾力があり、ぷにゅぷにゅなのがよろしい。謂わば官能的、エロい白子を選ぶべし。

ゆで方は気分で2つの方法を使い分けている。
熱湯に入れたら火を切り、暫くおくか、または水から煮て、沸騰前に取り出すかだ。何れにせよ、ゆっくり火を通す。とにかく、煮すぎるのはよろしくない。
パッサパッサになりまっせ、パッサパッサに。
とはいえ、新鮮なものならば表面にサッと火を通すくらいの心持ちで作ればいい。新鮮ならば、半生でも問題ない程度に思えばいいのだ。実際、モノが良ければ、半生が一番旨かったりする。

ポン酢をかけて、かんずりを添えた。
勿論、ポン酢は毎度お馴染みの「手造り ひろたのポン酢」である。

 

  
【ローストビーフ】

 
えー、作り方は意外と簡単。
ブロックの肩肉を室温に戻し、塩、胡椒をしてフライパンで焼く。
全面に焼き色がついたら、ラップで2、3重に巻いて、ジップロックに入れて熱湯にブチ込む。
で、3分経ったら火を止めて15分ほど放置。
浮いてくるようなら、皿でも何でも乗っけて溺死させる。
完全に黄泉の国へ行きよったら、冷蔵庫に安置。
あとは数時間後に切り分ければよろし。

グレイビーソースをかけて、ホースラディシュ(西洋ワサビ)を添えれば出来上がり。

 
【ローストビーフ丼】

 
翌日、残ったローストビーフを丼にした。
普通の白飯ではなく、わさわさ酢めしにしてやった。
温泉玉子とワサビを乗っけて完成。

旨いd=(^o^)=b❗❗
ローストビーフと酢めしは合うと思う。

 
【おでん】

 
おでんをアートに盛りつけてみた。
遊びである。メシをつくるのが労働になってはならない。何でも遊びがないと苦痛なだけだ。想像力と創造力を駆使するゲームだと思えば料理は面白い。といっても、そんな意識でつくってないけどさ(笑)
コレはあくまでも料理が苦手の人向けに言ったまでです。
構成員の面々は大根、ジャガイモ、ちくわ、牛蒡天、コンニャク、玉子、鶏の手羽先、京揚げ。

( ´∀`)おでん、暖まりまする。

 
【刻み穴子入りスクランブルエッグ】

 
焼いた穴子を刻んで、煎り卵にした。
玉子と鰻の組み合わせは定番だから、穴子だって玉子との相性は悪くはない。まあ、鰻には負けるけどね。

 
【雪花菜(きらず)】

 
雅びな呼び方だが、ようはおからである。
具はコンニャク、人参、牛蒡、干し椎茸、三つ葉。
昔はどうでもいい食いもんだったけど、オジサンになると、こういう渋い食いもんが好きになる。
作り過ぎて4日に渡って食い続けたが、飽きなかった。
おからが好きになるようになれば、立派なオジサン、オバサンです。

 
【鶏の肝の時雨煮】

 
生姜で煮た料理を時雨煮と呼ぶ。
これまた雅びな呼び名だが、ようはお総菜だ。
でも、お総菜は旨い。肝の苦味と生姜の辛みと香りが相俟って溜まりません。

 
【あん肝ポン酢】

 
前回にも登場したが、新たな画像が出てきたので添付。
あん肝は、寿司屋でもツマミによく頼む。
でも、結構当たり外れがある。固いのは好きじゃない。やわらかくて、口の中でほどけて溶けてゆくようなのがよろし。

 
【鰰の一夜干し】

 
ハタハタ好きである。
中でも一夜干しが一番旨い。
熱燗が飲みたくなるなあ…。

 
【豚カルビの煮物】

 
塩ゆでして、和芥子を添えただけ。
シンプル・イズ・ザ・ベスト。
男の子でも女の子でも、手に持って豪快にガブリと囓じりつこう。
それが一番旨い。

 
【鶏せせりと法蓮草】

 
せせりとは鶏の首の肉のことですなあ。
弾力があって、鶏の部位の中では3本の指に入るマイ・フェバリットちゃんだ。

白醤油と煎り酒を垂らして和える。
法蓮草と和えたのには、特に意味はない。単に冷蔵庫にあったからです。

 
【金目鯛の刺身】

 
ノドグロやキンキには負けるけど、金目鯛も旨いよね。この手の魚は脂があるんだけど、抜けがいい。
最近はトロみたいにいつまでも脂が舌に残るものより、こういうメリハリのある上品な脂の方が好き。

 
【間八の刺身?】

もしかしたら、シマアジかもしれない。
魚体を見ればカンパチとシマアジの区別は簡単に出来るが、刺身になると、その区別は困難。
これにヒラマサなんぞまでが加わると、さらに判別の難易度は高まる。

似た者軍団のブリ、カンパチ、シマアジ、ヒラマサの中では、シマアジが一番旨いと思う。

 
【天然鰤の刺身】

 
最近は養殖のブリやハマチが苦手になってきた。
何か臭みが気になるのだ。
その理由が今一つよくワカラナイ。単に過敏になっているのか?養殖の餌が昔と変わったのか?それとも体質的に受けつけなくなったのかなあ?

 
【鰤の腹身ネギとろ】

 
勿論、コレも天然ものである。
ブリの腹身をネギトロみたくしてみた。
コレ、旨いんだよなあ。ネギトロといっても、包丁で細かくは切るが、グチャグチャには叩かない。天然のブリの腹身はコリコリしているので、その食感は生かさない手はない。

やっぱ美味いだすよー( ´∀`)

半分ほど食って、醤油を上からかけてグチャグチャにかき混ぜて暫く放置。

 
なめろう化ですな。
コレはコレで味が馴れて旨い。酒のツマミだけでなく、ご飯のおかずにもなります。

 
【鮭ネギとろ】

こっちは包丁でペースト状にした。
身が柔らかだったので、食感もへったくれもないと思ったのである。
今回は入れなかったが、脂が足りない場合はオリーブ油とか胡麻油を加えてもいいよ。

 
【蛸ぶつ】

 
蛸をブツ切りにして、擦った山葵を添える。
蛸ワサのブツ切り版だね。
蛸は薄切りよか、このブツ切りの方が歯応えがあっていい。

 
【真魚鰹の塩焼き】

 
マナガツオは好き。
でも高級魚だから、滅多に口に入らない。
白身でしっとりとしていて上品なのだが、奥に脂と旨みがある。
買うときは、出きるだけ鱗が剥がれていないのを選びましょう。

 
【キンキの清蒸】

  
キンキを酒蒸しにして、白髪葱を乗っける。
そこに醤油をかけ、煙が出るほどチンチンに高温にした胡麻油をえいや(ノ`△´)ノとかける。
ジュワッ❗と音が鳴るんだけど、コレが堪らん。
料理は音も大切だよね。

 

 
❤激うまでした。

 
【豚の生姜焼き】

 

生姜焼きって、旨いよね。 
でも、実をいうと大人になるまで生姜焼きを食った事が無かった。
何でかっつーと、オヤジが生姜嫌いだったからである。だから、食卓に並ぶことが一度たりともなかったのである。損したよねー。少なくとも二百回分くらいは生姜焼きを食い逃してる計算になる。
親の食いもんの好き嫌いは、子供に確実に影響を与えるよね。好き嫌いの多い親だと大損だよ。

 
【謎の魚の塩焼き】

 
何の魚か全然思い出せない。
かなりデカイ魚で、骨がブッとい。
赤身の魚ではないことだけは確かだけど何じゃろ❓
ブリとかカンパチとかシマアジなのかなあ…。
まさか、クエとかじゃないよね。もしそうならば、流石に憶えてる筈だ。
シマアジのような気がしてきたなあ…。

 
【皮つきジャガイモの変わり肉じゃが】

 
皮つきでジャガイモって、結構好き。
フライドポテトも皮つきの櫛形のヤツの方が好みだ。

しっかりと皮を焼いてから煮るのが上手く仕上げるコツ。

 

 
こっちは所謂ところの王道の肉じゃが。
勿論、関西人なので、肉は豚肉ではなくて牛肉です。
東京で肉じゃがを頼んで豚肉の肉じゃがが出てきた時は、知らなかったから嫌がらせかと思った。
そのうち豚肉の肉じゃがにも慣れて、何も思わなくなったけど、やっぱり牛肉の肉じゃがの方が好きだな。
幼少の頃に馴染んだ文化は、骨の髄まで刷り込まれているんだなと思う。

