デカいガシラを食うざます。

 
やっとカトカラの連載が一段落したので、ようやく食いもんの話が書ける。
少し前の話だけど、読んでたもれ。

6月上旬の事だったと思う。
スーパー玉出で、見たこともないようなデカいガシラが半額で売っていた。

 

 
勿論、ガシラを食ったことは何度もあるけれど、こんだけデカいのを見たのは初めてだった。大体は姿そのままを唐揚げにするか、煮付けにするとかが定番だから、そう大きくないイメージの方が強いのである。

こんだけデカいのは食ったことがないし、半額なんだから、ここは買いでしょう。
けど、頭と尻尾側の両方あって悩んだ。普段なら迷わず頭側を選ぶのだが、どう見ても尻尾側の方が身の量が多かったからだ。ガシラって、頭がデッカチで歩溜まりが悪いんだよなあ。
でも魚と云えば、尾頭付きという言葉もあるし、頭の方が旨いと言われている。ここは矢張り、頭の方を選ぶことにしよう。

あっ、言い忘れてたけど「ガシラ」とは関西地方の呼び名で、正式名称は「カサゴ(笠子)」であります。他にも各地に沢山の地方名があるようだ。日本全国どこにでもいるし、そんだけ昔から親しまれていた魚なんだろね。しかし、普通のスーパーでは滅多にお目にかからない。何でかっつーと、磯の魚で沢山は獲れないし、高級魚だからみたい。昔はそうでもなかったのような気がするけどなあ…。
最近は、そうゆう風に「昔は大衆魚だったけど、今は高級魚です。」って魚、多くないか❓
これは漁獲高が減ったと云うのもあるのだろうが、グルメブームで美味しい魚だと知っている人が増えたと云うのもあるのだろう。供給量は変わってないのに需要が増えれば、高値になってゆくのは道理だかんね。

 

 
家で一番デカい皿に乗せて、ほぼ皿いっぱいの大きさなんだから、やっぱデカい。
全体像は、こんな感じです。↙

 

(出典『みえぎょれん』)

 
頭デッカチだし、全体的にガサガサしててブサイクだ。まあ、ブサイクの魚の方が美味いとは言うけどね。
そう云えば、ウルトラ怪獣のガラモンのモチーフは、コヤツだと聞いた事があるぞ。

 
【ガラモン】

(出典『MEDICOM TOYY』)

 
確かに似てるっちゃ、似てるな。
顔デカいし、唇は分厚くて口角は下がってる。色的にも似てる。

ところで、ガラモンとピグモンはどう違うんだっけ❓
設定的にはガラモンの方がデカかったと思うんだけど、それ以外はワカラン。まあ、所詮は『ウルトラQ』で使ったガラモンの着ぐるみを改造して『ウルトラマン』に登場させたのがピグモンなんだろうけどさ。

スマン、話が逸れた。本文に戻る。
ガシラといえば、締まりの良い白身で脂がのっていて旨い魚だ。クセも無いから、和洋中華ともに様々な料理に使われるといったイメージがある。和食では鍋料理・潮汁・味噌汁といった汁ものや刺身、煮付け、小振りならば唐揚げにされる。また、洋であればブイヤベースやアクアパッツァなどによく使われる魚だ。中華は、あまりイメージがないが、唐揚げの甘酢餡かけとか清蒸(チンジョン)といった辺りかな。

先ずブイヤベースやアクアパッツァは他の具材もいっぱい必要になってくるし、仕込みも邪魔くさい。それに良い出汁が出るまで時間が掛かりそうなのでパス。
鍋も同じ理由で除外。潮汁や味噌汁も似たようなものだ。鮮度的に刺身は無理だし、唐揚げにするにはデカ過ぎる。
中華餡掛けも揚物だし、甘酢なんて甘いもんは酒呑みには言語道断だ。
となると、残るは煮付けか清蒸だ。でも、煮付けも甘酢餡ほどではないにせよ、甘めの味付けだよな…。
とはいうものの、ワタクシ、けっして煮付けが嫌いなワケではない。甘過ぎる煮付けは苦手なだけだ。まあ、甘くしなければいいだけの事なんだけどね。なれば、ここはやっぱ定番の煮付けかな。
しかし、ここで重大な事に気づく。青山椒を切らしているのだ。毎年、山椒の青い実を山で採るか、買うかして冷凍庫に保存しているのだが、今は切らしていて無いのだ。それだとワシの理想の煮付けは作れない。青山椒を入れると、魚の臭みがとれ、味も格段に良くなるのだ。

ハイハイ、自動的にメニューが決まりましたなあ。
但し、清蒸といっても蒸し器とか使って本格的にやるつもりはない。こっちとしては、一刻も早く酒を呑みたいのだ。チンタラやってる暇はない。お手軽清蒸でいく。

それではササッと作っちゃいましょう。

①先ずは魚の裏表に塩を振り、傾けた状態で30分おく。
これは魚の臭みを取るためである。塩を振って暫くおくと、浸透圧の関係で臭み成分が液体となって外に出てくるのだ。傾けるのは、その臭み汁が魚に付かないようにする為である。

ここで、『アンタさっき、一刻も早く酒呑みたいからチンタラやってる暇はないと言ったばかりじゃないか❗』などとソッコーでツッコミが入りそうだけど、御安心めされ。既に、この工程は何の料理にするかグジグジ思い悩んでいる間に済ませておるのじゃ。つまり、何の料理にするにせよ、この臭み抜きは必須工程なんである。
(ΦωΦ)フフフ…、その辺は抜かりがないのだよ、明智くん。

②30分後に水で洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取る。
でもって皿に乗せ、顆粒の昆布だしをちょっとだけかける。出来れば、昆布を下に敷いた方がいいのだが、あいにく昆布も切らしていたのだ。更にそこに上から酒をオラオラじゃなくて、優しくブッかけて軽く塩を振る。

③あとはラップしてレンジでチンするだけだ。
自分は一度、オートでチンして、もう1回オートでチンするのが基本だけど、熱の入り具合で3回チンする事もある。但し、3回目は様子を見ながら、テキトーなところで止める事も多い。

④その間に素早く白ネギを切って、白髪ネギを作る。
頃合いをみて、フライパンに胡麻油を入れて火にかける。量はお好みだが、ややたっぷりめが宜しかろう。

⑤ラップを取り、白髪ネギを盛る。その上から煙が出るまでチンチンに熱した胡麻油をエイヤ❗とかける。リビドー全開。この瞬間がゾクゾクするくらい気持ちいい。ジュッとかジャッとか心地良い音がした後に、辺り一面に胡麻油とネギの香りが立ち込める。
う〜ん、トレビアーン(☆▽☆)❗

思わず、フランスの古城でワシのモトクロス用のライディングスーツを見たフランス人の紳士に『OHー、トレビアーン❗』と言われたのを思い出したよ。そういえば、別な観光地でも『OHー、サムラーイ❗』と言われたっけ…。
そんな事は、どうでもよろし。ハイハイ、出来上がりましたよーん\(^o^)/

 

 
魚料理って、頭が左側にすることが決まりだというのを思い出して、ひっくり返す。

 

 
あれっ?、これだと頭の上下が逆さまになるじゃないか。
考えてみれば半身なんだから、それも当たり前か…。
そんな事は、どうでもよろし。
早速、食べてみる。
WAOっ❗❗、身がブリンブリンやないの。そして、上品な旨味と甘みが後から追いかけてくる。小さいガシラとは味の趣きが全然違うじゃないか。美味いねぇ〜(≧▽≦)
途中、飽きたら醤油をかけても美味いよ〜ん。
これで約300円って、激安やな。やっぱ、食材チャレンジャーいがは偉いよ。嬉しいから、もう自画自賛なのだ。

残った汁があまりにも旨くて、捨てれなかった。ガシラは骨からメチャメチャ良い出汁が出るのである。なワケで、それをベースにスープを作った。味付けは塩ベースに、ちょっとだけ醤油である。
これまた美味だったので、ラーメンを作ることにした。

 

 
具はネギとモヤシ、温泉卵のみ。ガシラのスープを生かしたかったので、シンプルにしたのだ。
おっと忘れてた。麺はいつものマイ・フェバリットの『マルちゃんの極太中華麺』です。

 

 
(≧▽≦)んニャロメー❗
上品だが、強い旨味と胡麻油のコクがあって、メチャメチャ美味いやんけー。ガシラの出汁、恐るべしである。
これでラーメン屋したら、流行るでぇ〜。
でも、こんなラーメン、一日3杯しか出せへんでぇ〜。
店、ソッコーで潰れるでぇ〜。あんじょう殺したってやぁ〜。

 
                        おしまい

  
追伸
カサゴの旬はいつなのか調べてみると、色んな説があった。
基本は秋から初春が旬という声が多かったが、春や初夏から冬という説もあったりして、ようワカランところがある。
普通の魚の旬は、産卵前だと言われている。その頃が栄養を体にたくさん蓄えているので一番美味しいというワケだ。
更に調べて驚いたのは、カサゴは産卵で子孫を残す魚ではなく、体内受精で稚魚を産むという。秋に交尾したメスは1~3ヶ月後くらいに数万尾の稚魚を産むらしい。ということは、やっぱり旬は冬かな。
でも季節を問わずに、年間を通じてあまり味が落ちないという説もあった。まあ、美味かったから別にいいんだけどね。
いや、とゆう事は冬とかだったら、これよりもっと美味いって事か…。
冬に売ってたら、半額でなくとも買いだね。

 

🎶カ〜ニ🦀だし続くよー、ど〜こまでもー

 
まだまだ続く丸蟹の茹で汁Cookingである。しつこくてスマン。そうゆう性格なのだ。
 

前回、その丸蟹の茹で汁で塩ラーメンを作ったが、それでもその時のカニスープはまだまだ残っていた。1.5Lくらいはあったんだもん。ラーメン程度では消費しきれんのだよ。
はてさて、どうしたものか……。

