カニカマメンマ

  
何か、カニカマメンマって舌噛みそうだ。
ハイ、早口で5回続けてカニカマメンマと言ってみましょう\(^o^)/

2週間ほど前だったと思うが、TVの『マツコの知らない世界』で、カニカマを取り上げていた。一年365日間、ずーっとカニカマを食べ続けてるカニカマおばさんが、カニカマの魅力を伝えると云う内容だ。

その中でカニカマを使った料理も紹介されていた。その一つがカニカマメンマという代物だ。
酒のツマミとして紹介されたものだが、マツコ絶賛で、しかも超簡単に作れそうなので気になった。

で、作った。

 

 
たしかに超簡単だった。

材料はカニカマとメンマ、白髪ネギ。あと調味料の白胡椒、胡麻油だけである。
カニカマは一正蒲鉾の「カニ風味スティック」、メンマは桃屋のメンマ「やわらぎ」を使った。

 
【一正蒲鉾 カニ風味スティック】

 
イオングループでは、コヤツがだいたい山積みになっておる。味は安定して旨い。

  
【桃屋のやわらぎメンマ】 

 
あれば、もっと穂先をふんだんに使った柔らかいモノの方がいいと思う。

作り方はホントに超簡単で、これらを混ぜ合わせるだけである。あっ、カニカマは縦に裂かなきゃいけんし、ネギも切らなきゃイケんけど。

味は、不味くはない。そこそこ旨い。
でも劇的に旨いかと訊かれたら、首を傾げる。そこそこ旨いけど、何かチープな味なんである。

カニカマもメンマもまだ残ってるし、二日後にもう一回作った。

 

 
白髪ネギは3分の2を混ぜて、残りを上に飾った。
見た目がいいかなと思ったのさ。

でも、食うときは結局全部混ぜ合わせるんだけどね。

 

 
慣れてくると、これはこれで有りかもなあ…。
この味はハマる人はハマりそうな気がする。
でも2回目なんだから、今思えばもっとアレンジすべきだったかもなあ…。
けど、何をどうすればいいのかワカラン(?_?)

そういえば、番組では進化系カニカマって事で、🍊みかんカニカマとかも紹介されてたよなあ。

何じゃ、こりゃ❗❓だったので、スーパーで思わず写真撮っちやったよ。だから画像が残ってる。

 

 
どんな味なんだろ❓
気にはなったから、正直買うかどうかを迷ったよ。
でも結局買わなかった。
冷静になって考えてみたら、「んなもん、旨いワケないじゃないか(*`Д´)ノ❗」と思ったのである。

けど、マツコは結構旨いような事を言ってた。
そんなにミカン、ミカンしてなくて、仄かにミカンを感じるから違和感は思ってた程には無いそうだ。
そっか…ミカンと聞けば拒否反応が起きるが、考えたらミカンも柚子やレモンと同じ柑橘系だもんな。気づかんかった…。

実をいうと、その前にはソーダ味とかも売ってた。
コレも思わず写真を撮ってもうた。
一正蒲鉾よ、何処に行こうとしてるのだ❓
カニカマ業界1位の会社だけど、アンタら大丈夫かあ❓と思ったよ。

 

 
食いもんの色として、青は絶対タブーでしょうよ。
全然食欲が湧かないない色の筆頭だ。しかもソーダ味って、「ガリガリくん」かよ。攻め過ぎだよ。カニ味とソーダ味が混ざった味って、ゼッテー旨いワケないじゃん。想像しただけでも、嫌な気分になる。

でも、気になるなあ…。どんだけ不味いか知りたいよ。売れたのかなあ…。大量に残ってしまって大損してたら笑うなあ。

今度また変なのを出してきたら、買おっかなあ…。

 
                   おしまい

 
追伸
カニカマといえば、圧倒的にスギヨが作っているカニカマが旨い。カニカマを世に送り出した会社だしね。
そういえば、カニカマおばさんがカニカマにハマるキッカケがこのスギヨの「大人のカニカマ」だった。カニカマの中で一番旨いとも言っていた。
そのスギヨのカニカマが、昨日半額で売ってたから買ったんだよなあ…。「大人のカニカマ」じゃなくて、「かにちゃいまっせ」だけど。

 

 
まだメンマも白ネギもあるし、もう一回作れないことはない。でもなあ…、そのまま食って旨いのに、わざわざ変に手を加えて不味くなったら腹立つよなあ…。

 

水茄子を愛する男

 
10月に入って、遂にスーパーの漬物売場から水茄子が姿を消した。ちょっぴり残念だ。

それにしても今年はよく水茄子を食った。
春先の三月からコンスタントに水茄子を食い続けていた。水茄子といえば夏のイメージが強いが、意外にも春先にはもう姿を見せ始めるのである。人気があるゆえ、最近はハウス栽培とかも増えているのかもしれない。

 

 
水茄子は関西ではポピュラーな存在ではあるが、全国的にはまだまだあまり知られていないとも思われるので、一応解説しておこう。

 
【泉州水茄子】
(出展『川崎農園』)

 
主に大阪府南部の泉州地域で栽培されており、形は普通の茄子よりも丸みを帯びる。果肉に多くの水分を含む事から、この名がある。
やったことあるけど、手で、うりゃ(#`皿´)と搾ると、驚くほど大量の水が出てくる。農家の人は、喉が渇いたら時々水がわりに搾って飲むらしい。高級🍆ナスだから、最近はやる人あまりいないと思うけど。

糠漬けや浅漬けで食べられることが多いが、生でも食べられている。
本来、茄子はアクが強くて生食には向かない野菜であるが、水茄子はアクが少なくて水分を多量に含んでいる。ゆえに生食も可能なようだ。
生で食べると、ほのかな甘みと爽やかな香りがある。シャリシャリ感もそれなりにあって、ちょっと青リンゴっぽい。実際、その特徴からか、江戸時代には果物扱いされていた時期もあったようだ。
なぜにそんなに水分が多いのかというと、主な栽培地である泉佐野市や貝塚市は水はけがよく、海が近いために地下水にも塩分が混じる。加えて温暖な気候ゆえ、蒸発していく水分を補うために大量の水分を貯め込むようになったものと考えられている。

これは知らなかったが、水茄子にも多くの品種があり、泉州地域でも地区によって栽培品種が異なるようだ。
例えば大阪府貝塚市の「幻の水茄子」と呼ばれ、めったに市場に出回る事のない「馬場なす」、同じく貝塚市の水茄子の原種とされる「澤なす」などがある。

 
取り敢えず、今年食べた水茄子を並べていこう。

 

 
上が浅漬け。下が糠漬けである。
夏らしいガラスの器を使おう使おうと思って、結局使ったのは9月も半ばだった。面倒くさがり屋の性格がモロに出とるがな。

浅漬けの方がフレッシュ感があって、生に近い風味がある。一方、糠漬けはそれと比べて味が濃い傾向にある。どちらが好きかと問われたら、答えに苦しむ。どちらも好きだからだ。
但し、より水茄子らしさを味わいたくば、浅漬けかなあ…。

 

 
基本は、何もつけない。
それが一番美味しいと思うからだ。

 

 
こう云う風に手で裂くのが正しいとされる。
けど、食感こそ微妙には違うものの、云うほど味がメチャンコ変わるワケではないと思う。
でも、コレという良い水茄子が手に入った時は、間違いなく包丁で少し切れ目を入れてから裂くけどね。

 

 
これも当然のこと水茄子かと思いきや、絹かわ茄子という別物だった。

 

 
ウィキペディアによると、絹かわ茄子とは愛媛県の西条地区だけで古くから自家消費用として栽培されてきた在来品種で、明治時代には既に栽培が行われていたという記録が残っているそうである。この地域特有の「うちぬき」と呼ばれる湧水を使った栽培によりふっくらと瑞々しくアクが少ないナスなんだそうな。
水茄子にも、最近はこの系統の茄子の血が入ってきてるという。