 
【鰆の塩焼き】

 
寒鰆である。
作るのが面倒だから塩焼きにしたけど、本当は西京焼きが好き。甘い食べ物や味付けは好きじゃないけど、西京焼きは別格です。
コレまた幼少の頃に馴染んだ文化の影響だね。

 
【イクラ丼】

 
今年度は鮭があまり獲れなくて、高値安定だったようだ。
実際、季節になれば三度くらいは筋子を買ってきて、自分でバラしてイクラの醤油漬けを仕込むのだが、今年度は高いし、出物も少なくて一回しか作れなかった。

筋子は人肌くらいのぬるま湯の中で地道にバラすのだが、これが結構大変です。でも、コヤツらをごっそりとご飯の上にてんこ盛りするのを想像して作業すると、何とか頑張れる。

あー、死ぬほどイクラ丼が食いたくなってきたよ。

 
【鮭の親子丼】

 
下は鮭トロだから、鮭の親子丼なのだ。
美味いけど、シンプルなイクラ丼の方がどっちかというと好きだなあ。

 
書くのに厭きてきたので、本日はこの辺でおしまい。
まだまだ画像は有るので、気が変わらないかぎり、第3弾も予定しております。
ほいじゃ、バイなら~(^o^)/~~
  

冬の献立 駆け込み一挙蔵出し

 
本当は『恐怖(◎-◎;)、金子の弁当』とゆうのを用意していたんだけど、考えてみれば冬の献立の画像を消すには今週くらいまでがタイムリミットでしょう。
スマホの容量をできるだけ増やしたいのだ。
 

【蕪の梅肉あえ、柚子風味】

 
ビニール袋にカブと梅肉を入れて揉み揉みして、暫くおいたもの。まあ一種の浅漬けみたいなもの。
柚子の皮を添えて出来上がり。
さっぱりしてて、且つ香りもよろしい。
簡単に作れるのでお奨め。勿論、大根で代用しても可ですよ。

お次は何ざましょ。
つくった本人も忘れているものだらけなので、記憶を反芻すれども、よくワカランものもあるぞなもし。

鍋だと思うけど…、コレ何の鍋だっけ❓

 
 

 
具は豚バラ、鶏肉、鶏団子、椎茸、菊菜、水菜、ニラだね。
もつ鍋?

次の画像で解った。

 
【豆乳鍋】

 
すっかり忘れてたけど、こんなもん作ってたんだね。
たぶん、人生初の豆乳鍋だったと思う。
意外と旨いもんなんだなと思った記憶がある。
翌日は唐辛子を入れて味変。パンチを少し効かせた豆乳汁にした。

 

 
ヘルシー\(^o^)/

    
【寒ちぢみ法蓮草のおひたし】

 
法蓮草の中では、圧倒的にこれが旨いと思う。
甘み、特に軸のとこや根っこの部分の甘みが強いのだ。だから、根っこは切り落としてはダメ。
汚れていれば、削ぎ落とせば綺麗なピンクになります。但し、このピンクは数時間後には茶色になりますので、お気をつけあそばせ。

法蓮草の茹で時間はお好みだが、自分は40秒ほど。
くたくたよか、シャキシャキが好きなのだ。
基本は鰹節に醤油だが、胡麻和えにしても旨い。
 
売ってる時は、だいたいこんな感じ。

 

 
寒さと風を避ける為に、上にではなく横に成長するみたい。葉も縮れたようになる。
袋が邪魔だね。破りましょう。
中身はこんなん。

 

 
まだギリで売ってるので、見つけた人は迷わず購入すべし。

 
【寒ちぢみ法蓮草と豚肉の炒めもの】

 
こんな画像も出てきた。
味付けは覚えてないけど、たぶん塩と仕上げに薄口醤油とかと謂ったシンプルなものだろう。
そこそこ旨かったような記憶かある。

 
【煎り牡蠣】

 
煎り牡蠣だったと思うんだけど、もしかしたら間違ってるかも…。
まあいい。だとして書き進める。
洗った牡蠣をそのまま弱火にかける。そのうち牡蠣の身から水分が出てくる。で、じっくりと火を通すのだ。味付けは少量の塩のみ。殻付きの牡蠣ならば必要無し。本体に塩味がついているからだ。

生七味を添えて出来上がり。

【本鷹生七味】

牡蠣の味が濃縮されて、美味しです(^_^)v

 
【牡蠣ポン酢】

 
定番ですな。
ポン酢は『手造り ひろたのポン酢』。

 

 
「本鷹生七味」ではなく、この日は普通に七味をかけた。牡蠣の甘みをより感じたい時は、七味の方が良いような気がする。

 
【鱈の酒蒸し】

 
蒸しといっても、ラップしてレンジでチンのお手軽方式である。
片栗粉をつけ、酒をぶっかけたのだが、ちゃんと全体的にかかっていなかったみたいで、変にもちもちになってしまった。酒と塩のみの方が良かったかもしれない。

 
【聖護院大根の煮物】

 
煮物といっても、おでんみたいなものだ。
聖護院大根はカブのような形だが、大根である。京野菜としての聖護院大根の方が通りがいいが、本当は丸大根とするのが正しいらしい。
因みに大根とカブの違いは、簡単にいうと分類学的に属が違う。両者は同じアブラナ科だが、大根はダイコン属で、カブはカブ属に含まれるのだ。
だから、葉っぱの形が違う。大根はギザギザというか、茎から葉が横に出ているが、カブは楯に細長い葉だ。また、カブは真っ白だが、大根は根元が緑がかっている。
栄養素は、ほぼ同じのようだ。
あとはカブにはぬめりがあるが、大根には無い。
だが、両者の決定的な違いは大根には辛み成分があるが、カブにはないという事だろう。だから、カブの方が甘いのだ。

食ってみると、普通の大根よりも柔らかい。肉質もきめ細かいような気がする。そして、甘みがある。

他の具材は玉子と巾着餅だっけ?
いや、ただの薄揚げか…。でも、厳密的にはただの薄揚げではなくて、厚みのある京揚げというヤツだ。

冬はおでんが恋しくなるよね。
また来年ですなあ。

 
【大根のおでん】

 
その残り汁で、今度は大根を煮てみた。
たまたま大根もあったからなのだが、聖護院大根との比較をしてみたかったのである。

先ず、肉質が違う。そして香りも違う。そうなると、当然味も変わってくる。
前述した聖護院大根の反対になるワケだが、一応説明しておくと、肉質は聖護院大根よりもシッカリしている。香りは所謂(いわゆる)大根、大根している大根独特の匂いが強い。生で食うと違いか解るのだが、大根の方が辛みが強い。それが独特の香りと関係しているのもしれない。
甘みは聖護院大根の方が甘い。するってえと、聖護院大根は普通の大根とカブのエエとこ取りってワケだ。
とはいえ、聖護院大根だと味が頼りないような気もするんだよねぇ。普通の大根の方が好きかもなあ…。
普段は何も考えずに食ってるけど、大根って個性が強い野菜で、独特な存在なんだなと感じ入る。

 
【鯖の味噌煮】

 
寒鯖といって、冬の鯖は脂が乗ってて美味い。
サバは調理前に塩を振って40分くらいはおいて、しっかり臭みを抜く。
あっさりめの煮汁をつくり、生姜を入れて、低温でじっくりと火を通した。
濃いサバ味噌も悪くないが、薄味は薄味でサバ本来の味がよくわかって旨い。

 
【からす鰈の煮付け】

 
からすカレイは外国のカレイだと思うが、実をいうとコレが一番好きなカレイだ。脂が乗ってて、口の中でほろほろと崩れるのが良い。
今回も例によって、低温で調理した。低温でゆっくりと火を通した方が身が固くならないと思う。パサパサの魚よりもシットリの魚の方が旨いと思うんだよね。
火入れは生にならないギリちょんで仕上げるのがベストだと思う。
いやはや、地味に見えて旨いよね( ´∀`)

 
【カワハギのあっさり煮】

 
基本的な煮汁はカレイと同じで、出汁、酒、味醂、薄口醤油だが、味醂と醤油の量を少し減らした。
からすカレイは脂が乗っているが、カワハギはあっさりとした味わいなので、それを壊したくなかったからだ。
火入れはカレイよりも慎重にした。カレイよりもカワハギの方が誤魔化しが効かないのだ。

