台湾の蝶6 タカサゴイチモンジ

 
     タテハチョウ科 その5

      第6話『碧緑の銀河』

  
緑系イナズマチョウの第3弾である。

【Euthalia formosana タカサゴイチモンジ♂】
(2017.6.20 台湾南投県仁愛郷南豊村)

この蝶も前回とりあげたスギタニイチモンジと同じように、光の当たる条件によって色が幻妖に変化する。

(2017.6.15 台湾南投県仁愛郷南豊村)

特に羽化後間もないものは鱗粉に蒼がのり、美しい。
しかし、その蒼はやがて失われ、すぐに白茶けた色に変わってしまう。

(2015.7.13 台湾南投県仁愛郷親愛村)

2016年は採れども採れどもそんな擦れた♂ばかりだった。仕方なく殆んどはリリースした。
ようやく2017年に綺麗な個体を拝めたのだが、2、3日後にはもう羽が擦れ始めていた。たぶん♂はテリトリーを張って他の個体を追い回したり、樹林内を縫うようにして飛ぶので羽の損傷が早いのだろう。

裏面の画像も添付しておきましょう。

タカサゴイチモンジは淡いグリーンがかった色だったが、こちらは黄色い。
これはこれで美しくはあるが、何とも惜しい。
個人的には裏が淡いグリーン系のユータリアであって欲しかった。もし翡翠色だったら、ユータリア有数の美蝶となってたのにね。

参考までに淡いグリーン系の裏面とは、こんな感じ。

【Euthalia Patala パタライナズマ 裏面】
(2014.4 Laos oudmxay)

美しい。
まるで冥界を彩る幽玄なる翠だ。この世の色とは思えない。

タカサゴイチモンジもスギタニくんと同じで、標本になってしまえば独特の輝きを失ってしまう。色も何だか地味な感じになっちゃう。渋いっちゃ、渋いんだけどね。

比較的まだ美しさは残っているが、たぶん時間が経てば色褪せてしまうに違いない。

一応、去年の擦れた個体も添付しておくか。

帯が白くなっちゃうんだよね。
ちよっと別種に見えなくもない。それくらい印象に差がある。やはり、タカサゴイチモンジは是非とも鮮度の良い実物を見てほしい。でないと、その本当の魅力は解らない。

( ; ゜Д゜)あっ!、胴体に黴が生えとるぅ~。
完品じゃないし、まっいっか…。

さあ、続いてはメスでごしゃるよ。
スギタニもそうだったけど、タカサゴもメスが白眉だ。ユータリアの魅力の真髄はやはりメスにある。

(2017.7.4 台湾南投県仁愛郷南豊村)

♂よりもかなり大きいし、帯が太くなる。
スギタニイチモンジの回で、飛ぶさまはオオイチモンジを彷彿とさせると書いたが、本当はこっちの方がオオイチの♀っぽい。梢の上を雄大に飛んでいるのを見掛けると、ワタクシ、オートマチックに萌えまする。

その蒼によろめきそうだ。

(2016.7.15 台湾南投県仁愛郷南豊村)

美しいよねえ…。
下翅の帯の周辺は、まるで天の川に散りばめられた銀河のようだ。碧緑が妖しく耀いている。
或いは、天の蒼白きカーテン。オーロラにも見える(画像は拡大できます。鱗粉がヤバイです)。

実を言うと個人的な好みとしては、台湾のLimbusa亜属(緑系イナズマチョウ)の中では、このタカサゴイチモンジが一番好きだ。これだけ帯が広いユータリアは、たぶんタカサゴ以外にはいないのではないかと思う。イナズマチョウ分布の東端、極東に棲むユータリアだけあって、独自進化した特異な存在といえよう。似たようなもんだらけのリンブサ界(緑系イナズマ)にあって、ソックリさんがいないというのは、極東特産種の面目躍如ってところでしょう。

他にも、好きがゆえなのか♀の写真は沢山ある。

(2016.7.5 台湾南投県仁愛郷南豊村)

たぶん、下3つは初めて採ったメスだな。
この時も、感動と安堵で指先が震えたよね。
個体差はあるけれど、総じてオオイチの♀よりも大きいのではないかと思う。立派なのですよ。
その迫力と玉虫色の翅に( ☆∀☆)萌え~なのだ。

まだまだ画像はある。
お次は黄色く写ったヴァージョン。

(2016.7.7)

(2016.7.29)

(2017.6.26)

(2017.6.20)

飽きた…。画像はまだまだあるけど、もうええやろ。

こんなにも色が変わって写るのは、たぶん背景の色と無関係ではないと思う。にしても、カメラがそんなにビビットに反応すると云うことは、よほど鱗粉が複雑な色の組み合わせで成り立っているのだろう。

一応、裏面の画像も添付しておきましょうネ。

♂の時に黄色いとコメントしたが、厳密的には緑がかった黄色と云うのが正しい。

おっと、忘れてはならぬ。♀の標本写真も添付じゃけえ。

しもた。翅がちょこっと欠けとるやんか。
ならば、これで許してけろ。

触角がやや気になるが、まあまあの出来だね。
もっと完璧な奴もある筈だが、探すのはメンドーだからヤメ。筆を前へ進めよう。

忘れてはならぬ。裏面画像も添付じゃよ。

さてと、そろそろ出口が見えてきた。今回はどうやら迷宮にハマらずに済みそうだ。このまま怒濤のガブリ寄りで乗り切ろう。
ではでは、最後に種解説をしときますね。

【生態】
台湾特産種。学名の小種名formosanaは「台湾の」と云う意味。補足すると、formosa(フォルモサ)とはヨーロッパでの台湾の別称で、ポルトガル語から来ており、「麗しき島」を意味する。
そういえば前回書き忘れたけど、スギタニイチモンジの小種名の「insulae」はラテン語で「島」を意味します。奇しくも、両種とも島に関連した学名がついているんだね。

台湾での呼称は「臺灣(台湾)綠蛺蝶」。
如何にも台湾の固有種だと解るネーミングだ。
他に、臺灣翠蛺蝶、高砂綠一文字蝶、臺灣綠一字蝶、臺灣蛺蝶と云う呼び名もあるようだ。

図鑑によると、台湾全土(厳密的には中北部から中南部)の低中山地に分布するが、中部の山地に多く見られるという。
しかし、中部でも何処にでもいるというワケではなく、その分布はある程度局所的なのではないだろうか。まあ、ホリシャイチモンジやスギタニイチモンジと比べると、会える確率は遥かに高いけどね。
垂直分布はスギタニイチモンジに比べて低く、標高150~2700mの間の常緑広葉樹林周辺に見られるとあった。
自分の経験では、標高800~1300mの間でしか見た事がない。中でも1000m前後で多く見うけられた。低山地には、あまりいないんじゃないかと思う。
また、拓けた場所ではあまり見られず、生息環境は樹林帯が中心だろう。しかし疎林には見られず、樹の密生した深い森を好む。
そういえば渓では殆んど見たことがなく、尾根や山頂、林道で見かける事が多かった。

年1回の発生で、早いものは4月から現れ、11月まで見られるが、6~8月に多い。
しかし完品を観察したければ、8月は厳しいかと思われる。埔里周辺では、♂は6月上~中旬、♀は6月下旬~7月上旬が適期かと思う。とはいえ、年によって発生がズレる場合もあるかと思われるので、鵜呑みにはしないように。文句は一切受け付けませんから、あしからず。

♂♀ともに梢上を飛び、飛翔は敏速と書かれているサイトもあったが、イナズマチョウの中では圧倒的にトロい。飛ぶスピードがマッハのユータリア軍団(イナズマチョウ属)にしては遅いし、それに超敏感なこの種群にあっては明らかにアホだ。

♂は午前中に林縁でテリトリーを張る。高さはそれほど高くなく、だいたい3~5mくらいの場合が多かった。但し、その地の樹高の高低もあるので、これがノーマルな生態とは断言できないところはある。
埔里周辺での観察では、午後になると♂が林縁やその内部を縫うようにして緩やかに飛び始める。多分、メスを探す探雌行動ではないかと推測される。
♀は林縁から少し入った暗い環境にいる事が多かった。飛翔は緩やかで、すぐ止まるので捕獲はユータリアの♀にしては容易。とはいえ、♂よりも敏感だし、森の奥に入られると厳しい。
♂♀ともに落下発酵した果実、獣糞、樹液に集まる。又、たま~に林道上に翅を広げて止まっている。

アメブロに書いた『発作的台湾蝶紀行』では、第8話「麗しき女王、フォルモサ」、第13話「歪む空間、痛恨のバックファイアー」等々の回に登場します。興味のある方は、探してみてちょ。

【幼虫の食餌植物】
五十嵐 邁・福田晴夫『アジア産蝶類生活史図鑑』には、こうあった。

「トウダイグサ科 Matllotus philippensis クスノハガシワに産卵するものが内田春男により採集され(1999年)、飼育に成功した。この他、ブナ科のLithocarpus ternaticupulus ナンバンガシから数個の蛹の脱け殻が発見されており、この植物が本種の食餌植物であることはほぼ確実と考えられる。アラカシ、アカガシを用いてもきわめて良好な結果が得られることから推察して、さらにトウダイグサ科、ブナ科の食餌植物が発見されることはありうる。」

ネットで見つけた『DearLep 圖録検索』のページには、以下のものが食樹として列記されていた。

・Cyclobalanopsis longinux longinux
・粗糠柴 Mallotus philippensis
・三斗石櫟 Pasania hancei ternaticupula naticupula
・青剛櫟 Quercus glauca

1番目は和名を特定できないが、ブナ科 カシ類だね。2番目はトウダイグサ科のクスノハガシワで、3番目は属名は違っているが、たぶんナンバンガシの事だろう。そして、4番目はブナ科 アラカシの事だね。
ようするに、幼虫くんはブナ科とトウダイグサ科の植物を広く餌にしているのだろう。
それにしても、幼虫の邪悪度が凄いわ。
画像、添付しちゃうかどうか迷ったが、えーい載せてやれ!
女子やお子ちゃまは、閲覧注意じゃよ。

(出典『臺灣生物多様性資訊入口網』)

(出典『DearLep 圖録検索』)

何度見てもユータリア属の幼虫は、Σ(-∀-;)ワチャーってなるわ。
スーパーにゲジゲジで、いかにも毒がありそうだ。
そういえば、毒があると書いてる論文があったような気がするなあ…。ラオスの変人さんのだっけ?
もしこんなのが、ふと見たら目の前に止まっておったりしたら、おいちゃん、\(◎o◎)/発狂するね。
今、想像してΣ(´□`;)ゾクゾクッって背中に悪寒が走ったわ。

                  おしまい

 
追伸
今回のタカサゴイチモンジは台湾特産種であり、亜種も無いので、めでたしめでたしの迷宮は無しで、すんなりとクローズできました。
この先も平穏無事に文章が書けることを祈ろっと。

台湾の蝶5 スギタニイチモンジ

 

      タテハチョウ科編 4

       第5話 『儚き蒼』

 
ホリシャイチモンジの次とあらば、やはり流れ的に他のイナズマチョウも紹介せねばなるまい。

【Euthalia insulae スギタニイチモンジ♂】
(2017.6.27 台湾南投県仁愛郷 alt1950m)

まだ生きている時の杉谷一文字は実に美しい。
青いのだ。光を浴びると輝き、角度により様々な色に見える。その幻妖に変化するさまは見てて飽きない。

最後は翡翠色だ。

同じ個体で、ここまで違って見えるのである。
謂わば玉虫色なのだ。

しかし、ボロになると白っぽくなる。

(2016.7.12 台湾南投県仁愛郷)

9月や10月に行ってもスギタニイチモンジは採れるらしい。それをもってしてスギタニイチモンジはこんなもんじゃろうと思った人も多いだろう。しかし、その美しさには比較にならないくらいの差があるのだ。そこんところは強調しておきたい。採りたいなら、発生初期に行きなはれ。
そういえばこの時(2016年)、メスはまだ綺麗なのにオスはみんなこんなんばっかだった。思った以上に鮮度が落ちるのが早い蝶なのかもしれない。もしくは、思ってる以上にオスの羽化がメスに比べて早いとも考えられる。
あー、忘れてた。2017年にはもっと標高の低いところ(標高1100m)で採ったオスは、ボロッボロッだったわ。同じ時期の1900m付近では完品だったのにね。

(2017.6.24 台湾南投県仁愛郷)

結構早くに発生してたってワケか…。
或いは、オスはメスを探して結構飛び回るので、損傷が早いのかもしれない。

メスの画像も並べてみよう。

(2017.6.29 台湾南投県仁愛郷)

(2016.7.14 台湾南投県仁愛郷)

(2016.7.13 台湾南投県仁愛郷)

(2016.7.12 台湾南投県仁愛郷)

メスはオスに比べてかなり大きい。
重厚感も加わって威厳さえ感ずる。イナズマチョウは、やっぱメスの方がカッケー( ☆∀☆)
それはそうと、全部鮮度は良さそうには見えるが、こうして並べてみると6月の個体の方が美しい。
もしかしたら羽化後、輝きを保てる期間はごく僅かな間なのかもしれない。

裏面の画像も添付しておきましょう。

(2017.6.29)

(2016.7.12)

黄土色に淡いグリーンが掛かったような色で、裏もまた美しい。落ち着いた大人の色気が漂う。
もし、こういう色の着物を着こなす妙齢のシットリ美人がいたとしたら、オイラ、間違いなくイチコロだ。

でも死んでしまうと、悲しい哉その蒼の輝きは儚くも消えてしまい、翡翠色も褪せてしまう。
そして標本なると、オリーブ色とかカーキー色、黄土色にしか見えなくなる。生きている姿を見たものからすれば、まるで別の蝶のようだ。
これは、Limbusa亜属(緑系イナズマチョウ)全体に言えることで、特に翠の輝きが強い種類ほどその落差は大きい。こんなに生きてる時と死んだ時との落差がある蝶は、他にあまり浮かばない。

