奄美迷走物語 其の八

 
  第8話『白き騎士』

 
2021年 3月25日

今日も腐ったアタマで起きる。
時計を見ると既に10時。また痛飲でござるよ。
まあどうせ予報通り雨だろうと思ってカーテンに目を移すと、何だか様子がオカシイ。もしやと思ってベランダに出ると、何と快晴だった。

 

 
そういえば昨夜、酔っ払って小池くんに『明日は晴れる❗まっかせなさーい❗』とか言ってたが、半分希望的観測で言ってただけなのだ。何となくそんな気がして口走ったのだが、夜は採集に出ずで空を見てないから確信があったワケではない。スーパー晴れ男の面目躍如と言いたいところだが、南国の天気はワケわからんわい。こっちの天気予報って何なん❓全然信用でけんやないの。

大急ぎで支度してバイクを駆って西へ。
今回は知名瀬林道をスルーして、更に西へと進む。
毎回、同じポイントに行くのは、実を言うと好きではない。本来的には飽き性なのだ。何度も通ったのは単に知名瀬がアマミカラスアゲハの♀が採れる可能性が一番高いと判断したからにすぎない。でも♀は昨日採れたから、自分的にはもう行かなくても済むやって気持ちなのだ。

やがて、右手に海が広がり始めた。
まだ白波が立っているから奄美本来の海の青さではないが、それでも青い。ワンテンポ遅れて潮の香りが鼻腔にカウンターパンチを送ってくる。海だなあ…。心がほわっとゆるむ。
いい感じに地平線の上も青空だ。本来は海の男ゆえ、俄然テンションが上がる。やっぱ南の島は、こうでなくっちゃね。

午前11時過ぎ、根瀬部の集落へと入ってゆく。
懐かしい風景だ。昔と殆んど変わっていない。

林道の入口横にバイクを停め、小道に入る。先ずはイワカワシジミを探そう。この道の途中にイワカワシジミの食樹であるクチナシがあった筈だ。
足元が覚束ない。何だかヽ((◎д◎))ゝフラフラする。正直言って、体調は奄美に来てから最悪のコンディションだ。まさか晴れるとは思っていなかったら、調子に乗って飲み過ぎた。風景は微妙にゆらゆらするし、自分でもまだ酔っ払ってるのがワカる。
腐った脳ミソで川沿いに歩くと、フェンスのある明るい場所に出た。そこにはまだクチナシの木があった。この木で何度かイワカワシジミを採っているのだ。

 
【イワカワシジミ各種】

 
しかし上から見下ろしたところ、姿は見えない。
仕方なく引き返そうとしたところで、フェンスの向こうから猛烈な犬の吠え声が飛んできた。見ると、奥の檻の中で2、3匹の犬が狂ったように吠えている。
檻の中にいるから恐怖心はない。しかし犬は大っ嫌いだ。天敵と言っていいほどに相性が悪い。何処へ行っても吠えられるから、いつも憎悪を滾(たぎ)らされてる。東南アジアでは犬が放し飼いになってる事が多いから、常にバトルだもんね。
吠えられてるうちに沸々と怒りがせり上がってきた。背中からメラメラと青白き焔が沸き立ち、💢プッツンいく。

(`Д´#)黙れ❗テメェ、ブッ殺すぞー❗

大声で激烈に叫んだら、吠え声がピタリとやんだ。
(`Д´)ボケがっ❗、気合勝ちじゃ。ワシの覇王色の覇気をナメんなよ。今後ワシにまた吠えたら、あらゆる方法で恐怖を骨の髄まで植えつけてやるわ。

道路に戻って少し歩くと、川向うの木で何かが飛んで直ぐに着地した。見ると蝶が羽を広げて日光浴している。
脳ミソが腐ってるから、最初はそれが何なのか理解できなかった。ムラサキツバメ❓ムラサキシジミ❓ウラギンシジミ❓記憶のシナプスが繋がらない。
5秒ほどしてから、漸くそれが何であるのかが解った。イワカワシジミの♂だ。けど尾状突起が無くて羽も擦れてる。
少し迷ったがスルーすることにした。あんなの採っても、どうせ展翅しないだろうから無駄な殺生になる。それに欲しいのは♀なのだ。

さらに進むと曲がり角に網を持ったオジサンが立っていた。

『こんにちわー。何、採ってはるんですかあ❓』
『フタオチョウだよ。』
『えっ、此処にもいるんですか❓』
『いる、いる。分布をドンドン拡大してて、最近では瀬戸内町でも見つかってるよ。』
『もう発生してるって事ですよね。例年、春型はいつくらいから発生してるんですかね❓』
『今年は20日くらいから発生してたね。もう4♂1♀ほど採ってるよ。』
そっか♀まで発生しているのか…。そういや自分もあかざき公園で見たもんなあ。と云うことは時期的にはまだ最盛期ではないにせよ、鮮度的にはベストな時期かもしれない。