食ったら、味も殆んど同じだった。

 

 
お約束だし、見た目もあって生姜は一応添えるが、味を邪魔するから個人的には要らないと思う。
とはいえ、生姜が合わないと言っているワケではない。それはそれで旨いのだ。水茄子そのものを楽しむには邪魔だと言ってるだけだかんね。

 

 
気分で、たま~に鰹節なんぞも添える。
鰹節をかけて不味くなることはない。しかし、個性が強過ぎて水茄子の良さが失われがちだ。

 

 
糠漬けだね。上は醤油をかけてみた。気分で、たま~にかける。
これも不味くなるワケがない。しかし、かけ過ぎると、これまた水茄子の個性が消える。

 

 
夏の最盛期になると、糠漬けも色んなメーカーのものが並ぶ。特にどこというのは決めてない。しかし、上のメーカーが一番数が並んでいるので、自然、口にする機会も多い。
糠は捨てずに、適当に野菜を入れて一回だけ糠漬けをつくる。

 

 
この時は人参だったようだね。手でパリポリやってたら、あっという間に無くなったことを思い出したよ。

 

 
あれぇー❓
思ってた程には画像が残ってないぞー。もっと食ってる筈なのになあ。
暫し考えてから、答えに思い至る。ようするに写真を撮ってないんである。だって、いくら撮ってもビジュアル的というか、絵的に一緒。さして変わらんのである。何の面白味もない。

来年は、もっとアグレッシブな盛り付けにしてやろっと。全然思いつかないから自信ないけど。

 
                    おしまい

  
追伸
画像を消したいがゆえの、愛する男シリーズである。
ても、思ったほど消せんかった。

 
 

鯛を愛する男

 

 
鯛は美しい。鯛そのものの姿も美しいが、こうして調理された身も美しい。食べれる魚の中で最も美しいのが鯛だと思う。

 

 
ほんのりピンクと透き通る白が組み合わさったヴィジュアルは誰しもの食欲をそそる。セクスィーなのだ。

 

 
外で鯛の刺身や寿司を食う時の基本は、塩と柑橘の果汁である。柑橘ならばレモンでもカボスでもスダチでも何でもよろし。お家で柑橘が無い場合は仕方なくポッカレモンを使ったりもする。それでもそこそこ旨い。何だったら柑橘が無くともいい。それでも旨い。

何で塩かというと、それが一番鯛の風味と旨味を正しく感じられるからである。その時の鉄則は、とにかく噛むことである。最低20回以上、できれば30回くらいは噛みなはれ。そうすると、噛んでるうちに奥から鯛の旨味がググッと立ち上がってくるのである。だから、ヒラメやカレイなど他の白身魚の刺身も概ね塩と柑橘で食す。因みに、ブリの身は白いけど白身魚じゃござんせん。アジやサバと同じ青魚の仲間に入る。脂肪分が多いから、あんなに白いのだ。塩でも食べれないことはないけれど、生臭さが出る。やはり醤油の方が美味しい。

 

  
器は割山椒。あしらいにボウフウを添えて料亭風にカッコつけてみた。

 

 
いわゆる松皮造りと云うヤツである。鯛の皮は旨みたっぷりだから、より強い旨みが感じられる。皮に切れ目をいれておくと、更に旨みは増す。
コチラも飾りにボウフウを使った。茎に縦に切れ目を入れて水に放つと、くるくる巻くのが面白い。お洒落である。
作り方は簡単で、三枚におろして、皮をひかずに布巾なんかをかぶして上から熱湯をかける。してからに、ソッコー氷水につければいいだけ。

 

 
コチラも松皮造りだが、青い実山椒を散らしてみた。勿論、これも塩をつけて食う。
山椒のエッジが効いてて、これまた噛めば噛むほど旨みと甘みが感じられる。

 

 
鯛の黄身漬け。鯛の鮮度があまり良くない時の変化球である。鯛の身に太白胡麻油を塗り、卵の黄身と和えて盛り付ける。白胡麻をふって柚子の皮を添えれば完成。
柚子の皮は千切りにしてもいいし、卸がねで擦って散らしても構わない。お好きにされよし。で、最後に醤油をちょろっとかければ出来上がり。

酒の肴ではあるが、ご飯に乗っけて食っても美味い。

 

 
ちらし寿司風に錦糸玉子も加えてみた。ご飯は酢めしにしたが、ふつうの白飯でもよろし。

 

 
丸海の「小鯛ささ漬」である。これが上品な味わいで旨いんだよね。酢があまりキツくないのがよろしい。

 

 
本来は小さな木樽に入っているのだが、最近はこういうパックのものも売られている。でも樽に入っているヤツの方が絶対に美味いと思う。微かに木の香りを纏っているからだ。それにちゃんと笹だって入っている。というか包まれてる。これまた仄かな香りが移るから、よろし。それに笹は腐敗を防ぐという。ゆえに断然樽入りのものをお薦めする。

 

 
これも同じ丸海の「小鯛のささ漬け」だね。言い忘れたが、丸海で使う鯛は真鯛ではない。たぶん連子鯛(キダイ)だったと思う。店のオバハン曰く、笹漬けには連子鯛の方が適しているんだそうな。

 

 
半額だから、つい買ってしまったのだ。
でも、こういうのは本当はお薦めしない。時間が経ったものは酢がまわり過ぎて酸味が強くなり、身もかたくなって格段に味が落ちるのである。安物買いの銭失いになるから、製造してから日が経ってないものを選びましょうね。

実をいうと、今年の春先にオネーチャンと敦賀のお店に行く機会があった。そこで特選の「小鯛の昆布〆」を買って食ったんだけど、ブッ飛んだ。異次元にメチャメチャ旨かったのである。

 

 
これだね。木樽に入ってるってのは、こういう形態の事です。
残念ながら、中の本体の写真を撮り忘れた。それでも、外観の画像を見ているだけで、思い出してヨダレが出てきた。因みにこちらはレンコダイではなく、真鯛を使っている。グレイドアップなのだ。
でもデパートでは売ってないから、敦賀とか小浜のお店に行くしかないんだよねー。

これに感化されて、それっぽいものをつくってみた。身のほど知らずのチャレンジャーなのだ。

先ずは昆布〆をつくる。

 

 
で、それを酢〆にした。

 

 
2回つくった。どっちとも旨かったけど、その丸海の異次元のものには全然敵わなかった。足元にも及ばない。まあ当然だわね。あれよか旨いもんが作れるなら、店出すわ。

 

 
これも昆布〆である。一応昆布〆の作り方を書いておくか。
えー、切り分けた刺身を酒にくぐらせ、軽く塩振って昆布で巻いて一晩おけば出来上がり。塩は振っても振らなくてもよろし。ワシはその日の気分で選ぶ。

それを手巻き寿司にした。

 

 
酢めしをつくり、海苔を焙る。海苔を焙ってる時は何だか楽しい。さあ食うぞという期待値が高まってゆくからだ。

q(^-^q)旨いやんけ。期待値を裏切らない味でおました。

次はイクラを乗っけてみた。

 

 
当然ながらに、(^o^)v美味いねぇ~。
小さくだが、力強くガッツポーズをとっちゃったよ。

 

 
鯛の子と平目の子の煮つけである。

左が鯛の子なのだが、切り方を間違えた。本来は右の平目の子のように小分けに切ってから沸騰直前の出汁に放つ。そうすると花が咲いたようになる。でも、鯛の方はそのままの姿で煮ちゃったのだ。で、切ったら、こないなブサいくになってもうた。

あっ、切る前の画像も出てきた。

 

