エゥダミップスの呪縛

 
Polyura eudamippus フタオチョウについて、『台湾の蝶2フォルモサフタオチョウ』、『エウダミップスの迷宮』、『エウダミップスの憂鬱』と3篇もの文章を書いてきた。

【Polyura eudamippus フタオチョウ】
(2014.4 Laos Luang Namtha)

これが思いの外に難産で、もうウンザリだっただけに書き終えた時には正直ホッとしたと云うのが本音だった。
だが、ホッとしたのも束の間、はたと重要なことに気づいてしまったんだよねー。

「eudamippus」の学名の読み方を、ずっとエウダミップスと書いてきたが、もしかして間違っているんじゃないかと思ったのである。
学名と云うものは、基本的にはラテン語かギリシア語でつけられている。つまり、ローマ字読みが基本だ。だから、「エウダミップス」と読むんだとばかり思っていた。

しかし、例えばイナズマチョウの属名のEuthaliaは、愛好家の間では一般的にユータリアと呼ぶのが習わしになっている。

【Euthalia Patala パタライナズマ】
(2014.4 Laos oudmxay)

また、ルリマダラ類の属名のEupoloeaは、先輩たちがユーポロイアと言ってるのを何度か聞いたことがある。

【Eupoloea mulciber ツマムラサキマダラ】
(2011.3 Laos Tabok)

あらら、「eu」は英語読みだと、「ユー」になる事をすっかり忘れていた。
そういえば「EURO」もユーロって読むもんね。
たぶん大文字の「Eu」と小文字の「eu」が頭の中でリンクしなかったのであろう。
となると、「eudamippus」は、「ユーダミップス」とも読める事になる。
もし、そうだっとしたら、赤っ恥もいいところだ。
でも、そもそも学名はラテン語読みの筈なのに何でコイツらは英語読みなの❓
素人には、業界のルールがワカランよ(# ̄З ̄)

クソー(´д`|||)、eudamippusめー、どこまでワシを苦しめればいいというのだ。どこまでワシを逃すまいとイバラの蔓で絡め捕ろうとするのだ。
もうここまでくれば、eudamippusの呪いじゃよ。

考えてみれば、ムラサキシジミ属のArhopalaなんて、普通の人はアロパラとはとても読めやしません。

【Arhopala hercles? ヘラクレスムラサキシジミ】
(2013.2 Indonesia Sulawesi Palu)

酷い写真だなあ…。
もう少しマシな写真を探そう。

【Arhopala pseudocentaurus ケンタウルスムラサキシジミ】
(2016.3.31 Thailand Ranog)

大概の日本人は、アロホパラと読むざますよ。
知らずにアロホパラを連発でもしたら、業界では小バカにされること確実だ。
でも、んなもん教えられなきゃ、フツーの人は読めるワケがないのである。だけども、周りが知ってれば間違いなく赤っ恥ではあるんだよね。蝶屋としてワンランク下に見られるだしょな。まあ、どうせオイラはまだまだ蝶歴短いぺーぺだから、別にいいんだけどさ。
ところで、これは何語読み❓
英語読みじゃなさそうだから、やっぱりラテン語読みなのかなあ❓

そういえばマネシアゲハの仲間は、キラサと呼ぶ筈だけど、学名の綴りは「Chilasa」だ。
でも英語読みだと、チラサと発音するよね。
さすれば、これはラテン語読みって事になりそうだ。

【Chilasa paradoxa パラドクサマネシアゲハ】
(2011.4 Laos Samnua)

先に紹介したツマムラサキマダラとソックリさんだね。
これはパラドクサが毒のあるツマムラくんに擬態しているのだ。慣れないと、飛んでいる時はまず見抜けないでごわす。

チラサよか、キラサの方が何だかキマエラっぽくてカッコイイな。
小種名のパラドクサという名もスゴい。ようするにパラドックス(逆説的)なワケでしょ。色んな意味で、想像力を掻き立てられる。

あー、ちょい待て。パラドキサと云う表記も見たことがあるぞ。それってラテン語読み❓

こりゃダメだ。ラテン語の基本的な用法を知らなければラチがあかん。
取り敢えずは、ネットでググってみるか。

(^_^)ハイハイ、何となく解ってきましたよ。
例えば、菌類に於いても学名の呼び方は研究者により様々で、古典ラテン語、慣用(教会)ラテン語、英語、ドイツ語風と色々入り混じっているらしい。中には、一つの種に対して6つもの呼称があるという。
その文によると、そもそもラテン語には「k」という文字は無く、「c」は「k」と発音するらしいのだ。
後ろに子音が入れば、カ・キ・ク・ケ・コになる。
で、「h」は発音しない。
だから、キラサと読むのである。
となると、Arhopalaの謎も自然と解けてくる。
つまり、「h」を発音しないからアロパラなのである。

じゃあ「paradoxa」はどうなのかというと、ラテン語ではx=c+sのようだ。つまりパラドクサで正解だというワケだね。
でも、英語読みでもパラドクサの筈だから、パラドキサと云うのがよくワカラン。
ワカランけど、もうパラドクサとしておきましょう。
これ以上、要らんことに首を突っ込んでたまるかである。

調べるうちに、ガビーΣ( ̄ロ ̄lll)ーン❗❗
ここでまた一つ、どエラい事実を見つけてもうた。

ラテン語では「y」を「i」と発音するみたい。そして、前述したように「c」は「k」の音で発音する。
薮蛇(やぶへび)だ。知らねば良かったのに植物の例を見つけちまったよ。
ハナアナナス属の植物に、Tillandsia cyanea というのがあるそうな。その小種名「cyanea」は、英語では「シアネア」と発音するが、ラテン語では「キアネア」と読むんだそうな。
この綴りには、物凄く覚えがある。
オオイナズマの中の覇王、Lexias cyanipardus の小種名だ。

【Lexias cyanipardus ♀】
(2014 Laos oudmxay)

自分はこの学名を言伝てでキヤニパルダス、或いはキャニパルダスだと思っていた。
ブログにも、その都度どちらかの名前を使用してきた。でも先の法則に従えば、「キアニパルダス」ということになる。
(´д`|||)おいおい、全部手直しかよ。アメブロのも含めれば、結構な数があるぞー。
(-“”-;)どないしてケツかろ。

それはそれとして、ひとまず置いといてー。
さてさて、さあ問題の「eu」の読み方だ。
ラテン語では「e」は「エ」、「u」は「ウ」と読む。「eu」だと「エウ」となるのだが、正確には「エ・ウ」とは切らずに一気に「エウ」と続けて発音するらしい。カタカナ表記すれば「エゥ」に近い。これは古典ラテン語でも慣用ラテン語でも同じだ。
つまり、「エウダミップス」でも間違いではないが、「エゥダミップス」と表記した方がより近い発音だと云うことになる。

実をいうと、ここ2、3日は、それであーだ、こーだとずっと悩んでいた。
「ユーダミップス」でいくか、「エゥダミップス」でいくか、それとも「エウダミップス」のままでいくか……。
それが問題だ。

でも、(*`Д´)ノ❗❗決めました。
「エゥダミップス」でいこう。
メンドくせーけど、全部修正しますよコンニャロー。

もうホント、マジ。Polyura eudamippus に関してはコレでオシマイにして欲しいよ。

と、ここまで書いて、脳ミソのシナプスが突然繋がった。或る本の存在を思い出したのだ。
たしか、蝶の学名について書いたバイブルみたいな本が在った筈だ。

図書館に行ったら、ございましたよ。
平嶋義宏 著『蝶の学名 その語源と解説』。
蝶の学名の読み方と、その謂われが書いてある本だ。
辞典と言い切ってもよいものだと思う。
平嶋さんって偉い!よくぞ、書かれたと思う。これを書くには、膨大な時間と労力を要したことは想像に難くない。

それによると、Arhopalaはアロパラになってました。
Chilasaは「キラサ」と読み、paradoxaもパラドクサと読むと書いていた。
両方とも、きっちりラテン語なのだ。

EuthaliaとEupoloeaもラテン語読みで、それぞれ「エウタリア」と「エウポロエア」となっていた。
基本は、矢張りラテン語と云うワケなのである。
でも、Euthaliaはユータリアで慣れてるしなあ…。
無視しよう。エウタリアよか、ユータリアの方がカッコイイもんね。
Eupoloeaは、どっちでもよろし。
でも、エウポロイアって言いにくいし、何だかダサい。これも自分の中ではユーポロイアでいいかなあ…。

Lexias cyanipardusの「cyanipardus」は、
ありゃま(_)、「キュアニパルドゥス」となっとるやないけー\(◎o◎)/
ったくよー(ー。ー#)、何を信じれば良いのだ。
頭のキュアニはどうかとは思うが、最後の「dus」は、そうかもなとも思う。
調べた限りでは、ラテン語の読みなら、ダスじゃなくて「ドゥス」になるんだよなあ…。

これも、保留としておこう。

で、件(くだん)の「eudamippus」である。
辞典では、あちゃー(@ ̄□ ̄@;)!!
なんと、「エウダミップス」となっておるではないか。決して「エゥダミップス」ではないのだ。
困ったよね。どっちにすればよろしいので御座いましょう。
(=`ェ´=)テッメエー、何なんだよ、eudamippus❓

結論。
エゥダミップスを正確に読んで貰えるかは疑わしい。小さい「ゥ」の意図が伝わるかといえば、難しいだろう。
表記をなおすのがメンドくせーと云うのもあるが、スンマセン、エウダミップスの儘にしておきます。

結局、「大山鳴動してネズミ一匹」出ずである。

再度、繰り返す。
もうホント、マジ。Polyura eudamippus に関してはコレでオシマイにして欲しいよ。

                  おしまい

 
追伸
タイトルを、エウダミップスではなく、「エゥダミップスの呪縛」としたのは、ささやかな爪痕みたいなもんです。

えー、それと一言。
先輩たちもこういう重要なことは、後塵に対してちゃんと教えて欲しいよね。
もしかして、そもそも先輩たちもラテン語の読み方のルールを知らんかったりして…(^_^;)

あとタクソン(学名)で、よくワカンナイのは小種名の最後の「i」。コレは発音すべきなの?
「ii」のケースなんて基本ルールが解らないだけに、もうお手上げだすよ。

追伸の追伸
結局、Lexias cyanipardus はキアニパルダスオオイナズマと表記する事にしました。アメブロも含めて過去記事もそれで修正した。
とはいえ修正漏れもあるかも…。

続・2018 正月の献立(赤ワイン編)

 
正月もとうに過ぎましたが、『2018 正月の献立』の続編、赤ワイン・ヴァージョンです。
また、『モナーク蝶とb.ioオーガニックワイン』の続編でもありまする。

高級スーパー「ビッグビーンズ」で、2本3000円くらいで買ったワインだ。

モナーク蝶(オオカバマダラ)など、昆虫がデザインに使われているのが気にいって買ってしまった。
オマケにエコバックみたいなのも付いてたしね。

モナーク蝶は旅をする蝶で、北米大陸を縦断する事で有名な蝶です。メキシコの越冬地には、ものスゴい数のモナーク蝶が集まる事から世界遺産にも登録されちょります。

ワイン本体の写真を撮るのを忘れたので、画像をネットからパクろう。

(出典『楽天市場』)

今回は赤の方、b.io Nero d’Avola Cabernet(ビブントイオ ネーロ・ダーヴォラ・カベルネ)。
イタリアはシチリア島のオーガニックワインだ。
ブドウの品種は、ネロ・ダーヴォラ種55%、カベルネソーヴィニョン45%を使用しているという。