 
【フタオチョウ Polyura weismanni ♂】

(裏面)

 
【同♀】

(裏面)

(出展『日本産蝶類標準図鑑』)

 
フタオチョウ(註1)は奄美大島には本来いないチョウだった。
てっとり早く説明する為に奄美新聞社の記事をお借りしよう。

「沖縄県の県指定天然記念物のチョウ・フタオチョウが近年、奄美大島でもよく目撃されるようになってきている。奄美市笠利町から名瀬までの広範囲で目撃情報があり、特にヤエヤマネコノチチなどの樹木の周りで見られやすいという。
フタオチョウはタテハチョウ科フタオチョウ亜科フタオチョウ属のチョウ。台湾や東南アジアに生息する。幼虫のエサはヤエヤマネコノチチやクワノハエノキといった植物。成虫は樹液や腐敗した果物に飛来する。
日本では従来、沖縄本島のみに生息し、同県の指定天然記念物となっていた。2016年ごろから奄美大島北部でも目撃・捕獲されるようになった。
奄美昆虫同好会の富川賢一郎会長によると、沖縄から何らかの原因で迷蝶として飛来した可能性もあるとのこと。」

補足すると、迷蝶ではなくて誰かが沖縄産を放蝶したものが増えたと考える意見の方が多いようだ。自分もその見解を支持する。なぜならフタオチョウが迷蝶として採集された記録が少ないからだ。台湾と与那国島は近いが、台湾のフタオチョウが与那国島で見つかった例はない筈だし、沖縄本島のものが別な島で見つかった例も極めて少ないからだ。たぶん石垣島の1例のみしかなかったんじゃないかな。それも目撃情報で、しかも2018年だから奄美のモノを石垣に放した事が疑われる。
そもそもフタオチョウのような森林性の蝶はオープンランドの蝶みたく海を越えるような大移動はあまりしないと言われている。ゆえに沖縄本島から奄美まで飛んで来たという可能性は極めて低いと考えるのが妥当だろう。両島は距離にして340kmも離れているのである。
他に可能性が考えられるのは、たまたま卵や幼虫・蛹が付いた食樹が植栽されたというパターンだが、ヤエヤマネコノチチやリュウキュウエノキなんて誰も他から持ってきて植栽しないだろう。花がキレイなワケでもなく、食用にされるワケでもないから、植栽する価値のない植物だし、そもそも両方とも奄美には自生しているのだ。

ヤエヤマネコノチチには馴染みがないので、Fさんにどんな木ですか?と尋ねたら、わざわざ生えている場所まで案内してくださった。いい人である。

 
【ヤエヤマネコノチチ】

 
奄美に入って、たぶんコレなんじゃないかと思ってた植物とは全然違ったものだった。ワシって飼育をしないから植物の同定能力がアッパッパーなのである。

ポイントに戻ってきたら、Fさんが空を指さした。
『ほらほらアソコ❗、フタオが飛んでるよ❗』
見ると、青空をバックに白い蝶が高速で飛んでいる。しかし、グルッと一周すると反転して、アッという間に何処かへ消えてしまった。
形と大きさからして、たぶんオスだろう。
いる事が分かったら何だか安心した。いる場所さえ分かれば、楽勝で採れると思ったのだ。ゆえにフタオの事はさておいて、Fさんと暫く雑談する。ここは情報収集の方が大事だろう。

Fさんは奄美在住で、標本商をされているという。奄美のフタオの最初の発見者ではないが、2017年には逸早くフタオについての報文を書いておられ、土着している事実を突き止めたのは氏らしい。
また、奄美で日本屈指の美迷蛾であるベニモンコノハ(註2)を見つけて、大量に採ったのもFさんなんだそうな。

 
【ベニモンコノハ】

(出展『世界の美しい蛾』)

 
ベニモンコノハについては、当ブログにて『未だ見ぬ日本の美しい蛾1』と題して書いたから、その時に論文を読んでいる。たぶん20頭くらいタコ採りされたんじゃなかったかな。
蝶だけでなく蛾も採られるというのは渡りに舟だ。せっかくだからアマミキシタバの事も訊いておくことにした。

 
【アマミキシタバ Catocala macula】

(出展『日本産蛾類標準図鑑』)

