2019’カトカラ2年生 その弐(4)

 
   vol.19 ウスイロキシタバ

 第四章『瓦解するイクウェジョン』

 

2020年 6月17日

取り敢えずウスイロキシタバの新鮮な個体を雌雄共に確保できたので、新たな産地を探すことにした。

 
【ウスイロキシタバ Catocala intacta ♀】

 
これまでの結果、ウスイロが樹液、糖蜜トラップ、ライトトラップに飛来することは分かった。となれば残る象牙色の方程式の解明は、その棲息環境だろう。予測ではアラカシの大木が有るような古い起源の照葉樹林で、且つある程度の広さを有する湿潤な環境を好むのではないかと考えていた。
そういう場所となると、近畿地方では何処だろう❓
そこで真っ先に浮かんだのが奈良県の春日山原始林だった。あそこなら、これらの条件が完璧に揃っている。広大な原始林は常緑照葉樹を主体としており、そこに落葉広葉樹が混じる。幼虫の食樹であるアラカシも有り、古い起源の森だから勿論のこと大木もみられる。またイチイガシなどのアラカシ以外のカシ類も豊富だから、それらを二次的に利用する事も充分可能な環境でもある。加えて成虫の餌である樹液の供給源、クヌギやコナラ、アベマキも点在する。そして、原始林内には川も数本流れており、湿潤な環境という要素も満たしている。ようは、ここにいなきゃ何処にいるのだ❓というような場所なのだ。もしかしたらウスイロばかりか、ヤクシマヒメキシタバ(註1)だっているかもしれない。

 
【ヤクシマヒメキシタバ】

(出展『www.jpmoth.org』)

 
もしヤクヒメが見つかったら、ちょっとしたニュースだろう。マホロバキシタバ(註2)に次ぐ2匹目のドジョウじゃないか。そんな風に想像してたら、ニヤついてきた。今年も連戦、連勝じゃーいヽ(`Д´)ノ❗

ただ、一つ気掛かりなのは此処でのウスイロの記録が探しても見つけられなかった事だ。調べた範囲では奈良県の記録は上北山村ぐらいにしか無い。まあどうせ調査が行き届いてないんだろうけどさ。所詮は世の嫌われ者の蛾だ。調べた人が少なくて、しかもイモばっかだったのだろう。
あっ、でも甲虫屋とか蝶屋もよく訪れるところだから、記録があってもよさそうなもんじゃないか…。
いやいや、だったらマホロバもとっくに発見されて然りだった筈だ。それがあれだけ長年にわたり多数の虫屋が入ってきたのにも拘らず、去年まで見つからなかったのだ。ようは皆さん、蛾なんて無視なのだ。だから記録もない。そうゆう事にしておこう。

この日はマホロバの予備調査も兼ねていたので、小太郎くんも参戦してくれた。勿論、春日山と奈良公園一帯は昆虫採集は禁止されているので、公園事務所の許可を得ての調査だ。

 

 
今年、マホロバの採集を目論んでる方は、採集禁止エリアを調べてから出掛けることをお薦めします。許可なく夜の原始林内をウロウロしてトラブルを起こすリスクをわざわざ冒さなくとも、禁止エリア外でも結構採れますから。

マホロバの事も考えて、原始林とその周辺にかけて樹液の浸出状況を確認してゆく。その経過の中で、どうせウスイロも見つかるだろうと思っていたのだ。

しかし、何処でも姿は全く見られない。どころか、別なカトカラの仲間さえ殆んど見ないし、他の蛾たちも数が少ない。居るのはノコギリクワガタばっか。あまりにも何もいないので、つい普段はムッシングするクソ夜蛾を採ってしまう。

 

 
羽を閉じて止まっているのを見て、体の真ん中の白い線(上翅下辺)が目立ったから、見たことない奴だと思ったのだ。
名前がワカンなくて、Facebookに載っけたら、何と有り難いことに石塚(勝己)さんから、ノコメセダカヨトウだという御指摘を受けた。けんど驚いたでやんす。まさか奴だとは微塵も思ってなかったからね。

ノコメセダカヨトウといえば、だいたいはこんな感じだ。

 

(出展『茨城の蛾』)

 
コヤツなら、何処へ行ってもウザいくらいにアホほどいる。
なので、(⑉⊙ȏ⊙)マジか❓と思ったワケ。でもよく見ると、コヤツの上翅の下辺にも白い縁取りがある。
石塚さん曰く「普通種ですが、色調の変異は多様です。」との事。ふ〜ん、これは謂わば黒化型みたいなもんだね。
けど、ネットで検索しても、ここまで黒いのは見つけられなかった。もしかして、コレってレアな型❓
所詮はデブ蛾だから、どっちゃでもえーけど。

最後に若草山の山頂をチェックして、この日の調査を終えることにした。

 

