刺身の切れっ端で海鮮丼🎵

  
刺身の切れっ端の寄せ集めを買う。
値段は298円。鮮度が良さそうだし、量も多いから買った。
量が多いゆえ、最初は酒のツマミとして刺身で食う事にした。

 

 
中トロ、サーモン、イカ(たぶん剣先イカ)、タコまでは確実に分かるが、白身は鯛以外はようワカラン。でもコリコリで脂の強い部分があったので、そやつはシマアジだと思われる。カンパチも考えられなくもないが、歯応え、味、見た目等から鑑みればシマアジに間違いなかろう。

寿司酢は自分で作ってみた。適当にググってみて、ご飯1合に対して酢20ml、砂糖大さじ1、塩小さじ1に、昆布の顆粒だしを適当に加えて混ぜた。
けど味見したら、かなり甘い気がする。
まっ、いっか…。

でも御飯にそのまま混ぜたら、ゲッ、クソ甘い❗
やっちまった感、満載である。
けど、刺身と一緒に食ったら案外何とかなるかもしれない。
というワケで、予定してい錦糸玉子はパス。甘くない錦糸玉子でもよかったんだけど、作った事がなかったからやめといた。
取り敢えず、バランスをとるために白胡麻をご飯に混ぜ合わせる。これで何とかならなかったら、海鮮丼はやめにして、御飯を雑炊にするとか別な方向で何とかしよう。ダメなもんはダメだからね。意地とかで深追いしてもロクな事ないのだ。

 

 
(≧▽≦)う〜ん、何かエロいねっ。官能的な色艶だ。
この見た目で、酢飯のせいで不味かったらヘコむなあ(´ε` )

海苔も乗っけようと思ったが、すぐに湿気るのでやめておくことにした。ガス火で炙り、別添えにする。

 

 
皿に小分けにして、醤油をチビッとかけて海苔を巻いて食べる。
パリッパリッの海苔の食感と磯の香りのあとに、魚の脂と旨味が追いかけてくる。そして最後に胡麻の香りが鼻腔をふわっと抜けてゆく。
白胡麻、大正解だったわ。お陰なのか甘い酢飯も何故か甘く感じなくて、何だか丁度いい具合になった。

旨すぎて飯1合分を一挙に食いきっちゃったよ。
しかも原価は400円くらいだから、至極満足(´ω`)

                        おしまい

 
 

=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)悪魔の毒々紫高菜

 
高島屋で高菜(たかな)が売ってたので買った。
値段は198円だったっけかな。
普段なら間違いなく浅漬けにするのだが、この日は何を思ったか半分をお浸しにすることにした。

 

 
普通のお浸しみたく鰹節を乗っけ、醤油をかけて食う。
(°o°)レレレ❓辛くない。タカナといえば芥子菜の変種だから当然辛いかと思いきや、普通のアブラナ系野菜のお浸しと変わらんぞなもし。(・o・)何で❓

そういや茹でた時に汁の色が変わって、\(◎o◎)/おったまげーでメタクソ驚いたんだよねー。

 

 
何と青色じゃよ、青色。悪魔の毒々モンスターかよ(@_@)
漬物にすると赤紫色の汁が出るとは知ってたけど、まさか茹でると青になるとはね。およそ考えもしない事だったので、高菜がグレて何某(なにがし)かの叛乱を起こして、体から毒液を排出して悶絶死したのやもしれぬと思って(゜o゜;ビビったよ。
でも、もしかしてこの青いのが辛味成分なのかもしんない。
いや、高菜といってもコレは紫高菜といい、葉の表側が濃い紫色だから、その色素が溶け出したのに違いあんめぇ。辛味成分じゃなかろう。

 

 
仕方なく辛子を混ぜて、別な器に盛りなおしましたよ。
うーん、コレコレ(≧▽≦)。味はコレで良し。鼻からツンとした辛味が抜けてく感じが良ろしおますわ。
でも辛い成分をわざわざ抜いといて、再び辛い成分を入れるってのは、どーよ。どう仕様もなくヌケ作の人みたいな気がして何かガックシだよ。

ふと、あの青い茹で汁で米を炊いたら、どうなるかと思った。
いかん、いかん。また変なことを考えだしてるぞ。そうゆうロクでもない考えが人生をダメにしとるのだ。

 

 
思い立ったが吉日。やってみた。
(≧▽≦)アホは懲りないねぇー。学習能力が圧倒的に低いアーパーに付ける薬はなどないのだ。
((o(´∀`)o))ワクワク。どうなるか、ちょっと怖いねぇ。

 

 
真っ青な飯が炊き上がるんではないかとビビっていたが、淡い藤色になった。ε-(´∀`*)ホッとしたような、(´・ω・`)ガッカリのような複雑な気分。

味は塩が入ってるから微妙に白飯とは違うが、概ね平和な味だ。これまた、残念なような安堵なような複雑な気分。

それをコリアンタウンの御幸通り商店街で買ったチャンジャと韓国海苔で巻いて食った。

 

 
普通に旨い。
っていうか、飯とチャンジャと韓国海苔の組み合わせは最高じゃよ。タラの胃袋なんぞをキムチにしようとした人は、どう考えても変態だな。

高菜の残り半分は通常通りの漬物、浅漬けにする事にした。
高菜を野沢菜みたくザクに切って、ビニール袋に入れ、塩、鷹の爪、顆粒の昆布だしの素を入れてモミモミして、冷蔵庫に入れて一晩おいて完成。
これで2週間以上はもつ。更に時間をかけて発酵させたら、いわゆる皆が知ってる黄色っぽい高菜漬けになるのかな❓

 

 
(・∀・)うむ。これじゃよ、コレ。いい感じにピリリと辛い。
そのまま酒のツマミにもなるが、やはり一番合うのは白飯。なんぼでも米が食える代物だ。

とはいえ、ずっと漬物を食ってるワケにもいかぬ。
1/3量ほど食って、そこに捨てる筈だった大根の皮とかヘタとかを入れてみた。
したら、こないな風になった。

 

 
大根が紫色に染まりよったー。
(. ❛ ᴗ ❛.)何だか楽しい。あー、誰かに黙って出したい。そして反応を見たい。『コレ、何やと思うー❓』とかもしたり顔で言いたい。でもって、感想も聞きたいよー。

残った汁に又しても大根の捨てる部分をブチ込んで、最後まで食いきってやった。

 

 
大根に少し辛味が入って、クセになる味だよなあ。してからにパリポリ太郎だな、この歯応えがいいね。酒のアテにもなる。

「この歯応えがいいね。」とキミが言ったから
一月六日はパリポリ記念日

(´ε` )あ〜あ、ついパリポリ気分に浮かれてしまい、俵万智の『サラダ記念日』をモジって詠じてしまったなりよ。
ダサいし、何よりネタが古過ぎるわ。
誤魔化そう。兎にも角にも、高菜を見つけたら買いでっせ、奥さん。

一応、例の如く「高菜」について解説しておこう。

 

(出典『やさい❋くだもの図鑑』)

 
タカナ(高菜)はアブラナ科アブラナ属の一年草で、カラシナ(辛子菜、芥子菜)の変種。主に西日本ではタカナ、関東ではカラシナと呼ばれることが多く、異称に江戸菜(えどな)がある。因みに近縁の野菜は、コマツナとカツオナなんだそうな。

中央アジアが原産と言われ、日本には中国を経由して九州から入ってきたとされる。その後、各地に広まり、平安時代には既に栽培されていたとされるほど古くから日本に定着していた野菜である。
かつては九州から近畿あたりまで広く栽培されてた時期もあったようだが、現在では主に九州各地で作られている。特に熊本県阿蘇地方(阿蘇高菜)や福岡県筑後地方(三池高菜)での栽培が盛んである。