旨いけど、カワハギは刺身の方が好き。
もっと言うと、肝が断然に美味い魚だと思う。

 
【あん肝ポン酢】

 
カワハギならず、アンコウの肝である。
作り方はカワキモ(カワハギの肝)の回に書いたので、そちらを読んで下され。

あん肝は冬の楽しみの一つ。
良い鮟鱇があったら、迷わず買う。
酒を飲みながら、あん肝をちびちび食うのは至福のひと時だよねo(^o^)o

 
【煮あん肝】

鍋に入れるあん肝も好きだ。蒸したあん肝よりも柔らかく、口の中で溶ける感じが溜まりませぬ。
コレはそれを鍋の流れなしで、単独で再現したもの。
塩少々を入れた昆布の出汁でコトコト弱火で炊いた。
あん肝は火が入るのに時間がかかるのだ。どれくらい火を通したらいいかは、もう殆ど勘の世界。肝の大きさにもよるから、何分間とかは言えないのだ。

何か盛りつけが気に入らないので、菊の花を散らしてみた。

 

 
ちよっと華やかな感じになって、よか感じになりました。
そのまま食ってもいいし、ポン酢をかけるなり、醤油をかけるなりしてもよろし。
( ´∀`)うみゃーい❗❗

 
【烏賊の鰍の卵あえ】

 
卵は明太子にしては大きいから、たぶんカジカの卵だろう。カジカといっても川に棲むちっちゃい奴ではなくて、北の海に棲むデッカイの。まるっきりの別種のカジカだね。
紅いのは。きっとキムチの汁を思いつきで混ぜたんだろね。チャレンジャーであり、テキトー男なのだ。

勿論、酒の肴に良し、ご飯に乗っけてもいい。

 

 
コレは何だろ❓

湯葉と芹らしいのはわかる。
でも、どんな料理になったんだ❓

 
【湯葉と芹の小鍋】

小鍋仕立てになったんだね。
渋い鍋、食ってるなあ(笑)

 
【南瓜と豚バラの煮物】

思いつきの組み合わせ。
たぶん冷蔵庫に残ったもので作ったのだろう。
作る前はミスマッチかと思ったが、出来上がったら、そうでもない。かといって、絶賛と云うものでもない。
味は旨いのだが、何となく組み合わせのヴィジュアル的違和感が拭えないのだ。
たぶん今後は余程の事がない限りは、フツーに挽き肉で作ると思う。

 
【何かの魚の蒸したの❓】

きっと菊の花を散らした盛りつけが気にいったので、又したんだと思うけど、何の魚なのかわからない。
そんなワケだから、解説不可能なのだ。

気を取り直して、前へ進もう。

 

 
また、鍋だなあ…。
でもこの画像だけでは何の鍋なのかはわからない。
付近の画像を探したら、こんなのが出てきた。

 

  
穴子である。穴子鍋❓
穴子鍋なんて、そもそもあまり聞いたことがない。
次の画像を見て、一瞬アタマが混乱する。

 

 
野菜ばっかで、メインがおらん。
まさか精進鍋❓
んなワケなかろう(*`Д´)ノ!!!とツッコミを入れたところで、疑問氷解。
メインが無いのは、穴子しゃぶしゃぶにしたからなのだ。だったら、こんな画像いるかね❓写真を撮った意図が今一つワカランよ。

豆腐の写真もあったので、オマケで添付。

 
【さとの雪 濃厚とうふ】

 
最近は出来るだけ濃厚と書いてある豆腐を買うようにしている。水っぽい豆腐に我慢できない体質になっておるのだ。水っぽい豆腐って、豆の味がしないから、許せないのだ。味がない豆腐を食うのに意味が見い出せなくなっているのである。我ながらメンドクセー人だと思うよ。

そういえば昔、当時の彼女と家島諸島に旅行に行った事がある。たしか秋口だったと思う。離島感バリバリで、姫路沖なのに随分と遠くまでやって来た不思議な感覚だった。ノスタルジィー漂う楽しい思い出だ。
その時に泊まった宿で食った穴子のしゃぶしゃぶが、絶品だった。
え~と旅館名は『割烹旅館 志みず』だっけか。
それで思い出した。穴子じゃなくて渡り蟹だったけど、最近TVの「松本家の休日」で松ちゃんが料理を大絶賛してたなあ…。

出汁のはった鍋に、箸で摘まんだ生の穴子を入れて、数を数えながら8回、8秒間左右にふりふりするのである。
噛むと穴子の旨みと脂が弾け、メチャクチャ旨かった。
たぶん、コレはそれを思い出して作った鍋なのだろう。

しかし、Σ( ̄皿 ̄;;ガッデーム❗❗❗
食ったら、全然もって旨ない。家島の穴子の足元にさえ及ばない。やはり、穴子は超新鮮でなくては成立しないものなのだろう。だから、穴子のしゃぶしゃぶがポピュラーになる事は無いのだと得心したよ。

で、結局のとこ単なる野菜鍋になってしまったのだ。
そっか、あの画像の意味するところが解ったぞ。
ただの野菜鍋になったことに憎しみを込めての精進鍋画像だったのだ。

そんなワケで、残りの穴子は酒と味醂、薄口醤油で柔らかく煮た。

 

 
そして、翌日には穴子丼になった。

 

 
タダではコケんのだ。
実山椒の醤油漬けをフュチャーして面目躍如の仕上がりになった。

嗚呼、また家島に行きたいなあ…。

                  つづく

 
追伸
次回、後半につづく。

こんなもん書いたら、寒の戻りでクソ寒いやんけー。
やだねー(T△T)
 

台湾の蝶15 ホッポアゲハ

 
      アゲハチョウ科 2

     第15話 『美貌の覇者』

 
ホッポアゲハは台湾で最も採りたい蝶の一つだった。
なぜなら台湾特産種で、しかも台湾屈指の美しさを誇る蝶だからである。
いや、メスならば台湾のみならず世界のAchillides(アキリデス=カラスアゲハ類)、ひいては世界のアゲハの中でも屈指の美しさだろう。

初めて出会ったのは、標高2000m前後の開けた尾根の小ピークだった。
♂だろう。メスを待つために高い樹の梢でテリトリーを張っていた。
テリトリーといっても、ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)やタテハチョウのように葉上の先に止まり、別な蝶が飛んできたらスクランブル発進、追尾して追い出し、また同じ場所に戻ってくると云うのではない。止まることなく、回遊しながらパトロールしているといった感じだった。
飛ぶスピードは他の♂を追いかけ回す時以外は、そんなに速くはない。むしろ上昇気流に乗り、ゆったりと飛んでいる。だが、その高さは高い。地上7mから10m。制空権を支配する覇者の如く悠然と飛翔していた。王者の睥睨である(註1)。

 
【Papilio hoppo ホッポアゲハ♂】
(2016年 7月 台湾南投県仁愛郷)

 
その様はラオスやタイで出会ったオオクジャクアゲハを彷彿とさせるものがあった。
♂のテリトリーの張り方が似ているし、その占有する高さも7mくらいが多い(註2)。活動する標高もどちらも2000m前後から上が中心だ。

【Papilio arcutrus オオクジャクアゲハ♂】
(2014.3.28 Laos Samnua)

 
両者は見た目も近いところがある。
それで思い出した。そういえばホッポアゲハは昔はオオクジャクアゲハと同種で、その1亜種とされていた時代もあったのだ。
まあ生態も似ているし、斑紋形態の基本的パターンも近いから、そう考えた学者がいても不思議ではない。
きっとオオクジャクアゲハが東に分布を伸ばし、台湾に到達したものが長く隔離される中で独自に進化していったんだろうね。

但し、裏面はかなり違うし、別種とするのが妥当でしょう。

 
【ホッポアゲハ♂ 裏面】
(2016年 7月 台湾南投県仁愛郷)

 
本来このAchillides(Paris group)の仲間は、下翅裏面に並ぶ紋が一重なのだが、ホッポは何と二重紋になっているのである。
艶やかでゴージャスだ。黒と赤のコントラストに身悶えする。裏面はこのグループの中では最も美しいだろう。これに異論を唱える者はいないでしょう。いたとしたら、美的感覚を疑うよ。

この美しき赤い紋は、同じく台湾特産種であるアケボノアゲハの♂に擬態しているのではと云う説がある。
つまり体内に毒を有するアケボノアゲハに似ることによって、鳥の捕食から身を守っているのではないかと云うワケである。いくら似たいからって、そんなに簡単に似せられるもんかね❓
念じれば何とかなるって凄いな。ワシもあやかりたいよ。明日から王子様 羽生結弦くんになることでも念じてみっか。男の一念、巌(いわお)も通すというではないか。
(・o・)ほよっ?、あれは女の一念だっけか(笑)