 
若草山の山頂は夜景スポットとして人気があり、観光客が結構来ていた。
駐車場から山頂までの遊歩道の途中で、小太郎くんが上空を飛ぶカトカラを見つけた。それなりに高くて網が届かない位置だったから見送るしかなかったのだが、アレって何だったんだろう❓という話になった。かなり裏面が全体的に黄色っぽく見えたのだ。
消去法でいくと、キシタバ(C.patala)は特別大きいから可能性は低いだろう。だいち裏面はウスイロとは全然違うから間違えるワケがない。

 
(パタラキシタバ 裏面)

 
因みに、キシタバ(註3)の回で小太郎くんの事をキシタバ虐待男と書いたが、今や蔑視度は更に上がって「デブキシタバ」と呼んでいらっしゃる。但し、その憎悪も突き抜けてしまい、虐待にも値しないようだ。キシタバくん、良かったね。悪いお兄さんは、もう怖くないよ(•‿•)

あと、この時期に此処で見られるキシタバの仲間もいえば、コガタキシタバとフシキキシタバくらいしかいない。
でもコガタは裏面が黒っぽいから、ウスイロと間違うことはない。除外していいだろう。

 
(コガタキシタバ 裏面)

 
となると、フシキかウスイロのどちらかしかない。
けど、ウスイロって飛んでるのを下から見た事って、あんましないんだよね。採ってた場所は木が密生していて、上に大きな空間が無く、皆さん横に飛んで行かはるケースが多かったのだ。
しかし、小太郎くんは、アレはフシキじゃなかったと思うと言う。たしかにフシキならば、もっと黄色が濃くて鮮やかな気がする。

 
(フシキキシタバ 裏面)

 
(ウスイロキシタバ 裏面)

 
ならば、おそらくウスイロだろうと思った。あの飛んでるのを下から見たという一点だけで充分だった。居るならば、そのうち採れる。だからその後、探し回ることも無く、直ぐにワモンキシタバを求めて平群町へと移動した。
時期的に、そろそろワモンを採っとかないとボロばっかになる。優先順位はワモンさんなのだ。ウスイロはもう新鮮な個体は採ったし、ここではボロだって構わない。居るという事実さえ掴めばいいのだ。

で、帰る時間ギリで何とか採って帰った。

 
【ワモンキシタバ Catocala xarippe ♂】

 
ワモンって、渋カッコいいから好きなのだ。
あれっ?待てよ、自分は見たことないけど、そういえば小太郎くんが若草山にもワモンがいるって言ってたな。

あの見送った奴はワモンの可能性もあるかもしれない。たぶんワモンの裏面も黄色は薄かった筈だ。

 
(ワモンキシタバ 裏面)

 
でも、こんなに黒帯は太くはなかった筈だから、ワモンでもなかったと思われる。益々、ウスイロの可能性大だ。
 
 
 
2020年 6月20日

前回は様子見だったが、この日はマジ探しだった。
一番可能性の高そうな春日山遊歩道に狙いをつけて入った。
ここは照葉樹の原始林の真っ只中だし、道の横には川が流れているからだ。予測した環境としては申し分ない。どうせ居るだろうから、まあサクッと居ることを確認して、とっとと帰ろう。

 

 
森の中、真っ暗けー。

そういえば、去年は若草山でカバフキシタバを探したが見つけられず、早めに見切ってこの道を降りたんだよね。その時も真っ暗で、相当ビビりながら歩いた。オマケに思ってた以上に道のりが長かったから、途中でバリ不安になった。もしや別な異次元世界にでも迷い込んだんじゃないかと思って、パニくり寸前の半泣きどした。
そうだ、そうだ。思い出してきたよ。その後にカバフキシタバを採ったのに、あろう事か取り込みで逃しちまったんだよな。まあそれが結局はマホロバの発見に繋がったんだけどね。人生、何が幸いするのかはワカランもんだね。

 
【カバフキシタバ】

 
樹液の出てる木は見当たらないので、取り敢えず糖蜜を霧吹きで吹き付けてゆく。
しかし、少し時間が経っても何も寄って来ない。いつもなら、このスペシャル糖蜜に何らかの虫が直ぐに寄って来る筈なのだが…。
あっ、霧吹きを振ってから、かけるの忘れてた。下にエキスが沈殿するので、振って混ぜないと効力が半減するんだったわ。
とゆうワケで、今度は振ってから掛けようとしたら、シュコシュコ、シュコシュコ。シュコシュコシュコシュコシュコシュコ…。焦って何度もやるが、暗闇にシュコ音だけが空しく響くだけで液体は全く出てこない。
(-_-;)やっちまった…。こりゃ完全にノズルが詰まったな。
慌てて霧吹きを分解するも、だが事態を打開できない。何度試してもダメ。ただ握力だけが鍛えられるのみである。

まあいい。一回分だけでも、そのうち寄ってくんだろ。我が糖蜜トラップは無敵なのじゃよ。それに今回は採るのが目的ではない。何なら写真だけでもいいのだ。とにかく1頭だけでも飛んで来て、ここに居ることさえ証明できればいいのである。