 
そういえば、あんまり見た目がキレイじゃないから、コレを切ってみたのだ。で、結果さらによろしくなくなっちやったというワケだね。

 
【鯛の子の卵とじ】

 
反省して、今度はちゃんと花型にした。それを卵でとじた。コレ、簡単だけど美味しいんだよね。かやく御飯と一緒に食うと、なお良し。もちろん鯛めしでもよろし。それにしても、よく飽きずに何回も作ったなあ。
余談だが、山椒の粉を振り掛けると、良いアクセントになりもうす。

お次は鯛の白子ポン酢である。ポン酢は「ひろたのポン酢」である。時々浮気するが、5、6年くらい前から概ねこれに落ち着いている。

 

 
赤いのは何れも「かんずり」。
🎵チャッチャチャチャッチャッ、チャッチャチャチャッチャッ、チャッチャー。ウーッ、かんずりぃー❗

アホ過ぎだが、「かんずり」を使う時は、お約束で必ずマンボをやるのだ。誰かが見たら、アホそのものである。
「かんずり」は東北版の柚子胡椒みたいなものだが、トンガリがもっと少なく、味に奥行きがある。

 
【かんずり】

 
でも無くなったので、一味唐辛子で我慢した。

 

 
どんだけ白子食っとんねん(笑)。
だって、美味いし、春から初夏にしか味わえない季節モノなんだもーん。

意外と食べたことのある人は少なそうだが、鯛の白子はマジで美味い。鱈の白子なんて足元にも及ばないくらい旨味とコクがあって、しかも上品なのだ。白子の中ではフグの白子と双璧ではないかと思う。でもトラフグの白子はバカ高いから食える機会はめったとない。となると、コスパ的には断然タイに軍配が上がる。他にフグの白子といえば、マフグやサバフグの白子もあるが、トラフグに比べては安ものの、それでも鯛よりはお高いのだ。

ちょっと話がズレるけど、そういえば昔、大阪は道頓堀、法善寺横丁近くに『南進』という冬だけやってるフグ屋があった。そこのてっちり(フグ鍋)後の〆の白子雑炊が絶品だった。残った鍋汁に白子を入れてグジュグジュに潰す。で、ご飯を入れて、とじた生卵を回しかける。蓋をして1分足らずで、浅葱(あさつき)を散らして出来上がり。思い出して、身悶えしたよ。
嗚呼、でも店はもう無いから二度と食えないんだよなあ…。
ふと、今気づいたけど、鯛の白子でも似たようなもんが出来るんじゃねえか❓何で今までそれに思い付かなかったんだろ❓
来年は、誰かさんと鯛しゃぶをして、何が何でも白子雑炊を作ろう。

 
【鯛めし】

 
鯛めしはアラだけで充分である。鯛は頭が美味いし、骨からは良質な出汁が出るので、寧ろそっちの方が旨いかもしんない。

熱湯をかけ、臭みを取るために、熱湯をかけてから作りまひょ。鱗もそうすれば取れやすくなりまふ。出来ればもうひと手間、それを焼いてから米と炊くと香ばしさが加わり、更によろしい。但し、鯛の頭は骨が多いので、それをあとで取り除くのがホネ。あっ、意図せずダジャレになってしまったなりよ(笑)

 

 
調味液は、水、顆粒の昆布だし、酒、薄口醤油、塩を適当に混ぜたもの。味醂はその日の気分で、入れたり入れなかったりする。

出来上がりは、こんな感じ。

 

 
あれっ❗❓、もう一回つくってるな。

 

 
二杯目は何となく卵の黄身を落としみた。

 

 
で、かき混ぜた。

んー、勿論不味くはないんだけど、いらんことしてもた。鯛めしの良さが生きるかと思いきや、むしろ消えとるやないけー。

 

 
お次は鯛の骨蒸しである。
何じゃいなというと、鯛の頭を昆布を下に敷いて酒ぶっかけて、塩振って蒸すだけですなあ。最初の下処理は鯛めしと同じだが、別に焼かなくともよい。
コレがシンプルだが、メチャンコ美味い。昆布の旨みが溜まらん。もしかしたら、鯛を昆布でくるんだら、もっと旨いかもしれん。自分は邪魔だと思うから用意しないけど、お好みでポン酢につけて食ってもいい。
鯛の頭といえば兜煮もあるが、とにかく断然こっちの方が好みだ。圧倒的に簡単だし、失敗も少ないしね。

こうして並べてみると、意外にも塩焼きも無いなあ…。
コレにはワケが有りそうだ。
思うに、鯛の塩焼きといえば、尾頭つきと云う概念が強すぎるのかもしれない。でも小さい鯛は美味くない。鯛はある程度の大きさにならないと美味くないのだ。でも、そんなデカイ鯛なんぞ家庭では焼けない。そんな焼く道具が無いからだ。かといって、切り身を焼くのは気が進まない。尾頭付きじゃないからだ。何かショボく感じてしまう。

あと、鯛しゃぶや鯛茶漬け、鯛そうめんも無いなあ…。
鯛しゃぶは鍋だし、できれば誰かと食いたい。鯛茶漬けは鯛を胡麻ダレに一晩漬けなければならないから面倒くさいし、茶漬けにする前に白御飯に乗っけたくなる。鯛そうめんも旨いと知ってるけど、作るのが面倒だ。それにビジュアル的に大皿の真ん中に鯛をデーンと飾りたい。そんなの一人暮らしには現実的でない。やっぱ愛媛出身の知人を作って、おうちに呼ばれて皆でワイワイ食べたいよね。できれば、その知人というのは女性であってほしいなあ。

そういえば鯛のソテーとかポワレとか洋風なものが一つもない。別に洋風の鯛料理を否定はしてないけど、自分の中の調理する優先順位としては低いんだろね。何かバターとかで焼くのって勿体ないような気がするんだな。鮮度とか悪けりゃするとは思うけど、そもそもそんな悪い状態の鯛は買わないのだ。ことわざに「腐っても鯛」という言葉があるけれども、鮮度の悪い鯛はやっぱり不味いのだ。
ことわざは何かの喩えだから文句を言っても仕方ないけど、腐った鯛は食えまへん。腐った鯛みたいな人もダメである。腐ってんだから、所詮はダメダメなんである。何か誰かのことを言ってるようで、心苦しいよ。

                   おしまい

 
追伸
お気づきの方もおられるだろうが、過去に書いた『鰹を愛する男』と『鮪を愛する男』の姉妹作である。
元々の目的はその二つと同じで、大量に溜まった画像を一挙に纏めて消すことにある。時々そうして画像を消さないと、ストレージが溜まってメール等が受信できなくなるのだ。
ほぼ毎日、飯は自分で作るので、どうしても写真が増えてしまう。その日の献立をチャチャと書いて記事にあげればいいんだけど、酒飲んで御機嫌なんだから、面倒くさい。で、日々どんどん画像が溜まってゆくというワケである。
だから、多分この魚シリーズはこれからもそれなりに続くと思われる。で、ある程度の魚の種類を書き終えたら、『魚王選手権』をやります(笑)

 

その後のヨダレ鶏

 
予告通り、よだれ鶏のタレで餃子を食いましたよん。

 

 
主役はあくまでもタレである。
一応おさらいで、タレのテキトーなレシピを書いておく。醤油にチューブのニンニクとショウガ、粉山椒、白ゴマ、砂糖、ラー油、胡麻油、水に酒と塩で火入れした鶏肉の煮汁を混ぜ合わせたら出来上がり。酔っ払って書いているから、抜けてたらゴメーン。気になる人は前回だか前々回だかで確認し直してね。

でもタレだけでなく、当然ながら選ぶ餃子もまた重要である。吟味した結果、コレにした。

 

