台湾の蝶2フォルモサフタオチョウ

  
   第2話『小僧、羽ばたく』

Polyura eudamippus formosana
フタオチョウ 台湾亜種♂

(同個体裏面)
(2016.7.9 台湾南投県仁愛郷)

ヒメフタオの次となれば、同属のエウダミップスフタオチョウ(フタオチョウ)を紹介するのが自然な流れだろう。
しかし、そこまで考えて第1話を書いていなかったというのが偽らざる本音だ。明後日から先の事は考えられない困った性格の人なんである。これはもう宿痾の病だろう。

( ̄▽ ̄;)むぅ~、エライコッチャのそらそうだわなの展開が予想されるゆえ、早くも書く気が挫けがちだにゃあ~(ФωФ)…。
正直、エウダミップスフタオチョウは素人のワイにはお題としては、ちぃーとばかし荷が重すぎるのだ。
オジサン、分類が沖縄のフタオチョウの存在を含めて色々と面倒くさいと云う事をすっかり忘れてたよ。
困ったなあ…。その辺をどう上手く整理して説明すればよいのか皆目見当がつかないよ、おーまいがっと・とぅぎゃざー(ToT)

そもそも、エウダミップスフタオチョウと書いたけど、和名は単に「フタオチョウ」とされるのが一般的だ。
ほ~ら。もうこの時点でややこしい。
和名に関しても色々と問題があるのだ。タイトルをフタオチョウではなくフォルモサフタオチョウとしたのには、それなりに深い事情があるのですよ。

(ー_ー;)…何だかなあ~。
ここまで書いてて、本人的には早くも躓いてる感がある。参ったなあ…。その辺のややこしい説明はおいおいしてゆく予定ではあるが、上手く説明する自信が全然ない。それくらいに分類学的にややこしい種なのだ。
連載2回目にして、早くも継続の危機である。
途中で頓挫、放棄して逃亡しない事だけを祈ろう。
皆さんも祈ってくだせえ。

分類学的な事は措いといて、先ずは台湾のフタオチョウの事から書き進めていこう。

タテハチョウ科 フタオチョウ亜科 Polyura属に含まれる中型のタテハチョウで、前回紹介したヒメフタオと同じくらいの大きさだ。
しかし、胴体はやや太くて、より強靭なイメージがある。ゆえに飛翔力は強い。敏速だ。ビュンと一直線に飛ぶ。フタオチョウ軍団の中では比較的小さい方の部類に入るせいか、とてもすばっしっこく見える。時々、姿を見逃すくらいだ。
初めて会った時も地面に止まっているのに気づかず、足元からパッと羽ばたいて⚡ビュン。気づいたら枝先にピッと止まってた。しかもコチラを向いて。
小回りの効く、韋駄天小僧って感じなのだ。

台湾では全島に渡って分布し、平地から低山地に多い。自分の経験では標高700m以上では見たことがなく、500m前後でよく見かけた。
5月に現れ、7~9月に数を増す。秋には個体数を減じるが、11月まで見られるという。越冬態は蛹。
雌雄ともに樹液、腐果(落下発酵した果物)、ミミズや蛙などの小動物の死体、獣糞に好んで集まる。
オスは、樹の梢付近でテリトリー(占有活動)を張り、地面に吸水に訪れる(ヒメフタオと同じくメスは吸水には来ない)。
前述したように飛翔は敏速だが、わりとすぐ止まってくれるので観察はしやすい。また、腐果などの餌を吸汁をしている時はアホ。一心不乱にお食事されているので、手で摘まめる時さえある。それくらい餌には意地汚いのだ。
フタオチョウのグループは大体皆そうで、美しいクセに悪食。敏感且つマッハで飛ぶクセにどこか抜けている。まあ、そんな賢いのかアホなのかワカンナイところが、自分がこのグループを好きな一因なのかもしれない。

色彩斑紋は♂♀同様だが、メスはオスよりも一回り大きく、下翅の尾状突起が外側に広がる事から区別は比較的容易。

コヤツもヒメフタオ同様に実物のメスは見もしていないので、自前の画像は無い。
ゆえに図鑑から拝借した画像を添付しておきます。

(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

台湾での幼虫の食餌植物は、マメ科のムラサキナツフジ。与えれば、藤やタマザキゴウカンでも順調に育つという(又おまえかっ!玉裂強姦❗)。

そうだ。野外写真も添付しておかなきゃね。

この写真で思い出した。
たしかコイツ、地面に止まってたんだよなあ…。
で、距離を詰めて上から網を被したはいいけど、横から逃げられそうになった。
!Σ( ̄□ ̄;)ゲッ、慌てて網の外枠を押さえようとして駆け寄った。だが如何せん足場が悪かった。
雨水で削られた溝に足をとられて\(ー_ー)/アッチャー。前にツンのめって、あろうことか網の柄をバキッ💥おーまいがっと・とぅぎゃざあ~Σ( ̄ロ ̄lll)
完全に踏んづけて、真っ二つに折っちまった。あれは、マジで泣いたね(T_T)

この辺の詳しい顛末は、アメブロの『発作的台湾蝶紀行』に書いておりまする。興味のある方は、第24話の「小次郎、死す」の回を読まれたし。

採って実物を見た時の第一印象は、沖縄のフタオチョウと一緒やん!だった。
しかし、帰ってきて沖縄のと見比べるてみると、細かい所がだいぶ違ったので、思いの外(ほか)驚いた。
沖縄産のフタオは黒いのである。それに下翅の双つの尾状突起が明らかに短い。我が日本国の男児としては、慚愧に耐えない短小さだ。
他にも裏面の黄色い帯が太くなるなど、細かな点を見ていけば結構な相違点があって、あらあら(◎-◎;)の、ほう~(・。・)の、(;゜∀゜)え~だった。

そういえば両者の幼虫の食樹も全く違う。噂では幼虫形態も違うと聞いた事がある。だから、一部では別種説も囁かれてたのは知ってはいた。けんど、天然記念物がゆえに許可が降りないと大っぴらには研究も出来ないし、飼育も出来ない。だから研究結果の発表も出来ないという現状なのだ。そういう理由から日本のフタオチョウの幼生時代の情報は極めて少ない。
日本の自然保護行政は、クソ問題有りで、色々と難しいところがあるのだ。

(ー_ー;)ほらね。ややこしい話しになってきたよ。
でも、ここからが更にややこしい話になってくるんだよなあ…。

取り敢えず、沖縄のフタオチョウの画像を添付しておこう(沖縄のフタオチョウは天然記念物に指定されているので、画像は図鑑のものを図示しておきます)。

上2つがオスの裏表。
以下の2つがメスの裏表である。

(以上4点共 出典『日本産蝶類標準図鑑』)。

似てるけど、違うっちゃ違うでしょ?

しかし従来、日本のフタオチョウも台湾のフタオチョウも大陸に分布するフタオチョウと同種とされてきた。台湾のも日本のも1亜種にすぎないと云う扱いである。
だからこの時、2016年の時点では自分はまだ日本のフタオチョウもPolyura eudamippus エウダミップスフタオチョウの一員だとばかり思っていた。
でも、それってオカシイんじゃないの❓と云う感想をブログに書いたら、その道のプロである勝山(礼一郎)さんから、目から鱗の御指摘があった(リンク先のFacebookだったと思う)。
何と、沖縄のフタオチョウは最近別種になったらしいのだ。
学名は、亜種名の weismanni がそのまま昇格しての Polyura weismanni となったようだ。
日本の蝶愛好家の中でも、この事実を知っている人はまだ少ないかと思われる。なぜなら、ネットに掲載されている情報では、ほぼほぼ学名が以前の古い学名のままだからである。

問題はこれにとどまらない。
この大陸にいる奴等、中でも原名亜種を含むインドシナから西に分布するのが、台湾や沖縄にいるのとは同種とは思えんくらいに見た目も大きさも違うんだよなあ…。

(2011.4.1 Laos Tadxay)

ここで限界を感じて筆が止まる。
先を模索してみたが、もうワケワカラン(○_○)…。
それにどうも上手く書けなくて、ここまで何度も何度も書き直しているんである。レイアウトも何度も組み替えたから、もう゜゜(´O`)°゜ヘトヘトだよ。

で、それなりに無い頭で考えたのだが、ここで更に論を展開してゆくのには無理があると思うんだよね。
そもそものテーマは「台湾の蝶」なのだ。なのにこの先、そこからドンドン外れてゆく一方になるのは明白。そりゃ、本末転倒というものでしょう。
そんなワケなので、この続きは稿を改めて番外編として別な機会に書こうかと思ってます。

尻切れトンボでスンマセーンm(__)m

                 おしまい

追伸
我ながら、見事な尻切れトンボ振りだ。
ここまでブチッと唐突に終わるのは、あまり記憶がない。それだけ追い込まれていたんだろネ。草稿の時点では、ボケも一切なしだったしさ。

タイトルをフォルモサフタオチョウとしたのには理由がある。沖縄のフタオチョウが独立種になった事により、和名がグッチャグッチャになったからだ。
亜種名を和名に冠した方が、まだしも解り易かろうと考えた上でのはからいです。

えー、タイトルついでに。
別稿のタイトルは『エウダミップスの迷宮』か『エウダミップスの憂鬱』になる予定。
何だか、まるで推理小説と純文学のタイトルみたいだよな。『エウダミップスの孤独』とか『エウダミップスの逆襲』、『エウダミップスの咆哮』etc…なんていう続編、シリーズものも一杯書けそうだわさ(笑)

台湾の蝶1ヒメフタオチョウ

去年と今年、台湾で採った蝶を順次紹介してゆく予定の新シリーズです。
でも稀種も含めて予想以上にアレコレ採れちやったので、結構な種類数になった。ゆえに飽き性な性格としては途中で厭きて放り出すかもしれません。計画の途中頓挫は毎度お手のものなのだ。
申し訳ないが、そこんとこ、つとに御理解のほど宜しくお願いしますネ(v^ー°)

いやはや最初から言いワケがましい防御線を張るところをみると、前途多難ですなあ( ̄∇ ̄*)ゞ

さてさて、前置きはこれくらいしておいて、取り敢えず始めてみますか…。おいどん、全然ビジョンが無かばってん。例によっての行き当たりバッタリでいくですたーい。ごっつあんです❗
早くも迷妄意味不明のスタートである。

えー、出来るだけ各回にタイトルをつけようかと思っちょります。
理由は特にあるはワケではない。何となくだ。

 
 
     第1回『裏面に美あり』

 
Polyura narcaea meghaduta
ヒメフタオチョウ(姫双尾蝶)台湾亜種♂裏面

 
初回からいきなり裏面から始めるとは、我ながら天の邪鬼だよなあ(笑)

一般の人はあまり知らないと思うけど、実を言うと裏面の方が綺麗な蝶は案外多い。特にジャノメチョウやワモンチョウの仲間、一部のシロチョウ科は裏面の方が圧倒的に美しかったり渋かったりする。それゆえ、それらは裏側展翅にされる事か多い。
しかし、他の科の蝶でも美しい裏面を持つ者はいる。
一般的には表側を展翅するのが通例であるタテハチョウ科やシジミチョウ科の仲間にも、裏面が美しいものが結構いるのだ。たが、表と裏どちらかが一方的に美しいという例は意外と少ない。そこが問題だ。
だからタテハチョウの仲間なんかは表側で展翅するか、裏展翅するのかでちょくちょく悩む。表にも裏にも捨て難い美しさがあるのだ。

