深夜にキンキの刺身

 
箕面公園に春の三大蛾(註1)を探しに行ったおり、偶然カッちゃんに会った。
で、車で送ってもらう事になったのだが、あの男のオネエ言葉が伝染(うつ)ってワケわかんない変なノリになってまっただすよ。
そのせいなのか、ナゼか超怖がりやの二人が心霊スポットでもある妙見山の山頂に行くことになってしまった。もう或る意味ムチャクチャで、それはそれで面白かったのだが、二人の名誉を傷つけることになりかねないので今回は内容を割愛させて戴く。

で、結局大阪まで戻ってきたら、丑三つ刻の午前2時半になってまっただ。別れた後、ついその足で24時間営業のスーパーに寄ってみた。したら、高級魚キンキの刺身だけが唯一ポツンと売れ残っていた。
その売れ残り方が何だか不自然だった。そのスペースには刺身だけでなく切身とかも含めて他に一切の魚が無かったのだ。違和感を抱きつつ視線をもう一度キンキの刺身パックを戻したら、あれ⁉️と思った。位置がさっきと少し変わっているような気がしたのだ。目の錯覚か?…。まさかキンキの刺身が自らの意志で動くことなどあるまいて…(-_-;)

ここから「深夜に禁忌の刺身」と云う、深夜に絶対に食べてはいけない世にもオゾましい刺身の奇妙奇天烈な話が始まると思ったアナタ。

 
(ㆁωㆁ)ウソでぇーす❗

  
(≧▽≦)ハハハ、タイトルだけ見て今回は『深夜に禁忌の刺身』と云うホラーとか怪奇モノの話だと想像した人はゴメンナサイなのだ。但し、動いたと云うのだけが嘘で、他は一切ウソを吐(つ)いてはいない。時間も売れ残っている様も本当の事だった。

スマン、スマン。ここからマジメに本編を書きます。

そのキンキの刺身、しかも値段は340円と激安価格に値下げされていた。何故にキミのような器量良しが売れ残るのだ❓
たぶん一般ピーポーの大半は、この魚の美味さを知らないのであろう。高級魚で値段が高いと云うのもあろうが、思うに世の中、保守的な人が多いんだろね。そういえば、或る居酒屋の店主も言ってたなあ。耳馴れない名前の魚は、皆さんあまり注文しないって。どんな魚なのか尋ねる人さえ殆んどいないそうだ。
きっと、たのんで失敗するのがイヤなんだろね。
キミたちには好奇心とかチャレンジ精神と云うものが無いのかね❓ツマンナイ奴らだ。
とは言っても、無知で好奇心もチャレンジ精神もない人ばかりな御陰で、こうして旨い魚が安く手に入るのだから文句は言えまい。お願いだから、アンタたちゃ一生チマチマとそうしてなさい。

早速、皿に盛り付ける。

キンメダイと同じく、赤くて目が大きい。そして眼が澄んでいて、性格良さそうだ。キンメとキンキは魚業界では1、2位を争う正直者の良い奴に違いない。もし魚に生まれ変わったとしたら、キンキくんとキンメくんとは仲良くなりたいね。楽しいフイッシュ・ライフを送れそうだ。

因みに、世の中にはキンキとキンメダイを混同している人や同類と思ってる人が結構多いらしい。だが、2つは分類学的には仲間ではない。両者ともども深海魚ではあるが、キンキはカサゴ目カサゴ亜目フサカサゴ科(あるいはメバル科)に属するが、キンメダイはキンメダイ目キンメダイ科に属する。科レベルならまだしも「目(もく)」まで違うとあらば、相当縁戚関係は遠い。完全なる他人の空似だ。

 

 
先ずは塩とレモンとで食す。
噛んでるうちに奥から甘みと旨みが溢れ出してくる。

お次は醤油で。
コレはコレで醤油の旨みが加わって旨い。

しかしながら、魚体が小さいので期待を上回るものではなかった。キンキはデカイ方が断然旨いのである。

おっと、大事なことを書き忘れておった。
キンキと呼んでるけど、正式名称はキチジ(喜知次、吉次、黄血魚)です。
コレは漁獲高の多い北海道でキンキの名で広く流通しているからだろう。それが全国に伝播したと云うワケやね。謂わば、ノドグロと同じパターンだ。ノドグロも正式名称はアカムツなんだけど、漁獲高のある島根県とか北陸ではノドグロと呼ぶから、ソチラの方が有名になった。

キンキでちょっと驚いのは、その分布。駿河湾以北からオホーツク海、ベーリング海に見られ、日本海側には分布しないんだそうな。これは意外だった。ナゼに日本海にはいないんだろね❓ 蝶や蛾の話じゃないから、理由は掘り下げないけどさ。一般ピーポーにアホと思われるのは構わないが、虫屋にアホと思われるのは許せないのだ。

主に深海200~500mに生息し、そこで海老類を中心にエサを食ってはるそうだ。魚体が赤いのは、この海老に含まれるアスタキサンチンという色素によるものである。天然の真鯛が赤いのも海老を食ってるからだと言われちょります。海老を食ってる魚介類は美味いのだ。納得だよ。

旬は秋から冬とされるが、夏場に食っても遜色はさほど感じない。つまりは通年に渡って美味なる魚だと言えよう。

捨てるのも勿体ないので、頭は火を入れることにした。
煮付けにするか、酒蒸しにするか迷ったが、煮付けを選択。

 

 
甘ったるくはしたくなかったので、砂糖は入れずに出汁と酒のみで上品に仕上げて、木の芽を飾って完成。

w(°o°)wハッ❗
一口食って、今更ながらに思い出す。
キンキは刺し身よか、火を入れた方が圧倒的に美味い❗❗
脂は乗っているのだが、マグロの脂のようにベタベタといつまでも口に残らなくて、スッと消える。しつこくないのだ。謂わば、キレのいい上品な脂なのだ。刺し身なんぞで喜んでた己の愚かさに臍(ほぞ)を噛む。
返す返すもキンしゃぶ、すなわちキンキしゃぶしゃぶにすべきであった。深夜にて、脳ミソが回っていなかったとはいえ、断腸の思いだ。

ふと思う。
それにしても、深夜にこんな事でブツブツ言ってるワシって、何なんだ❓どうみても変人だな…。何だか自分でも笑えてきたよ。
たぶん、変な人カッちゃんのせいだ。
そうゆうことにしておこう。

                        おしまい

 
追伸
とはいえ、カッちゃんのお陰で、安くキンメが食えたのだ。変態さんに感謝なのだ。

この文章は、ちょっと前にバアーッと一気に書いたもので、記事をアップするのを忘れてた。日付を確認すると、4月4日になっていた。
世間のコロナ騒動振りに、何となくお蔵入りにしようかと思ったが、せっかく書いたことだしアップすることにした。

 
(註1)春の三大蛾
オオシモフリスズメ、エゾヨツメ、イボタガのこと。
拙ブログに『2017年 春の三大蛾祭』と『2018年 春の三大蛾祭』と題したシリーズ連載文があります。宜しければソチラも読んで下され。そっちはホンマのホラー仕立てになっておりまする。特に2017年版の方ね。

 
【オオシモフリスズメ】

(2018.4月 兵庫県宝塚市武田尾)

 
もう形からして禍々しい。オマケにデカイわ、脚に鋭い棘と云う凶器を持ち合わせている。尻を持ち上げる威嚇姿もオドロオドロしい。しかも鳴きよる。でも、慣れたらあまりにも邪悪を具現化しているのに鈍臭いので、段々可愛くなってくる。

 
【エゾヨツメ】

(2018.4月 大阪府箕面市)

 
春の蛾のマドンナだろう。
フォルムも優美だが、何といっても深淵のブルーアイズが美しい。

 
【イボタガ】

(2018.4月 兵庫県宝塚市武田尾)

 
その唯一無二の洒落たデザインには感服する。自然の造形物の中で、これほど洗練されたものはそうはないだろう。

 

 

日本の美しい蛾

 
岸田先生の『世界の美しい蛾』には、日本の美しい蛾も紹介されている。

 

 
数えると、偶産も含めて23種類もあった。
意外とオラ、知らないうちに結構採ってるぞ。

 
【エゾヨツメ Aglia japonica ♂】
(2018.4.5 兵庫県 武田尾)

 
年に1回、春先に現れる夜のスプリングエフェメラルだ。青い瞳のような紋が美しい。

 
(2019.4月 大阪府箕面公園)

 
画像は去年のものだが、初めて出会ったのは2017年の春だった。初の灯火採集に連れていってもらった時の事だ。
その辺のくだりは、『春の三大蛾祭』と題して当ブログに二年連続で書いているので、是非読んで戴きたい。特に2017年版がお薦めです。蛾の話だけど、闇について語ったホラーな物語で、自分的には好きな文章だ。

 
【ヨナグニサン♀ Attacus atlas】
(2010.10.22 沖縄県 与那国島)

 

 
沖縄県の天然記念物である。
二度目の与那国島に行った時にいた。いたというか道の真ん中に落ちてた。林道の小道をレンタルバイクで走ってたら、転がっていたのだ。
WAO(゜ロ゜;ノ)ノ❗、思わず急ブレーキをかけたよ。
で、ギリギリ停まった。危うく天然記念物を轢き殺すところじゃったよ。
バイクを脇に停めて近づき、Σ( ̄ロ ̄lll)ギョッとする。そのあまりのデカさに、その場で固まった。

軽く小枝で突っつくと生きてた。そのままにしておくと車に轢かれそうなので、避難させることにした。
で、掴んだらモノごっつデカかったので、ちょっと感動して撮ったのが上の写真である。

 

 
道路脇のシダに止まらせて、再度パチリ。
いやはや、こうして改めて見ると笑けるほどデカイよねー。いや、一人だったけど実際声に出して笑った記憶有りだ。デカイしデブだから多分♀だったんだろなあ。
そういうワケで展翅写真は無い。勿論、標本も無い。持って帰ってたら犯罪者なのだ。だいち持ち帰るにしても三角紙には到底入りきらない。そこまでデカイ三角紙は市販されとらんのじゃ。だから三角紙を収める三角ケースにも入らん。収納不可だ。また、代用になる紙をそんな都合よく持ち合わせているワケもない。たとえ採集禁止じゃなくとも持って帰らなかったと思う。蛾だしさ。

知ってる事はこれくらいで、考えてみればヨナグニサンの事はそんなに詳しいワケじゃない。本来は蝶屋で、蛾屋じゃないからね。一応ググッとこっと。

『鱗翅目ヤママユガ科に分類されるガの一種。前翅長は130~140mmほどで日本最大、昆虫の中で翅の面積が最大のガとして知られているが、近年の研究によりオセアニアに分布するヘラクレスサン(Coscinocera hercules)に次ぐ2位の大きさであることが明らかとなった。』

ほおーっ、もっとデカイのがいるのね。知らなかったよ。
そういえば、ヨナグニサンってゴジラ怪獣のモスラのモデルと言われてるんだよね。

 
(出展『M-ARTS』)

 
モデルと言われてるわりにはヨナグニサンとあまり似てない。翅の柄なんて、かなり違う。たぶん大きさ由来だけなんじゃねえの?