 
AJINOMOTOの餃子である。
長年、冷凍物の餃子を試した結果、今のところコレが一番旨い。但し、タレが付いてないのが玉に瑕だ。
しかーし、今回はタレが付いてなくとも全然問題がないのさ。何てったって、もうタレがあるんだからね。無くても関係ないのであ~る。

気合いを入れて焼く。餃子っつーもんは、たとえ冷凍物であろうとも手を抜くと、ケッコー失敗するのである。失敗したら、なぜだか他の料理よか百倍腹立つ。きっと、前世は餃子焼き職人だったのだろう。

 

 
完璧とは言えないまでも、許容範囲内で何とか焼けた。

早速、食う。
パリッ、バリッじゃよ。

味はねぇ…、当然旨い。
何だか、旨過ぎて拍子抜けした。あまりにも予想通りだったもんで、心の持っていきようがワカンなくなったのだ。そりゃ、よだれ鶏を既に食ってんだもん。味は解ってる。予想はつくから、当たり前っちゃ、当たり前だ。ようするに何らサプライズが無いのである。
やっぱ、前世は餃子職人だな。妥協を赦さない餃子職人は、タレにも五月蝿(うるさ)い。結局、何だかんだと、軽微なところにとっても拘るのだ。
面倒くさい人は、死んだ方がいい。生きてても、誰も喜ばないのだ。ぽてちーん。
 

                   おしまい

 
追伸
やっぱりスランプだ。

 

NISSIN 中華そば ますたに

 
 
日清の、一度は食べてみたかった日本の名店シリーズの『京都 北白川 中華そば ますたに』である。

 

 
昔からある有名な店だから、オイラでも名前くらいは知っていた。しかし、一度も食べたことはない。京都にまで出てきて、わざわざラーメンを食いたいとは思わないからだ。
京都には有名なラーメン店が沢山あるのは事実だ。しかし、他に旨いもんが何ぼでもあるのもまた事実なのである。だいたいが京都に行くといえば、若い頃からお姉ちゃんと一緒なのだ。だから京都に行ってラーメンを食う機会は少ない。毎回デートでラーメンばっか食ってたら、ボロカス言われるに決まっている。言われないまでも、デキない男と云う烙印は確実に押されるだろう。女の子からしたら、京都に来てラーメンはないでしょう?って事ね。不粋なのだ。せめて『おめん』とかの京うどん、もしくは『松葉』のにしん蕎麦あたりで手を打つのが御機嫌を損ねない防御策だ。
世の若い男の子たちに告げる。京都へデートに行ってラーメンばっか食ってたら、そのうち嫌われおすえ。

毎度ながらの長い前置きはこれくらいにしておいて、本題に入ろう。

パッケージの裏を見たら、店の紹介文があった。

「創業60余年、京都で愛され続ける老舗ラーメン店。鶏ガラのコクと背脂の旨味が自慢の醤油味は京都ラーメンの代表格といっても過言ではありません。まさに一度は食べてみたい日本の名店です。」

やはり老舗である。ふーん、鶏ガラ醤油で、所謂(いわゆる)背脂チャッチャッ系なんだね。
そういえば、この日清のライセンスものの『ますたに』って食べた記憶があるなあ…。最近、大概のことはすぐ忘れる。特にこの手の記憶は無くとも何ら困らないからイレースされるのも早い。

探してみたら、思った通り画像が残っていた。

 

 
具は卵と三つ葉、ネギだなあ。
変といえば変な組み合わせだ。
味の方は全然覚えてない。
1パックに2食分入っているから、もう1つある筈だ。

 

 
おましたなあ。たぶん、これどすえ。
具は椎茸と豆腐、ニンジン、ニラ、ネギ。ラーメンの具としてはアヴァンギャルドだなあ(笑)。
特に椎茸と豆腐は攻めてるねー(^-^)vと言いたいところだが、どうせ冷蔵庫の残り物をテキトーにブチ込んだのだろう。にしても、フザけた組み合わせだ。我ながら何考えてんだ?と思う。
こんなにインパクトがあるのにも拘わらず、もちろんコチラも味の方は全然覚えてない。所詮はテーゲー(適当)な性格なのである。

取り敢えず、作ろう。
麺を2分ほど茹で、液体のスープの素をお湯で伸ばしたものと合体させるだけだ。楽ちんである。

 

 
シンプルに、具は自家製の煮豚と細ネギだけである。
ラーメンはシンプルであるべきだとか何だとか、別に何か大層な意図があるワケではない。パッケージ写真に倣おうとしたのだが、メンマが無いことに気づいただけだ。

スープは濃厚で旨い。京都は懐石料理に代表されるように薄味文化だと思われているが、ラーメンはこってり系の店が多くて、全般的に味が濃い。また、京都はお米文化だとも思われがちだが、意外にもパンの消費量も全国有数である。この辺が京都という土地の謎なところで、京都人という人種をさらに解らなくしている。京都は本音と建て前の社会と言われる。一方、大阪は人の心に土足で入ってゆくと云う、どストレートの本音社会だ。同じ関西でも気質は随分と違うのである。まっ、どっちもどっちだね。面倒くさい人種には変わりはない。
あっ、どうでもいい話に逸れた。本題に戻ろう。

麺は細麺だ。太麺が好きだけど、細麺が嫌いってワケではない。ようは旨ければ文句はないのだ。

食べてみる。
ん~、何だか麺が粉っぽい。スープが好みなだけに残念だ。

因みに2食目も、トッピングは全く同じ具。

 

 
当たり前だが、味も全く同じだ。

スープを残しておいて、好みの太麺を買ってきて新たに自分流のラーメンをつくってみた。

 

 
一食目。
具は煮玉子にモヤシ、ネギ、チャシュー。王道だ。
見た目はかなりイケてる。けど、( ̄▽ ̄;)マッズ。
麺が致命的に不味い。たまたま安売りしてたので、いつもと違うメーカーを買ってしまったのだが、痛恨の極みだ。ラーメンの構成要素として、麺が如何に大事かということを今更ながらに痛感する。

 

 
2食目。
煮玉子は臭うので、バキバキに煮まくってやった。
モヤシもクタクタに煮てやった。鶏肉は、いつのんやねん❓と云うくらい長年冷凍庫に眠っていたものを使った。もう旨いもんを作ろうという気概が全然ない。
どうせ麺は二袋入りなんだから、昨日と一緒なのだ。どうあがこうと、よくなる要素はどこにもない。
で、食うとやっぱり(--;)マズイ。昨日よか数段マズイ❗
(ノ-
-)ノ~┻━┻ ダアーッ❗
食べ物を粗末にしてしまった。

心が狭い男は、『ますたに』には生涯行くまいと決心する。い~や、京都でラーメンなんぞ一生食ってやるものか、(=`ェ´=)=3=3プンプン。

                   おしまい

 
追伸
ホント、つまんない文章を書いちゃったよ。
なあ~んかスランプの予感。

 

よだれ鶏

「よだれ鶏」とは、四川料理の一つで、文字通り涎(よだれ)が出るほど美味しい鶏料理という意味である。中国では「口水鶏」と書き、中国・四川省出身の文筆家が著書のなかで「その美味しさを想像しただけで、よだれが出てしまう」と書いたことからその名がついたとされている。
最近は居酒屋なんかでも見かけるから、知っている人もそこそこいるのではないだろうか。謂わば、ブームになりつつ存在って感じだ。

はてさて一体どんな料理なのかと言うと、茹でた鶏肉を冷やして切り分けたものに、香辛料や薬味を入れた辛いソースをかけたものだ。辛さが食欲を刺激して、暑い夏にぴったりの前菜と言われている。
だが、過去にどこかの店で食べたことがあるけれど、期待したほどのものではなかった。正直、言うほど美味いかあ❓と思った。何か妙に余ったるいのである。酒呑みの身としては、変に甘い酒の肴は赦し難い。二度と食うもんかと思った記憶がある。