兎に角このベーツ型擬態(註3)ってのは、理論として理解できなくもないが、オツムの悪いオラには俄(にわか)には信じがたいよ。そんなに都合よくいくもんかね❓ 学者のコジツケ的推論が、たまたま業界の理解を得て拡がったとは言えまいか…。

とはいえ、時間軸を長くすれば説明は可能かもしれない。
例えば、突然変異で裏面が二重紋で赤が目立つ蝶がたまたま沢山生まれた年があったとする。そして、オオクジャクアゲハのノーマル型よりも鳥に狙われずに済み、生き残ったとしよう。すると、赤い型同士が交尾する機会が増え、そのパーセンテージが徐々に上がってゆく。それが長きに渡って繰り返され、次第にノーマル型が減っていき、やがて消えてしまって別種になったとは考えられないだろうか❓
ダーウィンの自然淘汰説というヤツである。
まあ、実際に見た人はいないだろうから、永遠の謎だけどね。
でも正直言っちゃうと、こんなの必然としての擬態とは言えないよね。蝶本人の意志ではなく、たまたま赤い型がアケボノアゲハに似ていて、たまたま鳥に襲われにくくなったという偶然の結果に過ぎないんじゃないかと思うよ。

 
【Atrophaneura horishana アケボノアゲハ】
(出典『原色台湾蝶類大図鑑』)

 
両種は垂直分布も重なるので(2000m以上の高地)、擬態している可能性はあると思うが、アケボノアゲハの飛んでいる所は見た事がないので個人的には何とも言えない。
しかし、アケボノアゲハはジャコウアゲハの系統なので、飛び方はゆるやかなのは間違いないだろう。
だとすれば、少なくとも飛ぶのがそれよりも明らかに速いホッポの♂の擬態効果は低いのではないかと思う。メスはそれなりにゆったりと飛ぶので、似ていなくもなかろう。だから、擬態効果が発揮されてるとしたらメスの方だろう。

 
一応、参考にオオクジャクの裏面写真も添付しておきます。

 
(出典『蝶の標本 麗蝶』)

 
赤紋は他のカラスアゲハの仲間よりもやや大きく見えるが、基本的にはカラスアゲハ系統の裏面そのものだ。
そう云う意味では、ホッポアゲハはこの亜属(種群)の中では特異な存在と言えよう。
因みに、二重紋といえば想起されるのがクロアゲハだ。一部にそういう型が現出するようである。

 
【Papilio protenor クロアゲハ♀】 
(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

 
あっ、コレって表面ではないか。
裏面の二重紋をネットで探そっと。

 
(出典『変異・異常型図鑑』)


いやはや凄いのもいるんだね。
それにしても、コヤツらは擬態しているとしたら何に擬態しているのかね❓
いや、擬態じゃないよね。単なる異常型だよな。何だか頭がこんがらがっちやってきたよ。

  
去年(2017年)は低いところでも採れたので、ちよっと驚いた。

 
(2017年 6月 台湾南投県仁愛郷南豊村)

 
標高700mを切っていたと思う。
正面から飛んできたのを咄嗟にさばいて、網の中を覗いたらホッポだったので(゜ロ゜)ありゃまと思った。
文献では垂直分布は標高1200~4000m近くと聞いていたから、まさかそんな所で採れるとは思っていなかったのだ。
調べたら、alt.455mでの採集記録もあるようだ。
但し、偶産みたい。なぜなら『アジア産蝶類生活史図鑑』に拠ると、低標高で幼虫を飼育するとまともに育たない旨が書いてあったからだ。
あまりにザックリした言い方なので、図鑑から抜粋しよう。

『1200~2500m前後に最も多く、1000m以下の低地からも稀に得られる。しかし、飼育の結果からいえば、このような低地においては人工的な産卵も、幼虫の成育率もきわめて悪く、羽化した成虫も小型のものが多いから、低地における採集例はかなり例外的なものと考えられる。』

あくまでも自分の経験だが、埔里周辺では標高2000m前後から2400mくらいで多く見られた。

因みにだが、オスをメスと間違える人は多いようだから注意が必要だ。実際、ネットにあげられている写真でもちょこちょこ誤同定が見受けられる。
これは♂の表面が明るい緑色だからだ。この緑色が日本のカラスアゲハ類(カラスアゲハ、オキナワカラスアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ)の♀の色に近いからだろう。
おまけに、日本のカラスアゲハ類のオスに定番に具わっている性斑が無いのだ。それも間違える原因になっていると思う。あっ、性斑というのは、上翅の表面にあるビロード状のお毛々の事です。

自分も実際、一度だけ見事に間違えてしまった。
午前11時くらいだったと思う。林縁から少し中に入ったところで、羽を広げて静かに止まっていたヤツを偶然見つけた。オスがバンバンにテリトリーを張っている時間帯である。そんな時に林内で休んでいるのは、だいたいにおいて♀である。しかも、色は日本で見慣れた♀の色にそっくりなんだから、てっきりそうだと思い込んでしまったのである。
無事捕らえて、しめしめと思いつつ手にしてから何か変だなと感じて♂だと理解するまでには、たっぷり10秒はかかったかと思う。

(;・∀・)あっ、メスと云う言葉で気づいた。
書いているうちに擬態だとか何だとかと逸れていってしまい、肝心のメスの画像を添付するのを忘れてたよ。

 
【Papilio hoppo ♀】

 
表の赤紋が発達していて美しい。
♂も美しいが、♀のこの白眉なる美しさの前では霞んでしまう。
でも、メスには滅多に会えないんだよね。
蝶がよく飛んでくる花場で1日待っていたとしても、1回飛んでくるか来ないかと云う確率だった。
まあ、日本のカラスアゲハでもメスにはそんなに会えないから当たり前か…。食樹に産卵に来るのを待って採る方が、よほど遭遇する確率は高いだろう。
しかし、食樹だったらどの食樹にでも母蝶が卵を産みに来るワケではないから、その木を探しあてるのは大変だ。短い滞在期間でそんな事はやってらんないよね。
たとえ台湾に行ったとしても、メスの採れる確率は皆さんが思っているほど高くはないですよ。Ψ( ̄∇ ̄)Ψケケケケケ。オラって、性格悪いのだ。

 
【♀裏面】

 
裏面も凄いかと思いきや、オスとあまり変わらない。
まあ、これ以上赤いところが増えたら、擬態効果が無くなっちゃうもんね。

ホッポアゲハの採集記はアメブロの『発作的台湾蝶紀行』にあります。
第11、12話「幻の美女」の前後編、32話「ヤッチマッタナ!」、37話「炸裂秘技大開帳!」39話「揚羽祭」などに登場しています。
例によって不親切なので、URLは貼り付けません。
興味のある方は、御自分で探されて下され。ハツカネズミ並の脳ミソさえあれば簡単に見つかります。

何だか文章が荒れてきてるなあ…。
やさぐれがちなのは、体調が思わしくないのだよ。
文章長いし、苛々してきた。
そろそろ、とっとクロージングに向かおう。

 
標本写真も添付しときまっさ。

(2016年 7月 台湾南投県仁愛郷)

(2016.7 台湾南投県仁愛郷)

(2017.6 台湾南投県仁愛郷)

 
何だか今一つの展翅だ。
まあ去年はたくさん完品が採れたし、そのうち展翅すればいっか…。

 
【ホッポアゲハ♀】

 
これは真面目に展翅したので、自分でも納得の出来。
こういうのを見ると、また会いたいなあと思う。
蝶でも人間でも、美人には同じくらいの恋慕の情がある。他人には理解し難いだろうが、蝶に魅せられると云うのは、そういう事なのだ。マジで盲目になるところがある。

 
比較の為にオオクジャクアゲハの画像も添付しときまっさ。

 
【オオクジャクアゲハ♂】
(2016.4 Thailand Fang)

 
何か真っ直ぐ撮れてなくて、歪んだ写真だなあ…。
気にくわないので、展翅板から外したものも添付。

 

