2018′ 選抜高校野球回顧 決勝戦

 
今更ながらの2018年選抜高校野球の観戦レポートも、いよいよ最終回である。
でもこの試合、あんま印象に残ってないんだよねー。

 

 
試合は例年通りに、お昼に始まった。
そういえば、昔ナイターの決勝戦があったなあ…。
たしか同じく選抜の決勝戦だったと思う。対戦カードは愛工大名電vs済美だったかな。随分と昔のような気がするが、あれはいったい何年前だったのだろう…。

調べてみたら、何と2004年だった。何と14年前じゃないか。そりゃ、アッシだってオジサンにもなるわ。
Wikipediaによると、この第76回大会で初めて球速表示がされるようになったそうである。( ・∇・)へぇ~。
何でナイターになったのかと云うと、天候不順で試合開始時刻が夕方の4時にずらされたのだった。たぶん、この年はよほど日程がカツカツだったのだろう。
実際に試合が開始されたのは、午後4時55分だったそうである。そういえば結構待たされた記憶がある。
その日は物凄~く寒くて、ワンカップの熱燗を買って暖をとりなからの観戦だったのをよく憶えている。
後にも先にも甲子園で熱燗を飲んだのは、その1回こっきりである。
結果は6ー5で済美が勝利。記憶では愛工大名電が優勝したとばかり思いこんでたけど、勝ったのは済美だったんだね。その理由を朧気(おぼろげ)ながらに感じる。まあ、いい。思い出したくない事だってある。
そっか、そういえば済美が初出場で初優勝したんだね。しかも夏は準優勝だった。もし夏にも優勝してたら、もちろん至上初で歴史に残るチームになってたのに…。惜しい。亡き上甲監督が率いた中では、最高のチームだったかもしれない。
済美のエースはドラフト1位で広島カープに入団した福井だったと思う。そういえば今年どっかのチームにトレードに出されてたよね。あとヤクルトの鵜久森なんかもいて活躍した。彼はもう引退したんだっけ?
記憶は思い出し始めると、数珠繋ぎだ。
そして、約束していた彼女はついぞ球場に現れることはなかった。体だけでなく、心も寒さに震えていたのだ。思い出したくないってのは、この事実だ。
その帰りに見た夜桜が、満開だったのを今だに強く憶えてる。凄絶なまでに美しかったのだ(註1)。
春夏通じての長い高校野球の歴史において、ナイターで決勝戦が行われたのは、今もって唯一この試合だけだそうである。

何だか文章全体のカッコつけたラストみたくなっちまっただよ(笑)。
先のことを考えず、思うがままに書いているから脱線はいつもの事じゃないかと書いて、一旦手が止まる。だとしても、文章を閉じるかのような脱線は初めてだわさ。脱線癖もここまでくると重傷かもしんない。かといって急に治るワケでもない。まっ、気を取り直して続けまひょ。

 

 
本日も外野席に回る。
バックネット席も空いていたと思うが、1試合だけだし、勿体ないと判断したんだと思う。高校野球の試合って、すぐ終わっちゃうんだもん。2時間を切る試合なんかざらなのだ。

 

智弁和歌山は大阪桐蔭に対して公式戦3連敗中だそうである。智弁としては是が非でもリベンジしたいところだろう。しかし、実力的には矢張り桐蔭の方が上。順当にいけば大阪桐蔭の春連覇の可能性が高い。
とはいえ、戦前の予想がアテにならないのも甲子園である。智弁は準々決勝、準決勝とミラクルな逆転勝ちで延長戦を制してきた。謂わば波に乗っているチームだ。勢いのあるチームは侮れない。それに名将高嶋監督の今年中の勇退が決まってた筈だから、選手も監督も気合い充分だろうしね。

大阪桐蔭の先発はエースの柿木くんだとばかり思っていたが、何と昨日ロングリリーフした根尾くんだった。多分、柿木くんは監督に今イチ信頼されてないんだろなあ。って云うか、根尾くんはこの世代最高のピッチャーの一人だもんね。素人のワシでも根尾くんでいくわいな。