しかし、毎週月曜日、BS日テレで放送している『断ちごはん~和牛もいただきます~』を見ていて、何だか無性に作りたくなってきた。
この番組はゲストに大好物を1週間完全に断ってもらった後に、グルメ雑誌「dancyu」編集長が数ある名店の中から最もふさわしい料理を出すお店へとご案内。ゲストが満足すれば自腹でお支払いして戴くというコンセプトの番組である。
その日のゲストはモデルの押切もえで、お題は「餃子」であった。餃子なのに何でよだれ鶏❓と思った御仁も多いだろう。これが手の込んだ変化球で、自分も何でよだれ鶏❓と思った。
答えは、よだれ鶏をオーダーして、そのタレで餃子を食うと云うものだった。このよだれ鶏がマジで旨そうだったのだ。

先ずは鶏モモ肉を茹でるのだが、番組では沸騰したお湯だか白湯スープだかに鶏をブチ込んだら、火を消して余熱で火を通していた。これがギリギリ生ではないという究極の火入れだった。出演者たちが絶妙の柔らかさだと言ってたので、マジでヨダレが出たよ。

鍋に水と酒、塩、万能ネギ1本、生姜1片を入れて火にかける。沸騰したら鶏肉を入れる。今回は丹波の赤鶏を使った。火を消したら、鍋に蓋をして放置する。時々、触ってみて弾力で火の入り具合をチエックする。でも今イチわからん。だってプロじゃねえもん。おいちゃん、匙を投げる。
で、そのまま忘れてしまう。たぶん20分かなあ?それとも30分くらいかなあ?…それくらい経ったところで鍋から取り出して切り分けてみた。
ワオッd=(^o^)=b、奇跡的に最高の火入れになっていた。やっぱオイラって、まあまあ天才かもしんない。テキトーなわりに、ナゼか何でも上手くいっちゃうんだよなあ。

お次はタレ作りである。
醤油にチューブのニンニクと生姜を多めにブチ込む。そこに胡麻油、ラー油、黒酢、砂糖と鶏を茹でた汁をテキトーに入れてかき混ぜる。砂糖は少なめにした。甘くなるのを極力避けるためだ。ここに更にたっぷりの白ゴマと「やまつ辻田」の香り高い粉山椒を多めに入れる。本当は花椒を入れたかったのだが、切らしていたので代用に使ったけど、正解。やまつ辻田の山椒は香りが立っているからメチャメチャ美味いがな。

冷蔵庫で冷やした鶏を古伊万里に並べ、タレをかける。そして、芹を添える。ネギや三つ葉、香菜(パクチー)ではなく、セリをチョイスしたところが我ながらセンスあるぅ~(^-^)v
あまり知られていないが、セリと鶏肉の相性は抜群なのだ。水炊きなんかに入れると格段に1ランク上の大人の水炊きになる。

 

 
さあ、完成だ。美味しいものは美しいねぇ(^_^)

タレを存分につけ、芹と一緒に口に放り込む。
( ☆∀☆)うみゃーい❗メチャメチャ美味いやんかー。芹と胡麻の香りが鼻から抜け、鶏肉の旨みが口いっぱいに広がる。そして、あとから山椒の痺れが追いかけてくる。溜まらんなあ(о´∀`о)
わりかし簡単だから、酒呑みのオッサンもヒマをもて余している熟女の主婦も是非試されたし。至福のひとときが待ってまっせ。

そして、次回はいよいよこのタレで餃子を食ってみようじゃないか。さあ、餃子はどこのにしよっかなあ…。

                    つづく

鮪を愛する男

 
カツオも好きだが、マグロも好きだ。

 

 

 

 

 

 

 
マグロといえば赤身である。
あの食欲をそそる独特の香りが好きだ。

歳を重ねるうちに段々と赤身が好きになってきた。
大トロはもちろん美味い。でも昔みたく沢山は食べられなくなった。歳を喰った証しなのか、脂ギッシュなのはもうしんどいのである。今や寿司屋に行ってもマグロは赤身と中トロしか頼まない。
(・。・)あっ、もとい。でも〆にはいまだにトロ鉄火を食ってるわ。美味いんだよなあ(о´∀`о)、トロ鉄火。

マグロにはクロマグロ(本マグロ)、インドマグロ(ミナミマグロ)、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロ(ビンチョウマグロ)などの種類があるが、今回基本的には区別しない。っていうか、画像だけでは今さらマグロの種類を特定なんてできやしない。三歩あるけば忘れてしまうという鶏なみの脳ミソのアホが、過去のそんな細かいところまで覚えているワケがないのだ(註1)。
因みに名前を上げた種類の順に美味いと言われてるだすよ。ワシもそれには賛成じゃ。クロマグロが一番美味いと思う。味が濃厚だけど微かな酸味もあってバランスがいい。インドマグロは最近はナゼだかスーパーでは見かけない。自然、クロマグロかメバチを買う機会が多い。キハダはあまり買わない。味が薄いし、そもそもトロの部分が無いもんね。

ついでに言っとくと、和名にマグロとつくものは他にもあって、結構多い。コシナガマグロ、ヨコワマグロ、ヒッサゲマグロ、メジマグロ、シビマグロ、カジキマグロにイソマグロetc…。

コシナガマグロはマグロとしては小型で、名前通りに尾部側が長く、体型が細長い。主にインド太平洋の熱帯・亜熱帯海域に分布し、日本近海では夏季に捕獲される。だが刺身ではなく、ツナ缶など加工品となることが圧倒的に多いようだ。あまり名前を聞かないし、市場にも出回らないのはそのせいだろう。

ヨコワマグロ、ヒッサゲマグロ、メジマグロはクロマグロの幼魚の地方名。ヨコワ・ヨコワマグロは近畿・四国地方、そしてメジ、メジマグロは中部・関東地方での呼び名とされるが、曖昧な部分も多々あるようだ。東京にいる時、ヨコワと称して売っているのを見たことがある。
ヒッサゲは大きさ由来の名で、ヨコワよりも大きくてマグロよりも小さく、肩から引っさげられるくらいの大きさのモノを言うようだ。
魚介類って地方により名前が違うものが多いから、こんがらがる事が多い。地方名は文化でもあるからして、全国で統一せよとは言わないけど、何だかややこしいよね。

シビマグロはキハダマグロの幼魚のことを言うとされるが、これまた例外もあり、面倒くさいし、ぬかるみにハマるからもうこれ以上詳しくは書かないけどさ。脱線して、もうエライとこに首突っ込んじゃったなー。

カジキマグロ(梶木鮪)やイソマグロ(磯鮪)はマグロとつくが、厳密的にはマグロではない。あくまでも通俗名であって、学術上はマグロ属ではあらしまへん。イソマグロはマグロと同じスズキ目・サバ科だが、属はイソマグロ属に含まれる。
ダイビングインストラクター時代にイソンボ(イソマグロの別称)を見たことがあるけど、あの迫力たるや凄いものがあった。マンタよか興奮したかもしんない。
おっとー、また脱線しそうだ。軌道修正しよう。

カジキは分類学的にもっと離れていて、スズキ目(カジキ亜目)だが、メカジキ科、もしくはマカジキ科に分類される。マグロに似ているのは、共に巨大化した結果、形や生態が収斂されたのではないかと云う説がある。同じ環境に適応してみたら、たまたま似ましたーって感じだろうか。

(;・ω・)何か早くも脱線しまくりだなあ。
蘊蓄(うんちく)は、もういい。気をとりなおして、前へと話を進めよう。

 

 

 

 

 