たまたま、そんな折りに剥き身のエンドウ豆が安く売っていた。エンドウ豆は鞘(さや)から出すと一挙に鮮度が落ちることは知ってはいたが、2パックて196円だったもんでつい買ってしまったなりよ。あと、エンドウ豆は海老・蟹ダシに合うようなイメージも何となくあったからだ。

しかし、帰ってきて厨房に立ってみて、そのイメージの原典がサッパリわからん事に気づく。よくよく考えてみれば、カニとエンドウ豆の料理なんて聞いたことがないじゃないか。何となくそう思っていただけという己の意識の曖昧模糊さとポンコツ具合いに我ながら驚かざるおえない。
一瞬、恥をしのんでカニとエンドウ豆の料理をググッてやろうかと思った。けど面倒だし、無かったら己のバカさ加減を見せつけられるから調べないけどー(≧▽≦)
まあ、人間なんてものは、大概の人はそこまで厳密に考えて生きてはおらんのだ。もとい。多分そうじゃない厳密的で立派な方もおられるだろうけど…。
おまえと一緒にするな。誰も彼もがオマエみたいにいい加減だと思ったら大間違いだ。このボケ、カス❗と言われても困るので、一応防御線を張っといた。

で、結局のところ発想貧困男は蟹だしスープを使って豆ごはんを作ったらええやんと云う短絡的結論に至った。炊き込みご飯なら、そこそこ大量に出汁が使えんじゃね❓と思ったワケである。
 
だが、米2合を洗おうとして手が止まった。
豆ごはんといえば、米を洗ってダシ汁とエンドウ豆を入れて、ただ炊くだけというイメージだったが、ふと思い出したのだ。どっかに、それだと豆がシワシワになって見た目がよろしくないと書いてあったような気がするぞ。
けど、どうすんだったっけかなあ…。
 
されとて今更ググる気にはなれない。ここで調べてしまえば、何か負けた気がするではないか。だったら最初っからカニとエンドウ豆の料理でググッときゃ良かったと後悔するのがヤなんである。絶対、ついでにそっちもググりそうだしさ。後悔という感情は人を弱らせるだけだ。何もいい事なんかない。
 
記憶を辿ると、たぶん豆を軽く出汁で煮たら取り出し、その汁で御飯を炊く。で、炊き上がってから豆を入れて、暫くおいとくんじゃなかったっけ❓仕上げは予熱とか、そんなだ。
その方が豆にシワがよらないだけでなく、色も鮮やかに仕上がると書いてあったような気がするじょー(・3・)
それであってそうだし、調べ直すのもダルいし、そのように進めてゆくことにした。
 
エンドウ豆をカニ出汁にブッ込み、弱火で煮る。
かたさを確かめながら3〜4分、やや固めに仕上がったところで火を切る。で、しばらく放ったらかしにして冷ます。
そいでもって、録画していた『チア☆ダン』なんぞを観ることにする。
 
広瀬すずちゃんは、やっぱ可愛いよねー💖 中条あやみちゃんもカワイイ💖
半分ほど観たところで豆を取り出し、残った汁を米に入れる。まあ、1時間も置いときゃ、米が汁をたっぷり吸うじゃろう。
ほいでもって、『チア☆ダン』の続きを観る。
 
😭オーイ、オイオイオイ。😭オーイ、オイオイオイ。
おじさん、(ToT)ダダ泣き。天海祐希にも泣けたー( ;∀;)
 
観終わったところで、豆ごはんなんぞ炊いとる場合かと思いつつ炊飯器のスイッチを入れる。
映画の影響で何かオラも頑張らねばと思うのだが、スイッチを入れてしまえば最早する事なし。放ったらかして待つしかないのだ。それがもどかしい。
かと言って、すぐさまスイッチを切り、気合い入れて土鍋で炊こうなどという気はサラサラない。だって今更ながらに言っちゃうけど、ワシって豆ごはんに対する思い入れなんぞコレっぽちも持ち合わせていないのである。ってゆーか、むしろ苦手。根本的には嫌いと言ってもいい。
今でこそ食べられるようになったけど、ワシって幼少の頃から豆が大の苦手なんである。グリーンピースを筆頭に大豆、いんげん豆、そら豆、小豆、豆菓子etc…、殆どが敵であった。味もさることながら、あの歯に当たる粉っぽい感じがどうしても許せなかったのである。正直、食えるのはピーナッツなどのナッツ類と枝豆くらいだったのだ。
じゃあ、何で豆ごはんを2合も炊くのだ❓と言われれば、乗り。人間、魔がさすことだってあるのだ。
 
炊き上がったところで、エンドウ豆を素早く投与。再び蓋をして、6〜7分ほど蒸らす。
 
けたたましくタイマーが鳴った。うるせーんだよな、うちの百均のタイマー。時々、床に叩きつけてやりたい衝動に駆られるよ。
チッ(-_-)、んな事はどっちだっていい。とにかく完成だ。
 
蓋を開けると、豆の良い香りがものスゴくした。コレって、もしかして作戦正解の成功なんじゃねえの❓
 
(^O^)/ハイハイ、出来上がりましたよー。
 

 

 
(◠‿・)—☆イェーい。炊きあがりは上々。豆もシワがよってない。
食べてみると、豆の甘いような仄かな香りがして、美味い❗

でもなあ、美味いんだけど、そこにカニはあまり感じられない。それってカニ出汁で炊いた意味あるのかね❓まさかの結果である。
噛みしめているとカニ出汁の味がしないでもないが、視覚に映るのが豆ごはんなので、脳がそれに追っつかない。カニの身でも入ってりゃ、また違うんだろうけど…。
 
( ´ー`)フゥー。2合なんて1回では食いきれないので、残りはまた翌日にでも食うことにした。
 
だが翌日になって、また同じもん食うのかよと思った。そう思うと、益々食いたくなくなってくる。
と云うワケで、一計を案じた。
エンドウ豆といえば、卵とじである。この2つはそれくらい定番の組み合わせだ。そこからヒントを得て、玉子とエンドウ豆の雑炊を作ることにした。
 
工程①
豆ごはんを鍋に入れ、そこに最後に残ったカニの出汁をひたひたに入れる。かき混ぜて味を見て、ほんの少しだけ塩を加えた。それを火にかける。
 
工程②
沸騰してとろみが少し出たら、とき卵を投与。すかさず蓋をして火を消す。そして、1〜2分待てば出来上がり。
 

 
(☆▽☆)ぴゃあ〜、普通にメチャメチャ旨いやんけー。
今度は、ちゃんとカニの風味もするぞ。
 
そろそろエンドウ豆の季節も終わりだけど、まあ一度、試してみりゃれ。
そんなに都合よくカニの茹で汁があるとは思えないけどさ。
 
                        おしまい

 

丸蟹だしの塩ラーメン


前回はマルガニ(ヒラツメガニ)を塩ゆでにした。

【マルガニ(ヒラツメガニ)】


その時の茹で汁を捨てかけて、手がとまった。ものスゴ〜く蟹の香りがするのである。素直に勿体ないなあと思った。
でも、その汁は塩水なんだから相当しょっぱい事は知っている。さて、どうしたものか……(-_-;)
突っ立ったまま悩んでても仕方がないので、取り敢えず再度味見してみることにする。
わっ(+_+)❗、しょっぺっ❗❗
でもやっぱり、ものすごーく良い出汁が出てんだよなあ。
コレって、薄めて何とかでけんのかのう❓
みみっちくてセコい男なのである。結局、金と時間と労力の無駄になりかねないが、そんなワケでトライしてみることにした。

先ずは鍋にテキトーに酒を入れて火にかける。
温まってきたところで、顆粒の昆布だしの素をテキトーに入れる。
溶けたら、しょっぱ蟹だしをテキトーに加えて混ぜる。
味をみて、水をテキトーに足す。
まだしょっぱいので、もう1回テキトーに水を足す。
\(°o°)/わっ、テキトー過ぎた。今度は薄くなる。
このままテキトー、テキトーで、テキトー男をやり続けてると、テキトーあほあほ仮面になりかねない。テキトー星人のテキトーお告げによって、真面目にテキトーにやることにした。

テキトーを連発し過ぎて、自分でも何言ってんのかワカンなくなってきた。おフザけは封印。ここからが仕切り直しである。耳元で囁いてくる👾テキトー星人をブン殴って、少しずつ慎重に微調整をしていこう。

少しだけ蟹だしを足したら、いい感じに傾いた。
でも味に深みがない。と云うワケで若竹煮の残り汁をちょい足す。つまり、鰹ダシや微量の味醂が加わったと云うワケである。

ふむふむ、塩っ気が少し丸くなったぞ。でも、まだまだ深みが足りない。と云うワケで焼き茄子を浸したダシ汁も参戦させることにする。因みに、この汁はさっきの若竹煮の煮汁を焼き茄子に浸して一晩おいたものである。だから焼き茄子の旨味エキスが入っておる。

(☉。☉)おっ!、段々いい感じになってきたぞ。
ここで秘密兵器投下❗ 冷蔵庫の海老を殻ごと汁にブチ込んでやった。щ(゚д゚щ)ウシャシャシャシャーッ、謂わば追い鰹ならぬ、追い甲殻である。すかさず火を消し、海老が固くならないように予熱で火を通す。
( ̄ー ̄)ニヤリ。オジサン、やる時はやるんである。

だが、ここで安心して手を弛めてはならない。さらに第2の秘密兵器を投入して一気呵成にカタをつけちゃるわい❗





第二の刺客は霜降り平茸さん(註1)だ。期待の新人である。
これは従来からあった日本の平茸とヨーロッパ産の平茸の仲間を掛け合わせて品種改良したものだ。最近は、どこのスーパーでも見かけるようになったから、知っている人も多いだろう。
海老を取り出し、スープに霜降り平茸を投入、再び火にかける。ひと煮立ちしたところで火を消して放置。録画していた『逃げ恥(逃げるが恥だが役に立つ)』のムズキュン特別編なんぞを観る。観終えて、ガッキーにキュンキュンしたところで、冷めたスープの味見にかかる。

