続々・難民、天王寺界隈を徘徊す。

動物園のあとは新世界へ。
姉さんがあまり来た事がないとおっしゃるので、御案内申し上げることにした。
いざ、ディープ大阪へ。

それにしても、新世界も随分と変わったものだ。
けっこう観光客も多いし、禍々(まがまが)しい雰囲気はかなり薄まっている。時代の流れを感じるよ。

そういえば、昔は天王寺側に動物園の入口ゲートは無く、新世界側にしか無かったんだよね。
あの時代の地下鉄動物園前駅から動物園入口までのアプローチは、子供心にもスリルがあった。今では考えられないくらいに治安が悪かったのだ。
靴を片っぽ履いてない爺さんとか、シャブ中らしき挙動不審のオッサンや兇眼のヤンキー兄ちゃん等々の一癖もふた癖もある人々が自由に闊歩されていたのだ…。あの肌がピリピリするくらいの緊張感は忘れ難い。

思い出したよ。中学生時代には新世界に行く時の標語があったワ。

『ちよっと待て。その一言が命取り』

これは、新世界を歩いている時に背後から声をかけられたら、後ろを振り返らずに全速力で走れという意味だ。声をかけられたら、だいたいは因縁つけられてシバかれるか、カツアゲにあうと云うのがお決まりの基本コース。
もうロクな事がないんである。待ってる猶予など無い。それこそ命取りなのだ。

新世界の奥の飛田新地や釜ケ崎(あいりん地区)とかは、もっとディープである。飛田新地はタイムスリップしたような遊廓地帯。釜ケ崎なんかは、それはそれは恐ろしくて背中の毛が逆立つところでしたなあ。
そういえば東京の友達(カメラマン)を案内した事があったけど、そいつはインドのカルカッタ(コルカタ)のスラム街なみやなと呟いてたっけ。世界の色んな危険地帯を旅してきた男が言うんだから、その緊迫度は言わずもがなである(最近はそうでもないらしいけど)。

でも、街には猥雑感と独特の温もりみたいなものもあって、決して新世界は嫌いじゃなかった。
一番大阪らしい街と言えば、新世界なのだ。でもって、日本もアジアなのだと実感できる数少ない場所でもある。何てたって、作家・群ようこの『アジアふむふむ紀行』の最終回は新世界なのだ。

昔ほどではないが、昭和の町の香りがまだまだ残っている。
射的場もあるし(最近復活した)、レトロな喫茶店や将棋・囲碁場もある。朝からやってる立ち呑み屋も昭和の猥雑そのままだ。

それらを姉さんにザッと御案内申し上げ、懐かしのスマートボール場に潜入する。

昔は祭りの夜店なんかによくあったよね。
店内は予想以上に盛況で、辛うじて2席を確保。

ルールは玉を穴に入れる単純なものだが、これがやり始めると真剣になる。
だが、姉さんにレクチャーするも、教えた本人があえなく撃沈。姉さんもソッコー撃沈。
何か腹立つし、これでは店に入った意味がない。全然、姉さんを楽しませられてないじゃないか。
で、姉さんにもうワンゲームさせて、フォローに専念する。

姉さん、スゴい❗
じゃんじゃん穴に入って、上からジャラジャラと白玉が出てきよった。興奮するね。こんだけ出まくりなのは初めてじゃないか❓
思わずプレーを中断させて、二人して玉の数を数える。参謀は冷静沈着なのだ。
いつも、そこそこ玉が貯まっていても景品に交換する事なく、調子ブッこいて結局は玉を全部浪費してスッカラカンになるのだ。毎回、結局は店の思う壺なのである。

おーっ( ☆∀☆)、玉は丁度100個あるじゃないか❗
こんな機会、初めてだ。姉さんに半ば強引にブツに交換する事を薦める。ギャンブルは引き際が肝腎。満足して帰って戴くには、これが最良の方法なのだ。

そして、姉さんが選んだのがコレ。

(出典『楽天』)

姉さんに画像を送って貰っていたのだが、時間が経ってて、LINEの画像が取り出せなくった。で、仕方なく楽天からパクらせてもらった。

限定デカぼんち揚げである。けっこう大きな箱だから、他人の戦利品であっても何だか嬉しい。
しかし、楽天のページを見て気づいた。勝手に箱の中には超巨大なぼんち揚げが1個でーんと入ってるとばかり思っていた。だが、どうやらそうではなくて、普通サイズのぼんち揚げが沢山入ってるだけみたい。なんか、夢がないのぉー。

(画像は別な日のもの)

夕暮れが始まった中、通天閣の足もとにある♨銭湯へと向かう。通の風呂好きは、ベタなスパワールドなんかには行かないのだ。

『新世界ラジウム温泉』。
こんなとこに銭湯がある事を知る人は少ない。ナビゲーターの面目躍如である。ここの銭湯は、露天風呂から通天閣がのぞめるのだ。体に紋々が入っているお方が複数いらっしやったが、最高だぜ。

風呂から上がると、すっかり日が暮れていた。
新しくリニューアルされた通天閣のイルミネーションが素敵だ。

取り敢えず、コンビニでビールを買う。

(σ≧▽≦)σぷしゅー、いやはや風呂あがりのビールの美味いこと、美味いこと(^o^)v

さあ、美味い寿司でも食おう。
さらば、天王寺界隈。
酒ばかボニー&クライドは、勇躍、恵美須町をミナミへ向かって歩き始めた。

                 おしまい

追伸
ようやくブログも99回まで来た。
連載100回を目指して頑張るじょー。