試合は初回から動くだろうと予想してたが、序盤はスコアボードにゼロが並んだ。何かツマンネーなあと思った記憶がある。

 

 
4回表の智弁和歌山の攻撃で漸く試合が動く。
先頭打者がセカンドのファンブルにより出塁。続く冨田がライトへヒットを打ち、ランナー1、2塁とする。ここで智弁で一番当たってる黒川くんを迎える。で、期待に応えてセンターへのヒットを放ち、満塁となった。
黒川ちゃん、やっぱスゲーわ。アンタ、最高❗
しかし、次打者がピッチャーゴロで1-2-3のダブルプレー。あっという間に2アウトとなる。( ̄▽ ̄;)あちゃまー。こりゃダメかと思いきや、次の東妻くんがレフトへ先制タイムリーヒットを放って、智弁が2点を先制した。
智弁が先制となると、俄然試合が面白くなる。大阪桐蔭が焦り出したら、智弁に勝機有りだ。

だがその裏、大阪桐蔭もすかさず反撃する。
藤原がピッチャーへの強襲安打で出塁。根尾のライトへのヒットで1,3塁とす。藤原くん、やっぱ足が速いわ。故障あけだそうだが、もう大丈夫みたいだね。
そして、山田が死球を受けて満塁となる。
続くバッター石川のショートゴロの間に大阪桐蔭か1点を返した。しかもショートがエラーかましてもうて
、一つもアウトが取れなくて満塁のまま~。
そして次打者のダブルプレーの間に、もう一人ランナーが帰ってきて、2ー2の同点とした。
よっしゃ、これで試合がスリリングなってきたぞー。
でも、智弁和歌山って守備が今イチだよね。少数精鋭でバッティング練習ばっかしてるからかなあ?
何か智弁和歌山って、毎年打撃は凄いけどピッチャーは程々だし、守備は普通か、それ以下ってチームが多い気がするなあ…。

5回裏に大阪桐蔭が1アウト2、3塁のチャンスを作るも、3塁走者が憤死して無得点。智弁も6回にランナーを出すが、無得点。膠着状態が続く。

7回裏、大阪桐蔭が均衡を破る。先頭打者がストレートのフォアボールで歩く。ここで投手交代。漸くエース平田がマウンドへ。
続く打者が送りバントを成功させ、2塁にランナーを送る。そして、宮崎のレフトへのタイムリーヒットが出て3ー2と勝ち越す。

8回表、智弁はフォアボールで出たランナーが、根尾の暴投で2塁に進むも、後続が凡退して無得点。完全に根尾くんを攻略しあぐねている。

8回裏、大阪桐蔭はフォアボールとピッチャーのワイルドピッチで、ノーアウト2塁とする。ここで4番の藤原がレフトへタイムリーツーベースを放ち、4ー2となる。流石、藤原くんだべさ。相変わらずの持ってる男だよ。男前で足が速くて、ここぞと云うところで派手に長打を打つだなんて、女子はワーキャーだな。
そして、二刀流ミスター優等生の根尾くんが、とどめとばかりのレフトへのタイムリーヒット。これでダメ押しの5ー2。いくら爆発力のある智弁打線でも、残り9回の攻撃だけで、根尾くんから3点取るのは厳しいと思った。

そして、とうとう9回表、智弁最後の攻撃まできた。
それはそうと、智弁も桐蔭も応援するブラバンのレベルが高いよね。これも高校野球を楽しむアイテムの一つだから、皆さん球場に行ったらシッカリと耳を傾けましょうね。

 

 
特に大阪桐蔭のブラバンはレベルが高くて、コンクールの常連らしい。
野球やってる子たちだけが青春じゃなくて、アルプススタンドでも青春が迸(ほとばし)っておるのじゃね。アルプススタンド好きのファンは、そこんとこが好物なのだろう。
演奏力だけなら、智弁よか桐蔭に軍配が挙がるかな。とはいえ、曲目は智弁和歌山の方が好き。「アメリカンシンフォニー」とか「シロクマ」が有名だし。それに何より魔曲「ジョックロック」がある。これがかかると球場全体が何かが起こりそうな雰囲気になるのだ。
あっ、そういえばこの選抜から新曲「ミラクルショット」が演奏されるようになったんだよね。これが巷では新魔曲だとか言われてて、もの凄く耳に残る。