 
『アマミキシタバって根瀬部にもいるんですかね❓』
『いるよ。数は多くないけど、この辺だったら何処にでもいるよー。』

『灯火採集だと、何時くらいに飛んで来るんすかねー❓』
『基本的には11時を過ぎないと飛んで来ないかなあ。』

『あと糖蜜とかバナナトラップにも来ますかね❓』
『来る、来る。全然寄って来るよ。』

『ところで幼虫の食樹が去年判明したみたいですけど、アレって何の木ですかね❓』
長年、アマミキシタバの幼虫の食樹は不明とされてきたが、去年に飼育下においてだが判明したそうなのだ。しかし論文が見つけられず、詳細は分からなかったのである。
『たぶん、ウドだったんじゃないかなあ。』
『えっ、ウド❗❓ウドってあのウドの大木のウドですか❓』
『いや、そのものじゃなくて、別種のウドの仲間じゃなかったかなあ。』
ウドなんて全く想定外の植物だったから驚いた。
『あともう一つ別な系統の植物を食ってた筈だよ。けど思い出せないなあ。何だったっけかなあ❓』

結局、Fさんは思い出せなかった。ウドというのも俄に信じ難いところもあるから、本当の事はワカラナイ。Fさんの記憶違いかもしれないし、自分の聞き間違いというかメモリーエラーかもしれない。何せ二日酔いで脳ミソが腐ってたからね。

他に行く所があるからと、Fさんは昼過ぎには去って行った。
色々と御教示下さり、有り難う御座いました。礼(`・ω・´)ゞ
正直、ラッキーだった。数々の重要な情報を得られたからね。昨日、アマミカラスの♀が採れた辺りから流れが良くなってきてる。Fさん曰く、オスがテリトリーを張るのは午前11時くらいから午後2時くらいまでらしい。つまり、まだまだ時間的余裕がある。この調子で楽勝街道爆進じゃい❗

誠に恥ずかしい話だが、正直に吐露しておくとフタオがテリ張りするのは、アカボシゴマダラやオオムラサキ、スミナガシなんかと同じく午後3時前くらいから夕方にかけてだとばかり思い込んでいた。タテハチョウ科のオスの縄張り争いは時刻のズレこそ多少あるものの、知る限りでは全てそうなのだ。ゴマダラチョウ然り、コムラサキ然りだし、他にもアカタテハ、ルリタテハ、メスアカムラサキ、リュウキュウムラサキも夕方なのである。だから昼間に占有行動するなんてコレっぽっちも考えなかったのだ。
それに図鑑によってはフタオチョウが占有行動をする事が書かれていない事もあり、また書かれていても時刻については言及されていないのである。あの蝶の生態について最も詳しく書かれていると云う『原色日本蝶類生態図鑑』の第2巻 タテハチョウ編でさえ占有時間帯は書かれていないのである。

雑談中もフタオは何度か飛んで来たが、何れも高い位置を飛んでおり、全く止まらなかった。とゆう事は、もっと他に採り易いポイントを探した方が良さそうだ。
とりあえず裏へ回ってみたら、ミカン畑になっていた。コチラ側の方が見通しがいい。おそらく飛び回っていた個体はコチラ側の何処かに止まっており、時折飛び出して辺りを見回っていたのだろう。ならば此処で待ってれば採れそうだ。
麓の林縁もチェックしようとしたら、左手から白い蝶が猛スピードで飛んで来た。高さは2mから3mくらい、届く範囲だ。しかし振ろうとした瞬間に軌道を変えて、射程外になった。
後ろ姿を見送りながら、❗❓と思った。大きさ的には♂のフタオと同じか少し小さいくらいだろうが、フタオにしては白すぎる。黒い紋が殆んど入っていないように見えた。とゆうことは、たぶんフタオではない。おそらくウスキシロチョウかウラナミシロチョウだろう。でもウスキシロならば、もっと黄色いからウラナミシロの可能性大だ。

 
【ウラナミシロチョウ♂】

【同♀】

(出展『Aus−lep』)

 
林縁まで来ると、今度は頭上5mくらいをタテハチョウらしき白い蝶が滑空していた。何だよコッチだったかと思ったが、飛び方が滑るようだし、フタオほど高速ではない。
暫く下から様子を見て、漸く気づいた。たぶんガッキー、イシガケチョウだろう。

 
【イシガケチョウ】

(出展『日本産蝶類標準図鑑』)

 
何かヤキが回ってるなあ…。
どうしようもなく感覚が鈍(なま)ってる。考えてみれば、去年は蝶採りに行ったのは数えるほどだ。ギフチョウが3回、スミナガシの春型が1回、夏に長野県で小太郎くんとムモンアカシジミ&オオゴマシジミで2日間、あとは同じく小太郎くんと行った蝶採りとしてはユルい河川敷のミヤマシジミ&クロツバメシジミくらいだ。そういやルーミスにも行ったな。でも3人で行って3人とも1頭たりとも見なかったから、網を振った回数はゼロだから、行ったうちに入らない。ようは何が言いたいかというと、実戦から遠ざかると腕も鈍るという事だ。野球でも何でもそうだけど、振り込まないと実力は上がらないし、サボると下手ッピーになるのだ。