からし菜よりも葉が大きく厚いのが特徴で、前述したが塩漬けにして乳酸発酵させた「高菜漬」が有名。
尚、外側の大きな葉はやや固いが、内側の葉や茎は柔らかくて辛味があり、生のまま食べることも出来る。たぶん「わさび菜」として売られているものは、高菜もしくは芥子菜の変種であろう。
品種や栽培方法によって変化するが、この辛みの成分はマスタードと同じイソチオシアン酸アリルで、種類によっては種子が和がらしの原料にもなっている。

カラシナ類には多くの種類があり、緑色のものは「青高菜」、赤紫色のものは「紫高菜」と呼ばれる。この赤紫の成分はアントシアニンである。他に長崎県雲仙市吾妻町で栽培される「雲仙こぶ高菜」などがある。

いずれも主に漬け物にされることが多く、野沢菜や広島菜と並んで日本の三大漬物の一つとされている。
旬は12月から3月の冬から春にかけて。だから、今の時期が旬でやんす。

今度は発酵した高菜漬けを作ってみよっかなあ…。

                        おしまい

 
追伸
高菜は関西ではあまり見かけない野菜だけど、大阪高島屋には季節になると必ず売ってる。安定的に入荷しているようだから、確実に購入したい人は行きなはれ。但し、絶対に売っているとは保障できないから、売ってなくても知らんからね。責任持ちません。どうしてもという人は電話して取り置きしてもらってから出掛けましょうね。

 

アーリオ・オーリオ・浅蜊と萵苣のパスタ

 
冷蔵庫と冷凍庫の残り物を処理していかねばならぬ。
アホな性格なので、スーパーに行くと冷蔵庫の中にあるものを忘れて、つい要らぬものを買ってしまう。で、冷蔵庫が食材で溢れてゆくのである。
なので、気がつけば食材が傷み始めている事が多い。これは多分、完全にオカンの遺伝だろう。オカンもよく古い食材を無視して買物してたから、冷蔵庫の奥から衝撃の形態の食材が発掘されてたからね。で、当然の事ながら廃棄される。
しかし、オカンと違うのはオトンのセコい遺伝子も受け継いでいるという事だ。オヤジはアッシがトイレに行ってるすきに部屋の電気を消して回るような過度なミミッちい精神をもっていた。自分はそこまで酷くはないが、その遺伝子もあるから、つい捨てずに何とかしようと思ってしまうのである。もう毎日が、賞味期限&消費期限という名の食材と時間との戦いである。

今回はそれほど酷い状態ではなかったが、冷蔵庫で萵苣(レタス)が一部茶色に変色しつつあった。そして浅蜊は冷凍庫で3か月、いや半年近く放置されていた。取り敢えず、この2つが当面のところ最も早急に消費せねばならぬものたちだ。

はてさて、どうしたものか(-_-;)❓
頭に浮かんだのは浅蜊とキャベツとアンチョビのパスタだ。そこにニンニクと鷹の爪を加えれば、間違いなく旨いからね。ようはキャベツをレタスで代用できないかと考えたのだ。しかし冷蔵庫で5年間鎮座していたアンチョビは、こないだ使い切っちゃったからない。
まあ、何とかなるっしょ。

フライパンに浅蜊を入れて、半解凍になったところで、ニンニク2片分をスライスする。このニンニクも剥き身で大量に安く売っていたので、つい買ってしまったものだ。それをオリーブオイルに漬けて保存していたものだが、これとて3ヶ月以上は経っているから褒められたものではない。
鷹の爪も入れる。鷹の爪は乾燥品だから、これは特に問題ないだろう。

パスタが茹で上がる4分前から、オリーブオイルと浅蜊、ニンニク、鷹の爪の入ったフライパンを火にかける。
火は弱火である。これはオイルにニンニクの香りを移すためである。パスタのニンニクをカリカリにしてしまうのは日本だけだ。それはそれで料理によっては有りなのだが、この場合は苦味が油に移ってしまうからヨロシクないのねんのねん。

パスタを表示茹で時間の2分前にフライパンに移す。同時にパスタの茹で汁をテキトーに加え、レタスもブチ込む。で、塩と昆布の顆粒だしで味付けする。昆布だしを入れたのは、アンチョビの代わりの旨味成分になるんじゃないかと思ったのだ。
途中でオリーブオイルを少し垂らして混ぜ合わせ、乳化させたら完成。

 

 
(☆▽☆)バチ旨やんけ❗
自慢じゃないが、めちゃんこ美味い。昆布だしのおかけで旨味は申し分ないし、レタスのシャキシャキ感がアクセントになってて、頗るヨロシイ。下手したらキャベツよか良い仕事をしてるかもしんない。
コレ、簡単だし作ってミソ。料理下手の若い子でも楽勝で出来ると思うよん♥️

ちなみに料理名をペペロンチーノではなく、アーリオ・オーリオとしたのには意味がある。
薀蓄をひけらかしちゃうと、日本でも今や定番のペペロンチーノの正式名称は「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」。イタリア語でアーリオはニンニク、オーリオは油、ペペロンチーノはトウガラシを意味し、塩ゆでしたスパゲティをニンニクとオリーブオイルだけで調味したものに唐辛子を加えたものだ。そして、日本では唐辛子入りのレシピが最初に紹介されたために、いつしか「ペペロンチーノ」と略して呼ばれるのが当たり前のようになった。
しかし諸外国では、この「ペペロンチーノ」という略称は全く通用しない。なぜなら、あくまでもアーリオ・オーリオのバリエーションの一つとして捉えられているにすぎないからだ。つまり、略し方としては正しくないとゆうことだ。「アーリオ・オーリオ」と略す方がまだしも正しい。
補足しておくと、アーリオ・オーリオはイタリアを始めとする欧米では料理の範疇には入らない簡易な軽食という認識があり、和食に例えれば「塩むすび」のような扱いみたいだ。なので、レストランのメニューとして並ぶ事は殆んどないそうだ。
実際、自分もバイクでイタリアの西の国境から入り、トリノ、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ナポリと主要な都市を駆け抜けてギリシャへと渡ったが、その3週間くらいの間でメニューに載っているのを見たことは一度たりともない。
日本って極東だから、間違って伝わるものも多い。例えばスパゲッティをスプーンとフォークで上品ぶって食べる女子は多いが、これとてイタリア本国では子供しか、そうゆう食べ方はしない。ようはチャイルドはスパゲッティを上手く食べられないから、そうゆう食べ方が許されてるってワケ。だから大人がそうゆう食べ方をすると、お子チャマだと笑われるのだ。

そういえばニンニクをカリカリに焼くという調理法は、イタリアの一部に逆輸入しているみたいだすよ。
日本では、良いも悪いも何かと極端に独自進化してしまう。古くは天ぷらとかカレー、豚カツ、コロッケ、オムライスも日本で独自進化して別な料理になったものだ。外国には、これらの起源となったものはあるものの、そのものの料理はない。
近いところでは明太子スパゲッティなど和風パスタもそうだし、ラーメンもそうだろう。照り焼きバーガーやライスバーガーも独自進化したもので、逆に海外で定番になってたりする。
食べ物以外でもそうゆうものが多いから、どうやら大概のモノが日本に入ってきたらメタモルフォーゼしてガラパゴス化するのだろう。
面白いから、まあそれはそれでいいとは思うけどね。

