深夜のカプレーゼ

  
昨日?、今日?
日付が変わった深夜に山から帰ってきて、24時間スーパーに寄った。
輸入物のモッツアレラチーズが安くなってたので買う。

 

 
モッツアレラといえば水牛のチーズで、真っ先に頭に浮かぶのがカプレーゼだ。
カプレーゼとは、正式にはインサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese)といい、イタリア南部カンパニア地方のサラダである。直訳すると「カプリ島のサラダ」という意味だ。
幸い冷蔵庫にはフルーツトマトがある。それにその山で採ったばかりの野生のシソもある。これはもう、天の啓示みたいなもんである。
( ・◇・)ん?、何かこのシーンって既視感がなくなくねぇか❓ ドッペルゲンガーとかドッペルゲンゲル的なものをフッと感じたぞ。いやドッペルゲンガーとは違うわ。既視感のことはデジャヴって言うんだったな。
御託はいい。疲れているのだ。とっとと作ろう。

作り方は簡単だ。
トマトとモッツアレラチーズ、生のバジルを交互に盛りつけ、そこにエキストラヴァージン・オリーブオイルと塩、胡椒をかけるだけだ。
で、生のバジルの替わりに同じシソ科のシソを使おうと云うワケである。

とはいえ、雨に祟られ何だかヘトヘトだ。
キレイに交互になんて盛りつけてらんない。良く言えばワイルド、悪く言えばぞんざいに盛りつける。

 

 
疲れてんなあ…。肝心の塩と粗挽き胡椒を振るのを忘れてるよ。

 

 
完成。
赤と緑と白のトリコロールが美しい。何だかイタリア国旗みたいだ。

口に頬張ると、トマトの甘みと酸味、モッツアレラのコクが広がり、そして最後に野生のシソの強い香りが鼻に抜けてゆく。
野生の紫蘇って、こんなにも力強いんだ…。
この料理の主役は、この野性味溢れるシソかもしんない。

窓の外に目をやる。
雨はまだ降り続いている。

『深夜のカプレーゼ。』と呟く。
何だか映画のタイトルみたいだ。
ちょっとだけ、頬がゆるんだ。

 
                 おしまい

 
追伸
今宵もひっそりと生きてきた美しき者の姿を求めて、原始の森へ行こう。