今回もグラスはリーデルを用意です。

グラスに注ぐ。
色はかなり濃い。深みのあるルビー色だ。
一瞬、それに驚く。まあ、普段はクソ安いワインを飲んでいるから当たり前か…。

香りを嗅ぐ。
華やかなフルーティーさの中に、ベリー系の渋みと豊潤さが合わさったような香りだ。微かにキノコっぽい香りも感ぜられる。

口にしてみる。
やや重め。ミディアムボディとフルボディの中間といったところか。フルボディ好きとしては○だ。
タンニン(渋み)は、それほど強くない。
ブドウの甘みも強過ぎず、バランス良し。

さあ、あとはコレに合うツマミである。
前回の白ワイン編でも書いたが、ワインを飲むならツマミ選びが重要になってくる。上手くチョイスすれば、劇的にワインもツマミも旨くなるのである。特に赤はそう。

トップバッターは、コレにした。

青森県 バルバリー種 鴨のプロシュート。
鴨の生ハムは珍しいし、半額になってたから買った。
定価は500円くらいとお高めだし、量も少ないから、半額でないと買えないよね。
裏を見ると、(株)ジャパンフォアグラという会社名があった。ネットで確認したら、「シェフ桑原 鴨とフォアグラの専門店」なんだってさ。

器に盛る。
色、濃いなあ。殆んどワインと同じような色だよ。

口に入れてみて、少なからず驚く。
柔らかいのだ。頭の中ではサラミとかパンチエッタとか、もっと硬い系のものを想像していたからビックリ。

味は、かなり美味い。
旨みとしっとり感が舌の上で心地好い。
勿論、ワインとの相性も抜群だ。

半分食ったところで、黒胡椒を挽く。

スパイシーさが加わって、更にワインの味を引き立てる。
q(^-^q)よし、よし。順調なスタートだぞ。

次なるツマミを投入しよう。



一番上が、イタリア・fumagalii(フマガリ)社の「サラミ スピアナーク クロマーナ」。

ミラノサラミらしい。
サラミといえば、ミラノだよね(^-^)v

かためで水分が少なく、味は濃い。
噛みしめるうちに脂と旨みが湧き上がってくる。
当然、赤ワインには合う。これまた順調だ。
縁起でもないから、正月から大外しするワケにはいかないのだ、せにょ~る(* ̄∇ ̄)ノ

真ん中は同じくフマガリ社のプロシュート。
フマガリ社は、自社で「フマガリ豚」というパルミジャーノ・レッジャーノのホエ(乳精)を餌にした豚を飼育しているんだとさ。とーってもデッカくなる豚なんだってよ。

旨いとは思う。
でも、ちよっと味に深みが足んないかなあ…。
個人的には、ラスピニ社の「プロシュート クールドスライス」の方が旨みが強くて好き。値段も安いしね。

(出典『楽天市場』)

そして、左下はフリーデンの「生ハム切り落とし」。

コチラは日本の会社です。
ここも「やまと豚」という豚を自社で飼育しているようだ。
ワインを飲む場合、通常は日本の生ハムをチョイスはしない。濃厚な旨みが足りないからだ。
だが、コレはスーパー(ビッグビーンズ)で試食販売していたから、味見できた。それでワインにも合うのではないかと思って買ったのだ。

合うね(゜∇^d)!!
あっさりが特徴の日本の生ハム系のつくりではあるが、分厚く切ってある分、より旨みを感じる。ねっとり感もよろしい。濃厚、濃厚と続いてきているので、このあっさりがかえってアクセントとなって、より旨く感じるのかもね。

右下は、白ワイン編でも登場したキャステロ ダニッシュ・ブルー。

ハンガリー産の青カビ系のチーズだ。
クセや塩気が青カビ系としてはそれほど強くなく、青カビ系初心者にもお奨めです。

(≧∀≦)うみゃーい❗
白ワインの時よか美味く感じる。よりチーズの味もワインの味も強調されるのだ。
やっぱ青カビ系と赤ワインの相性は最高だよ(´ω`)
あとの楽しみに半分ほど取っておくことにする。

さて、中盤戦に臨もうか。

骨付き豚肉のオイスターソース炒め。
コレは実を言うと、何日か前に作ったもの。
画像もその時に撮したものだ。
それが余ったので、冷凍しておいた。で、レンジでチンしたのさ、ベイベェ~d=(^o^)=b

うろ憶えだが、一応作り方を紹介しておこう。

①先ずはニンニクと生姜を低温のオリーブオイルに入れ、じっくりと香りを油に移す。
香りが移ったら、ニンニクと生姜を一旦取り出す。
これは焦げるのを防ぐためですな。苦くなったら、台無しなんじゃよ。

②その油で、塩、胡椒をした豚肉を低温で焼く。
じんわりと焼くことにより、肉をやわらかく仕上げる狙いなのさ。

③ここからは一気呵成だ。
強火にして酒(赤ワインがあれば尚良し)をブッかけて🔥ファイヤー❗、アルコール分を飛ばす。
すかさず鶏ガラスープをチョチョイと入れて、ニンニクと生姜も戻して強火でガアーッと炒める(お好みで黒酢を入れてもよろしかろう)。
汁気が無くなってとろみがある程度ついたら、器に移して青ネギを散らして出来上がり。

当然だけど、旨いよ。
赤ワインにも合う。
でも、ハッキリ言って骨付きにしたのは失敗。
結局、手に持って齧じるしかないワケで、指先がベットベトになってしまう。一々、手を拭いてワインを飲むのは面倒クセーのだ。

お次は一転してこんなんをもってきた。

飛騨名物の赤カブの漬物だ。
急転直下のアグレッシブなチョイスである。ほとんど賭け、ここに来てのハッピー台無しも有り得るギャンブルの敢行なのだ。
おいちゃん、酸味がワインと合うと思うんだよねぇ~。
あっ、赤カブには甘酢タイプもあるから、買う場合は気をつけてね。

取り敢えず食ってみる。
わちゃΣ(゜Д゜)!、(。>д<)酢っぺぇ~。
元々、酸っぱいものではあるが、思ってた以上に酢っぺぇ。おまけに何か変な後味もする。ニッキ(肉桂)っぽいというのが近い味かな…。
こんな赤カブ、初めてだぞ。失敗だ。やっぱコーヨー(イオン)なんぞで買うべきではなかったよ。安いから、つい手を出してしまったんだよなあ…。

続いてワインを飲んでみる。
(-_-;)ビミョー…。
決して合うとは言いきれないが、合わないとも言えない。
自分は有りだとは思うが、意見の分かれるところではあるかもしれない。それもこれも、このダメダメな赤カブのせいなのは充分に考えられる。
今度は高嶋屋に行って、ちゃんとした赤カブを買ってきて試してみよっと。

最後に、残しておいた青カビ系チーズに回帰する。
やっぱバリ旨のマリアージュだな。残しておいて正解。

終わり良ければ、全て良しなのであ~る。

                おしまい

豪腕平野レミ、新たなる伝説

今朝、たまたまTVをつけたら、何とあの伝説の料理愛好家・平野レミがNHKに出ていた。しかも生放送で。

平野レミといえば、あのもはや伝説ともいえる『まるごとブロッコリー』を生放送中にお作りあそばされたお方だ。
その料理たるや、とてつもなく斬新。
って云うかムチャクチャ。およそ料理とは思えない代物で、料理番組に於ける料理の概念を破壊したとも言われるアナーキーっぷりなんである。

コレって、完全に放送事故だよね。
死ぬほど笑ったことを思い出したよ。

そのレミさんが、今回は同じNHKの生放送で13品も作るという。
NHKも勇気あるわー。ハラハラ💓ドキドキ。放送事故必至だなと思うと、目が離せなくなった。

あっ、言い忘れたが、番組は『ぽかぽか家族に福来たる』です。

他に出演者は、中山秀征、吉田羊(相変わらず、お美しゅうごさいます)、子役だったフクくん(大きなりました)、お笑いタレントの澤部。あとアナウンサー。
NHKよ、人海戦術でレミの暴走を止めるハラだな。

見てると、やっぱりレミさんはレミさんだ。
ポップで傍若無人の奔放っぷりは健在。生放送でも自由の人なんである。
切った食材を鍋に投げるわ、ガチャガチャ派手に音を立てるわ、段取りもテキトー感満載である。
とにかく、料理人にはあるまじき雑さなんである。

しばらく見てたら、アナウンサーが次の料理は『おったて鯛』ですと言った。
レミさん、これは破壊的なのをやるなと思った。伝説の再来濃厚とみた。そう思った次の瞬間には録画スイッチを押していた。

ほらほらほらー、レミさんが丸々一匹の鯛を持ち出してきた。
アナウンサーが、おったて鯛は1997年の「今日の料理」で既に紹介しているが、今回は更にヴァージョンUPでおっ立てるとか言い始めた。
(◎-◎;)マジかよ❓
アナウンサーも、おっ立てるとか言っちやっていいのかよ?

おいおいレミさん、鯛に竹串を刺し始めたましたよ。

(´∇`)アハハ、何だそりゃ。
鯛に針治療ですか?

さあさ、新たなる伝説が始まりましたよん🎵

レミ、そのまま鯛をオーブンに入れようとする。
そこで早くもフクくんに「塩は?」とツッコまれる。
レミ、味つけ無しなんかぁーい❗

なぜか外した軍手をまな板に叩きつけるレミ。

フクくんにツッコまれて悔しいのかな❓

レミさん、鯛を焼いている間に次の料理を作るという。

💥ゴンッ、レミさんは人参を皮も剥かずにフライパンに無造作に投げ入れた。
澤部が『ブチ込んだー!』とツッコミを入れる。
秀ちゃん、『それ、家でやったら怒られるよ。』と苦笑い。

料理名は「にんじんまるごと蒸し」というらしい。
レミさん、とかくまるごと好きである。
これも、およそ料理とは思えない。
このまま蓋をして、30~40分蒸すんだとさ。
テキトーだよなあ(笑)

すかさずフクくんにも、『火がついてないよ』と指摘される。放置かあーい❗
コレで料理が完成したら、「魔法使いレミ」だよ。

続いては「寒気断(さむけダン)」という料理。
これは参鶏湯(サムゲタン)のダジャレだろね。
舌も滑らかなレミさんなのだ。

あっΣ( ̄ロ ̄lll)、レミさん何をなさる。❗❓
💥ゴツンッ!
器に盛られていた生の鶏肉を、手も箸も使わずに皿ごとブチ込んだ。ムチャクチャである。雑過ぎでしょ。

そして、またもや火を点けるのを忘れて、フクくんにツッコまれる。フクくんがおらんかったら、確実に放送事故になってるよなあ。

蓋をして10分ほど煮ている間に、次なる料理「ドレミソ汁定食」に取り掛かる。これまた意味不明な斬新な料理名だ。レミさん、絶対ノリだけで命名してますね。

レミ、汁の中に物凄くテキトーに焼き味噌を入れる。
おーい、味見せんのかあーい❗

チン💥、チン💥

そして、「サケの塩こうじ漬け」の説明しているうちに興奮してきたレミ、箸で皿の端をリズムよく二度叩く。
ハハハ(  ̄▽ ̄)、それを皆にツッコまれて、
『みんな、真似しちゃダメよー』
と叫ぶレミさん。
オチャメだなあー(笑)

そして、そして、またしてもフクくんに汁の仕上げにゴマを入れ忘れてるのを指摘される。
でも、全然メゲてないレミさん。強靭なる精神の持ち主なのだ。生放送でも全くのマイペースだもんね。