参考までに標本写真も並べておきましょう。

多分、♂だね。
スギタニイチモンジは、基本的に♂♀同紋なのだ。
とはいえ、大きさと翅形で雌雄の区別はだいたいつく。慣れれば誰でも解るくらいのレベルでしょう。

下翅内側の内縁が浮いてシワシワになっているのが気になるので、上からテープで抑えて完璧を期す。

展翅は嫌いだが、他人の目を気にする人間は完璧を目指す。バカバカしい限りだ。

いや、ちよっと待て。
たぶんこっちが♂だわさ。

一応、絶対に♀だと思われる展翅写真も貼っておこっと。

ありゃま(^。^;)、本来は完品なのに、お漏らしで翅が汚れちまってるじゃねぇーか。ガッカリだよ。

しゃあない。まだ他に未展翅のものがある筈だけど、一昨年(2016年)の標本写真を出してこよっと。

(ФωФ)ニャオー、これも展翅完璧なのに翅が一部破損しておる。

いやいや、完品もあった筈。
探そう。

(⌒‐⌒)ごじゃりましたよ。
色もこの時点では、まだある程度は残ってるね。
多分これが一番最後に採ったもので、翌日帰国してすぐに展翅した奴だ。

さあさ、満足したところでの種解説なのじゃ。
チヤッチヤッといこうではないか。

にも拘わらずだ…。
Σ(T▽T;)どひゃあー、すぐに眼前に毎度毎度の迷宮ちゃんが立ちはだかってきやがった。
またしても学名問題の勃発である。おいちゃん、気を失いそうになる(@_@;)

「原色台湾産蝶類大図鑑」を見ていたので、スギタニイチモンジは台湾の固有種ではなく、大陸に分布するEuthalia thibetanaの亜種の一つにすぎないと思っていた(亜種名 Euthalia thibetana insulae)。
しかれどもこの図鑑、優れた図鑑ではあるが、如何せん古い。1960年発行でアチキの生まれるだいぶ前からあった図鑑なのである。その辺を差し引きして考えねばならない事は重々頭には入っていた。しかし、もっと後の1997年に発行された「アジア産蝶類生活史図鑑」でも学名はそのままだったから、特に疑問には思わなかったのだ。
それが資料集めしてたら、何と学名が違っているではないか。何ですかそれ❓の、今はどうやら台湾特産種になっているらしいのだ。

新しい学名は亜種名がそのまま昇格した形をとっており、「Euthalia insulae」となっていた。
台湾のサイトでも確認したし、ほぼ間違いなかろう。
亜種名も見つからなかったし、台湾の特産種というのが濃厚だ。
因みに台湾名は「窄帯翠蛱蝶」のようです。
つまり狭い帯の緑色のタテハチョウというワケだすな。

そういえば「ラオスで最近採集された蝶(9)」に、似たようなのが図示されてたなあ…。

やっぱ、ごじゃりました。

(出典 増井暁夫・上原二郎『ラオスで最近採集された蝶(9)』月刊むしNo.403,Sept,2004)

Euthalia dudaと云う種類の♂のようだ。
似てるね。スギタニイチモンジだと言われても、何ら疑問を持たないだろう。

解説によると「本種は一見、台湾のスギタニイチモンジ E.insulaeや大陸のE.thibetanaなどのイチモンジ型斑紋の各種と紛らわしい。6月にごく少数が得られているのみで、ラオスにおける詳細は明らかでない。今までの分布記録はネパールからミャンマー、中国雲南省にかけてまでであり、南東限が伸びたことになる。」とあった。
おー、これはスギタニイチモンジとE.thibetanaは別種であると証明してくれているような文言ではないか。
\(^_^)/ありがてー。今回は迷宮を彷徨(さまよ)わずとも済みそうだ。

一応、ウィキペディアの「Euthalia」のページでも確認してみる。
おっ、種類の欄にはE.insulae、E.thibetana 共に種として表記されてあるから、両者は別種で間違いないでしょう。

ついでに、E.thibetanaの画像も添付しておくか。

(出典『国家动物博物館』)

漢字では「西藏翠蛱蝶」となっていた。
西蔵はチベットと読むから、最初にチベットで発見されたのであろう。和名にすれば、チベットイナズマってところだね。
分布は今一つハッキリしないが、ググった範囲では雲南省と湖北省の標本が見つかった。少なくともチベットからその辺りにまでは生息しているのだろう。

それにしても、E.dudaといい、E.thibetanaといい、見た目は殆んどスギタニイチモンジと変わらないよね。素人には、どう違うのかさっぱりワカランよ。

【生態】
和名にイチモンジとつくが、イチモンジチョウの仲間ではなく、イナズマチョウのグループに属する。
図鑑では台湾中部から中北部の山地帯に局所的に分布し、標高200~3000mの常緑広葉樹の森林付近に見られるとある。だが、低標高では見たことがない。
自分が姿を見たのは標高1200m前後、1950m、2400mの三ヶ所。明らかに垂直分布は次回登場予定のタカサゴイチモンジよりも高く、おそらくその分布の中心は標高1500~2200mの間にあるかと思われる。
年一回の発生で、6月~8月に多く、11月まで見られる。標高にもよろうが、埔里周辺では♂が6月上、中旬が観察適期。♀は6月中下旬から7月上旬が適期かと思われる。

敏感で飛翔は速い。♂は梢上を活発に飛び回り、♀を探雌するような行動がよく見られた。その時は飛翔速度が比較的落ちる。標高1900m地点では午前9時頃から姿を現し、午後になると次第に見られる数が減ってゆく傾向があった。
♀の飛ぶさまはオオイチモンジを彷彿とさせるところがあり、雄大。( ☆∀☆)心躍ります。

♂♀ともに落果発酵した果物、獣糞、樹液に集まる。
自分は桜の樹液に訪れる本種を何度も見たが、真っ直ぐ樹液に飛来するのではなく、先ずは近くに止まり、幹を少し歩き回ってから樹液の出ている箇所に辿り着くものが多かった。

【幼虫の食餌植物】
『アジア産蝶類生活史図鑑』によると、ブナ科 イチイガシ、ナガバシラカシを用いて採卵と飼育に成功した例があるようだ。またトウダイグサ科 クスノハガシワを食う記録もあるという。
台湾のサイト(DearLep 圖録検索)には、食樹としてCyclobalanopsis stenophylloides(ブナ科カシ類)、Quercus gilva(イチイガシ)、Quercus glauca(アラカシ)の3種があげられていた。

【記載・名前の由来など】
1930年にHallが埔里産の1♂に基づいて、「Euthalia thibetana insulae」として記載したが、それ以前にもかなり採れていたようである。しかし、次回紹介予定のタカサゴイチモンジと長い間混同されていたみたいだ。
「原色台湾産蝶類大図鑑」によれば、同じ1930年に杉谷岩彦教授が立鷹、旧ハポンの本種の標本をタカサゴイチモンジの異常型として発表したようだ。和名はその杉谷岩彦教授に因んでつけられたものかと思われる。
付け加えると、この杉谷教授は日本のスギタニルリシジミやオオムラサキのスギタニ型にも名を残しておられる。

またスギタニイチモンジに会いにゆきたいなあ。
でもその前にビヤッコイナズマ Euthalia byakkoを何とかせにゃならんわい。
あっ、そういえば台湾には、マレッパイチモンジ Euthalia malapana という幻になりつつあるイナズマチョウもいるんだよなあ…。

                  おしまい

 
追伸
おーっと、忘れてたよ。
スギタニイチモンジの採集記は『発作的台湾蝶紀行』の第38話 原初的快楽 と第48話 さらば畜牧中心 などにあります。発作的台湾蝶紀行 スギタニイチモンジ と打てば検索できるかと思います。宜しければ読んでやって下さい。

既に予告済みですが、次回はお仲間のタカサゴイチモンジ Euthalia formosana の予定です。
タカサゴイチモンジもスギタニイチモンジに負けず劣らずの佳い蝶です。御期待あれ。

Euthalia thibetana チベットイナズマは、「原色台湾産蝶類大図鑑」によると、中国西部及び中部に原記載亜種(ssp.thibetana)が分布し、雲南省のものは別亜種 ssp.yunnana となっておりました。

台湾の蝶4 ホリシャイチモンジ

    第4話 『壮重なる紫』

【Euthalia kosempona ホリシャイチモンジ♀】
(2017.6.20 台湾南投県仁愛郷)

タテハチョウ科 イナズマチョウ属のホリシャイチモンジのメスじゃけぇ。
マジ、渋カッケー( ☆∀☆)
オスとは全然見た目が違うから、昔は別種と考えられていて、ダイトウイチモンジ(Euthalia hebe daitoensis)なる名前がついていたそうだ。
ホリシャイチモンジはオスもあまり見掛けないが、メスにはもっと出会えない。ワテもこの1頭しか出会った事がない。

と云うワケで慎重に展翅したあるよ。
今回はタイワンタイマイとは反対に上翅をギリギリまで上げた。なぜなら、下翅の上側が黄泉(よみ)の国に通ずる妖しき闇を想起させる高貴なる紫だからだ。それが上翅に隠れて見えなくなるのは何としてでも避けたい。ゆえに、下翅を限界まで下げてから上翅を調整したのでありまする(`◇´)ゞ。

採れたのは、前述したようにこの1頭のみ。
珍しく緊張のあまり振り逃がして、死ぬほど追いかけ回して最後はダイブ。何とかギリギリで仕留めたのを思い出す。

下翅上部の紺色と紫が混じりあったような色が、何とも言えない美しさだ。

裏面はこんな感じ。

心拍数バクバクの急上昇、ハーハー、ゼェーゼェー状態で天を仰いで拳を突き上げ『エーイドリアーン❗』と叫んだっけ…(アホなのだ)。
で、膝をついたまま写真を撮ったんだよね。その時、突然指が震え出したのを鮮明に思い出す。指が震えたのは久し振りだった。
昔は初めて採った蝶には毎回指が震えたものだが、慣れてくると滅多にそんな事は無くなった。
物事は知れば知るほど面白くもなるのだが、それと背反して知れば知るほど純粋なる感動とは乖離してゆく。
人の生業(なりわい)とは、常に大いなる矛盾を孕みながら流れている。時々、何故に❓と立ち止まらざるおえない時がある。一つの真理なんて何処にも無いのかもしれない。全ての物事には二律背反する二つの真理が存在している。逆もまた然りだ。

話が逸れた。
続いて♂をホリシャイチモンジのオスを図示しよう。

【ホリシャイチモンジ♂】
(2017.6.15 台湾南投県仁愛郷)

コチラがその裏面。

色が今イチなので採集時の画像も添付しておこっと。

あらためて並べてみると、メスとは色柄が全く違う。
オスとメスが異型の蝶って、そこにきっと何らかの意味があるんだろうなあ…。
だとは思うんだけど、ホリシャイチモンジの場合はよくワカンナイ。何か毒のある奴に擬態してるふしもないしさ…。

生態は、自分的には今イチよくワカンナイところがある。
後々登場するタカサゴイチモンジみたいに♂がテリトリー(占有行動)を張っているのを見たことがないし、路上に出てきたのも一度も見たことがない(唯一♀だけが路上にいたもの)。
また、スギタニイチモンジのように♂が♀を探すような回遊行動も見られなかった。
一昨年2016年の7月に初めて採った時は、二度とも暗い森に入った瞬間にマッハで飛び出てきて咄嗟に振り抜いて得たものだ。トラップには全く来なかった。
一方、2017年はトラップに来たものしか得ていない。

飛翔はバリ速い。年1化、5~10月に常緑広葉樹周辺に見られるというが、その最盛期は6~7月だろう。
図鑑によれば垂直分布は標高200~2500mとなっているが、採集ポイントでは標高1000m前後という狭い範囲でしか見られなかった。標高も無関係ではないだろうが、比較的限られた自然環境にしか生息できない種なのかもしれない。また、その生息環境からあまり離れたがらない性格なのではないだろうか?それがゆえに採集例が多くなく、局所的分布とされる所以ではなかろうか。

杉坂美典さんのブログに拠れば、分布はインドシナ半島北部から中国南部と台湾。台湾国内では、中南部から中北部の山地帯に局所的に分布するとあった。
でも、このタイプのイナズマチョウは大陸に似たようなのが結構いて、別種になってた奴もいる気がするんだよなあ…。少なくともタイやラオスの北部(インドシナ半島北部)には居ないし、記述されてる程には分布範囲が広いとは思えないんだよなあ。
台湾のものは、固有種(特産種)という可能性はないのかなあ…。
(>o<“)クソーっ、また変なとこに首を突っ込もうとしてるね、オイラ。

他のサイトでは、ホリシャイチモンジは台湾の固有種だという表記もあった。
またしても迷宮に迷い込みましたなあ…。

でもググっても、ろくな資料が出てこない。
亜種名さえも出てこないところをみると、特産種の可能性もあるかもしれない。

そういえば肝心要の『原色台湾産蝶類大図鑑』を見るのを忘れてたよ。

(;゜∇゜)あれま、そこにはこう書いてあった。

「本種は従来台湾の特産種とされているが、対岸大陸には類似種が多く、その分類はさらに再検討を要する。Mell(1923)は南支那(中国)広東省北部の山地から本種の1亜種と思われるもの(Euthalia shinnin albescens Mell)を記載しており、本種は支那産のものと共通種である疑いが濃い。」

「shinnin」とか、また変なのが出てきたよ。
こんな時、横地隆さんの『総説リンブサイナズマ』が
手元にあればなあ…。緑系イナズマのLimbusa亜属といえば横地さんが第一人者なのである。
副題に「南中国・ヒマラヤ地域に生息するユータリアの世界」とあるように、この亜属を網羅した論文だ。これさえ有れば、問題はたぶん一発で解決するに違いない。
しかし、論文はCiNii booksで探しても本文の閲覧は出来なかった。

その替わりに横地さんの別な論文「Revision of the Subgennus Limbusa MOORE,[1897]」というのが目っかった。

らしき画像の学名欄を見ると、何と何と驚いた事にそこには「Euthalia sahadeva kosempona」とあるではないか。えっ、ホリシャイチモンジって、sahadeva サハデバの亜種なの❗❓
じゃあ、shinninとか云うのはどないな扱いになるのん?オジサン、(@_@;)パニックだ。
サハデバの亜種ならば、学名表記も変わってくる筈だけど、記憶では各サイトの学名は「E.kosempona」になってたと思うんだよなあ…。

確認しまくる。
間違いない。台湾のものは皆「Euthalia kosempona」になってる。でも、亜種構成についての記述は見つからない。亜種名が見つからないというのは、どう云うことなのだ?やっぱり台湾のは特産種って事?