                        おしまい

 
追伸 
ちなみにレタスのことを昔の日本では、萵苣と書いて「ちしゃ」と呼んでいた。
「萵」は中国語で古代の国名を表していて、「苣」は葉っぱを意味している。つまり「萵苣」とは「古代の萵という国が原産の葉っぱ」という意味。
萵苣は中国語読みではワキョと読み、日本ではこの漢字をチサ・チシャと読んでいたそうだ。これはレタスを切ったときに出る粘り気のある白い液体のことを表している。由来は「乳草」で、ちちくさ→ちさ(ちしゃ)と変化した読み方なんだそうだ。つまりは「萵の国の葉っぱ」という意味の漢字に「乳草」を表す「ちさ(ちしゃ)」という読みが付加されたものが萵苣って事みたい。
ちなみにレタス(lettuce)の語源は牛乳を表す「Lac」というラテン語からの来歴なので、日本でもヨーロッパでもレタスの呼び名は切ったときに出る白い液体が共通の由来のようだ。
そういや、この乳液には麻薬成分が入っていて、レンチンしたものを「レタス・オピウム」といって、一部のジャンキーが合法ドラッグとして愛用していると何かの本で読んだ事がある。オピウムは「阿片」のことだから、幸せダウナーになるのかなあ❓
やんないけどさ。

 
 

2019年の空たち 夏・秋冬編

 
前回の続き夏・秋冬編である。

 

 
6月9日。
生駒山地・枚岡展望台からの空だ。
多分この日はフシキキシタバ(註1)を採りに来たのだろう。

 
 

 
6月29日。
戒壇院側から見た奈良・東大寺。
空は曇っているが、巨大なる東大寺の圧倒的存在感の前には関係ござらん。裏やサイドに回ると人も少ないので、その存在感に浸れるからお薦めでやんす。

 
 

 
7月4日。
三重県熊野市のとある場所に灯火採集に行った。
天気予報では曇り時々小雨と云う絶好のコンディションだったが、途中から月が出てきて惨敗。
同行の小太郎くんには「もー、こんなところでスーパー晴れ男の力を発揮しないで下さいよー(・3・)」と言われたよ。
恨めしい空だったが、山奥で見る月は幻想的で美しかった。

 
 

 
7月20日。
近鉄奈良駅を出ると物凄い夕暮れになっていた。
今年一番の夕暮れは❓と尋ねられれば、即座にこの日の凄惨なまでに美しい空を挙げるだろう。

 
 

 
8月1日。
神戸市須磨区。
海と空のある風景は心のオアシスだ。いつだって心が和む。

 

 
クロシオキシタバ(註2)詣も三年目に入った。
でも何故か1頭も現れず、神戸の夜景が慰めてくれたんだったね。

 

 
8月9日。
長野県開田高原。神々しいまでの荘厳な空だった。
巨大な雲の建築物から幾つもの天国への階段が架けられている。
レンブラント光線は、誰しもの心を洗う。

 
 

 
8月18日。
大阪・難波界隈。黄色と青のコントラストが美しい。

 
 

 
8月27日。
難波界隈。
この、夜の帳が下りるまでの僅かな時間の空の色が好きだ。
淡い青の透明感が心をスーッと楽にさせてくれるのだ。

 
 

 
9月3日。
難波界隈。
夕暮れは快晴よりも適度に雲がある方が美しい。光を反射した雲が様々な色に染まるからだ。

 
 

 
9月6日。
長野県松本市・新島々駅前近く。スイカおやじが青空にすっくと立つ姿にフッと笑みがこぼれた。

 
 

 
空が強烈に青い。

 

 
そこから島々谷へと移動した。往年の蝶の名産地だ。蝶採りを始めて間もない頃はよく訪れたものだ。ここで初めて憧れのキベリタテハを採ったんだよね。

 
【キベリタテハ】

(2009.9月)

 
そういえばシータテハやツマジロウラジャノメ、カラスシジミなんかも此処で初めて採った。
だが人が入らないせいか、道は荒れている。キベリタテハもシータテハの姿もなかった。ただ、ただ青と緑が眩しかった。

 

 
さらに乗鞍高原へと移動。
いつの間にか青空は消え、空は曇に包まれていた。
女郎花(オミナエシ)の花が、時折風に揺れていた。
まあ、お陰で目的のムラサキシタバ(註3)も採れたけどね。小太郎くんに言われたから日中は晴れ男パワーを発揮し、夕方から曇を願うようにしたら、最近はその通りになるようになってきた。天気をコントロールできる男なのだ(笑)。
我ながら不遜な物言いだよなあ…。まあ、偶々だとは思うけどね。

 
 

 
9月13日。難波界隈。
壮絶な夕暮れだ。夏から秋へと移る頃の空が一番ダイナミックなような気がする。

 

 
10月1日。
難波界隈。この日は十五夜。
月を見るのは好きだ。
空を眺めることを忘れない人でありたいと思う。

 
 

 
10月31日。
堀江界隈。近所に住むサッちゃんと公園で酒盛りしてた。
ベンチから、ふと見上げると藤棚の上に月が出ていた。

 
 

 
11月9日。
難波界隈。何となく綺麗な夕空が見られるのではないかと思って見晴らしが比較的良い場所まで来たが、どって事なかった。
今日はキレイなんじゃないかと思っても、雲の動きは刻々と変わってゆくので、おいそれとは簡単には読めないのだ。
綺麗な夕日と会えるのはタイミングであり、偶然だと思うからこそ、有り難い気持ちになるのかもしれない。

 
 

 
12月2日。
桜ノ宮駅界隈。皇帝ダリアが凛々しく咲いていた。いい具合に電車も走ってきたので、パチリ。
空気が冷えてきたせいか、空はキリッと締まっている。

この日は遅ればせながら、クロマダラソテツシジミ(註4)の低温期型を探しに行った。しかも難波からママチャリで。
食害の痕跡は沢山あったが、蝶の姿は無かった。

 

 
中之島中央公会堂。
そのまま大川沿いに走ってきたら、突然出てきたので驚く。この位置から公会堂を見るのは初めてかもしれない。

 
 

 
12月5日。
大阪市生野区御幸通り商店街。初冬の青空は高い。
この日もクロマダラソテツシジミ探し。またチャリで今度は八尾まで行った。桜ノ宮でも難波からそれなりの距離があるが、八尾までとなると、もうサイクリングの域だ。
しかし食害痕は沢山あるものの、やはり姿なし。
その帰りにコリアンタウンの御幸通り商店街に寄ったのだ。
通りはコロナなんか関係ないと云うくらいに人でごった返していた。しかも大半は女性。年齢も十代と思われる娘からオバサンまでと幅広い。

 

 
何でかというと、どうやら韓流ドラマの大ヒット作『愛の不時着』の影響らしい。15年程前だろうか、当時の彼女と訪れた時は寂れた商店街だったのにね。
そういやキムチを買おうとして、量が多いから半分にしてくれとお頼み申したら、韓国人のオバハンに物凄い剣幕でメチャクチャ叱られた。半分だと❗❓、てめぇフザけんじゃねぇよ❗❗みたいな感じで烈火の如く💢キレられたのだ。こっちは客なのに何でそこまで怒られてるのかワカンなくて、マジで涙が目の端に溜まったよ。たぶん今まで女性に此処までボロカスに叱られた事が無かったからだろう。その後、今の今まであんなに叱られたことは無い。
でもって結局、白菜丸々1個のキムチを買わされて帰った。
まあ、でもそのキムチが人生で一番旨いと思ったキムチかもしれない。だから、それほど嫌な思い出ではない。

                        おしまい

 
追伸
そして、前編冒頭の画像へと続く。

 

 
空が写ってる写真なんて、そんなに多くはないと思ってたが、意外と多かったので2回に分けた。

この後、一部を除き消去したが、はたして供養になったのだろうか…。

 
(註1)フシキキシタバ

(2019.6 )

和名は最初に富山県伏木で採集された事に由来する。昔は大珍品だったが、灯火にはあまり誘引されず、樹液に集まる事が分かってからは、それほど珍しいものではない事が判明した。
価値は下がっても、鮮やかなオレンジ色の領域が広くてキシタバ類屈指の美しい種だと思う。
詳細は当ブログのカトカラ元年シリーズの記念すべき第一作『不思議のフシキくん』と、その続編に書いてあります。

 
(註2)クロシオキシタバ

【♂】

(2018.7月 神戸市)