そうこうするうちに、「にんじんまるごと蒸し」が出来上がる。

火の通り具合を確認する為に箸をブッ刺すレミ。

そして、大胆にもそれをそのまま持ち上げるレミ。

けど、そんなんじゃ終わらない衝撃の盛りつけはコチラ❗

何と人参の頭にイタリアンパセリを差し込むというハナレ技。
(^〇^)オモロ過ぎでしょうに。プロの料理人には有り得ないブッ飛び盛りつけだよ。

レミの快進撃は、まだまだ続く。

「にんじんまるごと蒸し」のソース作りをしている時、
『この中に渋谷区民の人、いるぅ~❓』
突然、意味不明の発言をブチまけるレミ。

まごつく面々。
どうやら、ソースに香辛料のクミンが入っているかららしい。クミンと区民を掛けてるのネ。完全にその場の気分でおっしやってますなあ。

気づいた秀ちゃんに『じゃあ、渋谷区民じゃなくてもいいじゃないですか。』とツッコまれるレミ。
その通りです、秀さん。

それに対して、❌マークをつくって、
『ここ、カットねー。』とレミ。
レミさん、生放送です。

無茶苦茶な流れに、とうとう吉田羊までもが壊れる。
「おったて鯛」の銀あん作りの合間に銀あんの起源についてのトークになったのだが、誰もその起源に答えられなかった。
そこで急に吉田羊、『もともと金あんという言葉があって、銀あんって言葉をつくった…。っぽくないですか。』なるポンコツ発言を放ってしまう。
知らんのかい!とソッコーでツッコミを入れてもうたわ。
吉田羊にまで、レミのテキトーパワーが乗り移ってもうてるやん!恐るべし、平野レミ。

レミさん、銀あんの仕上げにかかる。
どうやら柚子の皮を擦って入れるらしい。

えっ( ; ゜Д゜)❓、紙の入ってるバットの上❓
鍋の上でやればいいんじゃないの❓
と思ってたら、💥バン、バァーン❗

又しても手を使わずに柚子をバットごと投与。
慌てたアナウンサーが、『繰り返しますが、音も料理のうちです。』とポンコツなフォローを入れる。
アナウンサーまでレミに毒されてもうてるわい。

レミ、突然の気合いポーズ。
しかし、他のメンバーは必死でディレクターを見て、指示を仰ごうとしている。レミには生放送とか関係ないのだ。

いよいよ「おったて鯛」の仕上げらしい。
ガッツポーズはその為のものであったようだ。
しかし、ボソッと『立つかな?』と不安をこぼす。
頼む、レミ。生放送でやらかしてくれ。
コッチは大々的な失敗を心から望んでいるのだ。

( ☆∀☆)/★*☆♪キタア ━━━━━━ ❗❗

やっぱ、おっ立てようとしてるー❗
下に隠した大根にブッ刺すつもりだ。

料理番組とは思えないアナーキーな画(え)である。
コケろ、コケろ、バシャーン💥💥💥と豪快にヒックリ返っちまえと祈る。一瞬、場内阿鼻叫喚の鯛バラバラ死体の地獄絵図を想像する。

だが残念(;´д`)、辛うじて立ったようだ。

しかし、レミは手を弛めない。

Σ(T▽T;)ギャハハハハ…、何だこの画像❗❓
銀あん、直接かけんのかぁーい❗
今、チャンネルつけた人は何がなんだかワカランぞ。
その画像に度肝を抜かれているに違いない。まさか、料理だとは誰しもが思うまい。どうみても子供の悪ふざけだ。いや、今日びの子供だってこんなムチャクチャはしないだろう。

澤部の『オブジェだよ。お墓参りかい!』という言葉が飛ぶ。
誰がお墓に銀あんを掛けるねん!、ご先祖様、激怒じゃろうて。笑てもうたわ。

レミは最後まで手を抜かない。
口に正月飾りまで差し込んで完成❗
レミ様の豪腕っぷり、凄いわ。

それにしても、これは神への冒涜に等しい。
NHKが、こんな非常識の映像を流してもいいの?とコチラが心配になってくるくらいだ。
でもNHKは、こうなる事が解っててやってるな。こりゃ、絶対に確信犯だわさ。

出来た料理を皆で食べる。

あんだけムチャクチャしといて、出来上がりはちゃんとしていて美味しそうなんだよなあ…。
レミさん、天才かもしんない。

そして、あの「おったて鯛」が登場する。

ナメてんなー(笑)
コントとしか思えんような画像だぞ。

ハシャぐレミは、銀あんを掛けている時にも『この料理は結婚式に作って欲しいのよ。』とノタまっていたのだが、ここでまたシツコクその話題を蒸し返してくる。

『みんなでね、ここに向かってさー、何したいかー、結婚したいとかー、合格したいとかー、健康でいたいとかー、見たいとかー、やりたいとかー、触りたいとかー…。』

最後の方は、もうワケワカラン言葉を強引に捩じ込んできた。
どうやら、鯛と、~したいを掛けていて、皆にこの鯛に願い事をせよとおっしやっておられるようである。

で、いよいよ「おったて鯛」の試食である。

!Σ(×_×;)!えっ❗❓、そんな反則技しますか❓

立てたまま、いっちゃうんですね、レミさん。

ありゃー、そのまま箸でゴッソリいっちゃったよ。
そして、「鯛のケバブ」とか言いはじめた。
それってレミさん、もしかしてトルコ料理の「ドネルケバブ」の事ですか?
料理名、変わっとるやないけぇー(# ̄З ̄)

これで終わりかと思いきや、最後の最後にレミったら、もう一発メガトン級の💣💥爆弾を落としてきたじゃないのよー。

「華厳の滝inかぼちゃ」だってよ。
コレはあらかじめ作っておいたものらしい。

これまた、遊び心満載のというか、遊びの過ぎた代物だ。
レミ、皆に刺さってる野菜を抜けと迫る。
ようするに黒ひげ危機一髪ならぬ、「カレー危機一髪」かぁーい。

フクくんが人参を抜くと、どっろ~。

ものスゴい勢いでカレーが流れてきた。
レミ以外は、全員たじろぐ(゜ロ゜;ノ)ノ
放送事故よ、起これ❗器から溢れ出てしまえ❗
と願うが、辛うじて皿内で止まった。惜しい❗
TV放送で、カレー溶岩流のダダ漏れ映像はマズイっしょ!?

そして、残骸化した鯛の横でレミさんが何か言いかけてるうちに番組終了。

よくぞ生放送内に大きな事故もなく収まったよ。
もう殆んど奇跡に近いよね。

レミさんって、❤大好きだ。

                  おしまい

追伸
一応、レミさんの豪腕料理のレシピを貼っておきますね。

http://www.nhk.or.jp/lifestyle/sp/#

NHKさん、今後も平野レミさんを番組に呼んでね。

エウダミップスの憂鬱

 
       台湾の蝶 番外編
    『エウダミップスの迷宮』後編

 
もう主タイトルも「エウダミップスの迷宮」から「エウダミップスの憂鬱」に変わっとるやないけー(笑)
迷宮で彷徨(さまよ)っているうちに嫌んなってきて、ポチは憂鬱になりましたとさ。
でも、とにかく何らかの形で終わらせねば仕様がないのだ。頑張って書きましょうぞ。

え~と、何だっけ?
ごめん、アマタが上手く働かないのである。脳ミソが思考を拒んでいるのやもしれぬ。
まあいい。その整理出来てない腐った脳ミソで、ポンコツはポンコツなりの気概を持ってフォースの暗黒面に立ち向かおうぞ。

先ずは前回のおさらい。
従来、日本のフタオチョウは台湾や大陸に広く分布するフタオチョウ Polyura eudamippus の亜種とされてきた。しかし、ごく最近になって日本のフタオチョウがそこから独立して別種 Polyura weismanni となった(でも誰がいつどこで記載したのかは不明。謎です。)。

(;゜∇゜)ほんまかえー?と思ったポチは、成虫のみならず幼虫・卵、蛹、幼虫の食餌植物、生態等々あらゆる面からその検証を行った。
そして、ポチ捜査員が出した見解はこうだった。

『問題点は幾つかあるが、取り敢えずは別種でエエんとちゃいまっしゃろか。まあ、厳密的にいえば別種になる一歩手前の段階と言えなくもないんだけどね…。
でもさー、そんなことを言い始めたら収拾がつかん。
別種、別種~、日本のフタオチョウは独立種です❗』

だが、オラにここで新たな疑問が湧いてきた。
台湾のフタオチョウと日本のフタオチョウは似ているが、原名亜種(名義タイプ亜種)を含むインドシナ半島から西に分布するものは、同種とは思えんくらいに見た目も大きさも全然違うんだよなあ…。

と、ここまでが前回までのあらすじ。
で、こっからが新たなる展開なのだ。

オイチャンは思ったね。
だったら、そのインドシナ辺りから西の奴らと台湾とその周辺の中国の奴らもさー、この際、別種として分けちやってもエエんとちゃうのん❓

でもポチ捜査員、冷静にカンガルー。もとい、考える。
とは言うものの、たぶん台湾からインドまで連続して分布するから、明確には分けられないのだろう。
つまり、分布の東から西へ少しずつ見た目が変わってゆき、その境界線が判然としない。だから、別種とまでは言えなくて、全部を亜種扱いにせざるおえないと思われる。
しかし、だとしたらどこいら辺りに台湾とインドシナとの中間的な特徴を持つ個体群がいるのだろうか❓
そういえば、そういうオカマちゃん的な標本を見た記憶がないんだよなあ…。

取り敢えず、参考までにインドシナ半島、台湾、沖縄の個体を並べておこう。

先ずはタイ・ラオス北部等に分布する亜種から紹介しよう。

【Polyura eudamippus nigrobasalis 】

【裏面】

(2点共 2011.4.1 Laos Tadxaywaterfall )

続いて台湾亜種。

【Polyura eudamippus formosana 】

【裏面】
(2点共 2016.7.7 台湾南投県仁愛郷)

続いて沖縄のフタオチョウ。

【Polyura weismanni 】

【裏面】
(2点共 出典『ニライカナイの女王』)

ねっ、インドシナ半島のものは、見た目がだいぶ違うでしょ?
もう断トツに白いのである。尾状突起も遥かに長くて優美だ。そして、大きさがまるで違う。日本や台湾のものと比べて圧倒的にデカイんである。
個人的にはコッチの白い奴の方がカッコイイと思う。
双尾と呼ぶに相応しい尾突といい、そのタージ・マハルを連想させる白といい、断然ソフィスケートされてる。迫力も雲泥の差だ。体はゴツいし、飛翔力も半端ねぇ。

上の画像では大きさがわからないだろうから、採集した時の写メを添付しておこう。

【台湾産フタオチョウ】

【ラオス産フタオチョウ】

これで大体の大きさは理解してもらえたかと思う。
けどなあ…ちよっと解りづらいかもしれないなあ…。
面倒くさいけど、もっとハッキリ解るように両者の標本を並べておきましょう。

順番が逆になったが、上がラオス産フタオチョウで、下が台湾産である。
もう説明は不用だろう。まるで大人と子供だ。勿論、両方とも♂である。因みにラオス産フタオの♀はバカでかい。Polyura界の女王様だ。
但し、オラは野外で姿を見た事は一度たりともない。
メスは珍品なのである。オスはそこそこいるんだけど、メスはトラップにも殆んど来ないし、いったい何処で何してんだろ?大いなる謎だよ。
そういえば沖縄や台湾のフタオは、そう機会は多くないとはいえ、それなりにメスは見られるようだ。
生態的に違えば、それ即ち別種だとは言い切れないけれど、それも別種とする一因として考えられなくはない。とにかく、メスの生態は日本や台湾のフタオとは違い、今のところ未知に近いのだ。

