秋に人生で初めて銀杏(ぎんなん)を拾った。
大阪のド真ん中に住んでいるから、イチョウ並木で有名な御堂筋はすぐ近くだし、隣の隣のなにわ筋でも実をつける雌木が結構あることは知っていた。
しかし、拾うことには抵抗感があった。何か貧乏くさいし、恥ずかしい。だいち臭い。だから、採りたい気持ちはあったが、ずっと出来なかった。
だが、シルビアシジミの様子を見に行った折りに、中津付近でたくさん銀杏が落ちている所を見つけた。
【シルビアシジミ】
採集の帰りだから、ビニール袋の一つや二つは持っている。幸い人通りも少ない場所だったし、どうせ今やボンビー人だ。遂に意を決して拾うことにした。
(σ≧▽≦)σくっせー。
でも一つでも拾えば、死なばもろともだ。むしろヤケクソ魂に火が点いた。たぶん、7、80個は拾った。
何か厭世感スパイスの混じる、やり遂げた感ありぃ~のカタルシスがあったよ。遠くへきたなあ…。
お家に帰って、ジップロックに放り込み、キッチリとファスナーを閉めて冷蔵庫に安置した。
一週間後、冷蔵庫から取り出す。冷蔵庫に入れておいたのは、臭さを少しでも軽減させる為である。
もう一度、シッカリとファスナーが閉まっていることを確認して、果肉をむにゅむにゅと手で潰す。
気持ち良さげな感覚と気持ち悪い感覚とが混淆する変態世界だ。何か微かに💩ウンコのような匂いがしてきて、背中がゾワゾワする。もう変態スカトロワールドだ。意識が朦朧とする。
でも、乗り掛かった船だ。今さら後には引けない。半ベソ気味で作業を続ける。
そして、ある程度、種と果肉に分離したところで、ジップロックの端を少し開け、そこから種を搾り出し、貯めておいたシンクに設置したプラたらいに一つ一つドロップしていく。
そう、ジップロックを使ったのは、少しでも臭さが拡散するのを防ぐためだ。水に落としてるのも、同じ理由だ。できるだけ、空気に触れさせてはイケん。
全部を分離させたところで、ジップロックのファスナーを閉めて、ゴミ箱にドォ━━━ン❗ダンクをカマす。これなら、手も汚れない。臭い匂いは、元から断たなきゃダメッ❗
水を出しっぱなしにして、プラたらいの中で果肉を洗い落とす。それでも臭い。(@_@)悶絶しそうじゃよ。
我慢して、丁寧に洗い落とす。臭い匂いは、元から断たなきゃダメッι(`ロ´)ノ❗
何とか処理を終えて、ザルに移し、\(゜o゜;)/キャアーってな感じでダッシュ💨でベランダに運ぶ。
こんな感じで、一週間ほど乾燥させれば出来上がり。
しかし、そこは天下無双のエエ加減男。結局3ヶ月近くも、そのまま放置する事となる。
銀杏は包丁の背でブッ叩くと割れる。
いつもなら、それをフライパンで煎り、拾ってきた松葉なんぞをあしらってカッコつけるのだが、メンドクセーので茶封筒に放り込み、テキトーに封をしてレンチン。
パン、パン、パァーン💥爆発したところで、レンジから取り出す。この間、たぶん1、2分。そう、超簡単ギンナン乱暴調理法なのだ。
よければ試してけれ、マジ簡単だから。但し、ギンナンは爆発するので、見てくれに目を瞑らねばならぬ事は覚悟されよ。
あとは、塩を振って出来上がり。
ちゃんとジックリ煎った方が旨いけど、まあ全然問題ない範囲だ。それなりに旨い。
余ったので、翌日は本しめじ、京揚げを加えて、昆布だしで優しく炊いた。仕上げに三つ葉を散らす。
はんなり、しみじみと旨い。
冬にして、秋をじんわりと楽しむ。
そういえば、今年はろくに🍁紅葉も愛でてないなあ…。
おしまい