主に西日本の沿岸部に生息する。
拙ブログに『落武者源平合戦』と、その続篇『絶叫、発狂、六甲山中闇物語』があります。

 
(註3)ムラサキシタバ

【♂】

(2019.9月 松本市)

主に東日本の標高千メートル前後以上に見られる美麗蛾。
大型で且つ美しく、そこそこ珍しいので人気が高い。関西では極く一部にしか生息してないので、より憧れ度は強い。
そのせいか当ブログではムラサキシタバについては『2018’カトカラ元年 プロローグ』『2019’紫への道』『憤激の蒼き焔(ほのお)』『パープルレイン』『紫の肖像』と5篇も書いた。

 
(註4)クロマダラソテツシジミ

【低温期型♀】

(2018年 和歌山県白浜)

本来は日本には生息していなかった蝶だが、2000年代に入ってから台湾かフィリピン辺りから沖縄に飛んで来て爆発的に増え、本土でも珠に発生するようになった。しかし関西では寒さに耐えきれず、冬を越せずに死滅する。

アメブロの方の「蝶に魅せられた旅人」に『2016’ツマグロキチョウとクロマダラソテツシジミ』と題して書いた。

 

2019年の空たち 冬・春編

 
空を見るのが好きだ。

 

 
画像は去年の師走、12月17日に撮ったものだ。
ドン突きまで並ぶ雲に奥行きがあって、モノ凄い遠近感を感じたので、つい撮ってしまったのだ。

でも、スマホのストレージが溜まってきたので、そろそろ消去しなければならない。しかし、このまま日の目を見ずに此の世から人知れず永遠に消えてしまうには忍びない画像だ。そこで去年に撮った空の写真を纏めてアップしてから消すことにした。

 

 
2019年、最初に撮った空だ。
紅梅が晩冬の空の下、凛と咲いている。

日付は2月23日になっている。昔の彼女と久し振りに会って、天下茶屋から昭和町まで歩いた時に撮ったものだ。たぶん途中の公園で咲いてた紅梅が美しかったから撮ったと記憶してる。
その後すぐ、何故かアチキは突発的に布施明の『シクラメンのかほり』を歌いたくなって、アカペラで情感たっぷりで熱唱。元カノに脱力で笑われた。

 
 

 
4月3日。
青春18切符の旅が、また始まった。
福井県南越前町まで足を伸ばす。

 

 
天気は良好。ぽかぽか陽気の中で、ギフチョウたちが沢山舞っていた。

 

 
スプリング・エフェメラル。春だけに現れる妖精だ。
毎年のように会っているが、最初の1頭には毎回ハッとさせられる。忘れているワケではないが、改めてその美しさに心奪われるのだ。

 

 
敦賀まで戻り、寂れた歓楽街を彷徨う。
人影は無く、時間の流れが止まったかのようだ。空には一点の雲も無いので余計にそう感じる。動くものが何もないのだ。

 

 
氣比神宮の鳥居の向こうに、空も石畳もトパーズ色に染めて夕陽が沈んでゆく。

 

 
敦賀駅まで戻ってきたら、喫茶店のスピーカーからボズ・スキャッグスの名曲『ウィ・アー・オール・アローン』が流れてきた。

 

(※画像をタップすると曲が流れますよ〜ん。)

 
あまりにも曲と夕景とがピッタリで泣きそうになった。
我々は皆、所詮は一人ぼっちなのだ。

 
 
4月6日。
青春18切符 ONEDAYトリップの2日めは、武田尾方面のギフチョウに会いに行った。

 

 
空の青とピンク色の花とのコントラストが美しい。
大きな木ではないが、やはり枝垂れ桜は華やかだ。正直、ソメイヨシノよりも綺麗だと思う。
そういや、去年は紅枝垂桜を見てない。たぶんコロナウィルスのせいだな。山なら人と接触することは少ないけれど、シダレザクラで有名な平安神宮なんかだと、そうともゆかぬ。で、断念。
ベニシダレザクラ、見たかったなあ…。だって桜の中では圧倒的にゴージャスだからね。
今年は何とか行ければいいけど…。

この日は、一旦武田尾から離れて夜にまた舞い戻ってきた。 
何でかっつーと、春の三大蛾(註1)がいないかなあと思ったのだ。

 

 
天気予報は夜には曇ってくると云うことだったが、夜遅くになっても、あいにく夜空には満月。
虫たちは晴れの日よりも曇りや小雨の日に灯火に飛来する事が多いと言われている。月の光が邪魔なのだ。だから満月の月夜は最悪のコンディションとなる。
結局、どれ1つとして目的の面々とは会えなかった。
まあいい。春のちょっと肌寒い夜空に浮かぶ朧月(おほろづき)は美しい。ことに満開の桜の夜ならば、尚の事だ。考えてみれば、極上の月見ではある。

 

 
真っ黒な夜空の下で咲く桜は、いつ見ても妖艶だ。暗い想念が仄かに蠢く。

 
 

 
4月7日。
ちょっと悔しいので、翌日には箕面を訪れた。

天気予報は今宵もハズレ、満月が昇ってきた。
まだ芽吹いていない裸木の枝が、月をより美しく見せている。
だが、当然ながら結果は又しても惨敗だった。

 
 

 
4月8日。
青春18切符の旅、3日目である。
行先は兵庫県西脇市。又してもギフチョウに会うためだった。
蝶好きのギフチョウ愛は強く、ワシなんぞはギフチョウ愛が足りないと言われるクチだが、それでも、それなりにギフチョウ愛はちゃんとある。特別な蝶の一つではあるのだ。

この日も快晴。でも春特有の霞が掛かったような空だった。
そういや、雲雀(ヒバリ)が喧しく歌いながら天高く飛んでいったのを思い出したよ。しみじみ春だなあと思った。
こうゆう時は、横に誰か女性が居て、互いに黙して風景を見ていたいものだと思う。

 

 
乗り降り自由の切符だからアチコチ回って、最後に桜ノ宮で夜桜を見てから帰った。

黄昏どきの桜も美しい。
青の色を失いつつある空が、心をゆらゆらと揺らす。

 
 

 
4月12日。
青春18切符の旅の最終日は、和歌山へと向かった。
先ずは道成寺駅で下車。

 

 
この日の空は澄んだ青だった。
雲も白い。

 

 
田辺へと向かう車窓に突然、空と海とが飛び込んできた。
フレームの中で青と青が、せめぎ合う。
けれど春の空も春の海も、どこか優しい。やわらかな陽射しの中で、たゆたっている。

田辺の街をぶらぶらと歩く。

 

 
南方熊楠顕彰館の隣にある旧熊楠邸では、ミツバツツジが咲いていた。やはりピンクの花は青空と合うんだね。何だか、ほっとする。

 

 
田辺の夕暮れ間近の歓楽街を歩く。
細い舗道には誰もいなくて、何処かの時代へタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。そこには長い年月がゆっくりと削り取った時間の澱みたいなものの残滓がある。
それを、人はノスタルジーと呼んでいるのかもしれない。

 
 

 
5月2日。
これは一瞬、画像を見ても自分でも何だか分からなかった。
前後の画像を見て漸くコシアブラの木だったと思い出した。この日は四條畷に山菜採りに来たのだった。

 
(コシアブラ)

 
他には、イタドリとワラビくらい。

 

 
そういや、タカノツメも採ったね。
植物学的にはコシアブラと近いものらしいが、味は劣る。

 

 
ついでにカバフキシタバ(註2)の食樹であるカマツカ探しも兼ねていたかな。

 

 
ふと、スミナガシ(註3)にも会おうと思い立ち、場所を移動して大阪平野を望む。
ぼんやりとした春の空の下(もと)、街はベールが掛かったかのように、けぶっている。
昔は春が好きじゃなかったけど、今はとても好きだ。冬がどんどん嫌いになっているから、ホント待ち遠しい。