あっ、幼虫はどうなのだ❓
台湾と沖縄のフタオは、幼虫の形態がかなり違ってた。それも別種とされた理由の1つに違いない。ならば、もしラオス産フタオの幼虫形態が全然違ってたら、別種となりはしないか❓

いかん(;゜∀゜)、カウパー腺液チョロチョロの先走りじゃよ。
取り敢えず、幼虫云々は後回しだ。その前にエウダミップスの分布と各亜種を整理しておこう。そこんとこ、ちゃんと言及しておかないと、後々、益々何が何だか解らなくなる。

【フタオチョウの分布図】
(出典『原色台湾産蝶類大図鑑』)

古い図鑑なので日本産も地図に入っている。
それはさておき、分布が西北ヒマラヤからインドシナ半島、マレー半島、中国を経由して台湾にまで達しているのがお解りになられるかと思う。
但し、実際にはこんなにベタに何処にでもいるワケではなく、分布の空白地帯もある筈だ。わかる範囲ではマレー半島の産地は飛び離れていて、高所にのみ分布していたと記憶する。
だいたい分布図なんてものは、大まかなんである。
特に広い範囲を示す分布図はざっくりだ。情報を鵜呑みにしてはならない。

あっ、そういえば『アジア産蝶類生活史図鑑』にも分布図があった筈だ。そちらの方が新しいから、まだしも正確だろう。

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

あっ、やっぱりマレー半島だけ分布か飛び離れている。あとは中国北部が少し膨らむ程度で、大体同じだね。

ここまで書いて、不意に微かな記憶が甦る。
そういえばエウダミップスには乾季型と雨季型というのがあって、雨季型は小型になり、且つ黒っぽくなって尾突も短くなる。そうどこかで聞いた事があるような気がする。
おいおい、亜種に加えて更に季節型まであるとなると、ワケがわからぬわー(ノ-_-)ノ~┻━┻

この際、それは取り敢えず置いておこう。シッチャカメッチャカになるから、先ずは亜種区分からだ。

『原色台湾産蝶類大図鑑』では、以下のように11亜種に分けられていた。

①Polyura eudamippus eudamippus(原名亜種)
西北ヒマラヤ、ネパール、シッキム、ブータン、Naga Hills、Khasia Hills。
最後2つの横文字は、おそらくインド東部の地名のことだろう。

②P.eudamippus jamblichus
テナッセリウム(アンナン)。
テナッセリウムは、たぶんミャンマー南部の街の事かな?でも、アンナンというのがわからない。

③P.eudamippus nigrobasalis
シャム、ビルマ(Shan States)、カンボジャ。
シャムは現在のタイのことだろう。かなり古い図鑑である事を実感するよ(1960年発行)。ビルマも現在はミャンマーという国名である。Shanというのはおそらく北東部のシャン州の事を指していると思われる。カンボジャはカンボジアの事だね。

④P.eudamippus celetis
アンナン。
はあ?、またアンナンが出てきた。ワケわかんねえよ。

⑤P.eudamippus peninsularis
マレイ半島。
マレー半島の事だね。

⑥P.eudamippus whiteheadi
海南島。
中国南部のハイナン島の事だろう。

⑦P.eudamippus kuangtungensis
南支那(広東省北部)。
勿論、支那とは現在の中国の事だけど、それっていつの時代の呼び名やねん!とツッコミたくなるよ(笑)

⑧P.eudamippus cupidinius
雲南。
中国の雲南省の事だろね。

⑨P.eudamippus rothschildi
西~中部支那。
中国西部から中部でんな。

⑩P.eudamippus formosana
台湾。

⑪P.eudamippus weismanni
琉球(沖縄本島)。

最後の⑪は別種になったから、全部で10亜種って事か。結構、思っていた以上に多い。

一応、ネットでも調べてみたら、wikipediaに解説があった。

へぇー、英名は『Great Nawab』っていうんだね。
Nawabって聞いたことあるなあ…。何か地位ある偉い人の事だったと思う。気になるので、そちらを先に調べてみる。
辞書には、Nawabとはインド・ムガール帝国時代の地方長官(代官)、知事、太守、領主、蕃王とある。
頭にグレイトと付くんだから、この場合は蕃王や領主を表しているとみえる。日本人には、大名とでも訳すのが解りやすかろう。
たぶん最初にインドで見つかって記載された(原名亜種)から、こういう英名がついたんだろうね。

亜種の話に戻ろう。
ウィキペディアでも、日本の「weismanni」を除けば10亜種になっていた。

③の「e.nigrobasalis」の分布は、タイ、ミャンマーときて、なぜかカンボジアが消えてて、他にインド、中国、雲南省南部が加えられている。カンボジアが消えたのは解せないが、他は単に新たな産地が見つかったから加えられたのだろう。
でも近隣のベトナムがスコッと抜けてるなあ。ベトナムだけいないということは考えられない。それに分布図では、しっかりベトナムの所にも生息を示す斜線が引かれてたぞ。謎だよなあ…。

あれれー(@ ̄□ ̄@;)!!
しかし、ウィキには④の亜種「celetis」ってのが無い❗ 分布がアンナンとある亜種だ。
その替わりに「splendens」という未知の亜種があった。分布は雲南とある。
ワケわかんねえや。そもそもアンナンって何処や?
ミャンマー南部とちゃうんけ?
だいたい雲南省とミャンマー南部はかけ離れているじゃないか。という事は、両者は全くの別物と云うことになる。
これで、産地に雲南省とある亜種が3つもある事になるやんけ(-“”-;)…。
もしかして、雲南省ってバカみたいに広いの?
はてな、はてな(??)❓の嵐が吹き荒れる。
シクシク(ノ
<。)、また迷路じゃよ。

取り敢えず、アンナンを調べてみた。
ここは小さな疑問から片付けていくしかあるまい。

あっ、アンナン(安南)ってベトナムやん!
フランス統治時代のベトナム(北部~中部)の事を、そう呼んでいたらしい。
でも、ベトナムって越南じゃなかったっけ?

アンナンが判明したはいいけど、今度は②の亜種「jamblichus」のテナッセリウム(アンナン)という表記がワケワカメじゃよ。
だってミャンマー(ベトナム)って事になるじゃないか。そこ、どこやねん(@_@;)❓

何だかテナッセリウムまで何処なのか不安になってきたよ。しゃあない、これも調べよう。

コチラはあっていた。テナッセリウムはミャンマー最南部地方の旧名のようだ(現在の地名はタニンダーリ地方)。近くの山脈にテナッセリウム山脈と云う名が残っている。

まあ、ウィキペディアでは、亜種「jamblichus」の分布は南ミャンマーとなっているから、アンナンはたぶん誤記ということにしておこう。

それよりも問題なのは、分布地が雲南とある亜種が3つもあるという事である。
③の亜種「nigrobasalis」はタイ北部とラオスが分布の中心で、それが雲南省南部にも及んでいると解釈すればいいか…。

⑧の亜種「cupidinius」は、図鑑もウィキペディアも分布地は雲南省とだけある。それが雲南省の何処を指すのかは特に書いていない。そして、ウィキペディアに載っている「splendens」と云う亜種も産地は雲南省としかない。そこにはやはり北部とも西部とも書いていないのだ。
もう(◎-◎;)何のコッチャかワカラン。少なくとも3つの亜種がモザイク状には分布しているワケはないから、それぞれ南部なり北部なりの東西南北の何処かに棲み分けてるという事か…。
いや待てよ、この雲南とある2つの亜種のどっちかが高地に隔離されたもので、独自に進化した奴と云う可能性もありはしないか?
何れにせよ、そんだけ雲南省に亜種が幾つもあると云う事は、もしかしたらエウダミップスの祖先種が此処で生まれ、ここから亜種分化が始まったのかもしれない。そして、やがて東西南北に拡がっていき、それぞれの地で更に亜種分化していったとは考えられないだろうか?

(* ̄◇ ̄)=3ふぅ~。ここいらまでが、オラのパープリン頭で考えられる限界だ。
いよいよ自然史博物館にでも行って、塚田図鑑(東南アジア島嶼の蝶)で調べるしかないか。
まあそれで、大概の事は片がつくだろう。

げげっΣ( ̄ロ ̄lll)、アカンわ。
よくよく考えてみれば、塚田図鑑はジャワやスマトラ、ボルネオ、小スンダ列島等に分布している蝶しか載っていないのだ。そこにさえ分布している蝶ならば、マレー半島やインドシナ半島に分布する亜種も解説されているだけだと云うことをすっかり忘れてた。
頼みの綱の塚田図鑑が使えないとあらば、取り敢えずググって探すしかないか…。何だかエライところに足を突っ込んじやったなあ。

それはさておき、先ずは原色台湾産蝶類大図鑑にしか載ってない「celetis」と云う謎の亜種だ。
だが、ググっても「splendens」は出てきても、「celetis」は全く出てこない。
コヤツは、分布がアンナン(ベトナム)となっている事だし、大方は近隣の「nigrobasalis 」に吸収合併されて消えた亜種名なのだろう。もう、そう解釈させて戴く。
その証拠にウィキペディアでは、「nigrobasalis」の分布に中国、雲南省が加わっている。ベトナムはラオスにも雲南省にも極めて近いのだ。

それはそうと、この「nigrobasalis」、ウィキではインドにも分布するとある。えっ、でもインドには名義タイプ亜種の「eudamippus」がいるじゃないか。
ハイハイ、「eudamippus」の分布域より更に東のインド東部の端っこに辛うじて分布が掛かっていることにしよう。
もう勝手に都合よく解釈していくことにした。
でないと、正直、やっとれんのである(# ̄З ̄)

さあ、前へ進もう。フォースの暗黒面に囚われてはならぬ。ルーク・スカイウォーカーは前進あるのみ。

あとは各亜種がどんな姿なのか確認していこう。
それによって、黒っぽくて小型の台湾産と白っぽくて大型のインドシナタイプの中間的な亜種が見つけられるかもしれない。そもそもは両者の分水嶺を知り得る事が最大の目的なのである。でないと、別種だとかどーだとかは論じられない。

各亜種の画像を探していこう。
先ずは原名亜種(名義タイプ亜種)から。

(出典『Annales de Lasociete entomologique 』)

(出典『insectdesigns.com』)

これは原名亜種だけに簡単に見つかった。
パッと見は、図示したラオス産のモノとさして変わらない。強いて言えば、白い部分が多いかな?
あと上翅の白い所にある黒いL字紋の形も特徴的かもしれない。

あっ、そういえばラオスかタイだっけかで、変なエウダミップス(nigrobasalis)を採ったなあ…。

(2011.4.7 Laos vang vieng)

小型で翅形が縦型なんである。
あっ、いらんもん出してもた。これは自分レベルでは言及でけまへん。変異として片付けてしまおう。

次に反対側の、台湾から近い中国の亜種の画像を探そう。

【e.rothschildi 中国・北中西部亜種】
(出典『ebay』)

ハッキリ亜種名は書いてないけど、思った通りに台湾のモノと近い黒いタイプだ。
あれっ?、よく見ると台湾の奴よりも黒っぽいぞ。むしろ日本のモノに近い印象だ。
多分、「rothschildi」だろう。
黒いのは、分布緯度が同じくらいだからなのかもしれない。北に行くと黒化する特性とかがあんのかなあ?

