夜に彷徨(さまよ)う

 

ワードプレスのブログの契約が2月いっぱいで切れた筈なのに、ナゼかホームにアクセスできる。そう云うワケで、書きかけの文章を完成してアップしちゃおう。

蛾(ガ)採りはミステリーである。そして、蛾の夜間採集はスリルとサスペンスに満ちている。中でもライトを焚かない夜間採集はホラーであり、スリラーだ。
ミステリーな上にスリルとサスペンスに満ち、更にホラーでもあると云う全部乗せスペシャルなのである。

と、ここで脱線。この際だから、これら似たような言葉を定義しておこう。皆さん、多分これらの意味がゴッチャになっておられると思われるので、今一度整理しておこうと云うワケである。
そんなもん知っとるわいι(`ロ´)ノ❗という方々も、暫しその説明にお付き合い下され。
あっ、何でも知ってる賢い人は飛ばしてね。

スリルとは緊張感を指し、スリラーとは人に緊張を強いる物語である。
サスペンスとは、緊張感を孕んだ謎解き物語だ。
ホラーは恐怖を下敷きにした物語。
ミステリーは謎が主題の物語だ。
スリラーもサスペンスも、メインになるのは緊張感や緊迫感、不安感ということになる。
その上で、こう定義してみよう。
「恐怖に重きを置くもの」をスリラーと呼び、
「謎に重きを置くもの」をサスペンスと呼ぶ。

これだけで解る人は、次を飛ばしてね。でも今一つワカンナイ人のために、個別にもう少し詳しく書いておこう。

 
【ホラー(horror)】
髪の毛が逆立つことが語源だそうである。
髪の毛が逆立つって、どんだけ怖いねん。ホラーは苦手だよ。

1.恐怖、恐ろしさ、恐ろしい人、物、事(terrorとは違い、嫌悪感を伴う)。

2.転じて、心霊や怪物、嫌悪感を伴う恐怖を扱った「ホラーもの」「ホラー作品」のこと。

3.憎悪、嫌悪。

4.ぞっとする気持ち。ふさぎ込み。アルコール中毒の病的震え。恐怖。戦慄

 
【ミステリー(mystery)】
「謎」「不可思議」「神秘的」「怪奇」「推理小説」などの意味を持つ単語である。

 
【サスペンス(suspense)】
不確定要素から起こる心理的不安定感を意味し、未解決・不安・気がかりの意。多くは小説・ドラマ・映画作品などに冠に使われ、筋の展開や状況設定などによって、読者や観客に不安感や緊張感を与える事を主軸・主体に置いたもの。その後の展開が『犯人』や『動機』『目的』『原因』などが不明な事により、先の見えない“不安定”な状態にさらされるものを指す。語源である「suspended(宙ぶらりん状態)」をイメージされたら良いかと思う。

 
【thriller(スリラー)】
語源はスリル(thrill)で、恐怖や極度の期待からくる緊張感。はらはら、どきどきする感じ。「スリル満点」などが、言葉としてよく使われる。

1.スリルを与える人[もの]。

2.怪奇小説や演劇、映画などの恐怖を主題とした作品ジャンルの一つ。

これで、だいたいの事は理解して戴けたかと思う。
ガ採りは、これら全ての要素が入っている。

『怖いですねぇ。恐ろしいですねー。』

口からポロッっと、勝手に淀川長治の決まり文句が出てきちやったよ。
淀川長治(1909~1998)と云えば、日曜の午後9時からTVでやってた『日曜洋画劇場』だ。約32年にわたって映画の前後に短い解説をしてはった。

 
(出展『❓』見つかりません)

 
いつも笑顔で、好好爺って感じの爺さんだった。
でも見た目がカラクリ人形みたいで、子供の頃は誰かが下で操作しとるんちゃうかと疑ってた。
締め括りに必ず「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。」と強調して言う独特の語り口が全国的に有名で、多くの視聴者に親しまれていた。知らない人はいなかったんじゃないかな。
でもさあ、上記の、ホラー映画やサスペンス映画など怖い映画の時に言う、これまた常套句の『怖いですねー。恐ろしいですねー。』と言ってる眼鏡の奥の目がまったく笑ってなかったんだよね。それが逆にメチャメチャ怖かった。そう云う人が一番ヤバイ。この人、善人に見えて、本当は相当な悪なんじゃないかと思ったのだ。今はそんなことないと思うけど。