だが、待てど暮せど、見事なまでに何もいらっしゃらない。
結局、9時過ぎまで待ったが何の音沙汰もなかった。諦めて下山し、樹液や灯火に来ていないかを確認しながら駅まで歩いた。他のカトカラも殆んどおらず、パタラが1頭だけ樹液に来ているのを見たのみで終わった。

 
【Catocala patala】

 
つまり、まさかの大惨敗を喫したってワケ。
あまりの惨事に、たぶん鬼日と言われる異常な日だったんだと思う事にした。でないと、プライドが保てない。

 
 
2020年 6月22日

何で、こないだはダメだったんだろ❓
本当にあの日は、たまたま鬼日に当たっただけなのだろうか❓
もしかしたら、純然たる照葉樹林よりも少しクヌギやコナラ、アベマキなどの広葉樹が混じる環境の方が良いのではと思い始めた。成虫の餌資源が有った方が良好な環境ではないかと思い直したのである。
そうゆうワケで、この日は滝坂の道を選んだ。

ここは道の左側(北)が春日山の原始林で、右側が広葉樹の混じる森だからである。道沿いに川が流れているので、空中湿度も高い。もう此処に居なけりゃ、何処にいるのだ❓という環境なのだ。

しかし、矢張り結果は同じだった。
(・o・;)マジかよ❓である。コレで完全に心が折れた。
で、調査打ち切りにした。何にも採れないって面白くないのだ。面白くない虫探しはしないというのがオラのモットーなのだ。
別に方程式なんて解けなくてもいいや。所詮はアマチュア。そこまで調べる義理は無い。どうせワシ、根性なしの二流虫屋やけん。
(TОT)ダアーッ。

                        つづく

 
追伸
なんとも冴えない終わり方である。
想定していたイクウェジョン、方程式は見事に瓦解した。象牙色の方程式は、また来年に持ち越しだよね。
因みに6月29日にも行ったが、ついぞウスイロを見つけることは出来なかった。こんだけ探しても見つからないということは、いないのかなあ❓…。絶対いる筈なのになあ…。いるけど、めちゃめちゃレアだとか❓
それはそうと、ならば小太郎くんと見送ったアレは何だったのだ❓フシキかなあ?…。でもフシキなんかとは間違えるワケないと思うんだよなあ。
ワテは根性なしなので、もういいやと思ってるけど、誰か根性がある人に是非とも此処でウスイロを見つけて欲しいよね。

次回、解説編で閉店ざんす。

 
(註1)ヤクシマヒメキシタバ
屋久島で最初に発見され、1976年に記載された。その後、九州、対馬、四国、紀伊半島でも分布が確認されている。

 
(註2)マホロバキシタバ

【Catocala naganoi mahoroba ♂】

2020年の7月に春日山原始林とその周辺で新たに見つかったカトカラ。しかし、国内新種にとどまり、最終的には台湾特産のキリタチキシタバ(Catocala naganoi)の新亜種として記載された。

 
(註3)キシタバ

各所で何度も書いているが、Catocala patalaの、このキシタバと云う和名、何とかならんもんかと思う。
毎度説明するのが面倒クセーんだけど、しなけりゃ論が進められないので説明します。カトカラ類の中で、この下翅が黄色いグループのことを総称して、皆さんキシタバと呼んでいる。でも、この C.patala の和名がキシタバだから、誠にもってややこしい。「キシタバ」と言った場合、それがキシタバ類全体を指しているのか、それとも種としてのキシタバを指しているのかが分かりづらいのだ。だから種としてのキシタバのことをいう場合、一々「ただキシタバ」とか「普通キシタバ」「糞キシタバ」「屑キシタバ」、又は小太郎くんのように「デブキシタバ」と呼ばねばならんのだ。にしても、人によって普通とか糞とかデブの概念が違ったりするから伝わらないこともあって、それはそれでヨロシクない。
そこで、自分は学名そのままの「パタラキシタバ」を極力使うようにしていると云うワケだ。パタラだったら、パタライナズマ(註4)と云う佳蝶もいる事だし、神話の蛇神様なんだから少しは尊敬の念も出よう。
とはいえ、ずっともっと他に相応しい和名があるのではないかと思ってた。で、こないだ小太郎くんとたまたまオニユミアシゴミムシダマシの話になって、そこから「オニ」と名のつく生き物の話に発展した。そこでワイのオニ和名に対する講釈が爆発したのだが(これについては拙ブログに『鬼と名がつく生物』と題して書いた)、その流れの中で、小太郎くんがボソッと言った。

「キシタバとか、いっそオニキシタバにしたらどうですかね❓」

これには、目から鱗だった。たしかに、このグループの中では圧倒的にデカい。鬼のようにデカいし、上翅は緑っぽいから青鬼と言っても差し支えなかろう。それに鬼のパンツは黄色と黒の縞々だと相場が決まってるんだから、まさに相応しいじゃないかの灯台もと暗し。即座に「それ、いいやんか。」と返した。
だが、言った本人の小太郎くんは奴を憎んでおるから「えー、あんな奴にオニをつけるんですかあ?」と不満そうだったけどね(笑)。