 
こちらは大トロと中トロだね。

トロや中トロは官能的である。なんか見た目が艶(なまめ)かしいよね。色といい、質感といいエロいわ。でもって美味いから官能的なのだ。口に残る旨味の余韻もいい。エクスタシーなのだ。

あっ、二番目は薬味に「東京ハラペーニョ」を使ってるな。黒いヤツだ。辛味があってマグロにも合うのだ。

 

 
ネギトロである。この一点しかないのは、ネギトロと称して売っているものは紛いモノだらけだからである。ゆえに食べる機会は少ない。
本来のネギトロは、骨の間にある身の「中落ち」に筋の多い部位や皮の裏などの脂身を小削ぎ落としたスキ身を加えて、包丁で細かく叩いたものだ。ゆえに、そもそもはマグロを1本丸ごと買い付けるような店でしか出てこない寿司ダネだった。
なのにこうも巷にネギトロが溢れているのはナゼか。
答えは簡単だ。スーパーの鮮魚売場に行って、ネギトロのパッケージの裏を見るといい。原材料の書いてあるシールには必ずサラダ油、植物油などと多くの調味料が羅列されている筈だ。つまり、現在スーパーや回転寿司などで一般的に提供されているネギトロは紛い物のフェイクなのだ。ようするにマグロの切身を作る際に出る端材に、魚油や植物油などの油脂や調味料、着色料などを加えてペースト状に加工したものなのだ。ゼッテー、体に良くないよね。だから偽物は基本的に選ばないのだ。
余談だが、ネギトロという名称は中落ちをスプーン等で削ぎ取ることを指す「ねぎ取る」という言葉に由来する。しかしながら、一般的には「ネギ」は野菜の葱で、「トロ」は脂の多い部位であるトロのことであると誤解されていることが多い。コレ、意外と知ってる人が少ないんだよね。

肝心なことを言い忘れた。上の写真のモノは中落ちにスキ身、頭の肉などが混ぜ合わされたものだ。記憶だと、黒門市場のマグロ専門店で買ったものだから間違いない。しかも値段も389円とかクズみたいな値だったと思う。もちろん、抜群に美味かった。勿体なくてしなかったけど、これに沢庵(たくあん)を細かく切ったものを混ぜても旨い。いわゆるトロタクってヤツだすな。『英ちゃん福寿司』に誰か連れてってくれないかなあ…。あそこのトロタクってバリ旨なんすよ。

 

 

 

 

 
ビンチョウマグロだね。関西ではビンナガとはあまり言わない。スーパーでの表記もビンチョウマグロしか見たことがない。

これはさすがに簡単に他と区別できるので分けた。
名前の由来は長大な胸鰭を鬢(びん)、つまりモミアゲに見立てたからと言われている。そういえばトンボの羽に見立てたトンボマグロなんていう別称もあったっけな。また、前述したクロマグロの幼魚の地方名と同じシビなる異称もある。これ又ややこしい。世界から日本語が難しい言語だと言われるのは、何にでも多くの別称があるのが原因の一つかもしれない。アメとか同音異義語もいっぱいあるしさ。雨❓、飴❓(`ロ´;)どっちなんだよー。ワシが外国人だったら、ワッケわかんねーと思うよ。

最後の一枚は太白胡麻油をかけて、山椒と塩を振って食ったと思う。旨かった覚えがある。ポイントは普通の胡麻油ではなく、太白胡麻油を使ったところ。普通の胡麻油では個性が強すぎて、正直言って邪魔。

ビンナガには脂の乗ったビントロというのがあるけれど、最近はとんと見ないなあ…。
スーパーに売ってるのは見た目が脂が乗ってそうなのに、食えば大概あっさりでガッカリする。そう太白胡麻油をかけたのは脂と旨味を補う為だったのだよ。
因みにビンチョウは身の色が元々白っぽいから、脂が乗ってるのかどうかが分かりにくいマグロです。

昔、東京のダイビング・ショップに勤めていた頃、先輩の笹さんとよく神田の『養老乃瀧』に「ビントロのにぎり」を食いに行ったっけ。最後の〆に頼むんだけど、コレが脂がメチャメチャ乗っててバリ旨かった。しかも激安だった。たぶん6貫で500円くらいだったんじゃないかな。今思えば、あれはビントロじゃなくてインガンダルマ(註2)とか怪しい深海魚だったんじゃねえか(笑)。
( ̄∇ ̄*)ゞあっ、ウッソでーす。

続けてヅケである。

 

 

 

 

 

 

 
ヅケは醤油に煮きった酒、味醂などを調合したものに刺身を浸けたものだが、単純にみえて奥が深い。
刺身の切り方、調味液の配合、漬ける時間、刺身をそのまま漬けるか表面に軽く火を入れてから漬けるかなど、選択によって味わいにかなりの差が出てくる。薬味も加えれば、バリエーションはもう無限大だ。

最近の好みとしては、調味液に5~10分くらい漬けて取り出し、暫くおいて味を馴染ませてから食うのが定番になりつつある。

 

 
薬味は山葵ではなく、辛子がマイブーム。

 

 
ビンチョウマグロの場合は調味液の配合を味醂多めにする。ビンチョウマグロは味が弱いので、少しアクセントをつけたいからである。但し、甘くし過ぎると最悪。

次へ進もう。

 

 

 

 

 

 

 
いわゆるマグロの山かけというやつである。
思ってた以上にこさえてるなあ。意識したことないけど、何気に山かけ好きなんだろなあ…。
ところで何で山かけなんだあ❓海のものなのに山かけとは、これ如何に❓
調べてみたら、山かけの山は山芋のことらしい。山芋がけを略したんだとさ。なるほどね。でもスーパーで売ってるのは殆んどが栽培された長芋ばっかだ。山芋なんて滅多に見ないから、頭の中で繋がらなかったよ。単に上から山のようにかけるからだとばかり思ってた。
でもさあ、山芋とか長芋は牛タンとコラボしてる機会も多いけど、自分の知る限りでは牛タンの山かけとは言わないよね。とろろとかの方が圧倒的に多くねえか❓
文句言いてえなあ。山芋なんて高価なものは滅多に掛けらるねえんだから、マグロの長芋かけとかマグロの長かけに改名しろよな(# ̄З ̄)。紛らわしいよ、バーロー。
あっ、「マグロの長かけ」なんて略したら益々ワケわかんねーな。この際、いっそのこと、マグロの山かけなんて名前は廃名したらどうだ❓全国山かけ連合会なるものがあったらスマヌが、「とろろ」の方が余程ポピュラーで、誰だって意味はわかる。
もう「とろろ鮪」か「鮪とろろ」でええでねえの❓

 
ここから先は変化球。

 

 

 

 
卵の黄身系アレンジである。時々、飽きるとこういう事するんだけど、思っている程には劇的旨くはならない。何ていうか、想像した通りの味なんである。酒の肴というよりか、白ごはんに乗っけて食った方が旨い代物だと思う。

一番上の画像が一番シンプルなもの。生卵の黄身の上にビンナガを盛り、そこに後で醤油をかけたものだ。
二番目は半熟卵を使ったもの。火がある程度入っているので、微妙に味わいが違う。
三番目は黄身に胡麻油を加えて、グチョグチョに混ぜたもの。正直、ネギは要らんと思う。

 

 
下に敷かれているのは、海草のメカブだったと思う。コレもそこそこ旨いが想像を越えるものではない。

 

 
アボカドとのコラボだね。アボカドを初めて食ったのは中学生くらいの頃だったと思う。おかんが買ってきて、山葵醤油で食うとトロの味がすると言って出してきた。うちのおかん、食材に関してはチャレンジャーだったから、結構幼少の頃から色んな珍しいもんを食わしてもらってきた。だから、おかんには感謝してる。
とにかく、その初アボカドのことは今でもよく憶えてて、スライスされたものが出てきたのだが、食べて先ず、その食感に驚いた。おかんに言われて頭の中は完全にマグロになってたのに、当たり前だが刺身の食感とは違っていたからだ。正直、とまどった。刺身ではないにしても野菜のそれともまた違う固さで、噛んでいるうちに口の中で何やら化学変化が起こり、最後にトロっぽい後味が残るのだ。不思議な感じで、ちょっと騙されたような気分になった。