表側も紹介しないと論が進まないので、表写真も添付しておこう。

 

 
表は表でシックな美しさがある。
でも惜しいことに、裏面下翅にある臙脂色(ワインカラー)が表側には無いんだよなあ…。
まあ、良し悪しの意見は分かれるかもしれない。

フタオチョウ類は表も裏も美しいものが多いが、密かに自分は裏面の方が美しいのではないかと思っている。

 
Polyura cognatus コグナトスフタオ♂

(2013.1.17 Indonesia Sulawesi)

 
上が表で、下が裏面である、
表もカッコイイが、裏面の方が複雑怪奇な紋様だから、より惹かれる。

ついでにもっと顕著なのも並べておこうか。

 
Polyura dehaanii クギヌキフタオ

(west jawa 上♂ 下♀)

 
コチラも上が表で、下が裏面である。
これはもう、裏面の方が圧倒的なる存在感だ。この複雑怪奇な出で立ちは、あらゆる蝶を凌駕する鬼のごたくある美しさでごわす。悪魔的ですらあるその姿を初めて見た時は、この世のモノとは思えずに震撼した。大袈裟でなく、マジでグワッΣ(-∀-;)と後ろに仰け反った記憶がある。

しかし、両種とも裏面展翅される事はあまりないんだよなあ…。何でだろう❓全然ワカンナイ。
もしかしたら、自分と人とは美の観点が違うやもしれぬ。

(ノ-o-)ノ┫ ダリャ━━━━ッ (ノ-_-)ノ~┻━┻

(#`皿´)バッカじゃないのー❓、どこ見とんのじゃワレ❗と言いたいところだが、まあよろし。美しいと感じる心は、人によって個人差があるのだ。

結論めいたものが出たことたし、書き飽きてもきたので、ついでに野外で撮ったヒメフタオの写メをバシャバシャ貼って終わるとすっか…。
初っぱなからこの調子だと、先が危ぶまれるなあ(笑)

 
(2016.7.9 台湾南投県仁愛郷)


(2017.6.26 二点共 台湾南投県仁愛郷)

 
やっぱ標本なんかよりも、まだ生命が宿っている時の蝶の方が断然美しい。

                        おしまい

と終わりかけて、おっとっと( ̄∇ ̄*)ゞ、すっかり本題の種解説をするのを忘れておったわい。

ヒメフタオは何処にでもいるという蝶ではないが、台湾ではそれほど珍しいという蝶でもなさそうだ。山村の人家付近でも見かけたりする。

中型のチョウで、♂は開張38~39㎜。♀は一回り大きくて開張44~45㎜。♀は♂と比べて翅形が丸くなり、2つの尾突が外側に開くと云う特徴があるから区別は容易だ。
台湾北部から中南部にかけての標高100m~1800mの山地に分布するとされるが、実際には1000m以下の低中山地が垂直分布の中心だろう。印象では、600m前後の標高に多かったような気がする。

台湾中部では成虫の羽化は3月から始まり、夏季に個体数を増し、9月に入ると数を減じ、10月には完全に姿を消す。おそらく基本は年2化で、一部が3化すると見受けられる。
越冬態は蛹だが、暖めてやると羽化するという。

幼虫の食餌植物は、台湾ではネムノキなどのマメ科植物数種が知られている。
他に食餌植物として記録があるのは、マメ科タマザキゴウカン。
なんだそりゃ?玉裂強姦?いや、玉崎強姦か❓何にしてもスゴい名前だ。金玉を裂いて強姦するだなんて、あまりに猟奇的過ぎるじゃないか。ド変態のサイコ野郎だ。恐いねー。そんな人には会いたくないねー。それはそうと、その強姦魔は果たして男なのかね?それとも女なのかね❓出来ればまだしも女性であってほしいものだ。また、語源が玉崎の方だったとしたら、玉崎が強姦されるの❓それとも玉崎本人が強姦魔って事なの❓いやいや、玉崎って、そもそも男なのか?女なのか?どっちなんだ❓考えたら、夜も寝られなくなっちゃうよ。何れにせよ、ムチャクチャなネーミングだな…。
他にトウダイグサ科 マルヤマカンコノキ、バラ科 タカサゴイヌザクラ(高砂犬桜❓これも酷いネーミングだな…)など。

成虫の飛翔は敏速。♂♀共に樹液、腐果(発酵した果物)、蛙やミミズなどの死体、獣糞に集まる。
フタオチョウの仲間は美しいものが多いが、コヤツら、とんでもない悪食なのである。今回取り上げたコグナトスフタオやクギヌキフタオなんかも同じ習性を持っている。
例えれば、見た目超キレイな物凄い美人が、話してみたら中身オッサンだったり、ものごっつ下品だったみたいなものだ。
たま~にギヤップ有り過ぎの美人っているよね(^-^;
まあ、自分はそういうの嫌いじゃないけど…。

オスは樹上でテリトリー(占有行動)を張ったり、地面に吸水に来るので比較的観察しやすい。但し、吸水していても近づくのは難しい。かなり敏感なので、一定の距離内に入るとサッと飛び去ってしまうのである。まあ浅ましい蝶だから、暫くしたら又舞い戻っては来るんだけどネ。
因みにメスは吸水には来ないし、オスがテリトリーを張る場所にも滅多に現れないとされる。つまりオスはさておき、メスは結構珍品なのだ。自分もまだ一度もお目にかかった事がない。
タテハチョウ科のメスは、他の科のチョウに比べて基本的に得難いものだが、特にこのPolyuraと呼ばれるフタオチョウ属のメスは採れないようだ。姿を滅多に見せないし、トラップをかけても殆んど飛来しないようなのだ。自分も海外では殆んど会った事がない。普通種であってもメスは全然見かけないから、普段どこにいるんだろと思う。森の中を歩いてても飛び出したりする事はほぼ皆無だから、もしかしたら高い木の梢辺りでじっとしているのかもしれない。
この属でメスが頻繁にトラップに飛来するのは、沖縄本島のみに棲息するPolyura weismanni フタオチョウくらいなものだろう。
そういえば、台湾ではオスさえもトラップに来なかったなあ…。あまりヒメフタオにはトラップの効果がないのかしらん❓
否、でも1000m以上の標高でしかトラップを仕掛けなかったから、ヒメフタオの垂直分布の中心域からは外れている。真偽の程はワカランだろう。

あっ、台湾以外の分布を書き忘れてたよ。
相変わらずの行き当たりバッタリだすな( ̄∇ ̄*)ゞ

こんな感じです。

 
(出典『アジア産蝶類生活史図鑑』)

 
台湾から中国、インドシナ北部、インド東部のアッサム州辺りまで分布するようですな。

あっ( ̄□ ̄;)!!、それで思い出したよ。
そういえば、ラオス産のヒメフタオっぽいのがあったな。確か写メに撮った筈じゃ。拙速に探してみよう。

ありました。ありましたよ。

(2016.4 Laos Phonsavan)

 
ゲッ!Σ( ̄□ ̄;)、白くて全然違うじゃないか。
別種じゃないの❓一瞬、もしかして大珍品ポシドニウスフタオ Polyura posidonius じゃないのー❓と思った。
でも落ち着いて考えてみれば、あれは確か標高3000mとかの局所にいて、分布は中国だった筈だからそれは無いね。多分、ヒメフタオの亜種なのだろう。
コレは確かめてみるしかあるまい。思いの外(ほか)、面倒くさくなってきたぞー(-_-;)

ヒメフタオで検索したら、似たような見た目のが『ぷてろんワールド』から見つかった。
どうやら、thawagawaと云う亜種のようだ。やっぱヒメフタオだったのね(それにしても、ワシの持ってるヤツの方がもっと白いぞー)。

しかし、次の瞬間にアレッと思った。学名の小種名が、narcaeaではなく、narcaeusとなっているのである。えっ、別種なの❓でも和名はヒメフタオチョウとなっている。ぷてろんワールドが間違ってんのかあ❓
一応確認しとくか…。あー、七面倒クセー。
『台湾産蝶類大図鑑』や『アジア産蝶類生活史図鑑』では、narcaeaになっていた。単なる綴り間違えか…。だが何となく引っ掛かるものがあったので、Polyura narcaeusと入れて検索してみた。
したら、何とウィキペディア(wikipedia)で解説が出てきたじゃないか。ウィキで出てくるという事はコチラの学名が正しいって事なのー❓
( ̄0 ̄;ありゃま、御丁寧にちゃんと亜種名までも羅列されているよ。
因みに6亜種に分けられているようだ。

・narcaeus(原名亜種) 中国、ナガヒル、アボール渓谷、ミャンマー北部
・menedemus 中国雲南省
・meghaduta 台湾
・aborica アッサム北部、チベット南東
・thawgawa 中央ミャンマーからベトナム、中国雲南省
・lissainei アッサム~タイ

ナガヒルってインド東部のアッサム州にあるんじゃなかったっけ?だとすればアッサムが3ヶ所も出てくる。どゆ事?いや、ナガヒルはナガランド州だったっけか?どちらにせよお隣の州だからアッサムとは近い。おまけに中国も3亜種が産地になっている。コレじゃ、亜種の生息域がゴチャゴチャに重なってて、亜種区分の仕方がサッパリわからんぞ。
まあそれはこの際どうでもよろし。そんな事よりも大事なのは台湾亜種の表記である。
ふむ、亜種名が同じmeghadutaとなってる。という事は、ラオス産のものと台湾産のモノは亜種関係であって、別種では無さそうだ。う~む、何だかややこしい事になってきたぞ。

次にPolyura narcaeaと入れて検索してみた。
ゲロゲロー(@_@;)、こっちはウィキペディアのページが無いじゃん❗❗
えっ、それってどいうこと❓どちらかがシノニム(同種異名)って事になるのかあ❓じゃあ、narcaeaとnarcaeusのどっちがシノニムで、どっちが本当の学名なのだ❓…。ワケワカランわ。

しかも、驚いた事に『ぷてろんワールド』には、もう1つヒメフタオチョウなる蝶が載っているではないか。
学名はPolyura arjaとなっておる。
小型のPolyura属のグループは、アタマスヒメフタオやヤリサスヒメフタオなどの和名がつけられている。という事は、arjaというヤツは最初に見つかった小型のフタオだから、そんなシンプルな和名がついたのかな❓誠にややこしいネーミングじゃよ。
しかも、更にややこしい事には、このアタマスヒメフタオなどの種群は、台湾のヒメフタオ(eudamippus種群)とはまた違う系統の種群だと思われるから、ややこしい事益々この上ない。
それだけじゃない。Polyura属そのものを総称してヒメフタオ属とも呼んだりもするので、もう何が何だかワカンナイ。Polyura属には大型種も含まれるので、ヒメが入るこの和名はあまり適しているとは思えないし、悪戯に混乱を誘発するだけだろう。
何だか書いてて(@_@;)自分でも混乱してきたよ。段々、何を言ってのか分かんなくなってきた。