 
今度は真っ直ぐだが、酷い写真だ。
ライティングとかちゃんとしてないとキレイな写真は撮れないんだろな…。
メンドクセーからする気は全くないけどさ。

因みにオオクジャクの♀はホッポみたいに表の赤紋は発達しない。だから♂と♀の見た目はさほど変わらない。
ついでだから言っとくと、オオクジャクはオオとつくだけあってホッポと比べてかなり大きい。と云うかホッポ自体がそもそもあまり大きくない。春型よりも大きいとされる夏型でさえ、日本のカラスアゲハの春型くらいか、やや小さいくらいだ。
だが、春型の方が色が明るくて美しいとされている。
春型も一度は採らねばのう((o( ̄ー ̄)o))

  
【学名とその由来とか何とかetc…】
学名の属名「Papilio」は、ラテン語で蝶と云う意味。
小種名の「hoppo」は地名由来。台湾中北部・新竹県の北埔郷で最初に見つかったことから命名された。
その最初に採集したのが当時の北埔支庁長 渡辺亀作氏。ワタナベアゲハ、ワタナベキマダラヒカゲ、ワタナベシジミは、この渡辺氏に因んだ和名だ。
しかし、氏はこれらの名がつけられたことを知らないままに亡くなられたという。台湾史に残る暴動事件、北埔事件の犠牲になって殉職されたのだ。
ホッポアゲハのあの鮮やかな赤は、血塗られた赤なのかもれない…。などと勝手に結びつけたくなるが、勿論そんなことはない。単なる自分のロマンティシズムだ。美しい蝶には関係のないことだ。

そういえば「アジア産蝶類生活史図鑑」では属名にAchillidesが使用されているが、これは現在はシノニム(同物異名)となっていると思われる。
ついでに言っとくと、Achillidesはラテン語で、たぶんギリシヤ神話の英雄アキレウス(アキレス)の息子を意味していたと思う。

台湾名は「雙環翠鳳蝶」。
「雙」は、二つの、二重の、ダブルといった意味で、「環」とは囲むとか、巡らせたといった意味だから、これは裏面の二重紋の事を指しての命名だろう。
「翠」は緑色。「鳳」は瑞鳥のことで、鶴や鳳凰などのめでたい鳥のことです。付け加えると鳳はオスの鳳凰のことで、凰がメスを表しています。
「鳳蝶」は中国語ではアゲハチョウに冠される名前だから、つまりは二重紋のある緑色のアゲハチョウってワケだね。

他に別称として次のようなものがあった。
重幃鳳蝶、雙環鳳蝶、北埔鳳蝶、重月紋翠鳳蝶、重幃翠鳳蝶。
重幃鳳蝶の幃は日本の漢字では帳(とばり)にあたる。謂わば重厚なカーテンだね。これも裏面の二重紋をベルベットのカーテンに喩えているのだろう。
雙環鳳蝶は翠が無いだけだから、もう説明不要だろう。
北埔鳳蝶は和名そのままに原産地の北埔を採用したものだね。
重月紋翠鳳蝶も裏面を月に喩えていると思われる。
重幃翠鳳蝶も説明不要でしょう。

和名はホッポアゲハでいいと思うけど、普通なら何とかかんとかカラスアゲハ、例えばウラアカカラスアゲハとかの和名和名したコテコテの和名がついてても良さそうなもんだけど、何でそうならなかったんだろね❓
不思議ですよ( ̄З ̄)

えー、ここで全然関係ないけど、ホッポアゲハを花場で待ってる時は、よく鼠先輩の名曲『六本木ーGIROPPONー』をもじった歌を口ずさんでました。

『🎵ホッポポポポポポポッーポー 🎵ホッポッホッポポポポホッポッポッポッポッポー…』
(-“”-;)阿呆である。

鼠先輩「六本木ー GIROPPON ー」
(青いとこポッチで偉大な鼠先輩の曲が聞けます)

待ってても、そんなに頻繁に飛んで来るワケもなく、一人で突っ立ってると退屈なのだ。アホにならんと、やってらんないのである。

で、飛んで来た時も口ずさみ続けて、
『🎵ホッポポポポポポポッーポ🎵ホッポポポポポポポッポッポッ(#`皿´)ポーッ=3❗❗』ってな具合で最後のフレーズで網を💥ガツーンと振ってた。
なぜだか、これがまた見事に採れるんである。もう百発百中で、このパターンで振り逃したことは一度たりともなかった。
嘘だと思うなら、試してみな。Ψ( ̄∇ ̄)Ψケケケケケ

  
【分布と発生期】
台湾特産で、中北部から南部の中高海抜の山地帯に広く分布する。標高1200mから4000m近くまで見られるが、2000~2400mの間に最も多く、1000m以下の低地でも稀に得られる。
3月下旬から11月上旬に渡って見られ、年数回の発生を繰り返す。
埔里周辺では6月から7月に見られたが(おそらく第2化)、7月は鮮度は悪くないものの、鳥にやられたのか翅がザックリいかれた個体ばかりだった。

 

 
何れも2016年の7月10日前後のものである。
結構バチバチにいかれている。裏の赤紋、ホントに鳥に対して擬態効果があんのかね❓
そもそも擬態つっても、人間目線で言ってるに過ぎないのである。効果の程を鳥に直接訊けるワケではないから、本当のところはわからない。
だいたい鳥の眼って四原色(註4)じゃなかったっけ❓三原色でモノが見えてる人間とは、見てる風景がそもそも違うんだよね。
人間って、最初に答えありきで、無理矢理こじつけで論理をくっつけたがるクセがあるからね。
あっ、『オマエもじゃ!』とツッこまれそうだ。
そん時は、ハイ、そうですと認めます。ワタシャ、素直すぎるくらいに素直な人なのだ。

えーと、勿体ないので、コヤツらは合体させてニセ完品を作るつもりです。

この年はたまたま鳥にやられた個体が多かっただけかもしれないけど、完品を撮影や採集したければ、適期は6月中旬だろう(年によって変動はある)。但し、梅雨がまだ明けてるか明けてないかの微妙な時期でもあるので、運が悪ければ連日雨なんてこともある事をつけ加えておきませう。

 
【生態】
♂は午前中8時半くらいから山頂や尾根筋の樹梢でテリトリー(占有行動)を張る。その際、止まる事は殆んどなく、周囲を回遊する。
飛ぶ高さは周囲の木の高低にもよるが、主に7m前後が多かった。時折、低いところに降りてくるので、その時が撮影や採集のチャンス。
その日の天気次第にもよるが、午前10時~10時半くらいにピークがあり、次第に数を減じて、午後になると姿を見なくなる事が多かった。
明るい開けた場所を好み、林内で飛ぶことはない。
♀は何処かで憩んでいるのだろう。飛翔は滅多に見ない。
♂♀ともに花蜜を求めて花を訪れる。吸蜜は主に午前中に行われ、昼を過ぎると一旦姿を見せなくなる。午後2時半くらいから再び現れ、日没近くまで見られる。但し、訪れる個体は午前中の方が圧倒的に多かった。
♀は午前中の早い時間(午前9時前後)と午後4時くらいに現れる事が多かった。
♂は吸水にも訪れ、その時が最も観察しやすい。

 
【幼生期と食樹】
『アジア産蝶類生活史図鑑』によると、野外ではミカン科のEuodia glauca ハマセンダンとToddalia asiatica サルカケミカンの2種が食餌植物として確認されているとあった。

台湾の文献では、次のようなものが食樹として記録されている。

賊仔樹 Tetradium glabrifolium
飛龍掌血 Toddalia asiatica
食茱萸 Zanthoxylum ailanthoides

上から2つめがサルカケミカンだね。
一番上はホソバハマセンダン。三番目はカラスザンショウである。
日本のカラスアゲハ、オキナワカラスアゲハ、ヤエヤマカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハの食餌植物と同じなんだね。
それにしても漢字名が何だか仰々しいよなあ…。

 
それでは恒例のゾグッとくるぜの幼虫写真といきましょう(一応、閲覧注意ね)。

 
【幼虫側面】
(出典『臺灣生物多様性資訊入口網』)