カトカラ界の頂点に立たれる石塚さん辺りが、この和名を改称してくんないかなあ…❓
風の噂では新しい図鑑を出す御予定もあると云うし、ねぇ先生、この際だから和名を改称しませんか。もちろん最初に和名を付けられた方に対しての敬意を失ってはいけないのでしょうが、この問題を解決できる良い機会だと思うんだけどなあ…。
あっ、でもカトカラには他にオニベニシタバってのがいるなあ。まっ、問題はべつにないか…。オニキにオニベニの青鬼と赤鬼の揃いぶみでございやせんか。悪かないと思うよ。

 
(註4)パタライナズマ

【Euthalia patala】

(裏面)

(2016.3月 Thailand)

ユータリア(イナズマチョウ属)属、Limbusa亜属の最大種。
激カッコ良くて、裏まで美しい。そしてデカい。しかも、レアものときてる。
パーターラ(pātāla)とは、インド神話のプラーナ世界における7つの下界(地底の世界)の総称、またはその一部の名称。また、この世界はナーガ(Naga)と呼ばれるインドの伝説と神話に登場する上半身が人間の蛇神の棲んでいる世界だともされている。
パタライナズマについては、拙ブログの初期の頃に何編か書いとります。興味がある方は探してみてくだされ。

 

続・キシタバ

 
  『黄下羽虐待おとこ誕生』

 
2019年、カトカラ二年生のキシタバとの再会は、6月21日だった。

 
【Catocala patala キシタバ♂】

 
場所は大阪府池田市にある五月山公園。
目的はウスイロキシタバの探索だった。しかし全然飛んで来ず、暇をもて余しているところにキシタバが飛んで来た。ワテの糖蜜トラップに誘引されたのである。
それにしても、久し振りに見るとやっぱデカい。

ケッ、ただキシタバか(# ̄З ̄)…と思いつつ、一応採ってやるかと近づいたら、敏感に反応して逃げた。
(#`皿´)クソッ、キシタバ風情が生意気にも逃げやかって。オイちゃん、イラッ(ー。ー#)ときたね。

書いてると何かこのキシタバと云う名前、ウザい。
前回も言ったが、キシタバと云う名前は羽の下が黄色いカトカラの総称としても使われる事が頻繁にあるので、ややこしいのだ。例えば、誰かと採集に行った折りなどは一々「ただキシタバ」とか「普通キシタバ」と言いなおさなければならないケースが多い。これが誠に鬱陶しい。だから最近では「糞キシタバ」と呼んでいる。因みに小太郎くんは「屑キシタバ」って呼んでる。何れにせよ、どこにでもいるから、こないな扱いになる。
んなワケで、以降キシタバのことをその学名である Catocala patala からとって、パタラキシタバと呼ぶことにしよう。ついでに言っとくと、コモンセンスからの「コモンキシタバ」も考えたが、コモンを小紋と取られかねない。オデなんかアホだから、蝶の「コモンタイマイ」のことをずっと「小紋タイマイ」と思ってたもんね。ゆえに却下。

以後、飛んできては逃げ、また飛んできては逃げが三、四度繰り返された。こうなるとハンターの血が🔥燃える。昔からナメられることが死ぬほど嫌いな男なんである。何としてでもシバき倒すと決意した。おどれ、ナメとったらあかんど、Σ( ̄皿 ̄;;シャーき倒したるど、ワレーである。

最後は逃げた瞬間に空中で豪腕の振りでシバキ倒してやった。ワシの鬼神の如き本気の網振りをナメとったらあかんど。おとといきやがれの、ざまあ見さらせである。
その時に採ったものが上の個体である。羽化したてのような新鮮な個体で、まだ前脚がもふもふだったので展翅はその前脚を思いきり出してやった。

以下、今年採って展翅したものを並べよう。

 

 
これも♂である。採集場所は奈良県大和郡山市。下の4つも同じ場所だ。

メスはこんなん⬇

 

 
デブである。だから糞キシタバ、もといパタラキシタバはあまり好きになれない。いつもより展翅写真か少ないのも、邪魔だからコレだけしか採っていないのである。
それにデカくて何処にでもいるからウザい。ウザい上に、樹液に飛来した時などは他のカトカラを蹴散らすから腹が立つ。
この大和郡山の時も小太郎くんが邪魔だと言って、思いきり指でデコピンしてた。フッ飛んだキシタバは地面でひっくり返って、ビビッ、ビビッと痙攣してた。
キシタバ虐待おとこの誕生である。