取り敢えず、小型のフタオチョウにはチビフタオという別称もあるので、小さいヤツはもう全部そっちに統一しちやった方がいいんじゃないの~❓
ホント、和名は便利でもあるけれど💩クソだな。同一種なのに複数の和名があるのも問題だし、正確をきそうとして矢鱈と長ったらしくなって、かえって何が何だかワカラン意味不明な和名になってるモノも多々ある。
もう無理に和名をつけるのはやめた方がええんでねえの❓せいぜい学名そのままに近いコグナトスフタオとかでええのんとちゃうのん❓
あっ、でもクギヌキフタオとかは中々良い和名だな。となると、無碍(むげ)にダメだとも言えない。困ったこってすな。

しまった。このまま和名云々にまで突っ込んでゆけば底無し沼だ。あっさり終わる筈が、完全に泥沼に嵌まってもうたやんけー。
しかも、肝心なヒメフタオの学名問題が解決しとらんがな。

えーっと、もう(;´Д`)へとへとなので、最後に挿入し忘れたPolyura arjaと思われるモノの画像を図示して終わりまあーす。

(2015.5.20 Laos Laksao)

上が♂で、下が♀である。この2つは交尾しているのを偶々(たまたま)見つけた。網を振ろうとしたら逃げやがって、木の高い所に止まったので結構苦労して採った思い出がある。

それにしても、これってホントにPolyura arjaなのかね❓どうも自信が無くなってきた。裏面を見れば、たぶん判るんだろうけど…(識別点は裏の方が顕著なのだ)。
でも心がどうしようもなく疲弊しているから、標本箱から探してこようなどとは1㎜たりとも思わない。
この辺で、どろん≡3させてもらいます。

                  おしまい

 
追伸
いやあ~、いつもにも増してグダグダの終わり方でしたなあ。
今回のシリーズはサラッとシンプルにカッコよくいくつもりが、この体たらくだ。もう初回にして、続けていくことに自信が無くなったあるよ。

訂正があるので、追記しておきます。
本文でヒメフタオの事を普通種であるかの如く書いたが、『台湾産蝶類大図鑑』の解説に拠れば埔里周辺(ワタスの行った所)では稀ではないが、一般には個体数は多くないと書いておりました。
観察するなら、埔里周辺の低山地をお奨めします。

Rucifer Rising ~クギヌキフタオ~

 
先日、生駒山にスミナガシの様子を見に行ったんだけど、夕方、西の空がどえりゃあ~事になっていた。

この世の終わりのような不気味な空だ。
まるでこれから悪魔の群れが跳梁跋扈、天空を覆い尽くしそうな不吉さを孕んでいる。しかし、同時に滅多と見れない凄絶なまでに美しい空だ。
ルシファー・ライジング❗(註1)
さぞかし魔王サタンが降臨する時は、きっとこんな空であろう。王は黒い翼を広げて天に昇り、下界を睥睨するのだ。いよいよ大阪の都市(まち)もΨ( ̄∇ ̄)Ψおしまいじゃね。

この空を見ていて突然思い出した。
そういえば悪魔の如き凄い出で立ちの珍蝶を展翅したはいいが、半年間もほったらかしだわい(-“”-;)
三歩あるけば忘れてしまうという鶏並みの脳味噌、相変わらずのエエ加減振りである。きっと展翅を終了した時点で急速に興味を失い、自分の中では過去のものとなったんだろね。
肉食系狩猟民族と云うモノは、獲物をgetしたら即座に飽きるように出来ているのだ。でないと、新たな獲物を求めなくなるのである。
何だか女性をオモチャにする何処かの酷い男みたいな言い草だけど、ワシ、女性に対しては断じてそうではないかんね。ここは一言申し添えとくかんね。その辺は誤解されても困るのだ。

その日は近所の飲み友だちのお姉さんに誘われたので痛飲。ベロベロ(@_@)で帰還。翌日、展翅板からハズした。
いくら調子ブッコキの阿呆でも、このアジアの至宝とも言える蝶を酔っ払いのノリで扱うほど愚かではない。何せ滅多な事で蝶を買わない自分が、展示即売会で彼奴(きゃつ)を見て血迷い、♂♀ペアの三角紙標本を一万二千円の大枚をはたいて買ったのである。ブッ壊しでもしたら、その場で首をカッ切らなくてはならぬよ。

先ずはオスから。
慎重にとめてあるマチ針を抜き、展翅テープをゆっくりと剥がす。緊張の瞬間だ。

しょえー、カッケー( ☆∀☆)❗❗

 
【Polyura dehaanii クギヌキフタオ♂】
(2010.May West Jawa)

この後翅の特異な尾状突起の形から和名がついたのだろう。つまり、釘抜双尾ってことね。
フタオチョウ(双尾蝶)の仲間は2本の尾突が特徴的だが、中でもこのクギヌキフタオの尾突は湾曲著しく、他を圧倒するほどの異彩を放っている。

だが、オスなんぞはまだまだだ。メスがもっとスゲェ。
大型になり、更に湾曲の度合いが顕著になって、もう悪魔的ですらある。世界の数多(あまた)ある蝶の中でも、ここまで尾っぽがグワシと湾曲している蝶はいない筈だ。

悪魔的といえば、この蝶の裏面がまさにそう。複雑怪奇な柄で鬼のごたくあるよ。その異様な形も相俟って、誰しもが強烈なインバクトをうけるに違いない。

ゆえに展翅するにあたって、通常の表展翅か、それとも邪道の裏展翅にするかを迷った。
でも、裏展翅するなんて勿体ないと言われそうだし、2頭しかないのなら表に統一すべきだと云う意見も聞こえてきそうだ。
だが正直、この蝶の真骨頂は表ではなく裏にあると思う。裏に比ぶれば表なんぞは地味で明らかに見劣りする。でもなあ…。

 
【Polyura dehaanii クギヌキフタオ♀】

で、小太郎くんなんかにも相談して、結局のところ♀は裏展に決めたのだが、誰が何と言おうとコレで正解だ。
だって、ウルトラ( ☆∀☆)超カッケーもん❗❗❗
見よ、この後翅の魑魅魍魎っぷり。魔王の如き威厳に震撼するよ。シンプルな上翅とのバランスも最高だ。そして、メスゆえの重厚さも堪らん。
神が造りし造形美、ここに極まれり❗

そういえばこの蝶の写真を初めて見た時は、その悪魔の如きデザインにマジで誇張ではなく仰け反った。この世のモノとは思えない造形美に慄然としたのを思い出す。
そうだ、思うにフタオチョウ軍団にハマったのは、この蝶がキッカケだったような気がする。
多分、日本のフタオチョウの事をネットで調べていて、『ぷてろんワールド』のページにブチ当たったのだ。
フェニックスフタオ、フルニエフタオ、ジンガフタオ、スペルブスフタオ、ヨコヅナフタオ、マルスフタオ、アクラエオィディス、アンドラノドルス、オリルス、ダンフォルディーetc……。そこには世界のフタオチョウが綺羅星の如く並んでいた。
それらの佳蝶に思いを馳せると、あらためてフタオチョウの凄さと美しさは裏面にあると思う。で、中でもクギヌキフタオの裏に釘抜きならず釘付けになったと云うワケだ。裏展翅して良かったあ(о´∀`о)

一応、メスの表写真も撮ったので、貼付しておこう。

裏には負けるが表も凄い。
メスはオスに比べて白い部分が大きくなり、幅広になるんだね。佳い蝶は表も裏も素晴らしい。

ついでにオスの裏も貼付けとくか。

足が取れてるし、何か今イチだなあ…。

標本箱に移したのも一応撮っておこう。
ライティングをちゃんとしないから、どうせ綺麗に撮れないとは解っているんだけどさ。

まっ、こんなもんか…。影が邪魔。背景が白だと露出がよろしくなくて、バックが薄暗く写ってしまうのである。

う~ん、こうなると♂♀裏表、計4頭を並べたいところだよね。
でも珍品なだけに高価な蝶だからなあ…。
このペアも本来は一万五千円の値がついていた。それでもかなり安い方だろう。普通は状態の良いものならばオスで一万円前後、メスで二、三万円で売られている事が多いのだ。それでもまだ安いと言う人もいるだろう。昔、日本に入ってきた当初ならば、何十万という値段がついていたに違いないのだ。それがペアで一万二千円までマケてくれるというのだから、血迷って当然だ。
でだ、確認の為に許しを得て中身を見せてもらった。
ちよっとでも翅が傷んでいたら、正気を取り戻せると思ったのである。

どひゃあ~Σ( ̄ロ ̄lll)❗

こんなもんを間近に見て、心穏やかでいられるワケがない。(@_@;)鼻血ブーで即買いしてしまった。

でも今となっては、正直ちよっとだけ後悔している。
基本は自分で採る主義だから、蝶は滅多に買わない。買ってしまったら、この手で採ろうと云う気持ちが薄れてしまうからだ。ましてや憧れている蝶ならば尚更である。ブッちゃけ、買ったことにより自分で採りに行く気持ちが萎えてしまったのは否めない。
冷静に考えると、自分で採りに行った方が高くつく。買うより旅費の方が遥かに高いのだ。おまけに行って必ず採れるという保証はない。いや寧ろ採れない確率の方が断然高いだろう。珍品の蝶は、そうおいそれとは簡単に採れないから珍品なのだ。そうなると、お買い得の値段だったし、買ったのは正解かもしれぬ。
でも、それじゃあ浪漫がない。蝶を採るという行為は、そこにロマンがあるからこそ背中がゾクゾクするようなエクスタシーがあるのだ。

因みにこの買ったクギヌキフタオはインドネシア・西ジャワ産の原名亜種(Polyura dehaanii dehaanii)である。
他にスマトラ島に2亜種が知られている。

 
【クギヌキフタオ 北スマトラ亜種】
(出典『東南アジア島嶼の蝶』)

亜種名はPolyura dehaanii sulthan。
スルターンとはイスラム世界における君主の称号で、国王や皇帝と訳される事もある。さすがクギヌキフタオである。学名にも敬意が払われている。
じゃあ、原名亜種のdehaanii デハニィーって、どういう意味だったっけ?そういえば、確かカラスアゲハの小種名もデハニィー(Papilio dehaanii)だったよね。
調べてみると、どうやらドハーン氏(de Haan)に献名された名前のようだ。と云うことは、みんなクギヌキフタオをデハニィーって呼んでるけど、正確にはドハーニィーが正しいのかな?
何でそんなオッサンの名前なんぞつけんねん(# ̄З ̄)。何か納得でけんワ。

ついでに言っとくと、属名のPolyuraはギリシャ語のpolys(多い)とoura(尾)を足した造語である。

この北スマトラ亜種は原名亜種と比べてやや大型で、クリーム色の部分がより広くなり、黒地の部分が淡くなる。
個人的にはジャワ産の方が黒くて締まった感じがして好きなのだが、珍品度ではコチラの方に軍配が上がるようだ。

 
【クギヌキフタオ 南スマトラ亜種】
(出典『東南アジア島嶼の蝶』)

亜種名はPolyura dehaanii carabus。
carabusは蟹の意だそうな。
carabusといえばオサムシ(註2)の属名にも使われている。記憶が確かなら、多分コチラは鎧(よろい)という意味で使われていた筈だ。
あれっ(・。・;、待てよ。蟹ならcarabusではなくてcrabじゃないの?
crabsならば納得だけど、もしかして初歩的なミスだったりして…。そもそもこの図鑑ではクギヌキじたいの学名が間違ってて、P.dehaniiと綴りに「a」が一つ足りないしなあ。