ついでに「Euthalia」だけで検索してみる。
これで属の種構成を調べようと云う狙いだ。
ウィキペディアにズラリと並んだ種名を見てゆく。
おっ、先ずは「E.kosempona」が見つかった。
やっぱり独立種扱いじゃないか。
続いて「E.sahadeva」も見つかった。という事は、kosemponaはsahadevaの亜種ではなく、両者は別種と云うことだ。真偽はともかくとして、ウィキではそういう見解ってワケだね。
因みに、そこには「E.shinnin」という種は無かった。

一応、台湾のサイトでも確認する。
ホリシャイチモンジの台湾での呼び名は、連珠翠蛺蝶, 黃翅翠蛺蝶, 甲仙綠蛺蝶, 埔里綠一文字蝶, 埔里綠一字蝶, 甲仙翠蛺蝶, 連珠綠蛺蝶。
いっぱい有るんだね~。日本みたく統一とかしないのかな?不便でしょうに。
もっとも、欧米では一つの種に対して、沢山の地方名があるから、そっちが当たり前なのかしら。

書くのを忘れてたけど、和名を漢字にすると「埔里社一文字」となる。最初に埔里(社)で見つかった一文字模様の蝶と云うワケだろう。
それにしてもイナズマチョウの仲間なのに、この和名はよろしくないね。イチモンジチョウの仲間だと勘違いする人も多かろう。いっそのこと、ホリシャイナズマと改名したらいいのにと思う。こっちの方がよっぽどカッコイイ。

「台湾生物多様性資訊入口網」というサイトで、謎だった「E.shinnin」の事もわかった。
どうもシノニム(同物異名)になっているようなのだ。

・Euthalia hebe subsp. kosempona Fruhstorfer, 1908 (synonym)
・Euthalia hebe daitoensis Matsumura, 1919 (synonym)
・Euthalia hebe shinnin Fruhstorfer, 1908 (synonym)
・Euthalia shinnin Fruhstorfer, 1908 (synonym)

一番最後の行に出ている。
だからウィキペディアには「E.shinnin」が種として出てこなかったんだね。納得だよ。
それにしても、「Euthalia hebe」へーべという種との関連で3つもがシノニムになっている。
たしかへーべという種も別種として存在してたよね。
あっ、2番目は♀の別名であるダイトウイチモンジの事じゃないか❗昔はへーべの亜種とされてたんだね。

これ以上、突っ込んでいったところでろくな事がない。埒も開かないだろうし、ラオス産緑系イナズマの画像を添付して、この件から逃亡します。
ったくよー、毎回毎回落とし穴に嵌まるなあー。

自分の持っている唯一のLimbusa亜属の資料を探す。
あっちこち探してようやく目っける事ができた。

(出典 増井暁夫・上原二郎『ラオスで最近採集された蝶(9)』月刊むし No.403,Sept.2004)

パッと見、左の奴がホリシャイイチモンジの♀にそっくりだなあ…。
おー(_)❗、何とコヤツがEuthalia sahadeva サハデバじゃないか❗これだけ似てりゃ、ホリシャがコヤツの亜種とされるのも解る気がするよ。
でも、よくよく見ると、このそっくりな奴は何と♀ではなく、♂なのだ❗
一瞬、頭がこんがらがる。チミはオカマちゃんなのか❗❓もしくは単なる♀を♂と書き間違えた誤記じゃねえのか?
でも、間違いではなく右隣がその♀なのである。
コレは別種と言わざるおえないよね。
分布はネパールから北タイ、ラオス北部、中国中南部にかけてとの事。

今度は見た目が♂に似たヤツだ。

(出典『ラオスで最近採集された蝶(9)』)

左上が『Euthalia pyrrha』。
解説に拠れば、サハデバの亜種と考えられていた時代もあったようだ。残念ながら、♀は図示されてない。
分布は中国た中南部からベトナム北部にかけて。

その右隣は『Euthalia suprema』。
その下が♀である。マハデバの♀とは見た目が違うし、コレも別種でしょう。2001年に記載された新種だそうで、基産地はサムヌア。

「Euthalia hebe」へーべも載ってましたよ。

(出典『ラオスで最近採集された蝶(9)』)

コレは一見して明らかに違うね。
何だよ、ホリシャイチモンジの♀にはあんま似てないじゃんかよー。
解説には、「中国湖北省長陽を基産地とするが他の地域からの報告は少なく、北ラオス・サムヌアから発見されたことにより、意外に広範囲に分布するのかもしれない。」とあった。

う~ん、この辺までが現時点でのオイラの能力の限界かな。
結局、肝心な事はよくワカンナイや。
ホリシャイチモンジがサハデバやへーべとは別種である事は解ったけど、台湾特産種なのかどうかはワカラン。
もう無理。ここいらで許してケロ。

おっ、そうだ。幼虫の食餌植物の事を書くのを忘れておった。
「原色台湾産蝶類大図鑑」には食樹は未知とあったが、台湾のサイトで見つけることが出来た。
それによると、ブナ科 Quercus glauca アラカシとブナ科 Cyclobalanopsis pachyloma(カシ属)となっていた。おそらく他のブナ科植物も食樹としていると思われる。

因みに、台湾のLimbusaのレア度は、ホリシャイチモンジ、スギタニイチモンジ、タカサゴイチモンジの順かと思います。
あっ、Euthalia malapana マレッパ(マラッパ)イチモンジってのもいましたねー。
でも、15年くらい記録がないらしいですから、これはもう別格の存在でしょう。
地震で道が寸断されて産地に入れなくなって久しいという。今後も道が修復される予定は無いそうだから、今や幻の蝶となりつつある。

それはそうと、このLimbusa亜属群と言われる緑色のイナズマチョウの新鮮な個体は、何れも標本とは美しさに雲泥の差があります。
これほど標本と実物に落差がある蝶って、あんまり記憶にありません。輝きが違うってところでしょうか。また、光の当たる量や角度によって随分違った色に見えます。謂わば玉虫色のスーツみたいなところがある。

【Euthalia Patala パタライナズマ】
(2014.4 Laos)

(2017.3 Thailand)

(2017.5 Laos)

(2014.4 Laos)

同じ種類なのに、こうも違って見えるのである。
一番最後の写真が標本の色に近い。
あー、また会いにいきたいよねー。

                  おしまい

 
追伸
因みにホリシャイチモンジ♂は、『発作的台湾蝶紀行』の第16話「王子様は黄金帯」に登場します。

https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/iga72/entry-12189188667.html

そういえば、55話の「待ち人ちがい」にも登場しますな。

https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/iga72/entry-12214192902.html

発作的台湾蝶紀行○○話で検索しても出てくると思います。
そういえばマレッパイチモンジも前に文章を書いたことがあるなあ。たぶん、マレッパイチモンジ 蝶に魅せられた旅人と打てば、これも出てくると思います。

(~_~;)何だか毎回ヘトヘトです。

 

台湾の蝶3 タイワンタイマイ

 
第2話のフタオチョウで脱線してしまい、エウダミップスの迷宮、エウダミップスの憂鬱、エゥダミップスの呪縛と三編もの番外編を書いてしまったが、ようやく本編に戻る事が出来た。
やれやれ( ´△`)、先が思いやられるよ。

えーと、手抜きというワケではないのですが、今回から暫くはFacebookに書いた文章を加筆、再構成してお送りしていきたいと思います。
従って、各チョウが属する科は毎回バラバラになるかと思います。その辺は御了承されたし。
それに、タテハチョウでスタートしましたが、何せ台湾のタテハチョウだけでも何十種類といる。ずっとタテハチョウの事ばかり書いてはおれんのである。いくらタテハ好きであったとしても、それは流石に辛いものがある。そこんとこも何卒御理解戴きたい。

 
 
   第3話 『爽やかハンサムさん』

【Graphium cloanthus タイワンタイマイ】

たぶん下翅内縁と腹の感じからすると、メスだと思う。
グラフィウム(アオスジアゲハ属)のメスには中々出会えない。なぜか普通種であっても珍品だったりするのだ。
上翅をもっと上げたいところだが、頭が翅に埋まるのを避ける為と触角の角度を考えての、このバランスになった。
グラフィウムのバンザイ展翅はダサい。
とかく業界では、上翅の下辺を真っ直ぐにすると云うルールに拘泥し過ぎではないかと最近は思い始めている。翅が上がっているのはまだ良いとしても、下がるのは言語道断という雰囲気がどこかにある。
再度言う。グラフィウムのバンザイはダサい。

今は展翅する際、個体それぞれの美しさのバランスのみを追及しようと思ってる。
翅のバランスだけが展翅の絶対条件ではない。翅だけでなく、触角や頭を含めての総合バランスではないかと考えている。
だから触角を基準に、許せるギリギリまで上翅を下げた。
だったら下げたその分、下翅も下げればいいのである。それでも腹が埋まる事はない。余裕たっぷりだ。
美しければ、それで良し。基本は大事だけど、もっとフレキシヴィルでもええやん。

ついでにオスの画像も添付しておきます。

コチラは上翅の下辺を真っ直ぐにしてもバランスがとれた。

因みに裏面はこんな感じ。

(2016年 7月 台湾南投県仁愛郷)

上が♂で、この下のが♀かと思われる。

(2017627 台湾南投県仁愛郷)

爽やかハンサムさんだね(⌒‐⌒)
日本のアオスジアゲハよりも大きくて青緑の部分も広い。尾っぽもあって遥かに優美な姿だ。
飛ぶのも相当速いから、謂わばハンサムで運動神経抜群のイケメンなのだ。
もしこんな男子がいたら、さぞかしモテるだろうね。

英名も『Glassy bluebottle』とお洒落だ。
「硝子(ガラス)の青い瓶」なのである。半透明な翅をガラスになぞらえているのがセンシティブだよね。
もう硝子の青い貴公子みたいなもんさ。💕モテモテ感満載だよ。

一応、一般の人にも解説しておくと、この蝶はアゲハチョウの仲間で、アオスジアゲハのグループに含まれます。
タイマイと云うのは、タイ米の事です。
と云うのは勿論ウソでー(^-^)。おそらく小型の海亀、タイマイ(玳瑁)から来ていると思われる。甲羅が鼈甲(べっこう)の原材料になるウミガメですね。
多分、アオスジアゲハグループにそれっぽい柄の種類がいて、そこから付けられたのだろう。
因みに、コレ全部推測なので、引用する人は気をつけてね。

台湾での名称は「寛帯青鳳蝶」。
ゆったりとした青帯のアゲハチョウって意味でいいのかな?

タイワンタイマイと云う和名がついているが、実を言うと台湾の固有種ではなくて、大陸にも分布しています。

分布図は、こんな感じ。

(出典『原色台湾産蝶類大図鑑』)

インド北部からミャンマー、中国南西部、台湾、飛び離れてスマトラにも分布が知られている。
それにしても前回のフタオチョウといい、こういう分布の仕方をする蝶が多いんだよなあ…。あっ、スマトラは無視しての話ね。
多分、過去の地史や気候と何か関係あるんだろね。

亜種は調べた範囲では4亜種に分けられていた。
cloanthus、clymenus、sumatranum、そして台湾のものにはssp.kugeと云う亜種名がついている(kugeは公家なのかしら?だとしたらお洒落だよね)。
ssp.cloanthus(名義タイプ亜種)はインドに棲んでいるようだ。ssp.clymenusは、何処に分布する亜種を指しているのか今イチわからないが、おそらくインドシナ半島北部から中国南西部の辺りのものだろう。
図鑑『東南アジア島嶼の蝶』で調べればわかるかなあ?調べる機会があれば、この部分は後々書きなおしますね。
3つめのssp.sumatranumは、学名の綴りからしてスマトラ亜種の事でしょう。それにしても、随分とかけ離れた所に分布してんだなあ…。
どんな奴なんだろ?一応、ググってみっか…。

(出典『蝶の標本 麗蝶』)

ありゃまΣ(゜Д゜)、黄緑色やんか。
僅かながら斑紋にも差異がある。分布も随分と離れてるし、前回のフタオチョウの流れならば、別種とされてもおかしかないよな。
分類って、ややこしい。まあ所詮は人が勝手に引いてる線なワケだから十全ではないのも仕方なかろう。

元々個体数は多くない蝶のようで、自分も台湾以外ではタイ北部で一度見たきりだ。
個人的な印象だが、台湾でもそう多くはなく、アオスジアゲハやミカドアゲハに比べて見る機会は遥かに少ない。そういえば図鑑には♂のみしか図示されてなかったなあ…。

低山地から高地(2800m)にかけて棲み、平地では見られないと云う。自分が見たのは標高700m前後と2000m前後。
飛翔は敏速で止まらないが、吸水(♂のみ)や花に吸蜜に来る時に観察できるチャンスがある。

図鑑では、春型は4~5月頃より発生し、夏型は10月頃まで採集記録があると書かれていたが、ネット情報だと2~11月に見られ、年数回に渡って発生するとあった。一応、『アジア産蝶類生活史図鑑』でも確認しておくか…。

(-_-;)…。記述が微妙に違う。
抜粋してみましょう。
「山地性の種で、標高300―3000mの地域に産する。発生は年2回、5月上旬と7月である。♂はきわめて飛翔が迅速。山頂占有癖も強く、他科の蝶に混じって山頂を高く旋回するのがしばしば目撃される。また♂は好んで吸水に湿地に下りるが、多数の個体が集まることはない。」
たしかにアオスジアゲハやミカドアゲハみたいに吸水に多数の個体が集まる事はない。山頂占有性もあるね。
他の記述はだいたい同じだが、発生期と回数が違う。
ワケ、わかんねー(ToT)

( ̄▽ ̄;)あじゃぱー。しかも分布図にスマトラが入ってない❗

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

(# ̄З ̄)もー、何でこう毎回、毎回、落とし穴に落ちるのだ。コレ、見てなかったから、そのままスッと終われたのに…。(=`ェ´=)ったく、もー。

発生に関しては、「寛帯青鳳蝶」で検索したら、解決した。どれも一年多代とあったから、多科性で間違いないだろう。

問題はスマトラの奴だ。
類推するに、もしかして、これも日本のフタオチョウ(Polyura weismanni)みたく、最近になって別種になってたりして…。

しかし、ウィキペディアで調べてみても、Graphium cloanthus sumatranum と亜種表記のままだ。

(出典『wikipedia』)