こんな画像も見つかった。

(出典『Bulletin of British Museum』)

図版の47が『rothschildi』だ(画像をタップすると拡大できます)。
これでさっきの黒っぽいのは、「rothschildi」とほぼ言い切ってもよいだろう。
因みに48は台湾の「Formosana」で、46は名義タイプ亜種の「eudamippus」です。

裏面の画像もあった。

図版63が「rothschildi」、64が「formosana」だ。そして、62が「eudamippus」。
w(゜o゜)wありゃま、表は似てても、裏面が台湾の奴とは全然違うじゃないか❗
「rothschildi」の裏面は、どっちかというとインドシナ寄りだなあ…。
そっかあ…、まさかそんな事は考えもしなかったよ。
表と裏の特徴が一致しないとは夢にも思わなかった。
ん~、似てるから中国の亜種も台湾の亜種も同じ亜種に含めてもいいんじゃないかと思っていたが、こりゃ別亜種にもなるな。
それにしても、この事実をどう解釈すればよいのだろうか❓(-.-)ワカラン。

次にその南側の中国亜種「kuangtungensis」を探そう。

だが、画像が全然見つからなくて、ようやくらしきモノにヒットしたのがコレ。

【e.kuangtungensis? 中国南部亜種】
(出典『www.jpmoth.org』)

亜種名の表記が無く、ただchinaとしか書いていないし、画質が悪くて右下の字も読めない。
けんど、先程の「rothschildi」よりも白い部分が多くて台湾産に似ている。「kuangtungensis」の分布域は台湾から一番近いし、両者が似るのは自然だ。ゆえにコレで間違いないと思うんだよね。

裏面もあった。

これも、どう見ても白系エウダミップスの裏面だ。
と云う事は、台湾や日本のフタオの裏面の方が特異なんだね。迷路がまた1本増えましたとさ。

お次は海南島の「whiteheadi」だね。

【e.whiteheadi 海南島亜種】
(出典『proceedings of general meetings』)

印象的には、中国のモノよりもインドシナに近い。
でも、よく見ると前翅の白い部分はインドシナ辺りのモノと比べて減退している。上翅の基部が黒いのも目立つ。しかし、これは雨季型の特徴なのかもしれない。
これがもしかしたら、黒いのと白いのの中間的な亜種になるのかもしれない。
あとは下翅外縁の青みが強いか…。
これだけ青いと美しいな。乾季型の白いのがいるとしたら、見てみたいね。最も美しいエウダミップスになるかもしれない。

他の亜種も探すが、中々画像が見つからない。
もう、うんざりだ。

そして、ようやく見つかったのが、この白黒の古い図版。

(出典『Bulletin of the British Museum 』)

ここに雲南亜種「cupidinius」とマレー半島亜種の「peninsularis」がおった。

図版154が原名亜種「eudamippus」。
以下、155 タイ・ラオス亜種「nigrobasalis」。
156 雲南亜種「cupidinius」。
157 海南島亜種「whiteheadi」。
158 日本「weismanni」。
159 マレー半島亜種「peninsularis」。

こうして並ぶと、別種となった「weismanni」って、やっぱり相当変わってるように見えるなあ。

「peninsularis」は、唯一他の亜種とは分布域が連続しない亜種で、種内では最も南のキャメロン・ハイランドなどの高地に局所的に棲んでいる。
他と形態的差異が大きければ別種となりそうだが、見た目は白系エウダミップスだ。しかし、よく見ると前翅の黒い部分の中にある白斑が著しく減退している。百万年後には、別種だな(笑)

注目は、雲南の「cupidinius」だ。
この亜種と「splendens」がどんな姿をしているのかが、一番知りたかったのだ。

でも、一見したところ「nigrobasalis」とあまり変わらない。やや黒い印象があるくらいだ。
まあ、タイ・ラオスと雲南なんだから地理的には近い。代わり映えしないのも当たり前か…。
しかし、よくよく見ると下翅の黒帯が明らかに太い。全体的にもやや黒っぽくは見える。そう云う意味では中間的特質であると言えなくもない。
もう1つの雲南亜種「splendens」が気になるところではあるが、多分さして変わらないんだろなあ。
もうちよっと劇的な結果を期待してたけど、まあ納得はできたよ。
台湾からインドにかけて少しずつ形態が変わっていってるワケだから、まとめてeudamippusとせざるおえず、それなりに違いのあるものを亜種としたのは妥当な分類だと言わざるおえない。

Σ(◎o◎lll)ぎょへー❗❗
一応、残りの亜種「splendens」と「jamblichus 」の画像を探してたら、エライもんにブチ当たってしまった。
何と他にも亜種記載されているもんが有ったのである。
光が見えたと思ったら、再びダークサイドの真っ只に引き摺りこまれてもうたやんけ。
「エウダミップスの泥沼」、いや底無し沼じゃよ。

分布域はわからないが、以下の5つの亜種を見つけた。亜種名の後ろの()内は記載年と記載者の名前である。

◇ e.lemoulti(1916 Joicey&Talbot)
◇ e.major(1926 Lathy)
◇ e.nigra(1926 Lathy)
◇ e.noko(1939 Matsumura)
◇ e.eclpsis(1963 Murayama&Shimonoya)

(# ̄З ̄)ざけんなよー。5つってかあー?
もう迷宮どころじゃない。ホント、マジ憂鬱。

でも記載年が古いところからみると、結局は誰も認めずに消えていったものだろう。
( ̄∇ ̄)気にしない、気にしない。
「celetis」が見つからないのも、(* ̄ー ̄)気にしない、気にしない。

その後、結局「splendens」の画像は、ついぞ見つけられなかった。
(○_○)気にしない、気にしない。
もはや、達観の域なのだ。

「jamblichus」は、或る文献から辛うじて一点だけ見つかった。
その文献で「lemoulti」、「major」、「nigra」の謎も一応解けた。

画像を取り出せないので、URLを添付しておきます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/yadoriga/1977/91-92/1977_KJ00006297222/_pdf

森下和彦さんが日本鱗翅学会の機関誌『やどりが』91・92号に書かれた「フタオチョウ」と題した記事です。
白黒のかなり古い記事で、発行は1977年とある。
そこにエウダミップスの分布図があった。

それによると、「major」は北ベトナム亜種となっており、「nigra」は南ベトナム亜種となっていた。
但し、「nigra」は、差異が軽微で強いて亜種区分するものではないと書いてあった。
もっとも「major」も特に形態的特徴は書かれておらず、「北ベトナム Tonkin」と産地名だけしか無かった。
多分、「major」も「nigrobasalis」とさして変わらず、吸収されて名前が消えたのだろう。
因みに、両者とも画像は無しでした。

「lemoulti」は、原名亜種eudamippusの北部に分布するようだ。「rothschildi」に似るが大型、尾突も長いと書いてあった。
あれー、白い「eudamippus」に近い場所なのに、何で黒系の「rothschildi」に似てるの?
何か、それもワケワカメだよなあ。
何れにせよ、両者の中間的な姿なのだろう。でも画像が添付されてないんだよねぇ…。

南ミャンマー亜種「jamblichus」の画像はあった。
一見して特に白いことが解る。解説には「小型で黒色部は少なく、後翅亜外縁の白紋は大型」とあった。
確かに外縁部の白帯が他と比べて太い。

この結果、さらにそれぞれの亜種の特徴が連続した中での変異である事が解った。
中国の亜種が絶滅でもして、ポッカリと分布に空白域でも出来ない限りは、別種には出来ないだろう。

ところで、幼虫形態の方はどうなのだ❓
けど、『アジア産蝶類生活史図鑑』には、日本と台湾でしか食樹が見つかっていないと書いてあったしなあ…。期待は出来ないだろう。
まあ一応、調べてみっか。

わちゃ!Σ( ̄□ ̄;)、あった❗❗
げげっ(@ ̄□ ̄@;)!!、沖縄のものとも台湾のものとも明らかに違う❗
胴体の帯が1本じゃよ。沖縄のP.weismanniは帯なし。台湾のe.formosanaは帯が2本なのだ。
顔も他は模様があるのに、コヤツには全然無い❗

No.28 Great Nawab Caterpillar (Charaxes (Polyura) eudamippus, Charaxinae, Nymphalidae)

画像をそのまま添付出来ないので、見れない人は上のURLをクリックね。

表記には「yunnan」とあるから、産地は中国・雲南省だろう。
葉っぱは、何食ってんだ?
マメ科か?それともニレ科?、クロウメモドキ科?
植物の知識が無いから、さっぱりワカラン。

あっ、でも台湾の奴って、若令期に帯が1本しか無い時期ってなかったっけ?

その前に日本のP.weismanniと台湾のe.formosanaの終令幼虫の画に、再度御登場願おう。

【Polyura weismanni 沖縄】

(出典『日本産蝶類図鑑 幼虫・成虫図鑑 タテハチョウ科編』)

【Polyura formosana 台湾】

(出典『世界のタテハチョウ図鑑』)

あった❗
1本の奴がいる。

(出典『flikr.com』)

やっぱ、3令幼虫は帯が1本だ。
でも、同じ帯が1本でも感じはだいぶと違う。帯がショボいのだ。とても同じ種だとは思えない。

あー、も~、七面倒クセー(#`皿´)。
どりゃー(ノ-_-)ノ~┻━┻💥
知るか、ボケーΣ( ̄皿 ̄;;
別種、別種。もう別種でいいじゃん。
少なくとも、ワシの中ではそうとしよう。
もう、それでええやん。

                 おしまい

 
追伸
( ̄∇ ̄*)ゞいやあー、とうとう最後は匙を投げちまいましたなあ(笑)

それにしても、出口の見えない長いシリーズでした。
正直、書いている意味を見い出だせなくなった時もしばしば御座いました。

赤ん坊はもう疲れたよ。
いつまでも壊れたオモチャで遊びすぎたからね。
もう、サヨナラをするよ。

追伸の追伸
フタオチョウの研究で有名な勝山礼一朗さんから、Facebookにて御指摘がありました。

亜種splendens、celetis、nigra、majorは、全てssp. nigrobasalisのシノニム(異名同種)とするのが一般的だそうです。
因みに斑紋構成上、沖縄のものに最も近いと思われるのはssp. rothschildiとの事。
あと、rothschildiとして引用した一番目の画像(出典『ebay 』)は、ssp. kuangtungensisの間違いだそうです。Ssp. rothschildiに似るが、白色帯がより白く、前翅の基部の黒色部が青い幻光を発すらしい。
確かに画像をよく見ると、青い幻光色らしきものがある。カッコ良かとです。

また新海彰男さんから、ssp.eudamippusだけが年1化(春期)の発生で、他の亜種は皆、多化性だと御教授戴きました。

御指摘、御教授くださいました両氏に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
有難う御座いました。

2018 正月の献立

 
『ダメだ。好きだ。私の中の平匡(ひらまさ)さん旋風がスゴすぎる!』

みくり(新垣結衣)のセリフが可愛い過ぎる!