 
 

 
伊丹空港(大阪空港)だ。
日付は5月7日。とゆうことは、シルビアシジミ(註4)の様子でも見に行ったのだろう。
空港には、真っ青な空がよく似合う。

 
 

 
上の写真は瓢箪山駅の手前だとすぐに分かった。山並みの形が見慣れた生駒山地だったからだ。
だが日付を見ると、5月13日となっている。どうせアサマキシタバ(註5)でも採りに行ったのだろうと思っていたが、時期的にはまだ微妙に早い。じゃあ、何しに行ったのだ❓

💡ピコリン。
そっか、思い出したよ。スミナガシを採りに行ったんだ。四條畷では何故か現れなかったので、仕方なしに生駒に来たんだった。しかも、難波からママチャリで。マジ、遠かったわ。
あとは去年の初冬にカマツカの木を見つけたけど、本当にそうなのかを確認するためでもあった。あの特徴的な花が咲いてさえいれば、確定だからね。

生駒から大阪の街を見下ろすのは好きだ。
此処まで登ってくれば、空を遮るものは背後の生駒山だけだし、空が広いのは気分がいい。それに何となく街を支配したかのような気分になれる。

 
 

 
5月24日。
枚岡神社の手前辺りで日が沈んだ。
この時間帯に此の地点に居るという事は、今度こそ目的はアサマキシタバだろう。彼女たちは夜に活動するからね。
そして、眺め的に間違いなく又してもチャリである。遠いだけでなく、山の中腹まで登らねばならんから、もうクソみたいにしんどいのだ。
難波から、こんなとこまでママチャリで来るなんてのは、どう考えても中学生レベルの発想だな。ようはアホである。全然成長してない。

 

 
夜の空。
当たり前だが、夜の空は暗い。
懐中電灯を消すと、一瞬は真っ黒けだ。けど、そのうち目が慣れてくると、ぼんやりと色んなものが形を成してくる。そして夜の空にも表情がある事に気づく。雲は昼間と同じように動いており、けっしてとどまることはなく、風景は一様ではないのだ。

 

 
山側の空は暗いが、大阪平野側は街の灯が明るいから、それに照らし出される空も明るい。
でも曇っているから、見ようによっては不気味だ。
きっと、そのうち悪魔共が空をヒュンヒュンでワンサカ飛び交いだし、やがて大阪の街は火の海と化すのだ。ψ(`∇´)ψケケケケケ…。

夜の山に一人でいると、ロクなことを考えない。

                         つづく

 
追伸
(ー_ー゛)う〜む。今更ながら武田尾辺りの文章を書いてる時に思い出したよ。すっかり忘れていたが『青春18切符の旅 春』と題した連載が、武田尾駅まで戻ってきたところで中断、っていうか頓挫、第二章の途中でプッツンの未完のまま放ったらかしになっておるのだ。
そっから、またアッチコッチ行って夜桜に繋がるのである。
我ながら割りと面白い紀行文ゆえ、宜しければ読んで下され。そのうち続きも書きます。

次回は後編の夏・秋冬編。
空が写ってる画像はもっと少ないかと思ってたが、意外と多かったので2回に分けることにしたのだ。

 
(註1)春の三大蛾
エゾヨツメ、イボタガ、オオシモフリスズメのこと。

 
【エゾヨツメ】

(2018.4 兵庫県宝塚市)

光の加減によっては、目玉模様がコバルトブルーに光る。

 
【イボタガ】

(2018.4月 兵庫県宝塚市)

デザインに似た者がいない、類を見ない唯一無二の大型蛾。
このモノトーンの幾何学模様には、何度見ても不思議な気持ちにさせられる。多分、その翅には太古の昔の財宝の在り処が示されているに違いない(笑)。

 
【オオシモフリスズメ】

(2018.4 兵庫県宝塚市)

異形の者、化け物、魑魅魍魎。悪魔のステルス戦闘機。
日本最大のスズメガで、鵺の如きに鳴く(笑)。
でも慣れると可愛い(´ω`)

これらはギフチョウと同じく年一回、春先だけに現れ、何れも人気が高い蛾である。
気になる人は、当ブログにて『春の三大蛾祭』とかと題して2017年と2018年の事を分けて書いたので読んでけろ。コミカル・ホラーでっせ(笑)。

 
(註2)カバフキシタバとカマツカ

【カバフキシタバ】

ヤガ科カトカラ属の稀種。主に西日本に局所的に分布する。
カバフキシタバの事もカトカラシリーズで何編か書いている。
そういや最初に書いた『孤高の落ち武者』もコミカル・ホラー的な文章だったかもしれない。

 
【カマツカ】

バラ科の灌木。名前の由来は材が硬くて鎌の束などに使われた事から。

 
(註3)スミナガシ

【♀】

 
【♂】

タテハチョウ科スミナガシ属の中型の蝶。
名前の由来は古(いにしえ)の宮中の遊び「墨流し」から。
日本の蝶の中では唯一、眼が青緑色でストロー(口吻)が紅い。
稀種ではないが、かといって何処にでもいる蝶ではなく、その渋美しい姿からも人気が高い。
たぶん、スミナガシの事もちょくちょく書いてる。でも詳細は全然思い出せないので、自分で自分の書いた文章を検索すると云う変な事になる。
えー、本ブログ内の奄美大島に行った時の紀行文『西へ西へ、南へ南へ』の中に「蒼の洗礼」と題して書いている。アメブロの方の「蝶に魅せられた旅人」には『墨流し』と題して書いている。他には台湾の採集記にも出てくる筈だ。

 
(註4)シルビアシジミ

全国的に数が少なく絶滅危惧種だが、何故か伊丹空港周辺には普通にいる。
シルビアシジミの事も『シルビアの迷宮』と云う長編に書いた。内容はミステリー仕立てだったような気がするけど、あんま憶えてない。

 
(註5)アサマキシタバ

【♂】

(2019.5 奈良県大和郡山市)

 
カトカラの中では発生が最も早く、5月の半ばから現れる。
そのせいなのかはどうかは知らないけど、最も毛深いカトカラだと思う。
採集記と種の解説は、拙ブログのカトカラの連載に『晩春と初夏の狭間にて』『コロナ禍の狭間で』『深甚なるストレッケリィ』と云う題名で、それぞれ前後編の6編を書いた。詳しく知りたい人は、ソチラを読んで下され。
 
 

お魚屋さんのえいひれ

 
冷蔵庫の墨から、忘れ去られていた鱏ヒレが発掘された。

 

 
賞味期限が11月20日って、(ㆁωㆁ)ヤバくねっ❓
完全に賞味期限切れだが、干物だから大丈夫だろう。何てったって下品な胃の持ち主のワタクシなのだ。少々の事では死にはせんて。

それにしても、この「お魚屋さんのえいひれ」というネーミング、少し引っ掛かる。そもそもがエイヒレって魚屋さんが作るもんじゃないのかえ❓魚屋さん以外の誰ぞが作るというのだ❓
まさか肉屋や八百屋が作るワケでもあるまいて。何ゆえ、わざわざ魚屋さんの、と名付ける必要があるのだ❓

(☉。☉)わっ、デカい。2枚入りだと思ってたら1枚だった。そして分厚い。何と言ってもエイヒレは分厚い方が旨いのじゃ。コレで148円は安い。定価の300円でもお買い得だろう。
(・o・)あっ、そうか。分厚いがゆえの自信作だから「お魚屋さんの」とわざわざ名打ったのかもしれない。謂わば、魚屋の矜持なのだ。ほんまもんの魚屋が作ったエイヒレだぞ。どーだどーだのコンニャローめっ(`Д´)ノなのだ。