「Graphium sumatranum」で検索したら、そのタクソン(学名)で表記しているサイトも2、3あった。
でも、記載に関しての情報は見つけられなかった。
これ以上探しても泥沼だ。ズブズブにハマる前に撤退あるのみ。
分布図は見なかった事にしよう。

『原色台湾大図鑑』では、幼虫の食餌植物は未知になっていたが、『アジア産蝶類生活史図鑑』にはちゃんと載っていた。
食樹はクスノキ科 クスノキ、ランダイニッケイ、アリサンタブ、オオバゴウバシ。アオスジアゲハとほぼ一緒だね。

因みにタイワンタイマイは、採集記『発作的台湾蝶紀行』では、第20話 「台湾一過」に登場します。

https://ameblo.jp/iga72/entry-12193637539.html

よろしければ、コチラの方も読んで下さいまし。

                  おしまい

 
追伸
もっと完璧な♂の展翅画像が出てきたので添付なのだ。

上村松園・松篁・淳之 三代展 前期


初冬の光が、車窓の外で降り注いでいた。
奈良へ向かう電車は人も疎らで、どこかしら寂しげである。
もっとも、風景は見る人の心の有り様によってどうとでも見える。きっと自分の心の奥底に寂寥としたものが巣食っているのだろう。

急に思いついて、独りで『上村松園・松篁・淳之 三代展』を見に奈良の松伯美術館に行こうと思った。
展示は前、後期に分かれ、今回はその前期「四季に詠う」にあたる。

 
近鉄奈良線 学園前駅で下車。
改札を出て、見慣れぬ風景に少しまごつく。

よくよく考えてみれば、学園前駅で降りるのは人生初かもしれない。
結構大きな駅だから、一度くらいは有りそうなものなのに、眼前には全く見覚えのない風景が広がっている。
電車でこの駅を何百回となく行き交いしていると云うのに、そういう事もあるもんなんだね。多分、人と同じで、駅にも人それぞれに縁の有る無しというものがあるのだろう。

北に向かって歩き始める。
美術館へ向かうバスもあるが、歩くことにした。
社会から落ち零れた人間だ。時間はたっぷりある。
それに、知らない土地の知らない風景をゆっくり眺めながら歩くのも悪かない。初めて目にする風景は、いつも人を新鮮な心持ちにさせてくれるのだ。きっとバスに乗ってしまえば5分とかからないだろう。でもあっという間に風景は擦過してしまい、網膜には何も残らない。

20分ほど歩いて左に折れると、池があった。

渡り鳥だろうか、冬枯れの木の向かうで水鳥たちが群れている。
都会の真ん中に住んでいると季節の推移を見逃しがちだが、確実に冬はその季節を前に押し進めているのである。

ぼんやりと鳥たちを眺める。
いくつもの、とりとめのない漠たる想いが去来する。結局のところ、考えたところで物事は為(な)るようにしか為らないんだと独りごちる。

池に架かる橋を渡った先に、美術館はあった。

一旦前を通り過ぎ、少し庭を散策することにした。

周囲は落ち着いた佇まいだ。
春ならば、枝垂れ桜が美しいだろう。

冬の初めの冷たい空気の中、山茶花(さざんか)がたおやかに咲いている。
ふと、もし好きな花は?と尋ねられたら、白梅か山茶花と答えるだろうと思った。
寒さをたずさえ、凛として咲く花が好きなのだ。

入館料を払い、内部に入る。
順路に従って左の小部屋(特別展示室)に入ると、松園の作品があった。

(出典『中井悠美子 「四季の絵文日記」』)

湯上がりの楊貴妃を描いた大きな作品だ。
火照った肌が艶かしいが、決して妖艶ではない。
仄かに匂い立つエロティシズムが、むしろ高貴な印象を与えている。
そして、ふくよかだ。やわらかな豊潤さも湛えている。
それらを醸し出す美人画の名手の筆は、どこまでも繊細だ。

第1展示室へ入った同時に、正面の二枚の大きな絵が目に飛び込んできた。

(出典『日本橋高島屋』)

 
(出典『銀座秋華堂』)

左右同じ大きさの、鹿をモチーフにした作品が対のようにして並んでいる。
人は誰もいない。清謐な時間がゆっくりと流れている。
すうーっと絵の世界へ入ってゆく。

鹿の絵は後回しにして、そばの作品を順に見ていく。

(出典『なら旅ネット』)

上村松篁の『芥子』。
芥子と書いて「けし」と読む。
ケシは麻薬である阿片の原料だが、その花は美しい。

この作品は松篁の代表作の一つで、自分も写真か何かで見たことがあり、以前から知っていた。
しかし、こんな大きな作品だとは思いもよらなかった。ドアくらいの大きさは優にある。
見回すと、全般的に他の作品も大きなものが多い。
そのせいなのか、心が伸びやかになってゆく。

松篁の作品は、どれもが精緻だ。
近づいて見ても美しい。美が細部に宿っている。
心がゆるりとほどけてゆく。

最後に二対の鹿の絵を見る。
2つとも三代目の淳之の作品だ。

しかし、遠目に見た時よりも心の震えは少ない。
絵に、最初に見た時のような美しさが感じられない。

第1展示室を抜け、第2展示室へ。
ここにも誰も人がいなかった。
静かだ。先日の『北斎展』とは大違いである。
でも、これが美術館の本来あるべき姿であってほしい。
静かな環境で、穏やかな心を持って絵と対峙しないと、集中して絵を見ることはできない。

(出典『東京アートビート』)

上村松篁『月夜』。
これも大きな作品だ。

もう、ただただ美しい…。
自然と幽玄なる世界に引き込まれてゆく。
想念が夜の玉蜀黍(とうもろこし)畑へと飛び、物語が紡ぎ出される。

松園『雪』、松篁『鴛鴦(おしどり)』『鳥影起春風』、淳之『秋映』『鵲(かささぎ)』etc…。
他にも美しい絵が並び、それぞれの物語宇宙に浸る。贅沢な時間だ。

第3展示室は、2階にあった。
第1展示室の上の吹き抜け2階をぐるりと囲った形で廊下があり、そこが第3展示室となっている。
絵はその四方の壁に展示されていた。

壁が低い分、ここは標準的な額縁サイズの絵が多い。
並んでいるのは、主に淳之の作品だ。そして、その殆んどに鳥が描かれている。
淳之は無類の鳥好きで、多種多様な鳥を飼っているという。

この展示室で、それまで感じていた事が明瞭になった。
松園、松篁と比べて、淳之の作品は完成度において一段落ちるのではないかと思う。
遠目に見れば気づかないが、近くで見ると線が二人と比較して稚拙なのだ。そのせいか立体感にも欠ける。鹿の絵の印象が変わったのは、多分そのせいだろう。
それに鳥の姿が、松篁と比べて薄っぺらい。画面の構成は甲乙つけ難いが、松篁の鳥の方が眼に力があり、遥かに生き生きとしている。その姿は生命力に溢れていて、生き物の持つ固有の美しさが切り取られた瞬間を見るようだ。
とはいえ、所詮は素人の見立てだ。あっているかどうかは分からない。でも、絵はその人が感じた儘でいいのではないだろうか。

もう一度、第2展示室を通り、第1展示室まで帰ってきた。
ひっそりとした空間に独り佇む至福。
こんなにゆったりとした気分で絵を見るのは、パリ・オランジュリー美術館にあるモネの「睡蓮の部屋」以来かもしれない。

美術館の帰りの空。

快晴も好きだけど、やっぱり雲もある青空の方がいいなと思う。
眺めてても飽きない。

  於 2016.12.9

                   おわり

 
追伸
後期の「生命の詩」は1月5日~2月4日まで。
もう始まってますね。御興味のある方は、お早めに。
自分も行く予定ですが、出来るだけ暖かい日を選んで出掛けてようかと思っております。
それと、言わずもがなだとは思いますが、一言添えておきます。絵の画像を一応添付しましたが、実物はその百万倍くらい美しかったです。

おっ、そうだ。耳寄り情報です。
近鉄の主要駅で割引チケットが売っています。

おっ、ついでに思い出した。
行きしな、駅に着いて遠目に見て変な看板があって、思わず二度見した。

(画像は帰りしなに、わざわざ近づいて撮ったもの)

『何で、こんなとこに鳥の飼育を教えてくれる場所があるのだ?この辺にブランド鶏なんてあったっけ?』と思ったのだ。
それが焼き鳥屋だと気づいたのは、一拍措いてから。
一人でケラケラ笑いました。

今思えば、この日はトリ数珠繋ぎの「トリの日」でしたね。

それはそうと、なぜ昆虫は絵画のモチーフにはあまりならないのだろう。
蝶なんかは、まだ題材として使われる方だが、それでもクローズアップされて使われることは少ない。大概は花に群れ集まる姿や乱舞する様だ。
多分、思うに足がアカンのやと思う。それが普通の人から見れば気持ちが悪いのではないかな?
人は、足がワサワサ沢山あるのと、蛇みたいに全く無いものには、本能的に嫌悪感を覚えるように出来ているのかもしれない。

えー、まだまだ追伸は続きます。
続きますが、これでおしまいです。

今回は、さすがにおフザケ無しで真面目に書きました。だから、絵文字も一切無いのだ。一応、そういう文章も書けるのだ、(=`ェ´=)エッヘン。
あっ、最後に絵文字を使ってもーたやないの。

エゥダミップスの呪縛

 
Polyura eudamippus フタオチョウについて、『台湾の蝶2フォルモサフタオチョウ』、『エウダミップスの迷宮』、『エウダミップスの憂鬱』と3篇もの文章を書いてきた。

【Polyura eudamippus フタオチョウ】
(2014.4 Laos Luang Namtha)

これが思いの外に難産で、もうウンザリだっただけに書き終えた時には正直ホッとしたと云うのが本音だった。
だが、ホッとしたのも束の間、はたと重要なことに気づいてしまったんだよねー。

「eudamippus」の学名の読み方を、ずっとエウダミップスと書いてきたが、もしかして間違っているんじゃないかと思ったのである。
学名と云うものは、基本的にはラテン語かギリシア語でつけられている。つまり、ローマ字読みが基本だ。だから、「エウダミップス」と読むんだとばかり思っていた。

しかし、例えばイナズマチョウの属名のEuthaliaは、愛好家の間では一般的にユータリアと呼ぶのが習わしになっている。

【Euthalia Patala パタライナズマ】
(2014.4 Laos oudmxay)

また、ルリマダラ類の属名のEupoloeaは、先輩たちがユーポロイアと言ってるのを何度か聞いたことがある。

【Eupoloea mulciber ツマムラサキマダラ】
(2011.3 Laos Tabok)

あらら、「eu」は英語読みだと、「ユー」になる事をすっかり忘れていた。
そういえば「EURO」もユーロって読むもんね。
たぶん大文字の「Eu」と小文字の「eu」が頭の中でリンクしなかったのであろう。
となると、「eudamippus」は、「ユーダミップス」とも読める事になる。
もし、そうだっとしたら、赤っ恥もいいところだ。
でも、そもそも学名はラテン語読みの筈なのに何でコイツらは英語読みなの❓
素人には、業界のルールがワカランよ(# ̄З ̄)

クソー(´д`|||)、eudamippusめー、どこまでワシを苦しめればいいというのだ。どこまでワシを逃すまいとイバラの蔓で絡め捕ろうとするのだ。
もうここまでくれば、eudamippusの呪いじゃよ。

考えてみれば、ムラサキシジミ属のArhopalaなんて、普通の人はアロパラとはとても読めやしません。

【Arhopala hercles? ヘラクレスムラサキシジミ】
(2013.2 Indonesia Sulawesi Palu)

酷い写真だなあ…。
もう少しマシな写真を探そう。

【Arhopala pseudocentaurus ケンタウルスムラサキシジミ】
(2016.3.31 Thailand Ranog)

大概の日本人は、アロホパラと読むざますよ。
知らずにアロホパラを連発でもしたら、業界では小バカにされること確実だ。
でも、んなもん教えられなきゃ、フツーの人は読めるワケがないのである。だけども、周りが知ってれば間違いなく赤っ恥ではあるんだよね。蝶屋としてワンランク下に見られるだしょな。まあ、どうせオイラはまだまだ蝶歴短いぺーぺだから、別にいいんだけどさ。
ところで、これは何語読み❓
英語読みじゃなさそうだから、やっぱりラテン語読みなのかなあ❓

そういえばマネシアゲハの仲間は、キラサと呼ぶ筈だけど、学名の綴りは「Chilasa」だ。
でも英語読みだと、チラサと発音するよね。
さすれば、これはラテン語読みって事になりそうだ。

【Chilasa paradoxa パラドクサマネシアゲハ】
(2011.4 Laos Samnua)

先に紹介したツマムラサキマダラとソックリさんだね。
これはパラドクサが毒のあるツマムラくんに擬態しているのだ。慣れないと、飛んでいる時はまず見抜けないでごわす。

チラサよか、キラサの方が何だかキマエラっぽくてカッコイイな。
小種名のパラドクサという名もスゴい。ようするにパラドックス(逆説的)なワケでしょ。色んな意味で、想像力を掻き立てられる。

あー、ちょい待て。パラドキサと云う表記も見たことがあるぞ。それってラテン語読み❓

こりゃダメだ。ラテン語の基本的な用法を知らなければラチがあかん。
取り敢えずは、ネットでググってみるか。

(^_^)ハイハイ、何となく解ってきましたよ。
例えば、菌類に於いても学名の呼び方は研究者により様々で、古典ラテン語、慣用(教会)ラテン語、英語、ドイツ語風と色々入り混じっているらしい。中には、一つの種に対して6つもの呼称があるという。
その文によると、そもそもラテン語には「k」という文字は無く、「c」は「k」と発音するらしいのだ。
後ろに子音が入れば、カ・キ・ク・ケ・コになる。
で、「h」は発音しない。
だから、キラサと読むのである。
となると、Arhopalaの謎も自然と解けてくる。
つまり、「h」を発音しないからアロパラなのである。

じゃあ「paradoxa」はどうなのかというと、ラテン語ではx=c+sのようだ。つまりパラドクサで正解だというワケだね。
でも、英語読みでもパラドクサの筈だから、パラドキサと云うのがよくワカラン。
ワカランけど、もうパラドクサとしておきましょう。
これ以上、要らんことに首を突っ込んでたまるかである。