 
さんざんぱら、イナズマチョウ軍団やイチモンジチョウ師団のスーパー邪悪なる姿を見てきた身としては拍子抜けだ。もはや可愛くさえ思えてくる。

次のコレなんかは、キューティーと呼びたくなってくるくらいだ。

  
【幼虫前面】
(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

 
ちよっと惚(とぼ)けた感じが可愛い。お目々なんて、バリにキュートだ(実際は目ではなくて、そう見える紋だけどね)。

おいおい、長年、毛虫・芋虫を毛嫌いしてきたのに、この傾向は免疫できちやってんじゃねえのか❓
う~む、こういうのって、心理学で云うところの「Door in the face」とかって事なんだろなあ。
ドア・イン・ザ・フェイスってのは、例えば女の子に最初に『たのむから一回やらしてくれ。』と言って断られた後に、すかさず『じゃあ、手だけでも握らせてくれ。』と言って、まんまと手を握る方法である。
あっ、これは今回の例とはまた違うか?
まあいい。何れにせよ、人間の意識なんてものはどうにでもなるのだ。怖いよね。

 
【蛹】
(出典『臺灣生物多様性資訊入口網』)

 
越冬態は蛹。
色は何色なんだろね❓調べたが、よくワカンナイ。
日本でもアゲハ類は蛹で越冬するのだが、その際の色は緑色ではなくて茶色になる事が多い。目立たないように葉が落ちた周囲の色に合わしていると言われている。
でも台湾は亜熱帯で常緑樹が多そうだ。緑色の可能性もありそうだな。

幼虫、蛹ともにオオクジャクアゲハと極めて似ている。写真を見た限りでは、強いて言えば頭部がオオクジャクの方が白っぽい。
何れにせよ、両種はとても近い類縁関係にあるのだろう。

 
【卵】
(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

 
卵はつるつるで、タテハチョウ科などのように表面に複雑な造形は全く無い。全然もって面白くないのだ。
アゲハの仲間の卵はどれもこんな感じのもんざます。種間にさしたる違いはないのだ。拠って次回からはアゲハの卵は基本的に添付しませんので、あしからず。

                 おしまい

  
追伸
次回もアゲハの予定です。
同じカラスアゲハの系統のタイワンカラスアゲハ、カラスアゲハ、ルリモンアゲハの何れかになるかとは思う。
分類学的にややこしい奴等ばかりなので、書く前からちよっと憂鬱です。迷宮の深みに嵌まらないことを祈ろう。

(註1)王者の睥睨
とはいっても、春先はキボシアゲハやカバシタアゲハの方が強くて、彼らに追いかけ回されるという。
この2種は春のみの年1化の発生なので、繁殖にそれだけ必死なのかもれないね。

(註2)テリトリーを張る高さ
オオクジャクアゲハはラオスのサムヌアでは7mくらいで、その上10m~をテングアゲハが占有していた。タイでも一番北の生息地では同じ構図だった。
しかし、タイの別の生息地では腰から上(1m~2m)の低い所を飛んでいた。これは山頂が草原になっていて、高い木が無かったせいだろう。ホッポアゲハも木が5mくらいのところでは5m前後を飛んでいたから、周りの木の高さに準じて飛ぶ高さが決まってくるのだと思われる。

(註3)ベーツ型擬態
葉や幹、枝などの自然物に自らを似せ、天敵から身を守る(カマキリ等はその逆利用)のが一般的に擬態と呼ばれているものだが、それに対して毒のあるものに自らをそっくりに似せることによって捕食者の目から免れるタイプの擬態は、ベーツ型擬態と呼ばれている。

(註4)四原色
光の四原色の事。
人間と有袋類は、赤、緑、青の光の組合せを眼が感知して色を認識しているが、鳥はこれにプラスして紫外線も見えている。
だから人間には同じ色に見える雌雄の鳥でも、鳥たちには全く違った色に見えているようなのだ。
因みに、昆虫や爬虫類も四原色とされている。だから、モンシロチョウなんかは我々にはオスもメスも白に見えるが、四原色の者からは一方は黒っぽく見える(たぶんメス)ようなのだ。
ついでに言っとくと、哺乳類の殆んどが二原色。
ゆえにネコちゃんには、この世界は白、茶色、黒で構成されたモノクローム的世界に見えているようなのだ。つまり、ネコや犬の世界には赤と青しかなく、緑色が存在しないのである。だから人間みたいに電気信号を脳内で変換して、沢山の色として可視化することが出来ない。
おまけにネコは弱視で、その見ている風景はかなり荒い画像のものだと言われている。それをカバーする為に嗅覚が発達したと云うワケだね。

舌の根の根も渇かぬうちに

 
前回のカニの話の続編である。

文章を書き終わって、スーパーに買い物に行った。
すると、前回に登場した今朝がた売っていた蟹が、なんと半額以下になっていた。980円が、な、何と400円❗生きている生の蟹が980円でも激安なのに、400円とは破格である。
しかし、今しがたスーパーに売っている蟹は大概がハズレで、旨かった試しなど一度たりともなかったと罵詈雑言を並べたばかりなのである。
この期に及んで、何と云うタイミングだ。舌の根の根も渇かぬうちに、ここで蟹を買ってしまえば、学習力ゼロの💫パープリンと言われても致し方なかろう。
むう~(-“”-;)、暫し悩んだ。
慥(たし)かに、この状況でまたぞろ蟹を買ってクソ不味いなんて事になれば、救いようのないアホだ。そんなアホは、カニ型宇宙人にムシャムシャ食われて死んだ方がよろし。

だが、気づけば手にとっており、重さを量っておった。それって、買う意志が無きにしもあらず、いや買う気全然ありやんか( ; ゜Д゜)
いやいや重さを量って、どうせ軽いんだろう? ほら、やっぱり軽いやんけー。誰がそんなクソ蟹なんぞ買うかボケーッ(=`ェ´=)と言いたかっただけなのだ。
と心の中で言いワケかましてみたが、嘘です。買う気、かなりありました。
だってさー( ̄З ̄)、400円なんだもーん。

で、4匹あるうちの一番重いのを買ってしまった。

 

 
前回には紅ズワイガニと書いたが、正体はズワイガニであった。
何で間違えたのかというと、朝方売っている時は魚屋さんみたいにクラッシュアイスの上に平積みにされており、札に紅ズワイガニと書いてあったのだ。しかもカニは全部裏側になってた。表側だと見間違うワケがないが、腹側だとチラ見程度では見分けにくいのだ。

因みに言っとくけど、カニ、特に生の蟹は腹側を上にして売られているモノの方が美味しい可能性大。
そうする事によって、カニ味噌が崩れにくいからである。それだけ店側がカニに対する扱いが丁寧である事をも証明している。
まあ、パックにされた時に表側になってたら世話ないけど(笑)

中を開けてみると、今朝はまだ辛うじて生きていたが、流石に御臨終されておられた。
さて、問題は調理法である。

もう刺身はしません。焼き蟹も蒸し蟹もしません。蟹めしも蟹チャーハンも致しません。
ここはシンプル。原点に帰って、茹で姿蟹にさせていただきやす。

塩水を2L分つくる。水1Lに対しておおよそ大さじ2の塩を入れればよい。
しかし、一番大きい鍋でもカニの幅に足りぬ。
ヤケクソで無理矢理ネジ込み、蓋をして半蒸し煮にしてやった。蒸し煮にした時間はおおよそ15分強。ぬるま湯の状態からブッ込んでやった。低温から徐々に火を入れた方が身質を損なわないのではと思ったのである。まあ、単なる思いつきなんだけどね。

カニの忌まわしいところは、外からではどれだけ火が入っておるのか皆目見当がつかないところだ。
コレは蟹を買う時にも当てはまるから、何とも苛立たしい。見てくれだけでは、どれくらい身が詰まっているのかワカランのだ。持って重さを量ると云う方法も無いではないが、コレとて所詮は相対的なものだ。並んでいるカニの中で一番身が入っていると云う事はわかっても、それがギッシリ詰まっている保証にはならない。魚と違って、目利きもへったくれもありゃしない。

Σ( ̄皿 ̄;;興奮してきた。カニには何度も落胆させらてきたのだ。そういえば、買った冷凍の蟹を解凍したら、青緑色に変色した事もあったな。チキショーめがっ❗

心を落ち着かせよう。
まあ、またクソ蟹だったとしても、所詮は400円なのだ。それほど怒ることはないと自身に言い聞かせる。
とはいえ、マズかったらどうせ怒髪天(#`皿´)にはなるんだろうけどさ。心の狭さはいくつになっても変わらんのだ。

グジャグジャ考えてるうちに茹で上がりましたよん。

 

