冷や汁に冷や汗

 
初めて「冷や汁」を作ってみることにした。
きっかけは豆腐。

 

 
神戸・八雲豆腐の特製木綿が半額になっていた事から始まる。

 

 
最近は、やや値段高めの美味そうな豆腐だったら、塩のみで食べる事が多い。その方が大豆本来の甘みを感じられるからである。醤油や生姜やネギ、鰹節は邪魔なのだ。安い豆腐の時は味も素っ気もないから、全員たっぷり掛けるけどね。
とはいえ、ずっと塩だけで食うのも飽きてくる。そのために茗荷も用意したってワケ。塩と茗荷の組み合わせも旨いのだ。ネギよりも好ましい。

で、残った半丁分の木綿豆腐をどうしようかと思った。いくら旨いからといったって、もう半丁を同じようにして食べるのは気持ち的に無理があるのだ。
なので、無い脳ミソで考えた。
茗荷の他に冷蔵庫には胡瓜もあるから事から、💡ピカリン、ふっと思いついた。

そうだ、冷や汁を作ろう❗

以前に丸美屋の冷や汁を食って、予想以上に旨かったという事を思い出したのもある。

 

(出展『楽天市場』)
 
 
値段は楽天市場だと300円くらいで売られているけど、自分は確か百均で買った。だから百円。他に鶏すだち味というのもあって、それも買った。ソチラも中々旨かったという記憶が何となく残っている。

しかし、単にレトルトを飯にかけて、胡瓜と茗荷を乗っけただけだから、自分で1から作ったワケではない。なので一応ネットでレシピを探ってみた。
で、ちぃーとばかし驚いた。ただの冷やした味噌汁的なものを上からブッかけただけの食いもんだとばかり思っていたが、どうやら違うようなのである。しかも浅からぬ歴史があって、何だか奥深い世界みたいなのだ。
以下、ウィキペディアの記事を参考に、冷や汁について解説しておく。

【冷や汁(ひやしる、ひやじる、冷汁とも書く)】
出汁と味噌で味を整えた冷たい汁物料理の1種で、主に夏の暑い時期に食される。
歴史は古く、鎌倉時代の『鎌倉管領家記録』に早くもその名称が見受けられる(「鎌倉管領家記録』については「国書総目録」に記載がないため実在に疑問があり、その信憑性については注意が必要らしい)。
その後、このような料理が僧侶等によって全国に伝播されてゆく。しかし、気候風土が適した地域のみに残ったとされる。

宮崎県、埼玉県、山形県など日本各所にある郷土料理であるが、各地方それぞれに別内容の料理なので混同されやすい。また別名で、中身は同様な料理も存在する。

そもそも冷や汁は大分県の郷土料理だとばかり思い込んでいたが、本場は宮崎なのね。それさえ知らんかった。

(宮崎県の冷や汁)
現在「冷や汁」と称される料理の中では、宮崎県のものが『鎌倉管領家記録』の冷や汁に最も近いとされる。おそらく知名度も一番高いと思われる。
元々は忙しい農家の食事や戦(いくさ)の陣中食で、簡単に調理でき、且つ手早く食べられる料理として重宝された。しかし第二次世界大戦以降には各家庭で工夫され、手間のかかる料理へと変遷していった。

 

(出展『せたがや日和』)

 
ー作り方ー
元来が家庭料理であるので、宮崎県内でも地域により作り方が異なるらしいが、代表的な調理法は以下の通り。

すり鉢に、いりこ、もしくは焼きほぐした鯵などの魚を入れてスリコギで擦る。このように魚を使うのが宮崎の冷や汁の最大の特徴である。そこに更に炒った胡麻と麦味噌を入れて擦る。
よく混ざったらスリ鉢の内側に薄く伸ばし、直火で軽く焦げ目が付くまで香ばしく焼く(上品さや高級感を重視する料理店では焦げを避けることも多い)。
すり混ぜながら、冷まし湯を注ぎ入れてのばす。仕上げに手でほぐした豆腐、輪切り胡瓜、千切り青紫蘇、茗荷などを混ぜて良く冷やす。冷えたら、汁を米飯や麦飯にかけて食べる。