モスラって、ダサいからあんまり好きじゃない。バトラの方がカッコイイ。バトラとは、モスラの対となる破壊神のことね。

 
(出展『魂ウェブ』)

 
黒くて邪悪な感じがいい。
自分で言うのも何だが、邪悪な感じがするものには心惹かれがちなとこあるんだよねぇ~。

『与那国島で初めて発見されたことから「ヨナグニサン」という和名が付けられた。
日本の沖縄県八重山諸島(石垣島、西表島及び与那国島)のものは、亜種ryukyuensisとされ、漢字では「与那国蚕」と書く。ヤママユガ科の蛾は、漢字にするとクスサン(楠蚕)、シンジュサン(新樹蚕)など大体この「蚕」の字が宛がわれる。
与那国島の方言では「アヤミハビル」と呼ばれる。 「アヤミ」とは「模様のある」。「ハビル」とは「蝶」を意味する。』

蝶じゃないけどさ。

『学名のAttacus atlasは、その体が巨大であることから。ギリシア神話の巨人アトラースに起因する。
また英名 atlas moth(アトラスガ)も同じ理由からの命名。中国では「皇帝の様な蛾」を意味する「皇蛾(拼音:huáng’é)」と呼ばれている。
インドから東南アジア、中国、台湾、日本にかけて幅広く分布し、いくつかの亜種に分けられている。日本のものは分布の北限にあたる。日本国外の亜種は日本産と比べて羽の三角模様が少し小さいという特徴を持つ。フィリピン産のカエサルサン、ニューギニアやオーストラリア北部のヘラクレスサンはヨナグニサンよりはるかに大型の別種である。
口器(口吻)は退化して失われているため、羽化後は一切食事を取れない。幼虫の頃に蓄えた養分で生きるため、成虫寿命は長くても1週間ほどと短い。
成虫の前翅先端部には、蛇の頭のような模様が発達し、これを相手に見せて威嚇すると言われているが、定かではない。灯火によく飛来する。』

纏めると、こんなところかな。
この蛇の頭に擬態していると云うのは昔からよく言われているが、大いに疑問だ。たぶんそれを証明した者は誰もいないだろう。個人的見解では、あんなもんが威嚇になるとは思えない。鳥の目は無茶苦茶いいから、この程度では騙されんじゃろう。コレは最初に言い出した人のコジツケだろうと思う。でも、そうゆう風に想像することじたいは悪くないと思うけどね。発想が豊かで想像力が逞しい方が面白いじゃないか。時に、それが正しいことだってあるだろう。クソ真面目を否定するつもりはないが、クソ真面目ばっかだと、ツマラン。

あっ、幼虫の餌を書くのを忘れてた。
『森林域に生息し、幼虫はアカギやモクタチバナ、フカノキ、カンコノキ類、トベラ、ショウベンノキなどを食草とする。』

やっぱ蛾って、何でも食うんだな。蝶と比べて蛾の方が食樹や食草の領域が広い傾向が強い。蛾の進化したものが蝶だと云う説を聞いたことがあるけど、こういう食の嗜好性が広いモノの方が進化してると言えまいか❓蝶好きは蛾嫌いの人が多いから、蝶の方が優れていると思いたいんだろね。

『年に3回(4月、7月下旬~8月上旬、10月中旬頃)発生する。卵の期間は11から12日、幼虫期は摂氏20度で57日、25度で43日、30度で46日、蛹は24度で28日、30度で46日。熱帯産にもかかわらず、高温だと成長が遅い。2齢までの幼虫は2から5頭の群れを作る。』

へぇ~、年三回も発生するんだ。日本のヤママユガ科の多くは年1化のものが多く、一部が年2化だから、意外だった。まあ、南方系だから、そうなるか。だいたい南の暖かい場所の昆虫は多化性になるのだ。

参考だが、ネットの「みんなで作る日本産蛾類図鑑」のヨナグニサンの項に興味深い記述があった。

繭の写真について述べられたものだ。
『写真は与那国島のもので、中はすでに空。繭にヨナグニサンの脱出坑が無いので、コロギスに寄生された疑いが濃厚。コロギスは繭に卵を産みつけ、初齢で繭に潜り込み、ヨナグニサンの蛹を食し成虫に至る。食糧が無くなると、適当に繭を食い破り、脱出するらしい。』

コロギスってバッタ、いやさキリギリスの仲間だろ❓
そんなもんが寄生するなんて、俄には信じがたい。だとしたら、無茶苦茶に面白い。でもググっても他に関連した記事は見つけられなかった。

 
【オキナワルリチラシ Eterusia aedea】
(2010.5.27 沖縄県 与那国島)

 
与那国島に蝶採りに行った時に結構飛んでた。
綺麗だなと思いつつも蛾だからずっと無視してた。蝶好きだからといって、綺麗でも蛾はダメなのだ。

コレって、そういえば大人になって初めて採った蛾だ。でも、あまりにも綺麗なので、つい採ってしまった。
けど、採っても恐くて三角紙に翅をたたまずに放り込んで厳重に何重にも包んだ。もしも這い出してきたら、発狂すると思ったのだ。してからに、宿の冷凍庫に放り込んでもらい、完全にブッ殺したのだった。

 
(出展『yohbo.main.jp』)

 
これも綺麗だけど、岸田先生の本には凄いのが載ってるので、ソチラも添付しておこう。

 

 
配色が素晴らしい上に、メタリック。仰け反る美しさだ。

オキナワルリチラシといえば、昼間に飛んでることくらいで、詳しいことは殆んど知らない。
んなワケで、Wikipediaで調べてみた。

『スリランカ、インド、ネパール、ミャンマー、タイ、中国、台湾にかけてのアジア一帯と、日本では琉球列島から本州中部まで広く分布しており、名にオキナワとあるが南西諸島特産種ではない。ただし、南西諸島産のものは多くの亜種に細分される。また本州のうち温暖でない地域では個体数が極めて少ないため、自治体によっては絶滅危惧種としてレッドリストに掲載しているところもある。
成虫は開翅長30-35mm ほどの小さなガであるが、名にあるとおり前後翅、頭胸部及び脚に見る方向によって緑から瑠璃色に変化する金属光沢を有し、日本産のガとしてはサツマニシキと並ぶ美しいガである。ただし、体のどの部位にどのくらいの金属光沢が出るかは亜種により異なり、八重山産種は前後翅のほぼ全部が光り輝くが、本州に産する亜種は地味な赤褐色にしかならない。
オス、メスともに櫛型の触角を有する。オスの触角の櫛歯はメスよりはるかに長く、先端が扁平となり広がる。
幼虫は、ヒサカキやツバキなどを食草とする。人の手で捕えるなど、体表に何か触れると外敵から身を守るため青酸系の毒物を含んだ液体を出す習性がある。 成虫は、チョウのように昼間飛ぶことが多い。また、捕まえると胸部から青酸系の毒物を含んだ白い泡のような液体を出す習性がある。』

久米島亜種 Eterusia aedea azumai Owada, 2001
徳之島亜種 Eterusia aedea hamajii Owada, 2001
中之島亜種 Eterusia aedea masatakasatoi Owada, 2001
屋久島種子島亜種 Eterusia aedea micromaculata Inoue, 1982
八重山亜種 Eterusia aedea okinawana Matsumura, 1931
沖縄本島亜種 Eterusia aedea sakaguchii Matsumura, 1931
本土亜種 Eterusia aedea sugitanii Matsumura, 1927
奄美亜種 Eterusia aedea tomokunii Owada, 1989

ものすごく亜種があるんだね。海外にも亜種が沢山いるみたいだけど、面倒なので端折(はしょ)る。

 
【サツマニシキ Erasmia pulchella】
(出展『おきなわカエル商会』)

 
(出展 岸田泰則『世界の美しい蛾』)

 
美しくもあるが、毒々しくもある。
元々は蛾嫌いだから、偏見なんだけどもね。
でも捕まえると、コヤツも体から青酸の泡を噴き出しよるから、やっばおぞましいわい。

和名は漢字で書くと『薩摩錦』。どなたが名付けられたか知らないが、優美な名前でセンスあると思う。

コヤツもオキルリと同じく昼行性の蛾で、目にする機会は、そこそこある。だから、採ったことは日本でも海外でも何度かある。けれど、画像が一つもないので、図鑑からパクらせて戴いた。展翅もしていないから、そっちの方の画像もないのだ。
採ったものは全てどなたかに御進呈申しあげた。

ついでに岸田先生の解説文も、そのまま使わせて戴こう。

『数多くの個体変異や地理的変異が見られる。例えば後翅の白色部が拡大したものや、まったく失ったものなど様々である。幼虫は双子植物の「ヤマモガシ」を食す。生息域はインド、中国南部、インドシナ半島、台湾、日本などのアジア各地で、いくつかの亜種が認定されている。日本では近畿地方以西の暖地に生息。南西諸島のものは特に美しい色が特徴だ。』

多分、日本には本土亜種と屋久島亜種、南西諸島亜種に分けられてたんじゃないかな。海外の亜種はもう面倒臭いので割愛させて戴きやす。

 
【キオビエダシャク Milionia basalis】
(2017.6.台湾 南投県埔里)

 
台湾で採ったものだ。町中の花が咲いてる木に沢山集まってた。台湾2度目の来訪の初日だったんだけど天気が悪くて、つい採ってしまった。
メタリックで美しいとは思いつつも、蛾アレルギーなので、背中がゾワゾワで採ってた。

シャクガ科の蛾で、イヌマキの害虫として知られる。
成虫は濃い紺色に黄色の帯があり、それが名前の由来だろう。日本では南西諸島に多い蛾で、近年は九州で定着、生息域を拡大させている。おそらく地球温暖化の影響だろう。あとは南九州地方では旧武家屋敷などに生垣としてイヌマキが植えられていることが多く、それも関係しているのかもしれない。

因みに、日本では採ったことがない。
あれ❓展翅した覚えがないなあ…。
(;・∀・)あっ、展翅してないわ。多分、冷凍庫で眠ってるな。

 
【イボタガ Brahmaea japonica】
(2018.4.5 兵庫県 武田尾)

 
エゾヨツメと同じ日に採ったものだ。
運が良ければ、春の三大蛾のエゾヨツメとイボタガ、オオシモフリスズメが同時に採れる。

 
(2018.4月 大阪府箕面公園)

 
中でも、このイボタガが飛んで来るとテンションが上がる。
鱗翅類で唯一無二のスタイリッシュなデザインでカッコイイ。モノトーンの美しさの極みだろう。
岸田先生も、「国鳥」や「国蝶」があるように、もしも「国蛾」を制定するならば、このイボタガが一番の候補だろうとおっしゃっておられる。

分布は北海道・本州・四国・九州・屋久島。
日本の固有種だが、近縁なものが世界に15種類ほどいるようだ。

幼虫の食樹は、イボタノキ、モクセイ、トネリコ、ネズミモチ。近年は各地で生息数を減らしているようだ。

展翅は、まだ蛾の展翅に慣れていなかったので上翅が上がり過ぎてる。今年はもっと完璧な展翅をしてやろっと。

せっかくだから、春の三大蛾のもう1つも紹介しておくか。

 
【オオシモフリスズメ Langia zenzeroides】(2018.4.5 兵庫県 武田尾)

美しいと云うか、禍々(まがまが)しくてカッコイイ。悪の魅力に満ち満ちているのだ。

最初に見たときは、ステルス戦闘機かと思ったのを、よく憶えているよ。
デカイし、迫力も半端ない。翅はギザギザで鋭利な刃物のようだし、鈍色のネズミ色も強者の雰囲気を醸し出しておる。触角も悪魔的だ。脚は太く、クワガタムシ並みに強力で、手から剥がす時は痛い。オマケに鋭い棘があって、最初は咬まれたかと思って、メッチャびっくりした。
それに、尻を上げ、気持ちの悪い形になって威嚇しよる。

 

 

 
こんな奴、普通は気持ち悪くて触れんやろ。

頭の方に⚡雷的というか、ソリコミというか、ヤバイ系の柄まである。

 
(以上3点共 画像提供 森博司氏)

 
掴むとキューキュー鳴くしね。悪魔の落とし子かよ。
何か全てが規格外と言えよう。最初は度肝抜かれたけど、慣れたら可愛いんだけどね。

この蛾も春先の3月から4月だけに現れるものだ。
分布は本州・四国・九州・対馬。西日本に多く、中部地方から東ではあまり見られない。
幼虫の食樹はサクラ類である。

イボタガとオオシモフリスズメの事も『春の三大蛾祭り』に書いてあるので、読んでね。っていうか、コッチが主役なんだけどもね。

思った以上に長くなったので、今回はここまでにしておこう。但し、続けるかどうか気分です。

                    おしまい

 

2018′ 春の三大蛾祭

 