この亜種は原名亜種と比べて、やや小型で地色は濃色、前翅第5室の白紋が小さくなり、裏面の黒条群が細まるという。
多分だけど、これが一番珍品なんだろうなあ。

この別亜種2つを採りに行くことにすれば、またモチベーションも上がるかなあ?…。
でも、北スマトラ亜種スルターンなんかは火山の💥爆発で産地が消えたというし、他のポイントは知らんから厳しいだろなあ…。カラブスにしろ、誰か産地を教えてくれんかぎりは惨敗必至だな。
かといって、西ジャワに行ったところで有名なハリムン山は茶畑だらけになっているというし、採り子同士のいざこざで御神木の木が切られたという話も聞いた事がある。これまた簡単にはいきそうにない。
だいち飛ぶのがゲロ速いから、見ても採れないかもしれない。
( ´△`)嗚呼……。

最後に生態の事も少し書いておこう。
主に標高1000m前後の中山地の尾根や渓間に見られ、地面スレスレ低いところをマッハで飛ぶという。その姿は一見すると、尾のあるグラフィウム(Graphium=アオスジアゲハの仲間)にソックリらしい。
そういえば唯一同じ亜属(dehaanii種群)とされるコグナトスフタオ(Polyura cognatus)をスラウェシで初めて見た時は、ミガドアゲハの一種に見えたっけ…。採って(@_@;)ビックリのコグナトス。
グラフィウムも飛ぶのが速いもんなあ。

 
【Polyura cognatus コグナトスフタオ♂】
(2012.1.18 Rantepao Sulawesi Indonesia)

表はパッと見はシュレイベルフタオみたいだ。

【Polyura schreiber シュレイベルフタオ♂】
(2011.2.24 19mails Malaysia)

だけど、裏の斑紋をよく見るとクギヌキフタオと同じ斑紋パターンなのがよく解る。

 
【コグナトスフタオ♂裏面】
(2012.1.20 Palopo Sulswesi Indonesia)

それにメスの尾突はクギヌキフタオ程ではないが、シッカリ湾曲しているから両種は間違いなく近縁関係にあるだろう。

 
【コグナトスフタオ♀】
(出典『東南アジア島嶼の蝶』)

オスは結構採れたが、メスは見もしなかったので図鑑の画像をお借りした。
フタオチョウの仲間は、♂はそこそこ採れても♀は全然採れないのだ。自分は普通種のフタオチョウ類でさえも♀は数えるくらいしか採った事がない。

嗚呼、スラウェシにもまた行きたいよなあ。
そこそこ採れた方だとは思うけど、コグナトスの♀の他にもタンブシシアナオオゴマダラとかジョルダンアゲハとか採れていない蝶がまだまだ沢山あるのだ。
スマトラ➡ジャワ➡スラウェシなんて転戦をできれば最高なんだけどなあ。
明日、宝くじ買いに行こっと。

                  おしまい

 
追伸
サラッと書くつもりがまた長くなった。
それに何だか最後はグダクダになっちった。まあ文章力が無いから仕方ないか…。

あっ、そういえばルシファーライジングの空は、やがて壮絶なまでの神々しい夕空になった。

(註1)ルシファーライジング
ルシファーとは堕天使の長を指し、魔王サタンの別名でもある。サタンの堕落前の呼称というワケだ。日本ではルシフェル(仏語)と表記される事も多い。
ライジングは英語のRising。つまり、ルシファーライジングは天に昇る魔王サタンを意味します。

(註2)オサムシ
肉食系の歩行甲虫。翅が退化したものが多く地理的変異に富み、美麗種を多く含むことから『歩く宝石』とも形容される。日本にのみ生息しているマイマイカブリもその仲間で、その特異な形から世界的人気がある。

再展翅してる場合かよ?

 
標本箱の整理をしていたら、随分と標本に狂いが生じていた。好きな蝶たちだし、再展翅することにした。

再展翅の仕方は、先ずはタッパーか何かの密閉できる容器を用意する。その真ん中にウレタンやコルクなど針が刺せるものを貼りつけ、蝶をセットしたら周りを水でドボドボにしたティッシュペーパーなどで埋めてやる。
で、カビ防止の為の正露丸をバラまいたら蓋をして冷蔵庫に2~3日安置する。
で、柔らかくなっていたら再展翅。

 
【フタオチョウ Polyura eudamippus ♂】
(2017・4月 タイ北部)

日本の沖縄本島にいるモノ(天然記念物)は、従来同種の別亜種とされてきたが、最近別種として分けられたらしい。
P.eudamippusと比べて遥かに小さいし、全体的に黒っぽくて尾突も短くてかなり特異な姿だからして果たして同種なのかなとは思ってた。食樹も全然違うし、幼虫形態にも差があるらしい。ゆえに別種とするのは納得だ。まあ、かなり近い間柄ではあるけどね。
う~ん、でもジッと見ていると、本当のところどうなのかなあとも思う。別種になる一歩手前という段階だと云う気がしないでもない。地理的隔離もあるから何万年か何千年、何百年先には明らかな別種になっている事は間違いないんだろうけどさ。とにかく別種とか亜種とかの線引きは難しいよね。人によって見る観点が違えば、自ずと見解も変わってくるのは当然だもんね。かといって最近流行りの遺伝子解析が万能で絶対だとも思えない。遺伝子が違うけど見た目で区別できない種なんて果たして種に分ける意味ってあんのかよ❓と思う。

【沖縄本島産フタオチョウ】
(出展『日本産蝶類標準図鑑』)

多分、新学名はPolyura weismanniだったと思うけど、間違ってたら御免なさい。

 
【ドロンフタオ Polyura dolon ♂】
(2014・4月 タイ北部)

一見すると上のP.eudamippusにソックリだが、よく見ると斑紋も違うし(特に裏側)、縦長の翅形だ。大きさも少し大きい。
P.eudamippusはラオスにも結構いたが、ドロンは見たことがないから分布域はより狭いと云う印象がある。
両種とも♀は更に巨大で迫力がある(特に4月の個体は大きいようだ)。しかし、中々お目にかかれないらしく、自分も生きている姿をまだ見たことがない。フタオチョウ類のメスは殆どが珍で、トラップをかけないとまず見られないという。

 
【キアニパルダスオオイナズマ Lexias cyanipardus ♀】
(2014.4月 ラオス北部)

メスが水玉模様になるcyanipardus種群の最高峰であり最大種。西日本のオオムラサキのメスくらいは優にある。
う~、完品が欲しい。それにまだ♂も採った事がない。コイツは再挑戦してもいい蝶。でも狙って採れる蝶ではないんだよねえ…。

 
【アルボプンクタータオオイナズマ Lexias albopunctata ♂】
(2011.4月 Laos中部)

これもメスが水玉模様になるcyanipardus種群の一員だが、オスはほぼほぼ真っ黒なので区別しやすい。
このあいだ古いTSUISO(蝶のミニコミ誌)を戴いたんだけど、それに拠ると昔はL.albopunctataもL.cyanipardusもL.bangkanaもまだ別種に分けられていなくて、纏めて全部Lexias cyanipardusとされていたようだ。
アルボはわりと採ってるけど、カッコイイからもっと欲しい。柄もさることながら(特に♀)、長い触角が全体のフォルムを引き締めていて( ☆∀☆)萌え~。
それに異常なまでに敏感だから採集難易度が高い。だから狩猟焦燥感と採った時の快感度はマックス。とにかく採りがいがあるのだ。

 
【アルボプンクタータオオイナズマ♀】
(2017・4月 ラオス)

それにしても、ほったらかしでまだ台湾の蝶もほとんど展翅していないのに、何やってんだろ❓こんな事してていいのかね❓
『続・発作的台湾蝶紀行』も二行だけ書いて頓挫したまんまだしさ。何だか憂鬱だなあ…。

推敲が苦手

 
早くも昨日書いた『千葉ロッテ新マスコット』の文章に手を入れる。
こういう事はしよっちゅうだ。ほとんどの文章が記事の発表後に書き直されている。
何でこういう事になるのかというと、ろくに読み返さずに記事をアップするからだ。
だったら、ちゃんと推敲しろよなとソッコーでツッコミが入りそうだが、理由は一応ある。

書いている時点では、文章のワン・センテンスが書き終わるごとにそのワンセンテンスを読みなおして前に進んではいる。全く推敲していないワケではないのだ。
だが、それで段々イヤになってくる。つまり細かく何度も自分の文章を読んでいるワケで、いいかげん飽きてくるのだ。それが溜まりに溜まって、完成した暁には全く読み返したくなくなり、そのまま全体を読まずに発表してしまうと云う次第である。
それに読み返したら、どうせ書き直したくなると思っているフシもある。早く解放されたいがゆえに、心理的に逃げているのだ。

で、翌日になって漸く一応チエックしとくかと云う気分になり、読み返す。
で、読んだら誤字脱字があったり、「てにをは」がオカシかったりする。昨日なんかは、抑えのドリスをマテオと書いてしまった(アイツら、見た目がそっくりやから、時々どっちがどっちだかワカンなくなる)。
それくらいなら、まだいい。読んでみると何となく全体の流れが悪かったりする場合が多々あるのである。そうなると、大幅訂正加筆必至だ。

書いてて、段々イヤになってきた。こんな言いワケがましいことを書いて何の意味があるというのだ。何かもう自己嫌悪になるよ。

基本的に何かを表現するのは嫌いじゃないけど、文章を書くと云うことは常に苦痛を伴うのだ。これは蝶を採るのは好きだけど、展翅は苦痛だと云うのとちよっと似ているなあ。
ホント、時々思うんだけど、展翅板に蝶と展翅テープをセットしたら、ボタン一つで展翅できる機械とかないのかね。あったら、ゼッテー、ソッコーで買うけんね。

【ゴマダラチョウ♀】

書いててホント飽きてきた。
さあ、とっと晩飯つくろっと。
おっ、その前に推敲、推敲。

『西へ西へ、南へ南へ』25 最終回 怒りを込めて五臓六腑の矢を放とう

蝶に魅せられた旅人アーカイブス
2012-09-10 20:12:27

      ー捕虫網の円光ー
     『西へ西へ、南へ南へ』
        最終回

(第十九番札所・怒りを込めて五臓六腑の矢を放とう)

  
2011年 9月25日

  山間に湧く
  無慈悲な雲に涙しぼり
  熱帯に満つる
  濃密な空気に声を呑み
  天翔ける胡蝶に
  よしんば、骨肉ここに朽ち果つるとも
  九月の驟雨は凜として
  今、千の針となり天上から降り注ぐ
  されば膝を折り、頭を垂れ
  憤然、五体の怒りを込めよう
  五臓六腑の矢を放とう

(奄美出身・詩人泉芳朗の詩へのオマージュ。)

男は、何があっても脱出する事を決心した。
埒があかない。
結果がどうあれ、この無間地獄の呪縛から逃れよう。
潮時だ。旅は終焉の時を迎えたのだ。

だが、天気は最悪の様相。大雨警報が出ている。
朝のニュースでは記録的豪雨と繰返し報じている。
1時間に135㎜、降りだしてからは500㎜を越えているという。どうやら、去年災害をもたらした大雨に匹敵するくらいの雨量のようだ。

兎に角、少しでも雨が弱まれば出よう。
土砂崩れで、道が寸断されてない事だけを祈ろう。

午前10時、出ようとしたら強い雨が来た。
部屋に籠るしかない。残された時間は確実に減ってゆく。
アハハハハ…ヾ(@゜▽゜@)ノ♪
気がフレたよ。
もう、知んなーい。

11時40分。小雨の中、男は意を決して出発した。
晴れ男なんだから、何とかなる。何とかして見せようホトトギス。
って、でもこの天気で出るなんて尋常ならざる判断。

アハハハハ(~▽~@)♪♪♪

アメユキトテキテケンジャ

オデ、コワレタ

正午、あかざき公園着。
取り敢えず梔子(クチナシ)の木を叩き出して、イワカワシジミを手中に入れる。

爽やかな翠(みどり)と長い尾状突起が優雅で美しい。

 
樹液ポイントの萱(かや)を踏み固め、邪魔な枝を排除してネットが振れる空間を広げる。

『そこはハブの巣窟だよ。』

と昨日地元のおじさんに言われたが、もうこうなりゃヤケのヤンパチだ。少しでもやれることをやるしかない。

作業をしていたら、木の根元にデンと居座る大きなクワガタを発見❗❗

アマミヒラタクワガタ❓
黒光りしてカッコイイのぉー( ☆∀☆)

考えてみれば、甲虫採りの人はいいよなあ…。
蝶とは違い、雨とかあんま関係ないじゃん(  ̄З ̄)
晴れていないと蝶を採るのは難しいけど、甲虫ならばまだ何とかなる可能性があるだろう。それに雨で翅が傷まんしのぉー。
いっそ、クワガタ屋に転向したろかい(*`Д´)ノ!