鱏ヒレに軽く酒を振りかけて暫くおく。
その間に改めてエイヒレについて調べてみる。

主にガンギエイ、アカエイ、カスべなどの鰭を用いるそうだ。
エイなんてものは尻尾以外は全部ヒレみたいなもんじゃろう。でも、そんな巨大なエイヒレなんぞ見たことがない。となると、どこまでがエイヒレ部分なのじゃ❓
調べ進めると、どうやら両側4分の1くらいがエイヒレとして用いられるそうだ。そりゃそうだわな。その辺が妥当な線じゃろう。取り敢えず、解決じゃ。

エイヒレを網の上に置き、弱火で炙る。エイヒレは焦げ易いので、けっして目を離してはならぬ。コレ、えいひれ炙りの鉄則じゃから、くれぐれも気をつけなされ。

 

 
両面を炙ったら皿に盛り、マヨネーズを添えて一味を振る。お好みで醤油をチビッと垂らしてもよかろう。
ここんとこ超絶に外は凍える程さみーし、酒は熱燗。
と言っても、ワンカップ大関をレンチンしただけ。

熱々を手で根性で裂き、一味マヨネーズをちょいと付け、口に放り込む。
ふっくらさの中に軟骨らしきコリコリの歯応えがある。お姉さんたち、コレはあっはん♥️うっふん💕、美肌効果のコラーゲンじゃよ。
噛み締めるうちに干物の滋味が立ち上がり、鼻から香ばしい香りが抜ける。うーん、フォンテ〜ヌ。
そして、嚥下と同時にすかさず熱燗を口にふくむ。
ぷはーっ(≧▽≦)、テーブルの両角をガシリと掴んで呻く。
気分は、飯場(はんば)のやさぐれオヤジ。もう、人生ほぽ諦めてるもんねー。

                        おしまい

 

その他の正月の献立

 
正月三が日の、その他の献立。

 
(赤芽芋)

 
赤芽芋はクリスマス以降も食べ続けていた。
結構、ハマってました。

 
(鶏のハーブ焼き)

 
モモ肉に乾燥ハーブを付けて暫くおいてから焼き、仕上げにレモン汁を絞った。
瞠目するほどのものではないないが、旨い。

 
(ベーコンとジャガイモのバター焼き)

 
先ずはジャガイモを洗い、櫛形に切ってフライパンにバターを入れて焼く。ジャガイモに透明感が出たら、器に移して火がとおるまでレンチン。
頃合いをみて、玉ねぎとベーコンを追いバターして焼く。
そこにジャガイモを戻して、塩と黒胡椒で味付けして完成。
無茶苦茶にビールに合う(☆▽☆)

 
(菜の花と昆布のお浸し) 

 
菜の花をサッと50秒ほど塩茹でして、冷水に晒す。それを軽く水気を搾って昆布と混ぜた。味付けは、醤油と鰹の顆粒だしの素。
日本酒にすこぶる合う。

 
数の子も継続して食っていた。

 

 
数の子って、つくづく美味いなと思う。ずっと食ってたいよ。

 

 
紅白なますも継続して食ってた。
若い時は酢の物なんぞ、どーでもいい存在だったが、歳を喰うと段々好きになってくるから不思議だ。

 
(牛蒡と豚バラ肉の佃煮 山椒風味)

 
牛蒡を出汁、酒、味醂、薄口醤油と冷凍していた実山椒で煮る。牛蒡に火が通ったら、豚バラ肉を投与して、火を切り、余熱で火を通す。
それを一晩おいて味を馴染ませる。食べる直前にレンチンして、粉山椒を振って出来上がり。
日本酒は元より焼酎にもバキバキに合う。

 

 
出汁巻き玉子である。
白だしで作った。形は65点だけど、味は自分的にはかなり完璧に近い仕上がりだ。
大根おろしは無い事に気づくが、そんなもん気にならないくらいに美味い。

 
                        おしまい

 

令和三年 元旦の献立

 
たいそうに元旦の献立などと書いたが、今年はコレのみ。

 
(お雑煮)

 
「さとうの切り餅」を焼いて、すまし汁に入れただけ。

 
(数の子)

 
①1リットルの水に塩小さじ1を入れる。これを3時間をおいて塩出しする。塩水を替えてこれをあと2回繰り返す。最後の1回だけ6時間くらい漬けておく。

②薄皮を剥いて市販の白だしに一日くらいつけておく。
あとは食べる時に鰹節をかけるだけ。

今年も完璧な味付けにできた。
数の子って、超好き。味もさることながら、あの独特の歯応えが堪らんのである。

 
(紅白なます)

 
①大根と金時人参を細切りにして「だしまろす」に漬け、一晩おくだけ。
だしまろすなんかよりも、自分で1から作った方が遥かに旨いとは知ってる。だしまろすは酸味と甘みが強いから、酒の肴の酢の物には向いてないんである。理由は、ひとえに邪魔くさいの一言に尽きる。

数の子以外は、どんだけ手抜きやねんである。
しかも今年は、お節と言えるのはコレだけ。
毎年、真面目にお節を作ってきたが、自己満足だと悟ったのである。

今年も宜しくお願いします。

                        おしまい

 

2020’Xmas🎄の献立 その4

 
長々と書いてきたが、漸くメインである。

 

 
マルニの『丸鶏 グリラー・スモーク』。
毎年12月に入ると「酒のやまや」で発売される商品だ。
クリスマスには毎年のようにコレを食ってる。正直、甘辛い鶏のローストは甘過ぎるから、すぐ飽きるしデカいので敬遠してる。けど、このグリラースモークならスモークゆえに甘くないし、丸鶏といっても小さい。2人前くらいの量の大きさで丁度いいのだ。それに値段も700円くらいと、お手頃価格なのも嬉しい。

 

 
今までの献立がクリスマスっぽくなかったので、南天を飾ってクリスマスらしくしてみた。

えー、胸肉の部分に皮の部分を合体させ、バランス良く食っていくのが、最後まで美味しく食べるコツです。
ワッシと手で掴んでカブりつく。

(≧▽≦)相変わらず、安定の旨さだねー。
すかさずシャンパンに手を伸ばす。

 

 
モマンドール エクストラドライ。680円。
サントリーから発売されてる安いシャンパン(スパークリングワイン)だが、辛口で、値段のわりには結構旨い。そして、和食にも合うと謳っているから合わせる料理にあまり悩まなくてすむ。

尚、グリラースモークの骨は捨てずに熱湯で煮出すと出汁がわりになる。

えーと、今回は〆はございやせん。勿論、甘党ではないからデザートもない。
あとはダラダラとチーズを食ってた。

 

 
ゴルゾンゾーラ・ディップ・ドルチェ。
勿論、よくやられている蜂蜜なんぞは掛けない。酒飲みなら、そのまま食うのが王道だ。ゴルゴンゾーラの塩気が酒を呼ぶのである。

食べてみると、ゴルゴンゾーラのわりにはマイルド。クセが強くなくて食べやすい。ゴルゴンゾーラ好きとしては、やや物足りない気もしないではないが、旨いには旨いから文句はない。

大晦日に何でクリスマスの話やねんだが、今年の記事はコレでおしまい。さっ、そろそろ年越し蕎麦でも作ろ〜っと。

皆様、良いお年を。

                       おしまい

 

2020’Xmas🎄の献立(3)赤目芋と鶏の肝煮

 
クリスマスの献立第三弾である。

今日のメインの酒はシャンパン(スパークリングワイン)だから、鶏肝をペースト状にしてパテか何かにしようと思った。
けど、考えてみれば邪魔くさいし、和食にも合うスパークリングっていうんだから、手抜きする事にした。

 

 
鶏の肝煮である。
作り方は簡単。

①肝を軽く水洗いする。
鍋に肝、水、だしの素(昆布かつお)、酒を入れて火にかける。ちなみに鶏の肝は牛や豚のレバーと違って臭みはないから、牛乳なんぞに漬けなくともよい。