( ̄∇ ̄)あちゃー、又しても大脱線だ。
スマン。ここからが本題。

夜の蛾(ガ)採りは、ミステリーとホラーとサスペンスに満ちている。

それを知ったのは、2017年の春だった。

水沼さんと森さんにライトトラップに連れてってもらった。化け物、オオシモフリスズメを一度はこの眼で見てみたかったのである。

 

 
ライトトラップは車の横に1つと1㎞ほど離れたとこに1つと、二ヶ所に設置されていた。

車のそばで飲み会になった。ワテはチャンスと思い、酒をガブ飲みした。蛾が恐かったのである。酔っ払いさえすれば、怖いもん無しになれると思ったのである。

しかし、細かな霧雨の降るライトトラップには絶好のコンディションなのにも拘わらず、日没と共にエゾヨツメが飛んで来たあとは、サッパリワヤであった。

 

 
時刻は、いつの間にか午後11時半になっていた。水沼さんは既に就寝されていた。

森さんに『もう1つのトラップを覗きに行きません❓』とお誘いしたが、『行かへん。一人で行ってこいや。』とニベもなく、却下された。一人は怖いので、もう一度懇願したが、『アホか、懐中電灯貸したるから、一人で行ってこんかい。』と言われた。

ホントはガキの頃からの超怖がり屋である。でも『僕も行きませんわ。』なんて言いでもしたら、『おまえ、怖いんやろ?』とでも言われ、せせら笑われるに決まってんである。それは絶対に嫌だ。恐怖よりもプライドを取る。

真っ暗な夜の山中を、一人で歩く経験は殆んど無いから半泣きで歩き始めた。背中がゾワゾワする。

歩き始めたら、周囲の黒く濃い闇が気になって仕方ない。闇の奥に魑魅魍魎どもが潜んでいるのではないかと思って、気ぜわしく周囲に目を走らせながら歩いた。

もし出たら、

懐中電灯で、コメカミを死ぬほどブン殴ってやる(#`皿´)❗

マジで、そう思ってた。

着いたら、イボタガが杭に止まっていて、ビックリしてチビりそうになった。カッコイイ蛾ではあるが、見方を変えれば、異形の者、悪魔の化身じゃないか。

 

 
で、近づこうとしたら、羽を広げて威嚇された。目玉模様がカッと目立つ。
Σ( ̄ロ ̄lll)ビビって、反射的に飛び退いてもうた。

 

 
そのうち、羽をぶるんぶるんやり始めた。
怒っていらっしゃるんでしょうか❓
酔いが一挙に醒める。

 

 
しかし持ち帰らねば、嘘つき呼ばわりされかねない。半ベソ掻きながら、毒瓶に無理矢理突っ込む。

震える心で、さあトットと帰ろうと思って、何気に視線を移した。網膜に映る映像に、何か違和感を感じた気がした。

\(◎o◎)/ゲロゲロー。

陰に怪物が鎮座していた。

 

 
間違いない。オオシモフリスズメ大王様だ。その禍々(まがまが)しい出で立ちに、夜の闇は、こんなとんでもないもんを産み出すのかと思った。

ヤケクソのフルパワーで、毒瓶に突っ込む。

 

 
デカくて、ジャックナイツみたいな翅だ。これはヤバイっしょ(-“”-;)

この時の事は拙ブログに、『2017’春の三大蛾』と題して書いている。アホみたいで結構面白いから、よかったら読んでつかあさい。参考ながら、2018年にも、この春の三大蛾について書いてます。

画像が暗くて実物が分かりにくいので、展翅画像も添付しておきますね。

 
【エゾヨツメ】

 
【イボタガ】

 
【オオシモフリスズメ】

 
 
この日は大量のオオシモフリが飛来したのだが、♀は採れなかったので、翌週に箕面公園に行った。

 

 

 
ライト・トラップの時と違い、今夜は一人だ。
外灯はあるものの、夜に山中を一人で歩くのは怖い。この外灯に蛾が集まってくるのだが、水銀灯なので色が冷たい感じがする。うすら寒いと言ってもいい。慣れてないから、それが何とも不気味なのだ。ホラー映画のオープニングみたいな、いや~な雰囲気なのだ。足の無い奴やドロドロの体の奴が出てきてもオカシかない。

