師走の夕暮れ

 
ガチさびぃ~。
冬はとっても苦手なのだ。
ポチ、できることならマジ冬眠したいよ。

寂しがりやのポチは、ゴージャスな夕焼けを眺め終えると、意を決したようにまた歩き始めた。
天王寺から難波までの帰り道、今度こそは道草しないようにしよう。そう思った。

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難民、天王寺界隈を徘徊す。

 
新連載の『台湾の蝶』の第2話が早くも頓挫の様相を呈しておる。
気分転換にFacebookに投稿した記事を再編、加筆してお届けします。

気の知れた女ともだちから「北斎展」のお誘いを受けた。

混雑が予想されるので、珍しく午前9時45分という早い時間に天王寺駅で待ち合わせした。
だが、甘かった…。

開館直後なのに、もうこの黒山の人だかり。
画狂老人の人気、恐るべし❗❗
チケット買うのに1時間待ちだとさ。
並ぶのと待つのが死ぬほど嫌いなオイラの事を忖度してくれたのか、『やめよ。』と云う姉さんの鶴の一言で、即刻離脱のUターン。

とは云うものの、はてさてどうしたものか?
とりあえず早めの昼飯でも食おうかとなったのだが、中途半端な時間である。ウロウロするが、まだどこも飯屋が開いておらん。早くも難民と化す。

姉さんが中華を食いたいと言うので、ネットで調べて地図を脳ミソにインプット。辿り着いたのがこのお店。

中華料理『悦来閣』。
裏町の場末感満載の場所の一角で、ギョーザと書かれた幟(のぼり)が風に揺れていた。

パッと見、雰囲気的にはハズレだ。
だが、一考の余地はあると思った。こんな場所を観光客が通ることなど、まず無いだろう。ならば、一見(いちげん)のお客は殆んどいない筈だ。となると、三段論法で地元の人くらいしか来ないと云うことになる。
外観からはそれなりの年数経過が感じられるし、そこそこ続いてきたからには一定のニーズはあるって事だ。
つまり、地元の人の普段使いの中華と結論づけてもよかろう。ならば、そこそこ旨い可能性がある。
但し、賭けではある。行列が有るわけでなし。旨いという確たる保証はどこにも無いのだ。
かと言って『食べログ』の感想記事を読むのも癪(しゃく)だ。店選びは、最終的に自分の経験に基づいた己の嗅覚と勘のみで決めたい。姉さんの意見は聞いても、見知らぬ赤の他人の意見などに左右されてたまるものか、ボケッ(*`Д´)ノ!!!

時刻は午前11時前。
店の前で二人して逡巡していると、オバチャンが看板を持って店から出てきた。
『いらっちゃいませー、どぞー』と声をかけられる。
日本語だが、明らかに訛りがある。間違いなく中国人だろう。これで決心が固まった。

中国人がつくる中華にハズレなし。

店内は、町の普通の定食屋といった風情。
促されて真ん中のテーブル席に座る。

オラと姉さんは、コンビ・ザ・酒バカだ。
当然朝っぱらから🍻ビールである。
ビールとあらば、自明の理の如く餃子であろう。
幟にもギョーザとあったではないか、意見一致で迷わずオーダー。

えー、ここで一言ことわっておきます。
写メ撮ってないので、画像は無しです。だって文章書く気なんて無かったんだもん。興味のある方は食べログで探しましょう。

見た目は、羽付きで如何にも旨そうな餃子だった。
(ハイ、おのおの頭の中で勝手に想像しましょうね)

しかし、食べてみてちょっと驚く。
食べたことのないベクトルの不思議な味の餃子だったからだ。旨いには旨いんだけど、妙に上品でアッサリしていて餃子特有の👊パンチ力があまりないのだ。
これはこれで有りだと思うし、慣れればハマる可能性はあると思う餃子かな…。

次なるオーダーを模索する。
姉さんが普段めったに外でラーメンを食わないとおっしゃるので、ラーメンに決定。
味噌とか豚骨とかもあったけど、ここはシンプルに醤油ラーメンをチョイスだろう。直感的に、こういう店では王道を外してはならないと思ったのだ。

餃子、ラーメンとくれば、炒飯だろう。
さらに定食メニューの中から、これまた間違いは無いだろうという『海老と卵の炒めもの』をチョイス。
三品まとめて頼んで、これにてハニー❤フラッシュ❗もといのオーダー・フイニッシュ❗

書いてて飽きてきたので、こっからは早足でいく。

『海老と卵の炒めもの定食』。
シンプルな炒めものを想像していたが、予想外の海老チリ風。味付けは悪くないが、片栗粉がダマになってて期待値を大きく下回るものだった。
各定食に付いてくるという「白身魚フライ」は冷たくて、(#`皿´)ガッデーム❗お前なんかオマケでもいらんワイと云う代物で❌。
但し、自家製らしきザーサイはバリ旨❗白メシに合う最高のアイテムだ。

『炒飯』。
見た目はベッチャリ系。
ふわパラ系が好みだから、ややガッカリする。
だが食べてみると、そうでもない。ちょっと独特ではあるが、味付けも嫌いじゃない。旨いと言ってもいいだろう。但し、食い進めるうちに飽きてくる味。
付いてくるスープは旨い❗たぶん化学調味料とか入ってそうだけど、そんな事はどうでもよろしの美味さだ。