 
ねっ、無理から鍋に入ってた形でしょ。
ザルの中でほっこり。湯あがりカニ型宇宙人の寛ぎの図。

取り敢えず、温かいうちに食ってみよう。
一番太い足をワッシと折る。で、鋏✂を入れて、まだ湯気の立っているところをそのまま頬張る。

\(◎o◎)/甘っめぇー❗❗❗
火の通り具合は、今しがたギリギリ火が通りましたと云った感じで、しっとりふっくらだ。
( ☆∀☆)ムッチャクチャ旨いやんけー。
身の詰まり具合もスーパーで買ったカニの中では一番だ。あのスカスカだった時のガッカリ感ったらないもんなあ…。

と、ここで近所の姉さんから飲みのお誘いが入った。
後ろ髪引かれる思いだったが、ただ酒という事なのでホイホイ出掛ける事にした。
と云うワケで昨日は文章を発表出来なかったのである。

翌日、残りのカニを食うことにした。

 

 
キレイに並べようと思ったが、既に足を1本食っているのである。左右対称にはならない。と云うワケで、ザックリと皿に盛った。

先ずはちよっとカニ味噌を味見をしてみる。
\(^o^)/うんめぇー。前回のカニ味噌は苦くてクソ不味かったが、ねっとりとして、微かな苦味のなかに旨みがたっぷりとあるではないか。

身をほじり出す。

 

 
うん、良い感じだ。
勿論、何もつける気はない。カニ酢なんぞ邪魔だ。
シンプル・イズ・ザ・ベストが一番である。

食ってみると、茹でたてには負けるが身はやっぱ甘い。
カニはやはり茹でたてが一番美味いんだなと改めて感じ入る。昨日は勿体ないことをしたが、冷えても旨いから許す。

ほじほじ~。ほじほじ~。
至福のほじほじ男の顔からは、微笑みが絶えることはなかった。

                 おしまい
 

テンションだだ下がり蟹物語

 
今日はあったかかったねぇ。
20℃は優に越えてんじゃないかと思う。
そんな日に蟹の話をするのは恐縮だが、どうしても言っておかなければならない事がある。奴らには恨み辛みが山ほどあるのだ。

昼頃、スーパーに買い物に行ったら、カニが1杯980円で売っていた。紅ズワイガニだが、虫の息とはいえまだ生きている。それで980円なら安い。買いだろう。
でも手を伸ばしかけてやめた。ここ数年、何度もこのスーパーで売っているカニに何度も煮え湯を飲まされてきたのだ。
スーパーで売ってるカニ、特にズワイガニや紅ズワイガニで旨いカニに当たったことなど一度たりともない。毛蟹とかタラバガニはそうでもないんだけど、この二種類がまっこと酷い。冷凍物でも生でも、丸のままであろうがカットされたものであろうが、はたまた死んでいようが生きていようが、差こそあれ、ことごとく我が期待を裏切ってきたのである。

最近では、2月の初めにやはり同じスーパーで、同じ形体でズワイガニが売られていた。しかも同じ値段で、同じように虫の息ではあったが生きていた。

夕方に冷蔵庫から取り出したら、グッタリとなっておった。御臨終したっぽい。でも何時間か前には確実に生きていたのだ。刺身で食えないワケはなかろうと考えた。

で、殻を剥き、冷水に晒した。
旅館とかで出てくるように花を咲かせてやろうと思ったのだ。本来は氷水に晒すのだが、この日は極寒。水道水も手が切れるようなチビたさである。氷水が無くとも出来ると判断した。

しかし、中途半端なものになってしまった。

 
【蟹の刺身】

部分的には身が毛羽立ったが、全体的にはとても花が咲いたようにはなってくれなかった。
蟹が生きていないと、そうならないと聞いてはいたが、たとえ虫の息や御臨終直後であっとしてもダメという事か…。バリバリ元気なヤツでないと、ダメってことなんだろね。(-_-;)ガッカリちゃんだ。

気を取り直して、食うことにする。
見てくれはどうあれ、味の方は大丈夫だろう。
芸能人がよくやるように、カニを顔の上より高く掲げ、下からあんぐりとやる。

(-_-;)んぅ~…。
マズかないが、期待していたほどには旨くない。何だか水っぽいのだ。
早くも先に進む道には暗雲が垂れ込めているじょー。

取り敢えず、蒸してみることにした。
水っぽいなら、味を凝縮させてやればいいのではないかと考えたのだ。

 
【蒸し蟹】

食べてみる。
これも不味くはないが、特別旨いもんでもない。
せっかく苦労して捌き、せせこましく身をほじって食ってるのに何ら幸福が与えられないとは何たることよ。カニはメンドクセー食いもんだけど、美味いからそのメンドクセー作業に耐えられるのであって、そうでなければ拷問と同じだ。

しかし、ここで挫けてはならぬ。
再び気を取り直して焼き蟹に挑む。

 
【焼き蟹】

こっちは、ほっかほっかの湯気も出てる写真。

そこそこ身もぷっくりだし、期待を持たせるビジュアルだ。

(-“”-;)む、(-“”-;)む、(-“”-;)むう~…。
蒸しよかマシだが、何だか甘さが足りないんだよねぇ。

最後は三田村邦彦大好きのコレで勝負だ。

 
【甲羅酒】

コヤツで、帳消しにしてくれぞうよ。
さっきまで生きていた蟹なのだ。コレでコケたら、死のロード地獄の四連敗。優勝戦線から確実に脱落じゃよ。

その為にわざわざ酒も用意した。

黄桜まるの辛口だ。
網に蟹の甲羅を乗っけ、酒を入れてじっくり焼く。

頃合いをみて、スプーンで一口。

(ノ-_-)ノ~┻━┻ だりゃあー。
苦い❗不味い❗
サイテーだ。

一応、残った酒を飲んでみたが、何ら問題のない辛口の酒だった。という事は、間違いなくカニ味噌に問題ありと云う事だ。テンションだだ下がりである。

因みにA級戦犯の姿はコイツ。

 
【ズワイ蟹表裏】

蟹って、マジマジと見ると宇宙人みたいだね。
前に虫は太古の昔に隕石に乗ってきたインベーダーだと言った事があるが、コイツらもそうに違いない。
いや、陸上に踏みとどまったのが昆虫や蜘蛛で、海老とかカニとかは水中にニッチ(生態的地位、環境の棲み分け)を求めて、進化適応したのかもしれぬ。

ここまで書いて、クロージングに入る予定だったが、まだ他にもカニ関連の画像があった筈だ。
この際まとめて紹介して画像を消してやろう。

 
【香箱】

香箱とは金沢辺りの呼び名で、カニのメスの甲羅に身や卵、カニ味噌を詰めたものである。
たしか予め茹でたものを買ってきた記憶がある。
そういえば、生のメス蟹って売っているのを見た記憶が殆んどない。何か理由があるのかな?すぐ死んでまうとか、小さいからないがしろにされてるとかさ。
とにかくそれをバラして、チマチマ解体して甲羅に詰めてゆくのである。まっこと辛気くさい作業だ。
でも、この時は報われた記憶がある。
正直、ヘタなオス蟹を買うなら、安くて内子(卵)が美味いメスの方が余程お値打ちじゃないかと思う。

ここから先はカニ本体の画像が探しても見つからなかった。たぶん、期待外れにムカついて画像を消したと思われる。

 
【蟹めし】

ようするに、そのまま食って不味い蟹は、手を入れて食えるものにするしかないというワケなのさ。

たぶん蟹の殻は捨てずに、それで出汁をとった筈。
そこに昆布の出汁、酒、味醂、醤油なんぞを加えて炊きこんだのだろう。
不味い記憶はないから、そこそこの仕上がりにはなったのではないだろうか。

 
【蟹チャーハン】

コレは他の具材がだいぶ加わるので、かなり誤魔化しがきく。とはいえ、玉子はカニと相性が良いので必須ですぞ。レタスがあれば、尚良し。

 
【カニ玉チャーハン?】

蟹チャーハンの進化系である。
でも、ただのカニ玉かもしんない(笑)

  
【蟹酢あえ】

これが一番お手軽な誤魔化し術かな。
まあ、カニ酢次第だけど…。

「うちぼり 蟹酢」。
この時のカニ酢は、これを使ったのではないかと思う。

 
結論。
スーパーで安い蟹を買うのはリスク有りと肝に命じるべし。
本当に美味い蟹を食いたかったら、それなりの金を出して、ちゃんとした店で食うか、現地に行って旅館とかで食うべきと肚を据えるべし。

次の冬は、日本海の荒波をBGMにして、色っぽい女と炬燵で差し向かいで旨い日本酒でさしつさされつつ、極上の蟹を食いたいね。あ~、ホントそうしたい。

                 おしまい

 