今でこそアボカドは熟成させるのが当たり前だし、料理法によって切り方も変わることは知られている。当時は情報も殆んど無なかったと思われる。大人になっても、料理法を教えてくれと電話がかかってきたことがある。ほんのまだ10年程前のことだ。それが今や置いてないスーパーは無い時代だもんなあ。時代は変わるのだ。

というワケで、上の写真のアボカドは適度に熟成させたものだ。切り方も考えてわざとブツ切りにしてある。勿論、事前に色止めのためにレモン汁もかけてある。
コレ、ものすごく美味かった記憶があるんだけど、レシピを全然覚えてない。山葵醤油は入ってる筈だけど、ちょっとだけマヨネーズも入れたような気がする。

 

 
コレもアボカドとのコラボだが、見た目を考えずにグチャグチャに混ぜてから海苔をフュチャーしてみた。たぶんレモン汁で色止めさえしてない。当然、およそ食欲をそそるものではなくなった。でも味はそこそこ旨かったと思う。アボカド、山葵醤油、海苔の組み合わせはマグロのベストマッチの一つでもあるからして、当然ちゃ当然なんだけどね。

そして最後は御飯もの。

 

 
ヅケ丼。ご飯は酢めしにした。
クリーンヒット。こういうのは間違いない旨さだね。

 

 
コチラはビンナガのヅケ丼だね。
海苔で味を補った。

 

 
漬け込み浅めのヅケ乗っけごはん。

 

 
漬け込み強めのヅケ乗っけごはん。
こっちは、お茶とか出汁をブッかけても旨い。そう、いわゆるお茶漬けというヤツね。

そういえばこの前、TV番組で言ってたけど、回転寿司ではマグロが1、2位を争う高コストらしい。つまりマグロを食いまくるのがコスパが高いってことね。
今度、回転寿司に行ったらマグロしか食わんといたろかしら。まあマグロを愛する男だけど、そんなこと無理だと思うけど。

 
                 おしまい

 
追伸
カツオの回の姉妹編だすな。
カツオも好きだけど、マグロも好きなのだ。

昨日にアップ予定の記事だったけど、急遽甲子園に行くことにしたので、今日にズラした。

スマホのストレージが溜まってて画像を消したいがゆえのやっつけ回のつもりだったが、書いてるうちに思いのほか長くなってしまった。性格でしょうな。

 
(註1)細かいこと覚えているワケがないのだ
覚えてないとは言ったけど、写真を見るかぎりでは、一番目と四番、五番目は本マグロ、三番、六番目がメバチマグロ、二番目はメバチかキハダか微妙ってとこかな。

 
(註2)インガンダルマ
深海数百メートルに棲む深海魚。正式名称はバラムツ。脂が乗っててメチャンコ美味いんだけど、二切れもしくは三切れ食ったら尻の穴から無意識に💩ウンコを洩らしてしまうという超絶ヤバイもの。多量に摂食して昏睡状態に陥ったという重篤な症例も報告されている。法律でも販売も禁止されており、謂わば禁断の食い物だ。パンパース装着必須じゃよ。
でも絶海の島、大東島に行けば食えまっせ。刺身も美味いけど、焼いた方が美味。因みに、なぜ洩らすのかというと、脂が蝋的なもので人間には消化できない成分らしい。勇気ある人は試されたし。因みにオラは島のオジサンたちに煽られて、調子こいて7切れも食った。結果は言わない(笑)。

 

鰹を愛する男

 
何だかんだと今年は鰹を食いまくっている。

 

 

 
いずれも鰹のたたきだね。

 

 

 

 

 
上四つは刺身だね。以下、テキトーにぞろぞろと並べる。

 

 
薬味は基本は本場高知仕込みの生ニンニク。気分で時々生姜かな。他に葱、茗荷、大葉ってとこですかね。

 

 
茗荷多めが俺的トレンド。

 

 
このタタキはモノが良くて旨かった。

 

 
白胡麻なんぞを振ってみた。

 

 
これは伊勢名物の手こね寿司的なもんだったかと思う。伊勢に贔屓の手こね寿司屋があるんだけど、長いこと行ってないなあ…。でも今さらミカドアゲハとかサツマシジミを採りに行く気になれないんだよね。

 

 
これも丼ものだね。粒々的なものはハモの子だったような気がする。記憶は曖昧だけど。

 

 
黒い薬味は「東京ハラペーニョ」。コレ、辛味があって結構気に入ってた。マイブーム的に何にでも使ってた時期がある。

 

 
最近はタタキよりも刺身の方を好む傾向がある。6対4で刺身かな。
ここ数年で、さらに冷凍技術と流通経路の向上が進んだのではないかと思う。確実にカツオは昔よりも旨くなってる気がする。

 

 
とはいえダメなのもある。コレなんか今イチだったので、山かけにしてみた。でも山かけは、やっぱりマグロが圧倒的に旨いと思う。サーモンなんかも何かシックリこないんだよね。

 

 
生姜は、おろさずに短冊切りにする時もある。そっちの方が辛味はより強いかな。

 

 
段々、書くことが無くなってきた(笑)。

 

 
コレ、たぶん薬味オールスター。上から大葉、葱、あと時計と反対回りに茗荷、ニンニク、山葵、生姜、レモン。レモンが登場しているということは、もちろん塩も用意されている筈だ。

 

 

 
上二つは鮮度良し。ダメなカツオは断面が虹色的だ。傾けると、それがよくわかりますぞ。

 

 
腹皮部分だね。ここが酒の肴には打ってつけなのだ。
腹皮といえば鹿児島の枕崎だね。

 

 
かなりショッパイ代物だけど、コレが酒の肴に抜群なのだ。酒がなんぼでも呑める。
因みに、枕崎の酒盗(鰹の内蔵の塩辛)もショッパイ。でも他のところの甘ったるい酒盗よりも遥かに旨いと思う。

 

  
これは飽きてきて卵の黄身なんぞをトッピングしたんだね。それ相応には旨いけど、期待した程ではない。カツオはやっぱりシンプルなのがいい。

 

 
これなんかは鮮度の良い刺身だったので、たぶん塩と薬味のみで食ってると思う。鮮度にもよるが、最近は塩で食うことが多い。それが一番カツオの風味が味わえるからだ。

 

 
どんどん書くことが無くなってきたなあ。
あっ、そうだ。言い忘れたが、添付のタタキのタレなんぞは絶対に使わない。あんな甘ったるいものはカツオの良さを台無しにすると思っているからだ。あれは鮮度の悪いカツオの味を誤魔化すためにあるものだと思ってる。

 

 
それで思い出したが、カツオのタタキの謂われは文字通りで、このタレをかけて叩いて味を馴染ませることから来ている。

 

 
盛り付けに飽きて、こんな仕様にしたんだろなあ…。

 

 
コレ、飽きてきて遂にこのあとドレッシングをブッかけた。味はまあ…想像通り。殿、御乱心の発作的行為だったから用意してなかったけど、ワインと一緒だったら、評価は変わっていたかもしれない。

 