そろそろ春の三大蛾の季節である。
その前に去年のおさらいをしておこう。
とはいえ、2017年にこの三大蛾については4回にわたる渾身の文章を書いた(註1)。ゆえに今回はサラッといかさせて戴きやす。

去年の記録を紐解くと、計4回出動していた。
1回目は、今日と同じ日付の4月1日にライトトラップに行っている。この日は選抜高校野球の準々決勝を観に行ってて、第4試合の途中でアホの植村に迎えに来てもらい、兵庫県の武田尾方面に行った。

 

 
強力な水銀灯を植村が用意してくれた。
植村くん、あんたはエライ偉い❗

それにしても、蛾を採りたいが為に人里離れた山の中でこんな事してるって、普通の人から見れば、狂気の沙汰だよな。自分がそんな人になるとは思いもよらなかったよ。人生、何があるかわからない。

 
【オオシモフリスズメ♂】

 
デカい。日本最大のスズメガだ。
そして、悪魔的な出で立ちである。
そのバケモン振りに、初対面は畏怖したね。

 

 
でも今や、可愛いとさえ思える。
もふもふだし、ほよ(;・ω・)顔なのである。
おまけにチューチューと鳴くから笑える。
だからと言って、不用意に触ってはなりませぬぞ。
毒があるというワケではないが、脚に鋭いトゲがあるのだ。
そんなことは知らなかったから、掴んだら手に鋭い痛みが走った時は、(|| ゜Д゜)ウワッ❗、コイツ噛みよった━━━❗❗とマジでビビった。

 

 
この日は5、6頭は飛んできたんじゃないかな?
でも、全て♂だった。
実を言うと♀の標本は一つも無い。採ったことは一度だけあるけど、羽が欠けていたのでリリースしたのだ。だから、♀が欲しいのである。

エゾヨツメも飛んできた。
しかし、画像は無い。植村が三大蛾をどれも採ったことがないから譲ったのだ。それに計3つほど飛んできたかと思うが、これも全部♂だった。それも写真を撮らなかった理由だろう。
と云うワケで、2017年の画像を使おうと思ったが、コレまた画像が無い。仕方がないので、裏面と標本写真のみ添付しておきます。

 
【エゾヨツメ♂】

 
青い瞳のエリスちゃんだ(笑)
コバルトブルーが美しい。
腕が白いのも、お嬢の長袖の手袋みたいで可愛い。

実を言うとエゾヨツメの♀も採ったことが無い。
コチラは見たことすらない。だから、何とか♀をゲットするのがこの年の目標だった。

結局、イボタガは一つも飛んで来なかった。
春の三大蛾の中ではイボタガが一番遅れて出てくるのではないかと思う。しかし、場所にも拠るだろうし、あくまでも私見ですので、あまり鵜呑みにはなさらぬように。

  
2回目もライトトラップで、3日後の4月4日だった。
この日も選抜高校野球の決勝戦を観に行ったあとだね。とはいえ、試合終了後から日没まではだいぶ時間があったので一旦家に帰った。で、一眠りして晩飯を食い終わった頃に植村に迎えに来てもらった。場所は同じく武田尾方面である。
今、思い起こすと、植村はイボタガが採れなかったので執念を燃やしていたのだろう。虫屋の鏡である。そうでなくっちゃ、良い虫は採れない。たかが虫捕りだが、根性は必要不可欠な要素なのだ。

 

 
この日はオオシモフリが、ジャンジャン飛んできた。
15頭前後は飛んできたかと思う。でも、又しても全て♂だった。
植村は前年と比べて格段に虫捕りが上手くなっていた。何よりも反応が早い。彼の方が飛んで来た蛾を見つけるのが一瞬だけ早いのだ。この能力に関しては、自分は殆んど人に負けることは無いのだが、この日はやられっぱなしだった。まあ、オイラはどう云うワケか夜目が効かないと云うのはある。夜の運転時などは、遠近感があやふやになるのだ。それに♀以外は興味が無かったというのもある。でも、それを差し引いても彼のポテンシャルは高いと思う。まあ、アホだけど。

待望のイボタガも飛んで来た。

 
【イボタガ♂】

 
計3つか4つ飛んできたかな。
解せないのは、3日前に一つも飛んで来なかったにも拘わらず、完品は一つしか採れなかったことだ。他は羽がやや擦れていたり、切れてたりしていたのだ。
と云うことは、3日前には既に発生していた可能性が高い。じゃあ、何で3日前は飛んでこなかったの❓
虫の考えてることは、よくワカランよ。

一方、エゾヨツメは一つしか飛んで来なかった。
コレまた、どう解釈すればいいのかワカラン。

因みに、イボタガの♀は既に採っていて、完品の標本もある。でも、イボタちゃんは沢山ほしい。三大蛾の中では、コヤツが一番カッコイイと思うからだ。似たような柄の蝶や蛾はいないんじゃないかな。それくらいに個性的でモダンなデザインに牽かれる。

 
3回目は生駒の枚岡公園に外灯回りに一人で出掛けた。日付は4月11日。ターゲットは勿論オオシモフリスズメとエゾヨツメの♀である。
しかし、外灯は殆んどLEDに換わっており、何も飛来しないという惨憺たる状態だった。
唯一、エゾヨツメらしきものが飛んでいるのを豊浦橋で見つけた。しかも♀っぽかった。しかし、まさかそんな高い所を飛ぶものとは思いもしなかったので、長竿を持ってきていなかった。ライトトラップに飛んでくる蛾を見て、奴らは低い所を飛ぶものとばかり思い込んでいたのだ。けれど冷静に考えてみれば、昆虫は光に向かって飛んでくるのである。徐々に引き寄せられて来るから、たとえ高い所を飛んでいるものでも、近づくにつれて自然と高度は下がってゆくのが道理だ。そこに思い至らなかったアタイは、おバカちゃんである。

そやつは暫く飛んだあと、やがて橋の袂にあるナラガシワの樹の梢に止まった。7、8mはあったかと思う。50センチにも満たないお散歩ネットでは届くワケがないので、その辺に転がっていた倒木の端くれを投げたら見事💥命中❗
元、高校球児を(#`皿´)ナメんなよである。
しかし、羽があるものが落下するワケもなく、驚いて飛び立ち、全速力で闇の奥へと消えて行った。

 

 
肩を落としての帰り道。大阪平野の夜景が、ただただ美しかったのを憶えている。

 
4回目は、翌4月12日。
悔しくてリベンジしたろと思ったのである。しかし、もう一度生駒に出掛けるほどアホではない。水銀灯や蛍光灯も無いのにリベンジも何もあったものではない。昨日、出会えたのは単なる偶然にすぎないと考えるのが妥当だろう。橋の袂で煌々と光を放っていた外灯は、LEDなのである。そいつに寄ってきた可能性は皆無に等しい。偶々(たまたま)、そこを通過する時に出くわしただけだろう。
そういうワケで、まだ水銀灯がまだ残っている箕面の滝へと出掛けた。
ここは水銀灯がそこそこあって、トイレも蛍光灯だから期待が少しは持てる。しかし、飛んで来る蛾の個体数は決して多くはない。

 

 
この日もロクなものは飛んで来ず、唯一持ち帰ったのは10時半に飛んできたイボタガの♀だけだった。

 
【イボタガ♀】

 
それでもイボタガは三大蛾の中で一番好きなので、少しは溜飲が下がった。

この年は、結局エゾヨツメの♀もオオシモフリスズメの♀も会うことさえ出来なかった。今年こそ、シバく所存だ。今週辺り、そろそろ動き出そうかと思う。
誰か、ライトトラップに連れていってくれよー(ToT)

 
                 おしまい

 
追伸
サクッと終わらせる予定だったが、思いの外に長くなってしまった。

因みに、この時の選抜高校野球の記事もあります。
興味がおありの方は、本ブログの野球のカテゴリーの欄から探してみて下さい。

それはそうと、オオシモフリスズメとエゾヨツメの展翅は、ちょっと上翅を上げ過ぎたかなあ…。蛾の展翅は、お手本があまりないから自己流過ぎたかもしれない。今年は、もう少し下げてみよっかな。

(註1)渾身の文章を書いた
『春の三大蛾祭』と題して、当ブログで4回に分けて連載した。
各タイトルは以下の通りである。

第1話「青天の霹靂編」
第2話「悪鬼暗躍編」
第3話「闇の絵巻編」
最終話「魑魅魍魎編」

第1話のみリンク先を貼っておきます。

青天の霹靂編

他は下の関連記事の欄から記事に飛べます。
 

2017′ 春の三大蛾祭り 其の四 魑魅魍魎篇

 
長らく間があいたが、いよいよ最終回である。
でも、書きあぐねていたワケではなく、単に書く気が起こらなかっただけ。だから、別に練りあげた文章でも何でもないです。期待されても、その辺は無理。
えーと、今度こそ魑魅魍魎どもが登場するので、閲覧注意ですぞ😁

と、ここまで書いて、さらに1週間が経ってしまった。なので、今回は親切にも前回までのあらすじ付きなのじゃ(ヒマな人は過去3話を読み返しましょう)。
それでは、蛾嫌いでも読める手に汗にぎるノンフィクションホラーの始まり始まりぃ~\(^-^)/

 
【前回までのあらすじ】
2017年 4月上旬。ひょんなことからヒロユキは或る秘密結社の夜会に同行することとなった。その夜会とは、プロチームによるライトトラップを使った泣く子も黙るおぞましき蛾採集であった。
ヒロユキにとっては初のライトトラップにして、初の本格的蛾採集である。元来、ヒロユキは大の蛾嫌い。しかもターゲットは春の三大蛾と言われるエゾヨツメ、イボタガ、オオシモフリスズメという身の毛もよだつ凶悪な面々なのであった。
暗雲垂れ込める不気味な空。春まだき、寂たる白骨の森。とある山奥へと車はゆっくりと進んでゆく。
未知との遭遇への畏れ。武者震い。不安をかき消さんがための饒舌と過度の飲酒etc…。
やがて漆黒の闇が訪れる。戦々恐々とした中、碧い眼の妖蛾、エゾヨツメが現れる。酒の力を借りて、悪霊を退治するヒロユキ。しかし、梟男爵と闇の帝王は、いっこうにその邪悪なる姿を現さない。
真夜中、焦燥に駆られたヒロユキは、そこでついに決断した。遠く離れた巨匠のライトトラップへと一人で向かうことにしたのだ。暗黒世界に跳梁跋扈する魑魅魍魎の影に怯えるチキンハートのヒロユキ。恐怖と戦い、ようやく辿り着いた闇夜に浮かぶ宇宙船、光輝くライト・トラップ。だが、安堵も束の間。ついに戦慄の時を迎えるのであった…。

 
真夜中、丑三つ刻の山中を一人でうろうろしていたら、何が起こるかわからない。小心者のヒロユキは怯えた。闇の国の者どもに絡め取られるぬうちにとっとと戻ろう。

 

 
そう思って歩きだそうとした矢先だった。
ライト・トラップ右側の視界に違和感を覚えて、何気に杭の辺りに目をやった。
 
ドオ━━━ (◎-◎;) ━━━ ン❗❗

いきなりの強引なカットインで、おどろおどろしい映像が暴力的に網膜を支配してきた。
瞬時に全身がフリーズする。腰が抜けそうになった。

 

 
そこには、闇の将軍が夜陰に紛れて静止していた。
( ; ゜Д゜)何たる怪異なデザイン…。
デジタル悪魔じゃよ。
その特異な姿、間違いなく梟男爵イボタガだ。
一歩近づき、マジマジと見た。
((((;゜Д゜)))ブルッときた。背中から首筋にかけてゾクゾクしたものがギュンと走る。

さて、どうしたものか(-_-;)❓…。
アンモニア注射は持ってないし、網はベース基地に置いてきた。有るのは毒ビンだけである。
ということは、このバケモノを取り込む為には手で触らねばならない可能性が高い。
( ̄▽ ̄;)触るのか…。生来、大の蛾嫌いなオラに、こんな恐ろしげなものに触れというのか❓
碧眼魔女エゾヨツメは動き回っていたので、逃げられまいと思わず手が出た。だが、今回は違う。覇王色の覇気を放ち、静かに鎮座されておるから、畢境考えざるおえない。
時として思考は恐怖の敵だ。考えれば考える程にかえって怖さの実感がまざまざと這い上がってくるのだ。