12時半、雨止む。
だが、樹液には大きなルリタテハしかいない。
やはりアカボシゴマダラは夕方にしか来ないのか?

どきゃぶぎゃわ❗Σ(_)

クエッケッケ~Σ( ☆∀☆)

益々アタマが変になる。
再び強い雨が降り出したのだ。
(;o;)アメユキトテキテケンジャ~

1時半。頭上をボロ♀通過。

2時半。ボロ♀来たる。キヤッチ&リリース。

3時。さあ、これからという時に又しても雨が降り始めた。

(T_T)アメユキトテキテケンジャー

天に向かってどなる。

(◎-◎;)ひでぶ~

 
4時半。空は暗い。

そして、何も飛ばなくなった。細かい霧雨がシトシトと降り続いている。

アメユキトテキテケンジャ(ToT)
男は、敗北を覚悟した。

4時40分、強い雨がまた降り始めた。
無情の雨だ。
(T^T)アベユギドデギテゲンジャー

レインコートに着替え、合間に採った3頭の♂達を次々にリリースする。
彼等は開いた三角紙の上をトコトコと歩いて立ち止まり、小首を傾げるようにして周囲を見回す。
やがて、思い出したかのようにふわりと翔び立ち、雨の中をゆっくりと森に消えていった。
サヨナラ。そして、ありがとう。

腕時計の針は午後5時ちょうどを指していた。
タイムアップだ。

ここに円は閉じる事はなかった。
怒りの矢を放つことさえも出来なかった。
男は誰に言うでもなく、「完敗。」と呟いた。
そして、降りしきる驟雨の中、靄(もや)にけぶる坂道をゆっくりと下って行った。

 
午後9時20分。
定刻通り鹿児島ゆきのフェリーは、島を離れた。

北へ北へ、東へ東へ。

                 ー 完 ー

(subject 写真解説)

【イワカワシジミ】
完品は、矢張り美しい。完璧なフォルムだ。
イワカワは、たぶん日本に棲む蝶の中では最も長い尾突を持つ蝶だ。エレガントなのだ。でも、それが仇となって、結構尾っぽが切れている事が多くて中々完品が得られない蝶の一つらしい。そんとおりですわ~、三代目。

【スジブトヒラタクワガタ♂】
黒光りした渋いツヤ、ガッシリとした体躯。
( ☆∀☆)カッコいいですな~。
てっきりアマミヒラタクワガタだと思っていたら、帰って調べてみるとスジブトヒラタクワガタと云う奄美諸島の固有種であった。確かに太い筋がある。
気性がメチャメチャ荒いクワガタで、大きなものは体長70㎜に達するようだ。測ってないが、この個体も相当に大きかった。
持って帰るかどうかだいぶと悩んだが、逃がしてやることにした。
多分、元々クワガタは好きなだけにこんなもんまで集め始めたら収拾がつかなくなると思ったのだろう。
ただでさえ、家の中が標本箱だらけでエライこっちゃになりつつあるのだ。クワガタにまで手を出したら、
寝る場所さえも無くなりかねない。
でも、今考えるとちよっと惜しい事をした。

6年後の今、改めて勿体ない事をしたと思ってる。
クワガタは、男の子にとってはヒーローなのだ。興味を示さない男の子は、オスとして将来大丈夫かと思う。インポなんじゃないかと疑りたくなるね。
でも、最近はそんな男の子も多いらしい。草食性男子ってヤツ❓日本の行く末、危うしである。

【民宿の慣れ親しんだ部屋】

結局、この部屋に15日間も居た。
もう、気分はいっぱしの下宿人なのだ。

そういえば宿の外観の画像を添付し忘れていたので、ついでに添付しておきます。

釣具屋の右横手が「民宿あづまや」の入口。
因みに釣具屋の上、二階の左から二番目が泊まっていた部屋。
釣具屋は開いてるとこを見たことがないから、多分廃業してるんだと思う。

【フェリー】

デカイですなあ。
湾内は穏やかで大したことなかったから、あれ?と思ってたら、外洋に出たらしっかりと揺れました。

【三角紙】

中身はシロオビアゲハだね。多分、沖縄本島の時のものだ。
それにしても、何かぞんざいな蝶の入れ方だなあ…。
一応、正しいしまい方の画像も添付しておくか。

(中身はミヤマカラスアゲハ)

触角や尾っぽを傷めない為には、これが一番正しい。
野外では、このような戦利品を蝶の頭を下にしてケースにしまう。

三角紙って、普通の人には解らないと思うので、一応軽く解説しておきます。
まあ写メを見てもらえれば理解できるとは思うんだけど、三角紙とは簡単に言うと採集した蝶を入れる紙です。素材はパラフィン紙などですね。

半透明なのには理由があります。
一つは中身の蝶が何なのか一発で判るから。最初に作った人が整理する時に分かり易いようにと考えたんでしょうね。
でも、最大の理由は蝶の翅を傷めたくないがゆえのアイテムだろう。
この紙はツルツルで、蝶の鱗粉が剥がれにくくなっています。鱗粉を損なえば、美しい蝶の姿も台無しになってしまいますからね。

フィールドに出る時は、これを納める三角ケース(三角缶)と云うものを持っていきます。
形は三角紙と同じで三角形。ベルトを通せるようになっており、腰にぶら下げます。
僕は牛革製の物を使用していますが、気分はちよっとしたガンマン気分(笑)
個人的には、三角ケースは戦闘体勢に入る為のスイッチの一つ。コレを腰に巻けば、必殺モードになるのだ。気合いが入る。

(註1)アメユキトテキテケンジャ
宮沢賢治の詩『永訣の朝』に出てくる一節。
本当はアメユキトテキテケンジャではなく、「あめゆきとてちてけんじゃ」が正しい。「とてきて」ではなく、「とてちて」ね。
あえて一文字変えたのは、その方が何となく感情が伝わるんじゃないかと思ったのだ。効果の程は全然ワカンナイけど(笑)

最後に5話で添付すべきだった画像をアップしておきます。

拝山から見下ろして名瀬市内の画像だ。
この写真が一番奄美大島らしい。

さらば、奄美。
良いとこだったよ。

『西へ西へ、南へ南へ』23 五臓六腑が哭いている

蝶に魅せられた旅人アーカイブス
2012-09-04 17:40:38

(当時のライブ原文のまま)
君らも、つまらん文章に付き合わされてもうウンザリだろうが、こちらはもっとウンザリなのよ( ´△`)
文章も段々ぞんざいになってきてるのよ。
タイトルも、いっそのこと『何処へ、何処へ』に変えたい気分だよ(つд;*)

 

 
       ー捕虫網の円光ー
      『西へ西へ、南へ南へ』

  (第十八番札所・五臓六腑が哭(な)いている)

 
2011年 9月24日

昨日は脇田丸に行かなかった。
いい加減、魚にも飽きてきた。

鶏飯(けいはん)で有名な『てっちゃん』に行く。
最初は鶏飯にするつもりが、座ったら気が変わった。
鶏飯ラーメン(600円)をオーダー。どうしても麺が食べたくなったのだ。

スープは、鶏ガラベースに醤油。 
少し甘い。ニンニクがこころもち入っている。
麺は細麺のストレート。コシは結構ある。好きなタイプの麺だ。
具は鶏の細切り、干し椎茸、キャベツ、アサツキ(葱)、薄焼き玉子の千切り、胡麻。

点数をつければ、68点と云うところか…。
余談だが、意外にも奄美にはソーキソバ屋は一軒しかないそうだ。奄美では、麺と言えばラーメン。家庭では素麺(チャンプルー)みたいだ。
我々本土人は沖縄の文化と混同しがちだが、奄美は奄美なのだ。断じて沖縄ではない。だいたい、そもそ奄美大島って、沖縄県じゃなくて鹿児島県なんだもんな。

竹さん達と行ったスナックに行った。
どうにも淋しかったのだ。
退屈なので、女の子を口説いてみた。
だいぶと錆び付いてはいるが、まあその辺はね…。

一応、携帯の番号を教えて貰った。でも、何だか虚しいよなあ…。アカボシの♀の方がよっぽど難易度が高いような気がしてならない今日この頃。

そして、明けて今日。

昨日、最初に計画したプランでいく事にした。
予報は曇り後雨。
もう、なるようになれと云う感じ。完全にやさぐれてきた。

先ずは小宿に行き、柑橘畑を探すが居ない。
今のところアカボシゴマダラが樹液に来てるのを見たのは、谷村樹液ポイントと小宿のみ。しかも、小宿では一回しか見ていない。
そういえば図鑑に6月以外は樹液にはあまり来ないみたいな事が書いてあったような気がするなあ…。そんな筈あるわけないと思うんだけどなあ…(註1)。

小学校や中学校では、何処も運動会たけなわ。時々、歓声があがる。みんな楽しそうだ。
今日は日曜日なんだね。今や曜日感覚も熔けてしまっている。

10時に根瀬部に着いた。
空は次第に晴れてきた。
他に誇るべきものはそうないが、この晴れ男振りだけは自慢してもいいんじゃないかと思う。

今日の便で鹿児島に戻るつもりだから、もう迷いはない。躊躇せず、ネットを振る。
ツマベニチョウ、ナガサキアゲハ白♀、スミナガシ、イワカワシジミ、アマカラ(アマミカラスアゲハ)、アカボシゴマダラ♂etc…、バンバン完品が採れる。
だが、唯一つだけピースが足りない。そう、アカボシゴマダラの♀だ。

【アマミカラスアゲハ♀】
(アマカラの新たな画像が出てきたので添付です)