『醤油ラーメン』。
さして期待していなかったが、これが驚き桃の木、カッパのへぇ~だった。
見たところ、麺は太さノーマルの中細ストレート麺。
スープもどこといって特徴のない色と澄み具合。
具はネギとチャーシュー、もやし。あとメンマも入ってたっけ?これまたノーマルそのもののラインナップである。
とにかく、見た目はシンプルの一言。何ら奇をてらったところの無いごく普通の醤油ラーメンだ。
だが何も考えずに麺をズズッとすすって\(◎o◎)/アチャマー、びっくらこいた。見事な調和といおうか、ワケがワカランくらいにシンプルに美味いんである。麺の硬さも程好く、スープとの相性も抜群だ。

順番が逆になったが、次いでスープだけを飲む。
( ☆∀☆)メチャクチャ美味いやんけー。
有名なラーメン店なら、まず先にスープから飲むのが常道だから、よほどナメてかかってたんだろうネ。
多分、ベースは白湯スープ。これまた基本路線を踏襲している。だが、微かな香りが鼻腔をかすめて抜けた。何だろ❓記憶にある香りなのだが、一瞬香ったと思ったら、押し寄せてきた旨みの波に埋没するようにして消えた。

もう一口食う。今度は具も一緒だ。
チャーシューは、まあ普通。メンマはそこそこに美味いってとこだ。でも、もやしが心憎いまでに麺のサポートをしておる。シャキシャキ感が堪んない。麺と共に口の中で噛んでいると、そのシャキシャキがアクセントとなって口の中で絶妙のハーモニーを奏でるのだ。
普通だけど凄い。普通の中の究極の醤油ラーメンって言いたくなるような稀有なるバランスのラーメンだ。
しかも、600円だぜー。コスパ、最高じゃん。
正直、昨今のラーメン屋の値段の高さには疑問を持たざるおえない。いくらスープに金と手間が掛かっているか知らんが、千円近くもするラーメンってどうよ❓
もう庶民の食いもんとちゃうで。その値段を出せば、そこそこ豪華な定食が食えるんちゃうんけー。

しかし激賞はしたものの、最近は外であまり飯を食わないので、自分の舌が今どの程度のレベルにあるのかがワカラン。舌は鍛えられるものでもあるからだ。
ここは姉さんに一刻も早く食ってもらって、感想を述べて貰わねばならぬ。でないと不安だ。美味いもん好きの姉さんのコメントは信用に足る。

『美味しいわあ。もやしのシャキシャキ感もいいと思う。あっ、少し八角の香りがするネ。』

おー、(  ̄▽ ̄)そうかあ。言われてみれば、あの香りは確かに八角の匂いだわさ。
流石だよ、姉さん❗❗尊敬させて戴きます。
考えてみれば、本場中国や台湾では、わりと普通に八角(スターアニス)は使うもんね。五香粉(ウーシャンフェン)にもふんだんに入っておるしさ。
もしかしたら、この微かに香る八角が、普通だが普通でない極上の醤油ラーメン足らしめている理由なのかもしれない。

ここまで書いといて画像が無いのも忍びないので、最後に他からパクっきた画像を貼り付けときます。

(出典『Retty』より)

さてさて、腹も一杯になった事だし、この先どうすっべか❓

                 つづく

追伸
Facebookにあげた3つの記事を纏めるつもりが、アホほど加筆してしまった。ラクしようとしたのに、これじゃ丸っきりの新作じゃねえか。気分転換のつもりが、かえってシンドしてどないすんねんである。

因みに、実を言うとこの中華屋には後日また行った。
ラーメンの味を確かめる為である。ああゆう大衆中華って、珠にたまたまその日だけの「偶然の奇跡」が起きたりするのである。常連のとっつあん曰く『大将、今日のスープ、上手いことデケてるやないけー』の世界である。

で、肝腎の食っての感想。
ハッキリ言って前とは少し違ってました。美味しくないことはないんだけど、前ほど美味くはなかったと云うのが偽らざる感想だ。そこに感動も驚きもない、本当に普通のラーメンに成り下がっていた。
味のバランスというのは、ちょっとでもズレれば大きく印象が変わるものなのだろう。
とはいえ、どっちの日が普段の味だったのかはワカラナイ。たまたまこの二度目がハズレで、最初の一杯が普段の味だったのかもしれないのだ。
だから、もう一回行ってやろうと思ってる。

でも、三回目は又違う味だったりするんだよな~(笑)
多分、店には料理のベースになるスープがあって、それを使って色んな料理をつくるのだと思う。だから、ラーメンもその日のスープの出来次第というか、味次第だと思うんだよね。ラーメン専門店じゃないんだから、そこまでスープには拘ってない可能性は充分にあると思う。八角の量もその日次第で、下手したらオヤジさんの気分で入らない日だってあるかもしれない。

あのなあ~、多分なあ~、スープの素となる具材が毎日いっしょとちゃうでぇーΨ( ̄∇ ̄)Ψ。