だとしても、接触せねば採れない。
ここは男度胸。やるしかあるまいて(=`ェ´=)
武者震い。惑乱と恐怖が体を強(こわ)ばらせる。

しかれども、ビビって中途半端に触れて逃げられたら非常にマズイ。
Mさんに『いたんですけどぉー、掴もうとしたら逃げられちゃいました~\(・o・)/』などとホザいたところで、到底信じてはくれまい。現物が無ければ、嘘つき言いワケ野郎と云うレッテルを貼られるに決まっているのである。何があっても、根性なしの汚名を着させられるのだけは御免蒙りたい。

おもむろにスマホを取り出す。
取り敢えずは、保険として証拠写真を撮っておこうと云うワケである。イガちゃん、カシコイ。

2、3枚撮ったところで、Σ(゜Д゜)ドワッ❗❗

大きく羽を広げおった❗

 

 
闇の将軍、お怒りである。
それって、威嚇っすか❗❓
むぅ~( ̄▽ ̄;)…、目玉模様が怖い。
あながちフクロウの顔に擬態していると云うのも嘘じゃないかもしれぬ。

ブルン、ブンブンブン…。

ブルン、ブンブンブン……。

 

 
ヒッ❗❗(゜ロ゜ノ)ノ

思わず、後ずさりする。
男爵殿、ものすご~く御立腹の御様子である。

取り敢えず、ここは一旦離れて落ち着かせよう。
距離を置くために2、3歩下がったその時だった。少し離れた左下に禍々しいシルエットを感知した。視線はそのまま釘付けになる。

ドッ(◎-◎;)❗、

ドオッ(@_@;)❗、

ドオ━━ Σ( ̄ロ ̄lll) ━━━ ン❗❗

 

 
Σ( ̄ロ ̄lll)のわっ❗
慄然。マックス震撼する。

(@_@;)あわわわわ…。いつの間に❗
そこには、闇の帝王が仁王立ちするかの如く傲然と静止していた。紛れもないオオシモフリスズメだ。
きゃん玉がキュッと縮みあがる。

( ; ゜Д゜)デ、デカイ…。
形も悪魔みたいである。

前門の狼、後門の虎❗
丑三つ💓ドキドキ、💓ドキッドキッ❗

いきなり魑魅魍魎に囲まれ、チビりそうになる。
(○_○)どぎゃんするとですか?
一瞬、脳死状態になる。

大きく深呼吸する。
落ち着け俺。落ち着けオレ~。

そうだ、コヤツも写真を撮っておこう。
気を取り直して、へっぴり腰で近づいてみる。

 
キャヒ ━━ Σ(T▽T;) ━━ ン❗

 
(註1)

突然、ケツをオッ立てよった❗
アナタ様も御機嫌斜めの威嚇っすか❓

それにしてもこのポーズ、パッと見は何が何ちゃら分からないムチャクチャ異形(いぎょう)なカタチだ。
気持ち悪ぅ~Σ(-∀-;)

 

 

 
(以上3点共、画像はM氏からの御提供)

 
( ; ゜Д゜)…な、何たる…。息を呑む。
羽がギザギザやんけー。見る者を充分にたじろかせる、まるで鋭利なナイフのようだ。
アナタ、モルグ街の殺人鬼ですかあー❓

脚は太くてガッシリとしており、強靭そのものだ。
その前脚でグワシと獲物をワシ掴みにして、ムシャムシャと肉を貪る残虐悪鬼さんどすか❓

体は分厚く、装甲車を思わせる。或いは屈強なる戦士の鎧か…。
( ̄∇ ̄*)ホホホホ…。あらゆるものをブチかましの粉砕ですかあー❓

フォースの暗黒面に陥りしアナキン・スカイウォーカー、頭はダースベーダーみたいだ。蛾って、蝶から暗黒面に転落した堕天使どもの成れの果てやもしれぬ…。
おまけに稲妻の如き太い線が入っておる。スーパー極悪ヤンキー兄ちゃんのパンチパーマーにソリコミじゃよ。
そこまで凄みをテッテッー的に効かせはりますかあ❓

睨みつけるような焦げ茶色の眼も凶悪そうだ。
やっぱりyouも御機嫌悪かとですか❓
(ToT)っんましぇーん。

とにかく、邪悪の極み。この世のありとあらゆる憎悪を凝縮させたような姿だ。もうモンスターとか、怪獣レベルですけん。

さてさて、問題は二大凶悪犯をどう生け捕るかだ。
一瞬、敵前逃亡が頭を過(よぎ)る。いや、敵前逃亡なんかじゃない。一旦戻って、オジサン達を呼んでくるのが得策やもしれぬ。それに、これはそもそも巨匠のトラップだ。勝手に獲物を持ち去るのは泥棒じゃないか。まずは巨匠の許可を受けるべきである。それが人の道と云うものであろう。
とか何とか考えるが、本当は言いワケである。所詮は、敵前逃亡を正当化する為の方便でしかない。どう御託を並べたところで、Mさんはこのチキンハートの敵前逃亡を見破るだろう。(ToT)くちょー、ヘタレ呼ばわりされてたまるものか!である。
それに、行って戻ってきたら姿がかき消えてましたじゃあ、後悔してもしきれない。せっかくのチャンスを自らみすみす放棄するなんざ愚か者の極みだ。
やるっきゃない(*`Д´)ノ!!!

とはいえ、毒ビンは一つ。
どうみても、デカい蛾が二つも入りそうにない。
どちらも怖いが、より怖いのは帝王オオシモフリスズメの方だ。胴体も太いから、蝶みたいに指で圧死させる事は到底不可能に思える。
それに、もし無理に試みて、

シモフリ、ブチッと押したら、白いの出た。

になったら、どーすると云うのだ。
想像して、((((;゜Д゜)))オゾ気づいた。
そりゃ、阿鼻叫喚のスプラッター地獄絵図じゃよ。
18禁どころか、永遠の発禁モノじゃわい。
ならば、毒ビンにオオシモフリを放り込み、イボタガを指で圧死させる選択しかあるまい。
でも、イボタガだって蝶と比ぶればどの蝶よりも胴体は太いぞー(;o;)

ふぅ~(* ̄◇)=3
もう一回深呼吸。
先ずはイボタガから片付けよう。
丑三つ刻の悪夢を一刻も早く終わらせて、無事帰還せねばならない。地球へ戻ろう、宇宙飛行士ヒロユキくん。

丑三つ💓ドキドキ、💓ドキッドキッ❗

この期に及んで、またしても駄洒落を言うとる場合かっ!?

 
衝撃の展開に、酔いは完全に醒めている。

ドルルルルルゥー、グガガガガガー。

突然、発電機のけたたましい騒音が耳に甦ってきた。
それで、冷静さをいくらか取り戻した。
心頭滅却。考えてはいけない。感情を殺せ。
すうーっと手を伸ばし、フクロウ男爵を掴んだと同時に胴体をブチッと力を込めて押した。そして、マッハで三角紙に放り込む。心の動きを一切おし殺した、流れるような一連の動きである。
ワタシはレイケツニンゲン、ワタシは冷血人間。

勢いそのままに闇の帝王に挑みかかる。
毒ビンのフタをあけて近寄り、電光石火で掴む。
考えていた以上にデカイ❗、重い❗と思った瞬間、

Σ(T▽T;)痛って━━━ ❗

コ、コヤツ…、咬みよったあー❗❗

思わず、手を振り離してしまう。
怪物は狂ったように円を描いて飛んだ。
ヤッベー( ̄□||||!!と思ったが、金縛りにあったようにその場で固まる。
しかし、バケモノはバタバタとよろけるように飛んで横の白布に止まった。

 

  
吸血鬼❓エイリアン❓プレデター❓
何なんだ、アンタ❓
咬むって、そんな蛾がこの世にいるのかよ?(註2)
吸血蛾❓( ̄O ̄)嘘でしょ❗❓
二流怪奇映画とかで血を吸う蛾を見た記憶があるような気がするけど(註3)、アレってフィクションじゃなかったのー❓そこまでオオシモフリって、邪悪凶暴なの❓
(-_-;)まさかである。見てくれはいくら強面(こわもて)で恐ろしくとも、本当は意外と善良なヤツなんじゃねえのと思っていたが、とんでもない。見たまんまじゃねえか。

パニックになりかけるが、ここで戦陣を引いては沽券にかかわる。もうヤケクソ、アドレナリン大量放出。思いきって再度つかみにかかる。
いやいや、待て、待て。待てーい。すんでのところで手が止まった。指先に、さっきの鋭い痛みの感覚がまだ残っている。慌てて掴んだら、また同じ轍を踏むことになる。ここは再度冷静になろう。
そうだ。毒ビンを上から頭にズッポリかぶせ、⚡電光石火でもう片方の手で一挙にケツをグイと押し込む作戦でいこう。そいでもって、すかさず蓋を閉める。これなら、最小限の接触でスムーズにミッションを完遂できる筈だ。

 
意を決して、

ズバババババアーン❗❗

頭から覆せた。

三( ゜∀゜)ひっ、

ひいーっΣ(T▽T;)❗

ゴツい脚がガッツリと布に喰い込んどるぅー❗

えーい(*`Д´)ノ、こうなったらヤケクソじゃあー!

手で掴み、無理矢理に引き剥がす。
そして、毒ビンに頭を突っ込む。

ギヤッΣ(゜Д゜)!、

暴れて入らんo(T□T)o❗❗

パニ ━━ ック\(◎o◎)/❗❗❗

※▼☆§¢%◆β!Σ(×_×;)❗
激しい抵抗にあい、中々押し込めなーい(T_T)
デカ過ぎるんじゃ、(# ̄З ̄)ボケ~。

だりゃあーΣ( ̄皿 ̄;;、コンニャロ❗、コンニャロ❗、コンニャロ❗おどれ、魂(たま)取っちゃるけん❗

渾身の力で、強引にブチ込んだった。

 

 
はあー( -。-) =3、はあー( -。-) =3
m(。≧Д≦。)mぜぇー、m(。≧Д≦。)mぜぇー。
肩で息をする。
やってやったぜ、オカーチャン。
急に力が抜けて、その場にへなへなとへたり込む。
だが直ぐには恐怖と興奮はおさまらない。アドレナリンだだ漏れのまんまだ。全身がまだ緊張で強ばっている。指も小刻みに震えている。

しかし、本能が此処にとどまっていてはならぬと頭の後で警鐘を鳴らしている。そうなのだ。いつ闇の住人たちが、この心の隙間を狙って雪崩れこんで来るやもしれぬ。油断してたら、フォースの暗黒面に引き摺り込まれかねない。一刻も早くこの場所を離脱すべきだ。

全方位に警戒しながら、足早に坂道を下りる。
しかし、周囲の闇は深い。道を照らす懐中電灯の灯りは心もとなく、さしてスピードは上げられない。
心はざわついている。早く戻りたい。でも周囲にも警戒を怠ってはならぬ。それに、怪物たちがいつ甦生するとも限らないのだ。ここで暴れられたら、😱大絶叫するだろう。

10分後。ようやく坂の下にベース基地が見えてきた。
翼よ、あれが巴里の灯だ。

Mさんは、まだ起きていた。
興奮して、事の顛末を喋りまくる。
Mさんは笑いながら『ほーかぁー。良かったのぉー。』と言ってくれた。だが、こちらの興奮は伝播しない。
『よっしゃー、出動じゃーい(*`Д´)ノ!!!』とか雄叫びをあげるかと思いきや、余裕のよっちゃん。
『まあ、座って酒でも飲みいーや。』なのである。

30分後。
Mさんはようやく腰を上げ、巨匠を起こしにいかれる。
目をこすり、眠たげに起きてきた巨匠にダイジェストで顛末を語り、勝手に採集した非を侘びる。
巨匠は軽く『ええでぇー。かめへん、かめへん。』とおっしやった。人物がおおらかでデカいのだ。
しかし、その巨匠にも興奮は伝播しない。やはり、余裕のよっちゃんなのだ。すぐ見に行こうと云った雰囲気は全然ない。
その余裕、アンタら、魔道士かっ!?