ここ数日で、いつの間にか雑草だらけのポイントに自然と道が出来てしまっている。
ザ・アカボシロードだ。

近隣のおじー、おばーとも、すっかり顔馴染みになった。

『今日は、どうね?』
『あきまへーん。』

12時半。待つ事にも厭き、周辺を探索することにした。
グァバの樹(3日前にスミナガシが来ていた)の近くで♀が翔んだ。いきなりで対応出来ず、茫然と見送ってしまう。見逃し三振。(○_○)死んだ…。

メインポイントに戻る。
1時前、いつも現れる暗い空間に判で押したように♀が登場。
鬼神の如くダッシュして、クワノハエノキに止まったのを迷わず横振り❗

鮮やかに決まったが、ボロ♀。
(T_T)なして~。

移動のリミット2時半前に、再びチャンスが訪れた。
毎度毎度のお馴染みの展開かよ( ̄。 ̄)
どうしてこうも毎回はかったかのように帰る間際ギリギリで、フィクションみたいな現れ方をするのだ。

今度は、完品かも…。
迷わず『五臓六腑の矢を放とう❗』と叫んで空中で捉えた。
Σ( ̄皿 ̄;;オラオラオラオラー、まあまあ天才をナメんじゃないよ❗❗

ガアーΣ(-∀-;)ーン❗
やや擦れてるし、翅も少し欠けている。

(ノ_・。)もう、いいや。この辺りが限界。もう赦してくれ。何度やっても同じだ。縁なしって事よ。
あかざき公園に寄って、さっさと帰ろう。
8時20分の船に乗って、この島を脱出しよう。

3時過ぎ、天気は曇ってきた。
♂が松の木でテリトリーを張っているが、見送るのみ。もう、オスはいらん。それにこちとら、朝から何も食ってない。あんたを採る体力はもう残ってないよ。

どうせ、此処にメスが来る確率は低い。近隣を捜索することにした。まだしも可能性はあるだろう。

いた❗、♀だ。
ふわりふわりと優雅に頭上を飛んでゆく。
目線を切らずに追い掛ける。多分、最後のチャンスだろう。見逃すワケにはいかない。必死で追走する。

やがて、木陰にすうーっと降りてゆくのが見えた。
そして、樹の幹に止まった。
何の木かは分からないが、きっと樹液が出ているに違いない❗

だが、止まったのは枝のYの字の部分。そんな殺生なあ…(T^T)
しかも、下は萱のブッシュで自由に網が振れない。

ゴチャゴチャ言っても始まらない。
やるっきゃない。トライあるのみ。

スコーン➰
ヽ( T▽T*)ノ 無理ー。
採れん。あんなとこ、採れるワケあるかーい。

その後、何度も舞い戻って来たが、イージーチャンス無しで、悉(ことごと)く変な所に止まる。おまけに敏感。
ヤケクソ駄目元で挑むも、外しまくる。
気がフレそうだ。

午後5時半。
気がつくと日も落ち、辺りはいつしか薄紫色に染まっていた。
人っ子一人いない寂しい風景に茫然と佇む。

五臓六腑が、哭いていた。

                 つづく

(subject 写真解説)

【鶏飯ラーメン】
よくよく考えてみれば、飯も入って無いのに「鶏飯ラーメン」って変だよね? 知らない人なら、とんでもないものを想像するかもしれん。飯とラーメンがゴチャ混ぜのネコめし的なヤツとかさ。
因みにラーメンには入って無かった(と思う)が、鶏飯には定番としてパパイヤも入っているんじゃないかな。何となくそれも変ちゃ、変。あっ、そういえぱ粉末のミカンの皮も入ってるぞ。意外や意外。鶏飯って、結構アグレッシブな食い物なのだ。
鶏飯。店にもよるがあっさり雑炊みたいで大好きです。奄美大島に来て、鶏飯を食わないヤツはアホだ。

【ザ・アカボシロード】
毎日通ううちに、ただの草叢にいつしか何本もの道が出来てしまった。
アカボシ巡礼の道だ。
随分と詣でましたなあ…。

【アカボシ♀】
もう、こんなもんで勘弁してくれ。

一見、綺麗な個体に見えるが、上下重なりあった部分の下翅が少し欠けている。
展翅すると、どうしても翅の破れは少しでも気になる。蝶は左右完全なシンメトリーでないと美しくないのだ。

こないだ修復したのは、多分この個体が母体だな。

という事は、その前に採った新鮮だけど上翅がイッちまってた個体も修復できるってことだな。
探そう~っと。

(註1)アカボシゴマダラと樹液
樹液好きの蝶なら、いつの季節でも樹液には来る。当たり前だ。主たる餌だもんね。
記憶が朧ろで、どうやら当時はトラップと樹液の情報を混同してしまっていたようだ。トラップが効くのは、個体数の多い6月だけらしい。
実際、アカボシには全くトラップに寄ってこなかった。もっとも、ワシのトラップの効力レベルが低かったという可能性はあるけどさ…。

追伸
冒頭の一文を見ると、興味深い。
書いた本人はすっかり忘れているが、当時は相当に苛立っていたのが解る。
感情ってのは、時間が過ぎれば忘却の彼方なんだね。その意味では、普段から日記はつけといた方がいいのかもしれない。まあ、自分には無理だけど。

『西へ西へ、南へ南へ』22 無情の雨に

蝶に魅せられた旅人
2012-09-02 01:09:12

       ー捕虫網の円光ー
      『西へ西へ、南へ南へ』

     (第十七番札所・無情の雨に)

 
2011年 9月23日

もう、自分が何をしてるのかも解らなくなってきた。

8時前に起床。
本日の予定は午前中に柑橘畑にアカボシが来ると云う情報を頼りに芦花部に行き、昼過ぎに根瀬部へ、2時過ぎには朝仁に移動すると云う計画だった。
だが、計画なんて所詮計画に過ぎない。

予報は曇り時々雨。
知らん、何とかなる。

9時半に芦花部に着いた。
山越えの思った以上に険しい道だった。
しかし、良さげな場所が見つからない。

空を見た。
気が変わった。
勘で動く。
北に行こう。
多分、その方が天気はもつと読んだ。

が、山越えの長雲峠ルートは土砂崩れで寸断。否応なしに大回りの海岸線の道を走ることになった。

大潮だろうか、潮がかなり引いている。
ちよっとした奇観だ。剥き出しになった岩々が古代恐竜の背骨のように見える。

寒い。
防寒、防風の為、奄美ダイソー(100円ショップ)で買ったぺらっぺらの雨合羽を着て走る。
風に千切れそうな感じが、風を纏っているようでキリッと心が締まる。悪くない気分だ。

遠回りになったが、前向きに考えよう、本来ならこういう道を飛ばすのは好きだ。フルスロットルで駆け抜ける。
乗れてる時は、乗用車にも絶対抜かせん(`Д´)ノ❗
ストレートで車間を詰められても、コーナーで再び差をつける。
ほれほれ~Ψ( ̄∇ ̄)Ψ、ほれほれ~Ψ( ̄∇ ̄)Ψ
乗用車の人よ、(
`Д´)イライラしなはれ~。

アギャ、ぶぎゃわっ!Σ(××;)❗
ギシャジャミジャミー!Σ(×
×;)❗
一瞬、何が起きたのか解らなかった。

どうやら偶然トンボが耳とメットの間に挟まったようだ。そんな事、あるかね❓
自分の発したワケのわからない声に、思わず笑ってしまった(^_^;)

岬を抜けたら、勘は的中。北側の空は明るい。
しかし、やって来た背後は真っ黒だ。いつ追いかけてくるとも知れぬ無気味さで広がっている。

赤尾木にチラッと寄ってみたが、やっぱり知名瀬と同じくアカボシゴマダラの姿は皆無。
この有名ポイント、二つともクソだ。今後、しみったれ芋ポイントと呼ぼう( ̄^ ̄)

11時過ぎに谷村樹液ポイントに着いた。
だが、樹液にいたのは前に来た時にもいたボロ♂のみ。勿論、ムッシング。

待ったが、変化なし。
正午時過ぎには、つまんなくなって移動する。
アカボシはダメだったけど、ビシッと赤紋が入ったアマカラ(アマミカラスアゲハ)の、そこそこ鮮度の良い美しい♀が採れたから、まっいっか…。
カタチ的には無駄骨ではなかったから、判断としては正解でしょう。

本来ならそのまま蒲生崎に行くところだが、まだ時間もあるし、だいち同じ場所にとどまるのには厭きた。
左岸から右岸へと横断し、空港側の道を北上する。
アカボシの記録のある節田、宇宿、笠利、用と回るが、成果なし。
唯一の成果は、リュウキュウムラサキの大きくて綺麗な♀が採れた事くらい。

2時過ぎに蒲生崎に到着。
今日はずっと薄日の射すまあまあの天気だったが、ここにきてどんよりと雲が垂れこめてきた。

アカボシゴマダラのベストポイントに行く途中、やや高い枝先に触角を葉先から出して止まっているのが、たまたま1頭見えた。
面倒臭いが、一応網に入れてみる。

ボロだけどえらくデケえなこの♂。と思ってよく見たら、あれっ!?、お腹が萎んでいるので気付かなかったけど、こりゃ♀だわ。
何だかなあ…(*v.v)。。。

と思っていると、別な♀が頭上高くを通過して行った。羽は破れていない新鮮そうな個体に見えた。
慌てて追いかける。だが、止まらずに山の向こうに消えた。
何だかなあ…(*v.v)。。。

退屈なので、フェリー会社に電話してみる。
次の大阪行きのフェリーは、30日だと言われた。
何だかなあ…(*v.v)。。。

いい加減、ウンザリだ。
いくらアホでも、あと1週間もいられない。
飛行機でも何でもいいから、とっとと大阪に帰ろう。一刻も早く奄美の檻から脱出しないと、鹿児島県人になっちまいそうだ。でも、それはそれでいっか…。

午後3時。
無情にもテリトリーを張る時間になって、小雨が降りだした。
ますます、何だかなあ…(*v.v)。。。

小雨は10分程で上がったが、更に気温がグッと下がった。これじゃ、♂さえ翔ばない。
何だかなあ…(*v.v)。。。

今日は何かアカボシの完メスが採れそうな予感があったんだけどなあ…。やっぱ、根拠のない希望的予感じゃダメだね。

4時。プッツリと気力も切れた。
これ以上待ったところで期待できない。より天気が悪くなる前に谷村樹液ポイントに寄って帰ろう。この精神状態でズブ濡れになったら、最低最悪の気分になるのは明白だ。

道すがら、谷村樹液ポイントもどうせアカボシは居ないだろうし、面倒臭いからスルーしてやろうかとも思った。
けど、一応行ってみようと思い直した。一縷の望みでもあるのならば、その可能性を放棄してはならないと誰かが言ってた。
敗北を認めるまでは、敗北ではないとも。

4時半。谷村樹液ポイント到着。
遠目に、また同じボロ♂が同じ場所に止まっているように見えた。キミ、どんだけ食いしん坊やねん❓

しかし、近付いてみるとデカイ。
えっ(_)!?、♀ですか!?
しかも、完品っぽい((((;゜Д゜)))❗❗❗❗

やっぱ、俺の予感は正しい。
ここで会ったが百年目。祈りを込め、全身全霊、五臓六腑の矢を放とう。

アドレナリン噴火。
クワッとマインドに🔥火が入った。
慎重に近づく。

あっ( ̄□ ̄;)❗❗
あわわわわ…、警戒して翅を開いた瞬間に判ってしまった。完品かと思いきや、反対側の翅の上がザックリいっちまってる。
(´Д`)へにゃりんこ。一挙に脱力した。
緊張することも無く、ネットを幹に向かって強めに叩く。
彼女はへなへなと網の底に落ちた。