(^O^)よし、だいぶと良くなってきたぞ。ゴールは近い。
ここでリーサルウェポン、最終兵器の登場だ。
白醤油をちょっとだけ投下。少量でも劇的変化の隠し味じゃ❗それにこれなら普通の醤油と違い、ダシ汁がドドメ茶色化せんじゃろうて。オラって、まあまあ天才だね、(*ノω・*)テヘ。

考えてみれば、旨味オールスターだ。カニとエビの旨味成分である遊離アミノ酸類からして錚々(そうそう)たるメンバーである。エビカニ甲殻軍団の甘さを司るアデニル酸を筆頭家老に、グルタミン酸、グリシン、アラニン、クレアチンと云う旨味の権化の面々が並んでいらっしゃる。そこに、昆布のグルタミン酸の旨味、鰹節のイノシン酸、霜降り平茸のグアニル酸、醤油のアスパラギン酸の旨みスーパースター達が加わるのである。更にそこにはタケノコや焼き茄子の旨味エキスも混じっている筈だ。旨味のオンパレードじゃよ。それらが複雑に絡まっておる二度と作れぬだろうスープじゃよ。テキトー星人👾をブン殴って、真面目に取り組んどいて良かったよ。
これで、ほぼ完成じゃが、まだまだ味がバラバラで馴染んどらんところがある。とゆうワケで、冷蔵庫で1日半ほど寝かせてやることにした。

翌日、味見をしてみた。ふむふむ。全体的に角がとれて馴染んでおる。旨みオールスターたちの見事な融合じゃよ。それを確認したところで、いざ勝負へと参る。

①先ずはスープを温める。
ある程度、温まったところで火を弱め、沸騰しないように火加減を調節する。並行して、その間に麺を茹でる。
麺は、もう生麺はコレしか買わないと云うくらいに偏愛しているマルちゃんの『極太中華麺』3食入りだ。



茹で時間は3分〜5分とあるが、かための3分にセッティングする。シュワッチO=(%)o、ウルトラマン❤ハートでいくぜ。3分間で、ねじ伏せてくれようぞ。

②熱湯に麺をブチ込んだら、丼に湯を入れて温めておく。季節に関係なく、熱い食いもんは熱く、冷たい食いもんは冷たくが料理の鉄則だ。
次に具材をいつでも盛り付けできるようにスタンバらせる。麺料理を作るのは時間との勝負だから、万全の体制で臨むべし❗、臨むべし❗ 明日のためのその1、やや内角をねらい、えぐるようにして、打つべし❗打つべし❗ 矢吹丈ばりに、宙に向かって🥊ジャブを繰り出す。戦闘態勢、万全だぜ。

③麺が茹で上がると同時に、スープが沸騰するように火加減を調整する。

🚨ピコン、🚨ピコン、🚨ピコン…心の中でカラータイマーが鳴り始める。
3分たった❗すかさず麺をザルにあけて、湯を切ろうとして頭の中にラーメン屋の兄ちゃんの画像がよぎる。ここで、その兄ちゃんの真似をして、何とか落とし的なワザ系湯切りをしたいという衝動と誘惑に激しく駆られる。
やっちゃだめだ。やっちゃダメだ。やっちゃダメだ…エヴァの主人公の碇シンジくんばりにブツブツ繰り返して、グッとこらえて何とか踏みとどまる。そんな事をしたら、麺は空中で四散プータ、ボテッと床に落ち、惨めな気持ちになる事は明白だからである。素人が調子に乗ってもロクなことはないのだ。

いつも通りに湯をチャッチャッと切り、湯を捨てた丼に⚡電光石火で麺をダイブさせる。な、いなや、どすこーい❗そこに熱々のスープを流し入れる。そして麺を一度、箸で持ち上げて形を流れるように美しく整える。と言いたいところだが、それは忘れた。気づいた時には既に盛り付けに入っておった。
まあいい。そんなことでリズムを崩してはならない。平静を保って順に具材をソッコーで盛りつけていく。

ヽ(=´▽`=)ノ出来たぁー❗❗







具は霜降り平茸、海老、パクチーである。
何故にネギではなく、パクチー❓
(ノ`Д´)ノ彡┻━┻うっせー、こっちはネギは邪魔だと判断したのである、バーロー❗
スマン、スマン。冷静になろう。前から思っていたのだが、塩ラーメンには青ネギは合わないと思うのだ。青ネギは個性が強過ぎる。あの青臭さは繊細な塩ラーメンのスープの味を台無しにするのではないかと常々思っていたのである。もし入れるのなら白髪ネギだろう。それなら邪魔するどころか、スープを引き立ててくれるところがある。でも今回、冷蔵庫に白髪ネギさんはいらっしゃらなかったのだ。と云うワケで、パクチーさんに代打をお願いした。狙いは時々エスニックなのさ。

先ずはスープを飲む。
(☆▽☆)ぴゅあ〜、奇跡的に旨い❗
何か、よりまろやかになっとる。
次の麺をすする。知ってはいたけど、旨い。極太麺の弾力が堪んねぇよ。スープとの相性も勿論のこと抜群だ。

続いて海老を食う。蟹だしラーメンなのに海老って何か変な気分だけど、旨い。霜降り平茸は旨みと歯応えがあって文句なしだ。
暫し食い進めて、パクチーと一緒に麺を食べてみる。
(≧▽≦)う〜ん、エスニーック❗一挙に口の中は東南アジアの世界になる。海老なんかと一緒に食えば、益々東南アジア化しよる。嗚呼、タイの屋台に行きてぇー。一瞬、唐辛子粉(一味唐辛子で代用)とかプリックナムソム(唐辛子の酢漬け)、ナムプラーを入れてやろうかとも思ったが、やめた。やはり最後は、あくまでも蟹だし塩ラーメンで終えたい。

(^。^)ふぅーっ、御馳走さまでした。美味しかったでござんす。
皆さんもカニを茹でた汁は捨てずに、それでラーメンを作りませう。
但し、失敗しても責任は持たないけどね。

                        おしまい

追伸
実を云うと、このマルガニの茹で汁にはまだ後日談がある。
そのうち書くと思う。いや、書くかなあ❓…。


(註1)霜降り平茸
ひらたけは味の良いきのことして昔から親しまれてきました。しかし、ブナシメジやエリンギに席巻され生産量が減少傾向にありました。傘が薄くて柔らかいため、流通過程において物理的な損傷を受けやすく、日持ちが良くないことも原因の一つと考えられています。 当研究所では、日本産ひらたけとエリンギなどのヨーロッパ産ヒラタケ属との種間交配に成功しました。さらに交配育種による品種改良を重ね、従来のひらたけよりも傘が肉厚で日持ちがよく、収量性の良い「HOX 1号」を開発しました。 傘に独特の霜降り模様が見られることから、商品名を「霜降りひらたけ※」として2012年秋から販売を開始しました。 霜降りひらたけは特に旨味が強く、歯ごたえの良い美味しいきのこです。
(出典『ホクト株式会社』)

しかし、ワシは普通の平茸の方が好き。まあ、食感は負けるけどね。
かやく御飯(炊き込みご飯)やキノコ御飯を作る時は平茸を使う。平茸の方が良い出汁が出ると思うからだ。

食材チャレンジャー、イガがゆく①丸蟹


スーパー玉出に行ったら、見たこともないカニが1パックだけ売っていた。
値段は¥298。食材チャレンジャーとしては当然買いである。



世の中、食に関しては保守的だ。世の主婦たちは見たこともない食材は、たいがい敬遠する。新しい食材に挑むチャレンジャーは少ないのだ。食べ方とか調理法もワカンないしね。それも解らないでもない。
だから、そうゆう変わったものは売れ残ることが多い。よって漁師や店側も安い値段をつけがちである。安けりゃ、ダメ元で買う人も少しはいるだろうって算段だね。高くてマズけりゃ、誰だって立腹するが、安ければ諦めもつくってもんだ。クレームも少ないだろう。その辺をちゃんと計算してるんだね。
つまり、そうゆう保守的な人が多数派だから、お陰様でコチラは恩恵を享けていると云うワケである。ガキの頃から常に保守的な考えは唾棄すべきものと思ってきたが、食に関してはその方が有り難い。世の中、そこんところはおおいに保守的でよござんす。皆さん、一生食い慣れたものを食うてなはれ。
だって美味しいとわかれば、途端に人は堰を切ったように買い始め、あっという間に値も跳ね上がるのである。今やこれは国内のみならず、外国の市場とも絡んでいる。カッコつけて言えば、グローバル経済なのだ。グローバル経済なんて言葉、使ったことないから、何か賢くなった気分だじょ<( ̄︶ ̄)>
例えば、ご近所の自分勝手で謝らない彼の国が格好な例だ。その国の民が大挙してやって来て、多くの人が日本の美味いもんを知る事となった。その恩恵を享けている人も多いけれど、言ってしまおう。
秋刀魚の漁獲量が激減したのは、その彼の国が原因だ。エチケット知らずで、我がの事しか考えない無礼者が多いという国民性だから、サンマが北上する前にゴッソリ獲っていってしまうのである。原因はそれだけではないにせよ、それが大きな理由になっていることは間違いなかろう。このそもそもの出発点は何かと言うと、ようは日本を訪れた多くの観光客がサンマの味を覚えて帰るからだ。その人たちが自国でも食べたいから、大きな需要があるのである。彼の国の欲望、恐るべしだな。
余談だが、台湾国内でも同じ理由でサンマが大ブームになったらしい。ゲストハウス埔里のナベさんが、そう言ってた。台湾は好きだけど、それはちょっとなあ…とは思う。けど、そんな手前の海域で獲れるサンマは脂が乗ってなくて旨くないから、直ぐにブームは去ったみたいだけどね。