 
一行が漸くライト・トラップに向けて出発したのは、その20分後である。

車で乗り付ける。

((((;゜Д゜)))シェーッ❗❗
どえりゃー事になっとるだがやー。

 

 
魑魅魍魎、真夜中の魔王祭りである。
しっかし、ワカランものよのう。Mさんからはオオシモフリは夜10時くらいから飛んで来ると聞いていたけど、全然飛んで来ずで、今はもう午前1時半前だもんなあ…。たぶん様々な細かい条件が重なりあって、今日は午前0時からの飛来開始になったのだろう。蝶と比べて活動時間の幅がかなり流動的だ。蛾の気持ちは、よーワカラン。

Mさんが『コイツ、鳴きよるねんでぇー。』と言って、掴んだオオシモフリを耳元に持ってきた。

『🎵チュー、チュー。』

Σ(゜Д゜)わっ!、ホンマに鳴いてる。
鳴くって、アンタ哺乳類かよ❗❓
見てくれといい、脚のゴツさといい、どこまで規格外なんじゃよ。何だか笑けてくる。ちよっと愛着が出てきたかもしんない。
と思ってたら、Mさん、必殺アンモニア注射をブチューと刺す。

 

 
鳴き声も聞こえなくなった。
哀れ、あえなく絶命じゃよ。
魔道士にかかれば、蛮王もイチコロである。
マッドサイエンティスト、恐るべし。

   

 
いやはや、それにしてもデカイよ。
でも、これはオス。メスはさらにデカくてブッといらしい。これよかデカくて太いって…、どないやねん!?恐ろし過ぎやろ。
(因みにこの日飛んで来たのは、全部♂だった。しかも、出たてらしい完品揃い。となると、♀の発生はもう少し後。う~ん、♀も見てみたかった。
それから、この日2017年の4月7日は寒い日が続いた後で、発生が例年より1週間ほど遅れていたそうな。蝶と違って蛾は発生期間が短い種が多く、且つ天候条件がシビアだから採集日和を当てるのは結構難しいようだ。同じ鱗翅類でも、蝶とはだいぶと勝手が違うんだね。)

 
Mさんから、王の遺骸をおし戴く。

  

 
昇天した帝王を膝に乗せる。
本当はこんな色なのだ。緑色に写っているのは水銀灯のせい。光の波長が違うのだろう。蛾は紫外線が好きなのだ。だから、蛍光灯なんかにも寄ってくる。でも最近は外灯のLED化が進んで、蛾も寄って来なくなったらしい。LEDからは紫外線が殆んど出ないらしいのだ。
蛾マニアには受難の時代だが、蛾たちにとっては喜ばしいことだろう。外灯なんかに寄ってきたら、車に踏んづけられたり、コウモリや猫の餌になったりして、ロクなことがないのである。

 
1頭だけだが、イボタガもいた。

 

 
掴もうとしたら、飛んで膝の上に止まりはった。

お目々、( ☆∀☆)ピッカー✴

怖い、怖い。
そして、またしてもブルン、ブンブンブンじゃ。
オオシモフリはボテーッとしてて、あまり羽ばたかないが、イボタさんはアクティブなのだ。

 
その後もオオシモフリはジャンジャン飛んで来た。
しかし、体が重いのか灯りに辿り着けずに、地面にボタボタ落ちている。
時々、誰かが気づかずに踏んづける。でも、誰も悔しがらない。それだけ飛来数が多いからなのだよ、オトーサン。

光と影のコントラストをぼんやりと眺めながら思う。
初のライト・トラップにして初の蛾採集は、どうやら成功裡に終わりそうだなあ…。
オラって実力は無いけど、引きだけは強いのだ。
春の三大蛾、一発で全部採れちゃったなあ…。
蛾好きのバカ植村だって、まだ一つも採ったことがないって言ってたもんね。あとで死ぬほど自慢してやろう。
Ψ( ̄∇ ̄)Ψケケケケ…、オイラは性格が悪いのだ(笑)

 
へい、らっしゃーい❗
オオシモフリの姿造り二丁❗❗

 

 
プロのお二人の手に、オオシモフリてんこ盛り。
凄い光景だ。蛾嫌いの女子なんぞが見たら、絶叫、発狂、失禁、卒倒しかねない。
でも、あまりのおぞましさに笑ってしまう。恐怖もマックスの線を越えてしまえば、ギャグになってしまうのである。
正確には数えていないが、踏んづけたものも含めて少なくとも30頭くらいは飛んで来たんじゃないかと思う。
プロのお二方は飄々としたものだったが、僕ちゃんだけが終始ワーキャー言っていた。蛾は怖いが面白い。

 
飛来がパタリと止まったので、ベース基地に帰還。
酒を飲みながら、ウダウダ話す(プロのお二方は車の運転があるので、コーヒーを飲んでおられた)。

やがて、うっすらと空が白み始めた。
あと少しすれば、闇の世界は閉じるだろう。都会に住む殆んどの人は、本当の夜の闇というものがどんなものなのかを知らないと思う。夜といっても、現代ではどこを見ても某(なにがし)かの灯りはあるのである。
本当の闇は距離感さえも失わせる漆黒なのだ。だから、昔の人は闇を恐れたのである。その恐怖が生み出した想像の産物が、魑魅魍魎であり、妖怪、幽霊なのだ。

妄想。惑乱。焦燥。驚愕。興奮。そして、恐怖と歓喜。いやはや、濃密な時間じゃった。
男は大きく欠伸をして、両腕を上げて背伸びするように体を反らせた。
たまたま、それが天を仰ぐかたちになった。
空のわずかな隙間に、微かに星が瞬いていた。

                 おしまい

 
 
一応、今回は登場しなかったエゾヨツメの画像と本文未使用の写真、標本写真なども並べておきます。
それから、各種の蛾の解説は第1話にあるので割愛させて戴きやす。

 
【Aglia japonica エゾヨツメ♂】

 
【エゾヨツメ裏面】

 
【標本写真】

 

 

 
考えてみれば、これが人生初の蛾の展翅じゃないか。
翅は蝶とそれほど差はないからまだいいとしても、問題は触角だよね。こんな羊歯(シダ)型の触角をした蝶はいないのだ。どうやって整形すれば良いのかワカラン。
それに、だいたいこういうヤママユ系蛾の触角って、裏表の色や構造が微妙に違ったりするのだ。
しかし、触角が基本的には立った状態なので、そもそもがどっちが表で、どっちが裏なのかさえもワカランとですよ。
それはそうと、これって裏表は合ってんのかなあ?

 
(;・ω・)もふぅ~。

 
(出展『www.jpmoth.org』)

 
エゾヨツメ、かわゆすなあ~。
もふもふなのら~。
ヤママユガ科の蛾は脚までもふもふで、全体的にもこもこしててカワユイのだ。
脚の毛だけが白いので、何だか昔流行った女子高生のルーズソックスみたいだね。キュート❗
触角もぴょーんとなってて、ウサちゃんみたい。世には意外と隠れ蛾好き女子がいると聞くが、こういうところに萌え~なのかもしんないね。

 
続いてフクロウ男爵のお出ましどすえ。

 
【Brahmaea japonica イボタガ】

 
それにしても、凄いデザインだよね。アートしてる。
この蛾に似ている蛾も蝶もいないから、唯一無二のデザインと言ってもいいかもしんない。
しかも、よく見たら厳密的にはシンメトリーではない。左右の翅の柄が微妙に違うのだ。特に目玉模様の中の斑紋が顕著に違うらしく、一つとして同じ柄は無いようだ。

 
【イボタガ裏面】

 
裏も、中々にスタイリッシュだ。
この蛾はモノトーンの蝶蛾の畢粋でしょう。
こういう柄の着物があったら、買う人は絶対いるだろね。でも着る人を選ぶ柄かもしれない。若い娘じゃダメ。年増のええ女じゃないと着こなせないでしょう。

 
【標本写真♂】

 
【標本写真♀】

 
採った時は翅の柄に目を奪われて気づかなかったが、背中は虎柄なんだね。スタイリッシュにして、攻撃的デザインなのだ。( ☆∀☆)カッケー❗

メスはオスよりも一回り以上大きく、翅形が全体的に丸くなる傾向があるようだ。

最近の蛾展翅のトレンドは前脚を前に出すのが流行りらしいので、やってみた。
触角は捻れてて整形が大変だし、前脚までもとなると、正直メンドクセー(=`ェ´=)

 
(;・ω・)もふぅ~。

 

 

 
もふもふではあるが、細面でちよっとキツい目だ。
何だか意地悪女みたい。顔に邪悪感ありである。
( ̄へ ̄ )むぅ…。見方によっては、よく西洋で描かれる悪魔に似てるかも。西洋の悪魔は、頭が山羊(ヤギ)なのだ。
しかれども、この写真では今イチ邪悪度が足りない。
もっと悪辣非道キャラらしい画像を何処ぞでお借りしてこよう。

  
(出展『蛾色灯』)

 
間違いなく魔界より出(いで)し邪悪なる者だ。
こんな顔だと、あのスタイリッシュとか言ってた翅の柄も、何だか魔界の魔方陣に見えてくるよ。
蛾って、現世と魔界を往復せしめる存在なのかもしれない。

そういえばイボタガの幼虫って、成虫なんて目じゃないくらいにムチャクチャ邪悪な姿なんだよねー。
この世の者とは思えないような気持ち悪さなのだ。アレは写真を見ただけで、2m後ろに幽体離脱したね。

Ψ( ̄∇ ̄)Ψ出すぞ、Ψ( ̄∇ ̄)Ψ出すぞー。
画像、出しちゃうぞーΨ( ̄∇ ̄)Ψ
そりゃそりゃ、閲覧注意の最悪印の登場じゃわい。皆の衆、逃げ遅れんなよー。

 
(出展『フォト蔵』)

 
OLYMPUS DIGITAL CAMERA/caption

 
( ̄□||||❗❗キッショ❗
何度見ても💫めまいがする。
(|| ゜Д゜)何なんだ、そのムチのような突起物は❓
これを振りかざして、鳥の眼を潰します(=`ェ´=)❗
と言いたいところだが、それは無いだろう。たぶん威嚇のためのものだね。こんなもん、人ならずとも鳥だって会った瞬間には激引きだろう。たぶん世の中には、生き物全員が本能的に忌避する形や色の配色と云うものがあるのだ。
因みに終齡幼虫になると、このムチは無くなるらしい。
無くなったところで、気持ちが悪いのは何ら変わらないけどね(笑)

 
最後はビビビのネズミ男。もとい、闇の帝王である。

 
【Langia zenzeroides オオシモフリスズメ♂】

 
【オオシモフリスズメ裏面】

 
いかにも蛾らしく太い胴体だすなあ~。
この胴体の太いところが、蛾が気持ち悪がられる要因の一つだよね。
でも何だか見慣れてきちやって、それほど怖くなくなってきた。

 
(;・ω・)もふぅ~。

 

 
(;・ω・)もふぅ~。

 

 
(;・ω・)もふぅ~。

 

 
凶悪な顔とか言っちゃったけど、よく見ると案外可愛らしい。
手脚も短めに見えて、ちょっと萌え系かもしんない。
毛並みの感じなんかテディベアに見えてきたよ(笑)
おいおい、大丈夫か俺❓

 
【標本写真】

 
地味な色だが、よく見るとベタなグレーではない。
細かな柄が入っており、渋い。どこか大島紬(註4)のいぶし銀の魅力に通ずるところがある。

重ねて言うが、蛾の展翅なんて今回が初めてだからバランスがよくワカンナイ。図鑑は持ってないし、ネットでも参考になる資料が少ないのだ。ましてや、スズメガみたいなこんな翅形の蝶はいないから、翅の上げ下げのバランスが今イチわからん。
触角はエゾヨツメやイボタガに比べて単純な構造だから楽だけど、その角度に悩む。まあ、取り敢えずの一発目は無難な線で攻めてみた。