調べるうちに、ガビーΣ( ̄ロ ̄lll)ーン❗❗
ここでまた一つ、どエラい事実を見つけてもうた。

ラテン語では「y」を「i」と発音するみたい。そして、前述したように「c」は「k」の音で発音する。
薮蛇(やぶへび)だ。知らねば良かったのに植物の例を見つけちまったよ。
ハナアナナス属の植物に、Tillandsia cyanea というのがあるそうな。その小種名「cyanea」は、英語では「シアネア」と発音するが、ラテン語では「キアネア」と読むんだそうな。
この綴りには、物凄く覚えがある。
オオイナズマの中の覇王、Lexias cyanipardus の小種名だ。

【Lexias cyanipardus ♀】
(2014 Laos oudmxay)

自分はこの学名を言伝てでキヤニパルダス、或いはキャニパルダスだと思っていた。
ブログにも、その都度どちらかの名前を使用してきた。でも先の法則に従えば、「キアニパルダス」ということになる。
(´д`|||)おいおい、全部手直しかよ。アメブロのも含めれば、結構な数があるぞー。
(-“”-;)どないしてケツかろ。

それはそれとして、ひとまず置いといてー。
さてさて、さあ問題の「eu」の読み方だ。
ラテン語では「e」は「エ」、「u」は「ウ」と読む。「eu」だと「エウ」となるのだが、正確には「エ・ウ」とは切らずに一気に「エウ」と続けて発音するらしい。カタカナ表記すれば「エゥ」に近い。これは古典ラテン語でも慣用ラテン語でも同じだ。
つまり、「エウダミップス」でも間違いではないが、「エゥダミップス」と表記した方がより近い発音だと云うことになる。

実をいうと、ここ2、3日は、それであーだ、こーだとずっと悩んでいた。
「ユーダミップス」でいくか、「エゥダミップス」でいくか、それとも「エウダミップス」のままでいくか……。
それが問題だ。

でも、(*`Д´)ノ❗❗決めました。
「エゥダミップス」でいこう。
メンドくせーけど、全部修正しますよコンニャロー。

もうホント、マジ。Polyura eudamippus に関してはコレでオシマイにして欲しいよ。

と、ここまで書いて、脳ミソのシナプスが突然繋がった。或る本の存在を思い出したのだ。
たしか、蝶の学名について書いたバイブルみたいな本が在った筈だ。

図書館に行ったら、ございましたよ。
平嶋義宏 著『蝶の学名 その語源と解説』。
蝶の学名の読み方と、その謂われが書いてある本だ。
辞典と言い切ってもよいものだと思う。
平嶋さんって偉い!よくぞ、書かれたと思う。これを書くには、膨大な時間と労力を要したことは想像に難くない。

それによると、Arhopalaはアロパラになってました。
Chilasaは「キラサ」と読み、paradoxaもパラドクサと読むと書いていた。
両方とも、きっちりラテン語なのだ。

EuthaliaとEupoloeaもラテン語読みで、それぞれ「エウタリア」と「エウポロエア」となっていた。
基本は、矢張りラテン語と云うワケなのである。
でも、Euthaliaはユータリアで慣れてるしなあ…。
無視しよう。エウタリアよか、ユータリアの方がカッコイイもんね。
Eupoloeaは、どっちでもよろし。
でも、エウポロイアって言いにくいし、何だかダサい。これも自分の中ではユーポロイアでいいかなあ…。

Lexias cyanipardusの「cyanipardus」は、
ありゃま(_)、「キュアニパルドゥス」となっとるやないけー\(◎o◎)/
ったくよー(ー。ー#)、何を信じれば良いのだ。
頭のキュアニはどうかとは思うが、最後の「dus」は、そうかもなとも思う。
調べた限りでは、ラテン語の読みなら、ダスじゃなくて「ドゥス」になるんだよなあ…。

これも、保留としておこう。

で、件(くだん)の「eudamippus」である。
辞典では、あちゃー(@ ̄□ ̄@;)!!
なんと、「エウダミップス」となっておるではないか。決して「エゥダミップス」ではないのだ。
困ったよね。どっちにすればよろしいので御座いましょう。
(=`ェ´=)テッメエー、何なんだよ、eudamippus❓

結論。
エゥダミップスを正確に読んで貰えるかは疑わしい。小さい「ゥ」の意図が伝わるかといえば、難しいだろう。
表記をなおすのがメンドくせーと云うのもあるが、スンマセン、エウダミップスの儘にしておきます。

結局、「大山鳴動してネズミ一匹」出ずである。

再度、繰り返す。
もうホント、マジ。Polyura eudamippus に関してはコレでオシマイにして欲しいよ。

                  おしまい

 
追伸
タイトルを、エウダミップスではなく、「エゥダミップスの呪縛」としたのは、ささやかな爪痕みたいなもんです。

えー、それと一言。
先輩たちもこういう重要なことは、後塵に対してちゃんと教えて欲しいよね。
もしかして、そもそも先輩たちもラテン語の読み方のルールを知らんかったりして…(^_^;)

あとタクソン(学名)で、よくワカンナイのは小種名の最後の「i」。コレは発音すべきなの?
「ii」のケースなんて基本ルールが解らないだけに、もうお手上げだすよ。

追伸の追伸
結局、Lexias cyanipardus はキアニパルダスオオイナズマと表記する事にしました。アメブロも含めて過去記事もそれで修正した。
とはいえ修正漏れもあるかも…。

続・2018 正月の献立(赤ワイン編)

 
正月もとうに過ぎましたが、『2018 正月の献立』の続編、赤ワイン・ヴァージョンです。
また、『モナーク蝶とb.ioオーガニックワイン』の続編でもありまする。

高級スーパー「ビッグビーンズ」で、2本3000円くらいで買ったワインだ。

モナーク蝶(オオカバマダラ)など、昆虫がデザインに使われているのが気にいって買ってしまった。
オマケにエコバックみたいなのも付いてたしね。

モナーク蝶は旅をする蝶で、北米大陸を縦断する事で有名な蝶です。メキシコの越冬地には、ものスゴい数のモナーク蝶が集まる事から世界遺産にも登録されちょります。

ワイン本体の写真を撮るのを忘れたので、画像をネットからパクろう。

(出典『楽天市場』)

今回は赤の方、b.io Nero d’Avola Cabernet(ビブントイオ ネーロ・ダーヴォラ・カベルネ)。
イタリアはシチリア島のオーガニックワインだ。
ブドウの品種は、ネロ・ダーヴォラ種55%、カベルネソーヴィニョン45%を使用しているという。

今回もグラスはリーデルを用意です。

グラスに注ぐ。
色はかなり濃い。深みのあるルビー色だ。
一瞬、それに驚く。まあ、普段はクソ安いワインを飲んでいるから当たり前か…。

香りを嗅ぐ。
華やかなフルーティーさの中に、ベリー系の渋みと豊潤さが合わさったような香りだ。微かにキノコっぽい香りも感ぜられる。

口にしてみる。
やや重め。ミディアムボディとフルボディの中間といったところか。フルボディ好きとしては○だ。
タンニン(渋み)は、それほど強くない。
ブドウの甘みも強過ぎず、バランス良し。

さあ、あとはコレに合うツマミである。
前回の白ワイン編でも書いたが、ワインを飲むならツマミ選びが重要になってくる。上手くチョイスすれば、劇的にワインもツマミも旨くなるのである。特に赤はそう。

トップバッターは、コレにした。

青森県 バルバリー種 鴨のプロシュート。
鴨の生ハムは珍しいし、半額になってたから買った。
定価は500円くらいとお高めだし、量も少ないから、半額でないと買えないよね。
裏を見ると、(株)ジャパンフォアグラという会社名があった。ネットで確認したら、「シェフ桑原 鴨とフォアグラの専門店」なんだってさ。

器に盛る。
色、濃いなあ。殆んどワインと同じような色だよ。

口に入れてみて、少なからず驚く。
柔らかいのだ。頭の中ではサラミとかパンチエッタとか、もっと硬い系のものを想像していたからビックリ。

味は、かなり美味い。
旨みとしっとり感が舌の上で心地好い。
勿論、ワインとの相性も抜群だ。

半分食ったところで、黒胡椒を挽く。

スパイシーさが加わって、更にワインの味を引き立てる。
q(^-^q)よし、よし。順調なスタートだぞ。

次なるツマミを投入しよう。



一番上が、イタリア・fumagalii(フマガリ)社の「サラミ スピアナーク クロマーナ」。

ミラノサラミらしい。
サラミといえば、ミラノだよね(^-^)v

かためで水分が少なく、味は濃い。
噛みしめるうちに脂と旨みが湧き上がってくる。
当然、赤ワインには合う。これまた順調だ。
縁起でもないから、正月から大外しするワケにはいかないのだ、せにょ~る(* ̄∇ ̄)ノ

真ん中は同じくフマガリ社のプロシュート。
フマガリ社は、自社で「フマガリ豚」というパルミジャーノ・レッジャーノのホエ(乳精)を餌にした豚を飼育しているんだとさ。とーってもデッカくなる豚なんだってよ。

旨いとは思う。
でも、ちよっと味に深みが足んないかなあ…。
個人的には、ラスピニ社の「プロシュート クールドスライス」の方が旨みが強くて好き。値段も安いしね。

(出典『楽天市場』)

そして、左下はフリーデンの「生ハム切り落とし」。

コチラは日本の会社です。
ここも「やまと豚」という豚を自社で飼育しているようだ。
ワインを飲む場合、通常は日本の生ハムをチョイスはしない。濃厚な旨みが足りないからだ。
だが、コレはスーパー(ビッグビーンズ)で試食販売していたから、味見できた。それでワインにも合うのではないかと思って買ったのだ。

合うね(゜∇^d)!!
あっさりが特徴の日本の生ハム系のつくりではあるが、分厚く切ってある分、より旨みを感じる。ねっとり感もよろしい。濃厚、濃厚と続いてきているので、このあっさりがかえってアクセントとなって、より旨く感じるのかもね。

右下は、白ワイン編でも登場したキャステロ ダニッシュ・ブルー。

ハンガリー産の青カビ系のチーズだ。
クセや塩気が青カビ系としてはそれほど強くなく、青カビ系初心者にもお奨めです。

(≧∀≦)うみゃーい❗
白ワインの時よか美味く感じる。よりチーズの味もワインの味も強調されるのだ。
やっぱ青カビ系と赤ワインの相性は最高だよ(´ω`)
あとの楽しみに半分ほど取っておくことにする。

さて、中盤戦に臨もうか。

骨付き豚肉のオイスターソース炒め。
コレは実を言うと、何日か前に作ったもの。
画像もその時に撮したものだ。
それが余ったので、冷凍しておいた。で、レンジでチンしたのさ、ベイベェ~d=(^o^)=b

うろ憶えだが、一応作り方を紹介しておこう。

①先ずはニンニクと生姜を低温のオリーブオイルに入れ、じっくりと香りを油に移す。
香りが移ったら、ニンニクと生姜を一旦取り出す。
これは焦げるのを防ぐためですな。苦くなったら、台無しなんじゃよ。

②その油で、塩、胡椒をした豚肉を低温で焼く。
じんわりと焼くことにより、肉をやわらかく仕上げる狙いなのさ。

③ここからは一気呵成だ。
強火にして酒(赤ワインがあれば尚良し)をブッかけて🔥ファイヤー❗、アルコール分を飛ばす。
すかさず鶏ガラスープをチョチョイと入れて、ニンニクと生姜も戻して強火でガアーッと炒める(お好みで黒酢を入れてもよろしかろう)。
汁気が無くなってとろみがある程度ついたら、器に移して青ネギを散らして出来上がり。

当然だけど、旨いよ。
赤ワインにも合う。
でも、ハッキリ言って骨付きにしたのは失敗。
結局、手に持って齧じるしかないワケで、指先がベットベトになってしまう。一々、手を拭いてワインを飲むのは面倒クセーのだ。

お次は一転してこんなんをもってきた。

飛騨名物の赤カブの漬物だ。
急転直下のアグレッシブなチョイスである。ほとんど賭け、ここに来てのハッピー台無しも有り得るギャンブルの敢行なのだ。
おいちゃん、酸味がワインと合うと思うんだよねぇ~。
あっ、赤カブには甘酢タイプもあるから、買う場合は気をつけてね。

取り敢えず食ってみる。
わちゃΣ(゜Д゜)!、(。>д<)酢っぺぇ~。
元々、酸っぱいものではあるが、思ってた以上に酢っぺぇ。おまけに何か変な後味もする。ニッキ(肉桂)っぽいというのが近い味かな…。
こんな赤カブ、初めてだぞ。失敗だ。やっぱコーヨー(イオン)なんぞで買うべきではなかったよ。安いから、つい手を出してしまったんだよなあ…。

続いてワインを飲んでみる。
(-_-;)ビミョー…。
決して合うとは言いきれないが、合わないとも言えない。
自分は有りだとは思うが、意見の分かれるところではあるかもしれない。それもこれも、このダメダメな赤カブのせいなのは充分に考えられる。
今度は高嶋屋に行って、ちゃんとした赤カブを買ってきて試してみよっと。

最後に、残しておいた青カビ系チーズに回帰する。
やっぱバリ旨のマリアージュだな。残しておいて正解。

終わり良ければ、全て良しなのであ~る。

                おしまい

エウダミップスの憂鬱

 
       台湾の蝶 番外編
    『エウダミップスの迷宮』後編

 
もう主タイトルも「エウダミップスの迷宮」から「エウダミップスの憂鬱」に変わっとるやないけー(笑)
迷宮で彷徨(さまよ)っているうちに嫌んなってきて、ポチは憂鬱になりましたとさ。
でも、とにかく何らかの形で終わらせねば仕様がないのだ。頑張って書きましょうぞ。

え~と、何だっけ?
ごめん、アマタが上手く働かないのである。脳ミソが思考を拒んでいるのやもしれぬ。
まあいい。その整理出来てない腐った脳ミソで、ポンコツはポンコツなりの気概を持ってフォースの暗黒面に立ち向かおうぞ。

先ずは前回のおさらい。
従来、日本のフタオチョウは台湾や大陸に広く分布するフタオチョウ Polyura eudamippus の亜種とされてきた。しかし、ごく最近になって日本のフタオチョウがそこから独立して別種 Polyura weismanni となった(でも誰がいつどこで記載したのかは不明。謎です。)。