また裏側ポイントに戻ると、突然、梢から蝶が飛び出して来た。逆光だが飛び方を見てコイツかあ❗と身構えたが、直ぐにその姿はアオスジアゲハに変わった。

 
【アオスジアゲハ】

 
アゲハの仲間(Graphium)だから、厳密的にはタテハチョウとは飛び方が少し違うのだが、かなり近い飛び方なのだ。大きさ的にも同じくらいだし、逆光もあったから見間違えたのだ。逆光だと緑色が飛んで白っぽく見えてしまうのである。緑色のとこを白に塗れば、デザイン的に両者は案外似ていなくもないしさ。とはいえ、アオスジアゲハと間違えるだなんてダサ過ぎ。ヤキまわりまくりである。

そのうち曇り始めた。おいおいである。フタオチョウは基本的には光が射していないと飛ばないのだ。

いたずらに時間が過ぎてゆく。
暇つぶしにアマミカラスの♀をいくつか採った。ここはブヨもいないし、知名瀬よりも安心して採れる。先にこのボイントを見つけていれば、あんなに苦労しなかったのにね。
ガックリだが、あれはあれでいっか…。あれキッカケで奄美の教会の美しさや、その悲しい歴史を知ることができたからね。

午後2時半。
また晴れ始めたと思った途端、白い蝶が現れた。南国の青い空を背景に悠然と飛翔している。2つの剣のように尖った尾状突起もハッキリと見えた。まるで誇り高き白き騎士だ。相手にとって不足なし。瞬時に戦闘態勢に入る。
だが、睥睨するかのように頭上を飛び、飽きたように突然プイと踵(きびす)を返して梢の向こうへと消えていった。
間違いなくフタオチョウだ。もうインプットした。これから先は他の蝶と間違うこともないだろう。高さも一番低いところでは5mくらいだったから、今回持ち込んだ6.3mの長竿でも届く。たぶん此処はパトロールのルート上にあるに違いない。

その後、フタオは2度と飛んで来なかったが、これで心には余裕が生まれた。飛んで来るルートが解り、採集可能な場所さえ見つければ、コッチのものだ。明日には間違いなく採れるだろう。まあまあ天才をナメてもらっては困るのだ。

午後3時半に、あかざき公園に移動してきた。
フタオチョウが発生しているのは解った。あとはアカボシゴマダラが発生していれば、目的は果たされるだろう。居ないもんは採れんが、居るとわかればどうにかなる。
だが、慰霊塔で待つも、ついぞアカボシもフタオも姿を現さなかった。たぶんフタオよりもアカボシの方が発生は少し遅れるのだろう。とはいえ、もうそろそろ発生するだろうから明日辺り両方まとめて採れんだろ。そう、いつものメンタルならば、いつも通りの結果が出るっしょ。

宿に帰る。
今日の宴会は蛸パーティらしい。
昨日、女の子たちのために地元のアンちゃんたちがタコと伊勢海老を獲ってきたのだ。可愛くて明るい女の子は得だよね。
その女の子たちが作ってくれた蛸の刺身を食う。

 

 
旨いんだが、少し生臭い。
たぶん塩揉みが足りなかったのだろう。タコは大量の塩でシツコイくらいに揉まないと生臭みが取れないのだ。だから一番簡単な方法は洗濯機にブチ込むことだ。とはいえ家庭では精神衛生上、中々できるものじゃないけどね。自分もそれは無理だわさ。もしシャツやパンツが生臭かったら泣くもんね。生のタコって、下手すれば魚よりも生臭かったりするのだ。

🐙蛸パーティということは、今日はたこ焼きパーティなのかなあ❓でも関西ならまだしも、奄美大島なんかにタコ焼き器とか売ってんのかね❓御存知な方もいるだろうと思うけど、関西地方、特に大阪では一家に一台たこ焼き器があるのだ。たこ焼きパーティならば、またワイの腕の見せどころだな。でもどうせ今日は夜間採集に出るから、たこ焼きパーティなろうとなかろうと関係ないか。

他の料理はまだ出てきなさそうなので、『ホームラン軒』なるカップ麺を食う。

 

 
行ったことはないけど、大阪に『ホームラン軒』という有名ラーメン店がある。そこの監修のカップ麺じゃないかと思って買ったけど、百円だったから違う可能性大だ。味もどってことない。百円で買ったカップ麺に期待してはいけないね。

再び根瀬部を目指す。
今回も日没前にポイントに入った。
先ずは林道を少し入った所に「何ちゃってライトトラップ」を設置する。でもって周囲2箇所にバナナトラップも仕掛けた。

お次は、昼間にフタオチョウが飛んでいたポイントの林縁3箇所にバナナトラップを仕掛ける。Fさん曰く、ここにもアマミキシタバがいるということだから、今日こそはお会いしたいものだ。今夜アマミキシタバが採れれば、明日にはフタオとアカボシが採れるだろうから、一挙にほぼミッション完遂だ。夜に山を徘徊しなくとも済む。