翅の上下、上翅と下翅の間隔の開け方、触角の角度、その組み合わせetc…。次からは色々と試してみよう。

で、今度は触角を上げて、下翅を下げてみる。

 

 
放射能により巨大化したクリオネだな。
絶対、人に危害を加えるタイプだ。
一応言っとくけど、クリオネさんはケッコー獰猛な奴です。

 
逆に次は触角を下げてみた。

 

 
これはこれでカッコイイと思う。
必ずしも触角と翅を平行にしなくても良さそうだ。

 
お次は触角をさらにグンと上げて、先っぽを真っ直ぐにしてみた。

 

 
ちよっと👿悪魔的じゃね?
ならばと、最後は思いきし翅を上げてみた。

 

 
q(^-^q)おー、邪悪感満載じゃよ。
蛾マニアからは上げ過ぎだと叱られるだろうが、こっちの方が断然👿悪魔的でカッケーと思うんだけどなあ。
まあ、所詮はオラは蝶が専門で、蛾は初心者なのである。批判されても全然痛くも痒くもないのだ。

 
(追伸)
書いてるうちにどんどん長くなってしまったニャア。
2018年版の『2018′ 春の三大蛾 ~悪魔が来たりてチューと鳴く~』を書こうと思って、この2017年版を書き始めたんだけど、もうお腹いっぱいだすよ。完全に書く気が萎えました。書くとしてもレポート程度になりそう。こういうのを世間では本末転倒という(笑)

 
(註1)画像はMさんから提供して戴いた。ケツを上げて威嚇してきたので、その瞬間に頭が真っ白になって写真を撮り忘れたんである。

 
(註2)咬むって、そんな蛾がこの世にいるのか?
(註3)二流怪奇映画、吸血蛾
相前後するが、まとめて説明します。

結論から言うと、オオシモフリは吸血蛾なんぞではござんせん。
もし、あんなもんが襲って来たら、人類の脅威だもんね。春先に好んで野山に訪れる人はあまりいないと思う。少なくとも夜には誰も出掛けたがらないだろう。

『皆様、今年もオオシモフリの季節がやって来ました。山間部に住まわれる方は、くれぐれも御注意ください。』

などと、必ずやニュースで流される筈だ。んな事は聞いた事が無いから、吸血蛾であるワケがないのであ~る。

検分してみたが、口には強力な顎や牙などは有しておらず、ストロー状のものがあるだけである(もふぅ~の拡大画像を見てくだされば確認できるかと思う)。つまり、蝶の口と同じなのだ。
しっかし、オオシモフリって何食ってんのかねー?
けど、花の蜜や樹液に来るとか聞いた事が無いんだよなあ。単に調べ足りないだけなのかなあ?
しかし、蛾には口が退化したものも多いというし(無駄を省いて交尾さえ出来ればいいと云う生存手段)、口吻の形は残っていてもエサは一切とらない連中もいると小耳に挟んだことがある。オオシモフリもそのクチなのかもしれない。
ならば、原因は何だったのかと云うと、コレ。

 

 
何と脚に鋭利なトゲがあるのだ。ちゃんと見てないが、前脚にはたぶん無くて、中脚と後脚にだけある。中でも後脚には大小3本もあって、中脚にあるものよりも硬くて長い。やっぱバケモノだよ。

調べてみたら、吸血蛾の映画はやはりありました。
タイトルはそのものズバリの『吸血蛾』。

 
(出展『さくらいこうすけ いにしえの川』)

 
1956年公開と云う古い映画だ。主演は池部良。
全然もってまだ産まれていないので、たぶんTVの再放送なんかで見たんだろうけど、記憶は覚束ない。

因みに、DVDも発売されているようだ。

 
(出展『Amazon』)

 
何と原作はあの横溝正史である。横溝さんは若い頃にあらかた読んでいるから、たぶん原作も中学生くらいの時に読んでいるのではないかと思う。
金田一耕助は出てきたっけ?全然記憶にないや。

怪奇推理小説の方の画像もありました。

 
(出展『Amazon』)

 
この表紙、見覚えありますねー。
これは確実に読んでるなあ。でも、やはりストーリーは全く思い出せない。
調べてみっか…。

(゜ロ゜)あらまっ、金田一耕助は出てくるけど、吸血蛾そのものは出てこない。吸血蛾はあくまでも暗喩なのだ。
だったら、吸血蛾そのものが出てくる映画とかドラマって、いったい何だったんだろ?
まっ、いっか…。それほど知りたいワケじゃないしさ。

 
この時点では、まだ現実には吸血蛾なんてこの世にいないと思っていた。
しかし、これが驚いた事に本当にいるんである。
ロシアのシベリア地方に棲む蛾で、2008年に発見されたらしい。この蛾はヨーロッパ中央部から南ヨーロッパに分布する「Calyptra thalictri」という蛾の亜種なんだそうな。両者は見てくれもほとんど同じだという。だが、ヨーロッパにいる奴は果物の汁を餌としており、血は吸わないとの事。シベリアの過酷な環境が、加速度的に進化を促したのかもしれない。
それにしても、蚊じゃなくて蛾だぜー。そう大きくはない蛾だろうが、蚊よりも遥かに大きい筈だ。となると、当然ながらそこそこの量の血を吸われるワケだよね❓
ロシア人って、そんなもんに喰いつかれても気づかんのかね?
何れにせよ、シベリア地方に行かれる予定の方は、お気をつけあそあせ。

 
(註4)大島紬(おおしまつむぎ)
奄美大島で作られる泥染めの高級紬のこと。ただし、高級着物ではあるがカジュアル(訪問着)なものとされ、フォーマルな席には着て行ってはいけない事になっている。

 

2017′ 春の三大蛾祭り 其の弐(悪鬼暗躍編)

 
前回「青天の霹靂編」の続きである。
今回も先に警告しておきますね。たぶんオモロい回になるとは思うけど、💀閲覧注意です。

蝶だけではなく蛾にも詳しいMさんに拠ると、3月の末から4月上旬が春の三大蛾の採集適期だという。
しかし、今年(2017年)は寒い日が続き、ギフチョウの発生も遅れている。ギフチョウしかり、天候が安定しないこの時期の動植物の見頃を読むのは難しい。
拠って、4月上旬から半ばにかけての様子をみて、天候次第で日を決めようということになった。

因みに、天候といっても蝶採りのように晴天がグッドウェザーではない。むしろ反対の天気である。曇り、もっといえば雨上がりとか霧雨のようなコンディションが、蛾の灯火採集には最高のシチュエーションらしいのだ。
これは蛾に限らず走光性のあるカブトムシとかクワガタとかもそうで、光に向かって飛ぶ習性がある者は、月が出ていると人工の光には集まりにくいようなのだ。たぶん月光に負けてしまうからだろう。つまり晴れていても、新月のような月の無い夜には灯火効果があるとされている。
霧や霧雨の場合は、スモーク効果で光の帯がハッキリと見える。そうなると、他に光源が無ければ虫たちは光の束に向かって一直線に飛んでゆくというワケなのだ。但し、気温が低いと飛ばないとの事。
蝶とは全く違う道理に戸惑うが、愉しい。実をいうと、自分は蛾の採集も灯火採集も初めてなのだ。
未知なるものには、いつもo(^o^)oワクワクする。

 
4月7日。
いよいよ初陣の日がやってきた。
午後3時頃にMさんが車で迎えに来てくださった。
一路、兵庫県宝塚市の某所へと向かう。

今回は、Mさんと同じく標本商を生業(なりわい)とする巨匠Mさんも参加されると聞かされる。
伝説的な人で、虫を捕らしたら天才とも言われている方だ。心強い。虫捕りの天才ならば、経験とセンスは抜群じゃろう。ならば、いくらなんでもボウズは無かろうて。
しかし、相手は自然だし、生き物だ。絶対は無い。
やや不安がもたげるが、まあ、何とかなるっしょ。
ならなくとも、どうせワシはそもそも蛾屋ではない。れっきとした蝶屋なのだ。たとえ結果がダメだったとしても痛くも痒くもない。そう自らに言い聞かせる。

車内では、エロ話の花が咲く。
虫屋には珍しくMさんも若い頃からチ○ポの先が乾くことかなかったというタイプだ。武勇伝をたくさん聞かせて戴く。Mさんは、周囲に犬と呼ばれたくらいの男なのだ。爆笑エピソードてんこ盛りなのである。
なぜか虫好きはエロ話をしないが、Mさんとワテは結構したりする。
何で虫屋はエロ話をしたがらないのだろうか?
二人して理由を考えてみたが、今イチ明快な答えは見つけられなかった。誰か良い解答があったら、教えてくれ。
花より団子。女より虫❓

車窓の外を流れる風景は寒々しい。
木々の芽吹きにはまだ早く、白骨化したようや雑木林がどこまでも連なっている。その上には、暗鬱な鉛色の空が不気味に垂れ込めていた。とても今から虫捕りに行くって云う雰囲気ではない。
でも、Mさんが『ええ感じやね。』と呟いた。
そっか…、ええ感じなんだ。プロが仰るのだから間違いない。沈みがちだった気持ちに💡ポッと灯がともる。
自分は虫捕りの実力はさしてないが、引きだけは強い。何とかなるだろう。

途中、買い物やら何やらして、午後5時過ぎ頃に現地到着。

 

 
周囲を雑木林に囲まれた窪地だ。
いよいよ、魔神たちの領域に踏み入ったというワケだ。期待と緊張でブルッとくる。

早速、ライト・トラップの用意をお手伝いする。

 

 
ぬりかべ❓いったんもめん❓(註1)
早くも魑魅魍魎の登場かあーい!と心の中でツッコミを入れる。

左は蛍光灯かな?右の青黒っぽいのはブラックライトだな。昆虫はブラックライトの光がお好きのようだ。光の波長とかが、きっと違うんだろね。
蛍光灯はそれ自体にも誘蛾効果もあるが、どちらかと云うと視認性を高める為のものだろう。ブラックライトだけでは暗くて、何が飛んできたのか今イチわからないのだ。

段々、日が暮れてきた。

 

 
ライトの色も鮮明になりつつある。

そんな折り、颯爽と巨匠が現れた。
お付の者一人も一緒だ。
ライト・トラップは来た道の途中に仕掛けてきたとおっしゃる。巨匠がどんな装備か見たかったので、ちょっぴり残念。

やがて、酒盛りが始まる。
Mさんは小さめのフライパンを出してきて、肉を焼き始めた。何だかキャンプに来たみたいだ。
今回は用意してないようだが、巨匠なんかは普段は準備万端、お好み焼きまで焼くらしい。
目から鱗だ。夜間採集には、こんな楽しみ方もあるのかあ…。
諸先輩方曰く、昼間の網を持って追い掛けまわす採集とは違い、灯火採集は謂わば待ちの採集。けっこうヒマで長丁場だから、酒でも飲んでないとやってらんないらしい。
なるほどね。オイラには合ってるかもしれんね。

生来の蛾嫌いゆえ、酒をガブ飲みする。
だって、蛾がメッチャ怖いんだもーん(# ̄З ̄)
見ただけでも、幼少から( ̄□||||オゾるのだ。
素面(しらふ)じゃ、とても耐えれそうにない。ましてや、今回は邪悪なる魔王と梟(フクロウ)男爵、そして妖鬼青眼メフィストの魔界三衆なのだ。泥酔でもしてなければ、とてもじゃないがまともに対峙できない。

ここで魔界三衆をあらためて紹介しておこう。
先ずは魔王から。

【Langia zenzeroides オオシモフリスズメ】
開張140~160㎜。日本産スズメガの中では最大種。
前翅外縁は鋸歯状。全身鼠色。胸部から腹部にかけて毛状鱗が密生し、前脚~後脚は青みを帯びる。
分布は本州中部地方以西、四国、九州、対馬。国外では台湾、朝鮮半島南部、中国南部、インドシナ半島北部からネパールにかけて分布する。基亜種は朝鮮半島産。日本産は亜種ssp.nawaiとされる。
幼虫の食餌植物はサクラ類、ウメ、アンズ、モモ、スモモなどのバラ科。