(;゜∇゜)ほんまかえー?と思ったポチは、成虫のみならず幼虫・卵、蛹、幼虫の食餌植物、生態等々あらゆる面からその検証を行った。
そして、ポチ捜査員が出した見解はこうだった。

『問題点は幾つかあるが、取り敢えずは別種でエエんとちゃいまっしゃろか。まあ、厳密的にいえば別種になる一歩手前の段階と言えなくもないんだけどね…。
でもさー、そんなことを言い始めたら収拾がつかん。
別種、別種~、日本のフタオチョウは独立種です❗』

だが、オラにここで新たな疑問が湧いてきた。
台湾のフタオチョウと日本のフタオチョウは似ているが、原名亜種(名義タイプ亜種)を含むインドシナ半島から西に分布するものは、同種とは思えんくらいに見た目も大きさも全然違うんだよなあ…。

と、ここまでが前回までのあらすじ。
で、こっからが新たなる展開なのだ。

オイチャンは思ったね。
だったら、そのインドシナ辺りから西の奴らと台湾とその周辺の中国の奴らもさー、この際、別種として分けちやってもエエんとちゃうのん❓

でもポチ捜査員、冷静にカンガルー。もとい、考える。
とは言うものの、たぶん台湾からインドまで連続して分布するから、明確には分けられないのだろう。
つまり、分布の東から西へ少しずつ見た目が変わってゆき、その境界線が判然としない。だから、別種とまでは言えなくて、全部を亜種扱いにせざるおえないと思われる。
しかし、だとしたらどこいら辺りに台湾とインドシナとの中間的な特徴を持つ個体群がいるのだろうか❓
そういえば、そういうオカマちゃん的な標本を見た記憶がないんだよなあ…。

取り敢えず、参考までにインドシナ半島、台湾、沖縄の個体を並べておこう。

先ずはタイ・ラオス北部等に分布する亜種から紹介しよう。

【Polyura eudamippus nigrobasalis 】

【裏面】

(2点共 2011.4.1 Laos Tadxaywaterfall )

続いて台湾亜種。

【Polyura eudamippus formosana 】

【裏面】
(2点共 2016.7.7 台湾南投県仁愛郷)

続いて沖縄のフタオチョウ。

【Polyura weismanni 】

【裏面】
(2点共 出典『ニライカナイの女王』)

ねっ、インドシナ半島のものは、見た目がだいぶ違うでしょ?
もう断トツに白いのである。尾状突起も遥かに長くて優美だ。そして、大きさがまるで違う。日本や台湾のものと比べて圧倒的にデカイんである。
個人的にはコッチの白い奴の方がカッコイイと思う。
双尾と呼ぶに相応しい尾突といい、そのタージ・マハルを連想させる白といい、断然ソフィスケートされてる。迫力も雲泥の差だ。体はゴツいし、飛翔力も半端ねぇ。

上の画像では大きさがわからないだろうから、採集した時の写メを添付しておこう。

【台湾産フタオチョウ】

【ラオス産フタオチョウ】

これで大体の大きさは理解してもらえたかと思う。
けどなあ…ちよっと解りづらいかもしれないなあ…。
面倒くさいけど、もっとハッキリ解るように両者の標本を並べておきましょう。

順番が逆になったが、上がラオス産フタオチョウで、下が台湾産である。
もう説明は不用だろう。まるで大人と子供だ。勿論、両方とも♂である。因みにラオス産フタオの♀はバカでかい。Polyura界の女王様だ。
但し、オラは野外で姿を見た事は一度たりともない。
メスは珍品なのである。オスはそこそこいるんだけど、メスはトラップにも殆んど来ないし、いったい何処で何してんだろ?大いなる謎だよ。
そういえば沖縄や台湾のフタオは、そう機会は多くないとはいえ、それなりにメスは見られるようだ。
生態的に違えば、それ即ち別種だとは言い切れないけれど、それも別種とする一因として考えられなくはない。とにかく、メスの生態は日本や台湾のフタオとは違い、今のところ未知に近いのだ。

あっ、幼虫はどうなのだ❓
台湾と沖縄のフタオは、幼虫の形態がかなり違ってた。それも別種とされた理由の1つに違いない。ならば、もしラオス産フタオの幼虫形態が全然違ってたら、別種となりはしないか❓

いかん(;゜∀゜)、カウパー腺液チョロチョロの先走りじゃよ。
取り敢えず、幼虫云々は後回しだ。その前にエウダミップスの分布と各亜種を整理しておこう。そこんとこ、ちゃんと言及しておかないと、後々、益々何が何だか解らなくなる。

【フタオチョウの分布図】
(出典『原色台湾産蝶類大図鑑』)

古い図鑑なので日本産も地図に入っている。
それはさておき、分布が西北ヒマラヤからインドシナ半島、マレー半島、中国を経由して台湾にまで達しているのがお解りになられるかと思う。
但し、実際にはこんなにベタに何処にでもいるワケではなく、分布の空白地帯もある筈だ。わかる範囲ではマレー半島の産地は飛び離れていて、高所にのみ分布していたと記憶する。
だいたい分布図なんてものは、大まかなんである。
特に広い範囲を示す分布図はざっくりだ。情報を鵜呑みにしてはならない。

あっ、そういえば『アジア産蝶類生活史図鑑』にも分布図があった筈だ。そちらの方が新しいから、まだしも正確だろう。

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

あっ、やっぱりマレー半島だけ分布か飛び離れている。あとは中国北部が少し膨らむ程度で、大体同じだね。

ここまで書いて、不意に微かな記憶が甦る。
そういえばエウダミップスには乾季型と雨季型というのがあって、雨季型は小型になり、且つ黒っぽくなって尾突も短くなる。そうどこかで聞いた事があるような気がする。
おいおい、亜種に加えて更に季節型まであるとなると、ワケがわからぬわー(ノ-_-)ノ~┻━┻

この際、それは取り敢えず置いておこう。シッチャカメッチャカになるから、先ずは亜種区分からだ。

『原色台湾産蝶類大図鑑』では、以下のように11亜種に分けられていた。

①Polyura eudamippus eudamippus(原名亜種)
西北ヒマラヤ、ネパール、シッキム、ブータン、Naga Hills、Khasia Hills。
最後2つの横文字は、おそらくインド東部の地名のことだろう。

②P.eudamippus jamblichus
テナッセリウム(アンナン)。
テナッセリウムは、たぶんミャンマー南部の街の事かな?でも、アンナンというのがわからない。

③P.eudamippus nigrobasalis
シャム、ビルマ(Shan States)、カンボジャ。
シャムは現在のタイのことだろう。かなり古い図鑑である事を実感するよ(1960年発行)。ビルマも現在はミャンマーという国名である。Shanというのはおそらく北東部のシャン州の事を指していると思われる。カンボジャはカンボジアの事だね。

④P.eudamippus celetis
アンナン。
はあ?、またアンナンが出てきた。ワケわかんねえよ。

⑤P.eudamippus peninsularis
マレイ半島。
マレー半島の事だね。

⑥P.eudamippus whiteheadi
海南島。
中国南部のハイナン島の事だろう。

⑦P.eudamippus kuangtungensis
南支那(広東省北部)。
勿論、支那とは現在の中国の事だけど、それっていつの時代の呼び名やねん!とツッコミたくなるよ(笑)

⑧P.eudamippus cupidinius
雲南。
中国の雲南省の事だろね。

⑨P.eudamippus rothschildi
西~中部支那。
中国西部から中部でんな。

⑩P.eudamippus formosana
台湾。

⑪P.eudamippus weismanni
琉球(沖縄本島)。

最後の⑪は別種になったから、全部で10亜種って事か。結構、思っていた以上に多い。

一応、ネットでも調べてみたら、wikipediaに解説があった。

へぇー、英名は『Great Nawab』っていうんだね。
Nawabって聞いたことあるなあ…。何か地位ある偉い人の事だったと思う。気になるので、そちらを先に調べてみる。
辞書には、Nawabとはインド・ムガール帝国時代の地方長官(代官)、知事、太守、領主、蕃王とある。
頭にグレイトと付くんだから、この場合は蕃王や領主を表しているとみえる。日本人には、大名とでも訳すのが解りやすかろう。
たぶん最初にインドで見つかって記載された(原名亜種)から、こういう英名がついたんだろうね。

亜種の話に戻ろう。
ウィキペディアでも、日本の「weismanni」を除けば10亜種になっていた。

③の「e.nigrobasalis」の分布は、タイ、ミャンマーときて、なぜかカンボジアが消えてて、他にインド、中国、雲南省南部が加えられている。カンボジアが消えたのは解せないが、他は単に新たな産地が見つかったから加えられたのだろう。
でも近隣のベトナムがスコッと抜けてるなあ。ベトナムだけいないということは考えられない。それに分布図では、しっかりベトナムの所にも生息を示す斜線が引かれてたぞ。謎だよなあ…。

あれれー(@ ̄□ ̄@;)!!
しかし、ウィキには④の亜種「celetis」ってのが無い❗ 分布がアンナンとある亜種だ。
その替わりに「splendens」という未知の亜種があった。分布は雲南とある。
ワケわかんねえや。そもそもアンナンって何処や?
ミャンマー南部とちゃうんけ?
だいたい雲南省とミャンマー南部はかけ離れているじゃないか。という事は、両者は全くの別物と云うことになる。
これで、産地に雲南省とある亜種が3つもある事になるやんけ(-“”-;)…。
もしかして、雲南省ってバカみたいに広いの?
はてな、はてな(??)❓の嵐が吹き荒れる。
シクシク(ノ
<。)、また迷路じゃよ。

取り敢えず、アンナンを調べてみた。
ここは小さな疑問から片付けていくしかあるまい。

あっ、アンナン(安南)ってベトナムやん!
フランス統治時代のベトナム(北部~中部)の事を、そう呼んでいたらしい。
でも、ベトナムって越南じゃなかったっけ?

アンナンが判明したはいいけど、今度は②の亜種「jamblichus」のテナッセリウム(アンナン)という表記がワケワカメじゃよ。
だってミャンマー(ベトナム)って事になるじゃないか。そこ、どこやねん(@_@;)❓

何だかテナッセリウムまで何処なのか不安になってきたよ。しゃあない、これも調べよう。

コチラはあっていた。テナッセリウムはミャンマー最南部地方の旧名のようだ(現在の地名はタニンダーリ地方)。近くの山脈にテナッセリウム山脈と云う名が残っている。

まあ、ウィキペディアでは、亜種「jamblichus」の分布は南ミャンマーとなっているから、アンナンはたぶん誤記ということにしておこう。

それよりも問題なのは、分布地が雲南とある亜種が3つもあるという事である。
③の亜種「nigrobasalis」はタイ北部とラオスが分布の中心で、それが雲南省南部にも及んでいると解釈すればいいか…。

⑧の亜種「cupidinius」は、図鑑もウィキペディアも分布地は雲南省とだけある。それが雲南省の何処を指すのかは特に書いていない。そして、ウィキペディアに載っている「splendens」と云う亜種も産地は雲南省としかない。そこにはやはり北部とも西部とも書いていないのだ。
もう(◎-◎;)何のコッチャかワカラン。少なくとも3つの亜種がモザイク状には分布しているワケはないから、それぞれ南部なり北部なりの東西南北の何処かに棲み分けてるという事か…。
いや待てよ、この雲南とある2つの亜種のどっちかが高地に隔離されたもので、独自に進化した奴と云う可能性もありはしないか?
何れにせよ、そんだけ雲南省に亜種が幾つもあると云う事は、もしかしたらエウダミップスの祖先種が此処で生まれ、ここから亜種分化が始まったのかもしれない。そして、やがて東西南北に拡がっていき、それぞれの地で更に亜種分化していったとは考えられないだろうか?

(* ̄◇ ̄)=3ふぅ~。ここいらまでが、オラのパープリン頭で考えられる限界だ。
いよいよ自然史博物館にでも行って、塚田図鑑(東南アジア島嶼の蝶)で調べるしかないか。
まあそれで、大概の事は片がつくだろう。

げげっΣ( ̄ロ ̄lll)、アカンわ。
よくよく考えてみれば、塚田図鑑はジャワやスマトラ、ボルネオ、小スンダ列島等に分布している蝶しか載っていないのだ。そこにさえ分布している蝶ならば、マレー半島やインドシナ半島に分布する亜種も解説されているだけだと云うことをすっかり忘れてた。
頼みの綱の塚田図鑑が使えないとあらば、取り敢えずググって探すしかないか…。何だかエライところに足を突っ込んじやったなあ。

それはさておき、先ずは原色台湾産蝶類大図鑑にしか載ってない「celetis」と云う謎の亜種だ。
だが、ググっても「splendens」は出てきても、「celetis」は全く出てこない。
コヤツは、分布がアンナン(ベトナム)となっている事だし、大方は近隣の「nigrobasalis 」に吸収合併されて消えた亜種名なのだろう。もう、そう解釈させて戴く。
その証拠にウィキペディアでは、「nigrobasalis」の分布に中国、雲南省が加わっている。ベトナムはラオスにも雲南省にも極めて近いのだ。

それはそうと、この「nigrobasalis」、ウィキではインドにも分布するとある。えっ、でもインドには名義タイプ亜種の「eudamippus」がいるじゃないか。
ハイハイ、「eudamippus」の分布域より更に東のインド東部の端っこに辛うじて分布が掛かっていることにしよう。
もう勝手に都合よく解釈していくことにした。
でないと、正直、やっとれんのである(# ̄З ̄)

さあ、前へ進もう。フォースの暗黒面に囚われてはならぬ。ルーク・スカイウォーカーは前進あるのみ。

あとは各亜種がどんな姿なのか確認していこう。
それによって、黒っぽくて小型の台湾産と白っぽくて大型のインドシナタイプの中間的な亜種が見つけられるかもしれない。そもそもは両者の分水嶺を知り得る事が最大の目的なのである。でないと、別種だとかどーだとかは論じられない。

各亜種の画像を探していこう。
先ずは原名亜種(名義タイプ亜種)から。

(出典『Annales de Lasociete entomologique 』)

(出典『insectdesigns.com』)

これは原名亜種だけに簡単に見つかった。
パッと見は、図示したラオス産のモノとさして変わらない。強いて言えば、白い部分が多いかな?
あと上翅の白い所にある黒いL字紋の形も特徴的かもしれない。

あっ、そういえばラオスかタイだっけかで、変なエウダミップス(nigrobasalis)を採ったなあ…。

(2011.4.7 Laos vang vieng)

小型で翅形が縦型なんである。
あっ、いらんもん出してもた。これは自分レベルでは言及でけまへん。変異として片付けてしまおう。

次に反対側の、台湾から近い中国の亜種の画像を探そう。

【e.rothschildi 中国・北中西部亜種】
(出典『ebay』)

ハッキリ亜種名は書いてないけど、思った通りに台湾のモノと近い黒いタイプだ。
あれっ?、よく見ると台湾の奴よりも黒っぽいぞ。むしろ日本のモノに近い印象だ。
多分、「rothschildi」だろう。
黒いのは、分布緯度が同じくらいだからなのかもしれない。北に行くと黒化する特性とかがあんのかなあ?