『以前から可愛いと思っていたが…、今はもうとてつもなく可愛いんじゃないかと思ってる。』

平匡さん(星野源)のセリフにも大笑い。

いやはや年末年始は『逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)』の再放送にどっぷりと嵌まっておりました。
続編も決まったようだし(2018年4月)、何か嬉しいなあー。また悶えられると思うと、今から楽しみだわ。

えー、変な入りでしたが、こっからが本編です。
えー、『2018 元旦の献立』の続編です。
前回の『モナーク蝶とb.ioオーガニックワイン』の続編でもありまする。

正月の二日目は、洋風にふった。
ワインを飲みたかったからである。

イタリア・シチシリ島のb.ioオーガニックワインです。有機栽培のブドウ(シャルドネ種)を使ってつくったんでしょな。

先ずは白から攻めよう。

【ビブントイオ カタラット シャルドネ】

あっ、ちゃんとコルク栓じゃんか。
ここんとこクソ安いワインばかり飲んでいたので、栓は安っぽいキヤップ方式だったのだ。
コルクは開けるのが面倒くさいけど、何だか嬉しい。
慎重にワインオープナーを捩じ込み、💥スポン❗
この音がよろしいですなあ(^o^)
嬉しくなって、グラスはちゃんとリーデルを用意しましたよ。

わかりにくいけど、色は綺麗な黄金色だ。
香りを嗅いでみる。柑橘系の爽やかな香りにアプリコット、桃系の華やかな香りが混じる。

飲んでみる。
やや重めで、渋み(タンニン)は控えめ。甘みは少なくてドライ且つシャープな印象だ。酸味はフルーティーではあるが、スパイシーさも少しある。
悪く言えばやや個性に欠けるが、バランスが良くて好みの味だ。1500円のワインにしては、かなり美味しいと思う。これなら、どんな料理にも合いそうだ。

洋風と言いつつ、先頭バッターは数の子さま。

魚介とワインとの相性は、時に生臭さを増長させるものだが、全然そんな事はない。ちゃんとマリアージュしてる。
白ワインと数の子、合いますなあ(о´∀`о)

続いても和風である。

元旦の献立だった海老の旨煮の残り物ですなあ。
これまたワインと抜群の相性だ。このワイン、全般的に和食との相性が良いのではないかな。
テンション、上がってくるぅーp(^-^)q

お次はコレ。

おいおい、また和風かよ?どこが洋風やねん!
とツッこまれそうだが、これはれっきとした洋風の一品なんである。
Ψ( ̄∇ ̄)Ψフフフ…、誰あろうコヤツの正体は実を言うと『オレンジ白菜と豚肉のハーブ煮』なのだ。
出汁はコンソメで、味付けはハーブ塩なのだよ、そこのチミー。ナメてもらっては困る。豚肉と白菜は絶妙のコンビなのだ。しかも白菜は味が良いとされるオレンジ白菜で、豚肉は和豚なんである。それをハーブで見事に纏め上げたのだよ、チミー。

我ながら、(о´∀`о)うみゃーい。
白ワインとも当然合う。
因みに、豚肉を厚切りベーコンに変えると、より洋風になる。そっちもお薦めである。お試しあれ。

野菜が続く。

セロリにマヨネーズ。
それだけ。
但し、マヨネーズは『リアルマヨネーズ』様だ。

普通のマヨネーズよりもクリーミー。酸味も強くないところがワインの邪魔をしない。

そして、ひとまずのクロージングはコレ。

ワインといえばチーズである。
今回はキャステロ・ダニッシュブルーを用意した。
所謂(いわゆる)、青カビ系のチーズだね。

このキャステロ・ダニブルーはデンマーク産のチーズで、かの三大青カビ系チーズのロックフォール(フランス)を真似てつくられたものだ。但し、本家本元のロックフォールは無殺菌の羊の生乳で作られているが、ダニブルーは殺菌した牛の生乳を使っている。ゆえにロックフォールよりもクセがなくてマイルドなのだ。ブルーチーズ初心者の入口としてはお薦めだ。

箸でチビッとだけ崩して口に放り込む。
青カビ系のチーズは濃厚で刺激が強いから、ゆめゆめガバッと食ってはなりませぬよ。一発で嫌いになりましょうぞ。
( ̄O ̄)おっ、ほど好い刺激と塩っけ、あとから広がる旨みとクリーミーさ。美味いねぇ~(о´∀`о)
すかさずワインを口にする。口の中でチーズとワインの美味さが倍加する。
毎度、不思議に思うのだが、ワインはツマミが最も重要な要素を占める酒なんじゃないかと思う。勿論、他の酒でもツマミは重要だが、特にワインはツマミによって劇的に味が変わる。チーズなんかはその最たるものだろう。ワインも旨くなるし、チーズも旨くなるのだ。
オジサン、机を叩いて(*`Д´)ノ!!!、「美味いチーズを食いたければ、美味いワインを飲め!」と言いたいね。

さあ、そろそろ赤ワインの登場だね。
青カビ系チーズには、赤ワインがもっと合う。
更なる旨みの海へとどっぷりと浸かろうじゃないか。

                  つづく

 
追伸
と云うワケで、次回は赤ワインのツマミ目白押しです。

モナーク蝶とb.ioオーガニックワイン

 
年末に、高級スーパー「ビッグビーンズ」に寄った。
そこで、たまたまワインの試飲会をやっていた。

それで予定外に思わず買ってしまったのが、コレ。

イタリア・シチリア島のオーガニックワインだ。
赤と白との2本で3000円。
そもそも普段は極貧ゆえに1本500円のワインを飲んでいるのである。1本500円のワインもそんなに悪かないが、流石にやっぱり味が違うし、パッケージに昆虫がモチーフとして使われているのが決め手になって、つい買ってしまった。

虫好きは、虫がマイナーな存在だけに、ちょいとフュチャアーされてるだけでも嬉しいのだ。
てんとう虫なんかは、女子受けもよろしかろう。あざといが許そう。

買ったら、おばちゃんにオマケにバックが付いてますよと言われた。

あっ、モナーク蝶だ❗
正直、何だかとっても嬉しいや(о´∀`о)

和名はオオカバマダラ。欧米では神聖視されている蝶で、北アメリカからメキシコまで3500㎞に及ぶ長い旅をする事で有名な蝶だ。メキシコの越冬地には物凄い数のモナーク蝶が集まり、たぶん世界遺産にも指定されてた筈だ。

(出典『wypr.org』)

(出典『TERRA―Z』)

とはいえ、ここ数年で激減してるらしい。
ハッキリ言うけど、減ったのは人のせいだ。
渡りをするには、途中に休むためのそれなりの緑地帯が必要だし、エネルギーを補給する為の花も必要だ。しかも、花なら何でもいいと云うワケではない。何種類かの特定の植物の花が無ければ生きてはいけないのである。
きっと開発により、適性な環境が次々に失われていっているに違いない。
しかし、たかが蝶の為に経済活動が休止される事は無いだろう。自然は大切だ。それは誰もが解っている。でも、経済活動の前では、結局そんなものは建て前に過ぎないのだ。自然保護と言っておけば、何でも美談になるし、マスコミもそうしたがるが、真剣にモナーク蝶の事を考えてる人は少ないだろう。

はたと思う。
何にも考えていなかったが、よくよく考えてみたら、ヨーロッパにはモナーク蝶はいないよね❓
オーガニックとか言っても、所詮はイメージかよ❓
オーガニックやエコとかと云う言葉は、何だか怪しい。地球温暖化だって、その裏には結局は金の匂いがそこかしこに垣間見えなくはしないか❓
何か腹立つけど、世界的にみても現状はそんなもんなんだろね。人々の認識は限りなく低いのだ。

やめとこ。
まあ、エコバッグは気に入ったし、あんま文句は言わないようにしよっと…。

2018年 元旦の献立

 
元旦はそれなりにお節っぽいものをつくった。
今や正月でも店は開いてるし、凧上げや羽子板、独楽回しをする子供たちもとんと見なくなった。
そういえば🍊ミカンを付けてる車も、気がつけばいつの間にか消えていた。
世の中、すっかり知らないうちに正月らしくなくなっているので、せめて食事だけでも正月らしくしようと思ったのだ。

【お雑煮】

アカン、これでは餅が隠れとる。
盛り付けを動かして、撮りなおし。

うちの家の雑煮は、澄まし汁である。
関西は白味噌の家も多いようだが、ウチがなぜ澄ましなのかの由来は知らない。
今度おかんに会ったら訊いておこう。そこには、何らかの知られざる物語があるかもしれない。

因みに、餅の他の具材は人参、里芋、せせり(鶏の首肉)。
せせりを入れたせいなのか、すまし汁が濁ったが、まあエエでしょう。正月からゴチャゴチャ細かい事は言いたくないっしょ。

えー、餅は去年の餅です。

当然、賞味期限など遠に過ぎている。
所詮は下品な胃腸の持ち主なのだ。少々の事では死なんやろ。

🎵もういくつ寝るとー、お正月~
お正月には餅食うてー、喉をつまらせ死にましょう
はーやく来いこーい、お正月~

不意にガキの頃に歌っていた替え歌を思い出す。
子供ってもんは、そもそもアホなんである。

あっ、肝腎なことを言い忘れた。
正月に雑煮を食うのには意味がある。
元来、餅は神様に捧げる神聖な食べ物である。それをお供えして、そのお裾分けを食うという風習がいつしか生まれたのであろう。
ついでに補足しておくと、お年玉の起源は餅だったそうな。古来は、それだけ神聖視されていたものだったというワケだ。

【数の子】

オジサン、数の子大好きー(⌒‐⌒)
この歯応えは、比ぶべきものが無い孤高の食材だろう。仄かな苦味もよろしい。

塩抜きが少々面倒くさいが、好きだからそれくらいは吝かではない。数の子が世の中から消えたら、おいちゃん、間違いなく泣くね。

数の子がお節に不可欠とされる由来は、子宝と子孫繁栄の縁起物とされるからですな。

【紅白なます】

と言いたいところだが、実を言うと嘘です。

これの正体は赤パプリカとセロリのマリネ。
食材を買いに行くのが面倒で閃いた苦肉の策。
ようは、別に紅白だったら何でもいいやと思ったからである。

紅白なますがお節にラインナップされるのは、紅白が慶びを意味し、白は神聖を表しています。

【たたき牛蒡】

細く長く地中に根をはる事からの縁起物。
家の礎が堅牢且つ永遠(とこしえ)に続くことへの願いだ。

作り方は、先ずはゴボウを棒でぶん殴る。無ければビール瓶などでブン殴るがよろしかろう。
それを10分ほど茹で、熱いうちに擦り胡麻、普通の白胡麻、醤油、みりん、酢少々で作ったタレにからめる。

勿論、まあまあ天才がつくったので、抜かりなしの出来。酒の肴にも御飯のお供にもなる。

【海老の旨煮】

久し振りの古伊万里様の御登場である。
豪奢なものには、それ相応の器が必要である。

海老は、腰が曲がるまで長生きして下さいと云う願いが込められている。髭が長いのも老人に掛けているようだ。

えー、腰があんまり曲がってるのもみっともないので、筋肉をある程度破壊した。海老フライをつくる要領と同じだ。

煮たった出汁に先ずは海老の頭だけを一つずつ順につける。で、ある程度アタマに火が通ったら戻す。
その後に全部ブチコミ、ソッコー火を止め、4分間ほど放置してから取り出す。カスカスの海老は許せない人なのである。
冷めたら、煮汁に戻し、冷蔵庫に一晩入れて味を馴染ませる。

一つ食って、そういえばパックに「寿」の飾りつけが付いていた事を思い出して添えてみる。

(-“”-;)安っぽい…。
何でこんなもんが付いてんだろ?
多分、その分のコストも上乗せされてる筈だ。
そんな要らんもんをつけるのなら、10円でも安くしろよな(*`Д´)ノバーロー!