『アンタ、酷いことすんなあ。糞キシタバとはいえ、それって虐待やでー。』
『大丈夫ですよ、コイツら。そのうち生き返りますよ。クソ邪魔だから、いいっしょ。』

こないだのカバフキシタバの時も、樹液や糖蜜トラップに来た糞キシタバに指でパチキかましまくっとった。
どうした小太郎くん、何かあったのかね❓ キミの心の中の深い闇を見たような気がするよ。
小太郎くんはマジメで優しく、穏やかな青年とばかり思っていたが、彼にも時に邪悪なものが憑依するのだね。
でも許す。確かにカバフ様を蹴散らす糞キシタバは邪魔だ。退治してよろし。

そして、一昨日の大発見の折りも糞キシタバをことごとくデコピンしてた。挙げ句の果てにはコッチに投げてきやがった。小太郎くん、キミの心の闇はそんなにも深いのか…。

『おいおい、キミの心の闇は、どんだけ深いねん❓』
『いやあ、コレって力の入れ加減がケッコー難しいんですよ。でも、下はあらかた屑キシタバいなくなったでしょ。』

そうなのだ、この日はオラが斜面の上にいて、小太郎くんが下にいたのだ。
確かに見ると、幹の下側にはキシタバは一つもいない。
でも、許す。この日は糞キシタバ、もといパタラキシタバがブンブン飛んでて、それに刺激されて他のカトカラも飛び回って中々止まってくれなかった。スゲー、ウザいから、ブチのめしてくれてケッコー。どんどんおやりなさいだった。

そんな小太郎くんだが、今日は来られないらしい。
ならばオイラも、今日は心を鬼にして黄下羽虐待オトコと化してやるか。
 

                 おしまい

 
追伸
もちろん、そんな悪いことはしません。だってオラ、心の闇なんて無いもーん(⌒‐⌒)

おーっと、裏展翅もしたんだった。

 
【裏面】

 
表は黒帯が太くて黄色い領域が狭いけど、裏はかなり黄色い。だから飛んでるとこを下から見ると、たまーにアケビコノハと間違える。いや、アケビコノハをキシタバと間違えると言った方が正しいか(笑)

 

2018′ カトカラ元年 その參

 

『頭の中でデビルマンの歌が流れてる』

     vol.3 キシタバ

 
 
 2018年 7月4日 黄昏。

いつものように階段を登ってたら(註1)、5Fのエレベータ前の壁に結構大型の蛾が止まっていた。
遠目に見て、どうせ糞フクラスズメだろうと思って近づこうとしたら、飛んだ❗えっ(°Д°)、4mは離れてたのにもう飛ぶの❓
メッチャ敏感やんと思った瞬間に灯火の下で明るい黄色が火花のように明滅した。
!Σ( ̄□ ̄;)WAOっ❗
大阪のド真ん中、難波の自宅マンションにカトカラ❗
嘘やん(@_@;)❗❓こんな都会にカトカラとは驚きざます。
急いで部屋に帰って、興奮しながら殺戮道具の注射器とアンモニア、毒瓶と捕虫網を用意した。

戻ったら、カトカラくんは天井にへばりついていた。
写真を撮ろうかとも思ったが、強烈な逆光だし、いつ住人がエレベーターで昇ってくるやもしれぬ。見つかったら、どう考えても挙動不審の怪しいオジサンだ。
瞬時に悟る。ここは刹那の時間との勝負である。
しかし、一見して手を伸ばしても毒瓶では距離的に届かない。となれば、ネットを出すしかあるまい。
(;゜∇゜)マジっすか❓マンションに虫網男。間違いなく異様な光景だわさ(°Д°)
💓もう心臓はバクバク。💓ドキドキのハラハラだよ。半ば震える手でソッコーで網を組み立てて、エレベーターの階数表示に目をやる。大丈夫だ。1Fに止まったまんまだ。昇ってくる気配はない。いや、そんなのワカンナイぞ。油断大敵だ。いつ昇ってくるやもしれぬ。予断は許さない。

🎵だあーれも知らない 知られちゃいけなーい
🎵デビルマンが だぁーれなのかー
🎵何も言えなーい 話ちゃいけなーい
🎵デビルマンが だぁーれなのかー

頭の中でデビルマンの歌が流れている。
何があっても、この姿をマンションの住人に見せるワケにはいかぬ。驚きと蔑みの冷たい目に晒され、恥にまみれるわけにはいかないのだ。
階数表示を横目に見ながら、💥バチコーン、電光石火で下から網を叩きつけた。
ネットイン❗ 網に蛾を入れたまんま素早く反転する。ソルジャーは機敏でなくては戦場で命を落とす。
撤退❗、てったあーい❗心の中で叫ぶ。
ダッシュで塹壕、いや階段の踊り場へと退却。ここなら上の階からも下の階からもブラインドになって見えない筈だ。もしも誰かがエレベータから降りてきたとしても身を隠せる。
💦あたふた、💦あたふた、慌てて毒瓶に放り込んで、ぷぴゅーε=ε=(ノ≧∇≦ ノ 脱兎の如くその場から逃走だべさ。もうバリバリ犯罪者の気分である。
そこには背徳感とスリル、禁忌を冒す悦楽とが入り交じった興奮がある。そう、悪い事をするのはエクスタシーなのだ。人は悪に惹かれるものなのだ。
あっ、べつに悪りい事はしてねえか( ̄▽ ̄)ゞ