次将は梟男爵だ。
実を言うと、コヤツが今回一番見たいと思った蛾だ。
と云うか、蛾全部の中で最も実物を見てみたい蛾である。
そのモノトーンのデザインは、スタイリッシュ且つソフィスケートされたものだ。複雑怪奇のオンリーワン。他に似たデザインをもつ蛾も蝶もいなくて、異彩を放っている。とにかく、小さい頃にすぐ名前を覚えたくらいに特異なお姿なのだ。

【Brahmaea japonica イボタガ】
英名 Owl moth。つまりフクロウ蛾である。
開張90~100㎜。翅に複雑な斑紋と無数の波状紋があり、前翅後縁中央部に大きな眼状紋がある。雌雄同紋だが、♀の方が一回り大きく、前翅に丸みを帯びる。
分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島。
以前はインド、中国、台湾に分布する巨大(140㎜もある)なBrahmaea wallichiiの亜種とされていたが、それと比べて遥かに小型であること、♂交尾器に差があることから別種とされ、現在は日本の固有独立種。
幼虫の食餌植物は、イボタノキ、キンモクセイ、トネリコ、ネズミモチ、ヒイラギなどのモクセイ科。

ここでイボタガのウルトラ邪悪なる幼虫画像を一発ブチかまして、皆をΨ( ̄∇ ̄)Ψビビらせたろかと思ったが、踏みとどまる。
なぜなら、あまりの衝撃画像ゆえ、ページから離脱されかねないと思ったからだ。話はまだ序盤なのである。この先も読んでもらわねば困る。皆さん、忘れて前へ進んでくれたまえ。

そして、最後は青き眼の妖鬼だ。

【Aglia japonica エゾヨツメ】
開張♂65㎜内外、♀100㎜内外。
オレンジ色の地に後翅に青い眼状紋を配し、日本産ヤママユガの仲間では最も小型種である。
雌雄同型だが、♀の方が大型で翅に丸みを帯び、地色が淡くなる。
分布は北海道、本州、四国、九州、サハリン。
以前はヨーロッパから朝鮮半島までのユーラシア大陸北部に分布するAglia tauの亜種とされてきたが、近年サハリンと日本産は分けられて別種となった。
幼虫の食餌植物はハンノキ(カバノキ科)、ブナ、クリ、コナラ、カシワ(ブナ科)など。

上記3種とも年一回春先に現れ、蛾愛好家の間では「春の三大蛾」と呼ばれている。3種とも特別珍しいものではないが、生息地は局所的とも言われ、けっしてどこにでもいると云うような蛾ではない。

画像は今のところ、あえて添付しない。
まあ、せいぜい脳内で姿を想像してくれたまえ。想像こそが恐怖を増幅させるのである。Ψ( ̄∇ ̄)Ψケケケ…。

そうこうするうちに日が暮れて、辺りが暗くなってきた。

 

 
闇の世界のお出ましである。魑魅魍魎が大挙してやって来るやもしれぬ。黒々とした森が、とっても不気味だ。闇の奥で悪鬼たちの暗躍する気配がある。
お化け怖い。妖怪怖い。蛾も怖いという怖い怖いづくしの身としては戦々恐々である。
あまり人前では言った事はないが、ガキの頃、お化けが怖くて、寝ているうちに異界に連れ去られるのではないかと思い、妹に30円を払って手を繋いで寝てもらっていたような男なのだ。喧嘩はそれなりに強かったけど、昔からお化けとか幽霊とかは大の苦手だったのだ。
そういえば女の子とお化け屋敷に入って、腰が抜けそうになった事がある。あれは情けなかったなあ…。
でも、怖いもんは怖いのである。

それにしても、オッチャンたちは凄いなあ。
今回は四人もいるけど、普段は人里離れた淋しい山の中で、夜に一人で虫捕りをしておられるんである。怖くないのかね❓
ワシだったら、恐怖のあまり悶絶発狂死するやもしれん。本気で虫捕りをするなら、狂人にならざるば一流にはなれんちゅー事か…。
それなら、オデ、オデ、二流でええだすぅー(T△T)

午後6時。
蒼き眼のメフィストが早々と現れた。
魔王の露払いとあらば、順番的には先ずは貴女でしょう。
ドラマーツルギーだね。全世界は劇場だ。然るべき役者が、然るべき時に現れるようになっているのである。

しかし、けっこう素早い。モスラさんは翅を小刻みに震わせて動き回り、全然落ち着かないのだ。

あっ( ̄∇ ̄*)ゞ……。
気づいたら、手で掴んでいた。
蛾恐怖症にしては信じられない行為だ。見ただけでもフリーズするのに、手で掴むとは何事かである。
頭のネジがフッ飛んだとしか思えぬ。これも全ては酒の為せるわざである。酒の霊力、恐るべし。

 
【エゾヨツメ♂】

 
( ☆∀☆)おーっ、コバルトブルーの紋がメッチャクチャ綺麗じゃないか❗❗
こんなに蒼いんだ…。思っていた色よりも遥かに鮮やかな深淵なるブルーだ。陳腐な表現だが、まるで宝石のサファイアのよう。その青をジッと見つめていると、引き込まれそうになる。
あんまり見ちゃダメー(>_<)、ゴーゴンの呪いみたく、石になっちゃうぞー。

でもさあ…。見れば見るほど不思議とカワゆく見えてくるんだよなあ。

 
(出典『誘色灯』)

 
(出典『fandf.exblog.jp』

 
( ・ω・)もふぅ~。
目が円(つぶ)らで、体はもふもふのモコモコなんでげすよ。ウサちゃんみたいだ。
このこのこのぅー(σ≧▽≦)σ、キャワイイぞー、お主~。

Mさんがコヤツは♂だと教えてくれる。
♂は触角が羊歯(シダ)状なんだってさ。♀は、このシダみたいなもんじゃなくて、いわゆる蛾眉、細長い触角らしい。ヤママユガの仲間の♂♀はみんなそうだという。
ふ~ん、なるほどね。
プロのおじ様たちは初心者に優しい。色々と教えてくれる。補足すると、エゾヨツメは基本的に日没直後にしか飛んで来ないんだってさ。(^o^)へぇ~。
どんな事であっても、上手な人、知識が深い人のそばにいた方がいい。その方が何でも上達が早いよね。

それを合図のように次々と小型の蛾が集まり始めた。カルナヴァル(祝祭)の予感だ。
があ~祭りの始まりじゃーい\(^o^)/
嬉しいような怖いような変な気分だが、酒飲んでるから、もうどうなったっていいのだ。蛾でも鉄砲でも飛んで来やがれと云う心持ちになってくる。

しかし、(・ω・)もふちゃんの3頭めが飛んできたところで、ピタリと飛来が止まる。以後、屑みたいな矮小蛾がポツポツとしか来なくなった。
えっ(^_^;)、フィーバー、もうおしまいなの❓
不安になってくる。この先大丈夫かよ?
エゾヨツメは勿論見たかったけど、それよりも見たいのは梟男爵と魔王なのだ。このままで終わるワケにはいかない。

ベテランのオジサンたちに訊いてみると、オオシモフリやイボタガは、もっと遅くに飛んで来るという。
そっか…、蛾によって飛来する時間帯が違うんだ。昼間と違って、夜なんて何時だって同じようなもんじゃないか?と思うんだが、蛾には、蛾にしか預かり知らぬ事情があるのだろう。

やがて、霧雨が振りだした。
絶好のコンディションである。この靄(もや)の立つ幻想的なシチュエーション、如何にも怪物が現れそうな様相ではないか。映画なら、確実にチビりそうな雰囲気である。出るね。絶対ヤバいのが来るね。
脳内でおどろおどろしい重低音が流れ始める。映画『シャイニング(註2)』のテーマ曲だ。

ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。ジャックは狂ってる。

いよいよ闇の世界の支配者が満を持してワタクシを恐怖のズンドコ、もといドン底に陥れる時がやって来るのだ。凍りつくまであと何秒?何分?
心臓が💓ドキドキしてくる。

しか~し、9時になっても10時になっても現れず。
辺りは相変わらず細かい霧雨が舞っているのに何故❓
そして、11時になっても音沙汰なし。
巨匠が『今日はアカンのかなあ~?』と呟く。
まさかの御言葉である。頼みにしていた巨匠がそんな弱気なセリフを吐くとは、事態はあまりヨロシクないというか、惨敗のピンチではないか…。

Mさんも、『こんな日もあるよ。虫はなあ、ワシらでもワカラン事だらけなんや。いくら条件が揃ってる時でも、アカン時はあるねん。』とおっしやった。
そりゃ、ワテだって、それなりに蝶採りをしてきたのだ。言わんとしておられる事は充分に承知してますよ。でも、よりによって何でそれが今日なのよー(T_T)

11時半前。
巨匠が『ワシ、もう寝るわ~。』と言い残して、ワゴン車に消えていかはった。
益々、惨敗感が満ちてきた。
セーブしていた酒の量がグッと増えて、ヤケ酒気味になってくる。

12時前。
光の屋台に集まるお客さんは、相変わらずショボショボの面々だ。
退屈すぎて、段々居ても立ってもいられなくなる。
酒を飲みながら、Mさんに『巨匠のライトトラップの様子を見に行ってみません❓』と提案した。
しかし、Mさんからは、『いかへーん。一人で行ってきいや。』と云うニベにもない一言が返ってきた。

 
『ひ、一人でですかあ(◎-◎;)?』

 
『マ、マジっすか(|| ゜Д゜)❓』
声が心なしか震えている。

『でもオイラ、懐中電灯とか持ってないっすよ。』
もしかしたら、「仕方がないから一緒に行ってやっか。」とか言ってくれるんじゃないかという期待を込めての言葉だ。

しかし、Mさんは素っ気なく言った。
『懐中電灯くらいなら、貸したるわー。』

『イヤイヤ、そうじゃなくてー。そんな事ではなくてー、1人だと怖いんですよー。お化けが出たらどうするんですかあ。虫捕りのプロフェショナルの旦那~、頼みますからついてきて下さいよー(T_T)』
と云う言葉が喉元まで出かかったが、グッと呑み込む。
あとでネタにされるに決まってるんである。それは何があっても避けたい。チキンと蔑まれるのは真っ平御免だ。そんなことはプライドが絶対に許さない。

 
『わっかりましたー。(`◇´)ゞアムロ、行っきまーす。』

 
気づいたら、心とは裏腹の言葉が出ていた。
(-。-;)えらいこっちゃである。何かあったらどーするのだ❓
闇の世界に引き摺り込まれるかもしれんし、得体の知れない者に追いかけまわされたあげくに非業の死を遂げるやもしれんのだ。
でも、言ったからには行かねばなるまい。

 
    If I die combat zone.

もしもオイラが死んだなら、誰か骨を拾ってくれ。

 
                   つづく

   
追伸
いやはや、又しても完結せずである。
書いてると、色んな事を思い出してくるのである。
そうなると、自然長くもなる。で、途中で力尽きたと云うワケだ。

次回『闇の絵巻編』、もしくは『魑魅魍魎編』。
いよいよ怪物たちの全貌があらわになります。
乞う、御期待❗

(註1)ぬりかべ?いったんもめん?
両者とも水木しげる大先生の「ケゲゲの鬼太郎」でお馴染みの妖怪さんである。

 
【ぬりかべ】
(出典『matome.navar.jp』)

 
何だかライト・トラップって、ぬりかべと次のいったんもめんを足して2で割ったハイブリッドのようなもんだなあ。

 
【いったんもめん】
(出典『猫八のカッチコロヨ!』)

 
こんなもん、わざわざ画像をダウンロードせんでも自分で書けるがなーと思ったが、やめといた。
フザけた人間なのだ。どうせ鼻毛とか書いちまうんである。
試しに書いてみようか?