(-_-;)しまった。のっけからの大脱線である。話を本筋に戻そう。

帰って改めてパックの表示を見ると「福島県産 まるカニ」と書いてある。
でも、これはマイナーな地方名の可能性もある。日本の魚介類は地方名が多くてワケワカランことになっとるのだ。
早速、『ぼうずコンニャクの魚貝類図鑑』でググってみる。このサイトにはいつも御世話になっている。ワケのわからぬ食用魚介類の正体を知るには、このサイトが圧倒的に便利で優れておるのじゃよ。

とは言いつつも、探すのにそこそこ苦労するだろと思ってた。しかし、一発でヒットした。流石、ぼうずコンニャク先生である。




(出典『ぼうずコンニャクの魚貝類図鑑』)

間違いないね。コヤツだわさ。
背中に特徴的なH型の紋があるし、一番下の脚の色も同じような紫色だ。
画像の下の解説にも「甲幅10cm前後になる。甲は丸みを帯び、背中にH型の白いくぼみがある。」と書いてるし、大きさ的にもそんなもんだからビンゴだろう。

どうやら正式名称はヒラツメガニ(平爪蟹)というらしい。
評価は以下の通りになっていた。

魚貝の物知り度  ★★★★
味の評価度    ★★★★ 非常に美味

5つ星が満点である。ちなみに一番上の「魚貝の物知り度」とは、知っていたら達人級度である。つまりレア度を表している。ようするにマルガニを知ってたら、アンタはんは達人級レベルでっせ。そゆ事なのだ。
ともあれ非常に美味とあるから、期待値が⤴️急上昇だべさ。

以下、『ぼうずコンニャクの魚貝類図鑑』とWikipediaを組み合わせて要約、解説していこう。

【分類】
節足動物門
甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)
エビ上目十脚目短尾下目
ガザミ上科ガザミ科
ヒラツメガニ属

ふ〜ん、ガザミ(ワタリガニ)の仲間なんだね。確かに形はワタリガニっぽい。

【英名】Swimming clab
スイミング・クラブとはいっても、水泳教室ではない。泳ぐカニさんだよん。たぶん、ガザミの類は水面を泳ぐからだね。だから、ワタリガニ(渡り蟹)という和名もあるのである。
でもコレって、ガザミそのものの英名じゃなかったっけ❓

Wikipediaをみると、やはり「Swimming crab」となっていた。ほらねっ、言ったでしょ。
他に、Japanese blue crabとも書かれていた。
では、ぼうずコンニャクだとガザミの英名はどうなってるのかと思って確認してみると、Japanese blue clabとGazami clabと表記されていた。まっ、どっちがどうであろうが知ったこっちゃないけどね。

【学名】Ovalipes punctatus (De Haan,1833)
蝶や蛾じゃないんだから、学名の由来は追っかけない。気になる人は自分で調べてね。

【和名】ヒラツメガニ
第五脚は遊泳脚となっており、爪先が平たいことから平爪蟹の名が付いたそうである。
なるほど、本体を確認したらそうなっとるわ。

【地方名・市場名】
ぼうずコンニャクを見たら、無茶苦茶ある。
マルガニの他にヒラガニ、ヒラカニ、アカガニ、エッチガニ[Hガニ]、シラガニ、ヘラガニ、ホウボウガニ、ホンダ、ホンダガニ、スケベガニと11個もあった。
エッチガニとスケベガニは、おそらく背中のH紋からだろね。ホンダガニには首を傾げたが、よくよく考えてみれば、あのHONDAの事なんじゃないかとハタと気づいたよ。きっとホンダ車のマーク、もっと言えばエンブレムに似てるからだね。
Wikipediaに拠れば、地方名が多いのは一般の流通量が少なく、地元消費されるカニであるために地方名が多いそうである。
以下、Wikipediaでの解説。
「北海道稚内市ではヘラガニ、青森県の八戸市、おいらせ町ではヒラガニと呼ぶ。ひたちなか市や九十九里町ではキンチャクガニと呼び、鹿島灘から外房では丸ガニまたは「丸」と呼び、内房など各地では甲羅の模様をHの字に見立ててエッチガニと呼ぶ。山形県庄内地方ではシロガニと呼ぶなど、多様な呼び名で呼ばれる」。
福島県の海は鹿島灘に近いから、丸ガニと呼んでるんだろね。

また、近隣諸国でも食べられているようである。
中国での正式な漢名は「細点圓趾蟹」だが、市場では「沙蟹」や「台湾蟹」などと呼ばれる事が多い。韓国では「깨다시꽃게 ケダシコッケ」と呼ばれている。

【生息域と分布】
海水生。波打ち側から水深350mまでの砂泥地に生息するが、浅い海域を好み、特に波打ち際から水深20m程度に集中する。大きさは小さいが潮干狩りでも獲れることがある。
普段は砂や岩陰でじっとしているが、夜行性であり、小魚やエビ等を捕食する。
分布は北海道南部以南、九州、沖縄、八重山諸島。朝鮮海峡、黄海、渤海、東シナ海と広い。日本では主に東日本で食用される。
なるほど、だから大阪生まれのアチキには馴染みがないんだね。

ここからは、ぼうずコンニャク先生の解説を主体に書きます。

【基本情報と市場での評価】
日本各地で水揚げされる小型のカニで、主に底曳き網漁で捕獲される。量的には少ないものの、時にまとまって獲れるので比較的安く売られている。
なあんだ、基本的に安いものなのね。

ガザミ類でも本種だけは活けを見ないそうだ。これは水揚げすると、すぐに弱ったり死んでしまうからみたい。よって、活けでの輸送には向いておらず、氷水に入れられて入荷することが多い。
とはいえ、大都市にはあまり流通していないようだ。産地は主に北海道、福島県、茨城県、岩手県などだが、漁獲量、流通量が多くないために海沿いで地元消費されることが多く、ソッコーで浜ゆでにされちゃうみたい。
なるほど、だから東京でも見なかったんだね。納得です。

ちなみに、特に好んで食べる地域は無く、名物料理としている所もないようだ。ゆえに加工品も無いそうだ。

【旬】
秋から春。

何とかギリで旬に入ってる。よしよしである。
しかし、秋から冬と書いてあるサイトも見つかった。
繁殖期は秋~春であるが、主に10月〜11月、2月〜4月に抱卵する個体が多いとも書いてあった。つまり、ガザミと旬は同じってワケか。確かに卵を持っている時期のワタリガニのメスって美味いんだよなあ…。
まっ、いっか。コイツらは、きっとオスだ。そうゆうことにしておこう。気にしない、気にしない。

【選び方】
持って重さを感じるもの。

とは言ってもなあ…。1パックしか売ってなかったから比べようがなかったよ。

【料理法】
(味噌汁)
カニは味噌との相性が非常にいい。身を半割りにして水からアクを取りながら煮ていく。火が通ったところで味噌を溶く。ネギなどは必ずしも必要ではない。カニのミソなどから実に味わい深い濃厚なダシが出る。カニの身も甘味があって、とても旨いそうである。

(塩ゆで)
塩水で約10分ほど茹でるが、大きさや身の入り具合などによって茹で時間は変わる。殻が軟らかいので容易に身を取り出すことができ、甘味があってとても美味しい。

上は、ぼうずコンニャクからの引用だが(漢字等、一部は編集している)、Wikipediaの解説文も載せておこう。

ヒラツメガニの味噌汁(日本)
中型のカニであるが、美味であり癖がないため色々な料理に用いられる。特にカニミソが美味であるため、日本、特に東日本の産地ではぶつ切りにしたものを味噌汁や鍋料理として食べることが多い。

よっしゃ、よっしゃ。ようは旨いんだな。更に期待値がハネ上がるっぺよ。

海外での調理法も紹介されていた。
「渤海から東シナ海沿岸の中国山東省、浙江省、福建省や台湾、韓国などでも消費されている。韓国だと鍋料理(チゲ)、味噌汁(テンジャンクク)などにされるが、中国では蒸したり、炒めて食べる事が多い。」

何と、ぼうずコンニャクには釣り情報まである。完璧だな。

【釣り情報】
本種は砂浜などからの投げ釣りで釣れる。カニ網という重りを付けたナイロンの網にイワシやサンマのアラのぶつ切りを入れるポケットがついた仕掛けをつけて投げる。投げて、ただただ待てばいいのである。九十九里、鹿島灘、相模湾などで盛ん。

さてさて、御託はコレくらいにして調理にかかろう。
問題は味噌汁にするか塩ゆでにするかだが、答えは解説を読んでいる途中で早々と決めていた。
ズバリ、塩ゆででござる。何があってもワシ、それでいくかんねっヽ(`Д´#)ノ
味噌汁なんぞにしたら、本体がワカンなくなる。インスタ映えもせんわい。それに味噌汁なんぞにしようものなら、他の具材を入れたくなるではないか。益々インスタ映えしない。やはりここは姿そのままで、カニ本来の味を知るために極力シンプルな調理法を選ぶのが正しかろうて。

①先ずはカニちゃんを洗う。
この時点で早くも嫌な予感が走る。一匹は水に沈むが、もう一匹はプカプカ浮くんである。これは中に空気が入っているからではないかと思った。ようするに中身がスカスカじゃないかと疑ったのだ。まあ、今更どうしようもないから忘れることにする。ここまできたら、どう足掻こうと成るようにしかならんのだ。

②塩茹で用の塩水をつくる。
ネットでみると、塩水のレシピは意外と幅広く、水200mlに対して塩を小さじ1/3から1とある。今回は慎重を期して、この幅の中間、やや薄めのレシピで1リットル分を用意した。
舐めると、それでも相当しょっぱい。海水はしょっぱいのだ。海の男だった時代を思い出したよ。