因みに、写真を撮ると、こんな風に緑色っぽく映る。

 

 

 
公衆トイレの灯りなんかにも集まるから、一応寄るんだけど、これがまた気持ちが悪い。ヤバイもんがいそうな雰囲気バリバリである。完全にホラー映画のシチュエーションだ。
それに壁やドアに気持ち悪い蛾ともが沢山止まってたりすると、オゾける。何度も言うが、本来アッシは蛾が大嫌いなのだ。一応、蛾でも触れるのはカトカラやスズメガの仲間とヤママユ系だけだ。今はだいぶ慣れたが、それでも何でも好きと云うワケではない。

そういえば、この時は帰り道の途中にあるトンネルまで降りてきたら、

(◎-◎;)ドォ━━━━━━━ン❗❗❗

心臓が止まりそうになった。

突然、黒いトンネルの横に並んで立っている異形(いぎょう)の者たちが目に飛び込んできた。その周りには、漫画みたいに斜線がいっぱい入ったよ。それくらい映像が強調された。

頭の中で、すぐに思い浮かんだのが、人生で最も怖かった映画『シャイニング』に出てくる双子の少女だ。突然、脈絡もなく、その画像がカットインで入ってくるのだが、これが意味なくメチャンコ恐ろしい。狂ったジャック・ニコルソンよりも遥かに怖いのだ。それを思い出して、俺、終わったな。殺されると思った。しかも二人とも女装のオカマなのだ。違和感バリバリじゃないか。深夜の山中、真っ暗な口を開けたトンネルの横に変な格好のオカマ二人組…。狂っている奴らとしか思えん。猟奇的変態かもしれん。ワシ、惨殺されて、山に埋められるんかのー(ToT)

殺されるにしても、せめてそのリボンと髪の毛は引きちぎってやろうと思った。

二人と目があった瞬間、『こんばんわ。』と言われた。
狂った人間が吐き出す言葉なら、相当ヤバいセリフだ。それで近寄ってでも来たりしたら、殺人鬼決定だ。
でもその声は普通の人の、普通の挨拶の声と口調だ。すかさず顔をまじまじと見た。化粧は半ば剥がれていて、異様な感じではあるが、その目は狂った者の目ではなかった。

小さな声で、『こんばんわ』と返した次の瞬間には言ってた。

あー、(|| ゜Д゜)ビックリしたぁー。

心の中に、大きな安堵と共に怒りが込み上げてきた。(#`皿´)バーロー、こんな山ん中でオカマがイチャつくんじゃねえーよ。

この話なんかは完全にホラーだ。
夜のトンネルは、バリバリ怖い。

それで思い出したよ。

 

 
武田尾のJRの廃線になったトンネルだ。昼間でも無気味だ。
このトンネルはまだ短いが、長いものも結構あって、それは先が見えなくて、たとえ日中でも懐中電灯が無いと歩けんところなのだ。

2018年は夜に2度訪れているが、2度とも恐くてトンネルの中には入れなかった。霊感の無いワシでも、何かヤバイものが出そうで、とてもじゃないが無理だった。だいたい心霊スポットと云えば廃墟、廃屋かトンネルだと相場が決まっているのだ。チキンハートのワテが入れるワケがない。しかも、一人ぼっちだ。何かあっても、誰も助けてくれない。

そんなの絶対に無理(*`Д´)ノ❗

しかし、去年(2019年)は遂に中に入っちまった。
ここには、ナマリキシタバと云う珍品の美しい蛾がいて、関西で確実にいるのは此処しかないと言われている。しかも、街から近いのだ。

2度も惨敗を喫したのは、トンネルが怖いので生息地の中心ではない端っこで採ろうとしたからだ。甘かったと痛感したよ。で、形振り構ってらんなくなって、勇気を振り絞ってトンネルに入ったってワケ。虫屋の採りたい欲望、巌(いわお)も砕くだ。

二つ目のトンネルで、前からスマホの懐中電灯で歩いてくるバカップルがいたので、奇声をあげて脅かしてやった。死ぬほどビビってるのを見て、『ゴメン、ゴメン。足元をネズミが走りよってーん。』とか言って誤魔化した。ケケケケケ…Ψ( ̄∇ ̄)Ψ、アタシャ、性格が悪いんである。