魚は、いりこや鯵を使うのが一般的だが、淡白で癖の無い魚ならばどんなものでも可。いりこは頭と腹わたを除いたものを煎って用いる場合もある。
日向市の細島地域には、甘鯛を利用した冷や汁(別名ミソナマス)があり、より上品な味とされる。他に大分県津久見市近辺でも焼魚のほぐし身を使った「冷汁」が古くから食べられている。このように九州の各県にも同様の冷や汁料理があり、熊本県の阿蘇周辺や鹿児島県などでも家庭料理として食べられている。
又「さつま」と称される類似の料理が大分県、岡山県、広島県、愛媛県、香川県などにも存在する。これは薩摩地域の「冷や汁」が伝わっていった際、その名を取ってこう呼ばれるようになったとされる。
他に愛知県篠島で作られるニシ汁は、主要な材料がイボニシ(巻貝の1種)に限定されるものの、焼いた小魚をダシとして、イボニシと共にすり潰して湯水を加えるなど、作り方は宮崎県の冷や汁に類似している。
また静岡県御前崎市を中心とした中部地区では「ガワ」という漁師料理が存在する。元は操業中の漁船上で作られていた料理で、鍋に味噌、氷、玉ねぎ、胡瓜、カツオやアジなどをたたいた身、薬味として茗荷、ねぎ、大葉などを入れて豪快に混ぜたものである。魚の臭み消しとして梅干しを入れることもある。そのまま冷たい味噌汁として、またご飯やそうめんにかけて食べる。氷が鍋に当たる音が料理名の由来とされている。

お次は埼玉の冷や汁である。
コレには驚いた。従来持っていた冷や汁の概念が吹き飛ばされた。

(埼玉県の冷や汁)
県西、県北、県央部、さいたま市大宮地区など県内の各所で夏の家庭料理として作られる。表記は「冷汁」で、呼び名は「ひやしる」。
最大の特徴は御飯ものではなく、元々はざるうどんのつけ汁で、それが『冷汁うどん』として広まり、定着していった。
上記の地方では、昔から胡瓜の輪切りを砂糖・塩・胡麻で和えた料理が惣菜としてよく食べられており、その残り物にうどんをつけて食べたのが始まりとされる。うどん以外に素麺を用いることもある。
群馬、栃木などの北関東でも埼玉の冷や汁と同様の「冷や汁」料理がある。

 

(出展『Wikipedia』)

 
ー作り方ー
先ずは煎り胡麻をスリ鉢でする。地域や家庭により摺り方は多様で、軽く摺る程度の所もあれば、胡麻の粒を完全にスリ潰して、しっとりと仕上げる所もある。
すり鉢に、味噌を入れて更にすり混ぜる。この時、好みで砂糖を少量入れてもよい。この味噌は群馬など北関東産のものが推奨される。
胡瓜の輪切り、大葉とネギのみじん切り、お好みで紫蘇の実(穂じそ)や茗荷のみじん切りを追加してもよい。
味噌が入っているスリ鉢に上の野菜類を入れ、スリコギで突くように混ぜ込む。味噌と野菜類がなじみ、胡瓜から少し水分が出てしんなりするくらいまで混ぜる。
うどんを茹でる。手打ちが理想だが、コシがありやや太めのうどんなら特に産地は問わない。ゆで上がったら冷水で締め、ざるに上げる。
すり鉢に作った味噌だれを冷水で少しのばす。気温が高ければ、氷を加えて浮かす(その場合は氷が溶けるのを見越して濃いめの味噌だれに調整する)。
味噌だれを小鉢に取り分け、ざるに上げたうどんのつけ汁として食べる。
地域により、つけ汁は胡麻と味噌だけで、野菜類は薬味として食べる直前に加える形の場合もある。

最後は山形の冷や汁だが、これにも驚いた。これまた全然別物なのである。
 
(山形県の冷や汁)
雪菜やキャベツ、ほうれん草などの季節の野菜を、干し貝柱や干し椎茸などの乾物を戻した出汁で和えたもの。汁物料理と思われがちだが、実際は具だくさんのお浸しである。
米沢藩に古くから伝わる料理で、合戦の出陣式には配下の武将に冷や汁が振舞われたといわれている。正月料理としても知られており、その際に用いられる野菜は雪菜であることが多い。
また、新潟県長岡市栃尾地域・中越地方・十日町市・三条市・見附市などでも類似する「冷やし汁(冷し汁)」が存在する。

 

(出展『オールアバウト』)

 
ー作り方ー
凍み豆腐、凍み蒟蒻、干し椎茸、干し貝柱を水でもどす。
干し椎茸と干し貝柱の戻し汁を醤油などで味付けした出汁で乾物類を煮る。よく冷めてから、法蓮草、雪菜、小松菜などの茹で野菜の上に汁ごとかけて食べる。
乾物を煮る際に油揚げ、打ち豆、人参などの具材を入れることも多い。茹で野菜の上にかけるのではなく、全体を和えて味がしみこむようにする場合もある。