【真ダラの子と昆布の炒めもの】

大量に余っていた真ダラの子を少しでも消費したいがゆえの一品。
オリーブオイルで炒め、醤油と酒で味を調整した。

意外と良い出来。
これも酒の肴にもご飯のお友だちにもなる。

由来を言っとくと、昆布がお節に使われるのは「喜ぶ」にかけたものだから。

【がめ煮】

がめ煮とは九州地方での呼び方で、一般的には「筑前煮」の方が通りがいいだろう。

普通の筑前煮の作り方だと、最初に炒めるのだが今回はパス。ノーマルな煮物にした。正月にギトギトは、らしくないだろう。
出汁は鰹昆布だし+乾燥椎茸の戻し汁。煮物が一番に気をつかうから、万全の体制で臨むのだ。

コツは具材を時間差をおいて茹でていくこと。
順番は小芋&生芋コンニャク。続いて人参。間をおいて牛蒡と椎茸。ある程度火が通ったら最後に蓮根、せせりの順に投与。茹でたスナップえんどうで飾り付けをして出来上がり。

因みに蓮根を最後の方に投与したのは、歯応え重視だからだ。

蓮根と里芋も縁起物。
蓮根は、穴が開いている事から将来の見通しが効くようにと云う意味。里芋は、小芋が沢山つく事からの子孫繁栄の願掛けだろう。

(о´∀`о)美味しゅうごさいます。
ほぼ完璧な仕上がりだ。

皆様、本年もよろしくお願い致しますm(__)m

 
追伸
お節定番の黒豆、栗きんとん、伊達巻、田作りなどが無いのはなぜ?と思われた方もいらっしゃるだろう。
しかし、酒呑みとしてはそういう甘いもんを好まない。ゆえに当然の如くラインナップから外したのだ。
まあ、わざわざ書かなくとも解ってたとは思いますけどネ(〃^ー^〃)

エウダミップスの迷宮

 
 
       台湾の蝶 番外編
     『エウダミップスの迷宮』

 
前回本編第2話の『小僧、羽ばたく』と重複する所があるが、おさらいの意味もあるので了承されたし。

『台湾の蝶』第2話で、Polyura eudamippus フタオチョウを取り上げた。しかし、手に余って頓挫してしまった。分類につい触れてしまい、無間地獄(むけんじごく)に嵌まってしまったのだ。
けれど、このまま終えるのも何だか癪だ。素人は素人なりに出来る範囲の中で解説していこうと思う。

2016年に台湾で初めてフタオチョウを採った時は、日本のものとさして変わらないなと云う印象だった。
だが帰国後、日本のフタオチョウと比べてみて、細かいところがかなり違う事に気づいた。そこで本当に同種なのかな?と云う疑問が湧いてきた。
当時、その疑問をFacebookにまんま書いたところ、その道の研究者として名高い勝山(礼一朗)さんからの御指摘があった。
なんと日本のフタオチョウは最近になって、Polyura weismanni と云う別種になったというのだ❗
因みに学名は、亜種名だった「weismanni」がそのまま小種名に昇格した。
この2016年の時点では、まだ日本のフタオチョウは台湾や大陸のものと同じエウダミップスフタオで、その1亜種にすぎないとばかり思っていたから驚いた。

百聞は一見にしかず。ゴチャゴチャ言ってるより、先ずは台湾のフタオチョウと沖縄のフタオチョウの画像を並べて、改めて比べてみよう。

【Polyura eudamippus formosana 台湾亜種】

(2016.7.9 台湾南投県仁愛郷)

 
【Polyura weismanni 沖縄本島産】

(出典『日本産蝶類標準図鑑』。日本では天然記念物に指定されているので、図鑑から画像を拝借です)

パッと見は同じ種類に見える。
だが、じっくりと見比べてみて、だいぶ違ったので思いの外(ほか)驚いた。
沖縄産のフタオは黒いのである。白い部分が少ない。
それに下翅の双つの尾状突起が明らかに短い。プライドある日本男児としては、慚愧に耐えない短小さだ。
ハッΣ( ̄ロ ̄lll)!、また危うく脱線するところだった。今は、んな事はどうでもよろし。

他にも相違点はある。
裏面上翅の黄色い帯が太いし、色も黄色いというよりかオレンジに近い色だ。
細かな点を見ていけば、まだまだ相違点があって、下翅の外縁が青緑色ではなく白い。また、白紋の形や大きさにも差があって、(◎-◎;)あらあら、(・。・)ほぉ~の、(;゜∀゜)へえ~なのだ。

そういえば両者の幼虫の食樹も全く違う。
噂では幼虫形態も違うと聞いた事がある。だから、一部では別種説も囁かれていたのは知ってはいた。
けんど、天然記念物がゆえに許可が降りないと大っぴらには研究は出来ないし、飼育も出来ない。だから研究結果の発表も気軽には出来ないというのが現状なのだ。
そういう理由から日本のフタオチョウの幼生期の情報は少ない。日本の自然保護行政は、クソ問題有りで、色々と難しいところがあるのだ。

また話が逸れていきそうなので、話を元に戻そう。
エウダミップスフタオも含めて、フタオチョウグループの幼虫の食樹はマメ科の植物が基本だ。
台湾のフタオチョウもマメ科のムラサキナツフジが食樹である(与えれば同じマメ科のタマザキゴウカン(アカハダノキ)やフジ(藤)でも飼育可能らしい)。

なのに日本のフタオチョウは、食べる植物の科さえも違っていて、クロウメモドキ科のヤエヤマネコノチチを主食樹にしている。近年は、サブ的食餌植物だったニレ科 クワノハエノキ(リュウキュウエノキ)を積極的に食うようになり、沖縄本島南部にまで分布を拡大しているという(南部にはヤエヤマネコノチチが殆んど生えて無いようだ)。
どちらにせよ、両植物ともフタオチョウグループとしては異例の食樹である。
食べ物が違えば、見た目が変わってくるのも頷ける。
多分、台湾のフタオチョウと遠く離れて分布する事により(日本のフタオチョウは八重山諸島にはおらず、沖縄本島のみに分布する)、長い隔離の中で独自に進化していったのだろう。

でも、何で全く違う系統の植物に食樹転換しちやったのかなあ?マメ科の植物なら、沖縄にだって他にも沢山あるでしょうに?
なぜに猫の乳なのだ?

いや待て待て。そもそも沖縄にはムラサキナツフジやタマザキゴウカン、フジは自生してないのかな?
(ー_ー;)あ~あ。又ややこしい話しになってきたよ。いらん事に気づくのも、どうかなと思う。

調べてみると、フジ(藤)は日本本土の固有種で、南西諸島は分布には入っていない。
ムラサキナツフジの分布は、台湾から中国にかけてだが、既に園芸種として日本に入って来ているようだ。
となると、フジもムラサキナツフジも、園芸種として沖縄本島にも間違いなく入って来てると思う。
ならば、そのうち先祖帰りする奴とかいないのかね?
絶対いるよね。藤やムラサキナツフジが野生化して増えたら、そっちを積極的に食い始める奴がいるのは充分に考えられる。
そうなったら百年、千年後には、また台湾のフタオチョウみたくなっちやって、再び亜種に格下げされたりしてね(笑)

3つめ、最後はついつい脳内で「玉裂き強姦」に変換されちゃうタマザキゴウカンの事を調べましょうね。
あっ!Σ( ̄□ ̄;)、おいおい何とタマザキゴウカン(アカハダノキ)は、石垣島と西表島に自生しているというじゃないか。
多分、フタオチョウは台湾から南西諸島沿いに分布を拡げていき、沖縄本島にまで達したのだろう。
だが、なぜだか他のところでは絶滅してしまい、食樹転換をした沖縄本島のものだけが生き残ったとゆう事か…。

いや、ちょい待ちーや。八重山諸島にも、まだフタオチョウが生き残ってる可能性だってあるかもしれないぞ。
開発が進んだ石垣島は、まあ有り得ないとしても、西表島は人跡未踏のジャングルだらけだ。どこか山奥で生き残っている可能性は無いとは言えないんじゃないか?
見つけたら、国内的には大発見だ。功名心がある人はトライしてみませう。ロマンでっせ。

次は、形態も違うと噂される幼虫を検証してみよう。
たしか『アジア産蝶類生活史図鑑』に台湾のフタオチョウの幼生期の写真が載っていた筈だ。早速、探してみる。

おうーっと、その前に言っとかなきゃなんねー。
えー、一般ピポー、特に女子はこの先閲覧注意です。
ハイ、もう間違いなく仰け反るであろうグロい芋虫さんが登場します。
( ̄ロ ̄lll)ゾワゾワされても、当方としては責任は持てませんからネ。ホント、知りませんからネ。
あっ、でもさー、意外と男子より女子の方が免疫力があるかもしんない。『あら、❤可愛いじゃないのよ。』などと云う前向きなコメントが発せられるとも限らん。その辺、女子の方が視野が広いというか、何でも可愛い化させてしまうのはお上手なのだ。

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

!Σ( ̄□ ̄;)うわっ、頭が邪悪じゃよ。
もうエイリアン。まるでプレデターだな。
あっ、そういえば昔、『エイリアンVSプレデター』という映画があったなあ…。
たしかプレデターの方が知能が高くて、エイリアンを狩る側なんだよね。そもそもシュワちゃんを窮地に陥れた強敵だもんね、強いわ。
こういうのを英語だと、ドラゴンヘッドと呼ぶらしい。プレデターの方がピッタリだと思うんだけど、プレデターを知らん人もおるもんなー。どう考えてもドラゴンの方が知名度が圧倒的に高いでしょう。仕方あるまい。

一応、プレデターの画像も添付しておきますか。
きっと、こういう寄り道ばっかしてるから、文章が長くなる原因になってんだろなあ…。
まっ、いっか。

【プレデター】
(出典『キャラネット』)

でも、これほど邪悪ではないよね。
見慣れると、イモムシさんも結構可愛く見えてきたりするものだ。

それはさておき、問題は日本のフタオチョウの幼虫である。探そうとも、幼虫の画像があんま無いのだ。

あっ、ラッキー(о´∀`о)
『イモムシ ハンドブック③』の表紙に、らしき姿があるじゃないか(上段の右端です)。

(出典『うみねこ通販』)

やったぜーd=(^o^)=b、これで簡単解決だ。
早速ページをめくる。

おっ、( ☆∀☆)あった、あった。

(出典『イモムシ ハンドブック③』)

あっ、体に帯が無い❗

いや待てよ。
でも、これってヒメフタオチョウの幼虫じゃないの❓
さっき見た『アジア産蝶類生活史図鑑』の台湾のフタオチョウの隣のヒメフタオの欄に、こんなのがいたような気がする。
だいち、どう見ても成虫写真が明らかにヒメフタオじゃないか。改めて、図鑑に記述されてる事が全て正しいワケではないと認識する。

『アジア産蝶類生活史図鑑』で、再び確認してみよう。

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

ほらあ~、やっぱそうじゃんかー❗
『イモムシハンドブック③』の監修者には御大・高橋真弓さんの名前もあったから、つい信用したけど、こりゃ間違いだね。出版社は、即刻なおされたし。

次に見つけたのが、蛭川憲男氏の『日本のチョウ 成虫・幼生図鑑』。

(出典『日本のチョウ 成虫・幼虫図鑑』)

画像、ちいせぇなあ。
あっ、でも全然台湾のとは違うぞ。
やっぱ、帯みたいなのが日本のフタオには無い❗
けど、画像が小さいだけに画質悪いよね。これも又、もしかしてヒメフタオと間違えてんでねえか?
黄色い側線が目立たないから、それは無いとは思うけど、この一点の写真だけでは何とも言えない。

そこで、💡ピコリーン。不意に記憶のシナプスが繋がった。たしか手代木さんがタテハチョウの幼虫図鑑を書いておられた記憶がある。それがたぶん中央図書館の蔵書にあった筈だ。

(^^)vありました。
飼育にはまるで興味が無いからサラッとしか見てなくて、うろ憶えだったけど、ちゃんとフタオチョウの幼虫の細密画がありました。

【終令(5令)幼虫】

【各令の顔面と卵】

【蛹】
(以上4点とも、手代木求『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑』)