美しくて、大きい。
複雑な気持ちだ。
新鮮な個体だけに勿体ない。
o(T□T)o忸怩たる想いの超絶ガックリ。
何だかなあ…(*v.v)。。。。

この辺りが限界ってところだろうなあ…。
運も無いし、流れも悪い。

宿に着いて間も無く強い雨が降り始めた。

                  つづく

 
(subject 写真解説)

【アマミカラスアゲハ♀】
見事な♀だ。好みは青いオスだが、これだけ赤紋が綺麗に出ている♀だと、♂なんかメじゃない。

【リュウキュウムラサキ(琉球紫)】
多分♀。メスはそんなに数多く採った経験があるわけでは無いが、今まで採った中で彼女が一番美しい♀かな。しかも、一番の大型の個体。
リュウムラさんは一応迷蝶と云う扱いになっている。春、夏はあまり見掛けなくて、秋になって急に個体数が増えるので土着には至っていないと云う見解なのだろう。
だいたいは台湾やフィリピン辺りから長い旅をして飛来するのだが、他からも飛来する。だから、♀には無数の型が有り、斑紋がバリエーションに富んでいて面白い。
冬が厳しくて越せないと死滅する蝶なのだが、毎年懲りずに飛来しやはります。生き物の必死に新天地を求める姿は、時に人の心を強く震わせる。

【アカボシゴマダラ♀】

こっちから見ると、完品。
でも、反対側から見るとコレ。

(ToT)ノオ━━━━━━━━ ❗

美しい♀なのに、ホントに勿体無い。
今回は上の翅がイってますが、他は下翅が損傷している。複数の♀を合体させれば完璧な♀の標本ができるのだが、今回はそんな事は絶対にしたくないから、帰ってもしない。
フェイクは何処まで行こうが、どう誤魔化そうが、所詮フェイクに過ぎない。

【アカボシゴマダラ下♂と上♀】

並べると、♂と♀の大きさの違いが解るでしょ?
標本にすれば、上下の羽が重なり合っている部分が広がるので、より大きさの差異が明確になります。

大きさ以外にも♂♀の違いはあって、蝶の形が全体的に♀の方が丸い形のデザインになっていて、ふくよかだ。その辺は人間とも共通するところがある。
この特徴は他の蝶でもそうなんだけど、きっとメスの方が曲線的なのは何か意味あるんだろうね。何でかは明確にはワカンナイけど…。
人間でも出産の為に尻がデカくなるのは解る。健康な子供を産めるからだ。しかし、全体的に曲線になるのはよく解らない。丸くてふくよかな方が蝶のオスでもそそられるのかな?

アカボシゴマダラって、気のせいかゴマダラチョウより少し翅が薄いような気がする…。だから羽が破れやすいのかしら?
私見では、鮮度の割りにはメスの方がオスより破れている率が高いような気がする。
それはきっとメスはわりと藪を縫うようにして翔ぶ性質が関係しているのだからだと思う。
何か完品が採れない言い訳がましいけど…。

5年後にして、いくつかの♀を合体修理させてのニセ完品の製造なのだ。自分も変化しているのだね。

『西へ西へ、南へ南へ』20 奄美の檻

蝶に魅せられた旅人アーカイブス
2012-09-01 23:08:02

       ー捕虫網の円光ー
      『西へ西へ、南へ南へ』

    (第十六番札所・奄美の檻(おり))

 
2011年 9月22日

午前4時03分。
(゜ロ゜;ハッとして目が覚め、時刻を見て我が目を疑った。
船の出航時刻は、3時50分。完全に行ったあとだ。

やっちまった……(T^T)
信じられないが、現実だ。

午前2時過ぎくらい迄の記憶はある。
その後、急激な睡魔に襲われたのだ。
一応、目覚ましをかけていたのだが…。

半分望んではいたが、断じて確信犯ではない。
ひきつった半笑いで煙草を一本吸い、考えるのが嫌で睡眠薬を飲んで再び寝た。

朝8時に宿のおばーに会ったら、(゜ロ゜)❗❓ビックリされた。悪いが、こちらもΣ( ̄ロ ̄lll)ビックリなのだよ。(TДT)ぶふゅ~。

9時、バイクを借りに行く。
天気予報は曇りのち雨。部屋で色々思い悩むのもしんどいし、出る事にした。天気がもてば幸いだ。晴れ男の運を信じよう。

3連チャンでまた根瀬部に行った。
アカボシゴマダラの完品の♀を何とかせねばならない。天気よ、恃むから2時くらいまで保ってくれ、心の中は悲痛な叫びで一杯だ。

曇り時々晴れ。
例によって、一時に♀がやって来た。
しかし、明らかに傷んでいる。頭(こうべ)を垂れて、スルーする。どうせ展翅もしないのなら、無駄に生命を奪うべきでない。卵を産む♀なら尚更だ。

しかし、その後待っても待っても♀は姿を現さなかった。
イワカワシジミも見たが、高過ぎて話になんない。
天気はどんどん良くなっていくが、気持ちはどんどん曇っていった。他の蝶を最早採る気にもなれず、ただただ時間は無為に過ぎて行く。
今日は♂さえ、あまりいなかった。
空中で3頭のみシバく。

どうやら此処は、♂の♀探索ポイントではないだろうか?三日間♀と呼応するように現れ、3時前には殆どいなくなる。多分、その後はテリトリーを張る場所に移動するのではなかろうか?
ここでは翔び方が矢鱈と速いし、ほとんど止まらないし、暫くすれば去ってゆくと云うのも他の場所とは違う。テリトリー(占有活動)を張っているという感じではないのだ。
あれれ❓じゃあ、♂がテリトリーを張るって何の意味があるのだ。♀を待つなら、ここでテリトリーを張ればいいんじゃないの❓何でワザワザ尾根とか山頂に向かうのだ。
この占有活動という名の♂同士の縄張り争いは、学説では♀を待つ最良の場所をめぐっての戦いらしい。でも、ずっと疑問に思ってる。同じような場所でテリトリーを張るオオムラサキやスミナガシにしても、そこに♀が飛んで来た事など一度も見た事がないのだ。唯一の目撃例は、ここ奄美大島の蒲生崎で見たアカボシゴマダラの♀だけだ。まだしも同じようにテリトリーを張るゼフィルス(ミドリシジミの仲間)の方が♀を見る機会がある。とはいえ、それとて見た数はしれている。交尾が目的ならば、あまりに効率が悪すぎるではないか。この♂の占有行動には別な意味があるんじゃないかと勘ぐりたくもなる。
いや待てよ、♀は飛んでくるワケではなくて、最初からそこにいて隠れているだけなのかもしれない。そこに後から♂が飛んできて縄張り争いが始まり、そして交尾は占有活動がおさまった後、夕方遅くや日没後、もしくは早朝に行われるのかもしれない。しかし、そんなこと聞いたためしが無いなあ…。
蝶って、謎だらけだ。だからこそ面白いんだけどね。

イラついて朽木を蹴ったら、
ぬわっ( ̄□ ̄;)❗❗
蠍(サソリ)が出てきた。

サソリモドキ❗❓
毒あんのかな❓
いっちょまえに尻を挙げて威嚇なんぞしくさってからに…(^_^;)
畜生、どいつもこいつも馬鹿にしやがって( ノД`)

午後4時。諦めて半ベソで知名瀬に行ったが、全く姿なし。本当に有名ポイントなのかよ(# ̄З ̄)ぶきゅー。
4時半には見切りをつけて、朝仁に移動。こうなりゃ、もうヤケクソだ。

テリトリーを張るギリギリの時間である5時の10分前に着いた。
一応、♂がいた。確認の為だけだから無視して煙草を吸っていたら、ふと目の前を見ると大きな梔子(クチナシ)の木があるではないか。
目視で見ていくと、実に穴も穿いている。イワカワシジミがいるかもしれない。期待を込めて周囲を叩いてみる。

だが、いなかった。
他にもクチナシが有るかもと思い、10m程移動したら、イワカワシジミが目にも止まらないスピードでテリトリーを張っていた。笑けるスピードだ。

惨めさも相俟って、とてつもなく腹が立ってきた。
(#`皿´)アホンだらがぁー❗❗❗❗❗
怒りの一撃で、一発で空中撃破。

だが、完品には程遠い。
溜飲が治まったわけではないが、チヨットだけホッとした。

辺りが夕闇に包まれようとしていた。
気分は難民。船に乗れないボートピープル。

                  つづく

 
(subject)

【サソリモドキ】
多分、サソリの親戚。サソリと全く同じ形だが、所詮ライダーマンみたいなもんで、ホンマもんではないモドキ風情だ。外部は本家みたいに固くない(と思う。触ってないから分からない。誰が、んなもん触るちゅーうんじゃい(‘ε’*)!)。
とにかく中途半端でやわい存在。
毒も子供騙しの筈だったような気がする。
まあ、でも実物を見たときはかなり驚いた。猿飛佐助ばりに飛び退いたね。モドキとはいえ、見た目はかなり邪悪なのだ。

(補足)
サソリモドキに関して何となく出鱈目くさい事を書いていそうである。
文章は翌日とかのほぼライブ配信で奄美大島から送っていたんだけど、サソリモドキの事なんぞ調べようがなかった。この時はスマホではなかったので、その場で検索とかできなかったのだ。
というワケで、調べなおす事にした。

Wikipediaによると、サソリモドキはクモ綱サソリモドキ目に属し、サソリとクモの中間的な特徴を有しているようだ。もちろん肉食性でコオロギやバッタ、時にはミミズなども捕食するらしい。
意外な事に外皮は丈夫で堅いという。サソリみたいに毒腺は無いようだが、尻の付け根の肛門腺から酢酸、カプリル酸の混合物の酸っぱい液を噴射する。英名のビネガロン(怪獣みたいな名前やなあ…)はそこからきているらしい。つまり、ビネガー(酢)って事ね。
これには強い刺激があり、皮膚に触れたり目に入ると火傷様の皮膚炎や角膜炎を起こすことがある。
(@_@;)おいおい、子供騙しではないシッカリとした毒あるやんかあー。触らんかって良かったあー。
とはゆうもののそんなに攻撃的な奴ではないらしい。刺激しないかぎり、自分から積極的に攻撃してはこない模様。また、普段は石の下などに隠れていて、人間の目に触れる機会は滅多になく、被害例も少ないみたい。

因みにサソリモドキは世界三大奇虫に数えられている。
あとの二つは何だっけ❓一つは確かウデムシだよなあ…。あと一つは思い出せない。まあ、何れにせよ全員エイリアンみたいなオドロオドロしい奴らで、あまりお会いしたくないよね。遭遇したら、間違いなく髪の毛逆立つね。

さらに調べていくと、結構記事がある。
日本には九州南部から沖縄本島に棲むアマミサソリモドキと石垣島や西表島など八重山諸島に棲むタイワンサソリモドキの二種類がいるらしい。
しかし、見た目は殆んど変わらんとの事。