②火が通ったら、仕上げに醤油と味醂を加えて火を消し、冷ます。しばらくおいて味を馴染ませたら、粉山椒を振って葱を散らして出来上がり。

(☆▽☆)旨いっ❗
コチラもスパークリングワインとの相性は抜群だ。
我ながら天才じゃないかと思う(笑)。

 

 
スパークリングワインは、モマンドール・エクストラドライ。
値段は680円。値段のわりには旨いと思う。辛口で料理の邪魔をしない。

続けて、赤目芋。
赤目芋と云う名前を知っている人は少ないだろうけど、里芋の仲間である。
(°o°)あー、でも芋の写真を撮り忘れた。なので、画像をお借りしよう。

 

(出典『たべるご』)

 
こうして芽が赤いのが特徴なので、本当は「赤芽芋」と書くのが正解だろう。でも「赤目芋」と書いてあるケースが多いような気がする。他に「大吉芋」なんて呼称もあるが、これは「赤目大吉」という品種があるからかもね。あっ、赤目芋の名称もコレの影響が大かもしれんね。この品種が主流みたいだしさ。

作り方は以下のとおり。例によって調味料は目分量だ。

①先ずは芋の皮を剥く。で、塩を付けて擦する。したら、鍋にそのまま入れて、水(できれば米の研ぎ汁)から下茹でする。これは最初から出汁で煮ると味が入りにくいからだ。串を刺して中まで火が通ったことを確認したら、火を切って煮汁を捨て、軽く水で芋を洗う。

②あとは芋を出汁で煮るだけだ。
出汁は鱧を湯引きした時の煮汁に、昆布(顆粒だしでも可)を入れたものがベースだ。そこに芋、酒ドバドバ、味醂少々、薄口醤油を適当に入れて、さっき言い忘れたけど圧力鍋で煮る。その方が時短になるし、芋がふっくらと仕上がるのだ。

三つ葉を添えて完成。

 

 
(☆▽☆)旨いねぇ〜。柔らかくてホクホクじゃよ。
身質は里芋と比べて粉質でヌメリが少ない。食感はどっちかというと海老芋とかに近いかも。
問題は泡との相性だ。マッシュルームや鶏の肝との相性に心配はなかったが、はたして里芋なんぞに合うのかね❓
すかさず、スパークリングワインを飲む。

✌️(≧▽≦)イケますぅー❗
全然、相性大丈夫っすー。

肝心な事を言い忘れたが、赤目芋の正式名称はセレベス。
昔、日本に帰化したセレベス侯爵が故郷のホゲメネラ王国を懐かしく思い、母国から送らせたものが日本に定着した…。
と云うのは真っ赤なウソでぇー、名前の由来はインドネシアのセレベス島から伝わったとされるからだ。補足しておくと、セレベスは昔の呼び名で現在はスラウェシ島と呼ばれている。
スラウェシといえば、ウォーレシアとも呼ばれ、東洋区とオーストラリア区の間に位置し、島の両側に生物境界線のウォレス線とウェーバー線が引かれている。で、そこにいる生物は変と云うか不思議な進化をしていて、興味深い。

 

(出典『蝶の百科 ぷてろんワールド』)

 
赤いのがウォレス線でオレンジがウェーバー線。
何で2本あるのかというと、最初にウォレスさん(註1)が提唱して、のちにウェーバーさんが淡水魚の分布から『ウォレスさん、アンタそれちゃいまんでー。』と新たな境界線を引いたってワケ。
でもこれはどちらかが間違ってるというワケではなくて、どちらも正しい。どういう事かというと、ある種の生物はウォレス線を境に分布しなくなるけど、別な生物はウェーバー線を境にいなくなるって事だね。だから、明確に1本の線は引けないって事なのさ。
現在ではウォレス線の西側は東洋区、ウェーバー線の東側はオーストラリア区の生物が生息すると云う事で落ち着いているようだ。で、スラウェシ島には東洋区の蝶もオーストラリア区の蝶もいるんだけど、これは最近の研究では東洋区の島とオーストラリア区の島が💥ガチンコで合体して出来たかららしい。
その後、何千万年か何億年かは知らんが、長い年月を経て生物相が融合し、独自に進化していったのではないかと言われているようだ。
実際、スラウェシ島の蝶はとっても変だ。同じ種類でもなぜか他地域のものよりデカくなる傾向があり、翅が尖んがって湾曲化する傾向も強い。あと、黒化といって翅が黒っぽくなる種類も多いのだ。何でそないなるかは、学者はんらも説明できないみたい。

日本にもいるアオスジアゲハは、東アジア〜東南アジア、オーストラリアにもいて、スラウェシの西側、たぶん隣のボルネオ島にもいる。

 
【アオスジアゲハ】

 
前述したようにオーストラリアにもいるから、どちら側からかは分からないが(とは言っても多分アジア側からだろう)、スラウェシに侵入して独自進化してミロンタイマイになったんじゃろうね。

 
【ミロンタイマイ】

(2013.1 バンティンムルン)

 
そういや並べた画像もあったな。

 

 
ねっ、巨大化して前翅が湾曲してるざましょ。
黒化とはまた違うが、青緑の紋も減退していて黒っぽい。

スミナガシも巨大化&湾曲化している。

 
【Dichorragaia nesimachus pelurius】

(2013.1 タナトラジャ&palopo)

 
下のデカいのは、裏展翅である。
それにしても、何で裏展翅なんかしたんだろう❓こんなデカい個体を裏展にするなんて勿体ないよなあ。上の小っちゃいのを裏展にすべきだった。アンテナも気に入らんし、ひっくり返して展翅しなおしてやろうか❓でも、めんどくせーなあ。
今思えば、最初からもうちよっと考えて展翅しておくべきだった。相変わらず、なあ~んも考えていないんである。

フラッシュを焚いたら、こうなった。

 

 
うわっ(;゜∇゜)、色と斑紋にメリハリがスッゲーついた。
光をあてると、こんなに複雑な色柄なんだ…。
おそらくペルリウスっていう亜種だと思うが、やっぱさすがスラウェシ島である。スミナガシもかなり変わっている。巨大化&前翅湾曲の所謂(いわゆる)スラウェシ仕様の特徴を具現化していらっしゃるのだ。こんなに変わっててカッコイイなら、もっと真面目に採るべきだったなあ…。とは言いつつも、珠に見る程度だったけどさ。スミナガシはアジアに広く分布してるけど、日本みたく沢山いるとこは見た事がない。何処でもレアなのだ。

リュウキュウムラサキの仲間にも巨大化した奴がいる。

 

(2013.1 タナトラジャ)

 
下の奴だけど、名前はディオメアムラサキだったかな。場所はタナトラジャだったと思うけど、コレはカッコイイからもっと採りたかった。ちなみに上は比較用のリュウキュウムラサキだす。

 
他にもオビモンアゲハ、アオネアゲハ等々が巨大化&湾曲化している。

 
【ギゴンオビモンアゲハ】

(2013.2 palu)

 
模様はオビモンアゲハと殆んど変わらないが、バカでかい。
オビモンアゲハとは別種だとされているが、どう考えてもオビモンアゲハが進化したものだ。

 
【アオネアゲハ】

(2013.2 palu)

 
コチラも巨大化が著しいが、別種ではなく、亜種扱いになっている。補足しておくと、青色の部分は本当は緑色。光の当たる角度によっては、こうゆう風に青色にも見えるのだ。

 
【アンドラノドルスオナガタイマイ】

(2013.1 palu)

 
模様はオナガタイマイとソックリだが、コチラもアホみたいに大きくて王者の風格がある。
アンドラノドルスは美しい。川の真ん中の水面スレスレを飛ぶ姿は優美にして優雅だ。
だが、優雅とはいっても速いし、岸辺には寄って来ないから採るのは大変だった。

 
【ミリナハレギチョウ】

(2013.1 タナトラジャ)


