美の神様は裏に宿る

 

 
連載中の台湾の蝶シリーズの次回に、アサクラコムラサキを予定している。その関係で先月買った蝶を展翅することにした。

 
【ホワイトヘッドベニボシイナズマ♂】

 
【同♀】

 
学名Euthalia whiteheadi。
亜種がいくつかあるようで、これはzonulaという東ジャワの亜種のようた。
鮮やかな赤が素敵だね。タテハチョウの仲間は裏も表もカッコイイものが多い。下手したら、裏の方が綺麗だったりもする。

ホワイトヘッドはたぶん採った事がないと思うので買った。あとEuthalia djata(ベニオビイナズマ)が揃えば一応ベニボシイナズマとかアカボシイナズマと呼ばれているユータリア(Euthalia)は揃うことになる。
こういうのを見てると、またアマンダ(Euthalia amanda)に会いにスラウェシに行きたくなる。
タテハチョウは飛ぶのが速いものが多いので、気合いが入る。それを空中でシバキ倒すのが面白い。

 
【オケラトゥスフタオ Charaxes ocellatus 】

 
インドネシア・フローレス島の原名亜種(名義タイプ亜種)のようだ。
メダマフタオチョウという和名の由来ともなった表側は綺麗じゃないと思うけど、裏は素晴らしい。
複雑怪奇にして、スタイリッシュなデザインだ。優美なる形も惚れ惚れとする。
思うに、タテハチョウは総体的に表よりも裏の方が複雑な紋様になる傾向がある。だから、表展翅するか裏展翅するか悩む。コレは裏展翅したいところだが、以前近縁のオルリスフタオ(Charaxes orlis)を表展翅しているので、表展翅かなあ…。

 
【セレベスシロタテハ Helcyra celebensis 】

 
Helcyra celebensisは、インドネシア・スラウェシ(セレベス)島とペレン島などその周辺の島に分布が知られる。このペレン島のものは亜種fabuloseとされ、シロタテハなのに黒いのが最大の特徴。コレが今回の目的。どんな奴なのか展翅が楽しみだ。

 
【ギャラクシアフタオ Polyura galaxia】

 
別名ギンガフタオチョウ。galaxiaだから銀河なのだ。
表も嫌いじゃないが、裏の方がカッコイイ。
このpyrrhus種群はフローレス諸島からチモール辺りの島嶼に分布していて、多くの種や亜種に分かれおり、正直よくワカンないんだよなあ。
これはlombokianaというロンボク島の亜種で、一番西に分布している。他にも亜種が売っていたが、中ではコレが一番白くて綺麗なので選んだ。他も集め始めないことを祈るよ。集めることを考えれば、コレも表展翅かなあ…。裏よりも表の方に違いがあらわれると思うんだよね。あっ、既に集めることを前提としているじゃないか(笑)。

 
【シュレイベルフタオ Polyura schreiber】

 
表には青が入り、お気に入りのフタオチョウだ。
野外で見ると、テンションがバキ上がりになる。
分布はインドシナ半島からマレー半島、スマトラ、ジャワ、ボルネオ、フィリピンと広い。
しかし現地に行っても中々会えない蝶で、一応珍品の部類に入る筈だ。にもかかわらず、クズみたいな値段だよなあ…。ジャワでは楽勝で採れるのかなあ❓

 
【パプアコムラサキ Apatura ermianea】

 
パプアニューギニアにいるコムラサキの仲間だね。
コレはパプアじゃなくてセラム島のもののようだ。でも特に亜種名はついてなくて、原名亜種と同じ学名になっている。
表は怪しい幻光色を放つ玉虫色。
コヤツはハッキリ言って表の方がカッコイイ。

 
なんか書いてるうちに満足しちゃって、展翅が面倒くさくなってきた。やっぱ採るのが圧倒的に楽しくて、展翅はあんまり好きじゃないんだよね。

 
                 おしまい

 
追伸
最初につけたタイトルは『美は裏にあり』でした。
何となく最後にタイトルを変えた。でも今もってどっちが良かったかワカラナイ。どっちもダメとか言われそうだけど…。