こんな画像も見つかった。

(出典『Bulletin of British Museum』)

図版の47が『rothschildi』だ(画像をタップすると拡大できます)。
これでさっきの黒っぽいのは、「rothschildi」とほぼ言い切ってもよいだろう。
因みに48は台湾の「Formosana」で、46は名義タイプ亜種の「eudamippus」です。

裏面の画像もあった。

図版63が「rothschildi」、64が「formosana」だ。そして、62が「eudamippus」。
w(゜o゜)wありゃま、表は似てても、裏面が台湾の奴とは全然違うじゃないか❗
「rothschildi」の裏面は、どっちかというとインドシナ寄りだなあ…。
そっかあ…、まさかそんな事は考えもしなかったよ。
表と裏の特徴が一致しないとは夢にも思わなかった。
ん~、似てるから中国の亜種も台湾の亜種も同じ亜種に含めてもいいんじゃないかと思っていたが、こりゃ別亜種にもなるな。
それにしても、この事実をどう解釈すればよいのだろうか❓(-.-)ワカラン。

次にその南側の中国亜種「kuangtungensis」を探そう。

だが、画像が全然見つからなくて、ようやくらしきモノにヒットしたのがコレ。

【e.kuangtungensis? 中国南部亜種】
(出典『www.jpmoth.org』)

亜種名の表記が無く、ただchinaとしか書いていないし、画質が悪くて右下の字も読めない。
けんど、先程の「rothschildi」よりも白い部分が多くて台湾産に似ている。「kuangtungensis」の分布域は台湾から一番近いし、両者が似るのは自然だ。ゆえにコレで間違いないと思うんだよね。

裏面もあった。

これも、どう見ても白系エウダミップスの裏面だ。
と云う事は、台湾や日本のフタオの裏面の方が特異なんだね。迷路がまた1本増えましたとさ。

お次は海南島の「whiteheadi」だね。

【e.whiteheadi 海南島亜種】
(出典『proceedings of general meetings』)

印象的には、中国のモノよりもインドシナに近い。
でも、よく見ると前翅の白い部分はインドシナ辺りのモノと比べて減退している。上翅の基部が黒いのも目立つ。しかし、これは雨季型の特徴なのかもしれない。
これがもしかしたら、黒いのと白いのの中間的な亜種になるのかもしれない。
あとは下翅外縁の青みが強いか…。
これだけ青いと美しいな。乾季型の白いのがいるとしたら、見てみたいね。最も美しいエウダミップスになるかもしれない。

他の亜種も探すが、中々画像が見つからない。
もう、うんざりだ。

そして、ようやく見つかったのが、この白黒の古い図版。

(出典『Bulletin of the British Museum 』)

ここに雲南亜種「cupidinius」とマレー半島亜種の「peninsularis」がおった。

図版154が原名亜種「eudamippus」。
以下、155 タイ・ラオス亜種「nigrobasalis」。
156 雲南亜種「cupidinius」。
157 海南島亜種「whiteheadi」。
158 日本「weismanni」。
159 マレー半島亜種「peninsularis」。

こうして並ぶと、別種となった「weismanni」って、やっぱり相当変わってるように見えるなあ。

「peninsularis」は、唯一他の亜種とは分布域が連続しない亜種で、種内では最も南のキャメロン・ハイランドなどの高地に局所的に棲んでいる。
他と形態的差異が大きければ別種となりそうだが、見た目は白系エウダミップスだ。しかし、よく見ると前翅の黒い部分の中にある白斑が著しく減退している。百万年後には、別種だな(笑)

注目は、雲南の「cupidinius」だ。
この亜種と「splendens」がどんな姿をしているのかが、一番知りたかったのだ。

でも、一見したところ「nigrobasalis」とあまり変わらない。やや黒い印象があるくらいだ。
まあ、タイ・ラオスと雲南なんだから地理的には近い。代わり映えしないのも当たり前か…。
しかし、よくよく見ると下翅の黒帯が明らかに太い。全体的にもやや黒っぽくは見える。そう云う意味では中間的特質であると言えなくもない。
もう1つの雲南亜種「splendens」が気になるところではあるが、多分さして変わらないんだろなあ。
もうちよっと劇的な結果を期待してたけど、まあ納得はできたよ。
台湾からインドにかけて少しずつ形態が変わっていってるワケだから、まとめてeudamippusとせざるおえず、それなりに違いのあるものを亜種としたのは妥当な分類だと言わざるおえない。

Σ(◎o◎lll)ぎょへー❗❗
一応、残りの亜種「splendens」と「jamblichus 」の画像を探してたら、エライもんにブチ当たってしまった。
何と他にも亜種記載されているもんが有ったのである。
光が見えたと思ったら、再びダークサイドの真っ只に引き摺りこまれてもうたやんけ。
「エウダミップスの泥沼」、いや底無し沼じゃよ。

分布域はわからないが、以下の5つの亜種を見つけた。亜種名の後ろの()内は記載年と記載者の名前である。

◇ e.lemoulti(1916 Joicey&Talbot)
◇ e.major(1926 Lathy)
◇ e.nigra(1926 Lathy)
◇ e.noko(1939 Matsumura)
◇ e.eclpsis(1963 Murayama&Shimonoya)

(# ̄З ̄)ざけんなよー。5つってかあー?
もう迷宮どころじゃない。ホント、マジ憂鬱。

でも記載年が古いところからみると、結局は誰も認めずに消えていったものだろう。
( ̄∇ ̄)気にしない、気にしない。
「celetis」が見つからないのも、(* ̄ー ̄)気にしない、気にしない。

その後、結局「splendens」の画像は、ついぞ見つけられなかった。
(○_○)気にしない、気にしない。
もはや、達観の域なのだ。

「jamblichus」は、或る文献から辛うじて一点だけ見つかった。
その文献で「lemoulti」、「major」、「nigra」の謎も一応解けた。

画像を取り出せないので、URLを添付しておきます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/yadoriga/1977/91-92/1977_KJ00006297222/_pdf

森下和彦さんが日本鱗翅学会の機関誌『やどりが』91・92号に書かれた「フタオチョウ」と題した記事です。
白黒のかなり古い記事で、発行は1977年とある。
そこにエウダミップスの分布図があった。

それによると、「major」は北ベトナム亜種となっており、「nigra」は南ベトナム亜種となっていた。
但し、「nigra」は、差異が軽微で強いて亜種区分するものではないと書いてあった。
もっとも「major」も特に形態的特徴は書かれておらず、「北ベトナム Tonkin」と産地名だけしか無かった。
多分、「major」も「nigrobasalis」とさして変わらず、吸収されて名前が消えたのだろう。
因みに、両者とも画像は無しでした。

「lemoulti」は、原名亜種eudamippusの北部に分布するようだ。「rothschildi」に似るが大型、尾突も長いと書いてあった。
あれー、白い「eudamippus」に近い場所なのに、何で黒系の「rothschildi」に似てるの?
何か、それもワケワカメだよなあ。
何れにせよ、両者の中間的な姿なのだろう。でも画像が添付されてないんだよねぇ…。

南ミャンマー亜種「jamblichus」の画像はあった。
一見して特に白いことが解る。解説には「小型で黒色部は少なく、後翅亜外縁の白紋は大型」とあった。
確かに外縁部の白帯が他と比べて太い。

この結果、さらにそれぞれの亜種の特徴が連続した中での変異である事が解った。
中国の亜種が絶滅でもして、ポッカリと分布に空白域でも出来ない限りは、別種には出来ないだろう。

ところで、幼虫形態の方はどうなのだ❓
けど、『アジア産蝶類生活史図鑑』には、日本と台湾でしか食樹が見つかっていないと書いてあったしなあ…。期待は出来ないだろう。
まあ一応、調べてみっか。

わちゃ!Σ( ̄□ ̄;)、あった❗❗
げげっ(@ ̄□ ̄@;)!!、沖縄のものとも台湾のものとも明らかに違う❗
胴体の帯が1本じゃよ。沖縄のP.weismanniは帯なし。台湾のe.formosanaは帯が2本なのだ。
顔も他は模様があるのに、コヤツには全然無い❗

No.28 Great Nawab Caterpillar (Charaxes (Polyura) eudamippus, Charaxinae, Nymphalidae)

画像をそのまま添付出来ないので、見れない人は上のURLをクリックね。

表記には「yunnan」とあるから、産地は中国・雲南省だろう。
葉っぱは、何食ってんだ?
マメ科か?それともニレ科?、クロウメモドキ科?
植物の知識が無いから、さっぱりワカラン。

あっ、でも台湾の奴って、若令期に帯が1本しか無い時期ってなかったっけ?

その前に日本のP.weismanniと台湾のe.formosanaの終令幼虫の画に、再度御登場願おう。

【Polyura weismanni 沖縄】

(出典『日本産蝶類図鑑 幼虫・成虫図鑑 タテハチョウ科編』)

【Polyura formosana 台湾】

(出典『世界のタテハチョウ図鑑』)

あった❗
1本の奴がいる。

(出典『flikr.com』)

やっぱ、3令幼虫は帯が1本だ。
でも、同じ帯が1本でも感じはだいぶと違う。帯がショボいのだ。とても同じ種だとは思えない。

あー、も~、七面倒クセー(#`皿´)。
どりゃー(ノ-_-)ノ~┻━┻💥
知るか、ボケーΣ( ̄皿 ̄;;
別種、別種。もう別種でいいじゃん。
少なくとも、ワシの中ではそうとしよう。
もう、それでええやん。

                 おしまい

 
追伸
( ̄∇ ̄*)ゞいやあー、とうとう最後は匙を投げちまいましたなあ(笑)

それにしても、出口の見えない長いシリーズでした。
正直、書いている意味を見い出だせなくなった時もしばしば御座いました。

赤ん坊はもう疲れたよ。
いつまでも壊れたオモチャで遊びすぎたからね。
もう、サヨナラをするよ。

追伸の追伸
フタオチョウの研究で有名な勝山礼一朗さんから、Facebookにて御指摘がありました。

亜種splendens、celetis、nigra、majorは、全てssp. nigrobasalisのシノニム(異名同種)とするのが一般的だそうです。
因みに斑紋構成上、沖縄のものに最も近いと思われるのはssp. rothschildiとの事。
あと、rothschildiとして引用した一番目の画像(出典『ebay 』)は、ssp. kuangtungensisの間違いだそうです。Ssp. rothschildiに似るが、白色帯がより白く、前翅の基部の黒色部が青い幻光を発すらしい。
確かに画像をよく見ると、青い幻光色らしきものがある。カッコ良かとです。

また新海彰男さんから、ssp.eudamippusだけが年1化(春期)の発生で、他の亜種は皆、多化性だと御教授戴きました。

御指摘、御教授くださいました両氏に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
有難う御座いました。

モナーク蝶とb.ioオーガニックワイン

 
年末に、高級スーパー「ビッグビーンズ」に寄った。
そこで、たまたまワインの試飲会をやっていた。

それで予定外に思わず買ってしまったのが、コレ。

イタリア・シチリア島のオーガニックワインだ。
赤と白との2本で3000円。
そもそも普段は極貧ゆえに1本500円のワインを飲んでいるのである。1本500円のワインもそんなに悪かないが、流石にやっぱり味が違うし、パッケージに昆虫がモチーフとして使われているのが決め手になって、つい買ってしまった。

虫好きは、虫がマイナーな存在だけに、ちょいとフュチャアーされてるだけでも嬉しいのだ。
てんとう虫なんかは、女子受けもよろしかろう。あざといが許そう。

買ったら、おばちゃんにオマケにバックが付いてますよと言われた。

あっ、モナーク蝶だ❗
正直、何だかとっても嬉しいや(о´∀`о)

和名はオオカバマダラ。欧米では神聖視されている蝶で、北アメリカからメキシコまで3500㎞に及ぶ長い旅をする事で有名な蝶だ。メキシコの越冬地には物凄い数のモナーク蝶が集まり、たぶん世界遺産にも指定されてた筈だ。

(出典『wypr.org』)

(出典『TERRA―Z』)

とはいえ、ここ数年で激減してるらしい。
ハッキリ言うけど、減ったのは人のせいだ。
渡りをするには、途中に休むためのそれなりの緑地帯が必要だし、エネルギーを補給する為の花も必要だ。しかも、花なら何でもいいと云うワケではない。何種類かの特定の植物の花が無ければ生きてはいけないのである。
きっと開発により、適性な環境が次々に失われていっているに違いない。
しかし、たかが蝶の為に経済活動が休止される事は無いだろう。自然は大切だ。それは誰もが解っている。でも、経済活動の前では、結局そんなものは建て前に過ぎないのだ。自然保護と言っておけば、何でも美談になるし、マスコミもそうしたがるが、真剣にモナーク蝶の事を考えてる人は少ないだろう。

はたと思う。
何にも考えていなかったが、よくよく考えてみたら、ヨーロッパにはモナーク蝶はいないよね❓
オーガニックとか言っても、所詮はイメージかよ❓
オーガニックやエコとかと云う言葉は、何だか怪しい。地球温暖化だって、その裏には結局は金の匂いがそこかしこに垣間見えなくはしないか❓
何か腹立つけど、世界的にみても現状はそんなもんなんだろね。人々の認識は限りなく低いのだ。

やめとこ。
まあ、エコバッグは気に入ったし、あんま文句は言わないようにしよっと…。

エウダミップスの迷宮

 
 