(タイワンサソリモドキ)
(出典『Monsters Pro Shop 奇蟲・サソリモドキの味』)


奇蟲・サソリモドキの味

この人、豪の者で何と思いつきで食べはった。
毒を噴射させきって天ぷらにすると、海老のヒゲとか尾っぽの味がして結構美味いらしい。
何にしても凄い人だよね。この人、あの猛毒ハブクラゲを食うのに挑戦したりと、他の記事も面白い。

飼育している人も案外いるのには驚いた。
見ようによってはクワガタに見えなくもない。視点を変えれば、カッコイイと思う人がいてもオカシクはないだろう。自分は何があっても絶対飼いませんけどね。

【イワカワシジミ♂】
何とも言えない淡いグリーンがいい。
長く優美な尾状突起も相俟って、美しい意匠です。
イワカワシジミ、( ☆∀☆)好きです。

イワカワシジミは、八重山採集行二回目の春編・与那国島で主役の一つとして登場します(このブログに記事は無いです)。

奄美の春型が、白い部分が多くて一番美しいとされているけど、秋のものでも充分美しい。写メは裏だが、表も美しい。♂は黒に青、♀は黒に白の紋が入ります。

『西へ西へ、南へ南へ』19 さらば、奄美

蝶に魅せられた旅人アーカイブス
2012-08-31 00:22:19

 

       ー捕虫網の円光ー
      『西へ西へ、南へ南へ』

     (第十五番札所・さらば、奄美)

 
2011年 9月21日

語るにたりない。
語りたくもない。
だが、語らねばならない。

樹間に涌く、無量の感に涙しぼり
地に満つる落葉や雑草にも
無情の声を呑み
天かける白雲に
よしや、骨肉ここに枯れ果つるとも
9月の太陽は燦として
今、天上にある
されば、膝を曲げ、頭を垂れて
奮然、五体の祈りをこめよう
五臓六腑の矢を放とう

(奄美出身・泉芳朗の詩より抜粋、一部改変。)

寒くて、目が覚めた。
昨日の夕方から急激に気温が下がった。暑くて眠れなかったのが嘘のようだ。
いよいよ奄美にも本格的な秋が訪れたみたいだ。

午前7時。最期の仕度をする。
アカボシゴマダラの♀の完品を何としてでも採りたい。いや、採らねばならぬ。

迷ったが、今日も根瀬部に行こう。
上手くいって昼過ぎ迄にカタがつけば、他の場所に転戦するつもりだ。

数えてみれば、奄美にもう12日間もいる。大阪を出て、いつの間にか2週間を越えてしまった。

8時半に小宿の柑橘畑に着いた。
例によって、畑の持ち主のオバアに挨拶して中に入る。

(-“”-;)おらん…。樹液にも来てない。

知名瀬をチラッと経由して、根瀬部へ。
ここでも畑仕事中のおじー、おばーに挨拶する。
奄美の人達は、みな親切だ。

此処が一番早い時間帯から翔んでいると読んだが、矢張り朝昼は翔ばんのか…。

仕方なしに、採るのを半ば無視しがちだったツマベニチョウ(註1)やナガサキアゲハ(註2)、ウスキシロチョウ等をクールにシバき捲る。
昨日は二日酔いのせいでスランプがちだった。ゆえに慎重になりすぎたきらいがある。だから今日は何も考えずに見たら即ネットを振ることにした。
大体、迷うと外す確率が高い。だが、迷わずに済む相手はつまらない。あれほど憧れたツマベニチョウも今や百発百中だ。それはそれで半分悲しいのだが…。

午後1時。待望のアカボシゴマダラの♀が現れた。
木立を抜けて、川の対岸の枝先に止まった。
デカい。明らかに♂よりデカい。しかも、多分完品。
慎重に網を延ばしたが、半分も距離を詰められずに感づかれて翔んでいってしまった。
30分後、近くのエノキの上を滑空しているのを発見。しかし、微妙に届かない。
何だか腹が立ってきたので、♂は全部空中でバスバス、シバいてやった。

夕方4時。最大のチャンスが訪れた。
広場にスウーッと♀が降りてきた。
だが、目の前に停まっていた軽トラが邪魔で躊躇してしまい、結局一度もネットを振らずに終わってしまった。
振らないと入らない。採れるわけがない。
外す事を恐れてただ慎重になっても意味がない。木偶(でく)の坊だ。軽トラをブッ叩いてでもダメ元で振るべきだったのだ。そんな簡単な事も解ってない己の愚かさに反吐が出る。

イワカワシジミも網に入ったのに枝にぶつけてネットがひっくり返り、
(;_;)/~~~バイバーイ。

惨敗。見た蝶で採れなかったのは久し振りだ。心がポッキリ折れて修復できない。
五臓六腑の矢を放つことさえ出来なかった…。

ここは谷状地なので、4時半には日が陰ってしまい、ジ・エンド。

風が冷たい。
秋風が沁みる。

又、奄美に来いとゆうことなのか…。
確かに奄美は、良いところなんだけどね…(ノ_・,)

そして、今日も脇田丸へ。
少し漁があったみたいで、鰹とシビ(キハダマグロ)の良いのが入ったらしく、それを刺身で貰う。

(鰹の刺身(390円))

普段食っている鰹の概念が打ち砕かれた。脂は乗っていないのだが、もちもちの食感で酸味と旨味が渾然一体となっていつまでも口に残るのだ。まるで別物、違う魚みたいだ。

(シビの刺身(390円))

こちらは鰹に比べあっさりしているが、奥にまた違った旨味があって中々のもの。マヨネーズ醤油も合う。

そして、外せないハリセン(アバス)。
実物を見せてもらったが、こっちのは巨大である(あとでよくよく考えたのだが、多分ハリセンボンではなく、ケショウフグかモヨウフグではないだろうか?)。

飲んでいるうちに、段々帰りたくなくなってきた。このまま帰るのも悔しい。
思いつめ始める。
真剣に残る事を考えた。3分の2くらい残る方に傾きかけた。
だが、天気予報を確認して諦めた。
明日の天気は決して良くない。

今日の支払いは、1370円。

大阪行きの船が着港するのは、午前3時半。
もう、11時半だ。そろそろ帰ろう。

この時間だと帰って用意して、眠らずに港に行った方がいいかもしれない。
みんなに別れを告げた。

さらば、奄美。
良い島だったよ。

                           つづく

(subject)
蝶の画像は原文では写メだったんだけど、今回は割愛しました。なぜなら、この時に撮った画像が無くて、他の産地の写真を使ったからです。でも、ツマベニチョウなんかは亜種だし、ナガサキアゲハも多分どこか(海外?)の比較的白い個体の画像を使ってしまったと思う。理由は、その頃に配信していた人たちは蝶屋ではなく、一般の人たちだったから、まあだいたいどんな蝶だか解ってもらえればいいやと思っていたのです。とはいえ、標本は何処かにあるのだが探し出すのが億劫なので、図鑑から失敬させてもらいまする。

【ツマベニチョウ】
(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

所謂(いわゆる)、スター蝶の一つ。
南国の女王と言えば、この褄紅蝶である(因みに沖縄本島編で出てくるのは、南海の女王です)。
九州南部から沖縄にかけて分布し、日本のシロチョウ科の中では一番大きくて華やか。
翔ぶスピードも直線的で速く、力強い。ゆえに一般的にハイビスカスなどの花に来た時くらいにしか採るチャンスはない(今回は、結構空中戦でシバいたけど)。
そして、そのハイビスカスに最も似あう蝶でもある。
ツマベニチョウは、初期の八重山編に出てきます。彼女のエピソードはそちらに詳しく書いております、多分。(因みに、この八重山編は店のお客さんに配信されていたもので、このブログには掲載されておりませぬ)。

奄美大島・沖縄本島のものは、前翅の湾曲が強く、♂の橙赤部分が第8室にまで及ぶことにより、それぞれg.liukiuensis、g.conspergataとされてる。
けど、差は軽微だし、個人的には別に亜種にする程の事でもないような気がするんだけどなあ…。

【ナガサキアゲハ(長崎揚羽)♀】
(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

こっちの♀は沖縄本島と並んで特別に白く、飛んでいる姿はまるで優雅な貴婦人のようだ。
小さい頃は関西では迷蝶で滅多に見る事は出来なかったが、地球温暖化?で分布を拡げており、最近は関東地方くらい迄到達してるんじゃなかろうか?

一応、本土のものも図示しておこう。

(出典『日本産蝶類標準』)

見た目はかなり違うが、亜種区分は特にされておらず、日本産亜種(Papilio memnon thunbergii)として一本化されている。
因みに西表島産のモノが最も白いのだが、絶滅して久しい。

(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

そういえば、標本の展示即売会で120万円で売りに出されているのを見た事があったなあ…。

【ウスキシロチョウ】
(出典『日本産蝶類標準図鑑』)

日本では南西諸島に広く分布し、本土でも迷蝶として採集される事、しばしばである(特に九州)。
しかし、食樹(ナンバンサイカチ、ハネセンナなど)が無い事から定着はしないようだ(気候的に育たない)。しかし、園芸種ゴールデン・シャワー(オシッコの事ではないからねー。ナンバンサイカチの英名です)が改良されて寒さに強いものが生まれれば、わからない。綺麗な花だから人気が出るに違いない。

(2015年 タイ・チェンマイ)

そうなると、あっという間に日本全国に拡がり、ウスキシロチョウも土着するかもしれない。でも、ウスキシロチョウなんか増えても蝶屋でさえ喜ばないかもしれない。沖縄方面に行けば普通種だし、さしてキレイではないからだ。

【鰹の刺身】
鰹は近海ではあまり獲れないから、輸送の段階でどうしても味が落ちてしまうんだろうと思う。
高知や和歌山の周参見なんかの現地で食べる鰹が旨いのは、比較的近海で獲れるからなのかもしれない。

【シビの刺身】
板前の竹さんにはキハダマグロの別名だと言われたが、シビマグロのこと。味も見た目もキハダマグロとは明らかに違っていたから間違いないだろう。
シビは紫尾の意だと思う。多分、尻尾が特徴的なんだろね。あと、確かマグロそのものをシビと呼ぶ地方があったような気がする。間違えてたら御免なさい。

気になるし、調べてみた。
(@_@;)あちゃー、調べれば調べるほどワケワカンナクなってきた。
取り敢えずシビマグロという種類の魚はいなくて、マグロの地方名、もしくはマグロの若魚なんかをそう呼ぶらしい。しかし、クロマグロの若魚とする記述もあるし、キハダマグロ、ビンナガマグロの若魚とするという説もある。
(# ̄З ̄)何なんだよ、それ。納得いかねえよ。気になって、今晩眠れないじゃないか。
意地になって更に調べると、鹿児島ではキハダマグロやビンナガマグロの若魚をそう呼ぶようだ。
まあ、この見た目と味の記憶からすると、多分ビンナガ(備長)だったと思うんだけどね。因みに、備長を音読みしてビンチョウマグロと呼ぶ所も多いようだ。
魚の地方名ってあり過ぎてワケわかんねえよなー。時々、統一したらどうだと思うのだが、チヌがクロダイになったら、それはそれでまたさみしい。まあ、地方名を無くしたら、何だか味気なくてツマンナイかもしれない。このままでいいやと思う。何でもかんでも統一するのが良いというワケでもあるまい。効率だけが全てではないのだ。