やっぱり、幼虫に帯紋が無い❗

こうなると今度は逆に、もっと台湾のフタオチョウの幼虫の事を知りたくなってくる。
手代木さんで思い出した。そういえばここ最近、2016年に新著『世界のタテハチョウ図鑑』を上梓された筈だ。
勿論、そんな高い図鑑を持っているワケがない。
知りあいをあたって、見せてもらう。

(二点とも出典『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑』)

ほらほらあ~、全然違うじゃないかあー。
日本のフタオは帯紋ねえし、お顔の柄も全然違う。
卵の色だって、日本のは黄緑色だけど、台湾のは黄色い。面倒くさいので割愛したが、蛹もやや違う。
こりゃ、別種とするのも致し方ないところではある。それくらいに明らかな形態的差異はあると思う。

もっとも、個人的な種の概念としては微妙かも…。
さんざんぱら別種説で進めてきたにも拘わらず、言ってしまおう。本能的に、種として完全に分化する前の進化途中の段階、モラトリアムな状態にあると感じている。それが正直な見解なんだよね。

ここまで書いて、やっとネットで幼虫の写真が見っかった。
別にわざわざなんだけど、可愛いので添付。

(出典『(C)蝶の図鑑』)

それはそうと、フタオチョウの和名の方はどうなってんだ?
別種になったんだから、当然の事ながら和名も二つに分けなければならない。でないと区別できない。

でも日本の蝶愛好家だって、まだ多くの人が別種になったとは知らないようだ。その証拠にネット情報では、学名は以前のまま、和名も「フタオチョウ」のままだ。「オキナワフタオチョウ」とか「リュウキュウフタオチョウ」、「ニッポンフタオチョウ」とかの表記は見受けられない。
しかし、一つだけ別種として新学名に変えてあるサイトがあった。
『ぷてろんワールド』である。流石だねd=(^o^)=b

そこには和名も付けられてあった。
( ・∇・)ふむふむ。日本のフタオチョウは「フタオチョウ」、台湾やユーラシア大陸に棲むものは「タイリクフタオチョウ」となっておる。
えっ(;・ω・)❓、原名亜種は大陸にいる奴だから、そっちの方が本家本元だぞ。ならば、そっちを「フタオチョウ」とすべきで、日本のものは「ニッポンフタオチョウ」とかにするのが妥当なんじゃないの❓

でも、暫し考えて納得。日本では「フタオチョウ」という和名が既に浸透している。ならば、混乱を避ける為にそのままにしておく方が得策だろう。それに和名が新しくなれば、図鑑だって何だって今までの表記を全部変えなくてはならなくなる。これまた混乱が起きるし、無駄な労力を生じさせるだけだ。良い御判断だと思う。
しかし、「タイリクフタオチョウ」は一考の余地がありそうだ。台湾は大陸ではないし、大陸って何処の大陸やねん?とツッこむ輩もいるでしょうよ。
個人的には、ここはあえて無理に和名をつけなくてもいいんじゃないのと思う。もう「エウダミップスフタオチョウ」でエエのとちゃいまんのん。

あ~、ユーラシア大陸の原名亜種が出てきたから、コッチも説明せざるおえないじゃないか。これがまた、姿かたちが日本のフタオや台湾のフタオとは全然違うのである。

【Polyura eudamippus nigrobasalis 】
(2011.4.1 Laos Tadxaywaterfall)

だから、ここからが更にややこしい話になってくるんだよなあ…。

オダ、オダ、もうダメだあ~o(T□T)o
ここで再び力尽きる。

これ以上、迷宮にいると危険だ。
脳ミソ、グシャグシャなのである。精神の崩壊も近い。
ここは一旦、『待避~❗、待避~❗全軍撤退❗❗』

というワケなので、部隊を立て直してまた戻ってきます。

                  つづく

追伸
すんません。また頓挫です。

それはさておき、このあと今日(1月2日)午後2時から何とBSーTBSで映画『プレデター』を放映するじゃないか。
いやはや、何というグッドタイミングだ。面白い映画なので、暇な人は見ませう。

2017 年越し蕎麦

記念すべきブログ100回目は『エウダミップスの迷宮』の予定でしたが、3分の2を書いたところで断念っす。
次々と疑問が出てきて、どんどん長くなっていき、まさに迷宮に迷いこんでしまったのれす。
と云うワケで急遽、記事差し替えです。

いつもは、ちゃんとビシッと年越し蕎麦をつくるのだが、今回はコレ。

『日清のどん兵衛 天ぷらそば』である。
『エウダミップスの迷宮』に時間をとられたワケでもなく、又しても『逃げ恥(逃げる恥だが役に立つ)』の再放送に魅入ってしまい、大掃除の終了が大幅にズレこんだせいでもない。

単にCMの吉岡里帆ちゃんが可愛い過ぎるからである。
あのCMのシチュエーション、堪んないよね。おいちゃん、もうギュッとしたくなるよ(´∀`)
(
≧∀≦*)星野源、羨ましいー。
クッソー、逃げ恥でもガッキー(新垣結衣)が相手役なんだから、何だそれ(# ̄З ̄)❓って感じだ。
まあ、所詮はフィクションだし、星野源は嫌いじゃないから許すけどさ。

とにかく、その吉岡里帆ちゃんがパッケージに印刷されているのである。オジサン、年甲斐もなく思わず買っちやったよ。

まあ、てなワケなんである。
でも、どん兵衛は久し振りだし、それなりに楽しみではある。

おっ、安室ちゃんが紅白に出とる!
珍しく今回は紅白を見てるのだ。
ガキの使いの笑ってはいけない…は、今年は録画しているのだ。

熱湯を注いで3分待つのらー。
お手軽じゃのぅ~(・。・;

まあ、せめてネギくらいは切ってやるか…。

天ぷらを乗せて出来上がり~。
後乗せサクサクじゃあ~。

食う。
あっ、(о´∀`о)旨いわ。全然OKやんか。
わざわざ生蕎麦買ってきて作ったのと、そう変わらんかもしんない。
天ぷらがいつまでもサクサクというのもよろしい。
さすがだよ。やっぱ長年庶民に愛されてきただけの事はあるよね。

来年も、どん兵衛でもいいかもしんないなあ…。

皆さん、良いお年を。

 
                  おしまい

続々・難民、天王寺界隈を徘徊す。

動物園のあとは新世界へ。
姉さんがあまり来た事がないとおっしゃるので、御案内申し上げることにした。
いざ、ディープ大阪へ。

それにしても、新世界も随分と変わったものだ。
けっこう観光客も多いし、禍々(まがまが)しい雰囲気はかなり薄まっている。時代の流れを感じるよ。

そういえば、昔は天王寺側に動物園の入口ゲートは無く、新世界側にしか無かったんだよね。
あの時代の地下鉄動物園前駅から動物園入口までのアプローチは、子供心にもスリルがあった。今では考えられないくらいに治安が悪かったのだ。
靴を片っぽ履いてない爺さんとか、シャブ中らしき挙動不審のオッサンや兇眼のヤンキー兄ちゃん等々の一癖もふた癖もある人々が自由に闊歩されていたのだ…。あの肌がピリピリするくらいの緊張感は忘れ難い。

思い出したよ。中学生時代には新世界に行く時の標語があったワ。

『ちよっと待て。その一言が命取り』

これは、新世界を歩いている時に背後から声をかけられたら、後ろを振り返らずに全速力で走れという意味だ。声をかけられたら、だいたいは因縁つけられてシバかれるか、カツアゲにあうと云うのがお決まりの基本コース。
もうロクな事がないんである。待ってる猶予など無い。それこそ命取りなのだ。

新世界の奥の飛田新地や釜ケ崎(あいりん地区)とかは、もっとディープである。飛田新地はタイムスリップしたような遊廓地帯。釜ケ崎なんかは、それはそれは恐ろしくて背中の毛が逆立つところでしたなあ。
そういえば東京の友達(カメラマン)を案内した事があったけど、そいつはインドのカルカッタ(コルカタ)のスラム街なみやなと呟いてたっけ。世界の色んな危険地帯を旅してきた男が言うんだから、その緊迫度は言わずもがなである(最近はそうでもないらしいけど)。

でも、街には猥雑感と独特の温もりみたいなものもあって、決して新世界は嫌いじゃなかった。
一番大阪らしい街と言えば、新世界なのだ。でもって、日本もアジアなのだと実感できる数少ない場所でもある。何てたって、作家・群ようこの『アジアふむふむ紀行』の最終回は新世界なのだ。

昔ほどではないが、昭和の町の香りがまだまだ残っている。
射的場もあるし(最近復活した)、レトロな喫茶店や将棋・囲碁場もある。朝からやってる立ち呑み屋も昭和の猥雑そのままだ。

それらを姉さんにザッと御案内申し上げ、懐かしのスマートボール場に潜入する。

昔は祭りの夜店なんかによくあったよね。
店内は予想以上に盛況で、辛うじて2席を確保。

ルールは玉を穴に入れる単純なものだが、これがやり始めると真剣になる。
だが、姉さんにレクチャーするも、教えた本人があえなく撃沈。姉さんもソッコー撃沈。
何か腹立つし、これでは店に入った意味がない。全然、姉さんを楽しませられてないじゃないか。
で、姉さんにもうワンゲームさせて、フォローに専念する。

姉さん、スゴい❗
じゃんじゃん穴に入って、上からジャラジャラと白玉が出てきよった。興奮するね。こんだけ出まくりなのは初めてじゃないか❓
思わずプレーを中断させて、二人して玉の数を数える。参謀は冷静沈着なのだ。
いつも、そこそこ玉が貯まっていても景品に交換する事なく、調子ブッこいて結局は玉を全部浪費してスッカラカンになるのだ。毎回、結局は店の思う壺なのである。

おーっ( ☆∀☆)、玉は丁度100個あるじゃないか❗
こんな機会、初めてだ。姉さんに半ば強引にブツに交換する事を薦める。ギャンブルは引き際が肝腎。満足して帰って戴くには、これが最良の方法なのだ。

そして、姉さんが選んだのがコレ。

(出典『楽天』)

姉さんに画像を送って貰っていたのだが、時間が経ってて、LINEの画像が取り出せなくった。で、仕方なく楽天からパクらせてもらった。

限定デカぼんち揚げである。けっこう大きな箱だから、他人の戦利品であっても何だか嬉しい。
しかし、楽天のページを見て気づいた。勝手に箱の中には超巨大なぼんち揚げが1個でーんと入ってるとばかり思っていた。だが、どうやらそうではなくて、普通サイズのぼんち揚げが沢山入ってるだけみたい。なんか、夢がないのぉー。

(画像は別な日のもの)

夕暮れが始まった中、通天閣の足もとにある♨銭湯へと向かう。通の風呂好きは、ベタなスパワールドなんかには行かないのだ。

『新世界ラジウム温泉』。
こんなとこに銭湯がある事を知る人は少ない。ナビゲーターの面目躍如である。ここの銭湯は、露天風呂から通天閣がのぞめるのだ。体に紋々が入っているお方が複数いらっしやったが、最高だぜ。

風呂から上がると、すっかり日が暮れていた。
新しくリニューアルされた通天閣のイルミネーションが素敵だ。

取り敢えず、コンビニでビールを買う。

(σ≧▽≦)σぷしゅー、いやはや風呂あがりのビールの美味いこと、美味いこと(^o^)v

さあ、美味い寿司でも食おう。
さらば、天王寺界隈。
酒ばかボニー&クライドは、勇躍、恵美須町をミナミへ向かって歩き始めた。

                 おしまい

追伸
ようやくブログも99回まで来た。
連載100回を目指して頑張るじょー。