犬に吠えられるのにビクビクしながらも、バイクで2地点を行ったり来たりする。まあ吠えられれば吠えられたで現実世界にいる事が確かめられるし、お化けを追い払ってくれるかもしれないから別に構わないんだけどもね。お化けよりかはまだしも犬の方が友だちになれる。暗黒世界の住人とは、一生友だちにはなれぬよ。
とはいえ、今日はそれほど闇に対する恐怖心はない。慣れてきたというのもあるけれど、人里から近いし、ライトを設置した場所も林道に入ってからすぐの所だからだ。真っ暗な林道を奥へ行けば行くほど恐怖感が澱のように積もってゆくのだ。夜の森では、想像力を逞しくすることは禁物なのだ。

大川ダムよりかはマシだが、集まって来る蛾の数はショボい。
バナナトラップにはオオトモエだけが何頭も寄ってくる。勿論のこと無視である。コッチへ来てからずっとコヤツしか来ないってのは何なのだ❓ 呪われてんのかよ。

 
【オオトモエ】

 
午後11時。
いよいよアマミキシタバが飛んで来る時間帯に入った。
ライトに集まる蛾の数も増えてきた。否(いや)が応でも期待値もハネ上がる。

午後11時20分。
ライトに見たことのないシャクガ(註3)が飛んで来た。

 

 
普段はシャクガなんぞ無視する事が多いのだが、寄って来るのは小汚いチビ蛾ばっかだから退屈でつい採ってしまう。

シャクガを三角紙に収め、ふとバナナトラップの方に目をやると、明らかにオオトモエじゃない大型の蛾が寄ってきてる。

もしやヒメアケビコノハ❓
もしヒメアケビコノハならば、採った事がないから欲しい。
ゆっくりと近づく。この旅での4度の夜間採集の中では初めてのドキドキかもしれない。この感覚が享受できなくっちゃ、夜の森に来る意味なんてゼロだ。

目の前まで来た。いやアケビコノハか❓とも思ったが、アケビっちよりも明らかに小さい。とゆうことはヒメアケビコノハか❓
えーい、グチュグチュ考えたところで蛾のとーしろ(素人)のオイラにワカルわけがない。ここは採って確かめるしかない。

網先で蛾の止まってる少し下を軽く突っつく。

(# ゚Д゚)わりゃ、逃がすかい❗

驚いて飛んだ瞬間に、マッハロッドで💥ズババババーン❗(註4)、電光石火⚡で網を下から上へとシバキ上げる。

 

 
(・∀・)うにゃにゃ❓
何だかアケビコノハっぽいぞ。ヒメアケビコノハの前翅は、こんなに枯れ葉っぽくなかったような気がする。
裏返してみよう。

 

 
(-_-;)う〜む。アケビコノハっぽいかも…。ヒメアケビコノハは外側の黒帯がもっと太かったような気がする。でも記憶は定かでない。アケビコノハにしてはかなり小さいし、脳はヒメアケビコノハだと信じたがってる。もしそうなら、此処へ来た意味もある。
ネットで調べようかとも思ったが、どうせ山の中だから電波が届かないだろうし、帰ってからのお楽しみにしよう。

その後、アマミキシタバどころか目ぼしいモノは何も飛んで来なかった。
午前0時半には諦めて撤退。
相変わらず、今一つ波に乗れないなあ…。

                         つづく

 
追伸
宿に帰って調べてみたら、やはりヒメアケビコノハではなくて、ただのアケビコノハであった。

 
【アケビコノハ Eudocima tyrannus】

 
ヒメアケビコノハは、もっと後翅外縁の黒帯が太いし、裏面も黒っぽいのだ。

 
【ヒメアケビコノハ Eudocima phalonia ♂】

【同♀】

【裏面】

(出展『jpmoth.org』)

 
調べたら、開張は90〜100mmもあり、アケビコノハと大きさは殆んど変わらないらしい。じゅあ、何で「ヒメ」なんて小さいことを表すような和名を付けたのよ❓解せんわ。

主に南西諸島で見られる南方系の蛾だが、本州,四国,九州,対馬,北海道でも記録がある。元々は迷蛾(偶産蛾)とされていたようだが、2000年代に入ってから採集例が増えており、本州でも見つかる機会が増えているそうだ。但し、確実に土着している場所は未だ見つかってないという。
国外では、台湾,インド,南大平洋諸島,オーストラリア,アフリカなどに分布している。広域分布だし、きっと移動性が強い種なのだろう。海の真っ只中で、船の甲板から見つかった例もあるようだしね。
主に8〜10月に見られ、樹液や果物に吸汁に集まる。
幼虫の食餌植物はツヅラフジ科のコウシュウウヤク、コバノハスノハカズラ、オオツツヅラフジ。