これなんかは、向こうから見れば、完全にホラーだろな。ついでにワシの顔を下から懐中電灯でかざしてやればよかった。それだとギャグになっちゃうか(笑)

戻りもトンネルを通らねば帰れない。「行きはよいよい、帰りは怖い」である。だいたいがヤバイ話は帰りしなに何か起こるのだ。
真っ暗な中に懐中電灯の光の束だけが真っ直ぐに伸びている。鳥肌立つね。光が変なものだけは照らさないでねと祈る。
夜遅くだったし、もちろん一人だから小走りでトンネルを抜けた。頭の中は余計な事を考えず、終電の時間のことだけを考えた。

この頃には、だいぶと心頭滅却が出来るようになっていたのだ。極意は、ミッションに集中することだ。目的以外の他の事は遮断する。いらぬことは考えてはならない。いらぬ事を考えれば考えるほど、恐怖は増大してゆくものなのだ。『幽霊と思いきや、正体見たり、枯れ尾花』と言うではないか。恐怖とは、想像することなのである。だから、想像力が豊かな人ほど怖がり屋が多いかもしれない。

 

 
誰そ彼(誰ですか、あなたは)。黄昏だ。
やがて陽が落ち、夜の帳が降りる。
逢魔が刻(とき)でもある。魑魅魍魎たちが跳梁跋扈する時間の訪れだと、いつも思う。そして、変なもんを見ないことを祈る。自慢じゃないが、肝っ玉は小さいのだ。

今宵も夜を彷徨(さまよ)う。

 

 
木々の影は、時に化け物を連想させる。風にそよぐと、まるで生きているかのようだ。本当に何かが宿っているような気持ちになる時だってある。
闇は人の心をざわめかせる。普段は考えないような事も考える。色濃く人の心に翳を落とすのだ。

 

 
月夜は美しい。でも、何だか恐くもある。

 

 
そして、ミステリアスだ。

 

 
アルテミス。月の化身だ(註1)。
幽玄なる美しさがある。

 

 
アブラゼミの羽化。青白い色は儚く、透明感がある。
蝉の羽化はいつ見ても、神秘的だと思う。

  

 
小さいけど、とても美しい蛾だ。
名前は知らない。

 

 
シンジュサン。巨大な羽を羽ばたかせて、夜空を飛ぶ姿には見惚れる。
コヤツも月の化身だ。
学名 Samia cynthia の「Cynthia(シンシア)」は、月の女神アルテミスの別名キュンティアーの英語読みなのである。

陽の光のもとで見ると、そこには紫檀の美しさが在る。

 

 
スタイリッシュなデザインでもある。

 

 
蛍の姿も、よく見た。
でも、一番最初は🔥鬼火かと思って、相当ビビった。
その光がゆっくり、スウーッと空に舞い上がる様は、刻(とき)を静謐にさせる。時間の流れも緩やかになる。
そして、群れ飛ぶ姿は幻想的だ。黄泉の国の入口みたいだ。

これらを見ていると、その全ての生き物たちに精霊が宿っているのではないかと思う。そして皆、ミステリアスだ。

 

 
外灯の下に立つ。夜中に一人歩いていると、不思議な気分になる。時々、自分は何をやってるんだろうと思う。自分とは、いったい何者なのか?だとも。
しかし、長く闇に包まれていると、親密な気分にもなってくる。段々、闇に体が馴染んでくるのだ。やがて、自分の輪郭が滲んで朧になり、闇に溶けてしまうのではと思う。

闇にまだ慣れてない頃で、一番怖かったのはカバフキシタバを採りに行った京都だった。

 
【カバフキシタバ】

 
先ずは、この看板。

 

 
これには正直、心理的な影響をかなり受ける。熊に襲われたら、洒落にならんからだ。

真っ暗けー。

 

 
漆黒の闇だ。今宵は新月。空に月はない。
オマケにここは外灯が一切なく、街の灯も全く届かない地形になっている。四方、八方、笑けるほど黒いのだ、まるで太古の闇だ。熊が近くにいても全くワカランだろう。背後からガバッと来られたら、一貫の終わりである。スリル満点じゃないか。しかも映画とかの擬似じゃない。リアル・スリル満点なのだ。