2018′ 冬の名残りの献立

 
冬もいよいよ終わりだ。
と云うワケで冬の名残りの献立です。
ついでに去年から今年にかけての冬の献立も2回か3回かに渡って一挙公開の予定っす。
なんせ、またまたスマホの容量が満杯になってて、メールも見れんのだ。

 
【蒸し牡蠣】

殻付きの牡蠣が安くなっていたので買う。
2個で100円だった。
殻付きの牡蠣といえば、調理が面倒くさそうだけど、意外と簡単。蒸し牡蠣なんか超楽勝だ。なぜかというと、殻ごとレンジでチンしてしまえばいいのである。
コレはダイビングをやってた頃に覚えた。
昔は毎年のように皆で海に行って、潜って牡蠣を取り、その場で生で食ったり、焼いたりしたものだ。堤防にビッシリ、百万個以上の牡蠣が付いていたのである。
そういうワケで、つい取りすぎて大量に持って帰るはめになる。でも、牡蠣の殻を開けるのってコツがいるから、慣れないと時間がかかるのだ。
で、編み出したのがレンジでチン作戦なのである。実験を何度か繰り返し、たぶん1分40秒くらいの加熱がベストだった筈だ。
あれっ( ゜o゜)、パッケージにも500Wで2分加熱と書いてあるぞ。まあ、考えることは皆同じなのである。レンジでチンを知ってる人は、世の中にはそれなりにいるのかもしれない。

レンジのタイマーをオートに設定し、別こにキッチンタイマーを用意して2分に設定した。それを同時にスタートさせる。何でそんな事をしたのかと云うと、書いていた2分という数字に疑念を持っていたからである。

他の料理の下拵えをしてたら、💥バァーン❗
!!(゜ロ゜ノ)ノあぎゃ、突然のかなりの大きさの爆発音がしてドびっくりー。
なんと、1分45秒くらいで1個の牡蠣が木っ端微塵になりよった。殻はパッカリ開いてひっくり返っとる。
でも、身が消えていた。( ; ゜Д゜)神隠しですか❓
オジサン、おろおろする。
しかし、探したら台皿の奥の隙間で瀕死の状態で倒れておった。
(゜m゜;)大丈夫かキミ!、(゜m゜;)大丈夫かキミ!
慌てて救出して水で洗う。そして軽くキッチンペーパーで拭いてやる。どうやら、そう大事には至っていないようだ。殻に戻し、台皿に溢れたエキス汁をかけてやる(写真上が爆裂牡蠣っす)。

一安心したところで食う。
何もつけない。エキス汁に塩味がついているのだ。
美味い(^-^)v

やはり1分40秒が正解だったか。まあ、レンジにもよるんだろうけどさ。
皆さん、爆発に注意して是非試して下され。
牡蠣殻の口が少し開いたら、食べ頃の目安です。

 
【牡蠣ポン酢】

いやはや、頭から文章が長くなってしまった。
飛ばしてゆこう。

生で食える牡蠣だが、熱湯にくぐらせて霜降りにする。なにゆえかと云うと、牡蠣の生臭みを消して甘みを引き立たせる為である。

もちろんポン酢は「ひろたの手造りぽんず」。
そして、「かんずり」である。

冬を惜しみつつ、食う。
冬は嫌いだけど、食いもんは冬が一番おいしいもんが多いと思う。

 
【南瓜と鶏挽き肉のほっこり煮】

北海道産のかぼちゃと鶏の挽き肉をめんつゆで炊いただけ。
シンプルに旨い。かぼちゃは北海道産が旨いと思うんだよね。かぼちゃは、皮がキレイなものより傷だらけのような汚ないものを選ぶのが正解。キレイなヤツは熟成してないから、甘みが少ないそうだよ。

 
【湯豆腐】

豆腐は神戸の八雲豆腐のもの。
商品名は「こく濃鍋とうふ」。
誤って顆粒の昆布だしをどっちゃり入れてもうたら、メッチャ旨なった。怪我の功名というヤツも、たまには人生にあるんだね。
味は充分ついているので、先ずは何もつけずに食う。
その方が豆腐の味がちゃんとするもんね。最初からポン酢にザブンとつける人は勿体ないですぜ。そこそこええ豆腐なら、先ずはその淡麗な豆の味を楽しむべきでしょう。飽きたらポン酢をかければいいのだ。

 
【湯豆腐と榎茸】

翌日はエノキ茸を入れてみた。
エノキから出汁が出て、また違った味わいになり、これはこれで旨い。

そういえば、この間でTVを見てたら、関西で鍋に入れんといて欲しいもんの街頭アンケートをとっていたんだけど、笑てもうた。
エントリー食材は人参、菊菜(春菊)、葛きり、海老、そしてエノキ茸だった。
そこでエノキが嫌いなオバハンが、のたもうた。

『あんなもん、火星人みたいやんかー。ワッサワッサになってて、あれアカンやろー』

アンタ、なんぼなんでも火星人って…(^_^;)
考えた事も無かったから、吹き出してもうたわ。

因みに結果は人参が1位で、予想外にも海老がそれに肉薄していた。インタビューを聞いてると、皆さん中々に説得力のある御意見だった。
人参はホンマいらんと思う。どうでもええもんの代表でしょう。彩りとかで入れるんだろうけど、他に代わりのヤツっていないのかね?
外ならまだしも、家庭内で鍋の彩りはいりません。

海老って、剥くのが面倒くさいよね。手が熱いし、イラッとする。その割には旨くない。大概忘れられてて、カスカスになっとる。それに出る出汁の個性が強すぎて、鍋の汁を蹂躙しがちだ。
海老は美味しい雑炊の敵だね。

たぶん、牡蠣とか椎茸とかも反対派が多いだろう。
エキスの個性が強いヤツが敬遠されるんだろね。

 
【くちどけおぼろ豆腐】

おぼろ豆腐というのが、今イチそのカテゴライズがワカンない。おぼろは朧月のおぼろなんだろうけど、そこには特に風情さはない。

メンドくさいので、そのままレンジでチン。
そのまま食おうかと思ったが、益々風情が無くなるので器に移しかえる。

先ずはそのまま食う。で、次に塩を振って食う。
味はまあまあ。もっと味の濃い豆腐の方が好きなんだけど、ここ最近はあんまり出会ってないなあ…。

半分食ったところで、豆腐定番の葱、鰹節、生姜を乗っけ、醤油をかけて食う。

ぶっちゃけ、豆腐は好きでも嫌いでもないどーでもいいヤツだと思う。

今回、紹介した豆腐はこんなの。

 
【八雲豆腐】

メチャクチャ旨いワケではないが、普通よりかは旨い豆腐です。

 
【芋煮】

小芋や海老芋は、冬になると美味しいよね。
でも、結構あたりハズレがある。ダメなのは、いくら炊いてもゴリゴリでやわらかくならないのだ。
自分は圧力鍋で炊くようにしている。そうすると、短時間でやわらかく仕上がる。

これはたぶん海老芋だったと思う。
上手く炊けました。美味しゅうございました。

 
【鰊の煮物】

ニシンを出汁で上品に煮たんだけど、コレって元々はにしん蕎麦をどうしても食いたくなって、半干しのニシンを買ってきたんだよね。その余ったのでつくった。

画像を探したら、やっぱりあった。

 
【にしん蕎麦】

にしん蕎麦って、時々無性に食いたくなる。
そういえば長いこと京都の「松葉」のにしん蕎麦を食べてないよなあ…。
蕎麦はどってことないけど、鰊が旨いんだよね。
でも、結構な値段を取られるのだ。今は千円を軽く越えてんだろなあ。

 
【鰤しゃぶ】

最近、養殖のブリとかハマチの刺身が苦手になってきた。あの独特の生臭みが気になるのだ。
でも、しゃぶしゃぶなら気にならない。

具はブリの他に舞茸、平茸、椎茸、白菜、豆腐、菊菜、わさび菜が入っておる。
わさび菜はわさびの葉っぱではなくて、アブラナ科の変種でカラシ菜に近いものだ。
これを鍋に入れると、シャキシャキ感とほろ苦さと辛みがあって中々に旨いのだ。ブリと一緒に食っても旨い。

画像な無いけど、最後は雑炊に致しました。
今年は、そういえばあまり鍋をしなかったなあ…。
一人で鍋をしても楽しくないのだ。

飽きてきたので、今回はここまで。

                   つづく