 
(註1)フタオチョウ
フタオチョウについては、台湾の蝶のシリーズの第2回で『小僧、羽ばたく』と題して書いたものを筆頭に『エウダミップスの憂鬱』『エウダミップスの迷宮』『エウダミップスの呪縛』と全部で4編も書いている。そちらの方を読んでもらいたいのだが、長いので要約して書いておく。

 
【学名】Polyura weismanni (Dobleday, 1443)
従来まではインドを基産とする「Polyura eudamippus」とされ、日本産には”weismanni”という亜種名が宛てられていた。尚、Polyura eudamippusは、ヒマラヤ西北部(ネパール,インド北東部)からインドシナ半島,マレー半島(キャメロンハイランド),ブータン,雲南省と海南島を含む中国西部,中部,南部,台湾まで分布する。日本産はそれに連なる最東端のモノだと位置づけられていたワケだ。しかし近年になって成虫や幼虫の形態、食樹が他の産地のものとは異なる事から別種となり、学名は亜種名が小種名に昇格した形になっている。
でも、この事実を知っている蝶愛好家はまだ少ないようで、ネットに掲載されている情報では、ほぼほぼ学名が以前の古い学名のままになっている。たぶん今ある図鑑も旧学名のままの筈だ。
尚、インドの原記載亜種(基産地アッサム)やインドシナ半島のもの(亜種 nigrobasalis)と基本的には同じデザインなのだが、実際にフィールドで見ると、かなり違った印象を享ける。

 
【Polyura eudamippus nigrobasalis♂】

(2011年 4月 ラオス・タボック)

 
とにかくバカでかいんである。♂でもこの大きさなのだ。
そして白くて、尾状突起が剣のように鋭く長い。日本のモノより先にインドシナ半島の奴に会っているので、その時に白い騎士のイメージが植えつけられた感がある。

 

 
裏面は日本のものと比べて帯が細く、色も黄色みが強くなる。
個人的にはコッチの方が美しいし、迫力があるから好きだ。

 
【和名】フタオチョウ
別種となったが、和名はそのままで「ニッポンフタオチョウ」や「リュウキュウフタオチョウ」「オキナワフタオチョウ」にはなっていない。正直、ダサいから変えないのが正解だね。
逆に従来フタオチョウと呼ばれていた原名亜種には「タイリクフタオチョウ」なる和名が提唱されている。微妙な和名ではあるが、解りやすいので受け容れてもいいかなあ。

和名は「双尾蝶」「ニ尾蝶」の意で、後翅にある2本の尾状突起に基づく。
尚、日本産のタテハチョウ科の中ではニ双二対の尾突を持つものは他にはいない。日本産の全ての蝶を含めても2本以上の尾突を持つものは、他にはキマダラルリツバメしかいない。
また前翅も特異な翅形であり、色柄デザインも特異である点からも他に類する種はいない。つまり日本では唯一無二の存在であり、沖縄の天然記念物に指定されている稀少性も相俟ってか愛好家の間では人気の高い蝶の一つである。

 
【分布】沖縄本島,古宇利島,奄美大島
現在のところこうなっているが、奄美大島では分布を南部に拡大しており、そのうち加計呂麻島や徳之島でも発見されるかもしれない。
尚、近似種”Polyura eudamippus”の一番近い分布地は台湾で、かなり見た目は近い。

 
【Polyura eudamippus formosana ♂】


(2016年 7月 台湾南投県仁愛郷)

 
weismanniに似ているが、白い部分が少し広がり、尾状突起もやや長いから、慣れれば区別できる。
違いは裏面の方がより顕著だ。”weismanni”の帯は太いが、それに対して台湾産は細い。その色も微妙も違うような気がするが、個体差にもよるし、自分の印象も多分に入っているので断言はできない。
大きさ的には同じようなものだろう。さっきの項で画像を載せ忘れたが、インドシナ半島のものと比べて遥かに小さい。

 

 
おそらく大陸のモノが台湾に隔離され、さらにそれが沖縄に隔離されて長い年月の中で少しずつ形を変えていったのだろう。

 
【生態】
沖縄本島では3月下旬〜5月、6月下旬〜8月、9月〜10月の年3回見られるが、秋は個体数が少ない。
成虫の飛翔は敏速で、梢上を高飛する。樹液や腐果(パイナップルなど果物が発酵したもの)に好んで集まり、吸汁する。吸汁し始めると夢中になり、鈍感なので手で摘める事さえある。また、時に吸汁し過ぎて飛べなくなり、地上にボトッと落ちる個体もいたりする。結構、アホなのである。
オスは占有活動を行い、高い木の梢や突出した枝先などに静止して、同種の♂のみならず他の蝶が飛んで来ても追尾して追い払う。
尚、eudamippusは台湾産を含めて動物の糞尿やその死体、湿地に吸水(♂のみ)によく集まるが、weismanniでの観察例は少ない。この点からも別種説を推したい。中には、まだ別種とは認めないという人もいるのだ。