 

 
ほらね。

テイッシュの箱に書いたんだけど、フザけてるよねー。

拡大しまあーす。

 

 
やっぱり鼻毛ボーボーにしとります。
さらにフザける。

 

 
今度は脇毛ボーボーである。

最後は何ちゃらワカランことに。

 

 
フザけてるよなー。

 
(註2)映画『シャイニング』
1980年に上映されたアメリカ映画。
巨匠スタンリー・キューブリック監督によるホラー映画の金字塔。キューブリックがホラー映画を作るとこうなるのだ。双子がヤバすぎです。カメラアングル(ローアングル)と三輪車の効果音だけで、あそこまで人を怖がらすかね。
因みに文中の「ジャックは狂ってる…」の羅列は、映画の或るシーンがモチーフになっている。主演のジャック・ニコルソンがタイプライターで打った小説の原稿が、全部同じ文言『All work and no play makes Jack a dullboy.(仕事ばかりで遊ばない。ジャックは今に気が狂う)』と云う言葉て延々と埋め尽くされていたという怖いシーンだ。
そのままの文言では使えないので、短くアレンジしたのが「ジャックは狂ってる…」である。
原作はこれまたホラー小説の巨匠スティーヴン・キングだけど、キングはこの原作を無視した映画を気に入らなかったみたいだ。よほど肚に据えかねたのか、後にわざわざ自分で撮りなおしたくらいなのだ。
たしかに両者は全然違う。映画では父親が主役だが、小説では子供が主役なのである。まあ、どちらも面白いんだけどね。

 

 

2017′ 春の三大蛾祭り 青天の霹靂編

 
何か「ヤマザキ 春のパン祭り」みたいなタイトルである(笑)
えっ❗❓、そんなワケないってか。ヤマザキ伝統のパン祭りを蛾と一緒にすな(-_-#)❗ってか。
おっしゃる通りである。でも、2018年版の続編を既に予定しているので、その時もこの入り方で押し通すつもりだ。

え~とですな。このテーマは去年の春からずっと書こう書こうと思って書きそびれていた文章だ。
何でだろ❓
たぶん、ヤバい内容だからだ。
だから、今回は早々と閲覧注意と警告しておきます。

🎵(;・ω・)ゴブリン、🎵(;・ω・)ゴブリン(註1)
それはもう悪魔のごたる姿、普通の人間なら確実にチビるであろう異界の者が登場するからなのだ。
神は天使や女神のような可憐な生物も創造なされたが、同時に悪魔やモンスターをもこの世に産み落とされたのである。

話は去年、2017年の3月に遡る。
春分の日にインセクト・フェア(昆虫展示即売会)が開催されたのだが、そこで標本商のMさんと話していて、たまたま或る蛾の話題になった。

あれは忘れもしない2010年の春の事だった。
まだ蝶採りを始めて間もない駆け出しの自分が、初めて兵庫県の三田市にギフチョウを採りに訪れた時の事だ。
そのMさんが昼前くらいに車で乗り付けてきた。
ギフチョウを採りに来るには遅い時間帯だったので、
『あれ?、エライ遅い御登場ですねぇ。』と言ったら、Mさんがニヤリと笑って口を開いた。

『ええもん見したろかΨ( ̄∇ ̄)Ψ』

このオッサンがそういう笑い方をした時は要注意である。結構、悪い人なのである。何か企んでいるに違いない。
そして、ゴソゴソと三角罐(註2)からデカい三角紙を取り出してきた。そんなバカでかいギフチョウなんて存在するワケがないから、何を出してきたんだ?と思ったが、それが何なのかは皆目見当がつかなかった。
でもあのニヤリからすると、少なくとも自分にとっては喜ばしいものではないに決まっている。

『実を言うとなあ、コレを探しに行っとってん。』
と言って、Mさんは三角紙の包みをゆっくりと広げられた。

Σ( ̄ロ ̄lll)ウギャ❗
アギャ❗❗(゜ロ゜ノ)ノ

あまりの💥衝撃に飛び退いた。
今思えば、ヒィッ(|| ゜Д゜)と小さな声を漏らしたやもしれぬ。じゃなかったとしても、確実に心の中では悲鳴をあげていた筈だ。

そこには、邪悪そのもの、悪魔の分身の如き姿の巨大な蛾が横たわっていた。
あまりのおぞましさに、背中に⚡電流が走ったね。
何せ蝶は大好きでも、蛾はガキの頃から忌み嫌ってきたのだ。その衝撃度たるものや、凄いものがあった。

『そ、それ…何でんのん(;゜∇゜)❓』
おずおずと尋ねた。

『これはなあ、オオシモフリスズメって云う日本最大のスズメガで、年一回この時期にしか出てけえへんのや。』

兎に角、この世にそんなものが存在する事すら知らなかった者にとっては、そのインパクトたるや半端なかった。

引き気味に見ていると、Mさんが『大丈夫、大丈夫。アンモニア注射をブチュー打ったったから死んどるわい。』とおっしやった。

蛾もマッドだが、オッサンはもっとマッドである。

恐る恐る近寄り、マジマジと見てみた。
まるでステルス戦闘機みたいな形である。ソリッドで鋭角的、且つ挑戦的な三角形だ。
色は枯れたようなグレー。大きさはネズミ程もある。
いや、下手したらネズミよか大きいやもしれぬ。遠目で見たら、鼠と間違ってもオカシかない大きさだ。
そして、太い触角がより悪魔を彷彿とさせている。
もう邪悪を絵に描いたような存在で、こんなもんが実際に現実世界に存在するとは俄(にわか)には信じがたい。
コレは現実か❓
悪い夢を見ているのではないかと思った。

『コイツなあー。足がまたスゴいねん。爪がスゴくて引き離すのに一苦労や。』
そうMさんは言って、バケモノをひっくり返された。

更なる💥衝撃が走った。
鱗翅類(蝶や蛾のこと)にはあるまじきブッとさだ。
完全に甲虫のソレ、しかも日本最大のカミキリムシであるシロスジカミキリ(註3)クラスのガッシリした脚じゃないか。

 
(出典『Dangerous Insects』)

 
顔は、=3 しゅこ~、=3 しゅこ~のダースベーダーみたいだ。益々もって邪悪じゃよ。
体がもふもふの毛で覆われているのも、蛾嫌いにとっては異様に映る。ドラマや映画で凶悪な悪役が銀狐の毛皮を着ているって設定がたまにあるよね。あれを思い出したよ。

Mさんは更に続ける。
『ほんでなあ、コイツ、捕まえたらキューキューとかチューチューって鳴きよるねんでー。』

(;゜∀゜)鳴くのか❓
この期に及んで、また更なる衝撃波である。
それって、もうネズミやん!えっ、もしやネズミに擬態してるとか❓
とにかく信じられないような輩だ。どこまで人の想像力を裏切りよるねん。

それ以来、その時の記憶がずっと頭から離れなかった。
そういえば、Mさんから聞かされた宇山先生の逸話もあったなあ…。と思ってたら、やっぱりその話題になった。
Mさんが宇山先生をこの蛾の採集に連れていった時の話である。
先生も生きている怪物の姿を見た事がなく、一度連れていってくれと頼んできたらしい。
で、行ったら、灯火にゴブリンが突然正面からブオーンと飛んで来たという。しかし、体が重くて目の前でボトッと落ちた。
Mさんが『ほら宇山さん、来よったでぇー。』
と言って振り向いたら、先生はあまりの恐ろしさに驚愕の表情でジリジリと後ずさりしていったそうだ。
(≧▽≦)爆笑である。
生きている時の魑魅魍魎さは、先生の想像を遥かに越えるものだったのだろう。

ひとしきりそんな昔話をしていたら、突然、Mさんが言い放った。

『おまえ、今年行くかあ?』

衝撃の一言である。
一瞬、(°Д°)たじろいだ。
でも、次の瞬間には、

『行きます。』

と答えていた。

あの戦慄の出会い以来、ずっとゴブリンの事は気になっていたのだ。でも、怖いのと怖いがゆえに見てみたいという二律背反する心理がせめぎあって、ついぞ決断できずにここ数年間を過ごしてきたのだった。
今こそが、その逡巡に終止符を打つ最大の好機なのである。行くっきゃあるまい。

それに、Mさん曰くその場所ならば、これまた異界の使者であるデジタル悪魔、ウルトラマンにも登場するあの恐ろしきダダみたいな出で立ちの「イボタガ」や、蒼き眼を持つメフィスト(註4)「エゾヨツメ」にも同時に会えるというではないか。
オオシモフリスズメ、イボタガ、エゾヨツメをして、蛾業界では『春の三大蛾』と呼び、崇め奉っていると聞いた事がある。その三大スターが一同に集結するのである。期待とおぞましさでブルッときたよ。武者震いなんて、滅多にある事ではない。心臓発作を覚悟して、戦地に赴くっきゃあるまい。

  If I die combat zone.

もしもオイラが死んだら、骨を拾ってくれ。

                   つづく

 
追伸
閲覧注意だなんてビビらせておいて、今回はヤバい画像無しでしたねー(笑)
でも、あえて添付しなかったのだ。そこはホレ、脳内で姿を想像してくれたまえ。で、恐怖も増幅してくれたまえ。ネットで画像なんか探すんじゃないよ(=`ェ´=)
そもそも恐怖映画とかホラー小説なんてものは、最初っからバケモノや殺人鬼はおおっぴらには登場しない。そんなことしたら、怖さ半減なのである。
まあ、そう云うワケだから、次回を楽しみにされたし。あっ、自分でハードルを上げてもた。
えー、ご免なさい。テキトーに考えた言いワケです。
本当は最初は一話完結にするつもりで書いていたのだ。しかし、書いているうちに長くなってしもて、分載することにしたのさ。ならば、画像は後半のクライマックスにもっていこうと思ったワケ。
とはいえ、後編の構想ゼロなのだ。面白く書けるかどうかは自分でも自信が無い。だから、面白くなかったらゴメンね🙏
おいおい、早くも逃げ腰の言いワケかましである。
まあ、何とか面白くなるように鋭意努力させてもらいまっさ。

とはいえ、全く画像が無いよりもチラッと見せといた方が、より効果があるか…。

ではでは。

 
(出典『黄昏あさつき日記』)

 
(´・ω・`)もふぅ~。

ちよっと可愛い過ぎて、邪悪度が今イチだ。
ならば、コレならどうだ。

 
(出典『いもむしうんちは雨の音』)

 
異形(いぎょう)の者である。でも邪悪っぷりは、まだまだこんなものではない。次回はその邪悪なる全貌があらわになりまする。
乞う、ご期待❗

 
(註1)ゴブリン
邪悪な悪意をもった精霊のこと。ヨーロッパの民間伝承やその流れを汲むファンタジー作品に登場する。
しばしば悪魔や鬼の意としても使われる。

 
(註2)三角罐と三角紙
三角罐は三角ケースとも言い、採った蝶や蛾をおさめる三角形の箱のこと。また三角紙は蝶や蛾を包む紙のことである。翅の鱗粉を剥がれにくいようにツルツルのパラフィン紙などで折られている。

 
【三角罐】

 
【三角紙】

 
この三角紙に蝶を入れて、三角罐に収納するって事だね。

 
(註3)シロスジカミキリ
(出典『SNITZ Forum 2000』)

 
フトカミキリ亜科 シロスジカミキリ属。
日本最大級のカミキリムシで、日本全土に分布し、低地から低山地に見られる。成虫は夏季に現れ、主に夜間に活動する。幼虫はブナ科樹木の内部を食害し、栗の害虫としても知られる。幼虫は別名「テッポウムシ」とも呼ばれ、戦時中の食糧難の時代には一部の地域では食用にされていたという。オカン曰く、小さい頃に食べた事があり、大変美味らしい。

 
(註4)メフィスト
ドイツの伝説上の悪魔メフィストフェレスのこと。
16世紀ドイツのファウスト伝説やそれに材を取った文学作品に登場する悪魔で、現代では洗練された悪魔として描かれることが多い。