部屋に帰ったら、なんだかバカバカしくなってきて、
笑いが込み上げてきた。大の大人がやってる事にしては、あまりにもアホ過ぎる。
でも、久し振りの面白き((o(^∇^)o))ワクワクでありんした。危地にこそ、アドレナリンやエンドルフィンなどの脳内麻薬物質が溢れる。それこそがエクスタシーだ。虫採りにそれが無くなったら、いつでも辞めてやる所存だ。

コヤツがほぼ何者だかはもう解っているけど、毒瓶の中を改めて確認してみる。
大阪のド真ん中ミナミで捕らえたカトカラは、思ったとおりキシタバだった。

その日のうちに展翅したので、大丈夫かと思いきや、ソッコー触角が折れた。矢張りカトカラの触角は細くて長いので、生展翅でもキチッとお湯なり水なりで濡らしてからでないと折れちゃうのね。
下翅も欠けてることだし、まっ、( ̄▽ ̄)ゞいっか…。

 

 
( ̄∇ ̄*)ゞハハハハハ。
上翅がバンザイになってて、我ながら酷い展翅だ。
恥ずかしいかぎりである。思うに去年はまだまだカトカラの展翅のイメージが掴めてなかった。ほぼ蝶の展翅しかしてこなかったから、触角を含む左右上翅の間の空間が空き過ぎるのが何となく嫌だった。それを避けようとして、無意識に必要以上に上翅を上げてしまう傾向があったのだと思われる。

それはそうと、幼虫は何を食ってこんな都会で育ったんじゃ❓ 疑問に思って調べてみたら、食餌植物はフジとコナラみたい。都会には基本的にコナラは無いから、きっとフジだね。近くの公園に藤棚もあるしさ。
どうあれ都会で人間に捕まるなんざー、普通では有り得ない。捕まるパーセンテージは限りなくメッチャメッチャ低い筈だ。つくづく不幸なキシタバくんだよね。合掌。

実を云うとキシタバに出会ったのは、この時が初めてではない。前年の秋に既に会っている。帝王ムラサキシタバに一度くらいは会っておきたいと思ったので、A木にライトトラップに連れていってくれとせがんだのだ。その時に一応は採っている。

とはいえ、人さまのライトトラップにお邪魔して採集したものだ。自身の力ではない。だからカトカラ採りを始めるにあたって、この時のものはカウントしない事にした。だから、vol.3 なのだ。

マンションでキシタバを捕らえてから数日後、矢田丘陵で又もやキシタバに会った。しかも大量の。
樹液の出ている木に行ったら、その周りの樹木の幹にベダベタと止まっていたのだ。数えたら、30近くはいた。この日は午後9時くらいに訪れたから、おそらく1回目の食事を終えて、憩んでいたのだろう。
10時半くらいからまた樹液に集まりだした。これでカトカラの生態の一端が垣間みえてきた。樹液の出ている木の周囲にはカトカラが止まっているケースは多い。採集する時は、樹液に求むターゲットがいなくとも、周囲を探されたし。それで案外採れる。そんな事、図鑑とか文献のどこにも書いてないけど…。

 
樹液ちゅーちゅー( ̄З ̄)、キシタバくん。

 

 
たくさんいると警戒心がゆるまるのか、スマホでも至近距離で写真が撮れる。
この個体は上翅が緑色っぽくて中々美しい。
この日は採ろうと思えば50くらいは採れたけど、4つくらいで飽きた。
後日、別な場所に行っても必ずそこそこの数がいた。ド普通種なんだと納得じゃよ。

しかし黄色系のカトカラの中では世界最大級種なので、国外での評価は高いらしい。
でもなあ…、慣れてくると、あんま魅力ないんだよなあ。どこでもいるから、段々存在がウザくなってきたというのもある。コレクターは普通種をクズみたいな目で見がちなのだ。それを差し引いても魅力をあまり感じない。なぜなら総体的に上翅が美しくないのだ。柄にメリハリが無いし、基本的には地味な茶色のものが多い。また変異幅も少ない。それに何よりデブだ。デブだから蛾感が強まるし、優美さにも欠ける。ようするに、どこか野暮ったいのだ。

 
【学名】
Catocala patala (Felder & Rogenhofer,1874)

おっ、小種名 patala はオラの大好きなチョウ、パタライナズマ(註2)と同じ学名じゃないか。
patala の語源の由来は、最初は小アジアのリュキア地方南西部の地中海沿いにあった古代の港湾・商業都市パタラ(patara)であり、リュキア連邦の首都だとばかり思っていた。しかし、綴りが違うことに気づいた。語尾はraではなく、laなのだ。
で、再度調べなおし。