 
【幼虫の食餌植物】
ヤエヤマネコノチチ(クロウメモドキ科)
リュウキュウエノキ(ニレ科)

元々の食樹はヤエヤマネコノチチであったが、沖縄本島では食樹転換が起きており、リュウキュウエノキ(クワノハエノキ)も食するようになった。それによってヤエヤマネコノチチが自生しない南部にも進出、分布を拡大している。
奄美大島ではリュウキュウエノキを食樹にするアカボシゴマダラが生息する事から競合が予想され、アカボシゴマダラの個体数に影響を及ぼすのではないかと心配されているが、今のところ特には減っていないようだ。尚、奄美にはヤエヤマネコノチチも自生しており、主にそちらを食樹としているようだ。競合を避け、棲み分けをしているのかもしれない。
参考までに書いておくと、ネットなんかの飼育例をみるとヤエヤマネコノチチでは無事に羽化するが、リュウキュウエノキで飼育すると羽化しないという記事があった。或いは先祖帰りと云うか、本来の食樹帰りしているのかもしれない。
しかし、奄美在住のFさんはリュウキュウエノキでも難なく飼育できると言ってはった。

付け加えておくと、Polyura eudamippusの食樹はマメ科である。そして多くのフタオチョウ属(Polyura属)がマメ科の植物を食樹としている。この点からも、日本の”weismanni”は特異で、別種とされたのも頷ける。

 
【幼生期の形態】


(出展『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑』)


(出展『浦添大公園友の会』)


(出展『(c)蝶の図鑑』)

 
見た目はプレデターだ(笑)
或いはコレがプレデターのモチーフになってたりしてね。

最も近縁とされる台湾の Polyura eudamippus formosanaの幼虫も貼付しておこう。

 


(出展『アジア産蝶類生活史図鑑』)


(出展『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑』)

 
日本のフタオの終齢幼虫には帯がないが、台湾のものには帯がある。また顔面の模様も異なる。幼虫の食樹もマメ科だし、これはもう別種レベルに分化が進んでいると言っていいだろう。

 
(註2)ベニモンコノハ
学名 Phyllodes consobrinus Westwood, 1848
Noctuidae(ヤガ科)・Catocalinae(シタバガ亜科)に分類される。

 

(出展『断虫亭日乗』)

 
(;゜∇゜)ワオッ❗、馬鹿デカイね。
開張120〜130mmもあるらしい。

宮崎県,鹿児島県(九州本土),種子島,トカラ列島宝島,奄美大島,沖縄本島などからの記録があり、従来は土着種とされ、小型なことから別亜種として記載された。しかし二町一成氏の論文によると、2011年に奄美大島で纏まって採れたのは、たまたま海外から飛来したものが、その年に二次発生した可能性が高いと述べており、現在では偶産蛾とする見解が優勢のようだ。
国外では台湾,中国南部,ベトナム,インド,インドネシアなどに分布する。尚、日本での記録は7〜8月に多い。
下翅にある紋が日の丸みたいだなと思ってたら、岸田先生の『世界の美しい蛾』には、その紋様から標本商の間では「日の丸」と呼ばれることもあると書いてあった。
生態的にちょっと変わってるなと思ったのは、ライトトラップには誘引されなくて、バナナやパイナップルなどのフルーツトラップに集まるそうだ。
ちなみに幼虫は無茶苦茶エグキモくて笑える。
気になる人は、拙ブログにある『未だ見ぬ日本の美しい蛾1』を閲覧されたし。

 
(註3)見たことないシャクガ
帰ってから調べてみると、アサヒナオオエダシャクという蛾の♂であった。

 

 
アサヒナオオエダシャク
科:シャクガ科(Geometridae)
エダシャク亜科(Ennominae)
属:Amraica Moore, 1888

 
【学名】 Amraica asahinai (Inoue, 1964)】

小種名の”asahinai”は、トンボやゴキブリの研究で有名な朝比奈正二郎博士に献名されたものである。おそらく和名もそれに準じてつけられたものだろう。

とくに亜種区分はされていないようだ。だがウスイロオオエダシャクと似ているため、最初はその南西諸島亜種として記載されたそうだ(ウスイロは屋久島以北に生息する)。しかし下甑島と屋久島では同所的に生息していることが判明し、別種になったと云う経緯がある。

 
【ウスイロオオエダシャク Amraica superans】

(出展『むしなび』)