③塩水を沸騰させたら、蟹をブチ込む。
浮くヤツは小皿を被せて沈めた。溺死させる殺し屋気分じゃ。ほりゃほりゃあ〜ψ( ̄ー ̄)ψ、あんじょうブチ殺されたってやあ〜。
とは言っても、既に死んどるんだけどね(笑)

で、吹きこぼれないように火加減を調整して10分間ゆでる。

④10分たったらザルに上げて、冷ませば完成。
でもって、恭しく古伊万里に盛る。




何かバンザイになっとって、わーい、わーいの小躍りしてるみたいだ。ワシの心も小躍りじゃよ(人*´∀`)。*゚+
当然だが、茹でると色は赤くなった。美味そうだ。
取り敢えず、浮いてたダメそうなのから手をつける。

(ー_ー゛)……。
何か異様に軽い。甲羅を押したらペコペコだった。再び嫌な予感が広がる。
けんど、開けてみなけりゃワカランばい。半ばヤケクソ気味で己を励まし、一縷の望みをもってハサミの部分を割ってみる。
(ㆁωㆁ)あちゃー❗、スッカスカやんけー。身が申しワケ程度にしか入っていない。大ハズレじゃけん。
悪い予感って、だいたい当たるよね。
多分だけど、これは水蟹(みずがに)ってヤツではないかな❓ 水蟹とは、脱皮後まだ甲羅が固まっていないカニのことを言う。だから、殻がペコペコだったのだ。脱皮直後のカニは柔らかくて殻ごと食べられて旨いが、少し時間が経ったカニは身が詰まってなくてダメだとカニ屋の爺さんが教えてくれたのだ。
ところで、あれって何処だったっけ❓
あっ、そうだ。鳥取だわさ。当時の彼女と旅行で行った時だ。確か彼女が株か何かで儲けたとかで、奢りで老舗温泉旅館に泊まったのだ。名前も思い出したぞ。岩井屋(註1)だ。あん時の松葉ガニ、デカくて美味かったなあ(*´ω`*)…。風呂も良かったしさあ。今思えば、彼女は美人で楽しい性格の人だったから、結婚しときゃ良かったよ。

気を取り直して、もう一匹の沈んだ方のハサミを割る。
(☉。☉)❗おっ、こっちはちゃんと身が詰まっとる。これで完敗は免れそうだ。たとえコレ一匹で298円だったとしても、そんなに割高ではなかろう。妥当な値の範疇だ。そう思うと、気持ちは楽になった。買ったのは決して間違いではないっ❗

身をせせり出して、食ってみる。
(☆▽☆)甘いっ❗❗ カニらしい風味のあとに、優しい甘みが広がる。旨味も強い。身質はしっとりで稠密だ。ズワイガニやタラバガニみたくは解(ほど)けなくて、限りなくワタリガニの味わいに近い感じだ。と云うか、ほぼ同じと言っても差し支えないだろう。
そのままで充分に旨いが、一応用意していたカニ酢にもつけてみる。
うん、こっちも中々イケる。どっちが合ってるかは意見が分かれそうだ。このへんはまあ、個人の好みだね。ちなみに自分は、塩ゆでした蟹には何にもつけない派です。

安心したところで、再び水蟹に戻って解体してゆく。
やはり脚には殆んど身がない。だから、歯でしがんでエキスだけを味わってゆく。そして、甲羅を外す。
蟹ミソを舐めてみると、(☆▽☆)うんめぇー❗
濃厚でコクがあって、旨味タップリだ。仄かな苦味もアクセントになっている。それを純米吟醸の冷酒で洗い流す。
(≧▽≦)きゅーっ、堪りまへんなあ。やっぱ、蟹には日本酒でござんすよ。こっちの土座右衛門蟹には全く期待してなかっただけに嬉しい誤算だよ。

次に胸側の身にとりかかる。2つに割ろうとした瞬間、指先にみっちりとした感触が伝わった。
割ってみると、こちらは身がギッシリと詰まっている。これまた嬉しい誤算だ。身が甘いねぇ(#^.^#)

小一時間かけてほじくり出した身を小皿に盛る。





上が水蟹で、下がそうではなかったヤツだが、胸身があったせいでそれほど身の量に大きな差はなかった。全然、OKじゃないか。損してるって程ではない。これでニッキュッパッの298円なんだから、結果的には激安の買い物だったじゃないか。
めでたし、めでたしである。
 
                        おしまい

追伸
過去に『食材ハンター、伊賀蔵が行く』的なタイトルの記事をいくつか書いたが、よくよく考えてみればハンターな時は少ないワケで、ハンターとは言い難い。なので、今回新たにシリーズ名を変更して再出発することにした。ネタは結構あるんで、気が向けば本格的なシリーズ化もあるかもよ。

そんなもん書いてるヒマがあったら、台湾の蝶シリーズやカトカラ元年シリーズを再開しろってか❓
お叱りはごもっともだが、とは言ってもねぇ…。一応、鋭意努力しまあーすとでも言っときます。


(註1)岩井屋
鳥取県岩美町岩井温泉にある創業130年 江戸時代末期から続く山陰最古とも言われる温泉旅館。貴重な足元湧出湯として知られる。


(出典『温泉手帖♨』)

こんなんだったっけ❓ あまり記憶にないや。


(出典『4travel.jp』)

ここの風呂は個性的な造りだったから、よく憶えている。湯船の中央が深くなっており、立って入れるのだ。下には底板が敷いてあり、その間からプクプクと湯が湧き上がってくるのである。だから、他では見られない独自の源泉かけ流しなのだ。
館内はレトロなのだが、モダンでもあった。和なんだけど、お洒落なのだ。料理にも定評があり、尚かつそれほど高くなかったような気がする。改めて彼女に感謝です。


そうだ❗天とじ丼を作ろう

 
😁そうだ❗天とじ丼を作ろう。
前回は念願の福井・敦賀で幻の「天とじ丼」を食うと云う話だったが、旨かったので自分でも作ろう、作れんじゃないかとふと思ったのである。

言ってしまえば海老の天ぷらを卵でとじるというシンプルなものだ。この自称まあまあ天才の何ちゃって料理びと、やってやれないワケがない。あれくらいのレベルのものなら自分でも楽勝で作れると思った次第なのだ。相変わらず傲岸不遜な男である。

そんなわけで、ナメきった男はスーパーの惣菜売り場で出来合いの海老天を買ってきた。それでも何とかなると思ってしまうところが、自称まあまあ天才の愚かさであり、傲岸不遜たる所以である。
 
先ずは玉ねぎをスライスし、15分以上無視する。これはべつに玉ねぎをイジメたいワケではなく、或る種の変態放置プレーの一環でもない。玉ねぎを切って直ぐに火を入れてはいけないのだ。
なぜならば、玉ねぎには硫化アリルという物質が含まれており、ビタミンB1の吸収を高め、新陳代謝を盛んにする作用があるのだが、切ってすぐ調理するとそれが失われるのである。けど、切ってから室温で15分〜30分程放置しておくと、加熱してもアリルくんが壊れなくなるのさ、(^3^♪プップップー。
他にもプラス効果はある(以下、どーでもいい人は読み飛ばされたし)。放置すると、プロペルニルジスルフィドという舌を噛みそうな類いのものが新しく生成され、そやつには糖尿病で高くなった血糖を下げる作用や発ガン抑制作用がある。これを加熱すると、また別の物質トリスルフィド類やセパエン類に変わるのである。これらは心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる中性脂肪や悪玉コレステロールの値を下げると言われている。血管を詰まらせる血栓を溶かすことも確認されていて、血液をさらさらにし、動脈硬化を防ぐ作用もあるようだ。また、玉葱を加熱調理すると解毒代謝が促進されて、体内の有害物質を排泄するそうだ。
書いてて、そこまで考えてメシ食えんよとは思ってるけどね。
クソッ、またどうでもいい事を書いてしまったなりよ…。

かつお昆布出汁に薄口醤油、酒を入れ、みりん少々を加えて火にかける。砂糖を入れるかどうか迷ったが、甘くなり過ぎるのは嫌なのでやめとく。沸騰する前に玉ねぎを加え、ある程度くたくたになるまで火を入れる。丼モンの生っぽい玉ねぎは苦手なのだ。
その間に卵2個をとく。海老は電子レンジのオーブン機能で温めておく。
ここからは一気呵成だ。玉ねぎ入りの出汁じるが頃合いになったら、とき卵を2回に分けて入れる。これは白身が生でズルズルなのは嫌だし、かといって卵が固まり過ぎるのもヤだからだ。
その僅かな時間の間にご飯を丼鉢によそい、海老を乗せる。そして玉子とじをすかさずダイブさせ、木の芽を飾って出来上がり。

 

 
幻の天とじ丼は海老天が2本だったが、コッチは奮発して3本である。オマケに海老のみで獅子唐だのサツマイモなどと云う余計なものも入っておらんし、卵もたっぷりじゃ。もう勝ったも同然の気分でカッ込む。

(--;)…。
ب)…。
悪かない…。悪かないのだが、どって事ない。そこそこ旨いんだけど、敦賀の「千束(ちぐさ)そば」のクオリティーには程遠いレベルと言わざるおえない。海老に感動は無いし、玉子もあんなにフワフワではない。自称まあまあ天才、「千束そば」に完敗である。

ならばと数日後、本気で臨むことにした。リベンジである。このままではプライドが許さない。ここでおめおめと引き下がるわけにはゆかぬのだ。
満を持して今回は生の海老を買ってきて、自分で海老天を揚げることにした。そもそも市販の海老天って、衣が厚くて中身が驚くほど細かったりする。ようはひょろひょろの詐欺まがいのものばかりだから失敗したんじゃないかと考えたのだ。だから、今回は高級天ぷら屋並みのギリギリの火通しで勝負しようではないか。本気出せば、楽勝じゃい(ノ`Д´)ノ彡❗