パーターラ(pātāla)とは、インド神話のプラーナ世界における7つの下界(地底の世界)の総称、またはその一部の名称の事だそうである。
またこの世界はナーガ(Naga)と呼ばれるインドの伝説と神話に登場する上半身が人間の蛇神の棲んでいる世界だともされてるみたいだ。たぶん、語源はこっちだね。キシタバは上翅が緑っぽいのもいるから、案外蛇神さまになぞらえたのかもしれない。

 
【和名】
このキシタバ(黄下翅)という名前は、カトカラの中で下翅が黄色いグループの土台名にもなっているので、おそらくこのグループで最初に和名がつけられた種だと推察される。まあ、基準種みたいなもんだね。
しかし、これがややこしくて、何とかならんもんかなと思う。なぜなら、このキシタバは下翅が黄色いグループの総称としても用いられることも多いからだ。だから、キシタバと書かれたり、言われたりするそれが、はたしてキシタバ(Catocala patala)という種そのものを指すのか、それともキシタバグループ全体(キシタバ類)を指しているのかが解りにくい面が多々あるのだ。
だから、会話では一々「ただキシタバ(ただのキシタバ)」とか「普通キシタバ」などと言わなければならない。
これが誠にもって面倒くさくて、(-_-#)イラッとくる。そのせいか、最近ではクソキシタバと呼んでいる。もういっそのこと、そのクソキシタバとかデブキシタバと呼んだらどうだと思うくらいだ。
まあそれは無理があるにしても、ホント何とかしてほしいよ。その際、下手に凝った名前やメルヘンチックな名前、カッコつけたキラキラネーム、如何にも学者が考えたシャチホコばった名前は何卒よしてもらいたい。
ここはシンプルに学名そのままの「パタラキシタバ」でいいと思う。もしくはド普通種なんだから、「コモンキシタバ」でも構わない。
パタラキシタバかあ…。名前の響きも悪くない。そう聞くと、途端にカッコよく思えてくるから不思議だ。名前は大事だす。

 
【開張(mm)】
69~74㎜。
日本産キシタバグループの最大種。北米大陸を除く旧大陸では、これと肩を並べる大型種はタイワンキシタバ Catocala formosana くらいしかいないようだ。
だから、他のキシタバとの区別は比較的簡単である。とにかくデカいのだ。しかし、たまに矮小個体がいるので、判別方法を一応書いておきますね。
後翅の黒帯はよく発達し太く、外帯の後縁付近で内側に突起し、中央部の黒帯に接する。他のキシタバ類はアミメキシタバとヨシノキシタバを除き、ここが繋がらない。また、アミメキシタバとヨシノキシタバはキシタバと比べて小型で、上翅の柄も違うので容易に判別できる。

 
【分布】
ネットで最もポピュラーなサイトの『みんなで作る日本史蛾類図鑑(www.jpmoth.org)では、本州、四国、九州、対馬、中国、朝鮮、インドとなっていた。
と云うことは学名からすると、原記載はインドかな?
しかし『世界のカトカラ』では北海道南部にも生息すると書かれている。『原色日本産蛾類図鑑(下)』にも北海道は分布域に入っていた。また、『日本のCatocala』でも北海道に分布する旨が書いてある。地球温暖化のせいか、最近は採集記録が増加しており、定着した可能性が高い云々ともあった。
その言葉尻だと、昔は北海道には分布していなかったのかも。にしても、jpmoth の情報って古いって事だよね。もしかしたらワモンキシタバの学名が以前のままになっているのも、そのせいかもなあ。蛾業界の人は、そうゆうこと誰も指摘しないのかなあ…。

 
【成虫出現期】
その www.jpmoth.org では、7月~8月となっている。
『世界のカトカラ』では、6月中旬から出現し、10月下旬まで見られるとある。また、新鮮な個体は7月中旬頃までだが、秋に新鮮な個体が採れることもあるので、あまり盛夏には活動しないのかもしれないと記述されている。
盛夏に活動しないかもしれないかあ…。中部地方以北では、それも有り得るのかもしれないが、少なくとも去年の関西の知見ではそんな兆候は見受けられず、継続していつでも何処にでもいた。今年も果たしてそうなのかは心に留めておこうと思う。
『日本のCatocala』の解説では、長野での羽化時期は7月以降で、10月まで見られ、11月の記録もあるそうだ。因みに、他の論文からの引用で、岡山県では6月下旬から見られるとの付記もある。
またそこには、こういう文章もあった。
「Catocalaの中では出現期は長いが、メスの交尾嚢や翅の新鮮さからみると、9月中旬以降に見られる個体は遅く羽化した個体であることが示唆された。9月から10月まで連日メスを採集して交尾回数と新鮮さを調査したことがあった。10月のメスに比べ、9月上旬に採集した個体の方が汚損していて交尾回数は多かった。」