ここは樹液でのカバフキシタバの採集だったのだが、森の奥まで入らねばならないし、メチャンコ、斜面がキツい。

覆い被さる木々に、さらに闇が濃くなってような気がする。試しに懐中電灯を消してみた。
遠近感ゼロ。誰かに鼻を摘ままれてもワカランような、まさに太古の闇だ。言葉に表せない不思議な感覚に囚われる。心だけが闇に浮かんでいるような奇妙な気分になる。

もし、森の中で懐中電灯が切れたら、道までは戻れないだろう。そうなれば、動くことは危険だ。ずっと此処で膝小僧を抱いて(ToT)シクシク泣きながら、朝が来るまで待つしかない。そう云う意味では、これもまたスリル満点だ。安物の百均の懐中電灯なのだ。接触も悪いし、いつ電池が切れるかもワカラナイ。予備も持ってないから、ひやひやものだ。想像しただけで、チキンスキンになる。関西風に言うと「さぶイボ」出たわである。

その時だった。
森の奥から動物の太く激しい咆哮が森に谺した。その場でフリーズする。

3、40mくらいか…。結構近い。
動物の野太い咆哮は、尚も続いている。それを聞いてると、段々腹が立ってきた。まだカバフキシタバも採れてないんである。って云うか、採り逃がした。これでは何しに来たかワカラナイ。このまま此処に朝までとどまっているワケにはいかないのだ。

熊が何ぼのもんじゃい。
(#`皿´)キレた。

うっせー、ジャカわっしゃーい❗(#`皿´)ブッ殺すぞー❗

声は闇夜をつんざくように辺りに反響した。
( ̄▽ ̄;)あちゃー、思わず大声で叫んでまった。
しもた。冷静さの欠片(かけら)もない愚行だ。
だが、その気迫に怯んだのか、吠え声はピタリとやんだ。伊達に長く舞台役者をやっていたワケではないのだ。
でもなあ…。怒って静かに背後から忍び寄られ、ガバッと襲われるかもしれない。そうなると、命を賭して闘うしかあるまい。死闘だ。物語はスリラーだけにとどまらず、バイオレンスの要素まで加わってくるじゃないか。スゴい物語だが、怖すぎるわ。

結末は、カバフキシタバの回を読んでくれたまえ。

因みに、中部地方はどこ行っても熊の恐怖に苛まれた。

 

 
こんな看板が何処にでも普通にあるのだ。
長野、岐阜、山梨は、どこへ行っても、熊の恐怖に怯えながらも自分で良いポイントを探さねばならなかった。どこにトラップを仕掛ければいいか必死に考えねばならぬ。謂わば、謎解きもしなければならないのだ。そう云う意味では、毎回が物語はミステリーであり、恐怖が加わればスリラーであり、サスペンスでもある。怪物やお化けや魑魅魍魎、霊的なものへの恐怖も加わればホラーにだってなるのだ。

それでは皆さん、

『サヨナラッ、サヨナラッ、サヨナラッ』

                    おしまい

 
追伸

次回も記事が投稿でけるかどうかはワカランので、あしからず。

追伸の追伸
色んな蛾が出てきたが、今は採ってるのは主にカトカラだけ。熊の恐怖に出てきた下翅の黄色いヤツが同じグループに含まれる。下翅が美しい蛾で、上翅も渋美しいものが多いから、ついでに幾つか並べておく。

 
【ベニシタバ】

 
【エゾベニシタバ】

 
【シロシタバ】

 
【コシロシタバ】

 
【オオシロシタバ】

 
【ウスイロキシタバ】

 
【ムラサキシタバ】

 
【クロシオキシタバ】

 
【パタラキシタバ】

 
【フシキキシタバ】

 
【ワモンキシタバ】

 
【ゴマシオキシタバ】

 
【ミヤマキシタバ】

 
【マホロバキシタバ】

 
個体によるバリエーションもあって、今のところまだ飽きてない。

 
(註1)アルテミス。月の化身だ。
オナガミズアオもオオミズアオも勝手にアルテミスと呼んでいる。但し、今は日本にはアルテミスと云う学名のものはいない。昔はオオミズアオの学名にギリシア神話の月の化身アルテミスが使われていたが、日本産の学名は Actias artemis から Actias aliena に訂正されているからだ。

因みに画像はオナガミズアオ。
学名はActias gnoma。小種名は意味は「地の精」。