当然ながら、埼玉の冷や汁も山形の冷や汁も作る気はない。
埼玉のうどん仕様には少しソソられたが、初めて作るのに最初っから邪道に走ってどうするのだと思った。邪道なんて言ったら埼玉の人に失礼だけど、全国的に知名度があるのは九州地方の冷や汁だからね。つまり九州の冷や汁が王道なのだ。

それでは作ってみよう。
材料はいりこor焼魚以外は揃っている。問題は、いりこにするか焼魚にするかだが、いりこは何か野暮ったいのでパス。となれば、魚を何にするかだ。定番は鯵の干物だから、先ずはそれを第1候補としよう。あとはスーパーに行ってから臨機応変に考えよう。

けど、気に入るような鯵の干物がない。生の鯵も今イチ。方針転換を余儀なくされる。
サバは脂が乗りすぎてるので除外。ブリも同じ理由で除外。タラは何となく合わなさそうなのでパス。次にカマスを探すが見当たらない。シャケは邪道な気がするので、コレもパス。
そんな折、一匹丸々の小振りのタイが目に入った。鯛なら魚の王様だ。焼いて良し、煮て良し、蒸して良し、もちろん刺身でも旨いから、何らマイナスポイントはない。しかも値段は激安の298円だ。決まりである。

取り敢えず3枚におろす。したら、皮目に熱湯をかけて霜降りにする。冷や汁にはアラだけでも量は充分そうなので、半身をカルパッチョにする事にした。

 

 
削ぎ切りにして塩を振り、茗荷と大葉を散らして上からエキストラバージンオイルをかけた。
✌やっぱ、鯛は美味いね。けど途中で飽きてきたので、少量の醤油を垂らす。うん、こっちも美味い。

残りの半身は塩を振り、15分程たってから酢で洗って昆布で包んだ。で、一晩おいた。

 

 
コチラも削ぎ切りにして茗荷を散らした。
そのまま食うが、メチャンコ美味い。冷酒に抜群に合う。

さてさて冷や汁だが、先ずはアラをシッカリ焼く。
してからに身をほぐす。鯛の骨は硬いので慎重に取り除く事が肝要っす。
これで準備万端である。

①味噌は焼いて焦げ目を入れた方が香ばしくて旨いらしい。
いりこ・煎り胡麻・味噌をすり鉢でよくすり、すり鉢を逆さにして火にかざして焼くという。でもそんなの危なくて素人には無理だ。それにすり鉢で擦るのも面倒くさい。なので味噌に顆粒のイリコ出汁の素、すりゴマを混ぜる。それをアルミホイルで長方形の器を作り、そこに味噌ダネを平らに入れてトースターで焼いた。

②冷めたら取り出して昆布出汁で伸ばし、味噌汁くらいの液状にする。

③胡瓜は輪切り、茗荷と大葉は縦に千切りする。木綿豆腐は手で適当にちぎる。ナメコと霜降り平茸を酒で茹でて粗熱をとる。それらを②と合わせて冷蔵庫で冷やす。

④冷や御飯に③をかけ、鯛のほぐし身を盛り、煎り胡麻を振って完成。

 

 
ゲッΣ( ̄ロ ̄lll)❗、汁が足らん❗ 冷や汁に😓💧冷や汁やんけー。クソ駄洒落を言っとる場合ではない。

 

 
混ぜたら、(´ε` )アチャー、冷やし雑炊みたいになっとるやないけー。
食ってみると、味は悪くはないものの、まさしく味噌冷やし雑炊じゃないか。

仕切り直しだ。改めて汁をマッハで作る。しかも判断よろしく濃いめに作って氷を入れて冷やしてやった。ワシってカシコー。
で、再びかける。

 

 
それでも汁がやや足りないが、混ぜればOKじゃろう。
美味いが、所詮は(ΦωΦ)猫飯だよな(笑)。
でも、このクソ暑い中だと全然有りだね。

                   おしまい

 
追伸
タイトル『冷や汁に冷や汗』は最低レベルの駄洒落だし、陳腐過ぎてボロカス言われそうだと思ったけど、そのままにしておいた。オジサンになると、笑われたいとか恥を晒したいという自虐モードになりがちなのだ。特に若い娘の前では症状が顕現化しやすい。何ゆえ世のオジサンたちに、周りが引いてのるのを見て喜ぶという変態的精神構造が生まれるのであろうか❓
考えてみたが、よーワカラン。意味不明だ。生殖的自信の喪失が、捻れてそのような行動となって表面化するのかもしれん。

因みに残ったのを翌日に食った。

 

 
結局、最後の最後に冷や汁らしいヴィジュアルになったな(笑)