(2013.1 バンティンムルン&タナトラジャ)

 
ハレギチョウもスラウェシでは湾曲化&巨大化してる。
上は南部のもので下は中部のもの。北に行けば行くほど青くなってゆき、北部では青色になる。で、たぶん別亜種になるんじゃなかったかな。
他には、ベニシロチョウが巨大化プラス翅先トンガリになったオオベニシロチョウなんかも典型的な例だろう。画像は撮ってないから無いけど。

巨大化はしていないが、前翅は湾曲しているのも結構いる。

 

 
左上はシロモンチャイロイチモンジで、右上はクロクモイチモンジ。下はセレベスアサギゴマダラかな。
シロモンもそうだけど、クロクモの湾曲が激しいね。

 

(2013.1 タナトラジャ)

 
また、このように湾曲プラス擬態関係に有りそうなモノも数多くいるから楽しい。
上がユベンタヒメゴマダラで下がイスマレカバマダラ。両方ともマダラチョウの仲間で、おそらく互いに毒があるからミュラー型擬態だね。ようは、こうゆう柄のチョウは毒があると天敵に刷り込ませる機会を増やす作戦だね。
あっ、たぶん前の画像の中のセレベスアサギゴマダラも、おそらくマダラ系の奴に擬態しているものと思われる。

 

(2013.1 palopo)

 
右が、たぶん毒のあるマダラチョウだろう。左は無毒のヒカゲチョウの仲間だ。コチラは毒の無いモノが毒のあるモノに似せるというベイツ型擬態だね。先程、言及したセレベスアサギゴマダラも、このベイツ型にあたる。
このヒカゲには完全に騙された。横から飛び出してきた時は普通種のマダラチョウだと思ったが、咄嗟だったので体がつい反応して、瞬間的に思わず網を振ってしまったのだ。で、網の中を覗いてみて、何じゃこりゃ❓だった。
名前、何だったっけ❓
あっ、そうだ。確かインケルタダマシヒカゲだ。えーと、えーと、もう一つはねー、ビトレアヒメゴマダラだと思う。

そういやブルメイもオビクジャクアゲハが巨大化したものだったよな。

 
【フィリピンオビクジャクアゲハ】

(出典『蝶の標本 麗蝶』)

 
オビクジャクアゲハ(ルリオビアゲハ)はマレー半島で採ってるけど、ボロばっかなので展翅写真を撮ってない。なワケで画像を探したけど、ロクなのが無い。とゆうワケで、ソックリさんのフィリピンオビクジャクの画像を貼付した。それに、この方の展翅はキレイだからね。

ブルメイはオビクジャクと比べて馬鹿デカく、倍近くあるイメージが残っている。

 
【ブルメイアゲハ(オオルリオビアゲハ)】

(2013.1 palopo?タナトラジャ?)

 
タナトラジャでも採ったけど、コレは♀だから多分パロポ産だろう。
そういやタナトラジャからパルまでローカルバスで移動したんだけど、アレはスーパー地獄だった。エアコンどころか扇風機も無いオンボロバスで、しかも超満員で何故か現地のガキがずっとワシの膝の上に乗ってた。で、パルに着いたのは25時間後。オマケに郊外だった。そっから更にバイタク(バイクタクシー)の糞コスい親父と交渉して市内まで行った。もう、泣きっ面に蜂だったよ。
スラウェシ島ってデカいんだよね。確か世界で11番目に大きい島だった筈だ。

辛いことだらけの旅だったけど、スラウェシには、また行きたい。固有の凄い蝶がいっぱいいるのだ。
スラウェシには、およそ557種類の蝶がいて、日本の倍以上の蝶が生息するが、それでも隣のボルネオ島に比べて少なく、反対に1/2倍以下の種類数しかいない。しかし固有種は全体の約45%を占め、その割合は極めて高い。だから面白い。固有種ではなくとも分化が進んでおり、見る蝶、見る蝶が変なのだ。
また、マダラチョウ類の分化が激しく、38種もいて、世界でも有数なマダラチョウのホットスポットとなっている。

 
【コグナトスフタオ】

(裏面)


(2013.1 palu)

 
コグナトスは裏面がカッコイイ。表も悪くないけど、この複雑怪奇な柄が素晴らしい。

 
【アマンダベニボシイナズマ】

(2013.1 バンティンムルン)

 
アマンダもベニボシイナズマの中では、デカい(特に下の♀)。
♂は糞速くて、マッハで飛ぶ。

 
【タンブシシアナオオゴマダラ】

 
怪蝶だ。オオゴマダラの仲間は皆デカい巨人軍団だが、一番デカいバケモノ。これは自分では見た事も採った事もないから、いつか大空を飛ぶ姿を見てみたい。

 
【マルスフタオ】

 
フラッシュを焚くと、こんな感じ。

 

 
下翅のオレンジは傾けるとピンク色になる。幻光色なのだ。
軍神マルスも自分で採ってない。この2つとジョルダンアゲハは採ってないから、やっぱスラウェシには、もう1回行かないとね。

(ㆁωㆁ)あっ、しまった。大脱線じゃよ。
やっぱり虫の事を書き始めると長くなるわ。

芋の話に戻そう。セレベスは親子兼用品種で、親芋、子芋共に食用になり、子芋も大きく、収量が多い事でも知られている。

セレベスの旬は、秋から冬。9月中旬頃からけ1月頃まで出荷されます。食べ頃の旬は11月から12月。
まだ間に合うから、里芋好きは見つけたら買いですぞ。

                         つづく

  
追伸
大晦日だというのに、クリスマスの話を書いているのである。しかし、まだ話は続くのである。

書き忘れたけど、黒化する代表はスジグロカバマダラなんかが代表だ。画像は無いけど、オレンジの部分が黒ずむ。

 
(註1)ウォレスとウォレス線

アルフレッド・ウォレス[1823-1913]
イギリスの探検家。1854年から1862年にかけて東南アジアで生物の研究をしている折り、海峡を境に生物の特徴が変わることに気づき、インドネシアの動物の分布を二つの異なった地域に分ける分布境界線、ウォレス線を特定した(1868年)。生物地理学の父と呼ばれることもあり、ダーウィンとは別なアプローチで自身の自然選択を発見し、ダーウィンに理論の公表を促した。一説によれば、功を焦ったダーウィンが慌てて『進化論』を発表したとも言われる。
今日(こんにち)では、自然選択説の共同発見者であると同時に、進化理論の発展のためにいくつか貢献をした19世紀の主要な進化理論家の一人とされる。その中には自然選択が種分化をどのように促すかというウォレス効果と、警告色の概念が含まれる。
なお、ウォレス線の定義はバリ島とロンボク島(ロンボク海峡)、ボルネオ島とスラウェシ島、ミンダナオ島とモルッカ諸島からスラウェシ島の西側、マカッサル海峡を通り東に走り、フィリピンのミンダナオ島の南に至る線である。

一方、オランダ人の母とドイツ人の父を持つ動物学者マックス・ウェーバー[1852-1937]は貝類や哺乳類の分布の違いを基準に1902年にウェーバー線を提唱した。
この2つの線で生物層が異なるのは、氷期には海面が下降したからだと考えられている。海面下降により、東南アジア半島部からボルネオ島、バリ島までの一帯がスンダランドと呼ばれる陸続きとなっていた。同様に、パプアニューギニアとオーストラリアはサフルランドを形成していた。しかし、スンダランドの東側とサフルランドの西側は陸続きにはならなかったことから、それぞれの生物が交流する事なく独自に進化し、その状態が現在に至るまで続いていると云うワケ。

参考までに言っとくと、ウォレスについてはアメブロのブログ(蝶に魅せられた旅人)に『古代ギリシャの七賢人』と題して書いてる。
またスラウェシのスミナガシに関しては、同じくアメブロの捕虫網の円光シリーズに『墨流し』の回で触れている。