 
前にも書いたことあると思うけど、一番旨い鰹のタタキは藁焼きカツオだ。今まで一番旨いと思ったのは食堂か何かの居抜きだった頃の初期の『和屋』で食べたものだ(その後、二度移転している)。大将がやおら藁と一斗缶の上部を切り取ったものを出してきて、店前の道路でガンガンの強火でカツオを焼き始めた。もう燃やしてるって感じ。で、大丈夫かというくらいの真っ黒焦げになったんだけど、それを固く絞った布巾でゴシゴシと焦げを拭き取ってたんだよな。
出されたものは、最高に香ばしかった。たしか季節は秋だったから、戻り鰹だったんだろね。アレを越えるカツオのタタキは、いまだ会えてない。

 

 
最後に一番投げやりな画像。キレイに盛り付ける気さえ無くなって、グシャグシャに混ぜたものだ。

9月に入れば、走りの戻り鰹も出てくるだろう。
秋もカツオを食い続ける所存だ。

                  おしまい

 

だだ茶豆の季節がやってきた

 
毎年この季節、だだ茶豆が出回り始めると盛夏ド真ん中だなと思う。

 

 
だだ茶豆といえば、山形県の鶴岡市の特産である。
たまに他の産地の「だだ茶豆」を見掛けるが、味が遥かに劣るので注意されたし。
他の土地で栽培しても、本来の味にはならないようで、どうやら土壌が関係しているらしい。
あと、鶴岡産のものは必ず袋に生産者の名前が書いてある。書いてないものはパチもんでっせ(# ̄З ̄)

名前の由来は、父さん(だだちゃ)だったんじゃないかな?
あまりいい加減なことも書けないので、ちょっいとググってみた。

wikipedia の記事を要約してみよう。
「枝豆用として栽培されるダイズ(大豆)の系統群である。山形県庄内地方の特産品。江戸時代に越後(現在の新潟県)から庄内に伝わった品種を選抜育成したものと考えられている。」

一般ピーポーは知んない人も結構いるみたいだけど、枝豆は大豆の若鞘である。因みにエンドウ豆の若鞘が絹さやである。厳密的に言うと、両者ともそれ用に品種改良されているんだけどね。

「さやの毛が茶色で、くびれも深い。見栄えは必ずしも良くないが、甘味と独特の濃厚な風味を持っており、香りも強い。やや小粒の状態で出荷され、短めの時間で茹で上がる。」

そうなのだ。だだ茶といえば、香りである。他の茶豆と比べて遥かに香ばしい。そして甘みも強い。

「栽培する土地が合わないと風味が落ちてしまうことから、生産地が限られている。収穫期も短く、保存も困難だったため、長らく「幻の豆」と呼ばれた。近年は輸送技術・速度の向上等により、地元以外でも店舗や通信販売で取り扱われたり、居酒屋などでメニューに並べられたりするようになり、全国的に知られている。
品種は8つ。「早生甘露」「小真木(こまぎ)」「甘露」「早生白山(しらやま)」「白山」「晩生甘露」「平田」「おうら(尾浦)」があり、特に人気があるのは「白山」である。」

へぇー、8つも品種があるんだ。知らなかったよ。
でも袋に品種名なんて書いてないよね。だったら、「白山」という品種を選べないじゃないか。意味ないじゃん。

「だだちゃ豆は明治の後期に誕生したとされる。当時の大泉村白山に帰農した士族、森屋藤十郎の娘であった初が、隣村の寺田から貰い受けた早生種の茶豆(枝豆用大豆の品種の一つ)の種を畑に植えたところ、その中に晩生で味の良い豆があった。その種を大切に保存して自分の畑で増やしていき、現在のだだちゃ豆のルーツとなった「藤十郎だだちゃ」を育てたという。
名前の由来は「だだちゃ」とは庄内地方の方言で「おやじ」「お父さん」を意味する。」

やっぱ由来は、おとーちゃんだったさあ。
オラの記憶も満更でもない。
御託はコレくらいにして、とっとと塩ゆでしよう。

普通なら、粗塩で塩揉みするのだが、この日はサボった。長野での過酷な旅の帰りで、心身ともにボロボロだったのだ。
さやの両端も面倒くさいので切らなかった。誰かに食べてもらうワケじゃないので、見てくれはどーだっていいのである。

 

 
( ´∀`)ん~、ふぉんて~ぬ。香ぐわしい。
部屋いっぱいに香りが広がる。だだ茶豆は茹でてる時も良い香りがするんだよね。

茹でたてを一さやだけ食い、かたさを確かめて団扇で扇ぐ。ゆめゆめ冷水に浸けたりしてはなりませぬぞ。香りが台無しになっちまいますぜ、熟々のエロい奥さん。

冷めたら、密閉できる容器に移して塩を振り、冷蔵庫に安置する。
そう、すぐには食わないのだ。ここが重要なポイント。ナゼかっつーと、そうした方が香りが豆にまわり、甘みも増すのだ。もちろん塩味も馴染む。

3時間後、冷蔵庫から取り出す。
いよいよ期は熟した。あとは怒涛の如く至福の瞬間へと雪崩れこんでゆくだけである。

先ずは鼻に持っていき、香りを楽しむ。それから、おもむろに口へと放り込む。

噛みしめる。
( ☆∀☆)ぴゃあ~。
香ばしくて、甘━━━━━━━━━い❗
すかさず、🍺ビールをグビグビいく。
ε=(≧∇≦ )ぷは━━━━、まっこと五臓六腑に染み渡るぜよ。し・あ・わ・せ(о´∀`о)じゃね~。

だだ茶の季節は短い。
今日も高島屋に行くっぺよ。

 
                おしまい

 
追伸
さっき甲子園で、何と鶴岡東が選抜準優の習志野を破った。しかも打ち勝ったというのだから驚きだ。
今年は鶴岡旋風、起きるかもなあ。

 

深夜のカプレーゼ

  
昨日?、今日?
日付が変わった深夜に山から帰ってきて、24時間スーパーに寄った。
輸入物のモッツアレラチーズが安くなってたので買う。

 

 
モッツアレラといえば水牛のチーズで、真っ先に頭に浮かぶのがカプレーゼだ。
カプレーゼとは、正式にはインサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese)といい、イタリア南部カンパニア地方のサラダである。直訳すると「カプリ島のサラダ」という意味だ。
幸い冷蔵庫にはフルーツトマトがある。それにその山で採ったばかりの野生のシソもある。これはもう、天の啓示みたいなもんである。
( ・◇・)ん?、何かこのシーンって既視感がなくなくねぇか❓ ドッペルゲンガーとかドッペルゲンゲル的なものをフッと感じたぞ。いやドッペルゲンガーとは違うわ。既視感のことはデジャヴって言うんだったな。
御託はいい。疲れているのだ。とっとと作ろう。

作り方は簡単だ。
トマトとモッツアレラチーズ、生のバジルを交互に盛りつけ、そこにエキストラヴァージン・オリーブオイルと塩、胡椒をかけるだけだ。
で、生のバジルの替わりに同じシソ科のシソを使おうと云うワケである。

とはいえ、雨に祟られ何だかヘトヘトだ。
キレイに交互になんて盛りつけてらんない。良く言えばワイルド、悪く言えばぞんざいに盛りつける。

 

 
疲れてんなあ…。肝心の塩と粗挽き胡椒を振るのを忘れてるよ。

 

 
完成。
赤と緑と白のトリコロールが美しい。何だかイタリア国旗みたいだ。

口に頬張ると、トマトの甘みと酸味、モッツアレラのコクが広がり、そして最後に野生のシソの強い香りが鼻に抜けてゆく。
野生の紫蘇って、こんなにも力強いんだ…。
この料理の主役は、この野性味溢れるシソかもしんない。

窓の外に目をやる。
雨はまだ降り続いている。

『深夜のカプレーゼ。』と呟く。
何だか映画のタイトルみたいだ。
ちょっとだけ、頬がゆるんだ。

 
                 おしまい

 
追伸
今宵もひっそりと生きてきた美しき者の姿を求めて、原始の森へ行こう。