他の行程は基本的には同じだが、出汁の配合を少し変えてみた。甘みが少し足りないかもと思ったので、ちょっとだけ味醂を増量する。卵は同じ2個だが、とろとろ感の柔らかさを再現するために、片栗粉を加えた。こうすれば、卵が固まりにくくなると踏んだのだ。
 
衣薄めの海老天を揚げる。予熱で火を通すので、揚げ時間は短めで油から取り出す。したらば、素早く予め作っておいた玉ねぎ入りの出汁じるを火にかける。沸騰するまでの間に海老天に塩を付けて摘み食いする。
(☆▽☆)うんめぇー❗火入れ完璧やん❗❗
出汁が沸騰してきたら、片栗粉の入った卵液を掻き混ぜ、2回に分けて入れる。
それを横目で見ながら、電光石火で御飯をよそい、海老天を乗っける。んでもって、卵が完全に固まらないうちに玉子とじをドバーッと上からかけ、九条ネギを添えて怒涛のうちに完成。

 

 
この見た目、「千束そば」を超えたんじゃね❓
フフフ<( ̄︶ ̄)>。我ながら、やる時はやる男なのだ。

並々ならね期待を込めて食う。

(^3^♪旨いっ。
海老もプリプリだし、玉子もトロトロだ。レベルは前回よりも確実に上がっている。
しかーし、残念ながら千束そばの領域には及んでいない。あの旨さを知らずして食ったてたら、そこそこ自画自賛してもいいところだが、あっちの方が断然に美味いと認めざるおえないのだ。

せにょ〜る┐(´д`)┌、いったいどこが違うというのだ❓
今一度、『千束そば』の画像を引っ張り出してきて見比べてみる。

 

 
原因は海苔か❓…。九条ネギも要らんかったかも。
しかれども海苔が入ってないところも食ってる筈だけど、変わらず美味かったぞ。だから、それが決定的な味の違いの理由とは思えない。もっと根本的な違いがあると言わざるおえない。
たぶん、大元は出汁なんだろなあ…。でも老舗蕎麦屋の出汁の再現は難しいよな。やっぱプロは凄いのだ。

諦めて、素直にまた来年食べに行こっと。

                        おしまい

 

オレ的豚丼

 
発作的に豚丼を作ってみようと思った。
でも考えてみれば牛丼は作ったことはあるけど、豚丼は作ったことがない。

取り敢えずクックパッドなんぞを見てみるが、どれも砂糖がたっぷり入ったかなり甘めの味付けのものばかりだ。
ケッ、ダボがっ(ーー゛)💢
甘過ぎる味付けはオコチャマ仕様なので、許せん人なのである。昨今は塩辛だって甘かったりするから、世の中総オコチャマ化しているのだろう。
女子供ばっかにすり寄りやがって……(-
-;)ブツブツ。

ならばと自分流で作ることにした。
先ずはタレ作りから。

醤油大さじ2、酒大さじ1、砂糖の代わりにみりん大さじ1を混ぜ合わせる。でもって、厚めの豚ロースをそこにブチ込み、30〜40分ほど漬けておく。

その間に温泉玉子を作る。
おーっと、言い忘れてた。米を洗って炊くと云う行為は端折っとるからね。各自テキトーに用意しといてね。

卵は常温に戻しておく。
ほんでもって多めの湯を鍋でグラッグラッに沸騰させる。それはもう地獄の憎悪溢れる鍋を彷彿させるコレでもかと煮えたぎる熱湯にされたし。
そこに生贄の如く卵を放り込む。今回は3個入れもうした。で、ソッコー火を切る。あとは一切何もしてはならぬ。箸で掻き混ぜるなどは言語道断、蓋もしてはいかんでござるよ。どうしても触りたくなったら、同居人に亀甲縛りにしてもらいなはれ。ほしたら、10〜15分ほど放置プレーじゃ。今回は卵の大きさがM玉ゆえ、タイマーを13分にセットする。その間は変態プレーでも何でもお好きにやってくれ。
時間になったら、亀甲縛りを解いてもらい、水に移して粗熱をとりましょうね。

フライパンに油を入れ、豚肉をタレごと焼く。火加減は最初は弱火から中火でよい。豚肉は焼き過ぎるとかたくなるので、慎重に火入れしませう。
最後に強火にして焼けたら、よそった御飯の上に素早く乗せ、フライパンに残ったタレをかける。そこに温泉玉子を割り、貝割れ大根を添える。仕上げに白胡麻をふったら完成。
 
 

 
 
食う。
ヽ((◎д◎))ゝ❗❗
想像以上のバリ旨やんけー🤩❗
程好い甘辛さで、バクバクいけるがなー。マジ、ガッついたよ。男は黙って、ガシガシ豚丼なのだ。

半分くらい食い進んだところで、温泉玉子を割ることにする。この一種禁断を犯すような背徳にも似た一瞬がたまりまへんな。
(ノ`Д´)ノえいや❗プチゅっ❗❗
オホホホホホ( ̄▽ ̄)∬……、そう、苦悶の顔でダラダラと黄色い液体をしとどに流しなはれ。

グシャグシャにかき混ぜたところで、口に頬張る。
(☆▽☆)ぴゃあ〜、これまた絶品の旨さじゃきに❗
温泉玉子、大正解じゃよー(≧▽≦)

わりかし簡単なので、この疫病蔓延の御時世、家に居てヒマな人は、お作りよしー(・∀・)

 
                        おしまい

 

しあわせ白子雑炊

 
冬に作った食いもんの写真が腐るほどある。 もう季節はずれだが、勿体ないので気が向いた時にちょこちょこ書こうかと思う。

2月の最後の閏日、29日に満を持して『白子雑炊』を作った。 しかし、残念ながらフグの白子ではない。白子と云えば定番の鱈(タラ)白子だ。とはいえ、これとて昔は少なくとも関西では定番ではなかった。初めて存在を知ったのは大学生の頃で、金沢に行った時だった。その脳ミソみたいな見てくれに、かなり引いた記憶がある。 その後、直ぐに関西でも出回るようになった。

そういえば、初めて見る妹に、

『お兄ちゃん、コレ何❓』

と質問されて、こう答えておいた。

 
『🐵猿の脳ミソや。』

 
その時の、妹の驚愕の表情は今でも忘れられない。それは、人って恐怖を感じたら、そんな風に固まるのねと初めて認識した記念碑的な瞬間でもあった。
あっ、ちゃんとネタバラシはしましたよん。
いかん。早くも脱線気味だ。今回はサクサク進めるぞ。

先ずはタラ鍋をつくる。ここで最初に強調しておく。今回はあくまでも『白子雑炊』有りきの鍋だと云うことを。鍋の残り汁で白子雑炊を作りましたーと云うユルいスタンスではなく、旨い白子雑炊を食いたいが為にタラ鍋を作るのである。つまりタラちゃん鍋は主役ではなく脇役であって、前座でしかないということだ。

話は一旦逸れる。
白子雑炊といえば忘れられないのが、大阪ミナミの水掛け不動尊近くにある『南進』と云うフグの老舗名店の白子雑炊だ。ここの白子雑炊が悶絶級にメチャンコ美味いのだ。
今はどうか知らないが、昔は冬のフグの季節にしか開けないと云う驚嘆すべき店なのだ。今回はその『南進』の白子雑炊をイメージして作ってみた。ただしイメージだから、本当の作り方は知らん。

作り方は、こんな感じ。

①ハサミで切れ目を入れた昆布を鍋に入れ、水を注いで一晩放置する。こうすると上品な出汁が出る。

②土鍋を火にかけ、沸騰する前に昆布を取り出す。醤油などの調味料は一切入れない。入れてもいいのは酒くらいだろう。
先ずは白菜とえのき茸を入れる。いい感じに煮えたら、切ったタラと白子、ハモを入れる。ハモはたまたま安くなっていたので買った。ハモからは極上の出汁が出るから入れてみようと思ったのである。プラスになりこそすれ、邪魔にはならないと踏んだ次第。
具はコレのみである。他は白子雑炊の邪魔になると考えたのだ。今回は白子を最大限に活かすためにシンプルにいく所存なのである。

沸騰しないように火加減を調整する。火が強過ぎると、余計なアクが出て汁が濁るし、身が固くなってふっくらと仕上がらないのだ。タラは特にそうだが、それに限らず魚や肉はギリギリで火が通った状態を良しとする。当たり前だが、それが一番旨いからですな。

因みに白子は全部入れない。今回は2パックのうちの1/4だけを入れた。

 

 
さっき言ったばかりだが、火を入れ過ぎないように頃合いをみて、ジャンジャン食ってく。特にタラの身やハモなんぞは、火が入り過ぎると旨かないのだ。世の中、出汁にしてしまっている愚か者が何と多いことか。但し、今回においてはそれも有りなんだけどもね。出汁だけ取って本体を捨てると云う究極の選択も有りなのだ。そんな贅沢で勿体ない事、根性なしのワシには出来んけどね。

③残りの白子の半分を、オラオラオラー(ノ`Д´)ノ彡❗、包丁で原形が無くなるまで細かくブッ叩いておく。
鍋の具をキレイにさらったら、汁を小鍋に移して火にかける。そこに、もう半分の原形をとどめておる白子をブチ込む。で、火が通るちょっと手前で取り出しておく。

④次にブッ叩いた白子の半分量を投与。沸騰してきたら、炊いた米を入れる。サラサラがお好みなら、米を軽く洗ってぬめりを取るという方法もあるが、雑炊はとろみ欲しい派なので、そのままブチ込む。再び沸騰してきたら、原形白子の半分を戻し、蓋をして火を切る。してからに、1、2分ほど放置する。
世の定番であるネギは入れない。昔から思っていたのだが、ネギは個性が強過ぎて、時に主役の具材の風味を台無しにするところがあるのではないかと。何でもかんでもネギ入れときゃあいいと云う風潮が疑問でならない。時には定型を疑えよと思う。