       台湾の蝶 番外編
     『エウダミップスの迷宮』

 
前回本編第2話の『小僧、羽ばたく』と重複する所があるが、おさらいの意味もあるので了承されたし。

『台湾の蝶』第2話で、Polyura eudamippus フタオチョウを取り上げた。しかし、手に余って頓挫してしまった。分類につい触れてしまい、無間地獄(むけんじごく)に嵌まってしまったのだ。
けれど、このまま終えるのも何だか癪だ。素人は素人なりに出来る範囲の中で解説していこうと思う。

2016年に台湾で初めてフタオチョウを採った時は、日本のものとさして変わらないなと云う印象だった。
だが帰国後、日本のフタオチョウと比べてみて、細かいところがかなり違う事に気づいた。そこで本当に同種なのかな?と云う疑問が湧いてきた。
当時、その疑問をFacebookにまんま書いたところ、その道の研究者として名高い勝山(礼一朗)さんからの御指摘があった。
なんと日本のフタオチョウは最近になって、Polyura weismanni と云う別種になったというのだ❗
因みに学名は、亜種名だった「weismanni」がそのまま小種名に昇格した。
この2016年の時点では、まだ日本のフタオチョウは台湾や大陸のものと同じエウダミップスフタオで、その1亜種にすぎないとばかり思っていたから驚いた。

百聞は一見にしかず。ゴチャゴチャ言ってるより、先ずは台湾のフタオチョウと沖縄のフタオチョウの画像を並べて、改めて比べてみよう。

【Polyura eudamippus formosana 台湾亜種】

(2016.7.9 台湾南投県仁愛郷)

 
【Polyura weismanni 沖縄本島産】

(出典『日本産蝶類標準図鑑』。日本では天然記念物に指定されているので、図鑑から画像を拝借です)

パッと見は同じ種類に見える。
だが、じっくりと見比べてみて、だいぶ違ったので思いの外(ほか)驚いた。
沖縄産のフタオは黒いのである。白い部分が少ない。
それに下翅の双つの尾状突起が明らかに短い。プライドある日本男児としては、慚愧に耐えない短小さだ。
ハッΣ( ̄ロ ̄lll)!、また危うく脱線するところだった。今は、んな事はどうでもよろし。

他にも相違点はある。
裏面上翅の黄色い帯が太いし、色も黄色いというよりかオレンジに近い色だ。
細かな点を見ていけば、まだまだ相違点があって、下翅の外縁が青緑色ではなく白い。また、白紋の形や大きさにも差があって、(◎-◎;)あらあら、(・。・)ほぉ~の、(;゜∀゜)へえ~なのだ。

そういえば両者の幼虫の食樹も全く違う。
噂では幼虫形態も違うと聞いた事がある。だから、一部では別種説も囁かれていたのは知ってはいた。
けんど、天然記念物がゆえに許可が降りないと大っぴらには研究は出来ないし、飼育も出来ない。だから研究結果の発表も気軽には出来ないというのが現状なのだ。
そういう理由から日本のフタオチョウの幼生期の情報は少ない。日本の自然保護行政は、クソ問題有りで、色々と難しいところがあるのだ。

また話が逸れていきそうなので、話を元に戻そう。
エウダミップスフタオも含めて、フタオチョウグループの幼虫の食樹はマメ科の植物が基本だ。
台湾のフタオチョウもマメ科のムラサキナツフジが食樹である(与えれば同じマメ科のタマザキゴウカン(アカハダノキ)やフジ(藤)でも飼育可能らしい)。

なのに日本のフタオチョウは、食べる植物の科さえも違っていて、クロウメモドキ科のヤエヤマネコノチチを主食樹にしている。近年は、サブ的食餌植物だったニレ科 クワノハエノキ(リュウキュウエノキ)を積極的に食うようになり、沖縄本島南部にまで分布を拡大しているという(南部にはヤエヤマネコノチチが殆んど生えて無いようだ)。
どちらにせよ、両植物ともフタオチョウグループとしては異例の食樹である。
食べ物が違えば、見た目が変わってくるのも頷ける。
多分、台湾のフタオチョウと遠く離れて分布する事により(日本のフタオチョウは八重山諸島にはおらず、沖縄本島のみに分布する)、長い隔離の中で独自に進化していったのだろう。

でも、何で全く違う系統の植物に食樹転換しちやったのかなあ?マメ科の植物なら、沖縄にだって他にも沢山あるでしょうに?
なぜに猫の乳なのだ?

いや待て待て。そもそも沖縄にはムラサキナツフジやタマザキゴウカン、フジは自生してないのかな?
(ー_ー;)あ~あ。又ややこしい話しになってきたよ。いらん事に気づくのも、どうかなと思う。

調べてみると、フジ(藤)は日本本土の固有種で、南西諸島は分布には入っていない。
ムラサキナツフジの分布は、台湾から中国にかけてだが、既に園芸種として日本に入って来ているようだ。
となると、フジもムラサキナツフジも、園芸種として沖縄本島にも間違いなく入って来てると思う。
ならば、そのうち先祖帰りする奴とかいないのかね?
絶対いるよね。藤やムラサキナツフジが野生化して増えたら、そっちを積極的に食い始める奴がいるのは充分に考えられる。
そうなったら百年、千年後には、また台湾のフタオチョウみたくなっちやって、再び亜種に格下げされたりしてね(笑)

3つめ、最後はついつい脳内で「玉裂き強姦」に変換されちゃうタマザキゴウカンの事を調べましょうね。
あっ!Σ( ̄□ ̄;)、おいおい何とタマザキゴウカン(アカハダノキ)は、石垣島と西表島に自生しているというじゃないか。
多分、フタオチョウは台湾から南西諸島沿いに分布を拡げていき、沖縄本島にまで達したのだろう。
だが、なぜだか他のところでは絶滅してしまい、食樹転換をした沖縄本島のものだけが生き残ったとゆう事か…。

いや、ちょい待ちーや。八重山諸島にも、まだフタオチョウが生き残ってる可能性だってあるかもしれないぞ。
開発が進んだ石垣島は、まあ有り得ないとしても、西表島は人跡未踏のジャングルだらけだ。どこか山奥で生き残っている可能性は無いとは言えないんじゃないか?
見つけたら、国内的には大発見だ。功名心がある人はトライしてみませう。ロマンでっせ。

次は、形態も違うと噂される幼虫を検証してみよう。
たしか『アジア産蝶類生活史図鑑』に台湾のフタオチョウの幼生期の写真が載っていた筈だ。早速、探してみる。

おうーっと、その前に言っとかなきゃなんねー。
えー、一般ピポー、特に女子はこの先閲覧注意です。
ハイ、もう間違いなく仰け反るであろうグロい芋虫さんが登場します。
( ̄ロ ̄lll)ゾワゾワされても、当方としては責任は持てませんからネ。ホント、知りませんからネ。
あっ、でもさー、意外と男子より女子の方が免疫力があるかもしんない。『あら、❤可愛いじゃないのよ。』などと云う前向きなコメントが発せられるとも限らん。その辺、女子の方が視野が広いというか、何でも可愛い化させてしまうのはお上手なのだ。

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

!Σ( ̄□ ̄;)うわっ、頭が邪悪じゃよ。
もうエイリアン。まるでプレデターだな。
あっ、そういえば昔、『エイリアンVSプレデター』という映画があったなあ…。
たしかプレデターの方が知能が高くて、エイリアンを狩る側なんだよね。そもそもシュワちゃんを窮地に陥れた強敵だもんね、強いわ。
こういうのを英語だと、ドラゴンヘッドと呼ぶらしい。プレデターの方がピッタリだと思うんだけど、プレデターを知らん人もおるもんなー。どう考えてもドラゴンの方が知名度が圧倒的に高いでしょう。仕方あるまい。

一応、プレデターの画像も添付しておきますか。
きっと、こういう寄り道ばっかしてるから、文章が長くなる原因になってんだろなあ…。
まっ、いっか。

【プレデター】
(出典『キャラネット』)

でも、これほど邪悪ではないよね。
見慣れると、イモムシさんも結構可愛く見えてきたりするものだ。

それはさておき、問題は日本のフタオチョウの幼虫である。探そうとも、幼虫の画像があんま無いのだ。

あっ、ラッキー(о´∀`о)
『イモムシ ハンドブック③』の表紙に、らしき姿があるじゃないか(上段の右端です)。

(出典『うみねこ通販』)

やったぜーd=(^o^)=b、これで簡単解決だ。
早速ページをめくる。

おっ、( ☆∀☆)あった、あった。

(出典『イモムシ ハンドブック③』)

あっ、体に帯が無い❗

いや待てよ。
でも、これってヒメフタオチョウの幼虫じゃないの❓
さっき見た『アジア産蝶類生活史図鑑』の台湾のフタオチョウの隣のヒメフタオの欄に、こんなのがいたような気がする。
だいち、どう見ても成虫写真が明らかにヒメフタオじゃないか。改めて、図鑑に記述されてる事が全て正しいワケではないと認識する。

『アジア産蝶類生活史図鑑』で、再び確認してみよう。

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

ほらあ~、やっぱそうじゃんかー❗
『イモムシハンドブック③』の監修者には御大・高橋真弓さんの名前もあったから、つい信用したけど、こりゃ間違いだね。出版社は、即刻なおされたし。

次に見つけたのが、蛭川憲男氏の『日本のチョウ 成虫・幼生図鑑』。

(出典『日本のチョウ 成虫・幼虫図鑑』)

画像、ちいせぇなあ。
あっ、でも全然台湾のとは違うぞ。
やっぱ、帯みたいなのが日本のフタオには無い❗
けど、画像が小さいだけに画質悪いよね。これも又、もしかしてヒメフタオと間違えてんでねえか?
黄色い側線が目立たないから、それは無いとは思うけど、この一点の写真だけでは何とも言えない。

そこで、💡ピコリーン。不意に記憶のシナプスが繋がった。たしか手代木さんがタテハチョウの幼虫図鑑を書いておられた記憶がある。それがたぶん中央図書館の蔵書にあった筈だ。

(^^)vありました。
飼育にはまるで興味が無いからサラッとしか見てなくて、うろ憶えだったけど、ちゃんとフタオチョウの幼虫の細密画がありました。

【終令(5令)幼虫】

【各令の顔面と卵】

【蛹】
(以上4点とも、手代木求『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑』)

やっぱり、幼虫に帯紋が無い❗

こうなると今度は逆に、もっと台湾のフタオチョウの幼虫の事を知りたくなってくる。
手代木さんで思い出した。そういえばここ最近、2016年に新著『世界のタテハチョウ図鑑』を上梓された筈だ。
勿論、そんな高い図鑑を持っているワケがない。
知りあいをあたって、見せてもらう。

(二点とも出典『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑』)

ほらほらあ~、全然違うじゃないかあー。
日本のフタオは帯紋ねえし、お顔の柄も全然違う。
卵の色だって、日本のは黄緑色だけど、台湾のは黄色い。面倒くさいので割愛したが、蛹もやや違う。
こりゃ、別種とするのも致し方ないところではある。それくらいに明らかな形態的差異はあると思う。

もっとも、個人的な種の概念としては微妙かも…。
さんざんぱら別種説で進めてきたにも拘わらず、言ってしまおう。本能的に、種として完全に分化する前の進化途中の段階、モラトリアムな状態にあると感じている。それが正直な見解なんだよね。

ここまで書いて、やっとネットで幼虫の写真が見っかった。
別にわざわざなんだけど、可愛いので添付。

(出典『(C)蝶の図鑑』)

それはそうと、フタオチョウの和名の方はどうなってんだ?
別種になったんだから、当然の事ながら和名も二つに分けなければならない。でないと区別できない。

でも日本の蝶愛好家だって、まだ多くの人が別種になったとは知らないようだ。その証拠にネット情報では、学名は以前のまま、和名も「フタオチョウ」のままだ。「オキナワフタオチョウ」とか「リュウキュウフタオチョウ」、「ニッポンフタオチョウ」とかの表記は見受けられない。
しかし、一つだけ別種として新学名に変えてあるサイトがあった。
『ぷてろんワールド』である。流石だねd=(^o^)=b

そこには和名も付けられてあった。
( ・∇・)ふむふむ。日本のフタオチョウは「フタオチョウ」、台湾やユーラシア大陸に棲むものは「タイリクフタオチョウ」となっておる。
えっ(;・ω・)❓、原名亜種は大陸にいる奴だから、そっちの方が本家本元だぞ。ならば、そっちを「フタオチョウ」とすべきで、日本のものは「ニッポンフタオチョウ」とかにするのが妥当なんじゃないの❓

でも、暫し考えて納得。日本では「フタオチョウ」という和名が既に浸透している。ならば、混乱を避ける為にそのままにしておく方が得策だろう。それに和名が新しくなれば、図鑑だって何だって今までの表記を全部変えなくてはならなくなる。これまた混乱が起きるし、無駄な労力を生じさせるだけだ。良い御判断だと思う。
しかし、「タイリクフタオチョウ」は一考の余地がありそうだ。台湾は大陸ではないし、大陸って何処の大陸やねん?とツッこむ輩もいるでしょうよ。
個人的には、ここはあえて無理に和名をつけなくてもいいんじゃないのと思う。もう「エウダミップスフタオチョウ」でエエのとちゃいまんのん。

あ~、ユーラシア大陸の原名亜種が出てきたから、コッチも説明せざるおえないじゃないか。これがまた、姿かたちが日本のフタオや台湾のフタオとは全然違うのである。

【Polyura eudamippus nigrobasalis 】
(2011.4.1 Laos Tadxaywaterfall)

だから、ここからが更にややこしい話になってくるんだよなあ…。

オダ、オダ、もうダメだあ~o(T□T)o
ここで再び力尽きる。

これ以上、迷宮にいると危険だ。
脳ミソ、グシャグシャなのである。精神の崩壊も近い。
ここは一旦、『待避~❗、待避~❗全軍撤退❗❗』

というワケなので、部隊を立て直してまた戻ってきます。

                  つづく

追伸
すんません。また頓挫です。

それはさておき、このあと今日(1月2日)午後2時から何とBSーTBSで映画『プレデター』を放映するじゃないか。
いやはや、何というグッドタイミングだ。面白い映画なので、暇な人は見ませう。