 

 
これは聞いた事のある人が多いと思う。元ネタは「報道ステーション」のスポーツコーナーのテーマ曲。それを編曲したものらしい。マジで、この曲とジョックロックのメドレーが流れるとゾクゾクくる。この曲をバックに戦える智弁の選手は幸せものだね。

先頭バッターは黒川くん。今大会の智弁の躍進は、この男なくしては語れない最も期待の持てる打者だ。
もし智弁が三度目のミラクルを引き起こせば、高校野球史に残る名試合になろう。歴史的な試合の証人になる事は、高校野球ファンの願いだ。たかだか観客として、生で試合を観ただけなんだけど、なぜか自慢になる。自分がグラウンドでプレーしているワケでも何でも無いのにね。
しかし、生観戦にはTVでは分からない独特の空気感がある。アナウンサーの絶叫の無い世界には、押し付けの演出や感動は何処にも無い。そこにはリアルな音や匂いがあって、それが堪らなく居心地が良いのだ。

しかし、黒川くんが先頭打者と云う事は、チャンスで打席が回ってこない公算が高いって事だよね。
自分がもしピッチャーならば、黒川くんは最も警戒する打者だが、このシチュエーションだとむしろ気持ちが楽に持てるだろう。一番怖いバッターが、ピンチに打席に立たれる事が最も心拍数が上がるのだ。
と思ってる間に、ライトへのヒットで出塁❗やっぱ、黒川くんは凄いわ。このまま夏、来年と成長していってほしいよね。
しかし、後が続かず。代打が出てきて、空振り三振。
次はセンターフライ。最後はドン詰まりのファーストゴロで、あっさりゲームセット。

  

 
大阪桐蔭、選抜二連覇❗
とにかく、🎊おめでとう。

 

 
優勝投手は、去年に引き続き根尾くん。
二年連続で歓喜の真ん中にいられるだなんて、そうある事じゃない。しあわせな選手だよ。
柿木くんは、エースなのに口惜しいだろうなあ。
やはりエースたるもの、優勝の瞬間にマウンドに立っていないと嬉しさも半減するもんね。

 

 
球場を後にして、歩き始める。
歩きながら、ふと思う。来年もまた此処に来られるのだろうかと。立ち止まり、春の優しい青空を仰ぐ。
来年の事なんて、わからないや。

 
                  おしまい

  
ーあとがきー

準々、準決勝と比べて、この今一つ盛り上がりに欠けた試合内容が、冒頭の「あんま印象に残ってないんだよねー。」と云う言葉にきっと繋がったんだろうね。
まっ、決勝戦って案外つまんなくて、期待する程には熱戦にならない事が多いんだけれどもさ。そういえば今年の夏の決勝戦もワンサイドゲームだったなあ。
おっ、そうだ。告知と云う程の事ではありませぬが、夏の大会の観戦レポートは来年に書く予定でゲス。あくまでも気が向けばですが。
蝶の記事ほどではないが、甲子園レポートもそれなりに書くのに時間がかかるのだ。ようするに、面倒くせーって事ね。

え~、こんな今更ながらの文章にお付き合いしてくださった方々、本当に有り難う御座います。
えっ❓何でこんなタイムリーではない文章を今更ながらに書いたかって❓
う~ん、それは自分でも解るようでよく解らん。
人生には、時に本人にもよくワカラン行動とゆうものがあるのだ。

 
(註1)今年は春の訪れが早くて、その球場前の桜はとうに散ってしまっていた。年々により季節の移ろいは一様ではないのだ。
因みに、その桜の木そのものは今は無いと思う。たぶん、タイガースグッズのお店を建てる折りに、伐り倒されたのだろう。