 
相前後するが詳細に説明すると、日本のウスイロオオエダシャクは従来ではインドの”Amraica recursaria (Walker)と同一種とされ、本土の個体群は”ssp.superans”、屋久島以南の個体群は”ssp.asahinai”として扱われてきた。
だが下甑島と屋久島にて、それぞれ同一地点で両亜種が同時に採集された事から再検討が行われた。結果、共に独立種として扱うべきであり、更にそれらは”recursaria”とも異なる種であることが明らかになった。
またウスリー・朝鮮半島の”confusa”は、”superans”の亜種であり、台湾のものも”superans”ではあるが、色彩斑紋に明らかな差があることから別亜種として扱うべきことも判明した。これによりインド北部〜インドネシアに分布するものが原名亜種(Amraica recursaria recursaria)となった(Sato,2003)。

何でこんな事が起こったのかというと、Amraica属の各種は外観に比較的安定した違いがあるにも拘らず、種による交尾器の差異が雌雄ともに少ないそうだ。その上、個体変異も多いから、この属は種の見きわめは大変難しいようなのだ。だから、こうゆう記載のバタバタが起こったんだろうね。

尚、アサヒナオオエダシャクとウスイロオオエダシャクとの違いだが、アサヒナは前翅の外縁が反り、細長く見えるのに対してウスイロは前翅の外縁が反らない等の点で区別できる。

 
【開張】 ♂49〜66mm ♀69〜88mm
雌雄の判別は、大きさ以外に前翅からも可能。♂の前翅にはメリハリのある斑紋があるが、♀は全体的に暗色で斑紋が目立たない。
決定的な違いは触角の形状。♂の触角は鋸歯状になるが、♀はそうならなくて糸状なので判別は容易である。

 
【分布】
九州(宮崎県・鹿児島県),下甑島,種子島,屋久島,トカラ列島(中之島),奄美大島,徳之島,沖縄本島,久米島,伊江島,宮古島,石垣島,西表島,与那国島。
国外では、台湾,中国南部,ミャンマー,ベトナム,ネパールに分布する。

 
【生態】
3月と8月を中心に採集されているが、徳之島で6月、石垣島では12月にも得られている。この事から年2〜3化の発生だと考えられている。
♂は灯火によく飛来するが、♀が飛来することは稀である。
ちなみに、♂は稀に黒化した個体が得られる。

 
【幼虫の食餌植物】
ネットの『みんなで作る日本産蛾類図鑑』では不明となっているが、『日本産蛾類標準図鑑』にはリョウキュウマユミ(ニシキギ科)とある。尚、おそらく標準図鑑の表記は誤植で、本当はリュウキュウマユミのことだろう

 
(註4)マッハロッドで💥ズババババーン
マッハロッドとは、特撮TVドラマ「超人バロム・1」に登場するバロム・1の乗り物であるスーパーカーの事である。

 

(出展『メタボの気まぐれ』)

 
健太郎と猛がバロム・1に合体変身する際に使用するアイテムのボップが変形したもので、バロム・1が「マッハロッド、ボーップ❗」と叫んで空中に投げることで出現する。
最高速はマッハ2。飛行も可能で、水中や地中も走行できる。
マッハ2って、どないやねん(笑)。オープンカーなんだから、マッハで走ればワヤムチャになってまうやないの。空中とか水中、地中走行なんかは、もっとツッコミどころ満載である。
ちなみに画像は番組前期の車両で、ベースの車は NISSANのフェアレディZなんだそうだ。

マッハロッドはオープニングの唄に矢鱈と登場する。歌詞にも出てきて、そこに「マッハロッドでズバババーン」という文言が出てくるのだ。

You Tubeの動画を貼っつけておきます。

  

 
歌うのは、あの『ゼーット❗』の水木一郎である。
ありゃ❗、でも「マッハロッドでブロロロロー」だわさ。完全に歌詞を間違えて記憶してたわ。
歌詞を載せておきまーす。レジェンド水木さんの独自に語尾を伸ばすところが堪りまへん。
あと、擬音が萌え〜(人´∀`)。

 
『ぼくらのバロム1』
https://youtu.be/BdegVh82aFA
『ぼくらのバロム1』
 
ズババババーンは「やっつけるんだズババババーン」でごわした。スマン、スマン。

 
ー参考文献ー
◆白水隆『日本産蝶類標準図鑑』
◆保育社『原色日本蝶類生態図鑑(Ⅱ)』
◆手代木求『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑 1 タテハチョウ科』
◆手代木求『世界のタテハチョウ図鑑』
◆五十嵐邁・福田晴夫『アジア産蝶類生活史図鑑』
◆岸田泰則『日本産蛾類標準図鑑(Ⅰ)』
◆岸田泰典『世界の美しい蛾』
◆2020.8.9『奄美新聞』
◆二町一成,柊田誠一郎,鮫島 真一『2011年奄美大島にて多数採集されたベニモンコノハ Phyllodes consobrinus Westwood, 1848』やどりが 236号(2013年)
◆『みんなで作る日本産蛾類図鑑』
◆『ピクシブ百科事典』
◆Wikipedia
◆You Tube