これは『世界のカトカラ』の秋に新鮮な個体が採れることもあるので、盛夏には活動しない云々に対する答えの一つにはなっていないだろうか❓

今年2019年も含めての自分の感覚としては、6月中旬から姿を見せ、徐々に個体数を増やして7月上、中旬辺りにピークを迎えるといった感じがする。

 
【生態】
樹液にも灯火にも好んで集まるとされる。
自分の経験でも、そのようた。
灯火には結構早い時間帯から集まり、夜遅くまで断続的に飛来する。
樹液には日没後、フシキキシタバやコガタキシタバなんかと比べてやや遅れてやって来ることが多い。また同じ個体が時間を措いて何度も訪れ、驚いて逃げても暫くしたら戻ってくるケースが多い。吸汁時間はわりと長い印象がある。
樹液には日没から夜明け近くまで訪れるが、空が白み始めると一斉に飛び立ち、森の奥へと消えてゆく。その際、近くの樹木に静止するものはいなかった。

『日本のCatocala』に因ると「成虫は日中、頭を下、もしくは上、時に横にして樹幹や暗い岩影、石垣の隙間などに静止している。はっきりした静止時の姿勢はない。着時は上向きに着地し、そのまま静止する。昼間のはっきりした静止姿勢が認められないことは、Catocalaとしてはむしろ異例とみられる。」とある。
たしかに自分が昼間に見た1例は、逆さま向きではなくて左斜め向きに止まっていた。

 
【幼虫の食餌植物】
マメ科 フジ属のフジ。
食樹の樹齢に関係なく付くようだが、古木はあまり好まないらしい。
他にブナ科コナラ属も稀に利用するとされるが、飼育しても育たないケースが結構あるようだ。

 
お粗末ながら、この年のキシタバの展翅を並べて終わりとしよう。

 

 
上が♂で下が♀である。
あっ、これは2017年にA木くんに初めてライトトラップに連れていってもらった時のものだね。
ということは9月に採集したものだね。そのわりには意外と翅が傷んでいない。やはり遅くに羽化するものもいるのだろうか?

それでは、以下2018年のもの。

 
【♂】

 
【♀】

 
いやはや酷い展翅である。
ほぼほぼ形が\(^_^)/バンザイになっとるやないけー。

中ではこれが一番マシかなあ…。

 

 
これも上翅はバンザイだが、バランスはそれほど悪くない。悪魔的な感じがして、これはこれで有りなんじゃないかと云う気がしないでもない。

最後に裏側も載せておこう。

 

 
結構、黄色い。
生態のところで書き忘れたけど、飛翔中でも他の下翅の黄色いカトカラとは区別は割かし容易である。なにしろデカくて黄色い。間違え易いのはクロシオキシタバくらいだろう。あと、カトカラとは違うけど、下からだと一瞬アケビコノハに騙される。

 
【アケビコノハ】

 
表は全然違うけど、裏は一瞬カトカラに見えるのだ。

 
【裏面】
(出典『フォト蔵 monro』)

でも、もっとデカイから違うと気づいて脱力する事、多々ありである。

それはそうと、こうしてキシタバくんを並べてみると、ただデカイだけで面白味の無いカトカラだなあ。
上翅の柄が、とにかく地味。色も汚い。下翅も変化が殆んど綯い。調べてないけど、おそらく日本全国どこでも変わりばえしないじゃないかなあ。亜種レベルに近いものがいるという話も聞かないしね。因みに、これらは全て近畿地方で採集したものである。

もう1つ出てきた。
たぶん9月に山梨に行った時のものだ。

 

 
これは結構いい線いってる。
何でだろう❓ と思ったら、すぐに思い当たった。
そういえばシロシタバの展翅について、とあるトップクラスの甲虫屋さんから上翅を上げ過ぎだという御指摘を戴いた。きっと、そのあとだったからだね。
今にして思えば、有り難き御言葉だった。
秋田さん、感謝してまーす\(^o^)/

一応、今年2019年の最初に展翅したものも、参考までに貼付しておこう。

 

 

 
上が♂で下が♀です。
この辺りが正解かな。

 
                 おしまい

 
《参考文献》
西尾 規孝『日本のCatocala』自費出版
石塚 勝巳『世界のカトカラ』月刊むし社
江崎悌三『原色日本産蛾類図鑑(下)』保育社

 
追伸
 
(註1)いつものように階段を登ってたら
普段は極力9Fの部屋まで階段を登るようにしている。虫採りは体が資本。それを訛らせないためなのさ。体力が維持できてる間は先鋭的虫採りができる。

 
(註2)パタライナズマ
ユータリア(イナズマチョウ属)の中の緑系イナズマである Limbusa亜属の最大種。インドシナ半島北部などに分布する。

 
【Euthalia patala パタライナズマ】
<img src=”http://iga72.xsrv.jp/wp-con(2016.3 タイ)

 
裏面もカッコイイ。

 

 
♀はオオムラサキと遜色ない。

 

 
コチラの個体はラオス産。
こういうの見ると、また会いたくなってくる。
蝶採りに戻ろっかなあ…。