戻り鰹に唸る

 
戻り鰹の季節になってきた。

たまたまスーパーで、これはという生のカツオが目に入った。そこそこ大きさがあって、モノが良いのに片身下半分(4分の1)の柵が¥398だった。安い。
量的には多いので迷ったが、カツオはデカイ方が旨い。それに、たとえ今日食べきれないであろう半分を捨てたとしても、安い。買わない手はない。

帰ってきてパックを開けたら、やはり予想通りの皮付きであった。正直、面倒くさい。でも、新鮮な証でもある。皮付きの生は、よほど自信が無いと店頭に出せないのだ。銀色が禿げて輝きを失ったモノは、目を背けたくなるくらいにみすぼらしい。

鮮度が良いので、皮を引いてもいいかなと思ったが、綺麗な銀色だったので、タタキにすることにした。大概の魚は、この皮と身の間に旨味が詰まっているのだ。
とはいえ、最上とされる藁焼き鰹のための藁なんて持ってるワケないし、たとえ有ったとしても、煙と炎が半端なく出るからマンションでは御法度だ。
そう云うワケだから、金串を打って、ガスの直火で皮めを焼くことにした。
焦げ過ぎないように気をつけて焼いたら、すかさず氷水に浸ける。普段はそこまでしないのだが、今回はモノが良いので万全を期した。旨いもんにありつきたかったら、手を抜いてはならない。

周りの水気をキッチンペーパーで丁寧に拭き、庖丁で厚めにスパッ切る。ここ、大事。カツオの刺身は厚めの方が旨いのだ。そして刺身はよく切れる包丁で、手前から刃先へと刃渡りを全部使う気持ちで引いて切る。前後に包丁をコキコキ動かして切るのは言語道断だ。断面がグチャグチャになって、味と食感が格段に落ちる。どんな良い素材でも、見事なまでに台無しになってしまうのだ。知らなかった人は、今後、肝に命ぜられよ。
その為には第一歩として、ケチらずによく切れるそこそこ高い包丁を買いましょうね。

 

 
切った瞬間には気づいていたが、見よ、この断面の輝き❗(ゴメン、ワードプレスに記事をアップすると、ナゼだか画質が極端に落ちるから、中々伝わらないとは思うけど)。

薬味は、過去に何度も同じような事を書いているが、ニンニクと茗荷、貝割れ大根が基本。土佐仕様が宜しい。

 

 
今回は葱も除外した。葱は香りが強いので、生魚の臭みを消してくれる効果がある。でも、今日は寧ろ邪魔だ。かえって鰹の本来の風味が消してしまいかねない。生姜も似たような理由で選択外とする。
甘ったるいタタキのタレなんぞは、当然使わない。ポン酢も醤油もいらない。鮮度の良い鰹は塩に限る。

最初の歯触り、噛むほどに押し返してくる微妙な弾力。じわりと感じる旨味。申し分ない。(´∇`)至福じゃよ。

余ったカツオを軽くヅケにしておいた。
で、翌日は状態をみて、ネギを登場させることにした。それだけカツオは足が早いのだ。一日経てば、グンと鮮度が下がる。だから、漁場が近い高知で食うカツオが美味いというワケなのさ。

ネギに煙が出るくらいに高温熱々チンチンにした胡麻油をかけたものを乗っける。あっ、そのままじゃなくて冷ましたヤツね。
アカン、読み返して「煙が出るくらいに高温熱々チンチン」のところで、一人で吹き出してしまう。意図して書いたワケではないが、🔥マグマのような燃え盛るオチンチンを想像してしまったのである。何が目的なのだ❓浮気した女への腹いせか❓それとも、新手のB級ヒーローかあ❓
実にバカバカしい。バカバカし過ぎて、もう1回笑てもうたワ

 

 
薬味は他に茗荷と貝割れ大根。
何か耐えきれずに、わちゃわちゃわちゃーと薬味を上からばらまいてやった。

 

 
それをTVでCS(クライマックスシリーズ)を観ながら食う。
味は、昨日のカツオと比ぶべくもない。
でも、創作系としては、まあまあかな。
クッソー(‘ε’*)、阪神、ますます巨人に点差を広げられてゆくやんけー。やっぱクソ弱いわ。
カツオが、どんどん不味くなる。

 
                    おしまい

 
追伸
昨日からそうだったけど、どちらかというと同時に放送されているソフトバンクVS西武の試合にチャンネルを合わせている時間の方が長い。なぜなら、試合として全然面白いからだ。正直、パ・リーグの方が野球のレベルが高いわ。