 

 
飯茶碗に盛って、塩を振ってかき混ぜる。そこに白子と貝割れ大根を載せて完成。

💕旨っ❗
米粒が白子のコクを纏って、メチャメチャ美味いがな‼️‼️

だが、コレだけでは終わらない。2本目の矢、第二陣を繰り出す。

再び小鍋に出汁を入れ、④の行程を途中まで繰り返す。唯一違うのは溶き卵を入れるというひと手間が加わるだけである。
勿論、今度もネギは入れない。必要とあらば、小鉢にでも盛って、お好みでトッピングするがよろしかろう。

 

 
溶き卵はコレくらいの感じで火から下ろす。掻き混ぜれば、予熱で調度良いかたさになるからである。
茶碗に盛り、今度も塩のみで味付けする。

(☆▽☆)ぴゃあ〜、超うみゃーい‼️‼️

2杯目は、塩抜きでポン酢のみをかける。
これまた当然の事ながら、バカ旨❗

し❤️あ❤️わ❤️せ❤️

                       おしまい

 
追伸
久し振りの食いもんの話である。正直、食いもんの話を書くのは楽である。1時間もあれば草稿が書ける。他のカテゴリーの文章みたく特に調べる事があまりないからだ。あったとしても少ない。それに小難しいことは何も考えなくて良い。
まあ、最後はおざなりの変な終わり方になったけどさ…。

 
 

インカのめざめに瞠目せよ

 
おつとめ品の「インカのめざめ」が百円で売ってた。
だいぶと名前も浸透してきたとはいえ、まだ「インカのめざめ」のことを知らない人もいると思うので、説明しとこう。

「インカのめざめ」とはジャガイモの品種の一つである。

 
(出展『さとふる』)

 
南米アンデスでも晴れの日(お祭り)にしか食べられなかった原種に近いソラナムフレファ種を日本向けに改良したものである。その品種改良は複雑過ぎてややこしいので、ざっと云う。アンデスの原種にアメリカのジャガイモを掛け合わせ、他にもコチャコチャと掛け合わせたものだ。「きたあかり」と同じく黄色系ジャガイモにカテゴライズされる。

外見は他のジャガイモと比べて丸くて小さい。皮を剥くと黄色く、火を入れると更に鮮やかな黄色になる。味は栗とかサツマイモのような風味があり、甘い。ジャガイモの糖度は一般的に5度程度なのに対し、インカのめざめは糖度が6~8度と高いのだ。だから甘みと濃厚な味わいをもち、ねっとりした口当たりがある。黙って食べさせられたら、サツマイモと間違う人は結構多いと思うよ。謂わば、ジャガイモの概念をブチ破るジャガイモなのだ。

栽培も難しい事から、普通のスーパーではあまり出回らない高級ジャガイモとなっている。これは、小ぶりであることから大型機械では取りこぼしが多くなることや、収穫量が少なくて休眠期間が極めて短いため長期間の保存に向いていない等が原因になっている。つまり、大規模栽培には適さない品種なのだ。ゆえに生産量は限られてて、高級ってワケ。

家に帰って、早速調理の準備をする。インカのめざめは芽が出るのが早いのだ。
先ずは芋を洗う。で、皮も剥かずにレンチン。ラップの上から押してみて、軟らかくなってたらOK。出来れば途中で裏返した方が望ましい。満遍なく火が通るからだ。

取り出したら、熱々のままを包丁で十字に切れ目を入れる。ほんでもって、両手で四方からギュッと内側に押してやると、こないなようになる。火傷に注意あるよ。

 

 
右にはバターを乗っけた。お好みで塩を振ってもいい。左には塩のみを振った。

d=(^o^)=bイエ━━━━イ。
ねっとりとしていて、甘みと旨みが濃い。
何度食っても、裏切らない美味さだ。

他は、ポテサラにした。
玉ねぎを薄くスライスして、塩を振って暫くおく。
ハムはテキトーな大きさに切る。他は何にもいらない。人参もキュウリも邪魔なだけだ。ましてや、邪道のキャベツなんぞ言語道断である。

水が沁み出してきた玉ねぎをシッカリ搾って水気を切り、ハムとマヨネーズを入れて混ぜて完成。マヨネーズは好みのものでよろしかろう。
今回は邪魔だと思ったから入れなかったが、味をみて足りなかったら塩と黒胡椒を加えてもいい。出来れば味を馴染ませるために暫くおいといた方がよろし。

 

 
彩りに貝割れを飾ったが、無くてもよござんす。
コチラもジャガイモの甘さが引き立ち、美味い。
不自然な甘い味付けは嫌いだが、野菜の持っている自然な甘みは嫌いじゃない。寧ろ大歓迎。好きだ。

翌日も食った。

 

 
まだ食べたことない人は、トライすべし。そして「インカの目覚め」に瞠目されたし。

                    おしまい

 

キツネカツオ❓おまえ、誰や❓

ちょっと前の話と去年の暮れの話。

しかも去年の暮れというのは、🎄クリスマスイヴだった。
イヴ用の料理は既に仕込みが終わっていたが、白ワインかシャンパンだかを買いに行った。その帰りに、何となく『スーパー玉出』に寄ったら、コレが目に入った。

 

 
見慣れぬ結構デカい魚が半身で売っていた。
長崎産で価格は驚きの480円。しかも刺身用のシールが貼ってある。この量で、この値段は激安だろう。
でも名前を見て、首を傾げる。

キツネカツオ❓おまえ、誰や❓

である。全く聞いたことのない魚名だったのだ。
「カツオ」と名がついているからには、カツオの仲間であることは想像がつくが、そんな種類のカツオっていたっけか❓
それに、身の色はカツオみたいに赤くない。どちらかと云うとサワラに近いものがある。そこが怪しい。
だいたいキツネと云う名前が、そもそも怪しいじゃないか。キツネといえば、化かすというイメージがある。見た目はカツオと似ているが、食べてみたら全然カツオとは似ても似つかない糞マズ魚だったんで、騙されたと思った人が「キツネカツオ」と呼んだんじゃないのか❓
また、カツオと名はつくが、全く関係のない別グループの魚やもしれぬ。謂わばパチモン、偽物って可能性も充分ありうる。漁業の流通業界は信用おけないところがある。売らんが為に奴ら、深海魚や淡水魚に平気で何とかダイ(鯛)だの、銀タラ、銀ムツとかの嘘の名前をつけるのだ。謂わば、擬装が罷り通っている業界なのである。売ってるところが、またスーパー玉出というのも、ちょっと胡散臭い。よく利用はしているが、100%信用できないところがあるのだ。

あれこれ考えても仕様がないので、すかさずその場でググる。
したら、一発で出てきたよ。便利な世の中になったものだ。

それによると、キツネカツオとはハガツオの別名らしい。
なあ~んだ。ハガツオなら知ってるよ。でも、あんまし食べたことがないよな。暫し記憶を反芻する。

💡おっ、そうだ。4、5年前に対馬で食った事あるわ。メチャメチャ美味かったような記憶があるが、おぼろだ。対馬ではツマアカスズメバチにボッコボッコに刺されたし、他にもロクでもない思い出ばかりだったので、脳が記憶を消したがっているのだろう。
だから記憶違いの可能性もあるが、損しても480円だ。マズかったら、焼いてマヨネーズとか塗りたくっとけば何とか食えるだろう。ならば、ここは断然買いだろう。

取り敢えず半分に切って金串を打ち、皮目をガス火で直接焼いてやった。カツオの仲間なんだから、タタキにすりゃいいだろうと云う極めて安易な発想からである。

 

 
薬味は青ネギ、山葵、おろしニンニク。
先ずは、塩のみで食う。
( ☆∀☆)しょえー、バキ美味いやんけ❗❗❗
脂が乗ってて、旨みが強く、鼻から香ばしい香りが抜ける。ねっとりとした歯触りもよろしい。
味わいはカツオとサワラの中間的と言ったら、伝わり易いかもしれない。だけど、どっちかというとサワラ寄りかな。

醤油でも試してみたが、圧倒的に塩を推す。そっちの方がハガツオ本来の味を、よりダイレクトに堪能できるからだ。薬味も無くてもいいくらいだ。飽きたら、たまに使う程度でいい。

残り半分は、闇の食糧庫に眠っていたこんなもんをつい使ってしまった。

 

 
日本製粉のオーマイブランドのカルパッチョの素だ。
賞味期限は過ぎているけど、勿体ないから使用。
フリーズドライのトマト、ブラックペッパー、ディルなどが入っているような事が書いてある。

 

 
かけて食ってみた。
白ワインヴィネガーの風味がするな。
ても味は悪くないのだが、良くもない。さっきの塩のみと比べれば、ゴテゴテと味をつけたのに失敗してるって感じだ。素材の味を完全に殺しとる。
思うに、カルパッチョって、良い魚でする必要性があんのかな?何か勿体ない気がする。カルパッチョは、くたびれた魚や元々味があまり良くない魚を美味しくするためのテクニックじゃなかろうか❓

とにかく、これはダメ。何とかせねばならない。
オリーブオイルをブッかけて、イタリアンパセリをふんだんに散らしてやった。

 

 
まあまあかな。少しはマシになったような気がする。
とはいえ、ハガツオの良さは完全に消えている。
ん~、( ´△`)勿体ないことしたよ。

それはさておき、キツネカツオ(ハガツオ)くんの事が気になってきた。アンタ、誰?とか言った手前、知っておかねばなるまい。

ハガツオはスズキ目サバ科ハガツオ属に分類され、体長1m前後になる。

 
(出展『つりまる』)

 
カツオは勿論だが、サバにも似てるかも。

 
(出展『つりまる』)

 
歯は鋭く、顔は厳(いか)つい。
ははあーん。名前の由来はここら辺りだな。

 
(出展『旬の食材百科』)

 
Wikipediaによると、カツオに似ているが鋭い歯を持つことからハガツオ(歯鰹)と名付けられたようだ。
ドンピシャだ。まあ、それくらいは誰でも想像つくだろうから、自慢するほどの事じゃないけどさ。
とにかく歯が鋭いわ。下手に触れたら、スパッといきそうだ。歯が小さくて目立たないサバ科の中にあって、特異な存在だな。

また細長い顔つきから「キツネガツオ」とも呼ばれるんだって。コレまた納得じゃな。
それはそうと、パッケージには「キツネカツオ」とあったが、本当は「キツネガツオ」と濁るんだね。そっちの方が言い易いから、コレまた納得。

他に、背に幾筋も縦筋が入っていることから「スジカツオ」とも呼ばれている。また、関東では「トウサン」「トウザン」「ボウサン」などとも呼ばれているとある。

古くはキツネガツオ(狐鰹)が標準和名だったそうな。ハガツオは三重県、和歌山県の関西方面、長崎、静岡、高知県などでの呼び名みたい。けど、関西でも市場で見たことは一度ないぞ。

続きを読んだら、その理由も解った。

日本列島をはじめ、西太平洋・インド洋に広く生息している。回遊魚で、日本の沿岸で漁獲される時期は初夏から秋にかけてで、盛期は8月から10月。沢山穫れる時期という意味での旬は夏と言えるが、秋から晩秋にかけては身に脂がのり、味の点からすれば、その時期が旬と言える。
しかし、サバ科のなかでは漁獲量が少なく、この魚を目的とした漁は殆んど行われておらず、カツオやサバなどに混じって漁獲される。安定的に獲れないので知名度が低く、産地などでは味の良さから好んで食べられているが、消費地では知られていない魚でもある。

他のサイトでも調べてみた。幾つかのサイトを総合すると、こないな感じになる。

「旬は脂の乗る秋から冬だが、年間を通して味がいい。
鱗は無く、皮は薄く弱い。骨も軟らかい。赤みは弱く、熱を通すと硬く締まるが、カツオほどではない。卵巣も美味。だが、何といっても生食が一番美味。鮮度が良いハガツオの刺身はカツオ特有の鉄臭さが無くて旨みもあり、魚類中、最上級クラスの味である。
とはいえ、ハガツオは鮮度落ちが非常に早く、水揚げされてから翌日辺りまでしか美味しく食べられないとさえ言われている。」

かなりの高評価じゃねぇか。かえすがえすも、カルパッチョなんかにするんじゃなかったよ。激しく後悔したね。

今年に入ってからの2月11日、再びスーパー玉出で御対面あいまった。まさか、また会えるとは思っていなかったよ(´ω`)

 

 
今度は580円と、前よりも百円高い。
けど、それでもこの量なんだから安い。それに前回の失敗カルパッチョのリベンジもしたいところだ。迷わずに買う。

今回も金串に刺して、ガス火で直かに皮目を炙る。
でもって、塩のみで食う。

 
【ハガツオのタタキ】

 
相変わらず、バリうまー( ☆∀☆)
マジ、美味い。
画像には無いが、スダチを軽く搾っても美味かった。

 
【ハガツオの辛子醤油】

 
包丁で切ると、腹の周辺がバラバラになりよった。
ハガツオは身割れしやすいのだ。そう云う意味でも、カツオよかサワラに近いのではないかと思う。

それを適当に盛って、芥子醤油で食った。
サバは芥子醤油と相性がいいので、ハガツオにも合うと思ったのだ。
正解d=(^o^)=b。合うね。山葵よか、全然合うかもしんない。

 
【〆ハガツオ】

 
鯖寿司ならぬ、ハガツオ寿司を作ろうと思った。
ハガツオにたっぷりと砂糖をまぶす。えっ、砂糖?普通は塩締めでしょうよ。と思う人は多いだろうが、御心配なく。鯖寿司を作る時でもそうなんだけど、砂糖の方が仕上がりがいい。因みに、全く甘くはならないという一言も添えておこう。

皿を傾けて1時間程おくと、ピンク色の液体が下に溜まってくる。これが生臭みの素なので、本体に触れないようにして捨てて、流水で洗う。してからに、キッチンペーパーで水気を拭き、酢で〆る。酢が回り過ぎるのは嫌なので、15分程で上げる(途中で一度裏返してね)。それをラップして、数時間おく。アニサキスが恐い人は、これを冷凍庫にブチ込みなはれ。死によるで。
味が落ちるので、自分はしないけどさ。

量があるので、棒寿司にする前に少し食べてみることにした。それが上の写真である。

d=(^o^)=bいいね。
酢で〆た分、角が少しとれて、飽きのこない味になった。これはこれで刺身とはまた違う良さがあって美味い。

 
【ハガツオの棒寿司】

 
〆たハガツオの中骨を抜き、腹側の骨も取り除く。してからに酢飯と合体させて、昆布を乗せる。それをラップして、巻き簾で巻いた。ほいでもって、一晩冷蔵庫で寝かす。

分厚めに切る。
鯖寿司でもそうなんだけど、棒寿司は分厚めに切った方が旨いのだ。

大皿に盛って、南天なんかを飾ろうかと思ったが、近所の公園に取りにいくのか面倒でパス。ふた切れだけを皿に盛る。酔っ払ってるので、飾りは一切なし。

醤油をちょいとつけて食う。
(о´∀`о)どんだけ美味いねん。

 
【ハガツオの鉢寿司】

 
翌日に冷蔵庫から出したら、酔っ払ってたせいかラップが外れてて、酢飯が乾いていた。パッサパサのボッロボロである。
なので、飯部分をバラして酒を振りかけてレンチン。冷ましてから、古伊万里に盛る。その上にハガツオを切って乗せ、貝割れ大根と胡麻を散らした。

肉厚感はないが、コレはコレで美味い。結構な量があったが、全部食っちまったべよ。
今思うと、酢飯に刻んだガリを混ぜ込めば、もっと美味くなってたかもしれん。

 
【ハガツオの昆布締め】

 
それでもまだ少しだけハガツオが残った。
で、昆布に巻いて一晩寝かした。

コレまた少し味わいが違う。より昆布の旨みが移って酒の肴には打ってつけだ。
ハガツオは傷みが早い魚だと云うけれど、酢で締めたり、昆布締めにしたら、意外ともつもんだね。

ハガツオを食べる機会は中々ないかもしれないけど、出会ったら是非食べて戴きたい。まだ、季節的には出回る可能性はあると思うよ。

                    おしまい
 
 

ポテチ熱愛主義者の呟き

 
隠していたワケではないが、ポテチ好きである。
熱愛主義者と言ってもいい。だから、新しい味のポテトチップスが発売されてるのを見ると、心がザワつく。

 

 
湖池屋のプライドポテトシリーズの『食塩不使用 芋まるごと』である。

裏を見ると、何か色々と蘊蓄(うんちく)が山盛り全面に書いてある。
左側には、こう書いてあった。

「創業当時の想いを込めて、まるで料理を作るように。」という前置きがあって、更に続く。
「新プライドポテト製法」で、また一歩、理想のおいしさに近づきました。老舗・湖池屋のプライドをかけた本当に美味しいポテトチップスです。」

まだ何か書いてあると思ったら、今度は新プライドポテト製法について書かれてあった。

1.日本産の中でも、旨みの濃いじゃがいもを選定。

2.温度を変えながら揚げることで、素材本来の旨みや甘みを閉じ込める。

3.揚げ温度を見極めて、旨みの衣をまとわせ、軽快な食感を生み出す。

4.二段階の味付けで奥深い味わいに。

 
「理想」「プライド」「素材本来」「旨みの衣をまとわせ」「まるで料理を作るかのように」etc…。
一見、何かスゴいこと言ってるみたいだけど、美辞麗句を並べてるだけで、具体性に欠ける。何か上っ面だけの言葉で、説得力が無いのだ。
どんだけ惹句で塗り塗りしたところで、所詮はポテトチップスだろ。この会社、どこか自分に酔ってるみたいで気持ち悪い。

右側にも何か書いてある。

「あえて食塩を使わず、北海道産昆布の旨みによって、じゃがいも本来のおいしさを最大限に引き出した、まさに”芋味”のポテトチップス。新プライドポテト製法だからこそ実現できる味わいです。」

湖池屋って、商売が上手だよね。
言葉巧みだし、宣伝の仕方も上手い。食塩不使用なんて、見事な逆転の発想だ。自分もスゴく気になって買っちゃたもん。
パッケージデザインも高級感があって、他のポテチとの差別化に成功している。
でもさ、ポテチなのにそこまでカッコつけてどうよ❓とは思う。金かけてカッコつけてる暇があったら、もっと旨いポテチ作りなはれと、やっぱり思うんだよね。

 

 
普段、わざわざそんな事はしないが、形状が分かりやすいようにと器に盛った。
湖池屋のプライドシリーズの特徴である厚みが、何となく解りやすかね、旦那。
えっ!?、この画像じゃ解らない。そりゃ、そっすよね。次から、また考えときまっさー。

食ってみた。
ほおーぅ、塩味がついてないのに、思ってた以上に味が濃い。確かにジャガイモの味がダイレクトに感じられて旨い。ような気がした。
しかし、3枚くらい食ったところで飽きた。
何か物足りないのだ。そう、塩味が足りないのである。確かに味として、コレはコレで成立しうるのかもしれないが、脳がポテトチップス=塩味と記憶しているのだ。足りない感が、モン凄くある。

塩かけたら、どうなるんだろ❓
って云うか、堪らずにソッコーで塩をかけたよ。

( ☆∀☆)うんめっ❗❗❗❗
数百倍、旨なっとるやないけー(#`皿´)

やっぱポテチには、塩が必要っすよ。絶対に。

 
                    おしまい